第24回春季大会セッション報告(プレナリー、ポスター発表)

[PL] プレナリーセッション

[PL-01] 世代間のつながりとサステイナビリティ – 何を引き継ぎ、何を見直し、次世代に何を手渡していくのか

登壇者1

工藤尚悟(国際教養大学国際教養学部グローバルスタディズ領域・准教授)

“Role of Intergenerational Ties in Sustainability: What to Sustain, What to Revise, and What to Pass Across Generations?”

登壇者2

Divine Fuh(Director of Institute of Humanities in Africa, Associate Professor at the Department of Anthropology, University of Cape Town)

“Making New Dances: Sustainability Thinking and the Opportunity for Decolonial Japanese Thought”

登壇者3

千葉加恵子(国際教養大学国際教養学部グローバルコネクティビティ領域・准教授)

“What Should We Sustain? Voices from Local Women”

登壇者4

丸山英樹(上智大学総合グローバル学部総合グローバル学科・教授)

“The Role of Non-formal Education in Enhancing Sustainability”

  • ファシリテーター:近江加奈子(国際基督教大学アーツ・サイエンス研究科博士課程)

セッションサマリー

1987年に持続可能な開発が提唱され、一世代ほどの時間がこの概念を軸とした開発パラダイムとして経過してきている。本セッションは、持続可能な開発概念の中心にある、世代間のつながり(intergenerational ties)に焦点を当て、開催地である秋田の風土、アフリカにおける脱植民地化の動きと日本文化、農村社会における女性の声、そしてノンフォーマル教育の枠組みにおけるサステイナビリティについて、各登壇者より報告があった。

はじめに工藤より、グローバルに語られる持続可能な開発概念において目標とされる項目がローカルの文脈で解釈されるとき、そもそも人と自然の関係性が個別の地域性に依拠しており、そのときに風土という自然感に注意を払う必要があるという問題提起をした。

その上で、先行世代から何を継承し、現行世代において何を見直し、将来世代に何を手渡していくべきなのかについて、専門や拠点とする場所の異なる3名の登壇者より報告をしてもらった。

ケープタウン大学のFuh准教授は、アフリカにおける脱植民地化の議論を日本の文脈に当てはめ、日本文化に固有な表現の中に見出しながら、サステイナビリティを批判的に検討する必要性を主張した。

特にある部族においてあらゆる種類のダンスの模倣が得意だった女性の話を紹介し、その部族において誰も彼女自身のダンスを見たものがいなかったという比喩を用いて、自らの文化に固有な言葉を用いることの重要性を挙げた。

千葉准教授は、秋田の民俗や女性の暮らしに焦点を当てた文化人類学的なフィールドワークを元に、国内地方の農山村において女性の声が如何に文化的に隠されたものとされてきたのかを示した。

伝統的な社会におけるジェンダーロールの再考を論じると同時に、先行世代から現行世代への民俗文化の継承の重要性と困難さを指摘した。

丸山教授は、教育におけるフォーマル・インフォーマル・ノンフォーマルの違いを明確にしつつ、それぞれのフォーマットの教育スタイルがどのようにサステイナビリティに貢献しうるのかについて論じた。そのなかでもノンフォーマル教育の視点からの考察を共有してもらった。

会場からは、異なる専門性を持つ研究者が協働するときに、どのように個々の持つ認識論の違いを乗り越えていくのかや、農村社会において隠された声(hidden voice)とされてしまいがちな女性の意見を拾い上げる仕組みをどのように構築しうるのか、国内大学院に固有な研究室文化における先輩と後輩の間における世代間のつながりについての指摘など、世代間とサステイナビリティに限らず、国内外の文脈を広く捉えた質問が出された。

今大会の開催地である秋田は、人口減少と高齢化が全国で最も早いペースで進んでおり、世代間のつながりを通じた資源や文化の継承が重要な課題となっており、こうしたテーマを、普段は途上国の現場を飛び回る研究者や実践者の方々と議論する機会を当地の秋田で持つことができた意味は大きい。

途上国においても出生率の低下と長寿化の傾向はすでに確認されており、人口減少と高齢化が将来的に国際協力や開発学においても重要なテーマとなると予測される。

こうした国内地方が抱える課題への解決策を見出す手続きのなかで、途上国とつながりながら論点を整理し、双方向に学び合いながら対応を模索していくような、新たな関係性の構築が示唆されるセッションとなった。

報告者:工藤尚悟(国際教養大学)


[P1] ポスター発表

    [P1-01] 国際協力における社会的インパクト評価のあり方検討〜財源基盤のない組織が評価を実践するために〜

    佐藤 夢乃(関西学院大学大学院)

    [P1-02] 自治体ネットワークによる持続的な能力向上と技術の普及をめざす開発協力のマネジメント~「タイ国の自治体ネットワークによるコミュニティベース統合型高齢者ケア普及プロジェクト」の事例整理~

    鈴木 知世(国際教養大学学部生、タイ国の自治体ネットワークによるコミュニティベース統合型高齢者ケアプロジェクトコーディネーター)、山口 佳小里(国立保健医療科学院医療・福祉サービス研究部主任研究官)、沖浦 文彦(東京都市大学都市生活学部教授)

    [P1-03] 怒りと情熱—世界銀行内部に残された知恵—

    玉村 優奈(東京大学)

    [P1-04] ショックを用いる貧困表象の道徳的・政治的悪性に関する一考察:貧困表象への留意のために

    木山幸輔(筑波大学)

    [P1-05] 「愛知用水の久野庄太郎」の地域総合開発思想-愛知用水と愛知海道の関係性に着目して

    柴田 英知(歩く仲間)

    [P1-06] 開発途上国における課題解決能力向上に着目した教育支援に関する研究-ネパール公立学校の中学生を対象として-

    三笘 源(九州大学大学院)

    [P1-07] Exploring Teacher’ s Perception of Play-Based Learning in ECE: A Case Study of Bangladesh

    Kohei UNO(Graduate School of International Cooperation Studies)

    [P1-08] An Analysis of Home-based Discipline on Children’ s Foundational Learning Skills in Malawi

    Chang SUN(Kobe Univ.)

    [P1-09] An Analysis of the Effect of a School Violence on Learning Achievement in Primary Education in Colombia

    Rika SUGIURA(Kobe University)

    [P1-10] An Analysis of Community Participation and Learning Achievement: A Case of Kenyan Primary Education

    Yuka FURUTANI(Kobe University)

    [P1-11] Analysis of Household Educational Expenditure under Free Pre-primary Education Policy in Kenya

    Ayumu YAGI(Graduate School of International Cooperation Studies, Kobe University)

    [P1-12] Analysis of Short-term and Mid-term Association between Early Childhood Education and Academic Achievement in Uganda

    Kaori Uchiyama(Kobe University)

    [P1-13] Influence of School Autonomy on Learning Achievement in Senegal: Multilevel Analyses Using PASEC Surveys

    Yudai ISHII(Kobe University)

    [P1-14] タンザニアの学童の野生食物・食品群摂取と健康―中部・南東部内陸/海岸沿い3村の事例から

    阪本 公美子(宇都宮大学国際学部)、人見 俊輝(宇都宮大学国際学部)

    [P1-15] 里地里山の多面的な評価基準に関する一考察~中山間地で実践される維持・管理の取り組み事例を通じて~

    根岸 宏旭、徳永 達己(拓殖大学)

    [P1-16] 東アジアにおける環境大気モニタリングネットワークの比較評価

    竹内 友規、藤江 幸一、迫田 章義(放送大学)

    [P1-17] ベトナム北部・中部・南部の持続可能なライフスタイルに関する定性調査

    吉田 綾(国立研究開発法人国立環境研究所)


    その他の座長報告




    グローバル連携委員会からのお知らせ(2023年5月)

    グローバル連携委員会では、次の2つの活動を行いました。

    1.学会誌英文号『国際開発研究』31巻3号(2023年2月)の刊行

    本学会の学会誌で、毎年、英文号を刊行することとなり、そのための準備を進めてきました。今回、その最初の号として、『国際開発研究』31巻3号を刊行することができました。

    今後、第3号は英語のみによって編纂されていきます。今回の英文号の立ち上げにあたっては、佐藤仁・会長ならびに島田剛・学会誌編集委員長をはじめ、多くの方のご支援を得て実現することができました。すべての方のお名前を挙げることはできませんが、この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

    また、会員の皆様には、ぜひ積極的に英語論文をご投稿いただくと共に、国内外の(元)留学生や関係者の方々にご投稿を勧めていただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。


    2.英語論文執筆ワークショップ(Writeshop)の開催

    2024年2月刊行予定の『国際開発研究』32号3号の特集論文を国内外の若手研究者の方々に執筆していただくために、タイのチュラロンコン大学との共催で英語論文執筆ワークショップ(Writeshop)を2023年3月27日にバンコクで開催しました。このワークショップで研究発表していただいた論文を中心に、特集を企画する予定です。また、今後も、こうしたワークショップを年に一回開催し、優れた論文の掘り起こしに努めていきたいと考えています。

    【Writeshopの概要】

    テーマ:

    Shifting Practices and Experiences of Development Cooperation in Southeast Asia: Understanding local voice and agency

    共催機関:

    Center for Social Development Studies (CSDS) and M.A. and Ph.D. Program in International Development Studies (MAIDS-GRID), Faculty of Political Science, Chulalongkorn University; Office of International Affairs, Chulalongkorn University; and Japan Society for International Development

    プログラム:

    <Welcome remarks>

    Dr. Bhanubhatra “Kaan” Jittiang
    Assistant Dean for International Affairs and Director of the M.A. and Ph.D. Program in International Development Studies (MAIDS-GRID)

    Dr. Yuto Kitamura
    Graduate School of Education, University of Tokyo (on behalf of JASID)


    <Overview and objectives for WriteShop / Participant self-introduction>

    Dr. Carl Middleton
    Director, Center for Social Development Studies, Faculty of Political Science, Chulalongkorn University


    <Session 1>

    Nguyen Thi Thuy Trang (with Dr. Edward Lahiff)
    “Shifting Practices & Experiences of Development Cooperation in Southeast Asia: Understanding Local Voice and Agency”

    Thol Dina
    “Natures and Conditionalities of Traditional Donors and Its Effects on Project Implementation: Experiences from the World Bank Funded Projects in Cambodia”

    • Discussant: Dr. Jin Sato followed by Q&A

    <Session 2>

    Supitcha Punya
    “Laos after graduation from the Least Developed Country status”

    Tay Zar Myo Win and Ye Min Zaw
    “The politics of International Aid in a post-coup of Myanmar: Norms, powers, and interests”

    • Discussant: Dr. Yuto Kitamura followed by Q&A

    <Session 3>

    Masatoshi Hara
    “A Development Strategic Study on the ODA for Middle-Income Trap in Southeast Asia”

    Josephine Therese Emily G. Teves
    “Governmentality in the Context of a British-funded Activate Bangsamoro 1 Project in the Bangsamoro Autonomous Region in Muslim Mindanao, Philippines”

    • Discussant: Dr. Pattajit Tangsinmunkong followed by Q&A

    <Session 4>

    Thianchai Surimas
    “How the villagers of Baan Boon Ruang think globally and act locally: co-creation of knowledge and Thai Baan Research”

    Hanna Nur Afifah Yogar
    “Designing Fairyland: The Enchantment of “Nusantara” and the Beings’ Disenchantment”

    • Discussant: Dr. Soyeun Kim followed by Q&A

    グローバル連携委員会
    委員長:北村友人(東京大学)




    グローバル連携委員会からのお知らせ(2023年2月)

    国際開発学会(JASID)と韓国国際開発協力学会(KAIDEC)の国際学術交流事業として、JASIDの秋季大会においてJASIDとKAIDECの共同セッション「国際開発協力を促進する新たなアプローチの展望(Prospects for New Approaches to Promote International Development Cooperation)」を2022年12月4日に開催しました。

    なお、このセッションでは英語が使用され、対面とオンラインのハイブリッド形式で実施されました。セッションの概要は、以下の通りです。

    Opening Remarks

    • Dr. Sung Gyu Kim (President of KAIDEC / Asiatic Research Institute, Korea University)
      Digital Transformation and Sustainable Development Cooperation: the Case of Artificial Intelligence
    • Dr. Kyung Ryul Park (KAIST Graduate School of Science and Technology)
      Education and Sustainable Development Cooperation: Japanese experiences
    • Dr. Takayo Ogisu (Faculty of Global Studies, Sophia University)

    Moderator:

    • Dr. Yuto Kitamura (Chair of the Global Engagement Committee, JASID / Graduate School of Education, The University of Tokyo)

    このセッションの詳細については、本ニューズレターの「セッション報告」をご参照ください。

    グローバル連携委員会
    委員長:北村友人(東京大学)




    JICE seminar「クラフト・オブ・アカデミック・ライティング」1月17日~(会員・一般)

    広島大学 IDEC国際連携機構 教育開発国際協力研究センター(CICE)では、1月17日より毎週火曜日4回に渡って「クラフト・オブ・アカデミック・ライティング」をオンラインで開催します。

    CICEでは国際ジャーナル『Journal of International Cooperation in Education (JICE)』*を刊行し、執筆支援を実施しています。本セミナーは、主に非英語圏の研究者が英語でのアカデミック・ライティング、特に英文ジャーナルに採択される論文を出版するためのスキル習得を目的として開催します。

    セミナーの前半では、英文の特徴、英語論文の構造や要素を分析し、後半では、国際共同研究を通した論文執筆の事例を取り上げ、紹介します。主に比較・国際教育学の研究事例を取り上げますが、広く人文社会科学からの参加者を歓迎します。
    *

    開催概要

    • 講演者:坂田のぞみ(広島大学IDEC国際連携機構 教育開発国際協力研究センター 助教)
    • 日程:1月17・24日・31日、2月7日(いずれも火曜)18:00-19:30(日本時間)
    • 場所: オンライン
    • 言語:英語

    参加申込

    以下URLからお願いいたします。

    *締切:1月14日(土曜)先着順

    プログラム

    1. Elements of Good Writing【1月17日(火)】
    2. Writing a Journal Article【1月24日(火)】
    3. Case Study 1: Indicators for the Measurement of Teachers’ Professional Identity across Asia and Africa: A Delphi Study 【1月31日(火)】
    4. Case Study 2: Does Learner-Centred Pedagogy Typify a Dependency Relationship? Stakeholder Interactions and Negotiations during Policy Formation Processes in Ghana【2月7日(火)】

    本件にかんするお問い合わせ先

    広島大学 IDEC国際連携機構教育開発国際協力研究センター(CICE)

    • jice-au [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



    グローバル連携委員会からのお知らせ(2022年11月)

    1.北東アジア開発協力フォーラムの共催

    国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)がコーディネーターとなり、北東アジア4か国(日本、中国、韓国、ロシア)における国際開発関連学会の共催で毎年開いている北東アジア開発協力フォーラムを、2022年8月24・25日に開催しました。

    国際開発学会(JASID)からは、佐藤寛会員(アジア経済研究所)がJASID主催セッションでの基調講演を行い、内海悠二会員(名古屋大学)、劉靖会員(東北大学)、芦田明美会員(名古屋大学)が中国、韓国、ロシアの各主催セッションでコメンテーターとして登壇しました。それぞれのセッションで、今後の国際開発協力のあり方について活発な議論が交わされました。

    北東アジア開発協力フォーラム2022:プログラム
    North-East Asia Development Cooperation Forum 2022

    • Virtual / 24-25 August 2022
    • 9:00 am (Moscow) / 2:00 pm (Beijing) / 3:00 pm (Seoul / Tokyo)

    Organized by

    • ESCAP East and North-East Asia Office,
    • China International Development Research Network (CIDRN),
    • Japan Society for International Development (JASID),
    • Korea Association of International Development and Cooperation (KAIDEC), and
    • Russian Association of International Development Assistance Experts (RAIDAE)

    Concept Note

    Overall theme of the Forum 2022: Agile and risk-informed development cooperation towards achieving the 2030 Agenda for Sustainable Development

    Target participants
    • Members of partner networks (CIDRN, JASID, KAIDEC, RAIDAE)
    • Policymakers, development cooperation agencies, and international organizations
    • Experts, practitioners, stakeholders working on development cooperation from the East and North-East Asia subregion and development cooperation partner countries

    Provisional Programme

    24 August (Wednesday): Day 1

    15:00 – 15:10 Opening
    Mr. Ganbold Baasanjav (Head, ESCAP East and North-East Asia Office)

    15:10 – 16:10 Scene-Setting Session: Highlights of the 2022 Development Cooperation Forum Survey Study
    • Moderator: Ms. Fideles Sadicon (Sustainable Development Officer, ESCAP East and North-East Asia Office)
    • Presentation of the survey study (Financing for Sustainable Development Office, UN DESA) [20 mins]
    • Perspectives from partner networks [10 mins each]
      Dr. Yao Shuai (Associate Research Fellow, Deputy Director of Institute of International Development Cooperation, Chinese Academy of International Trade and Economic Cooperation, Ministry of Commerce)
      Dr. Yuto Kitamura (The University of Tokyo)
      Prof. Youngwan Kim (Sogang University)
    16:10 – 17:10 Session 1: New Cosmopolitanism? North-East Asia’s contribution to Global Public Goods for Development
    • Moderator: Dr. Chuanhong Zhang (Associate Professor/Director of Development Aid Studies at COHD/CIDGA, CAU)
    • Keynote speech/presentation Prof. Xu Xiuli (Dean, CIDGA, CAU) [20 mins]
    • Discussants: [10 mins]
      Prof. Kyung Ryul Park (Korea Advanced Institute of Science and Technology)
      Dr. Yuji Utsumi (Associate Professor, Nagoya University)
      Prof. Evgeniy N. Grachikov (RUDN University)
    • Q&A [10 minutes]

    25 August (Thursday): Day 2

    15:00 – 16:00 Session 2: Implementing Sustainable Development Goals in Korea
    • Moderator: Prof. Heejin Lee (Yonsei University)
    • Keynote speech/presentation Prof. Jooyoung Kwak (Yonsei University) [20
      mins]
    • Discussants: [10 mins each]
      Zhou Taidong (Director, China Center for International Knowledge on Development)
      Dr. Jing Liu (Associate Professor, Tohoku University)
      Mr. Andrey Sakharov (RANEPA)
    • Q&A [10 minutes]
    16:00 – 17:00 Session 3: Exploring a New Discourse for International Cooperation
    • Moderator: Dr. Yuto Kitamura (The University of Tokyo)
    • Keynote speech/presentation (Dr. Kan Hiroshi Sato, Institute of Developing
      Economies) [20 mins]
    • Discussants: [10 mins]
      Dr. Chuanhong Zhang (Associate Professor/Director of Development Aid Studies at COHD/CIDGA, CAU)
      Prof. Kyungyon Moon (Jeonbuk National University)
      Prof. Denis Degterev
    • Q&A [10 minutes]

    17:00 – 18:00 Session 4: Boosting cooperation: How to incorporate academic expertise into the work on the ground

    • Moderator: Prof. Denis Degterev
    • Keynote speech/presentation [20 mins]
    • Discussants: [10 mins]
      Prof. Zheng Yu (Fudan University)
      Dr. Akemi Ashida (Associate Professor, Nagoya University)
      Prof. Hyunjin Choi (Kyunghee University)
    • Q&A [10 minutes]

    2.書籍『ウクライナ危機から考える「戦争」と「教育」』の出版

    グローバル連携委員会が、日本教育学会国際交流委員会ならびに日本比較教育学会国際交流委員会と連携して2022年3月25日に開催した緊急セミナー「ウクライナ情勢を考える――教育学に何ができるか?」での議論をベースにした書籍が、10月5日に刊行されました。

    日本教育学会国際交流委員会編『ウクライナ危機から考える「戦争」と「教育」』(教育開発研究所)という本で、小松太郎会員(上智大学)、小玉重夫氏(東京大学)、澤野由紀子氏(聖心女子大学)、そして私(北村)の4名で、戦争と教育についてさまざまな視点から議論を行いました。

    今後も、情勢の変化を見極めながら、紛争の問題についてグローバル連携委員会としても考えていきたいと思います。

    グローバル連携委員会
    委員長:北村友人(東京大学)




    国際ワークショップ(WriteShop)のご案内と「若手研究者による英語論文の募集」11月18日締切(会員限定)

    グローバル連携委員会では、タイのチュラロンコン大学と連携して、2023年3月27・28日に国際ワークショップ「東南アジアの国際開発協力における変容する実践・経験」をバンコクで開催します。

    このワークショップは、若手研究者による研究交流の場となることを目指しています。テーマに沿った英語の論文(フルペーパー)を書き上げていることが、参加の条件となります。応募多数の場合は、論文要旨(アブストラクト)にもとづく選抜が行われます(アブストラクトの提出締切:2022年11月18日)。

    なお、このワークショップで発表された論文のうち優れた論考については、査読を経たうえで、2024年2月に刊行予定の『国際開発研究』32巻3号(英文号)に特集論文として掲載する予定です。そのため、通常のワークショップではなく「WriteShop」と銘打ち、発表していただく論文を練り上げるために参加者たちで議論することが、このワークショップの重要な目的となっています。

    国際ワークショップならびに応募の詳細については、以下のURLをご参照ください。

    国際ワークショップの概要

    Shifting Practices and Experiences of Development Cooperation in Southeast Asia:
    Understanding local voice and agency

    27th and 28th March 2023,
    Faculty of Political Science, Chulalongkorn University

    Call for abstracts/ papers

    This WriteShop invites abstracts/ full papers from early career researchers in Southeast Asia whose work addresses any of the following themes, or related questions under the overarching topic “Shifting Practices and Experiences of Development Cooperation in Southeast Asia: Understanding local voice and agency”.

    Timeline

    Date

    • 18 November 2022
      Submission of abstract (max 300 words)
    • 2 December 2022
      Selected abstracts announced
    • 3 February 2023
      Submission of draft papers (6000 words)
    • 27-28 March 2023
      WriteShop at Chulalongkorn University, Bangkok
    • 28 April 2023
      Submission of revised full papers for peer review

    For inquiries and submission of abstracts, please contact: Dr. Carl Middleton via email. In your abstract submission, please include your name, affiliation, and current country/ location of residence.


    本件にかんするお問い合わせ先

    国際開発学会・グローバル連携委員会
    委員長:北村友人

    • yuto[at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

    Chulalongkorn University
    Dr. Carl Middleton

    • [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



    グローバル連携委員会からのお知らせ(2022年2月)

    グローバル連携委員会では、2021年12月15日(水曜)に英語論文執筆のためのWriting Workshopをオンラインで開催しました。講師は、グローバル連携委員のマエムラ ユウ オリバー会員(東京大学)が務めました。このワークショップは、とくに若手会員を対象としたものであり、大学院生や若手研究者たちを中心に30名近い参加者があり、熱心に講師とのやりとりを交わしました。

    ワークショップ後のアンケートでは、「ワークショップが役に立ったか」という質問に対して、すべての参加者が「役に立った」(5段階評価の4あるいは5)と回答し、その8割以上が「とても役に立った」(5段階の5)という高評価をしており、非常に満足度の高いものであったことが伺えます。

    自由記述のコメントでも、「もう一度開催して欲しい」という声や「シリーズとして開催して欲しい」といった意見を得ることができました。事前の準備から当日のレクチャーならびに質疑応答に至るまで、多大な時間と労力を割いてくださったマエムラ会員に、この場を借りて改めてお礼申し上げます。

    こうしたワークショップを開催した目的は、若手会員が本学会の紀要ならびに海外の学術誌に英語で積極的に投稿し、国際的な発信を行っていくことを支援するためです。また、すでに総会やニューズレターでお知らせをしているように、2022年度から本学会の紀要において英文誌の定期刊行を始めることを予定しています。

    そうした英語による研究発表の新たな場を設けるにあたり、とくに若手会員を中心に英語による論文執筆のスキルを向上させることが重要であると考え、グローバル連携委員会として企画しました。

    今後も、定期的にこうしたワークショップ等の機会をつくり、若手のみならず多くの会員の方々のスキル向上のお手伝いができるよう、グローバル連携委員会としてさらに取り組みを進めていきます。

    グローバル連携委員会
    委員長:北村友人(東京大学)




    会長からの手紙(2021年11月)

    第11期、最初の1年を振り返って

    国際開発学会の皆様、こんにちは。この間、コロナに関連して様々な経済的、精神的苦境に立たされてきた皆様には心よりお見舞い申し上げます。コロナ禍の中で会長に就任し、いまだに会員の皆さんに対面でご挨拶をさせていただけないことをとても心苦しく思いつつ、Visible, Inclusive, Entertaining の旗印を掲げてどうにか走り出し、あっという間に1年が過ぎました。

    この間、オンラインではあるものの、例年と劣らない規模の参加者を経て、春季大会(文教大学)⇒秋季大会(金沢大学)の開催ができていることは、各実行委員長を中心とする開催校のご尽力もさることながら、発表の場をもとめる会員のエネルギーが落ちていないことを示すもので、大いに励まされます。大会運営関係者の皆様には改めて感謝申し上げます。

    さて、コロナの「お陰」で常任理事会はオンライン会議が活発化し、学会全体の組織・運営に及ぶ議論が例年以上に深められたことは大きな収穫でした。こうした議論の結果として、私が第11期の会長として掲げたスローガンであるVisible, Inclusive, Entertainingに即して、さまざまな取り組みが少しずつ実を結び始めています。時間の関係で、総会の場でそれを逐一ご紹介する時間がありません。そこで、ここ1年間に執行部が行ってきた新たな取り組みのハイライトを一望できるように、このお手紙を書きました。


    Visibilityについては、学会の「顔」であるウェブサイト(と会員管理システム)を全面的にリニューアルしました。会員管理システムについては業者を選定しなおし、 ウェブサイトの更新については学会事務局でタイムリーな更新ができるようWord Pressをつかったシステムを導入しました。申すまでもなく、ウェブサイトは更新の頻度と質によって価値が変わってきます。ようやく基本的な設計ができましたので、ぜひ皆さんからインプットいただき、更新の体制を固めていきたいと思っております。

    また、賞選考委員会主導で、日本学術振興会・育志賞への学会推薦を実施しました。育志賞はあらゆる分野の博士課程の大学院生に与えられる国内で最も栄誉ある賞であり、こうした賞への参加は「国際開発」という分野を世に知らしめる重要な回路となります。

    さらには、学生会員主導のツイッター発信を11月から開始しました。これは長年の課題である理事選挙の投票率を向上させる一環として選挙管理委員会が主導で行う事業ですが、単なる選挙対策を超えて、広く一般社会に対しても学会が何をしているのかをより visible にしていく新しい試みでもあります。社会への発信という点では、今年初めて外務省主催のグローバルフェスタにも出展し、「国際協力におけるキャリア形成」というセッションを設けて、若いみなさんを中心に100名の参加者を得ることができました。

    Inclusive については、若手による開発研究部会(通称:若手部会、旧・院生部会)を新設し、部会の主査には理事会にオブザーバー参加してもらうことで200名以上の学生会員との有機的な連帯を確認するところから始めました。また、学会として5支部、10研究部会の活動を奨励し、地方と執行部の風通しを良くするために各支部長にも理事会にオブザーバー出席してもらうことにしました。若手部会は独自のウェブサイトをつくり、異なる大学に属する学生が交流できる稀有な場として活発に活動しています。

    また、学会として初めて申請した科研(国際情報発信強化)が採択され、5年間で合計1400万円程度の予算をもらえることになりました。この予算を用いて、これまで年間2号だった学会誌に英文特集号を追加します。この特集を組むための国際諮問委員会を編成し、アジア各地でのワークショップと執筆者の開拓を始めます。あわせて、日本国内にいる留学生や英語で論文を書いてみたい日本人のために英語論文執筆チュートリアルを実施し、英文校閲などもサポートして学会の英語発信を一層強化してまいります。

    くわえて、学会のコロナ対応の一環として、経済的な困窮者や学生への会費減免措置を実施しました。同時に、これまでの紙による申請から電子申請へと移行し、入会手続きを簡略化しました。これらの措置も学会をより開かれたものする試みの一環であると考えます。

    Entertaining については、学会誌の魅力を高めるための新たなコンテンツ(座談会)を導入し、来年からはデザインも一新します。学会誌は、学会の学問的な「顔」であり、学会の水準を内外に示す重要な回路でありますが、やはり多くの人に手に取ってもらえるような見栄えとコンテンツが揃っていることは大前提だと思っています。査読論文の応募を奨励して、国際開発分野のゲートキーパーの役割を維持しつつ、書評や討論、実務家による実践報告、座談会など、読み物として楽しめるコンテンツを充実させていきます。

    今年から導入した学部生向けの国際開発論文コンテストは、Inclusiveness に貢献する活動としても位置付けています。初年度は10篇の応募があり、幸い、入賞者の選定も終えました。学部生の開拓は未来の開発研究者・実務者を育てるうえで大切な事業であります。今年はいろいろな意味で「試行」の年となりましたが、来年度にはさらに制度の知名度を上げたいと思っています。


    こうした一連の変革を持続的なものにするためには、事務局が無理なく稼働できる体制が不可欠です。そこで、11期からは事務局業務を事務局と総務委員会に分離し、事務局には次長としてサポートしてくれる非常勤スタッフを配置し、作業の一部をデジタル化することによって、どなたが事務局長を引き受けても仕事が回るような体制にしつつあります。そうはいっても、今年度の事務局、常任理事の皆様には例年以上の業務負荷がかかったことは否定できません。また、このお手紙では触れることができなかった裏方の地味なルーティンワークを粛々と担ってくださっている皆さんには感謝の言葉もありません。

    2021年11月からの任期2年目は、着手済みの変革をさらに定着させつつ、研究と実践の密な関係、地方展開など、ここでご報告できなかった領域に力をいれて、来年はさらによい報告ができるよう努力してまいります。会員の皆様の一層のご支援をお願いする次第です。

    2021年11月
    第11期会長 佐藤仁(東京大学)

    Letter from the President
    Reflecting on the First Year as the 11th President




    グローバル連携委員会からのお知らせ(2021年11月)

    グローバル連携委員会では、下記のとおり、英語による論文執筆のためのワークショップを開催します。このワークショップは、当委員会で来年からの刊行を目指して準備を進めている学会誌・英文号の立ち上げを見据えて、若手学会員の方々が英語で論文を執筆する力を底上げするために企画したものです。

    • 日時:2021年12月15日(水曜)18:00~19:30
    • 講師:マエムラ ユウ オリバー(東京大学大学院工学系研究科講師)

    国際開発分野で研究を行なっている若手研究者に対する、英語による論文執筆のためのワークショップを開催します。このワークショップでは、英語で論文を執筆するにあたって意識すべき諸点や、論文投稿の際に留意すべきことなどについて紹介します。本ワークショップの対象者は、以下のとおりです。

    • 国際開発に関連する研究を行なっている留学生
    • 国際会議での研究発表や国際学術誌での論文掲載を目指している日本人学生
    • 国際開発分野の若手研究者で、英語での論文執筆や書籍出版に関する情報を求めている方

    今回のワークショップに関しては、学会メーリングリストを通した応募をすでに締め切り、多くの方に参加登録をしていただくことができました。今後も、同様のワークショップを定期的に開催していく予定ですので、今回ご参加いただけない若手学会員の方々も、次の機会にご参加いただければと思います。

    グローバル連携委員会
    委員長・北村友人(東京大学)




    【会員限定】大会論文集

    大会論文集

    全国大会

    大会名 開催地
    リンク先は
    大会サイト
    実行委員長 開催年月日 論文集(PDF)

    第34回全国大会

    上智大学 小松太郎 2023年11月11・12日

    PW: Sophia2023JASID

    第33回全国大会

    明治大学
    (ハイブリッド)
    島田剛 2022年12月3・4日

    第32回全国大会

    金沢大学
    (オンライン)
    和田一哉 2021年11月20・21日

    第31回全国大会

    津田塾大学
    (オンライン)
    大野泉 2020年12月5・6日

    第30回全国大会

    東京大学 佐藤安信 2019年11月16・17日

    第29回全国大会

    筑波大学 関根久雄 2018年11月23・24日

    第28回全国大会

    東洋大学 北脇秀敏 2017年11月25・26日

    第27回全国大会

    広島大学 馬場卓也 2016年11月26・27日

    第26回全国大会

    新潟大学 宮田春夫 2015年11月28・29日

    第25回全国大会

    千葉大学
    アジア経済研究所
    石戸光 2014年11月29・30日

    第24回全国大会

    大阪大学 中村安秀 2013年11月30日~12月1日

    第23回全国大会

    神戸大学 駿河輝和 2012年12月1・2日

    第22回全国大会

    名古屋大学 大坪滋 2011年11月26・27日

    第21回全国大会

    早稲田大学 勝間靖 2010年12月4・5日

    第20回全国大会

    立命館アジア太平洋大学 三好皓一 2009年11月21・22日

    第19回全国大会

    広島修道大学 豊田利久 2008年11月22・23日

    第18回全国大会

    沖縄大学 桜井国俊 2007年11月24・25日

    第17回全国大会

    東京大学 吉田恒昭 2006年11月25・26日

    第16回全国大会

    神戸大学 内田康雄 2005年11月26・27日

    第15回全国大会

    JICA国際協力総合研修所 下村恭民 2004年11月27・28日

    第14回全国大会

    日本福祉大学 余語トシヒロ 2003年11月29・30日

    第13回全国大会

    上智大学 佐藤寛 2002年11月30日~12月1日

    第12回全国大会

    広島大学 松岡俊二 2001年12月1・2日

    第11回全国大会

    拓殖大学 安田靖 2000年12月2・3日

    第10回全国大会

    早稲田大学 西川潤 1999年11月27・28日
    第9回・全国大会 龍谷大学 河村能夫 1998年10月24・25日 準備中

    第8回全国大会

    埼玉大学 西野文雄 1997年12月6・7日

    第7回全国大会

    上智大学 浜田寿一 1996年12月7・8日

    第6回全国大会

    広島大学 山下彰一 1995年12月2・3日

    第5回全国大会

    中央大学 斉藤優 1994年12月3・4日
    第4回全国大会 名古屋大学 長峰晴夫 1993年12月4・5日 準備中
    第3回全国大会 成蹊大学 廣野良吉 1992年11月28・29日 準備中
    第2回全国大会 神戸大学 村上敦 1991年11月30日~12月1日 準備中
    第1回全国大会 慶應義塾大学 松本三郎 1990年12月1・2日 準備中
    設立総会 アジア文化会館 大来佐武郎 1990年2月7日開催 準備中
    大会名 開催地 実行委員長 開催年月日 論文集(PDF)

     


    春季大会

    大会名 開催地 実行委員長 開催年月日 論文集(PDF)
    第24回春季大会 国際教養大学
    (一部オンライン)
    工藤尚悟 2023年6月10日
    第23回春季大会 福岡県立大学
    (オンライン)
    佐野麻由子 2022年6月18日
    第22回春季大会 文教大学
    (オンライン)
    林 薫 2021年6月12日
    第21回春季大会 龍谷大学
    (オンライン)
    斎藤文彦 2020年6月27日
    第20回春季大会 陸前高田
    グローバルキャンパス
    岩渕明 2019年6月15日
    第19回春季大会 聖心女子大学 大橋正明 2018年6月2日
    第18回春季大会 関西学院大学 村田俊一 2017年6月3日
    第17回春季大会 立命館大学 黒川清登 2016年6月11日
    第16回春季大会 法政大学 藤倉良 2015年6月7日
    第15回春季大会 同志社大学 小山田英治 2014年6月21日
    第14回春季大会 宇都宮大学 重田康博 2013年6月8日
    第13回春季大会 横浜国立大学 池田龍彦 2012年6月2日
    第12回春季大会 埼玉大学 高橋基樹 2011年6月4日
    第11回春季大会 北海道大学 大崎満 2010年6月5日
    第10回・春季大会 日本大学 水野正巳 2009年6月6日 準備中
    第9回春季大会 東京工業大学 大即信明 2008年6月7日
    第8回春季大会 東洋大学 北脇秀敏 2007年6月9日
    第7回春季大会 山口大学 松井範惇 2006年6月10・11日
    第6回春季大会 文教大学 中村恭一 2005年6月11日
    第5回春季大会 北九州国際会議場 井村秀文 2004年7月3日
    第4回春季大会 国際協力銀行 丹呉圭一 2003年6月27日
    第3回特別研究集会 名古屋大学 江崎光男 2002年6月29日
    第2回特別研究集会 JICA国際協力総合研修所 加藤圭一 2001年6月13日
    第1回特別研究集会 アジア経済研究所 尾村敬二 2000年6月10日
    大会名 開催地 実行委員長 開催年月日 論文集(PDF)