関西支部「第174回研究会」4月20日開催(会員・一般)


関西支部では下記の研究会をハイブリットで開催します。

ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。

Zoomアドレスをご共有させていただきます。

第174回研究会

  • 日時:2024年4月20日(土曜)午後1時00分~午後3時00分まで
  • 方法:ハイブリッド(zoom)
  • 会場:神戸大学大学院国際協力研究科1階大会議室
  • 言語:英語

発表テーマ:

Climate Change and Vulnerability Assessment in Bangladesh

発表者:

Dr. Maksud Kamal, Vice Chancellor, University of Dhaka

申し込み方法

ご参加を希望される方は、関西支部事務局の下記メールアドレスまでご連絡ください。


本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部事務局

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関西支部「第173回研究会」4月18日開催(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をハイブリットで開催します。

第173回研究会・開催概要

  • 日時:2024年4月18日(木曜)午後5時00分~午後7時まで
  • 発表テーマ:Making Externally Funded Reforms Stick: Challenges and Approaches of International Cooperation Agencies
  • 発表者:Dr. Gita Steiner-Khamsi, Professor, Teachers College, Columbia University
  • 言語:英語
  • 会場:神戸大学大学院国際協力研究科1階大会議室とZoom

申し込み方法

ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。

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関西支部「第172回研究会」4月12日開催(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をハイブリットで開催します。

ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。

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第172回研究会

  • 日時:4月12日(金曜)、午後5時00分~午後7時まで
  • 発表テーマ:The Impact of Urban Green Spaces, Internet, and Crime to the Sickness Occurrence in East Java Province, Indonesia
  • 発表者:Ms. Yessi Rahmawati, Assistant Professor, Faculty of Business and Economics, Airlangga University
  • 言語:英語
  • 会場:神戸大学大学院国際協力研究科1階大会議室とZoom

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関西支部(2024年2月)

代表メンバー(第12期:2024年度)

代表

小川 啓一(神戸大学)

副代表

關谷 武司(関西学院大学)


2024年度の支部活動スケジュール

定期的(月に一回程度を目安にする)に研究会を開催して議論を進めていく。その際、国際開発・国際協力の講師をお招きして、講演を依頼し、それをもとにして議論を進めていくことを予定している。


女性会員、外国人会員、若手研究者(若手正会員)の活動奨励策

関西支部ではこれまでも若手研究者の育成を目的として、定期的に研究会を開催し、活発な議論の場を設けてきた。

引き続き2024年度も、若手研究者が、現在活躍されている研究者や実務者から新たな知識を吸収し、直接意見を交わすことができる機会を提供していくよう努める。

また、全ての研究会で英語を使用言語としてきたことを踏まえ、2024年度も研究会を英語で開催することにより、外国人会員にも門戸を開く支部の活動を実施していく。

関西支部の賛同者の多くは女性会員であるので、女性会員に研究会での発表を積極的に奨励する。


関西支部
支部長:小川啓一(神戸大学)
副支部長:關谷武司(関西学院大学)




関西支部「第171回研究会のご案内」2月1日開催(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をハイブリットで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。

第171回研究会

  • 日時:2月1日(木曜)、午後3時30分~午後5時まで
  • 発表テーマ:Emerging Country of “Global South” Bangladesh as a Model Case
  • 発表者:H.E. Mr. Kiminori Iwama, Ambassador Extraordinary and
    Plenipotentiary, Bangladesh, Embassy of Japan in Bangladesh
  • 言語:英語
  • 会場:神戸大学大学院国際協力研究科1階大会議室とZoom

The 171th Study Session (Seminar)

Date/Time: February 1, 2024, 15:30 to 17:00
Topic: Emerging Country of “Global South” Bangladesh as a Model Case
Speaker: H.E. Mr. Kiminori Iwama, Ambassador Extraordinary and
Plenipotentiary, Bangladesh, Embassy of Japan in Bangladesh

Venue: Kobe University’s Graduate School of International Cooperation
Studies (GSICS), Main Conference Room & Zoom


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JASID関西支部事務局

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[BO-4] 関西支部

支部長:小川啓一(神戸大学)

関西支部の設置目的

関西支部では、過去20年以上にわたり国際開発研究を専門とする研究者や国際援助の分野で活躍する実務者を数多く招聘し、研究会を定期的に開催してきた。

また、2020年度以降、開催形式をオンラインやハイブリット形式にすることで、発展途上国を含め各国から政府関係者、研究者、国際機関職員を含む多様な講演者を招き、毎回30名以上の学会会員(学生を含む)が活発に議論をする場を提供している。

こうした背景を踏まえ、2024年度も引き続き国際開発・国際協力に関する様々な分野の専門家を招聘し、研究会を定期的に開催することで、国際開発の課題克服に貢献しうる研究を展開していくことが、関西支部の主な目的である。

具体的には、2021年度から研究会で取り上げている世界的な問題である「コロナ禍・コロナ後における国際開発・国際協力」に関する議論を精力的に展開する。

また、その他のリスク・マネジメントや人間の安全保障、環境問題を含むグローバルな国際開発の問題に対し学際的アプローチが可能な関西支部の拠点校(神戸大学大学院国際協力研究科)の特色ある体制を最大限に生かして活動を行う。

更に、2024年度はこれまでの実績をもとに関西の他大学の若手研究者・外国人研究者も含めた研究者間の交流を一層努めることを目標とする。

期待される成果

研究会に参加した若手会員が研究意欲を刺激され、積極的に国内外の学会での発表や査読付きの学術雑誌への投稿を行うようになることで、国際開発研究の新たな進展が期待される。

また、研究会を通して国内外の第一線で活躍されている講師と若手研究者がネットワークを構築し、若手研究者の将来の国際開発分野における活躍につながることも期待される。

加えて、全研究会を英語による開催とすることで、日本人だけでなく外国人研究者が講演・議論に参加できる環境の形成、多角的な視点から問題を捉える批判的思考の形成、多様な研究者によるネットワーク構築への寄与も期待される。

関西支部へのお問い合わせ窓口

関連情報



関西支部「第169回研究会」1月30日(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をハイブリットで開催します。

ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。

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第169回研究会

  • 日時:2024年1月30日(火曜)午後5時~午後6時30分まで
  • 発表テーマ:Changing Landscape of Aid and the World Bank
  • 発表者:Mr. Yasuaki Yoneyama, World Bank Special Representative, Japan, World Bank Tokyo Office
  • 言語:英語
  • 会場:神戸大学大学院国際協力研究科1階大会議室とZoom

The 169th Study Session (Seminar)

  • Date/Time: January 30, 2024, 17:00 to 18:30
  • Topic: Changing Landscape of Aid and the World Bank
  • Speaker: Mr. Yasuaki Yoneyama, World Bank Special Representative, Japan, World Bank Tokyo Office
  • Language: English
  • Venue: Main Conference, Graduate School of International Cooperation
    Studies (GSICS), Kobe University

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関西支部「第168回研究会」11月22日開催(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をハイブリットで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。

第168回研究会

  • 日時:2023年11月22日(水曜)午後2時~午後4時まで
  • 言語:英語
  • 会場:神戸大学大学院国際協力研究科4階プレゼンテーションルームとZoom

発表テーマ1:

Recent Reforms in Teacher Development in Cambodia

発表者1:

Dr. Sam Sideth Dy, Secretary-General of the National Committee for Life-Long Learning/ Deputy Director-General for Education, Ministry of Education, Youth and Sport (MOEYS), Cambodia

発表テーマ2:

EGRA/EGMA as an Initiative to Realize SDG 4.2: A Cambodian Case

発表者2:

Dr. Sam Sideth Dy, Secretary-General of the National Committee for Life-Long Learning/ Deputy Director-General for Education, Ministry of Education, Youth and Sport (MOEYS), Cambodia


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JASID関西支部事務局

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関西支部(2023年11月)

2023年度、関西支部ではハイブリット形式またはオンライン形式による定期的な研究会の開催を計画しました。

本支部が開催する研究会では、国際開発・国際協力に関するさまざまな分野の専門家を招聘し、現在世界的な問題となっているコロナ禍、また、コロナ後における国際開発・国際協力に関する議論を精力的に展開していくことを目的としています。

研究会の開催によって期待される成果は主に次の2点です。第一に、研究会が開催する最先端のトピックに関する講演や議論に参加することにより、とりわけ若い学生会員が研究意欲を刺激され、積極的に国内外の学会での発表や査読付きのジャーナルへの投稿を行うようになることで、国際開発研究が活性化されていくことです。

第二に、研究会を通して、国内外の第一線で活躍されている講師と若手研究者が学術的なネットワークを構築し、若手研究者の将来の国際開発の分野における活躍につながることが期待されます。

活動報告

上記活動計画に基づき、2022年10月から2023年9月まで、計4回の研究会を開催したため、その内容について以下の通り報告します。

第164回研究会

日時:2023年6月22日(木曜)15:00-17:00、言語:英語

  • 発表テーマ:International Cooperation in Education Research: Insights from RISE-Ethiopia Research on Teacher Value-Added Analysis
  • 発表者:Dr. Moses Oketch, Professor, Institute of Education, University College London
  • 討論者:Dr. Nozomi Sakata, Assistant Professor, Hiroshima University
  • 言語: English
  • 場所:神戸大学大学院国際協力研究科大会議室(ハイブリット)
  • 参加人数:24名(講演者、司会者含む)

概要

本研究会ではロンドン大学教育研究所(Institute of Education, University College London)のOketch教授を招聘し、「International Cooperation in Education Research: Insights from RISE-Ethiopia Research on Teacher Value-Added Analysis」と題した講演をしていただきました。

Oketch教授は、まず教育改革による教育の公平性(equity)の向上に着目し、その達成における教員の役割の重要性を述べました。

生徒の学力レベルを問わず個々の学力を上げる教師こそが、公平性を高める良い教師(effective teacher)であるとの見解を述べました。

また、そのように生徒の学力を高める教員の働きをTeacher Value-Addedと定義しました。

近年実施されたResearch on Improving Systems of Education (RISE)に基づく学力調査と、その前身であるYoung Livesの学力調査結果を用いて、エチオピアにおけるTeacher Value-Addedに焦点を当てた分析結果が報告しました。

まず、Young Livesのデータを用いて、エチオピアの初等教育に在籍する大多数の生徒が求められている学力に達していないという現状を示しました。

次に、Teacher Value-Addedの観点から、学力の高い生徒の学力向上に寄与する教員と、学力の低い生徒の学力の向上に寄与する教員、全ての学力レベルの生徒の学力向上する教員、学力向上にほとんど寄与しない教員がいることをグラフとともに示しました。

今後、Teacher Value-Addedの高い教員に着目し、それらの教員がどのような教員であるかをより詳細に探ることが教育の公平性を高めるうえで重要であるとし、更なる研究の必要があると締めくくりました。

講演後には、討論者の坂田博士(広島大学)をお招きし、教授法の観点から分析の限界や今後の期待を共有いただきました。加えて、参加者からも積極的に質疑が挙がり、活発な議論を持つことができました。

本研究会はOketch教授の講演及びその後の議論を通じて教育の公平性を達成するための教員の重要性、とりわけ、Teacher Value-Addedの重要性を知る大変意義深い機会となりました。

第165回研究会

日時:2023年6月30日(金曜)13:00-15:00、言語:英語

  • 発表テーマ: Examining the Technical Efficiency of Higher Education Institutions in China: A Multistage Dynamic Network DEA Approach
  • 発表者:Dr. Kok Fong See, Associate Professor, Economics Program, School of Distance Education, Universiti Sains Malaysia
  • 言語: English
  • 場所:神戸大学大学院国際協力研究科大会議室(ハイブリット)
  • 参加人数:20名 (講演者、司会者含む)

概要

本研究会ではUniversiti Sains Malaysiaの教授である See博士を招聘し、「Examining the Technical Efficiency of Higher Education Institutions in China: A Multistage Dynamic Network DEA Approach」と題した講演をしていただきました。

講演のはじめに、See博士は世界大学ランキングに代表されるように、高等教育機関の質を数値化・可視化することの重要性を述べました。

高等教育機関の質は様々な尺度にて測られるが、See博士は中でも特に大学の効率性に着目し、その効率性をTechnical Efficiencyと定義しました。

効率性を最大化する方法として、アウトプットに合わせたインプットの最小化、インプットに合わせたアウトプットの最大化の2つの方法があるが、高等教育機関においてインプットである教員や施設の縮小はできないことからアウトプットの最大化が命題であるとSee博士説明しました。

また、その高等教育機関のアウトプットとなる指標として①Researching (パブリケーション数、研究用施設数等), ②Teaching(教員数、教育用施設数等), ③Grant Application(研究費の申請数等)の3点を挙げ、Data Envelopment Analysis (DEA) Approachを用いて、その3点を指標化し、中国の高等教育機関の効率性を数値化したことを、See博士自信の研究を基に設営しました。

See博士の本研究は、その3点から構成される総合点による中国国内の高等教育機関の効率性の比較を可能にした他、効率性を高めるために注力すべき点の可視化に成功したことを示しました。

今後より多くの指標をTechnical Efficiencyとして組み入れられること、他の教育レベルでも適応可能であること、国内のみならず国際比較へも発展させられる可能性があること、高等教育機関のマネジメントや政策提言に利用可能であることを述べ、更なる研究の発展可能性と意義を共有しました。

本研究会はSee博士の講演及びその後の議論を通じて、高等教育機関の効率性を測るDEA Approachについて学び、高等教育機関の効率最大化について考える大変意義深い機会となりました。

第166回研究会

日時:2023年8月22日(火曜)15:00-17:00、言語:英語

  • 発表テーマ:Challenges of Sustainable World Heritage Tourism: Case of Luang Prabang in Lao PDR
  • 発表者:Dr. Vilayphone Somsamone, Vice Dean, Department of Economics and Tourism, Souphanouvong University
  • 言語: English
  • 参加人数:23名 (オンライン)

概要

本研究会ではSouphanouvong Universityの教授である Somsamone博士を招聘し、「Challenges of Sustainable World Heritage Tourism: Case of Luang Prabang in Lao PDR」をテーマに講演していただいた。

本講演は、ラオス北部に位置する「世界遺産の街」ルアンパバーンの観光業の現状と課題に焦点を当てて進められた。現状として、古都ルアンパバーンは、その文化的重要性から街全体がユネスコにより世界遺産登録されている。

また、手つかずの山々や滝等、豊かな自然にも恵まれており、欧州をはじめとする世界各国から観光先としての注目も浴びている。

一方で、海外観光客にとってルアンパバーン内の交通の利便性の低さや、宿泊先の少なさが課題となっている。課題の背景として、海外観光客に対する宿泊サービスに関する法の制限や、世界遺産保持のための都市開発に制限があることが挙げられる。

特に、世界遺産の街として景観を保つ必要性から、過度な道路の拡張や建物の建築はできず、観光業の発展を期待する市民や、訪れる観光客の需要との間にずれが生じている。

現在、ルアンパバーンでは「ずれ」への対応として、ハイキングや、自転車でのツーリング等、自然に優しいエコツーリズムに力を入れている。

本研究会はSomsamone博士の講演及びその後の議論を通じて、世界遺産の維持と都市開発との両立について考える大変意義深い機会となった。

第167回研究会

日時:2023年9月28日(木曜)17:00-19:00、言語:英語

  • 発表テーマ:Will trade liberalization help to reduce poverty and inequality in LDCs?
  • 発表者:Dr. Phouphet Kyophilavong, Dean/Professor, Faculty of Economics and Business Management, National University of Laos
  • 討論者:Dr. Viriyasack Sisouphanthong, Associate Professor, Faculty of Economics and Business Management, National University of Laos
  • 言語: English 参加人数:48名 (オンライン)

概要

本研究会では、ラオス国立大学経済経営学部のPhouphet Kyophilavong教授を招聘し、「Will trade liberalization help to reduce poverty and inequality in LDCs?」をテーマとした講演が行われました。

本講演でPhouphet教授は、世界貿易分析プロジェクト(GTAP)モデルを使用して、WTO加盟後のサービス自由化がラオスの経済、貧困、所得格差に及ぼす影響を分析し、その結果を説明しました。

Phouphet教授は、WTO加盟とサービスの自由化が実質GDPと福祉との間に統計的に有意な相関があることを推定しました。

さらに、単純労働者の賃金上昇が不平等を軽減することも示した。したがって、ラオス政府は、ラオス経済を改善し、貧困と不平等を削減する上で、WTO加盟、特にサービスの自由化に取り組むべきであることを強調しました。

講演後は同大学のViriyasack Sisouphanthong准教授を討論者としてお招きし、世界貿易分析プロジェクト(GTAP)モデル、間接的な観光業の影響、ラオスにおけるこれからの貿易自由化など、いくつかの重要な質問を提起しました。

また、参加者からも活発に質問が挙げられ、Phouphet教授の研究プロジェクトや貿易自由化について議論を深めました。本講演は、後発開発途上国の貿易自由化と貧困と不平等の削減との関係について理解を深める貴重な機会となりました。

関西支部
支部長:小川啓一(神戸大学)
副支部長:關谷武司(関西学院大学)




関西支部「第167回研究会」9月28日開催(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をZoomで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。

第167回研究会

Will trade liberalization help to reduce poverty and inequality in LDCs?

  • 日時:9月28日(火曜)午後5時~午後7時まで
  • 言語:英語
  • 会場:Zoom

発表者:

Dr. Phouphet Kyophilavong, Dean/ Professor, Faculty of Economics and Business Management, National University of Laos

討論者:

Dr. Viriyasack Sisouphanthong, Associate Professor, Faculty of Economics and Business Management, National University of Laos


本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部事務局

  • [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

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JASID Kansai Branch Seminar Announcement

JASID Kansai Branch will host the following seminar. We welcome everyone to participate, and feel free to contact us for the Zoom link.

The 167th Study Session (Seminar)
Date/Time: September 28, 2023, 17:00 to 19:00
Topic: Will trade liberalization help to reduce poverty and inequality in LDCs?
Speaker: Dr. Phouphet Kyophilavong, Dean/ Professor, Faculty of Economics and Business Management, National University of Laos
Discussant: Dr. Viriyasack Sisouphanthong, Associate Professor, Faculty of Economics and Business Management, National University of LaosLanguage: English
Venue: Zoom

Contact
JASID Kansai Branch Secretariate
e-mail: @




関西支部研究会のご案内

関西支部では下記の研究会をZoomで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。

第166回研究会

  • 日時:2023年8月22日(火曜)午後3時~午後5時まで
  • 発表テーマ:Challenges of Sustainable World Heritage Tourism: Case of Luang Prabang in Lao PDR
  • 発表者:Vilayphone Somsamone, Vice Dean, Department of Economics and Tourism, Souphanouvong University
  • 言語:英語
  • 会場:Zoom

本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部事務局

  • E-mail: [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



関西支部(2023年8月)

活動報告

関西支部では国際開発・国際協力に関するさまざまな分野の専門家を招聘し、世界的な問題となっているコロナ禍、また、コロナ後における国際開発・国際協力に関する議論を精力的に展開して若手人材育成を行うことを目的としている。

2023年6月には2回(第164回から第165回)の研究会を開催したため、その内容について以下の通り報告する。

第164回研究会

    • 日時:2023年6月22日(木曜)15:00-17:00
    • 言語:英語
    • 場所:神戸大学大学院国際協力研究科 1F大会議室(オンラインと併用)
    • 参加人数:38名(うち学会員31名)

発表テーマ:

International Cooperation in Education Research: Insights from RISE-Ethiopia Research on Teacher Value-Added Analysis

発表者:

Dr. Moses Oketch, Professor, Institute of Education, University College London

討論者:

Dr. Nozomi Sakata, Assistant Professor, Hiroshima University

概要:

本研究会ではロンドン大学教育研究所(Institute of Education, University College London)のOketch教授を招聘し、「International Cooperation in Education Research: Insights from RISE-Ethiopia Research on Teacher Value-Added Analysis」と題した講演をしていただきました。

Oketch教授は、まず教育改革による教育の公平性(equity)の向上に着目し、その達成における教員の役割の重要性を述べました。生徒の学力レベルを問わず個々の学力を上げる教師こそが、公平性を高める良い教師(effective teacher)であるとの見解を述べました。また、そのように生徒の学力を高める教員の働きをTeacher Value-Addedと定義しました。

近年実施されたResearch on Improving Systems of Education (RISE)に基づく学力調査と、その前身であるYoung Livesの学力調査結果を用いて、エチオピアにおけるTeacher Value-Addedに焦点を当てた分析結果が報告されました。

まず、Young Livesのデータを用いて、エチオピアの初等教育に在籍する大多数の生徒が求められている学力に達していないという現状を示しました。

次に、Teacher Value-Addedの観点から、学力の高い生徒の学力向上に寄与する教員と、学力の低い生徒の学力の向上に寄与する教員、全ての学力レベルの生徒の学力向上する教員、学力向上にほとんど寄与しない教員がいることをグラフとともに示しました。

今後、Teacher Value-Addedの高い教員に着目し、それらの教員がどのような教員であるかをより詳細に探ることが教育の公平性を高めるうえで重要であるとし、更なる研究の必要があると締めくくりました。 講演後には、討論者の坂田会員(広島大学)をお招きし、教授法の観点から分析の限界や今後の期待を共有いただきました。

加えて、参加者からも積極的に質疑が挙がり、活発な議論を持つことができました。

本研究会はOketch教授の講演及びその後の議論を通じて教育の公平性を達成するための教員の重要性、とりわけ、Teacher Value-Addedの重要性を知る大変意義深い機会となりました。

第165回研究会

  • 【日時:2023年6月30日(金)13:00-15:00】
  • 【言語:英語】
  • 場所:神戸大学大学院国際協力研究科 1F大会議室(オンラインと併用)
  • 参加人数:28名 (うち学会員25名)

発表テーマ:

Examining the Technical Efficiency of Higher Education Institutions in China: A Multistage Dynamic Network DEA Approach

発表者:

Dr. Kok Fong See, Associate Professor, Economics Program, School of Distance Education, Universiti Sains Malaysia

概要:

本研究会ではUniversiti Sains Malaysiaの教授である See博士を招聘し、「Examining the Technical Efficiency of Higher Education Institutions in China: A Multistage Dynamic Network DEA Approach」と題した講演をしていただきました。

講演のはじめに、See博士は世界大学ランキングに代表されるように、高等教育機関の質を数値化・可視化することの重要性を述べました。高等教育機関の質は様々な尺度で測られますが、See博士は中でも特に大学の効率性に着目し、その効率性をTechnical Efficiencyと定義しました。

効率性を最大化する方法として、アウトプットに合わせたインプットの最小化、インプットに合わせたアウトプットの最大化の2つの方法があるが、高等教育機関においてインプットである教員や施設の縮小はできないことからアウトプットの最大化が命題であるとSee博士は説明をしました。

高等教育機関のアウトプットとなる指標としては、(1)Research(論文数、研究用施設数等)、(2)Education(教員数、教育用施設数等)、(3)Grant Application(研究費の申請・採択数)の3点を挙げられます。

See博士は、Data Envelopment Analysis (DEA) Approachを用いて3点を指標化し、中国の高等教育機関を事例に、比較可能な効率性の数値化を実現しました。

本研究結果から、効率性を高めるために各高等教育機関が注力すべきアウトプットの可視化に成功したとも言えます。

今後より多くの指標をTechnical Efficiencyとして組み入れられること、他の教育レベルでも適応可能であること、国内のみならず国際比較へも発展させられる可能性があること、高等教育機関のマネジメントや政策提言に利用可能であることを述べ、更なる研究の発展可能性と意義を共有しました。

本研究会はSee博士の講演及びその後の議論を通じて、高等教育機関の効率性を測るDEA Approachについて学び、高等教育機関の効率最大化について考える大変意義深い機会となりました。

関西支部
支部長:小川啓一(神戸大学)
副支部長:關谷武司(関西学院大学)




参加募集「第165回・関西支部研究会」(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をハイブリットで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。

第165回研究会

  • 日時:6月30日(金曜)午後1時~午後3時まで
  • 発表テーマ:Examining the Technical Efficiency of Higher Education Institutions in China: A Multistage Dynamic Network DEA Approach.
  • 発表者:Dr. Kok Fong See, Associate Professor, Economics Program, School of Distance Education, Universiti Sains Malaysia
  • 言語:英語
  • 会場:神戸大学大学院国際協力研究科1階大会議室とZoom

本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部事務局

  • [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



参加募集「第164回・関西支部研究会」6月22日(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をハイブリットで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。

第164回研究会

  • 日時:2023年6月22日(木曜)午後3時~午後5時まで
  • 発表テーマ:International Cooperation in Education Research: Insights from RISE-Ethiopia Research on Teacher Value-Added Analysis
  • 発表者:Dr. Moses Oketch, Professor, UCL Institute of Education, University College London
  • 討論者:Dr. Nozomi Sakata, Assistant Professor, Hiroshima University
  • 言語:英語
  • 会場:神戸大学大学院国際協力研究科1階大会議室とZoom

本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部事務局

  • [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



関西支部(2023年2月)

2023年度活動予定

関西支部では、過去20年以上にわたり国際開発研究を専門とする研究者や国際援助の分野で活躍する実務者を数多く招聘し、研究会を定期的に開催してきた。また、2020年度以降、開催形式をオンラインとすることで、開発途上国を含め各国から多様な講演者を招き、毎回30名以上の学会会員(学生を含む)が活発に議論をする場を提供している。

こうした背景を踏まえ、2023年度も引き続き国際開発・国際協力に関する様々な分野の専門家を招聘し、研究会を定期的に開催することで、国際開発の課題克服に貢献しうる研究を展開していくことが、関西支部の主な目的である。

具体的には、2021年度から研究会で取り上げている世界的な問題である「コロナ禍・コロナ後における国際開発・国際協力」に関する議論を精力的に展開する。また、その他のリスク・マネジメントや人間の安全保障を含む多様な国際開発の問題に対し学際的アプローチが可能な関西支部の拠点校(神戸大学大学院国際協力研究科)の特色ある体制を最大限に生かして活動を行う。更に、2023年度はこれまでの実績をもとに関西の他大学の若手研究者・外国人研究者も含めた研究者間の交流を一層努めることを目標とする。

支部活動における期待される成果として、研究会に参加した若手会員が研究意欲を刺激され、積極的に国内外の学会での発表や査読付きの学術雑誌への投稿を行うようになることで、国際開発研究の新たな進展が期待される。

また、研究会を通して国内外の第一線で活躍されている講師と若手研究者がネットワークを構築し、若手研究者の将来の国際開発分野における活躍につながることも期待される。加えて、全研究会を英語による開催とすることで、日本人だけでなく外国人研究者が講演・議論に参加できる環境の形成、多様な研究者によるネットワークづくりへの寄与も期待される。

関西支部
支部長:小川啓一(神戸大学)

副支部長:關谷武司(関西学院大学)




関西支部(2022年11月)

2022年度活動報告

関西支部では国際開発・国際協力に関するさまざまな分野の専門家を招聘し、現在世界的な問題となっているコロナ禍、また、ポストコロナにおける国際開発・国際協力に関する議論を精力的に展開していくことを2022年度は目的としている。2022年9月に計3回(第161回から第163回)の研究会を開催したので、その内容について以下の通り報告する。

第161回研究会

  • 日時:2022年9月22日(木曜)18:00-20:00
  • 言語:英語
  • 発表テーマ:Influence of Technological Advancements on Sustainable Graduate Employability: Case of Bangladesh
  • 発表者:Dr. Md. Jahangir Alam, Associate Professor, Department of Japanese Studies, University of Dhaka
  • 参加人数:45名

概要

本研究会では、ダッカ大学のMd. Jahangir Alam博士を招聘し、「Influence of Technological Advancements on Sustainable Graduate Employability: Case of Bangladesh」をテーマに講演をしていただいた。

Alam博士はコロナ禍を通じた教育のデジタル化が、学校教育におけるアクセス・質の改善、教育内容の質的向上に資することについて言及した。

一方で、調査対象としたバングラデシュの高等教育において教育のデジタル化が進みつつある中で、ICTの普及状況や需要者側のICT利活用能力に関して格差が生じていることを挙げ、これらは学生の学習成果向上を妨げてしまう可能性があると強調した。

教育のデジタル化に関する政府の政策や現状、教員のICT利活用能力、ICT普及の都市農村格差などを中心に、多岐にわたる論点から活発な議論が行われた。本研究会はAlam博士の講演並びにその後の議論を通じてバングラデシュにおける教育のデジタル化の展望と課題について深い知見を得ることができた大変意義深い研究会となった。


第162回研究会

  • 日時:2022年9月27日(火曜)18:00-20:00
  • 言語:英語
  • 発表テーマ:Decarbonization Pathways in Lao PDR
  • 発表者:Dr. Phouphet Kyophilavong, Dean, Faculty of Economics and Business Management (FEBM), National University of Laos
  • 討論者:Dr. Kenji Nozaki, Professor, Faculty of Economics, Takasaki City University of Economic
  • 参加人数:34名

概要

本研究会では、ラオス国立大学のPhouphet Kyophilavong博士を招聘し、「Decarbonization Pathways in Lao PDR」をテーマに講演をしていただいた。Kyophilavong博士は地球の二酸化炭素濃度や表面温度の上昇、エネルギー利用過多に触れ、気候変動によるリスクや課題について言及した。

また、ラオスは1990年代以降、経済発展を続けている一方、貧富の格差や環境破壊等の問題を抱えており、COVID-19の影響も踏まえて国家レベルで脱炭素化に向けた政策を実行していかねばならないことを強調した。

講演後は、高崎経済大学の野崎謙二博士に討論者として登壇いただき、ラオスにおける第二次産業の展望や中国との関係、経済的持続性についての議論が行われた。その後、参加者からも中小企業や農村部での脱炭素化の展望や、国家のCO2削減政策の現状などを中心に多岐にわたる論点について質疑がされ、活発な議論が行われた。

本研究会はKyophilavong博士の講演並びにその後の議論を通じてラオスにおける脱炭素化に向けた課題とこれからの展望について深い知見を得ることができた大変意義深い研究会となった。


第163回研究会

  • 日時:2022年9月28日(木曜)18:00-20:00
  • 言語:英語
  • 発表テーマ:Lao Education Policy Planning and Implementation Progress Linked to SDGs
  • 発表者:Dr. Bounpanh Xaymountry, Director-General, Department of Planning, Ministry of Education and Sports (MOES), Lao PDR
    Mr. Anoupheng Keovongsa, Deputy Director-General, Department of Planning, Ministry of Education and Sports (MOES), Lao PDR
  • 討論者:Mr. Yasumasa Nagaoka, JICA Education Policy Advisor, Lao PDR
  • 参加人数:36名

概要

本研究会では、ラオス教育スポーツ省の国立大学のBounpanh Xaymountry博士とAnoupheng Keovongsa氏を招聘し、「Lao Education Policy Planning and Implementation Progress Linked to SDGs」と題した講演をしていただいた。

Xaymountry博士はラオスの2021年から2025年における国家教育プランについて、SDGs、とりわけSDG 4との関連性に触れながら説明をした。また、オーストラリア政府やUNICEFからの支援を受け策定した前述の教育プランの実施については、COVID-19の影響を大きく受けていると強調した。

Keovongsa氏は、ラオスにおけるGlobal Partnership for Education (GPE)の現状と展望について講演を行った。GPEのフェーズ2では5つのGPEの成果を目標として指標化し、4つの目標が達成され、現在のフェーズ3では、教育の公正性、質保障、学習成果に関する目標を立てているとした。加えてCOVID-19の影響に対応したGPEプロジェクトが進行している点も言及した。

講演後は、JICA教育政策アドバイザーである長岡康雅氏を招聘し、ラオスの国家教育政策とGPEについて議論を深めた。長岡氏は国家政策とGPEにより教育状況が改善されてきた一方で、今なお政策と現状には乖離があること、COVID-19の影響を大きく受けていることについて言及した。

その後、参加者を交えた活発な質疑応答も行われ、本研究会はラオスにおける国家教育政策とGPEについて深い知見を得ることができた大変有意義な研究会となった。

関西支部
支部長:小川啓一(神戸大学)




オンライン『2022年9月関西支部研究会』9月27・28日開催(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をZoomで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。ふるってご参加ください。

第162回研究会

  • 日時:9月27日(火曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表テーマ:Decarbonization Pathways in Lao PDR
  • 発表者:Dr. Phouphet Kyophilavong, Dean, Faculty of Economics and Business Management, National University of Laos
  • 討論者:Dr. Kenji Nozaki, Professor, Faculty of Economics, Takasaki City University of Economics
  • 言語:英語

第163回研究会

  • 日時:9月28日(水曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表テーマ:Lao Education Policy Planning and Implementation Progress Linked to SDGs
  • 発表者:
    Dr. Bounpanh Xaymountry, Director-General, Department of Planning, Ministry of Education and Sports, Lao PDR
    Mr. Anoupheng Keovongsa, Deputy Director-General, Department of Planning, Ministry of Education and Sports, Lao PDR
  • 討論者:Mr. Yasumasa Nagaoka, JICA Education Policy Advisor, Lao PDR
  • 言語:英語
開催済の研究会
第160回研究会
  • 日時:9月21日(水曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表テーマ:Implementation Progress of SDGs in Uganda
  • 発表者:Dr. Albert Byamugisha, Senior Policy Advisor, Office of Prime Minister, Uganda
  • 言語:英語
第161回研究会
  • 日時:9月22日(木曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表テーマ:Influences of Technological Advancements on Sustainable Graduate Employability: Case of Bangladesh
  • 発表者:Dr. Md. Jahangir Alam, Associate Professor, Department of Japanese Studies, University of Dhaka
  • 言語:英語

本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部・事務局

  • E-mail: [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



関西支部:活動報告(2022年2月)

関西支部では2021年度に引き続き、2022年度もZoomを用いた遠隔による定期的な研究会を開催する。本支部が開催する研究会では、国際開発・国際協力に関するさまざまな分野の専門家を招聘し、現在世界的な問題となっているコロナ禍、また、コロナ後における国際開発・国際協力に関する議論を精力的に展開していく。

研究会の開催によって期待される成果は主に次の2点である。第一に、研究会で行われる最先端のトピックに関する講演や議論に参加することにより、とりわけ若い学生会員が研究意欲を刺激され、積極的に国内外の学会での発表や査読付きのジャーナルへの投稿を行うようになることで、国際開発研究が活性化されていくことが期待される。

また、研究会を通して、国内外の第一線で活躍されている講師と若手研究者が学術的なネットワークを構築し、若手研究者の将来の国際開発分野における活躍につながることも期待される。

上記活動計画に基づき、2021年10月から2022年1月現在に至るまで、計3回(第157回から第159回)の研究会を開催したため、その内容について以下の通り報告する。

第157回研究会

Non-formal Education and Poverty Alleviation: Case of Burkina Faso and Korea Collaboration

  • 発表者:Dr. Ki Seok “Korbil” Kim, Emeritus Professor, Seoul National University & CEO & Chairman, Educators Without Borders (EWB)
  • 討論者:Dr. Jean-Baptiste M.B. Sanfo, Lecturer, University of Shiga Prefecture
  • 参加人数:28名
  • 日時:2021年10月21日(木曜)17:00-19:00
  • 言語:英語

概要

本研究会では、国際NGO「国境なき教育者(Educators Without Borders: EWB)」の創設者であり、現代表を務めるKimソウル国立大学名誉教授を招聘し、「Non-formal Education and Poverty Alleviation: Case of Burkina Faso and Korea Collaboration」をテーマとした講演が行われた。

Kim教授は、まずEWB設立の契機や、これまでの活動について説明し、「質の高い教育を通じた貧困削減」をスローガンに実施されてきたEWBの活動が拡大を続け、ブルキナファソにおける国際開発を牽引していると述べた。また、KOICAからの支援を受けた「貧困のためのグローバル・アライアンス(GAPA)」プロジェクトについて言及した。

1) 識字教育、2) 所得向上のための技術訓練、3) マイクロクレジットの3つの活動の実施を目的とした本プロジェクトは、ブルキナファソの識字率向上や貧困削減に大きく貢献し、1000人を超える参加者の現地語及びフランス語の識字能力向上、専門技術習得といった成果が見られたほか、590人に対して実施されたマイクロクレジット・プログラムでは、参加者が習得したスキルを用いることで恒常的に所得を得られる循環が作られたとした。

さらに、新たな取り組みとして、「女性のエンパワーメントのための養鶏マイクロクレジット」プログラムを実施している点にも触れた。このように、本研究会はKim教授の講演及びその後の議論を通じて、国際NGOの概要やビジョン、活動について知見を深める意義深い機会となった。

第158回研究会

Learning Loss During COVID-19: An Early Systematic Review

  • 発表者:Dr. Harry Patrinos, Practice Manager, World Bank
  • 討論者:Dr. Keiichi Ogawa, Professor, Kobe University
  • 参加人数:53名
  • 日時:2021年11月3日(水曜)9:00-11:00
  • 言語:英語

概要

本研究会では、世界銀行本部の次長として活躍しているHarry Patrinos博士を招聘し、「Learning Loss During COVID-19: An Early Systematic Review」をテーマとした講演が行われた。

Patrinos博士は、COVID-19感染拡大がグローバル教育システムの混乱を引き起こしたことで、研究者らは学習成果への影響、とりわけ「学びの喪失(Learning Loss)」について注目するようになったことに言及した。

Patrinos博士が「学びの喪失」に関する8編の研究論文をレビューした結果、COVID-19感染拡大の影響は正負どちらもありうること、「学びの喪失」を経験した子どもが多い地域では、教育格差が大きく拡大したことが明らかとなった。講演の最後では、地域性や生徒の特徴など、より多くの要因を踏まえたさらなる研究が必要であることにも触れた。

講演後には、小川関西支部長の問題提起により、COVID-19感染拡大がもたらした教育への正負の影響について、またコロナ禍での教育に関する世界銀行によるプロジェクトなどについての議論が交わされた。本研究会は、Patrinos博士の講演及びその後の議論を通じて、本支部の今年度の活動目的でもある、コロナ禍での教育の現状について深い知見が得られる大変貴重な機会となった。

第159回研究会

Data as An Empowerment Tool: Rwanda’s Innovative Efforts to Empower Young Population through Disseminating and Monitoring SDGs

  • 発表テーマ:
  • 発表者:Mr. Ruben Muhayiteto, Training Center and Data Science Campus Manager,
  • National Institute of Statistics of Rwanda
  • 討論者:Ms. Yumi Matsuda, Former UNICEF Rwanda, Chief, Planning, Monitoring and Evaluation Section/ Former UNICEF Jordan, Chief, Planning, Monitoring and Evaluation Section
  • 参加人数:36名
  • 日時:2021年12月2日(木曜)18:00-19:30
  • 言語:英語

概要

本研究会では、発表者としてルワンダ国立統計研究所のRuben Muhayiteto氏、討論者としてユニセフ・ルワンダ事務所及びヨルダン事務所でプロジェクトの計画・モニタリング・評価に携わってこられた松田氏を招聘し、「Data as An Empowerment Tool: Rwanda’s Innovative Efforts to Empower Young Population through Disseminating and Monitoring SDGs」をテーマとした講演が行われた。

Muhayiteto氏は、ルワンダ国立統計研究所が、同国における統計リテラシー向上に向けたデータの収集や統計資料の公開、国立統計システムを用いたキャパシティ・ビルディングなどを実施していることを紹介した。とりわけ「Reading with Children」と題するプロジェクトの実施や、統計的知識や能力を競う大会の開催によって初等教育から高等教育に渡り統計リテラシーの涵養が推進されていることに触れた。

また、メディア産業のための統計リテラシーの重要性についても言及した。講演後は、松田氏からの話題提供を受け、統計データを理解する力が子どもにとってなぜ肝要なのか、またユニセフにおけるデータの運用・モニタリングなどについて活発な議論が行われた。

本研究会は、Muhayiteto氏の講演や同氏と松田氏の間の議論を通じて、教育開発を含む国際開発分野での統計リテラシー向上の意義について深い知見が得られる大変意義深い機会となった。

関西支部
支部長:小川啓一(神戸大学)




関西支部研究会のご案内(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をZoomで開催します。ご参加を希望される方は、関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。ふるってご参加ください。

第159回研究会

Data as An Empowerment Tool: Rwanda’s Innovative Efforts to Empower Young Population through Disseminating and Monitoring SDGs

  • 日時:12月2日(木曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表者:Mr. Ruben Muhayiteto, Training Center and Data Science Campus Manager,
    National Institute of Statistics of Rwanda
  • 討論者:Ms. Yumi Matsuda, Former UNICEF Rwanda, Chief, Planning, Monitoring and Evaluation Section/ Former UNICEF Jordan, Chief, Planning, Monitoring and Evaluation Section
  • 言語:英語

本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部事務局

E-mail: [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)




関西支部:2021年度活動報告(2021年11月)

関西支部では、国際開発の課題克服に貢献しうる研究を展開していくことを目的に、2021年度は国際開発・国際協力に関するさまざまな分野の専門家を、国際機関、政府機関、学術機関から招聘して研究会を中心に活動を行った。

本支部が開催する研究会では、現在、世界的な問題となっているコロナ禍、また、コロナ後における国際開発・国際協力に関する議論も精力的に展開した。具体的には、第149~156回の研究会をオンライン(Zoom)で開催したので、その内容について、以下のとおり報告する。

第149回研究会

  • 日時:2021年8月10日(火曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Innovation and New Partnerships in International Development after the Post-Covid World
  • 発表者:Dr. Mariko Gakiya, Former Shine Advisory Board Member, Harvard T.H. Chan School of Public Health
  • 参加人数:32名
  • 言語:英語
概要:

本研究会では、ハーバード大学の我喜屋まり子博士を招聘し、「Innovation and New Partnerships in International Development after the Post-Covid World」をテーマに講演をしていただいた。我喜屋博士はまず、グローバル社会においての重要課題である人的資源開発、国際開発、パートナーシップ強化に関する国際的動向について説明し、持続可能な開発と福祉をめざし「学習から技術革新・協調・パートナーシップ、そしてより質の高い公益財」にいたる社会システムが形成されつつあることについて言及した。

また、COVID-19感染拡大後の傾向として、オンラインによる多様な学習機会の整備、経済成長を見据えたニーズの高いスキルを習得できる学習環境の拡大、官民など多様なアクターの連携強化を挙げた。とくに、パートナーシップ強化に関してはSDG 17がパートナーシップの活性化を掲げている点、技術革新や国際開発は協調関係のなかで加速する点、加えて信頼関係構築の重要性を明らかにした最新の研究報告をふまえ、多様性・公正・インクルージョンを考慮した組織形成の必要性を強調した。

講演後には我喜屋博士と参加者とで多岐にわたる話題に関して活発な議論が行われただけでなく、我喜屋博士から若手研究者に対してグローバルに活躍するためのアドバイスが語られる場面もあり、参加者が新たなポスト・コロナ時代の技術革新、パートナーシップ、人的資源開発について深い知見を得た大変貴重な機会となった。


第150回研究会

  • 日時:2021年8月17日(火曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Education Under the COVID-19 in Yemen
  • 発表者:Dr. Hamound Al-Seyani, Advisor, Ministry of Education, Yemen
  • 参加人数:34名
  • 言語:英語
概要:

本研究会では、イエメン教育省アドバイザーとして長年イエメンの教育発展に寄与されているHamound Al-Seyani博士を招聘し、「Education Under the COVID-19 in Yemen」をテーマに、イエメンにおける教育制度・状況について新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大以前・以後の両観点から講演をしていただいた。

冒頭では、同国における社会問題は、紛争を筆頭にCOVID-19感染拡大以前から中高等教育の就学率の低さや全教育段階での男女差、校舎の再建、教員のストライキなどといったかたちで教育にも大きく影響してきたことが説明された。

つづいて、コロナ感染拡大以後のイエメンについて言及し、第一波(2020年4月)、第二波(2021年2月)に続き、現在の第三波とイエメン全土で感染拡大しているCOVID-19が、国民の社会生活に深刻な打撃を与えていることは明らかにされているものの、政府発表の感染者数や死亡者数は実際の10%以下であるという指摘がなされた。

また、同国教育省もCOVID-19感染拡大による教育のアクセス・質への影響を問題視しており、サナとアデンにある南北両政府は共通したコロナ対策教育プランを策定し、コロナ禍においての教育改善に尽力していると強調した。とりわけ重要な課題として、学校閉鎖期間も教育環境を担保できるICT導入を挙げ、SDGs達成には多くの支援が必要であることを訴えた。

講演後にもイエメンの複数政府での政策遂行やout of school childrenの軍への入隊についてなど多岐にわたる参加者の質問に明快に回答がなされ、参加者がイエメンの教育現状について理解を深める意義の大きい研究会となった。


第151回研究会

  • 日時:2021年8月24日(火曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Ugandan Journey to Achieve SDGs under the COVID-19
  • 発表者:Dr. Albert Byamugisha, Senior Technical Advisor, Office of Prime Minister, Uganda
  • 参加人数:32名
  • 言語:英語
概要:

本研究会では、ウガンダ内閣府のシニア・アドバイザーをされているAlbert Byamugisha博士を招聘し、「Ugandan Journey to Achieve SDGs under the COVID-19」をテーマに講演をしていただいた。

Byamugisha博士は、ウガンダ政府がこれまでにSDGs達成に焦点をおいて政策立案・実施を行ってきたことに触れ、政府組織の形成、国家・地方レベルでのリーダーシップ養成、国際機関や民間セクター・地域社会とのパートナーシップの強化などの多様な政策の結果、2030年までの達成目標の50%超を現時点で達成されており、アフリカ52か国中18位と評価されていることを強調した。

現在のCOVID-19感染拡大の影響としては、経済成長率の前年比3.9%減少に加えてロックダウンによるオンライン教育や在宅の推進、労働時間の減少、移動の減少などを挙げ、とくに社会の格差を深刻化させた点が憂慮されると指摘した。

一方で、COVID-19によるさまざまな社会変化は持続可能な社会やバランスの取れた経済成長の重要性を市民に訴えかけるものでもあったとし、今後も2030年の目標に向けてコロナ感染拡大からの復興プランの実施、SDGs関連政策のe-ガバナンスや地方分権を促進していく方針を示した。

関西支部が今年度のテーマとして掲げている「コロナ禍、また、コロナ後における国際開発・国際協力」について、ウガンダ政府の内閣府アドバイザーと実際に議論を交わすことができた本研究会は、参加者にとって大変意義深い場となった。


第152回研究会

  • 日時:2021年8月27日(金曜)17:00-18:00
  • 発表テーマ:SDG4 and National Policy Implementation under the COVID-19 in Cambodia
  • 発表者:Mr. Sothea Lim, Director-General, Ministry of Education, Youth, and Sports, Cambodia
  • 参加人数:28名
  • 言語:英語
概要:

本研究会では、カンボジア教育青少年スポーツ省政策計画局の総局長として長年にわたってカンボジアの教育政策と計画に携わっておられるSothea Lim氏を招聘し、「SDG4 and National Policy Implementation under the COVID-19 in Cambodia」と題する講演をしていただいた。

はじめに、MDGsからSDGsへの転換のなかで、カンボジアの国家戦略Vision 2030がどのようにSDGsの達成に寄与していくのかが説明された。とくに、教育セクターは、国家戦略において重要な人的資源開発に貢献する分野であり、カンボジアではSDG4達成に向けた教育戦略やロードマップが作成されていると紹介があった。

また、国家レベルの中長期目標を展開するだけでなく、地方・学校レベルでの短期の計画と連携しながら政策を進めていくことの重要性が指摘され、カンボジアにおける教育省と地方行政の繋がりが紹介された。

つづいて、Lim氏はそうしたビジョンの実現をめざすなかで、COVID-19に教育省としてどのように対応していくのかという展望について解説した。SDG4が掲げる公正なアクセスや質の高い教育を阻む課題に対して、テレビやラジオ、ウェブを通じた遠隔授業体制の拡充や学校・教員への積極的なサポートなどの実施策が挙げられた。

また、子どものワクチン接種の推進や健康を守るためのガイドラインを作成することで、コロナ禍が明けた後に子どもたちが安心して教室へと戻ってくることができるようにと準備が進められていることに言及された。

講演後にも参加者からの積極的な質問に対して一つ一つ丁寧に回答がなされ、参加者がカンボジアにおける教育戦略の動向に理解を深める意義深い研究会となった。


第153回研究会

  • 日時:2021年9月7日(火曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Education in Emergencies: Education for Refugee and Migrant Children in Egypt
  • 発表者:Ms. Marie Kunimatsu, Education Officer, UNICEF Sudan
  • 討論者:Dr. Asayo Ohba, Associate Professor, Teikyo University 
  • 参加人数:43名
  • 言語:英語
概要:

本研究会では、現在ユニセフ・スーダン事務所で勤務されている國松茉梨絵氏を招聘し、「Education in Emergencies: Education for Refugee and Migrant Children in Egypt」をテーマに、國松氏のユニセフ・エジプト事務所での経験に基づいた緊急時の教育支援について講演をしていただいた。

講演ではまず、緊急時の教育や緊急事態に関する定義や背景について、またエジプトにおける難民の現状と緊急時の教育支援について説明がなされた。國松氏は、緊急援助には突発的なものと長期的なものの大きく2つがある点、ユニセフはその両援助を行っている点に触れ、援助時における他のセクターや機関、NGOとのパートナーシップの重要性についても強調した。

エジプトの場合、難民の約半数がシリア難民であり、エジプト政府はシリア難民の子どもたちの公教育システムへの統合に積極的な姿勢を見せているものの、シリア式の教育制度に基づくコミュニティ・スクールへのニーズも高い点を指摘し、緊急時の教育支援の課題と展望について参加者に多くの知見を与える講演となった。

講演後には討論者として大塲麻代博士を迎え、コミュニティ・スクール閉鎖の背景や國松氏自身のユニセフでの経験についてなどの質問・議論がなされた。今回の研究会は、参加者43名と多くの学会員にとって高い関心のある議題であり、アフリカにおける緊急支援、教育開発に携わるお2人を招聘した大変貴重な機会であった。


第154回研究会

  • 日時:2021年9月14日(火曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Education in Myanmar under the COVID-19 and Military Coup
  • 発表者:Dr. Natsuho Yoshida, Assistant Professor, Takasaki City University of Economics
  • 討論者:Ms. Thet Mon Myat Myint Thu, Lecturer, Yangon University of Education
  • 参加人数:26名
  • 言語:英語
概要:

本研究会では、高崎経済大学の吉田夏帆先生とヤンゴン教育大学のThet Mon Myat Myint Thu先生を招聘し、「Education in Myanmar under the COVID-19 and Military Coup」をテーマとした講演会を開催した。

吉田先生はまず、ミャンマーにおけるCOVID-19感染拡大の影響として、対面授業の中止と公立学校においてのオンライン授業の未実施について言及し、公立・私立・インターナショナル校での教育格差の拡大が問題視されていることを背景とした、子どもたちの学習に対するCOVID-19感染拡大と軍事クーデターの影響についての研究発表をされた。

吉田先生は本研究の結果として、社会経済的地位の低い家庭の子どもは高い家庭の子どもよりも初等中等学校を退学しやすく、貧困家庭であればあるほど子どもたちの教育機会へのCOVID-19感染拡大と軍事クーデターの影響が大きくなる可能性を示した。

また、Thet Mon Myat Myint Thu先生は、社会経済的地位の差による基礎教育の格差拡大についての吉田先生の議論に同意したうえで、児童労働の増加や早婚、ICT設備の不足などの課題も挙げた。また、市民の反軍事政権運動として、教職員・児童・生徒・学生が学校や大学への出勤・通学を拒否しているという状況についても強調した。

その後の質疑応答ではミャンマーにおける教育の現状や今後の展望についてなど多くの質問が挙がり、COVID-19感染拡大と軍事クーデターがいかに教育の機会と質に多大な影響を与えているか、多くの知見を深める有意義な研究会となった。


第155回研究会

  • 日時:2021年9月23日(木曜)9:00-11:00
  • 発表テーマ:World Bank Support under Covid-19 in Latin America
  • 発表者:Dr. Marcelo Becerra, Senior Economist, World Bank
  • 討論者:Mr. Danilo Leite, Former Director, Ministry of Education, Brazil
  • 参加人数:31名
  • 言語:英語
概要:

本研究会では、世界銀行シニア・エコノミストのMarcelo Becerra博士を招聘し、「World Bank Support under Covid-19 in Latin America」をテーマとして講演をしていただいた。

まず、Becerra博士はラテンアメリカ・カリブ諸島におけるCOVID-19危機と学校閉鎖について言及し、ラテンアメリカは影響が多大だった地域の一つであり、学校閉鎖がニカラグアを除くすべての国で実施され、1億7千万人の子どもに影響があったことを述べた。

そのような多大な影響に対し、各国政府並びに国際機関などはラジオやその他媒体を用いて教育を継続させるため尽力してきたものの、インターネット環境が整った家庭は限られており、とりわけ脆弱な子どもたちの教育格差を拡大してしまう点を考慮すると、オンライン授業を対面授業の完全な置換として導入することは困難であると強調された。

講演後には討論者として、元ブラジル教育省局長のDanilo Leite氏を迎え、コロナ感染拡大下においていかにして子どもたちに質の高い平等な教育機会を提供できるのか、また世界銀行はこのコロナ感染拡大によるプロジェクト実施の困難性にどのように対応しているのかなど多岐にわたる議論が交わされた。

本研究会はラテンアメリカ及びカリブ諸国でのCOVID-19の教育への影響とそれに対する世界銀行の支援について理解を深める大変貴重な機会となった。


第156回研究会

  • 日時:2021年9月30日(木曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Prospects and Challenges of Japanese FDI in Bangladesh
  • 発表者:Dr. Abdullah Al Mamun, Assistant Professor, University of Dhaka
  • 討論者:Dr. Shiro Nakata, Senior Economist, World Bank
  • 参加人数:102名
  • 言語:英語
概要:

本研究会では、ダッカ大学のAbdullah Al Mamun博士を招聘し、「Prospects and Challenges of Japanese FDI in Bangladesh」をテーマに講演をしていただいた。

Mamun博士は、バングラデシュにおいて拡大傾向にある日本の海外直接投資(FDI)がもたらす効果として、雇用の創出、インフラの開発、経済成長、貧困の軽減などを挙げ、これらはバングラデシュの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に寄与するという展望について言及した。

また、日本側にもたらされる効果として、東南アジア諸国連合諸国並びに南アジア地域協力連合諸国とベンガル湾産業成長地帯(BIG-B)の関係強化、公海や航空ルートの利用拡大、豊富な天然ガス・水・肥沃土の利用、巨大な労働市場を背景とする低コストによる生産、著大な消費者市場の存在を強調した。

日本によるFDIの課題としては、バングラデシュの低い「ビジネスのしやすさ指数」(世界銀行発表)、期待ギャップ、輸入時の電子送金の不可、銀行における海外企業への貸付制限、税制制度などがあるとした。

講演後には、世界銀行シニア・エコノミストとしてバングラデシュの支援に携わってこられた中田志郎博士を迎え、日本からバングラデシュへのFDIを中心に、多岐にわたる論点について活発な議論が行われた。本研究会はMamun博士の講演並びにその後の議論を通じ、てバングラデシュにおける日本のFDIの展望と課題について深い知見を得ることができた大変意義深い研究会となった。

関西支部
支部長・小川啓一(神戸大学)
副支部長・關谷武司(関西学院大学)




関西支部研究会のご案内(10/21、11/3)

関西支部では下記の研究会をZoomで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。ふるってご参加ください。

第157回研究会

  • 日時:10月21日(木曜)午後5時~7時まで
  • 発表テーマ:Non-formal Education and Poverty Alleviation: Case of Burkina Faso and Korea Collaboration
  • 発表者:Dr. Ki Seok “Korbil” Kim, Emeritus Professor, Seoul National University/ CEO & Chairman, Education Without Border
  • 討論者:Dr. Jean-Baptiste M.B. Sanfo, Lecturer, University of Shiga Prefecture
  • 言語:English

第158回研究会

  • 日時:11月3日(水曜)午前9時~11時まで
  • 発表テーマ:Learning Loss During COVID-19: An Early Systematic Review
  • 発表者:Dr. Harry Patrinos, Practice Manager, World Bank
  • 討論者:Dr. Keiichi Ogawa, Professor, Kobe University
  • 言語:English

本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部事務局

関西支部 – JASID Official Website

E-mail: [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)




【参加募集】関西支部研究会

関西支部では下記の研究会をZoomで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。ふるってご参加ください。

開催日時

第153回研究会

  • 日時:9月7日(火曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Education in Emergency Strategy and Response in Sudan
  • 発表者:Ms. Marie Kunimatsu, Education Officer, UNICEF Sudan
  • 討論者:Dr. Asayo Ohba, Associate Professor, Teikyo University
  • 言語:English

第154回研究会

  • 日時:9月14日(火曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Education in Myanmar under the COVID-19 and Military Coup
  • 発表者:Dr. Natsuho Yoshida, Assistant Professor, Takasaki City University of Economics
  • 討論者:Ms. Thet Mon Myat Myint Thu, Lecturer, Yangon University of Education
  • 言語:English

第155回研究会

  • 日時:9月23日(木曜)9:00-11:00(午前中に開催します)
  • 発表テーマ:World Bank Support under Covid-19 in Latin America
  • 発表者:Dr. Marcelo Becerra, Senior Economist, World Bank
  • 討論者:Mr. Danilo Leite, Former Director, Ministry of Education, Brazil
  • 言語:English

第156回研究会

  • 日時:9月30日(木曜)17:00-19:00
  • 発表テーマ:Prospects and Challenges of Japanese FDI in Bangladesh
  • 発表者:Dr. Abdullah Al Mamun, Assistant Professor, University of Dhaka
  • 討論者:Dr. Shiro Nakata, Senior Economist, World Bank
  • 言語:English

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