社会共創委員会からのお知らせ(2024年2月)

2024年度より、以下の3委員会を統合し、新たに「社会共創委員会」を設置することとなった。

統合前の各委員会の昨年度の活動報告は以下のとおり。

2023年度活動報告

社会連携委員会(委員長:川口純)

  1. 市民社会との連携企画:「開発協力大綱の改定とその主要論点ー市民社会の主張とはどのようなものか?」を開催した。国際協力系NGO のスタッフ4名が登壇し、前回の改定時のふりかえり、今回の改定にあたって開発協力の理念や実施原則等について議論を実施した。
  2. グローバルフェスタにおいて「国際開発キャリアセミナー」を開催した。佐藤会長、大橋委員、荻巣会員がご登壇し、多数の若手参加者を得た。院生の参加者が主であり、闊達な質疑応答がなされた。

研究×実践委員会(委員長:小林誉明)

第34 回全国大会にて委員会主催(共催も含む)のラウンドテーブルを三つ企画しました。それぞれのセッションは委員会のメンバーがイニシアティブをとり、学会内外からリソースパーソンを巻き込んで企画を進めているものとなります。

1.「ソーシャルビジネスにおける研究の貢献可能性:インドの離島エリアにおけるe-Health ビジネスの事例から」
登壇者:狩野剛、功能聡子、岡崎善朗、佐藤峰、内藤智之

2.「国際開発(学)の「埋葬」と「再生」―世代を超えた、グローバルなサステナビリティの確保を射程に入れて―」(地方展開委員会との共催)
登壇者:佐藤峰、小林誉明、木全洋一郎、梶英樹

3.「大国間競争の時代にODA で「普遍的価値」を促進することの意味を問う」
登壇者:志賀裕朗、福岡杏里紗、荒井真紀子、小林誉明

地方展開委員会(委員長:佐野麻由子)

  • 2023 年6 月10 日の第24 回春季大会(国際教養大学)で「地方展開委員会RT 地方からみた『内なる国際化』と協働の可能性」を主催、参加者と内なる国際化を中長期的、短期的どのように位置づけるのか、移民社会にむけて検討すべき課題は何かについて意見交換を行った。
  • 国際開発学会出前講座の今後の運営について考えるために登録して下さった会員にアンケートを実施、今後の在り方について検討した。

国際開発学会第12期:委員会の構成および幹事の委嘱

共同委員長

  • 木全洋一郎(JICA)
  • 工藤尚悟(国際教養大学)
  • 杉田映理(大阪大学)

委員

  • 坂上勝基(神戸大学)
  • 佐藤 寛(開発社会学舎)
  • 藤山真由美(NTC インターナショナル)

幹事

  • 梶 英樹(高知大学)
  • 河野敬子(ECFA)
  • 小林誉明(横浜国立大学)

2024年度活動計画

◆設置目的

日本・先進国を含めたグローバルな観点から時代に合った国際開発学の再定義、学会から日本社会への貢献、新たな学会・パートナーの獲得のため、国際開発学会の内外の多様な団体・個人と連携した事業の企画・形成をし、広く学会員に呼び掛けてその実施展開を先導・調整・支援する。

◆活動計画

以下の3 つの柱において、具体的な企画を検討していく。

(1)連携・協働

  • 地方、企業・団体、他学会との共同セミナー・研究プロジェクトを実施
  • 海外の学会・団体、国際機関との連携 ※グローバル連携委員会との連携

(2)発信

  • 学部生、高校生等若者向け発信 ※人材育成委員会との連携
  • 各種イベント(グローバルフェスタ等)での発信

(3)支援・協働

  • 地方大会におけるプレナリーやエクスカーションプログラム

社会共創委員会・共同委員長:
木全洋一郎(JICA)
工藤尚悟(国際教養大学)
杉田映理(大阪大学)




社会連携委員会からのお知らせ(2023年11月)

2023年10月1日(日曜)にグローバルフェスタにて「国際開発キャリアセミナー」を開催しました。

本事業は今年で3年目になりますが、毎年、若手の方を対象に本学会の会員が自身のキャリアについて経験をお話し、その後、質疑応答を行う形式で実施しています。今年は佐藤仁会長、本委員会の委員でもある大橋正明会員、上智大学の荻巣崇世会員にご登壇頂きました。

質疑応答では「なぜ開発の世界に入ったのか」、「実務と研究の関係性について」、「ワークライフバランスの取り方」等について質問が出され、お3人に率直なところをお答え頂きました。

オンラインで時間も限られていましたので、1往復のやり取りだけになってしまいましたが、本来はもっとじっくりとお酒でも飲みながら聞きたい内容でした。今後のご参考にして頂けますと幸いです。本事業は3年件で11名の方にご登壇頂きました。改めて全ての登壇者、参加者の皆様に御礼申し上げます。

また、この3年間で本委員会主催のシンポやセミナーに多くの方にご参加頂き、充実した委員会活動をして頂きました。ご尽力頂きました委員を初め、関係各位にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。本当にどうも有難うございました。

 

社会連携委員会
委員長:川口純(筑波大学)




社会連携委員会「国際開発キャリアセミナー」10月1日開催(会員・一般)

社会連携委員会より「国際開発キャリアセミナー」のお報せです。
グローバルフェスタ2023のサブステージで本学会主催の企画を開催致します。

開催概要

  • 日時:2023年10月1日(日曜)15:00~15:45
  • 方法:オンライン
  • 申し込み:不要
  • 参加費:無料

登壇者

  1. 佐藤仁会長(東京大学)
  2. 大橋正明会員(社会連携委員、聖心女子大学)
  3. 荻巣崇世会員(上智大学)

参加方法

オンライン(URLはグローバルフェスタHPに掲載予定)
#stage-program

*何方でもお気軽にご参加頂けますので、是非、ゼミの学生さんなどに参加を勧奨下さいませ。冒頭、3名の登壇者からご自身の国際開発キャリアについてプライベートな部分も含めて面白いお話を頂き、その後、参加者の皆様から質問を頂き、質疑応答を実施致します。


本件にかんするお問い合わせ先

社会連携委員会
川口 純

  • kawaguchi [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



社会連携委員会からのお知らせ(2023年8月)

本委員会では、今年もグローバルフェスタJAPAN2023において、国際協力キャリアセミナーを開催する予定です。

日時は2023年9月30日(土曜)、もしくは10月1日(日曜)です。

オンラインにて国際協力の実務や研究に携わってきた方々からご自身のキャリアについてお話を伺い、質疑応答を実施します。

詳細は決定次第、追ってご連絡します。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

社会連携委員会
委員長:川口純(筑波大学)




会長からの手紙(2023年2月)

第11期の2年目を振り返って

国際開発学会の皆様、こんにちは。今年も、昨年度と同じように学会活動の1年間を振り返ったハイライトをみなさんにお届けします。これは、各委員会の活動報告を行う総会にご参加いただけなかった会員のみなさんに対して、学会活動の要点をお知らせするものです。

昨年度の活動としてまずお伝えしたいのは、ロシアのウクライナ侵攻に対して学会として声明を発出し、日本と英語でHPに掲載したことです。学会として政治的な声明を出すことについては理事会の中でも賛否がございましたが、多くの皆様の賛同を得ることができたこと、そして何よりも、学会として世界のアクチュアルな問題への対応方法を常任理事の間で議論できたことが大きな収穫だったと思っています。今後も世界が難しい局面に入るごとに、学会としてどのように立ち居振る舞いをすべきなのか、議論してまいりたいと思います。


さて、第11期はvisible, inclusive, entertaining の旗印を掲げて、2年目を無事に終えることができました。総会を明治大学にて対面で実施できたことは何よりうれしいことでしたし、400名以上の参加登録があったことは、みなさんがこの大会を待ち望んでいたことの表れでもあると思います。発表の合間に廊下やホールで見かけたおしゃべりの環、学会賞受賞者のスピーチやそのあとの写真撮影と談笑、旧友との思いがけない再会など、対面開催ならではの偶発的な喜びに満ちた大会でした。実行委員長の島田剛先生とスタッフの皆様に改めて御礼申し上げます。

執行部の今年度の活動は、着手した活動をしっかりと定着させ、安定軌道に乗せることに力点をおきました。いくつか特筆すべき活動をあげるとすると、次のようなものがあります。

まず、Visibleについては、選挙管理委員会のイニシアチブにより、学生会員の主導によってYouTubeやツイッターの発信を実施しました。また、人材育成委員会では継続的に(学部生向け)論文コンテストを実施し、前年度より多くの10篇の応募をいただき、その中から3篇を学会誌に掲載しました。学部生の開拓は未来の開発研究者・実務者を育てるうえで大切な事業であります。

学会賞の方も、応募数が昨年度5件から、今年度13件と激増し、良質の作品を審査して3点に賞が出せたことは大きな成果でありました。社会連携委員会では、今年も外務省主催のグローバルフェスタにも出展し、「国際協力におけるキャリア形成」というセッションを設けて、若いみなさんを中心に100名の参加者を得ることができました。HPやメーリスを中心とする広報委員会の業務は、visibleであり続けるために重要な役割を果たしています。たとえば10月1ヶ月間のサイト全体のページ表示回数は約50,000回に上りました。

Inclusive については、まず地方展開委員会の活動をあげなくてはなりません。地方展開委員会では、2021年の全国大会、2022年の春季大会でラウンドテーブルセッション 「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ」 「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ(実践編)」 を企画し、 福岡、高知、岡山、岩手、秋田に拠点をおく学会員、地域づくりという関心を同じくする非学会員とのネットワーク構築に貢献しました。この委員会が縁となり、2022年春の福岡大会に続き、2023年春の秋田大会へと地方での学会開催の輪を広げることができました。

また、科研費(国際情報発信強化)を用いた特集号の編集体制の確立、原稿集め、査読、そして次号に向けた国際ワークショップ(@チュラロンコン大学)の段取りができたのも大きな成果でした。この科研費を利用した外国人会員のさらなる開拓、日本留学帰国組とのネットワーク化など、inclusive の範囲を海外に展開していきたいと考えています。

また、様々な障害をおもちの会員にできるだけ大会に参加してもらえるよう、ニーズの把握を務めたのもの今年の活動でした。次年度は、合理的な配慮に関するタスクフォースを設けて、アドホックではない配慮のあり方について議論し、その成果を実施したいと考えています。

最後にEntertaining については、引き続き学会誌の魅力を高めるための新たなデザインの検討を行いました。特に、次年度は英文特集号が加わる節目の年でもあります。表紙のデザインは会員の皆様に参加型で投票していただきました。3月には新しい表紙での最初の雑誌をお届けできると思います。どうかお楽しみに。


このほかにご報告すべき活動として、研究×実践委員会では2021年全国大会において、JICAが新たに推進しようとしている「クラスター・アプローチ」に対して研究者や委員会メンバーが意見を述べるラウンドテーブルを開催しました。この試みはJICA側からの評価も高く、その後2022年4月まで4回に渡って意見交換会を継続しました。こうした実務者と研究者との成熟した関係が構築できるようになったのは、両者が相まみえる「場」を本学会が長年提供し続けてきたことの帰結といえましょう。

こうした一連の事業を持続的なものにするためには、事務局が無理なく稼働できる体制が不可欠です。大会運営における特別ソフト confit の導入は、こうした省力化の努力の一環です。これらの着実な前進の背景には、多くの invisible な努力があります。各委員会の委員長や委員の皆さんはもちろんですが、事務局や広報委員会のスタッフは日常的な裏方として日々の業務をこなしてくれています。本当にありがとうございます。

明治大会でのプレナリーでは「グローバル危機にどう向き合うか―国際開発学の役割」と題して充実した議論を行いましたが、「危機と方向感覚」と題した私の講演に対する反応として、私の尊敬するあるシニアの会員から加藤周一の次のような引用が励ましの言葉と共に送られてきました。これは、加藤が1946年の雑誌『世代』(1946年3月号)に書いたエッセイの一部で、つい昨日まで好戦的だった日本の青年が良心の呵責もなく平和主義者に変わってしまうという日本青年の現状について書いている部分です。

「かなりの本を読み、相当洗練された感覚と論理を持ちながら、凡そ重大な歴史的社会的現象に対して新聞記事を繰り返す以外一片の批判もなしえない」

『世代』(1946年3月号)

論文を書くことは重要ですが、現実世界とのつながりに基づく方向感覚を失いたくないものです。学会は学問成果を取り交わすとこであると同時に、自分たちがどこに向かっているのかを確認する羅針盤のような機能を果たさなくてはいけないのかもしれません。引き続き、会員諸氏の叱咤激励をお願いする次第です。


第11期の最後となる2022年11月からの1年は、着手済みの変革をさらに開花させ、最終年にはさらによい報告ができるよう努力してまいります。会員の皆様の一層のご支援をお願いする次第です。

2023年1月
第11期会長 佐藤仁(東京大学)

Letter from the President
Reflecting on the Second Year as the 11th President




社会連携委員会からのお知らせ(2022年11月)

活動報告

昨年度に引き続き、グローバルフェスタにて国際開発のキャリアセミナーを開催しました。10月2日(日曜)にオンラインで開催されました。佐藤仁会長の開会のお言葉に続いて、3名の会員に各自のご経験を基に若手中心の参加者にご助言を頂きました。

  • 弓削昭子会員(国連でのご経験)
  • 志賀裕朗会員(JICAでのご経験)
  • 黒田かをり会員(市民社会でのご経験)

発表の後にはフロアから多数の質問を頂き、盛会の内に終了しました。時間の関係で全ての質問にはお答え出来ませんでしたが、国際開発のキャリアを形成していく上で、「若い内にしておくべきことは何か?」、「一番、大事にしていることは?」といった若手ならではの質問から「仕事上、+αを出していくためには、何が必要なのか?」というような若手に限らない質問も出て闊達な応答が行われました。

社会連携委員会
委員長:川口純(筑波大学)




参加募集:グローバルフェスタ2022『国際協力キャリア―セミナー』 10月2日開催(会員・一般)

このたび社会連携委員会は、グローバルフェスタJAPAN2022内で「国際開発キャリアセミナー」を開催します。若手の方向けですので、ご担当の学生さんなどに参加をご推奨頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願い致します。

開催概要

  • 日時:2022年10月2日(日曜)10:30~11:30
  • 会場:オンライン(URLは当日、下記のH.P内で公表されます。)    
  • 申し込み:不要

プログラム

  • 開会挨拶:佐藤仁会長
  • 先輩の声を聞こう!
    1.弓削昭子会員(国連でのご経験)
    2.志賀裕朗会員(JICAでのご経験)
    3.黒田かをり会員(市民社会でのご経験)
  • 質疑応答

本件にかんす20221002

国際開発学会・社会連携委員会
担当:川口

  • kawaguchi [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



会長からの手紙(2021年11月)

第11期、最初の1年を振り返って

国際開発学会の皆様、こんにちは。この間、コロナに関連して様々な経済的、精神的苦境に立たされてきた皆様には心よりお見舞い申し上げます。コロナ禍の中で会長に就任し、いまだに会員の皆さんに対面でご挨拶をさせていただけないことをとても心苦しく思いつつ、Visible, Inclusive, Entertaining の旗印を掲げてどうにか走り出し、あっという間に1年が過ぎました。

この間、オンラインではあるものの、例年と劣らない規模の参加者を経て、春季大会(文教大学)⇒秋季大会(金沢大学)の開催ができていることは、各実行委員長を中心とする開催校のご尽力もさることながら、発表の場をもとめる会員のエネルギーが落ちていないことを示すもので、大いに励まされます。大会運営関係者の皆様には改めて感謝申し上げます。

さて、コロナの「お陰」で常任理事会はオンライン会議が活発化し、学会全体の組織・運営に及ぶ議論が例年以上に深められたことは大きな収穫でした。こうした議論の結果として、私が第11期の会長として掲げたスローガンであるVisible, Inclusive, Entertainingに即して、さまざまな取り組みが少しずつ実を結び始めています。時間の関係で、総会の場でそれを逐一ご紹介する時間がありません。そこで、ここ1年間に執行部が行ってきた新たな取り組みのハイライトを一望できるように、このお手紙を書きました。


Visibilityについては、学会の「顔」であるウェブサイト(と会員管理システム)を全面的にリニューアルしました。会員管理システムについては業者を選定しなおし、 ウェブサイトの更新については学会事務局でタイムリーな更新ができるようWord Pressをつかったシステムを導入しました。申すまでもなく、ウェブサイトは更新の頻度と質によって価値が変わってきます。ようやく基本的な設計ができましたので、ぜひ皆さんからインプットいただき、更新の体制を固めていきたいと思っております。

また、賞選考委員会主導で、日本学術振興会・育志賞への学会推薦を実施しました。育志賞はあらゆる分野の博士課程の大学院生に与えられる国内で最も栄誉ある賞であり、こうした賞への参加は「国際開発」という分野を世に知らしめる重要な回路となります。

さらには、学生会員主導のツイッター発信を11月から開始しました。これは長年の課題である理事選挙の投票率を向上させる一環として選挙管理委員会が主導で行う事業ですが、単なる選挙対策を超えて、広く一般社会に対しても学会が何をしているのかをより visible にしていく新しい試みでもあります。社会への発信という点では、今年初めて外務省主催のグローバルフェスタにも出展し、「国際協力におけるキャリア形成」というセッションを設けて、若いみなさんを中心に100名の参加者を得ることができました。

Inclusive については、若手による開発研究部会(通称:若手部会、旧・院生部会)を新設し、部会の主査には理事会にオブザーバー参加してもらうことで200名以上の学生会員との有機的な連帯を確認するところから始めました。また、学会として5支部、10研究部会の活動を奨励し、地方と執行部の風通しを良くするために各支部長にも理事会にオブザーバー出席してもらうことにしました。若手部会は独自のウェブサイトをつくり、異なる大学に属する学生が交流できる稀有な場として活発に活動しています。

また、学会として初めて申請した科研(国際情報発信強化)が採択され、5年間で合計1400万円程度の予算をもらえることになりました。この予算を用いて、これまで年間2号だった学会誌に英文特集号を追加します。この特集を組むための国際諮問委員会を編成し、アジア各地でのワークショップと執筆者の開拓を始めます。あわせて、日本国内にいる留学生や英語で論文を書いてみたい日本人のために英語論文執筆チュートリアルを実施し、英文校閲などもサポートして学会の英語発信を一層強化してまいります。

くわえて、学会のコロナ対応の一環として、経済的な困窮者や学生への会費減免措置を実施しました。同時に、これまでの紙による申請から電子申請へと移行し、入会手続きを簡略化しました。これらの措置も学会をより開かれたものする試みの一環であると考えます。

Entertaining については、学会誌の魅力を高めるための新たなコンテンツ(座談会)を導入し、来年からはデザインも一新します。学会誌は、学会の学問的な「顔」であり、学会の水準を内外に示す重要な回路でありますが、やはり多くの人に手に取ってもらえるような見栄えとコンテンツが揃っていることは大前提だと思っています。査読論文の応募を奨励して、国際開発分野のゲートキーパーの役割を維持しつつ、書評や討論、実務家による実践報告、座談会など、読み物として楽しめるコンテンツを充実させていきます。

今年から導入した学部生向けの国際開発論文コンテストは、Inclusiveness に貢献する活動としても位置付けています。初年度は10篇の応募があり、幸い、入賞者の選定も終えました。学部生の開拓は未来の開発研究者・実務者を育てるうえで大切な事業であります。今年はいろいろな意味で「試行」の年となりましたが、来年度にはさらに制度の知名度を上げたいと思っています。


こうした一連の変革を持続的なものにするためには、事務局が無理なく稼働できる体制が不可欠です。そこで、11期からは事務局業務を事務局と総務委員会に分離し、事務局には次長としてサポートしてくれる非常勤スタッフを配置し、作業の一部をデジタル化することによって、どなたが事務局長を引き受けても仕事が回るような体制にしつつあります。そうはいっても、今年度の事務局、常任理事の皆様には例年以上の業務負荷がかかったことは否定できません。また、このお手紙では触れることができなかった裏方の地味なルーティンワークを粛々と担ってくださっている皆さんには感謝の言葉もありません。

2021年11月からの任期2年目は、着手済みの変革をさらに定着させつつ、研究と実践の密な関係、地方展開など、ここでご報告できなかった領域に力をいれて、来年はさらによい報告ができるよう努力してまいります。会員の皆様の一層のご支援をお願いする次第です。

2021年11月
第11期会長 佐藤仁(東京大学)

Letter from the President
Reflecting on the First Year as the 11th President




社会連携委員会からのお知らせ(2021年11月)

今期、本委員会では下記の2点の活動を実施しました。

1.「学術研究者による非研究者へのナレッジ共有プロジェクト」

  • 第1回:8月26日(木曜)20:00~21:00 佐柳信男先生「アメとムチとモチベーション」
  • 第2回:9月30日(木曜)20:00~21:00 山形辰史先生「リープフロッグの経済学」
  • 第3回:11月4日(木曜)20:00~21:00 狩野剛先生「開発途上国における教育継続への試行錯誤」

本企画は公開事業として、会員のみならず、多くの非会員にも参加頂きました。各回、120~150名のお申込みを頂き、80~100名程の参加者がございました。講師の先生に基調講演を頂き、質疑応答を実施しました。どちらの回も非常に盛況の内に終了しましたので、今後も継続して開催する予定です。多くの会員の皆様のご参加をお待ちしています。

2. グローバルフェスタへの参加、企画の実施

10月9日(土曜)にオンライン上で「国際協力キャリア形成セミナー」を開催しました。登壇者は国連機関、NGO、民間企業で勤務経験を豊富に有する4名の会員(木全洋一郎(JICA)、西野桂子(関西学院大学)、小川啓一(神戸大学)、真鍋希代嗣(元マッキンゼー))に依頼しました。

参加者は学生を中心に100名程でした。45分という短い時間の制約があり、質疑応答に十分に応えられなかったという課題は残しましたが、盛会となりました。また後日、学会に関する問い合わせや追加質問等も本委員会に寄せられました。


今後の活動計画は下記の通りです。

1.「日本の地域ネットワーク団体によるSDGsの取組」

日本の地域団体が取り組むSDGs活動について報告頂き、参加者で地域が実施するSDGsの意義と今後の課題について議論を深めます。

日時:12月12日(日曜)13:00~15:00 

  • 北海道:北海道メジャーグループ・プロジェクト
  • 東京都調布市:調布ローカル指標づくりプロジェクト「地域目線のSDGs」
  • 東京都狛江市:狛江市総合基本計画 富山県黒部市 黒部市地域福祉活動計画
  • 静岡県静岡市:静岡のローカル指標づくりプロジェクト「まぁるいしずおか」
  • 関西地区:KANSAI-SDGs市民アジェンダ
  • 富山県:ローカルSDGs課題をあぶり出し周知・共有するための冊子作成
  • 岡山県:令和時代の岡山宣言

2.学会大会時の企画

学会大会の際に、民間企業のブース展示を企画しています。詳細は今後のコロナの状況次第ですが、対面での懇親会の機会などを活用して、各企業(開発コンサルタントやNGO等)の活動紹介ブースなどを設ける予定です。会員のネットワーキングに寄与するとともに、学生会員の皆様を中心に若手のキャリア形成にも貢献出来ればと考えています。

社会連携委員会
委員長・川口純(筑波大学)




【会員限定】常任理事会議事録(第219・220回)

第219回常任理事会

  • 日時:2021年8月17日~8月25日
  • 方法:メールによる開催

審議事項

17名の新規入会者が承認された。

報告事項

5名の退会者が報告された。


第220回常任理事会(その1)

※第220回常任理事会は議事多数につき、2日に分けて開催された

  • 日時:2021年9月19日(日曜) 10時00分~12時40分 
  • 方法:オンライン
  • 出席者(敬称略):佐藤、高田、島田、杉田、三重野、松本、池上、志賀、紺野

審議事項

  1. 国際開発論文コンテストについて:
    人材育成委員会の松本委員長より、コンテストの応募及び審査の状況について説明があった。国際開発学会を支える将来の有望な「戦力」を取り込んでいくという観点から、受賞者と様々な形態で関与を継続していくことが重要ではないかとの指摘がなされた。
  2. 選挙管理委員会幹事の企画内容について:
    選挙管理委員会の杉田委員長より、学会選挙を学会員により身近なものとして感じてもらうことを目的とした、選挙管理委員会幹事の企画内容について報告があった。様々な媒体(SNS等)を活用した学会活動内容の発信については、効果を途中で適宜検証しながら進めていく必要があるとの指摘がなされた。
  3. 地方支部・研究部会の設置申請について:
    総務委員会の池上委員長より、2022年度の地方支部および研究部会の設置申請状況について報告があり、当時時点で申請がなされていた支部・部会の設置が承認された。
  4. 入会希望者および退会処分者について:
    志賀事務局長より、20名の入会希望者が紹介され、承認された。また、3年会費未納を理由とする退会処分者56名の提案がなされ、承認された(併せて18名の希望退会者が報告された)。

報告事項

  1. 学会ウェブサイト等の運用状況について:
    広報委員会の高田委員長より、今年に全面リニューアルを行った学会ウェブサイトの運用状況や、メーリングリスト・ニューズレターの運営上の問題点について報告があった。テクニカルな問題点を解決していくためのノウハウの蓄積を含め、持続可能なかたちで運営していくための工夫が必要であるとの指摘がなされた。また、高田委員長からは、ウェブサイトについて今後は魅力あるコンテンツ作りに注力していきたいとの発言があった。
  2. 今後の各種会合の予定について:
    志賀事務局長より、第32回全国大会までの理事会、常任理事会の日程および議事について報告がなされた。事務の簡素化・合理化の観点からはオンラインでの開催が望ましいとの意見があった一方、理事・常任理事が対面で会合することの意義・効果を考えるべきという意見も出された。

第220回常任理事会(その2)

  • 日時:2021年9月26日(日曜) 10時00分~12時45分 
  • 方法:オンライン
  • 出席者(敬称略):佐藤、高田、山田、道中(理事)、三重野、池上、川口、小林、佐野、島田、杉田、志賀、紺野

審議事項

  1. ブックトークセッションについて
    これまで、大会時に開催されてきているブックトークセッションの今後のあり方について、道中理事より説明があった。学会員の研究成果を広く会員に認知してもらうための活動としてブックトークセッションは重要であるという意見が出され、大会での扱い(現在の企画セッションから公式イベントとするか等)や他の学会活動との連携のあり方について、引き続き議論していくこととなった。
  2. 全国大会・春季大会について:
    大会組織委員会の山田委員長より、第32回全国大会の準備状況の説明および今年度の春季大会の実施結果と余剰金の取扱について報告があった。併せて、新型コロナ感染状況下での大会開催方法(全面オンラインか、オンラインと対面方式のハイブリッドか等)の判断指針をどう設定すべきかについても議論された。
  3. 英文学会誌の編集体制について:
    グローバル連携委員会の北村委員長より、英文学会誌の編集体制(編集委員会および諮問委員会を設置する案)について説明がなされ、了承された。
  4. 会費制度の改訂について:
    総務委員会の池上委員長より、70歳以上の会員に対する会費減額制度の創設や、会費未納がない会員への会費請求は毎年4月1日以降に実施することとすることについて提案があり、了承された。
  5. 志賀事務局長より、コロナ禍に起因する経済的困窮を理由とする2022年度の会費減免措置の対象となる会員の申請状況について報告があり、承認された。

報告事項

  • 賞選考委員会の三重野委員長より、今年度の学会賞への応募状況と審査日程について報告があった。併せて、学会賞のあり方について議論がなされ、概して応募数が少ないという現状を変えるために、どういう応募作を求めているかなどを含めた広報を行っていく必要があるという意見が出された。
  • グローバルフェスタへの参加について:
    社会連携委員会の川口委員長より、外務省主催のグローバルフェスタへ学会として参加し、会員の参加を得て「キャリア形成セミナー」と題する企画を実施する予定であるとの報告があった。

第11期・本部事務局
事務局長志賀裕朗(JICA研究所)




グローバルフェスタ「国際協力キャリアセミナー」開催(社会連携委員会)

「グローバルフェスタJAPAN」が10月9日(土曜)、10日(日曜)の2日間にわたり開催されます。「グローバルフェスタJAPAN」は国際協力活動、社会貢献活動、SDGsなどに取り組む官民のさまざまな団体が一堂に会する国内最大級の国際協力イベントです。

国際開発学会・社会連携委員会も下記の要領で「国際協力キャリア形成セミナー」を開催します。

開催概要

  • 日時:10月9日(土曜)13:15-14:00
  • 場所:オンライン(Zoom)*URLは「グローバルフェスタJAPAN」ウェブサイト内に表示されます。
  • 参加費・登録:いずれも無料
  • 登壇者:木全洋一郎(JICA)、西野桂子(関西学院大学)、小川啓一(神戸大学)、真鍋希代嗣(元マッキンゼー)

プログラム

  1. 13:15-13:16 国際開発学会会長挨拶(佐藤仁会長)
  2. 13:16-13:36 登壇者のキャリア紹介(1人:5分)
  3. 13:36-14:00 Q and A セッション

本件にかんするお問い合わせ先

社会連携委員会・川口純

kawaguchi[at] .jp(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)