[RG19-2] 内なる国際化(FY2019-2021)

Internal Internationalization Study

主査:小林かおり(椙山女学園大学)

本研究部会は、企業、研究・教育機関、政府・自治体といった産学官のネットワーク、そしてNGOといった市民社会との相互交流や連携を通じ、フィールドワークなどを用いた調査・研究を行うことによって、外国人労働者、教育、医療、コミュニティといった切り口で現代の私たちの日常を取り巻く「内なる国際化」の現象を明らかにし、国際開発学会会員はもとより、市井の人々にもその研究成果を積極的にアウトプットすることを目的とする。

「内なる国際化」における研究課題は、これまでも社会学、人類学、政治学といった学問領域において多文化共生、国際交流・国際協力、国際人権規約などとの関係から活発に議論されてきた。これらの先行研究を踏まえた上で、現在の日本が直面する超少子高齢化による人口構成の急激な変化およびそれに伴う労働環境の変化に注目し、「内なる国際化」にアプローチしていく。特に、2017年9月1日「出入国管理及び難民認定法一部改正」施行、そして2017年11月1日「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」施行以降にみられる、留学生や実習生を含む外国人労働者の現状を多様な視点から把握していくことは、共生をめざした社会に貢献できるテーマの一つである。

本研究部会では、上記の目的を達成するため、定例研究会等において産学官と「内なる国際化」に関する現状やデータの共有を行いながら調査・研究を進めていく。また、出版、講演、シンポジウムといった形で研究成果を発信していく。

関連情報
ニューズレター:活動報告





最終活動報告『内なる国際化』研究部会(2021年11月)

本研究部会は、2021年9月で3年間の活動を終了した。活動後半の1年半は、COVID-19の影響により当初の計画通り実施できない活動もあったが、3年間を振り返ると、学会メンバーの皆様から、多大な支援と協力をいただいた。本研究部会で実施した調査・勉強会を具体的に振り返る。

2019年度は、飲食店およびコンビニで働く外国人留学生に関する調査・勉強会、医療通訳を含む在日外国人の医療に関する調査・勉強会、ベトナムにおける技能実習候補生に関する調査・勉強会を実施した。

2020年度は、日本における難民に関する勉強会、外国人留学生と地域社会に関する調査・勉強会を実施した。

2021年度は、COVID-19の影響で、対面で勉強会や調査を実施することは困難な状況になり、予定していた活動が、十分できたとは言い難いことが反省点である。しかし、上記の調査・勉強会で行なってきた活動を、中途半端に終わらせるのではなく、他の研究会や科学研究費などで実施する研究活動へとつなげる目途を立てることができた。

本研究部会の活動は、研究者だけでなく、企業・地方公共団体・NPO/NGOで活躍する人々と協力関係のネットワークを構築することができたことに大きな意味があった。さまざまな立場の人々と協働することの大切さは、今後の研究活動においても胸に刻んでおきたい。最後に、本研究部会を理解し、支援してくださった皆様に、心より感謝申し上げます。

『内なる国際化』研究部会
代表:小林 かおり(椙山女学園大学)




活動報告『内なる国際化』研究部会(2021年8月)

2021年8月31日で活動を終了する「内なる国際化」研究部会では、2021年8月28日13時より賛同者会員に向けてオンラインの活動報告会を実施する。当日は、これまでの活動報告に加え、研究部会終了後の同テーマの研究および質疑応答の時間を設ける。

活動の半分に当たる1年半がコロナ禍となり当初の予定と変更せざるを得ないこともあったが、前半1年半は有意義な活動を行うことができました。この場をお借りして、国際開発学会の会員の皆様には深くお礼を申し上げます。

『内なる国際化』研究部会
代表:小林 かおり(椙山女学園大学)