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NL36巻2号 [2025.08]

『ジェンダーと開発』研究部会(2025年7月)

『ジェンダーと開発』研究部会

第3年次の活動報告(2025年7月提出)

「ジェンダーと開発」研究部会は、実務者と研究者が活動報告や情報共有、調査・啓発活動のアプローチを紹介することを通じて、ジェンダーと開発をめぐる課題や可能性について検討することを目的に、2022年8月より活動を行ってきました。主な活動には、月例の勉強会、開発学会大会での企画セッションおよびラウンドテーブルの開催が含まれます。また、メンバーによる学会誌の特集号に向けた執筆作業も進行中です。

2024年10月から2025年9月は、本研究部会の最終年度にあたります。

2024年11月の第35回開発学会大会では、研究部会メンバーによるラウンドテーブル「ジェンダーと開発の現在地―経験に基づく研究と実務の共同の可能性の検討―」を開催しました。実務とアカデミアの双方に関わる4名の登壇者が、それぞれの研究・教育・実務の現場で感じている課題について、「女性の経済力向上支援がもたらすもの」、「家族・ケアワークと出張(特に海外出張)」、「学生に日本のジェンダー平等の課題を開発系科目でどう伝えるか」、「ジェンダーと開発の取組で周辺化される障害女性」のテーマで話題提供を行いました。その後、部会メンバーがモデレーターを務め、フロアの参加者を交えた自由討論を通じて、これまで認識していたがさらなる取り組みが必要な課題、あるいはこれまで十分に議論されてこなかった課題について理解を深め、今後の協働の必要性を共有しました。このラウンドテーブルは、期間中に代表者を失った本研究部会にとって、今後の方向性を考える貴重な機会ともなりました。

また、2023年度(第34回大会)で開催した企画セッション「危機への対応とジェンダー―ジェンダー関係はどう危機と関係したか?」については、学会誌での特集号掲載に向けた最終作業を進めています。

月例の勉強会は初年度から継続しており、現在も毎月第3金曜日にZoomで開催しています。参加者は毎回12〜15名程度で、発表者、司会者、記録者を交代で担当し、質疑応答も含めた記録を残しています。1時間半程度の勉強会ですが、定期的な開催により、メンバー間で研究関心を共有し、活発な議論が行われています。今年度は、テーマに応じて公開型の勉強会も実施しており、学会員や一般への情報発信にも力を入れています。

さらに、2025年7月には、バングラデシュの性産業に従事する女性たちを扱った貴重なドキュメンタリー『Tales of Banishanta(邦題:沈みゆく売春島で生きる)』の視聴会を公開・対面形式で開催しました。上映後には、バングラデシュのディレクターをオンラインで招き、現地とZoomをつないだ討論・質疑応答セッションも実施し、参加者にとって多くの学びを得る機会となりました。

 

<3年次の勉強会のテーマ(実績)>

  • 10月18日:ラウンドテーブルの内容に関する検討会
  • 12月20日:マラウィのJICA農業普及プロジェクトにおけるジェンダー主流化
  • 1月17日:紛争下における虐殺や性暴力と国際協力
  • 2月21日:JICAのジェンダー主流化
  • 3月21日:労働分野におけるジェンダー視点からの課題と政策
  • 4月18日:ジェンダートランスフォーマティブ教育(公開形式)
  • 5月23日:衣服に関する国際協力とビジネス(公開形式)
  • 7月4日:バングラデシュのドキュメンタリー視聴会(公開形式、上記)
  • 9月18日:3年間の活動の総括(予定)

本研究部会としては、9月に開催予定の月例研究会が、最後の活動になります。期間内に、現在準備中の特集号の作業を終了する予定です。

2025年10月から始まる新年度には、本研究部会を通じた知見やネットワークを活かして、「開発におけるジェンダー分析」という新たな研究部会を立ち上げます。ジェンダー分析というに着目した形で、実務家のメンバーと研究者のメンバーの双方の視点から、ジェンダー分析の活用の可能性を検証することを目指します。

ご興味のある方は、事務局までご連絡ください(m.homma[at]aoni.waseda.jp、本間)。
(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

以上


『ジェンダーと開発』研究部会
事務局:本間まり子(早稲田大学)

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