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Visible, Inclusive, and Entertaining!

会長挨拶

from the President

第11期・国際開発学会会長就任のご挨拶 国際開発学会会員の皆様、こんにちは。 このたび第11期の会長を拝命しました東京大学東洋文化研究所の佐藤仁と申します。2020年12月からの3年間、どうぞよろしくお願いいたします。 執行部を引き継ぐにあたって、まずは山形辰史会長をはじめとする前執行部の常任理事、理事の皆様のお骨折りに対し、会員を代表して深く御礼いたします。山形会長は社会に働きかけることを特に大事にされ、国益が声高に叫ばれる中で国際協力・国際協調の必要性を訴えてこられました。その精神は私もぜひ引継ぎたいと思っています。

私が会長を務める3年間のスローガンは、 Visible, Inclusive, and Entertainingです。

Visible とは学会が何をやっているのか、会員にはもちろん、社会に積極的に発信することを意味します。Inclusive とは、学会の特徴である多様な会員層、特に実務家会員、留学生会員の知見を活用し、さらに地方や海外の人脈を開拓・包摂することを指します。Entertaining とは「聞きたい、読みたい、参加したい」と思える学会のことで、そのために大会運営、雑誌編集、部会活動、HP発信の方法を工夫していきます。 また、こうした一連の試みを持続的なものにするために、会計と総務を事務局から切り離すなどして事務局の負担を軽減し、将来は誰でも快く事務局長を引き受けていただけるよう、単純業務のアウトソーシングを行います。

Inclusiveの項目で目玉となる活動を3つ紹介いたします。

第一は、これまで培われた国際交流委員会の実績を発展的に展開するために「グローバル連携委員会」を新設し、英文特集号の発行を恒常化するための科研費(国際情報発信強化)申請を行いました。ここには英語発信のプラットフォームを強化するだけでなく、留学生や海外在住の会員をネットワーク化する目的も含まれています。こうした活動は科研費がとれなくても実施していきたいと思っています。

第二は、「研究×実践委員会」の新設です。これまで十分に融合できていなかった実務家会員と研究を主とする会員との協働を活性化させるための能動的な仕掛けをつくっていきます。

第三は、人材育成です。若手部会(旧院生部会)が久しぶりに復活したのはうれしいニュースですが、それにとどまらず院生代表には理事会に陪席してもらい、若手の声が学会運営に反映される仕組みをつくります。同時に、将来の開発学会の担い手を開拓すべく学部生向けの論文コンテストも計画しています。新設された「地方展開委員会」と協働して、地方で開発の勉強をしたいと思っている学生のみなさんを取り込む努力をします。

これら一連の活動の進捗は、HPで随時お知らせできるようにし、また関心のある会員は活動に参加できるような道を開きたいと思っています。2021年の総会(金沢大学大会)ではこうした試みの一部についてご報告できるよう、鋭意準備を進めているところです。

こうして学会の通常活動の見直に着手してみて改めて思うのは、この学会になんら既得権益がなく、まっさらな状態から新執行部を始められるということです。「大ボス」のような人がいて、お伺いをたてる必要もなければ、特定団体との癒着もありません。そうした自由で開かれた環境を作ってこられた歴代の会長、執行部のみなさんに改めて感謝の気持ちがわいてきます。

同時に、3年後には次の体制に気持ちよくバトンを渡すことができるよう、この自由な雰囲気を維持しつつも、私なりの改革を試してみたいと気持ちを新たにしています。 1990年代前半に大学院生として入会し、以来、25年以上、他の学会活動に熱心に参加することもなく開発学会一本でやってきました。

私をどうにか一人前の研究者に育ててくださったのも、この学会の先輩諸氏です。「誰が執行部になっても、変わらないよね」というのが、多くの会員諸氏の実感かと思います。3年後には、「ちょっと面白くなったね」と言っていただけるように、全力で臨み、学会に対して私なりの恩返しをしたいと思います。

何事にも「対価」が求められる現代社会において、無償労働の恩を無償労働でお返しするという世界は貴重です。執行部のみなさんが、それぞれ楽しく仕事ができる、という大前提の下、次の世代が「ぜひ自分も何かやりたい」と思うような組織にしていきたいと思います。

国も人も内向きになりがちといわれるこの世界で、国境や文化、学問分野などの間に横たわる「敷居」を超えていく力がますます求められています。国際開発学会の出番が来たといってよいでしょう。コロナ禍にもかかわらず、春季大会と全国大会が、ほぼ例年通りの参加者数で実施できていることは素晴らしいことでした。オンライン大会の良さを生かすことも大切にしながら、やがては皆様と対面で交流できる日を楽しみにしつつ、会長就任のご挨拶とさせていただきます。

これから3年間、どうぞよろしくお願いいたします。

第11期 国際開発学会
会長・佐藤仁