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NL35巻2号 [2024.08]

『ジェンダーと開発』研究部会(2024年8月)

『ジェンダーと開発』研究部会

「ジェンダーと開発」研究部会:第2年次の活動報告

「ジェンダーと開発」研究部会は、実務者と研究者が活動報告や情報共有、調査や啓発活動のためのアプローチなどを紹介することにより、ジェンダーと開発を考えるうえでの課題や可能性について検討することを目的に、2022年8月より活動をしてきました。

主な活動は、月例の勉強会の開催及び開発学会大会での企画セッションの開催です。学会誌の特集号作成に向けた準備も始めています。

2年次となる2023年度は、代表として部会を率いてくださってきた田中由美子先生の訃報からのスタートになりました。研究部会としてパネルセッションにおいて、田中先生の追悼パネルを開発学会での業績と共に掲示させていただきました。

さらに、事務局と有志メンバーが、2023年12月23日に開催された「田中由美子さんを偲ぶ会」の実行委員会として関わりました。

また、2023年11月の第34回大会において、研究部会メンバーによる企画セッション「危機への対応とジェンダー―ジェンダー関係はどう危機と関係したか?」を開催しました。

「コロナ禍におけるバングラデシュ女性のマイクロファイナンスの利用」、「農家のリスクと機会への対応におけるジェンダーによる違い~ナイジェリア南西部オグン州を事例として~」、「母子家庭の母親たちの生存戦略―カラーチー市の「路上」で働く「ベンガリー」の女の子の母親たちの語りから―」、「北東シリア自治区の奇跡!?―ジェンダー主流化開発および<女性・平和・安全保障>アジェンダの視点から見たロジャヴァ革命体制(2012~)」について発表後、研究部会メンバーがコメンテーターを務め、企画セッションのテーマである「危機」を、社会的に構築された危機と状況的な危機の視点で4人の報告内容を分析しました。

女性が直面している危機は複合的であり、危機への対応がジェンダー関係にどう影響をあたえ、また既存のジェンダー関係が危機への対応にどう影響したか、相互に見ていく必要性を指摘されました。

その後、フロアも交えて議論をおこないました。この内容について、特集号での発表を準備しています。

初年次から実施している月例の勉強会(第3金曜日にZoom開催)を継続して開催し、メンバーの研究報告を通じて、研究部会の方向性の検討や、ジェンダーに関する課題のアップデートをおこなっています。

月例勉強会の参加者は12~15人程度で、発表者、司会者、記録者を順番に担当し、質疑応答を含めた記録を残しています。毎回1時間半程度ですが、毎月オンラインで集まることで、お互いの研究関心を知り、発表や質疑応答から刺激を受け、活発な月例勉強会となっています。

今年度は、議題によっては公開型で実施をすることで、積極的に学会員や一般への情報共有をおこなっています。2024年7月には招聘講師により「量的調査におけるジェンダー視点の取り入れ方」についての公開研究会を、ハイブリット形式で予定しています。

2024年度の勉強会のテーマ(2年次実績)

  • 10月20日:企画セッション発表者による発表内容の検討
  • 1月19日:ブータンにおける仏教学校の社会包摂
  • 2月16日:トークセッション「ガザについて」
  • 3月15日:タンザニアの混合粥加工女性グループの発展とローカル経済の関わり
  • 4月19日:メディアにおける女性エンパワメントー南スーダンの女性ジャーナリストの事例(公開)
  • 5月17日:バングラデシュにおける社会的連帯経済
  • 6月21日:NGOジェンダー主流化ワーキンググループの活動紹介と連携の可能性(公開)
  • 7月19日:招聘講師による公開研究会「量的調査におけるジェンダー視点の取り入れ方」(予定)

3年次にあたる2025年度には、2023年11月の第34回大会で実施した企画セッション「危機への対応とジェンダー」の議論を深化させ、特集号への掲載を目指しています。

また、2024年11月の第35回国際開発学会において、有志による企画セッションを開催予定です。さらに、第3金曜日にオンラインで開催する月例勉強会も継続する予定です。

招聘講師による公開研究会も、開催する予定です。

ご興味のある方は、事務局までご連絡ください。


『ジェンダーと開発』研究部会
事務局:本間まり子(早稲田大学)

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