出版記念シンポジウム「難民:行き詰る国際難民制度を超えて」10月4日開催(会員・一般)
2023年10月4日、著名な難民研究者アレクサンダー・ベッツ(オックスフォード大学難民研究所所長を2度にわたって務めています)と、「最底辺の10億人」などで知られ、開発経済学の権威であるポール・コリア(オックスフォード大学教授)による「難民:行き詰る国際難民制度を超えて(原題Refuge: Transforming a Broken Refugee System)」(明石書店)の翻訳出版記念シンポジウムを開きます。
オンラインと対面(港区六本木5丁目14-40 東洋英和女学院大学院、地下鉄大江戸線麻布十番駅から徒歩5分)で行います。
ベッツ氏は、欧米諸国を中心に加速する難民締め出しの現状、その原因と採られるべき対策についての基調講演をします。
同氏は、70年以上前に作られた難民条約に基づいた難民保護体制が行き詰まり、難民締め出しが世界各地で進んでいる中で、大半の難民が避難している周辺国を中心に、難民の潜在力を活かし、教育と就労を核とした「開発ベースの難民政策」を採ることによって局面を打開しようと主張しています。
難民にとっても受入国にとってもウイン・ウインとなり得るこの考え方は、日本の援助の哲学と実践に近いものであり、2018年の「国連難民グローバルコンパクト」や、最近の世界銀行「世界開発報告2023:移民、難民と社会」にも反映されています。
また、SDGsについて首脳級会合が国連で開かれましたが、貧困と飢餓にかかる目標が停滞・後退していると報告され、食料不足や就労機会の不足により「生存移民」(ベッツ)や「困窮移民」(世界銀行)の流出が加速しています。これに対して本書は一つの解を示します。
続いて、ベッツ氏が高く評価する日本の海外での難民保護事業について、JICA(国際協力機構)の田中明彦理事長から紹介があります。
さらに、数百万人を裨益する日本の難民・国内避難民のための資金協力について、外務省国際協力局緊急・人道支援課長の松原一樹氏から報告があります。
そのほか、翻訳に関わった専門家や若手の声も聞き、ベッツ氏とフロアとの対話も予定されています。
英語通訳が入りますから、日本語で質問ができます。
世界クラスのスピーカーが揃うシンポジウムは、難民や移民問題を学ぶ人には見逃せません。参加は無料です。
シンポジウム終了後には懇親会もあり、ネットワーキングの機会となります。申し込みは下記から。
参加申し込み
オンライン参加:
https://www.ref-net.org/blank-3/nanmin-shuppankinenshinpojumu-onrainsanka
対面参加:
https://www.ref-net.org/blank-3/nanmin-shuppankinenshinpojumu-taimensanka
本件にかんするお問い合わせ先
滝澤三郎
- saburo.takizawa [at] gmail.com(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)