『社会的連帯経済』研究部会(2023年2月)
活動報告
第7回・公開研究会(オンライン開催)
- 開催日程:2022年10月22日(土曜)15時~16時半
- 報告テーマ:「生産者と消費者の連帯 ~ 有機農業にみる社会的連帯経済」
- 報告者:古沢広祐(國學院大學研究開発推進機構)
市場経済の矛盾への対抗として、連帯経済的な試みが1970年代から模索されてきた有機農業運動。内外の多面的な展開の時代動向を、社会的連帯経済の視点から考察した。本研究部会の背景と問題意識について、中間総括的な視点をくみこんだ報告であり、活発な質疑がおこなわれた。
第7回研究会の報告は、アーカイブをYouTubeに掲載、以下に公開中。
第7回研究会は、本シリーズ企画の最終回だったので、テーマ報告の後に、シリーズ企画の簡単な振り返りと今後について意見交換をおこなった。時間制約からさらなる意見交換をはかるために、再度11月25日に有志オンライン意見交換会を企画した。
意見交換会
- 2022年11月25日(金曜)14時00分~
研究部会の初年度企画シリーズ、1回~6回については、ニューズレター前号(Vol. 33 No. 4 、Nov. 2022)をご参照願いたい。シリーズ企画の意図としては、世界の動向を踏まえつつ、とくに国内での身近な事例(地域活性化など)からSSE的な活動展開の現状理解をとりあげてきた。
新年度としては、12月の学会大会での企画セッションおよびプレ企画の公開研究会が、ILO駐日事務所や労働組合組織「連合」との連携にて企画されている。
新年度の企画について
新年度企画としては、2022年12月2日(金曜)に、国際動向の最前線について、学会大会プレ企画の公開イベントを連合・総評会館にておこなった(オンライン並行開催)。この企画は、ILO駐日事務所との連携協力と、ソリダリダード・ジャパンとの共催にておこなった(参加者約100人、オンライン含む)。
大会プレ企画:「社会的連帯経済(SSE)と国際労働機関・ILOの最近の動き」
- 日時:2022年12月2日(金曜)18時~19時半
- 場所:連合会館
イベント録画の視聴(YouTube公開中)
- https://note.com/rentai_economy22/n/neb1fee53204b
- https://youtu.be/ALZHV6Xxxf8
- https://www.ilo.org/tokyo/newsroom/WCMS_864900/lang–ja/index.htm
このプレ企画会合の内容をもとに、学会12月研究大会での企画セッション(ラウンドテーブル)「社会的連帯経済(SSE)の国際動向と日本の動き」(12月4日昼)をおこなった。 3名の報告とコメントをもとに意見交換がなされた。報告とコメントは以下、詳細は本ニューズレターの大会概要報告を参照。
- 「ILO総会における社会的連帯経済の動向について」(高崎真一、ILO駐日代表)
- 「社会的連帯経済の国内動向とILOとの連携について」(伊丹謙太郎、法政大学)
- 「国際動向との関連で研究部会の研究会取り組み/中間総括」(古沢広祐、國學院大學)、コメンテータ:池上甲一(近畿大学)。
新年度の活動方針(検討中の骨子案)について
上記の研究部会の意見交換会での議論では、おおよそ以下の方向性が提起されている。
A(新しい課題・事象):
日本にいる外国人の労働状況、インパクト投資、 ビジネスと人権、保健医療など
B(地域コミュニティ):
食糧やエネルギーなど様々な自給取り組みなど
C(開発課題・SDGs関連):
SDGs(5つのP)との関係、人間の安全保障との関係、フェアトレード、グローバルサウス・開発の手法としてのSSEなど
D(オルタナティブ):
様々な分野のなかでSSEを「メインストリーム」化する動き
その他、課題など
国際開発学会ならではの視点、広く分かりやすく説明する、日本の中のSSEの系譜、コモンズとの関係、トランジション・エコビレッジ、SSEの課題(実際に直面している問題)、若い世代とのつながり、中間支援組織としてのビジョン、ジェンダー・従来の枠を外す、インターネット(新しいつながりの創造・古いつながりの復活・本来のつながり)などを考慮していきたい。
上記全てへの取り組みに対応することは難しいが、当面はSDGsにおけるSSEのメインストリーム化を意識した内容にて、研究会の企画を準備していく予定である。
(参考情報)
研究部会のHP、学会での研究部会案内
『社会的連帯経済』研究部会
代表:古沢広佑(JACSES代表理事、國學院大學客員教授)
副代表:楊殿閣(ソリダリダード・ジャパン)