生活と開発(シリーズ国際開発・第3巻)
佐藤寛・青山温子 編著
- 発行日:2005年9月
- ISBN:978-4-535-55375-0
- 判型:A5判
- ページ数:260ページ
内容紹介
どうすれば開発や援助が途上国の国民ひとりひとりの生活の質を高めることができるか。「現場」に軸足を置いて考える。
目次
序章 生活のなかの開発、開発のなかの生活/佐藤 寛
- 1 ボランティアに行くことになる
- 2 イエメンの紅海沿岸部B村
- 3 B村の開発史
- 4 出稼ぎブーム
- 5 外国援助の本格化
- 6 都市貧困層と援助
- 7 所得向上プロジェクト
- 8 援助プロジェクトの集積効果
- 9 村人の視点:援助プロジェクトの受け止められ方
- 10 赴任するあなた
- 11 待ち受ける人々
- 12 出会い
- 13 国際開発のさざ波
1章 生活と健康/青山温子
- 1 プノンペンのスラム
- 2 健康と病気にかかわる多様な要因
- 3 社会的・文化的要因
- 4 経済的・政治的要因
- 5 保健医療と教育・人材養成
- 6 基本的保健医療へのアクセス確保
- 7 保健医療政策とシステム作り
- 8 世界の保健医療の枠組みと流れ
- 9 基本的人権としての健康
2章 生活と栄養/長谷部幸子
- 1 南アジアの国々でのできごと
- 2 過去50年間の栄養問題とその解決のために取り組まれてきた栄養プログラムの変遷
- 3 日本の栄養問題の変遷
3章 生活と教育/磯野昌子
- 1 ネパールにみられる教育援助の風景
- 2 教育開発・援助の変遷
- 3 生活に回帰する識字教育の試み
- 4 下からの教育システムの構築
4章 子どもの生活と開発:生存と発達のプロセスにおいて/勝間 靖
- 1 生存を脅かされる乳幼児
- 2 子どもの発達を支える生活環境
- 3 思春期の子どもとHIV/エイズ:健康教育の必要性
5章 水と森に支えられた生活と開発:ラオスのある小さな村の30年/松本 悟
- 1 水と森との生活が「開発」と出合うとき
- 2 ナモン村の「開発と生活」の30年
- 3 ナモン村の30年は何を語っているのか
- 4 事例研究の意義付けと援助の社会的影響
- 5 水や森との生活と「あるものを失わせる」開発
6章 「援助を受け止める人々」の生活と開発:あるフィリピン現地NGOの変遷から/佐藤 光
- 1 第1期・現地NGOの誕生
- 2 第2期・事業の拡大
- 3 第3期・転換期
- 4 IPHCの歴史から学ぶこと
7章 農村生活と開発:安定を求め変化に生きる東南アジアの農村から/小國和子
- 1 土地と人が培う多様な農村コミュニティ
- 2 農業開発と農村開発:生産と生活
- 3 農村開発援助と生活実践
- 4 人々の生活観に答えを求めて
8章 生活と調査/西野啓子
- 1 開発援助における調査
- 2 「社会調査」が住民に与える影響
- 3 「社会調査」が地域に与える影響
- 4 生活と調査の議論
- 5 調査を意味のあるものにするために
9章 『生活改善』と開発:戦後日本の経験から/水野正己
- 1 はじめに
- 2 生活改善の実践集落:愛媛県O集落
- 3 むら改造=生活改善の計画
- 4 生活改良普及員の登場:外部者の役割
- 5 エントリーポイントとその後の事業展開
- 6 実施体制
- 7 生活改善の長期的意義と改善型アプローチの特質:むすびにかえて