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おしらせ

お知らせ : SRIDジャーナル第29号発行のご案内

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国際開発学会会員の皆様:

今年の8月20日~22日に横浜で、第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)が開催されます。
日本政府は、国連と共同で、1993年に第1回TICAD (Tokyo International Conference on African Development)を開催して以来、順次、国連開発計画(UNDP)、世界銀行及びアフリカ連合委員会(AUC)を共同主催者に加え、貧困や紛争、飢餓、感染症、累積債務などの難題が集中するアフリカとの政策対話の深化、国際支援に大きく貢献してきました。
当初は被援助国として、ODAの増額に期待していたアフリカ諸国ですが、2010年代に入ると民間直接投資や貿易の拡大を求める声が主流となり、より対等で包括的な経済パートナーシップを目指す枠組みに変貌を遂げています。日本はこの間一貫して、欧米による旧来型の援助-被援助の概念とは一線を画し、アフリカ諸国の自助努力(オーナーシップ)と国際社会のパートナーシップの重要性を提唱してきました。

今号は「激動する世界におけるアフリカと日本:グローバル・パートナーシップ」をテーマとします。ここでは、アフリカ諸国と日本が相互に得意の分野を提供し合う対等な立場の協力を理想の姿と考え、そのための短・中・長期的な取り組みや戦略を議論する端緒となることを目指します。
例えば、これまでネガティブに捉えられがちであったアフリカ社会経済の巨大なインフォーマル・セクターは、若い世代のエネルギー、パッション、人々の強い絆、連帯感、社会の活力の源泉として、日本や世界が学ぶべきものがあるのではないか。また逆に、アフリカから見て、欧米でもインドでも中国でもなく、日本だから提供できるものがあるのではないか。未来の両者の関係を深めるカギはどこにあるのか。経済・社会・文化・人的交流などから見出せるのか。正面からの議論の展開を後押ししたいと考えました。

これを受けて巻頭エッセイでは、アフリカと日本の水平協力の可能性について、両者の関係を整理したうえでアフリカ連合(AU)の「アジェンダ2063」に言及した論を展開しているほか、論説/インサイトではアフリカをよく知る多彩な論者が、新たな協力の視点や現在進行形の紛争の帰趨について、現地に根差した具体的な議論を展開しています。
また、引き続き英語圏の読者が本ジャーナルにアプローチしやすいように、これらの原稿に英語のタイトル、アブストラクトを添えました。合わせて日本の読者向けに和文の要約も添えました。
さらに、今号は英文論説が1編盛り込まれ、著者の了解を得て編集委員会文責による全文和訳を添えています。この他示唆に富んだ味わいの深い「徒然草」、日本の開発協力を考察するSRID内部の勉強会の報告、南米コロンビアからの「途上国アルバム」もそれぞれ読み応えがあります。合わせてお楽しみください。

SRIDジャーナル編集委員長 山岡和純

SRIDジャーナル第29号目次
  • SRIDジャーナルとは
  • 巻頭エッセイ
    遠藤貢:アフリカと日本:水平協力に向けて
  • 論説・インサイト(特集:激動する世界におけるアフリカと日本-グローバル・パートナーシップ)
    山田肖子:垂直的援助関係から水平的なパートナーへ:変化する日本‐アフリカ関係
    Ndeye Rokhaya CISSE:Reimagining Africa–Japan Partnership: Toward Mutual
  • Learning  and Youth-Centered Transformation
    平良靖・高山暉啓・池和田沙子:アフリカにおける若者雇用の創出と日本経済との環流
    華井和代:コンゴ東部紛争の激化と和平合意の問題点
    小寺淸:大阪・関西万博 コート・ジボワール・ビジネスフォーラムから見えたもの
  • 徒然草
    藤村建夫:アフリカの中小企業向け政策金融はありうるか?
  • SRID活動報告
    松田教男・鈴木博明・神田道男:日本の開発協力政策に関する一考察:オファー型協力の戦略的な展開に向けて
  • 途上国アルバム
    井上侑一郎:コロンビア
  • 編集後記

★会員の皆様からの忌憚のないご意見・コメントをお待ちしております。

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