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[RG19-1] 人の移動と開発

[RG19-1] 人の移動と開発(FY2019-2022)

『人の移動と開発』研究部会

Migration and Development

主査:田中雅子(上智大学)

本研究では、紛争や自然災害による難民や国内避難民など自らの選択とは言い難いものから、就労や留学、結婚を目的とした人生の選択肢の一つとしての移住など、多様な現象を指す用語として「人の移動」を用いる。

『移民と送金に関する報告書』(世界銀行 2008)や『人間開発報告:障壁を越えて―人の移動と開発』(UNDP 2009)が発行された頃から、海外送金による貧困削減への効果など開発における移民の役割が注目され、援助機関も「安全な移住」を推進するようになった。

しかし、移住者本人だけでなく家族や移住者の出身地域社会、送出国および受入国にとっての正負の影響が十分議論されているとは言えない。本研究部会は、人材流出や海外送金への過度の依存、家族の崩壊や地域産業の停滞など、おもに送出国にもたらす負の影響や、移動によって伝統や因習から離れて自己実現を果たすなどの正の影響に目を向け、「人の移動が移民自身やその家族の人間開発、また、出身国の社会および移住先の社会の経済開発や社会開発にもたらす影響」について検討することを目的とする。

従来のコミュニティ開発の現場では「移住労働をしなくてすむように自分の村や町を開発する」という目標が掲げられることがあったが、こうした目標が現在でも通用するのか、人の移動を前提とした時代のコミュニティ開発とはどうあるべきかを問い、送出国・受入国の移民政策や開発援助の実践にも示唆を与えることが期待される。

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