『ジェンダーと開発』研究部会(2023年2月)
活動報告
ジェンダー平等と女性のエンパワメントの推進は、現在、開発における重要な取り組み課題として認識されています。持続可能な開発目標(SDGs)においても、ジェンダー平等と女性のエンパワメントの推進が独立した開発目標として掲げられるとともに、分野横断的な視点としても位置付けられています。
1970年以降に形成されてきた「ジェンダーと開発」という領域では、開発協力の場において女性を可視化し、グローバルにローカルに、政策、組織、地域社会、世帯レベルで生じている課題をあぶり出してきました。しかし、SDGsの達成度やジェンダー格差指数が示すように、これらの課題を解決するための取り組みは、未だに十分ではありません。
「ジェンダーと開発」研究部会は、実務者と研究者が活動報告や情報共有、調査や啓発活動のためのアプローチなどを紹介することにより、ジェンダーと開発を考えるうえでの課題や可能性について検討することを目的に、2022年8月より活動をしています。
初年度は、月例の勉強会(第3金曜日にZoom開催)を開催し、メンバーの研究報告を通じて、研究部会の方向性と2年次以降の共通研究テーマを検討しています。横断的なテーマを持つメンバーの研究を共有するにあたり、「コロナ禍の影響」という共通の視点を用いています。
勉強会のテーマ(実績)
- 8月22日:キックオフミーティング
- 9月16日:安全保障とジェンダー、開発
- 10月21日:人類学とジェンダー
- 11月18日:企画セッションの準備(セッションでの報告内容の検討)
- 12月16日:COVID-19による障害女性の日常生活への影響(バングラデシュの事例)
また、2022年12月の第33回国際開発学会において、研究部会の有志による企画セッションを開催し、研究部会の紹介及び今後の研究内容の検討を行いました。
第33回国際開発学会・企画セッション
「ジェンダーと開発」
目的
家父長制下で制約を受けている女性に焦点をあて、研究部会の有志会員が関わってきた女性のエンパワメントの促進事例を紹介。コロナ禍の影響を受ける女性たちを、受動的な弱者として位置付けるのではなく、変化を引き起こす主体として位置付けるために国際協力を通じ何が出来るのか検討する。
報告内容
「バングラデシュにおけるマイクロファイナンスと女性のエンパワメント」、「南スーダンでの全国スポーツ大会を通じたスポーツとジェンダー」、「ネパールの家族農業における変化への対応」
2年次以降は、共通課題を見つけて企画セッションと特集号の掲載に向けた活動を計画しています。ご興味のある方は、事務局・本間までご連絡ください
『ジェンダーと開発』研究部会
代表:田中由美子(城西国際大学客員教授・JICA)
事務局:本間まり子(早稲田大学)