新刊案内「SRIDジャーナル第27号」発行のご案内
米国を始め、欧州諸国でも途上国でも、近年、国民の政治対立が激しさを増しています。
ウクライナ戦争は、米欧対中ソという国際社会の新東西対立の構図を軍事衝突と無用の流血でエスカレートさせようとしています。
さらに、ガザ紛争に典型的に現れていますが、多様な武力紛争の発生は国際社会の大前提に対する疑問さえ突きつけているようにさえ感じられます。
それは基盤としての主権国家という形態とそれが抱える多様な問題を解決する方法としての近代化です。
これが50年間にわたる我々の努力の結果なのでしょうか。
SRIDは一体これまで何を成してきて、今の世界にどのように対峙し、どんな理想の世界を次世代のために切り開いて行けば良いのでしょうか。
半世紀の歴史を総括し、次の半世紀を展望する、そのこと自体は容易いことですが、空理空論を排し、経験と実績に根付いた地に足の着いた総括と展望こそが、SRIDの存在価値であるとの信念の下、今号はSRID設立50周年記念号として、「これまでの、そして、これからの開発協力(実務者・研究者集団からの視点)」をテーマとするSRID設立50周年記念エッセイ8編を中心に編集しました。
なお、同記念エッセイの執筆依頼に際しましては、「世界が大きく変動する中にあっても、これまでも、そして、これからも変わらぬ国際開発協力に挑む熱い心とともに語っていただきたい」旨
お願いしました。
SRIDジャーナル編集委員長
山岡 和純
SRIDジャーナル第27号目次
SRIDジャーナルとは
特集:SRID設立50周年記念
これまでの、そして、これからの開発協力(実務者・研究者集団からの視点)
SRID設立50周年記念エッセイ
- 浅沼信爾:21世紀の国際開発協力 きわめて個人的な感想
- 藤村建夫:私が取り組んだ開発協力 組織・制度を創る
- 小寺清:「バターより大砲」の時代に、日本は低所得国の人びとの貧困削減のために何をすべきか?
- 小林文彦:プロジェクト・ファイナンスのMyths and Truths 途上国民間投融資促進の為に
- 林薫:Envelopment Studies序説 さかさまの世界の「開発」学
- 佐藤桂子:構造調整プログラムは有効だった? William Easterly 氏の反省
- Chen-Wei Li:道の交通、SRIDなりの道
- 北村賢一:これからの国際開発について思うこと
ブック・エッセイ/書評
- 中島千秋:ビッグ・サイクルから見える世界とSDGs「世界秩序の変化に対処するための原則:なぜ国家は興亡するのか」レイ・ダリオ著、斎藤聖美訳、2023年、日本経済新聞出版(原題 Principles for Dealing with the Changing World Order: Why Nations Succeed and Fail, 2021, Ray Dalio, Avid, Reader Press / Simon & Schuster)
- 福田幸正:戦争の時代の平和構築「平和をつくる方法:ふつうの人たちのすごい戦略」、セヴリーヌ・オトセール著、山田文訳、2023年、柏書房(原題 The Frontlines of Peace: An Insider’s Guide to Changing the World, 2021, Séverine Autesserre, Oxford University Press)
SRID活動報告
- 神田道男:第6回SRIDフォーラムを終えて
- 神田道男:50周年を記念して SRID50年の歩み
- 鈴木博明:SRIDキャリア開発事業の紹介
途上国アルバム
保科研吾:ソロモン諸島 初めての合同選挙を終えて
編集後記
投稿規程
本件にかんするお問い合わせ先
SRIDジャーナル編集員会
中島千秋
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