[RG24-1] 移住と開発

移住と開発

Migration and Development

代表:加藤 丈太郎(武庫川女子大学)

移住と開発が相互に結びつきを強めている旨をNyberg-Sorensen, N et al. (2002)はThe Migration-Development Nexusという語と共に表す。SDGsにおいても「移住労働者」が具体的に言及されるようになった。

日本社会においても、コロナ禍を契機にJICAやNGOなど国際開発に携わってきた組織が日本国内に暮らす移民を新たに支援する動きが広がっている。

しかし、日本においては移民研究と開発研究はこれまで別個に発展しており、相互の結びつきは弱い。そこで、移民研究者と開発研究者が集い、自由に議論を行うためのプラットフォームとして本研究部会を立ち上げる。移民研究・開発研究の両方からアプローチできるテーマとして、本研究部会は技能実習制度などに着目する。

技能実習制度は「技能、技術又は知識の開発途上国等への移転」を目的としてきた。しかし、同制度は、発展途上国から来日した者にとっては一時的な貯蓄の手段、日本企業においては労働力補充の手段となっているとの批判が移民研究ではなされている。また、日本政府は、技能実習制度に代わる育成就労制度を立ち上げようとしているが、技能実習制度においてどのような「技能」が発展途上国に移転されてきたのかは明らかにされていない。開発研究の知見が求められている。

本研究部会では、移民研究、開発研究それぞれ単独では出てこなかった、移住と開発における新たな視点、分析枠組みを生み出すことが期待できる。また、最終年度には具体的な政策提言も目指す。

研究部会へのお問い合わせ窓口

 

関連情報
ニューズレター:活動報告

 




『移住と開発』研究部会(2024年2月)

移住と開発

Migration and Development

メンバー

代表

加藤 丈太郎(武庫川女子大学)

副代表

  • 生方 史数(岡山大学)
  • 二階堂裕子(ノートルダム清心女子大学)

活動開始から活動終了までの予定

1年目(2023年10月~2024年9月)←今年度

  • 全国大会「ラウンドテーブル」 外国人技能実習制度を通じた技能移転をめぐる課題と可能性:ベトナムにおける社会的ニーズと技能実習生の生活戦略
  • 第1回研究会 日本への移住経験は発展途上国社会にどのような影響を及ぼす(した)のか
  • 第2回研究会 中国から日本への労働移動の教訓を探る

2年目(2024年10月~2025年9月)

  • 第3回研究会 Migration and Development Studiesにおける分析枠組みの検討(1)
  • 第4回研究会 Migration and Development Studiesにおける分析枠組みの検討(2)
  • 第5回研究会 理論と実証データをどのように結びつけるか
  • 春季大会and/or全国大会での発表 Migration and Development Studiesにおける分析枠組みを活かした報告とする

3年目(2025年10月~2026年9月)

  • 第6回研究会 特集企画・政策提言に向けて(1)
  • 第7回研究会 特集企画・政策提言に向けて(2)
  • 第8回研究会 特集企画・政策提言報告会

成果の公表予定

<学会での発表、学会誌での特集企画など>

1年目<今年度>

全国大会においてラウンドテーブルを出す

2年目

春季大会もしくは全国大会で部会メンバーによる発表を行う

3年目

学会誌での特集を企画する、政策提言集をまとめる


女性会員、外国人会員、若手研究者(若手正会員)の活動奨励策

賛同者の半数が女性会員である。外国人会員のうち非日本語話者でも参加できるよう研究会の一部は英語で行うことも検討する。若手正会員に研究会やラウンドテーブルに積極的に参加してもらう。


『移住と開発』研究部会
代表:加藤 丈太郎(武庫川女子大学)




「移住と開発」研究部会・第2回研究会「中国から日本への労働移動の教訓を探る」6月2日開催(会員・一般)

移住と開発に興味のある方たちが集い、議論を行うためのプラットフォームとして、2023年10月より、国際開発学会にて、「移住と開発」研究部会が始動しました。この度、「中国から日本への労働移動の教訓を探る」というテーマで、東京にて第2回研究会を行う運びとなりましたので、ご案内申し上げます。奮ってご参加ください。

開催概要

  • 日時:2024年6月2日(日曜)14:30-16:30(14:15開場)
    *17:00-19:00に会場近郊で懇親会を設定する予定です(参加自由)
  • 方法:ハイブリッド形式(Zoom)
  • 会場:JICA東京(東京都渋谷区西原2-49-5)
  • アクセス:京王新線 幡ヶ谷駅下車(南口出口)徒歩8分(京王線ではなく、京王「新」線ですのでご留意ください)/地下鉄千代田線・小田急線 代々木上原駅下車(北口1出口)徒歩12分
  • 定員:対面は30名(先着順)
  • 対象:国際開発学会会員、テーマに関心のある方(非会員の参加も歓迎します)
  • 参加費:無料
  • 主催:「移住と開発」研究部会

プログラム

2名による報告と参加者全員でのディスカッション

報告「中国から日本への労働移動の教訓を探る」概要

中国から日本への労働移動には長年の蓄積があり、就業形態の中心は技能実習から技人国等に移行し、定住化が進むなど多様化している。ベトナム等からの受入れにも、同様の変化の兆しが見られる。そこで、中国から日本への労働移動の変遷や現状、好事例を収集し、他国からの人材受入れ支援に資する教訓の抽出を試みたい。

なお、諸外国(韓国、ベトナム、フィリピン等)から中国への労働移動についても調べており、中国の受入国としての側面についても併せて紹介したい。

発表者

石丸大輝氏(国際協力機構 東・中央アジア部 東アジア課)
荒木憲氏(アイ・シー・ネット株式会社)

モデレーター

佐藤寛氏(開発社会学舎、ジェトロアジア経済研究所名誉研究員)

スケジュール(予定)

14:40-14:55 JICA(石丸氏)から概要紹介
14:55-15:25 JICA調査実施コンサルタント(荒木氏)から結果報告
15:25-16:20 質疑・意見交換

申し込み方法

下記Google Formより
*5月27日(月曜)正午締め切り

*オンライン(Zoom)で参加お申し込みの方には、開催前日にメールにてZoomのリンクをお送りします。「迷惑メール」フォルダにメールが行く場合があるようですので、合わせてご確認ください。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会「移住と開発」研究部会
加藤丈太郎

  • jotaro33 [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)