企画運営委員会

Planning and Management

支部・研究部会活動、特別事業の企画運営および合理的配慮等

委員長

  • 会長:山田肖子(名古屋大学)

委員

  • 松本悟(学会副会長:法政大学)
  • 小國和子(学会副会長:日本福祉大学)

合理的配慮ワーキンググループ(WG)

WG長

  • 山形辰史(立命館アジア太平洋大学)

委員

  • 小國和子(学会副会長:日本福祉大学)
  • 川口 純(筑波大学)
  • 土橋喜人(金沢工業大学)
  • 森 壮也(アジア経済研究所)

人材推薦ワーキンググループ(WG)

WG長

  • 伊東早苗(名古屋大学)

委員

  • 高橋基樹(京都大学)
  • 山形辰史(立命館アジア太平洋大学)

関連情報




『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会(2023年11月)

アフリカ・アジアにおけるものづくり

Study Group on Manufacturing in Africa and Asia

メンバー

代表

高橋基樹(京都大学)

副代表

井手上和代(明治学院大学)


活動開始から活動終了までの予定

1年目(2021年10月~2022年9月)<終了>

初年度は2022年3月、5月、8月の計3回の研究部会を開催した。概要は以下の通り。

研究部会

2022年3月11日(金曜)9:30~15:30
  • 「南アフリカにおける『ものづくり』とカイゼンを促進する要素」神公明(JICA緒方貞子平和開発研究所専任参事)
  • 「東南アジア洋上の船舶労働: 言語能力・入職経路・労働環境」町北朋洋(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)(有本寛、坪田建明との共同研究)
  • 「アフリカにおける社会的遺児のキャリア形成と職業訓練」朴聖恩(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
  • 「COVID-19がインフォーマルなものづくり事業者に与えた経済的影響-ケニアの首都ナイロビに注目して-」松本愛果(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
  • 「ウガンダ都市インフォーマル金属加工業における知識の構成 -ものと人の関係に着目して-」山崎裕次郎(名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程)
2022年5月28日(土曜)15:00~17:30
  • 「ガーナのボルガバスケット産業におけるかご編み技術の共有とその広がり―産地内の地域分化に着目して」 牛久晴香(北海学園大学経済学部地域経済学科准教授)
  • 「BOPビジネスの実現に向けたField-based approachの実践」黒川基裕(高崎経済大学地域政策学部地域政策学科教授)
2022年8月6日(土曜)15:00~17:30
  • 「沖縄県の焼物業界における職人・見習いの日常と実践: セネガルのグラフィティ集団を射程に入れて」前田夢子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
  • 「激動する4つの潮流:ポストコロナ時代の産業開発支援とものづくり」本間 徹(国際協力機構国際協力専門員)

2年目(2022年10月~2023年9月)<終了>

2年目は4回の研究部会に加えて、全国大会でのセッション開催を企画・実施した。概要は以下の通りである。また、ものづくりに関する知見を深めるため、研究部会のメンバーとともに東大阪市役所、三和鋲螺製作所へ訪問し、担当者への聞き取りと工場見学を行った。

研究部会

2022年10月22日(土曜)15:00~17:30
  • 「モザンビーク都市部における小規模金属加工業の動態:南部マトラ市の金属建具製造に着目して」畔柳理(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
  • 「鉄鋼産業の技術移転研究:韓国ポスコの技術導入からインドネシア移転まで」辺成祐(近畿大学経営学部准教授)
2023年3月18日(土曜)15:00~17:30
  • 「デジタル・グローバル時代の人材育成:アジア・アフリカの現場から考える」栗田匡相(関西学院大学経済学部教授)
  • 「ケニア西部グシイ地方におけるソープストーン彫刻産業の現状」板久梓織(東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程)
2023年4月22日(土曜)15:00~17:30
  • 「ケニアにおける小規模農家のアグリプラットフォーム利用状況の検討」井上直美 会員(東京外国語大学大学院博士後期課程、アジ研連携研究員)
  • 「ナイロビの都市インフォーマルセクターにおけるオンライン・マーケティングの利用」福西隆弘 会員(アジア経済研究所 開発研究センター/開発スクール)

2023年6月24日(土曜)15:00~17:30

  • 「南アフリカに進出した中国系製造業企業における人事管理の現状」シ ゲンギン(立教大学異文化コミュニケーション学部助教)
  • 「ガーナにおけるブラックソープの製法とオペレーション改善」尾崎隼人 (江崎グリコ株式会社)

企画セッション

  • 日時:2022年12月4日(日曜) 12:45 〜 14:45
  • 会場: 明治大学駿河台キャンパス リバティタワー 9F 1093
  • 題目:包摂的な産業開発は可能か―アフリカにおけるものづくりの現場から
企画の背景:

アフリカにおける製造業・ものづくりについては、少数の大企業と大多数の小規模零細企業からなる二重構造、また、政府と小規模零細企業の断絶などが議論されてきた。しかし、これらの議論では把握できない状況も指摘されており、ものづくりの現場に立ち返り、担い手の課題や営為の詳細を理解しておく必要がある。本セッションでは、実証調査に基づく研究成果を報告し、既往の議論の問い直しを図る。

報告者:
  1. 高橋基樹(京都大学)「アフリカにおける製造業の「失われた中間」を問い直す―ソファ製造の多系的発展の事例から」
  2. 井手上和代(明治学院大学)「ケニアの小規模零細金属加工業者のものづくりと資金調達―企業者的能力に着目して」
  3. 松原加奈(東京理科大学)「支援を渡る―政府と国際援助機関によるエチオピア皮革産業の現地企業への影響」
  4. 日下部美佳(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)「ザンビア・ルサカにおける障害者団体の技能訓練と生産活動―技能形成に着目して」

3年目(2023年10月~2024年9月)←今年度

定例研究部会を継続して実施する。

直近のところでは、11月にインドにおけるものづくりの研究者(川中薫/国際ファッション専門職大学、久保田和之/神戸大学経済経営研究所)を招き、「インド編」として研究部会を開催することを検討している。

これに加えて、3年目は部会の最終年度にあたるため、これまでの事例報告等に基づき、論文・書籍刊行の作業を進めていく。


成果の公表予定

<学会での発表、学会誌での特集企画など>

3年目<今年度>

各研究部会の公開、HPでの発信および、研究部会や企画セッション報告に関わる論文の雑誌掲載とまとめての書籍刊行を目指す。


女性会員、外国人会員、若手研究者(若手正会員)の活動奨励策

本研究は、特に大学院生や若手研究者の活動を奨励するために、成熟した研究・分析の結果のみならず、今後さらに発展させようとする計画段階の研究の発表も呼びかけている。

これにより、大学院生や若手研究者を含めた幅広い研究者間の交流に繋がっている。また女性の研究者の報告を積極的に募っており、これまでの期間中、約半数の報告者は女性である(予定も含む)。

また、開催形式をハイブリッド形式で実施することで、対面形式では参加が難しかった育児中や遠方からの出席者、海外赴任中の研究者等にも幅広く参加を呼び掛けることができた。

今後も研究部会を定期的に開催し、学会の内外で、ものづくり研究のすそ野の広がりに繋げていきたい。


『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会
副代表 井手上和代(明治学院大学)




「アフリカ・アジアものづくり研究部会・第9回研究会」12月16日開催(会員・一般)

「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」よりお知らせです。

第9回研究部会を12月16日(土曜)15:00~開催いたします。

今回は、ものづくり研究の「インド編」です。ぜひご参加いただけましたら幸いです。

開催要領

■開催日時:2023年12月16日(土曜)15:00~18:00
■実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド
オンサイトの会場は京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室を予定
(アクセス:)
※当日入口は施錠されています。14:30~15:00まではドアを開閉するスタッフがいますが、その前後に来られた方は、入口に掲示されている電話番号にご連絡ください。

報告テーマ

「グローバルファッション産業のなかのインド・デリーのアパレルー縫製工ネットワークと状況適応的生産」

川中薫(国際ファッション専門職大学)

「現代インド・ムンバイーの革製品産業—スラム工房ネットワークを通じたイノベーション—」

久保田和之(神戸大学)

  • 特別コメンテーター:佐藤隆広(神戸大学)

本件にかんするお問い合わせ先

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会 事務局

africaasiamonozukuri [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

研究会への参加申し込みやお問い合わせは、上記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。皆様のご参加をお待ちしております。




京滋支部(2023年11月)

2023年度の京滋支部の活動は以下のとおりです。

京滋支部研究報告会

2023 年4月23日(日曜)、京都大学稲盛財団記念館にて、若手研究者を対象にした研究報告会をハイブリッドで開催しました。

当日は、学生会員(博士前・後期課程)および PD、助教レベルの会員による 15 の研究成果および中間報告が対面で行われました。

本年の特徴として、関西圏だけでなく、関東地区の学生会員数名が学会の交通費助成を利用し対面で報告を行いました。所属大学の地域を越えて、若手研究者に研究成果や進捗状況を共有する機会を提供し、互いに議論し交流する場となりました。

これも支部の重要な役割の一つと認識しています。

京滋支部研究会

2023年6月24日(土要)、「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」との共催で、研究会を京都大学稲盛財団記念館にてハイブリッドで開催しました。

当日は、同研究部会および京滋支部からそれぞれ一つずつ発表を行いました。京滋支部として江崎グリコ株式会社尾崎隼人氏を招き、「ガーナにおけるブラックソープの製法とオペレーション改善」をテーマに発表してもらいました。

尾崎氏が海外青年協力隊員として赴任時に撮影したビデオも交えたブラックソープの製造過程、生産現場のカイゼンによる効率化の紹介と、製造過程で生じる廃棄物の再利用という環境配慮への含意も示されました。

本発表は「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」のテーマにも通じるもので、発表に続く質疑応答では活発な意見交換がなされ、相互にとって有意義な研究会となりました。

なお本支部では、2023年度から、龍谷大学斎藤文彦会員が副支部長に就任しました。

京滋支部
支部長:渡邉松男(立命館大学)




『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会(2023年11月)

2023年度活動報告

活動2年目にあたる2023年度は、計4回の研究部会に加え、全国大会でのセッション開催を企画・実施しました。以下に、活動の詳細をご報告いたします。

毎回の研究部会を通じてアフリカ・アジアにおけるものづくりの多様性を再確認するとともに、両地域間の共通性や差異性を知ることが出来ました。

参加者は大学院生や若手研究者を含む大学に所属する研究者のほか、開発機関や民間企業の実務者など幅広く、毎回20名を超える参加者がありました。

また、今年度は、研究会を通じて得られた繋がりを活かして、日本を代表するものづくりのまちとして知られる東大阪市を一部の会員とともに訪問し(市役所のモノづくり支援室/三和鋲螺製作所)、ものづくりに関する知見を深めました。

以上の取り組みを通じて、研究者間の交流に繋がるとともに、ものづくり研究のすそ野が着実に広がってることを実感しています。

第4回研究会

  • 開催日時:2022年10月22日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド

プログラム

15:00-15:05
開会
高橋基樹(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10
自己紹介

15:10-16:10
「モザンビーク都市部における小規模金属加工業の動態:南部マトラ市の金属建具製造に着目して(仮)」
畔柳理(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程、オンライン参加)

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「鉄鋼産業の技術移転研究:韓国ポスコの技術導入からインドネシア移転まで」
辺成祐(近畿大学経営学部准教授)

17:20-17:30
閉会、次回の予定

第5回研究会

  • 開催日時:2023年3月18日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド

プログラム

15:00-15:05 
開会
高橋基樹(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10 
自己紹介

15:10-16:10
「デジタル・グローバル時代の人材育成:アジア・アフリカの現場から考える」
栗田匡相 会員(関西学院大学経済学部教授)

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「ケニア西部グシイ地方におけるソープストーン彫刻産業の現状」
板久梓織(東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程)

17:20-17:30
閉会、次回の予定

第6回研究会

  • 開催日時:2023年4月22日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド

プログラム

15:00-15:05
開会
高橋基樹(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10
自己紹介

15:10-16:10
「ケニアにおける小規模農家のアグリプラットフォーム利用状況の検討」
井上直美 会員(東京外国語大学大学院博士後期課程、アジ研連携研究員)

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「ナイロビの都市インフォーマルセクターにおけるオンライン・マーケティングの利用」
福西隆弘 会員(アジア経済研究所 開発研究センター/開発スクール)

17:20-17:30
閉会、次回の予定

第7回研究会 (共催:京滋支部)

  • 開催日時:2023年6月24日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド

プログラム

15:00-15:05
開会
高橋基樹(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10
自己紹介

15:10-16:10
「南アフリカに進出した中国系製造業企業における人事管理の現状(仮)」
シ ゲンギン(立教大学異文化コミュニケーション学部助教)

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「ガーナにおけるブラックソープの製法とオペレーション改善」
尾崎隼人(江崎グリコ株式会社)

17:20-17:30
閉会、次回の予定

国際開発学会第33回全国大会企画セッション
「包摂的な産業開発は可能か―アフリカにおけるものづくりの現場から」

  • 開催日時:2022年12月4日(日曜) 12:45 〜 14:45
  • 場所:明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー 9F 1093

企画の背景:

アフリカにおける製造業・ものづくりについては、少数の大企業と大多数の小規模零細企業からなる二重構造、また、政府と小規模零細企業の断絶などが議論されてきた。

しかし、これらの議論では把握できない状況も指摘されており、ものづくりの現場に立ち返り、担い手の課題や営為の詳細を理解しておく必要がある。本セッションでは、実証調査に基づく研究成果を報告し、既往の議論の問い直しを図る。

報告者

  1. 高橋基樹(京都大学)
    「アフリカにおける製造業の「失われた中間」を問い直す―ソファ製造の多系的発展の事例から」
  2. 井手上和代(明治学院大学)
    「ケニアの小規模零細金属加工業者のものづくりと資金調達―企業者的能力に着目して」
  3. 松原加奈(東京理科大学)
    「支援を渡る―政府と国際援助機関によるエチオピア皮革産業の現地企業への影響」
  4. 日下部美佳(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
    「ザンビア・ルサカにおける障害者団体の技能訓練と生産活動―技能形成に着目して」

座長報告:高橋基樹(京都大学)

本セッションには、対面で11名、オンラインで11名の参加があった。本セッションは、「アフリカ・アジアにおけるものづくり」研究部会の活動を踏まえ、その成果を学会に還元することを念頭に置いて企画したものである。

アフリカ諸国が21世紀初頭からの高度成長を経てかえって強まった資源・一次産品への依存からの構造転換のために、ものづくり・製造業の現状を、実証研究を通じて考察することが要請されている。そこで必要なことは、多くの人が経済活動の担い手として参加する包摂的な開発が実現されてゆくことである。

最初の報告「アフリカにおける製造業の『失われた中間』を問い直す―ソファ製造の多系的発展の事例から―」(高橋基樹会員・京都大学)では、ケニア・ナイロビのソファ製造の複数のクラスターを取り上げ、製品について生じた革新的な知識が異なる業者の間で容易に共有される開放的なケースと知識が秘匿される閉鎖的なケースがあることが指摘された。

それは従来の「失われた中間」=二重構造論では捉えきれない多系的な発展とそれに応じた包摂が生じている可能性を示唆するものである。

続く「ケニアの小規模零細金属加工業者のものづくりと資金調達 ―企業者的能力に着目して―」(井手上和代会員・明治学院大学)では、ナイロビの金属加工業の資金調達と企業者能力について、製品と技術(機械化の程度)が異なる二つの地区の業者への聞き取り調査に基づき論じた。

長期資金需要の相対的多さにもかかわらず、金融市場における機会が狭められており、機械化の進んだ事業者も自己資金への依存率が高く、金融機関からの借り入れが限られていることが分かった。

事業者の企業者能力はそうした生産環境の負の要因を補うために発揮されている。

「支援を渡る―政府と国際援助機関によるエチオピア皮革産業の現地企業への影響―」(松原加奈会員・東京理科大学)は、最初にエチオピアの革靴産業と産業政策の歴史を跡付けた。

それを踏まえて、異なる3つの規模の企業が受けてきた支援を詳述し、小企業にも政府による外国援助を活用した支援が及んでいることを指摘する。

各企業は異なる複数の支援を渡りつつ恩恵を受けるものの、逆に支援を渡ることができずに廃業に追い込まれる場合があり、包摂が不均等なかたちで生じていることが示された。

「ザンビア・ルサカにおける障害者団体の技能訓練と生産活動―技能形成に着目して―」(日下部美佳会員・京都大学博士課程)は、福祉用具に携わる障害者団体の活動に着目し、個々人の技能の熟練及び多能工化と活動参加前の教育や技能の習得とがどのように関わっているかについて考察した。技能形成とものづくりという障害者の開発への主体的な参加が団体の存在によって可能となっている。

各報告に対して黒川基裕会員(高崎経済大学)、渡邉松男会員(立命館大学)から、理論的枠組みを踏まえた議論の陶冶に向けた助言や、考察をさらに深めるための問題の提起がなされた。これらは上記研究部会での議論を進展させるために非常に有益なものであり、本セッションを開催した意義を確認することができた。


2024年度活動計画

今年度はアフリカのものづくりに関する研究成果の発表が多かったため、次年度はアジアのものづくりの事例についても取り上げたいと考えています。

また、2024年度は最終年度にあたるため、ものづくりに関する議論を体系的に整理し、研究成果をまとめていきたいと考えています。

今後の研究会の予定として、ものづくり研究のインド編として2023年12月16日(土曜)に京都大学にて研究会の開催を企画しており、準備を進めています。

詳細については、改めてメーリングリストを通じて皆様にご案内を差し上げます。

『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会
副代表 井手上和代(明治学院大学)




第8回「アフリカ・アジアものづくり研究部会」10月7日開催(会員・一般)

神の克服か、家畜化か?―原材料階級とネットビジネスの社会学

次回研究会を来月、10月7日(土曜)に開催致します。今回は、一橋大学名誉教授・武蔵大学客員教授の西口敏宏さんに講演をいただきます。

西口さんは、経営学における組織論の大家で、最近では大著『コミュニティー・キャピタル―中国・温州企業家ネットワークの繁栄と限界』有斐閣、2016(辻田素子さんとの共著)を発刊され、いくつかの学会賞を受賞しておられます。

今回は、現在手がけておられる、インターネットによる個人情報の集中と資源化という変化の本質と影響の研究について講演をしていただきます。そのうえで、皆さんで講演内容をめぐって議論をしたいと考えております。

インターネット・ビジネスは、世界各地で、ビジネスのみならず、経済・社会のほぼあらゆる次元に影響を与えており、アフリカとアジアのものづくりを研究するにあたっても、避けて通ることのできないものとなっています。

たくさんの皆さまのご参加をお待ちしております。

要旨

21世紀初頭、アメリカから画期的なインターネット・ビジネスが産まれ、世界を席巻した。代表格はGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)である。その衝撃は、新たなビジネス様式といった次元をはるかに超えて、人類の大多数のつながり方を不可逆的に一変してしまった。

その結果、「個人情報の集中と資源化」が一方的に進められ、これまで私たちが永年親しんできた諸制度や道具立ての多くが反故にされつつある。本講演では、この切迫した現実問題の陥穽と可能性を読み解いていく。

開催概要

日時

2023年10月7日(土曜) 午後3時~6時

  • 西口さんの講演:午後3時から1時間強
  • 討論:休憩後終了時間まで

開催形式

オンサイト(対面)及びオンライン

会場(対面出席の場合):

東京理科大学富士見校舎 F201教室
[富士見校舎の住所およびアクセス]
〒102-0071 東京都千代田区富士見1-11-2
■東京メトロ半蔵門線、東西線、都営新宿線「九段下」駅下車、徒歩8分
JR総武線、東京メトロ有楽町線、東西線、南北線、都営大江戸線「飯田橋」駅下車、徒歩10分
(※今回、通常の京都大学稲盛財団記念館ではなく、東京の千代田区にある東京理科大学富士見校舎で行いますので、ご注意ください)


本件にかんするお問い合わせ先

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会 事務局

研究会への参加申し込みやお問い合わせは、下記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。重ねてたくさんの皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。

  • africaasiamonozukuri [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



第24回春季大会セッション報告(一般口頭発表)

一般口頭発表

[A1] Education(個人・英語)

  • 9:30 〜 11:30
  • 座長: Kazuhiro Yoshida(Hiroshima University)
  • コメンテーター: Hideki Maruyama(Sophia University), Mikiko Nishimura(International Christian University)
    1. [A1-01] CLASSROOM STRATEGIES OF MULTIGRADE TEACHING IN PRIMARY SCHOOLS IN LAO PDR
      Souksamay INTHAVONGSA (Hiroshima University)
    2. [A1-02] Community Participation in School Management Contributing to Promotion Rate: A Case of Kampong Thom Province in Cambodia
      Sokunpharoth SAY (Hirohsima University)
    3. [A1-03] Parental Involvement in Secondary School Students’ Career Planning in Low-Income Areas of Kenya: Focusing on a Low-Fee Private School and a Public Day School
      Fanantenana Rianasoa ANDRIARINIAINA (Osaka University)
    4. [A1-04] Global citizenship education in Madagascar: How do students identify themselves within the global world?Andriamanasina Rojoniaina RASOLONAIVO (Osaka University)
    5. [A1-05] Research on the Effect of the Improvisation of Teaching Materials in Angola: Focus on the Secondary School Chemistry Teachers
      Manuel Jordão, Satoshi KUSAKA (Naruto University of Education)

[A1-01] CLASSROOM STRATEGIES OF MULTIGRADE TEACHING IN PRIMARY SCHOOLS IN LAO PDR

Ms. Inthavongsa, reported that in Lao PDR teachers used numerous strategies for managing a multi-grade class, but had challenges in preparing individual tasks, using assessment rubrics, and coping with ethnic minority’s language, for which teachers need more training and experiences. Prof. Nishimura commented that further explanation were needed on teachers’ perception on their challenges, their experiences and skills.

[A1-02] Community Participation in School Management Contributing to Promotion Rate: A Case of Kampong Thom Province in Cambodia

Mr. Sokunpharoth reported that community’s roles of fund raising, children’s attendance, infrastructure development, and monitoring students’ progress help improving promotion rate of students in Cambodia. Prof. Maruyama asked about his sampling method, the membership and functions of the school management committee, and differences in the local dynamism.

[A1-03] Parental Involvement in Secondary School Students’ Career Planning in Low-Income Areas of Kenya: Focusing on a Low-Fee Private School and a Public Day School

Mr. Andriariniaina presented both parents in the slum areas in Nairobi, Kenya and parents, relatives and guardians in the pastoral area where women have no assets, are trying hard to help their children go to secondary school for a better prospect for future employability. Prof. Nishimura commented on the sample size, generalizability, and need to consider the diversity of the study area.

[A1-04] Global citizenship education in Madagascar: How do students identify themselves within the global world?

Ms. Rasolonaivo discussed that high school students in Madagascar were exposed to the COVID-19 pandemic and the global economic crises which gave them knowledge and awareness of global issues, helped by the new curriculum on the citizenship education that has more commonalities with global citizenship education. Prof. Maruyama suggested that the background and diversity of students, communities and schools need to be explained further.

[A1-05] Research on the Effect of the Improvisation of Teaching Materials in Angola: Focus on the Secondary School Chemistry Teachers

Mr. Manuel reported that a carefully designed workshop/training can strengthen teachers’ scientific knowledge and their attitude toward improvisation of teaching material in the secondary schools of Angola. Prof. Nishimura questioned about the particulars of the workshop, whether the presenter observed the classes, and changes in the motivation of teachers after the workshop.

総括

The five presenters of this session covered education challenges ranging from multi-grade teaching, community’s roles in school management, parental perspectives on children’s career planning, global citizenship education, and the improvisation of teaching materials, in African and Asian countries. The analytical methods also varied from qualitative, quantitative and mixed methods.

There were constantly some 30 participants many of whom joined and left during the session, and rich Q and A interactions.

報告者:Kazuhiro Yoshida(Hiroshima University)


[A2] 教育(個人・日本語)

  • 12:30 〜 14:30
  • 座長:小川 啓一(神戸大学)
  • コメンテーター:山田 肖子(名古屋大学)、小松 太郎(上智大学)
  1. [A2-01] 開発途上国における継続的な学力測定のためのテスト開発 ―マラウイ・ガーナ・ウガンダの事例―
    谷口 京子(広島大学)
  2. [A2-02] モザンビーク教育大学学生の教職志望動機に関する一考察-FIT-Choice 尺度を活用して-
    谷川 夏菜子、脇田 祐輔、Simbine Alberto、日下 智志(鳴門教育大学)
  3. [A2-03] 東ティモールにおける大規模縦断 EMISデータとGIS情報を用いた学生の教育進級履歴の決定要因に関する分析
    内海 悠二(名古屋大学)
  4. [A2-04] ケニアにおける教育改革の進捗と問題点―Competency-Based Curriculumの導入と教育制度の変更をめぐって―
    澤村 信英(大阪大学)
  5. [A2-05] 東ティモールにおける「母語を基礎とした多言語教育(MTB-MLE)」の適用可能性の検討-初等教育学校と前期中等教育学校の連携に着目して-
    須藤 玲(東京大学大学院)

コメント・応答など

谷口会員は、サブサハラ・アフリカ地域における生徒の学力を、各国のカリキュラムに照らし合わせて分析することの重要性を指摘し、マラウイ・ウガンダ・ガーナの3カ国におけるテスト開発および学力調査の結果を報告した。学力調査の結果からは、作成したテストの信頼性や3カ国間での学力比較を共有した。

これに対して、コメンテーターの小松会員から、各国のカリキュラムに照らしたテスト開発を進める上で3カ国を比較することの意義についての質問がなされた。また、選択国の代表性や他国への適応可能性などの観点から、3カ国を選定した理由等が問われた。

谷川会員らの第2発表では、モザンビークにおける教員の離職率の高さに関連して、教員の早期離職の原因を調査した結果が共有された。教員志望の大学生が教職を選択する理由に焦点を当て、現職教員に対する調査とは異なる視点からの考察を提示した。

コメンテーターの山田会員からは、分析における説明・被説明変数が離職率の要因を明らかにする上で妥当な選択であるのか指摘がなされた。また、分析結果について山田会員の視点による考察も加えられた。

内海会員による第3発表では、複雑な社会構造を有する東ティモールにおける生徒の就学生存率を、地理情報データを活用して空間的に把握する試みが共有された。

地理的に就学生存率が高い(低い)学校が密集するホット(コールド)スポットの存在を指摘するとともに、マルチレベル・ロジスティック回帰分析による要因の検討を行った。

小松会員からは、経年的に結果を見た際に一時的にホットスポットとなる地域の存在について質問が挙げられた。また、スポットが生じる要因の分析において十分に検討されていなかった社会的な要因としていくつかの可能性を提示した。

第4発表では澤村会員から、ケニアにおいて2018年から導入され始めた教育改革の進捗や課題について、教育改革の歴史を踏まえた報告がなされた。Competency-based Curriculumの推進が、学習者の能力を公正に伸ばすと期待されていながらも、実態としては不公正な社会に向かっているのではないかと評した。

山田会員は、Competencyとして求められる能力は、各時代における社会の在り方によって異なるのではないかと指摘し、ケニアの教育改革の歴史の中でCompetencyの在り方がどのように変化してきたのか等の質問を投げかけた。

須藤会員による第5発表では、多言語社会において推進されている「母語を基礎とした多言語教育(MTB-MLE)」の東ティモールにおける適用可能性について、教員側からの受容と反発に焦点を当てた考察が行われた。

前期中等教育学校において教員がMTB-MLE校に対して反発を示したことを踏まえ、初等教育段階と前期中等教育段階の連携における課題を指摘した。

小松会員は発表を受け、多言語教育における教育者の重要性を再確認した上で、彼らの声だけを「MTB-MLEへの社会的反発」と捉えることについて疑問を投げかけた。

また、MTB-MLEの試験的導入から彼らの受容と反発に至るまでのプロセスに目を向けることの意義を指摘した。

総括

コメンテーターからのコメント・質問はもとより、フロアからも積極的に質疑が挙がり、活発な議論が行われた。発表者・参加者の双方にとって有意義なセッションとなった。

報告者:小川 啓一(神戸大学)


[A3] 産業(個人・日本語)

  • 14:45 〜 16:45
  • 座長:高橋 基樹(京都大学)
  • コメンテーター:島田 剛(明治大学)、池上 寛(大阪経済法科大学)
  • 聴講人数:22名
  1. [A3-01] 南アフリカ小規模食品加工企業の存続と BEE政策の影響
    西浦 昭雄(創価大学)
  2. [A3-02] 職業教育の効果:ケニアの首都ナイロビを例として
    松本 愛果(京都大学)
  3. [A3-03] インドネシア西部における無煙クッキングストーブの潜在需要
    黒川 基裕(高崎経済大学)

コメント・応答など

同セッションの報告者は、西浦昭雄、松本愛果、黒川基裕の3会員、また討論者は池上寛、島田剛の両会員であった。また、22人ほどの参加者があった。

西浦報告「南アフリカ小規模食品加工企業の存続とBEE政策の影響」では、報告者から、アフリカの小規模企業がどのように、産業の二重構造を越えようとしているかという問題意識に立ち、個別の企業の成長の軌跡に注目することを念頭に置きつつ、南アフリカの小規模食品加工業に注目したことが説明された。

そのうえで、南アの企業に関する最も網羅的なデータベースであるWOWEBを利用し、HPも参照して、5年以上成長の軌跡をたどることのできる企業を絞り込み、その軌跡においてBlack Economic Empowerment(BEE)による調達面の優遇や、資金やエネルギーの調達、市場の開拓の問題などの影響を検討したことが説明され、企業の継続には段階的な規模拡大、需要の獲得、事業継承の容易さなどがカギとなっているとの知見が紹介された。

討論者から、BEEが経営者の属性(「人種」)によって受ける影響、業種による規模の違いなどを考慮すること、また企業者の経営能力、輸出の成否、また事業継続の失敗例とその要因などを検討に含めることなどの必要性の指摘があった。また参加者から行政の衛生管理をクリアするかどうかで大きな違いが生じることやノウハウを伝えやすいなどの食品加工の業種としての特殊性への注意喚起があった。

松本報告「職業教育の効果:ケニアの首都ナイロビを例として」は、大学と中等学校の中間に置かれた職業教育校が、労働者の技能、賃金・所得に与えている影響について、ケニアでの実証調査を踏まえて論じた。調査では、フォーマル及びインフォーマルな企業の採用担当者、官民の職業訓練校の製造業関連職種の現役生・卒業生が対象となった。

調査研究の結果、職業訓練修了者の賃金は大学と中等教育の間であるが、企業採用担当者からすると、スキルや学力は中等教育より上で、また大卒よりも労働市場で必要とされる適正なスキルと知識を備えているために雇用機会は高く、より確実に仕事を得ることができ、その点において職業教育は相対的に人材養成において優位である可能性が示された。

討論者からは、対象の職種の選定理由を明示すること、労働者や使用者の賃金の認識のしかた(短期か、それとも終身まで視野に入れた長期か)を考慮すること、企業による職業訓練の成果の活用について検討すること、また世界銀行による職業訓練校への批判について念頭に置いた議論を展開することなどの必要性が指摘された。

黒川報告「インドネシア西部における無煙クッキングストーブの潜在需要」は、途上国に広く見られる、調理の際の排煙によって健康被害をもたらしかねないかまどに代わるものとして、報告者自身が開発・普及に携わっている「無煙クッキングストーブ」の事例についての報告であった。

報告者の研究においては、開発された無煙ストーブをインドネシア西部バンテン州の農家に貸与し、その潜在需要をCVMとWTP(willingness to pay)の手法を使って検証する方法が採用された。

WTPを通じて農家の側に、比較的低いながらも市場価格を支払う意欲があり、あるいは無煙の燃焼に必要なペレット、商用のための長時間燃焼可能なモデルへのニーズが存在することが確認されたこと、また、環境性能と収益性能の間のトレードオフやストーブ・ペレットの改善上の課題が指摘された。

討論者からは、潜在需要と農家の生存水準及び健康問題への関心との相関性を検討すること、また採算性を考える際に、ストーブ自体の製造やペレットの生産のための固定費用まで計算に入れることなどの必要性の指摘があった。

総括

製造業・ものづくりについての研究は国際開発研究において大きな潜在的な重要性と発展可能性を持つものであり、このようなセッションが今後も継続的に開催されることが期待される。

報告者:高橋 基樹(京都大学)


[B1] Economy(個人・英語)

  • 9:30 〜 11:30
  • 座長/ Chairman: Akio Nishiura (Soka University)
  • コメンテーター/ Commentator: Yukimi Shimoda (Waseda University), Takeshi Daimon (Waseda University)
  • 聴講人数/ Number of the audience: 15
  1. [B1-01] Visits of Chinese Officials and Chinese Investments in Africa
    Christian OTCHIA (Nagoya University)
  2. [B1-02] Are Lifestyle Enterprises growth-averse? Kindling the Entrepreneurial Fire within 
    Sanjeewa POLGAHAGEDARA DON PUBUDU (University of Utsunomiya)
  3. [B1-04] Regional Educational Disparities in China: A Shapley Decomposition Analysis
    Feng LI (Chuo University)

コメント・応答など

[B1-01] Visits of Chinese Officials and Chinese Investments in Africa

Christian OTCHIA conducted an empirical analysis examining the impact of Chinese Officials’ visits, including the Foreign Minister, on the increase in direct investments from China into Africa. In response, Takeshi Daimon, acting as the discussant, commended the study’s geopolitical approach in exploring the determinants of private investment, and its adept utilization of propensity score matching methods (PSM) to correcting for endogeneity. Daimon also sought information concerning the influence of Russia as an invisible actor and its role in conflicts, as well as insights on the case of Tunisia, the host country of TICAD VIII, in the context of Japanese investments in Africa.

Furthermore, Yukimi Shimoda, another discussant, raised a query concerning whether China’s increasing economic influence, beyond the visits of Chinese diplomatic envoys, was responsible for the upsurge in private investments. In response, OTCHIA emphasized the significance of political backing for Chinas investments to Africa and suggested conducting an analysis with a dedicated focus on this aspect.

[B1-02] Are Lifestyle Enterprises growth-averse? Kindling the Entrepreneurial Fire within

Sanjeewa POLGAHAGEDARA DON PUBUDU conducted a thematic analysis based on qualitative research, which involved surveys conducted with 54 Owner-Managers of Lifestyle Enterprises (OME) and 8 experts in Sri Lanka, aimed at investigating whether Lifestyle Enterprises exhibit a tendency to be growth averse. In response to the presentation, Shimoda, the discussant, acknowledged the study’s significance in contributing to policy formation, particularly regarding the formalization of the informal sector, and praised the ample sample size. Furthermore, Shimoda suggested that a more comprehensive analysis could be achieved by providing insights related to various aspects of owner-managers, such as age, gender, education, life stage, and other relevant factors, considering Sri Lanka’s specific context, and encompassing various types of lifestyle enterprises, including street vendors, manufacturer and distributors.

Shimoda also raised questions, seeking clarification on the definition of lifestyle enterprises, exploring the relationship between the informal sector and lifestyle enterprises, and inquiring about the perspectives of the 10% of respondents who expressed a growth-oriented outlook. Additionally, questions from the audience addressed the motivations behind OMEs’ business establishment, the targeted company sizes, and the educational levels of the samples.

[B1-04] Regional Educational Disparities in China: A Shapley Decomposition Analysis

Feng LI conducted an analysis using Shapley decomposition to examine regional and educational disparities caused by China’s Hukou (household registration) system. The results reported improvements in educational access in China due to economic development, particularly for the younger generation. The study also found that the Hukou influenced educational disparities between 2010 and 2018, while regional disparities were smaller than initially anticipated.

In response to the presentation, participant Daimon acknowledged the significance of the research and proceeded to inquire about the relationship between “sent down” policy and urban status. Daimon also raised questions regarding polarization and the feasibility of obtaining data at the village level. Additionally, comments from the floor suggested the need for analysis at the local level and explored the possibility of comparative studies with other regions.

総括

The session offered a fresh perspective on the multifaceted nature of “economy.” I was impressed by the innovative and original viewpoints presented in each presentation. Overall, the lively exchange of opinions made it a meaningful session. I would like to express my heartfelt appreciation to the presenters for their insightful papers and well-prepared presentation slides, and to the discussants for their meticulous comments and questions while preparing their slides. I also extend my gratitude to all the participants who actively participated in the question and answer sessions.

Reporter: Akio Nishiura (Soka University)


[B2] 国際協力(個人・英語)

  • 12:30 〜 14:30
  • 座長:佐藤 寛(開発社会学舎)
  • コメンテーター:西川 芳昭(龍谷大学)、高田 潤一(東京工業大学)
  1. [B2-01] Local Resilience in agricultural globalization: A Study of the Oolong Tea Industry in Vietnam
    Yunxi WU (Kyoto University)
  2. [B2-02] A study on the verification of the educational support project in Kumamoto Laos Friendship Association
    Hanami SAKAI (Kumamoto University)
  3. [B2-03] Significance of DSI in the Arena of the Convention on Biological Diversity for International Development
    Mikihiko WATANABE (University of Yamanashi)

コメント・応答など

本セッションでは英語による三本の報告があった。

第一報告は京都大学のYunxi Wu会員がLocal Resilience in agricultural globalization: A Study of the Oolong Tea Industry in Vietnamとして、台湾のビジネスも関与しているベトナム高地における輸出志向型ウーロン茶生産と地元の起業家の関係に関するケーススタディに基づいた報告があった。

コメンテーターの高田潤一会員らは、なぜこれらケースが選ばれているのか、事例の代表性、他地域への応用可能性などについて質問があった後、Wu会員がプレゼン資料に用いたAI絵画の妥当性について指摘があった。

聴衆に現地をイメージしてもらうための架空の風景をプレゼンの背景に使用することの、事実誤認誘導や虚偽性などについて興味深い議論があった。

第二報告は熊本大学のHanami SAKAI会員よりA study on the verification of the educational support project in Kumamoto Lao Friendship Associationと題して、熊本出身で元駐ラオス大使の坂井弘臣氏が立ち上げた熊本の市民団体の活動を取り上げ、ラオスの農村部の学生に奨学金を送る活動の評価とその将来的な持続可能性についての考察を行った。

高田会員からは、組織の内部資料等の情報をどのように収集したのか、本研究で用いた評価手法は地方のNGOに適しているのか等のコメントがあった。

1990年代から2000年代頃に日本各地で立ち上がった有志による特定途上国への支援NGOは、その多くが現在世代交代の時期を迎えており、当初のミッションの喪失や創設者の影響力の低下などで持続可能性の危機に瀕している。

本研究はこうした他の事例との比較の糸口になると有意義であろう。

第三報告は山梨大学のMikihiko WATANABE会員による、Significance of DSI in the Arena of the Convention on Biological Diversity for International Developmentと題する報告で、Digital Sequence Information の活用に関するやや専門的な内容であったが、コメンテーターの西川芳昭会員が生物多様性に関する国際条約の流れなどを整理したうえで、データの共有のメリットとコストについての議論があった。

三報告を通じて参加者は10人弱であったが、それぞれの報告に即した議論を行えたことは有意義であった。

報告者:佐藤 寛(開発社会学舎)


[B3] 移民・難民(個人・日本語)

  • 14:45 〜 16:45
  • 座長:内海 悠二(名古屋大学)
  • コメンテーター:林 裕(福岡大学)、小林 誉明(横浜国立大学)
  1. [B3-01] 難民の教育:人間の安全保障の観点からの検討
    小松 太郎(上智大学)
  2. [B3-02] 往来する外国ルーツの子どもの母語・継承語教育― 在日ネパール人が運営する母語教室の事例から―
    田中 雅子(上智大学)
  3. [B3-03] ボスニア・ヘルツェゴビナにおけるマイグレーションの変遷:人口流入、人口流出と平和構築
    片柳 真理(広島大学)

コメント・応答など

本セッションでは3つの報告がなされた。

一つ目の報告は小松太郎会員(上智大学)による「難民の教育:人間の安全保障の観点からの検討」であった。教育セクターに対する人間の安全保障における理論的枠組みとして「保護とエンパワーメント」、「学びの継続」、「国際社会の責任分担」という3つの側面が説明され、これらの側面からヨルダン補習教育プログラムにおける意味と課題が報告された。

コメンテーターの林裕会員から、ホスト国(第一次庇護国)における負担やホスト国への国際支援の重要性が説明され、ホスト国への支援の重要性が国際社会で認識されているにも関わらず、実際には継続的な支援が実施されていない理由について質問・コメントが挙げられた。

二つ目の報告は、田中雅子会員(上智大学)による「往来する外国ルーツの子どもの母語・継承語教育-在日ネパール人が運営する母語教室の事例から-」であった。日本に在住する外国ルーツの子供たちに開放される母語教育を持続的に運営するための課題と努力について、複数の母語教室を事例として運営者とのインタビュー結果と運営形態に関する詳細な結果が報告された。

コメンテーターの林裕会員から、母語・母文化修得よりも日本社会への統合・日本語教育が優先されている社会や、家族滞在者よりも永住者が優先される現状について説明があり、詳細なフィールドワークの実施を評価すると同時に、ネパール人を取り上げる意味やインタビューで得た関係者の生の声をより深く知りたいといったコメントが挙げられた。

三つ目の報告は、片柳真理会員(広島大学)による「ボスニア・ヘルツェゴビナにおけるマイグレーションの変遷:人口流入、人口流出と平和構築」であった。ボスニア・ヘルツェゴビナを事例として、マイグレーション理論をもとに紛争中から紛争後にかけて人々が移動する理由や移動の是非を決める選択(願望・能力)に関する理論的考察が説明された。コメンテーターの小林誉明会員(横浜国立大学)からはマイグレーション理論が他国の事例に適用される場合にどのような課題があるのかが説明されるとともに、移動の是非を決める選択は願望の前に選択を入れることでさらに詳細なモデル(選択・願望・能力)とすることも可能である等のコメントが挙げられた。

総括

会場の参加者が多いというわけではなかったが、セッション時間を通して終始アットホームな雰囲気があり、会場からも様々な質問が挙げられるなど、とても活発な意見交換の場となった。報告会員によるしっかりとした理論に基づく考察や説明がなされたことや、地に足のついた長年のフィールドワークによる知見が報告されたこともあり、質問やコメントに対する更なるコメントが挙げられるなど、質問者と回答者だけではない議論が行われてたことが印象的であった。

報告者:内海 悠二(名古屋大学)


[D2] 環境(個人・日本語)

  • 12:30 〜 14:30
  • 座長:大塚 健司(ジェトロ・アジア経済研究所)
  • コメンテーター:佐々木 大輔(東北大学)、日下部 尚徳(立教大学)
  • 聴講人数:20名
  1. [D2-01] バヌアツ離島集落のおけるコミュニティベースのサイクロン対応
    藤枝 絢子(京都精華大学)
  2. [D2-02] インドネシア都市スラムのサニテーションを取り巻く人びとの係り合いと開発協力
    池見 真由(札幌国際大学)
  3. [D2-03] バングラデシュ南西沿岸部における NGOによる給水施設の設置-地域の有力者の役割に着目して-
    山田 翔太(立教大学)

コメント・応答など

藤枝会員報告は災害頻発国バヌアツでのフィールドワークを踏まえたコミュニティレベルでの災害対応についての報告であった。

質疑応答では防災教育のあり方、SNSの活用方法、災害対応の課題、行政と住民の関係など多岐にわたる議論が行われた。災害対応組織の役割など国家とコミュニティの関係についてさらに深められるとよいと感じた。

池見会員報告は総合地球環境学研究所のプロジェクトで行われてきた研究者と現地の人びと(非研究者)とのトランスディシプリナリー研究のプロセスやその成果に関するものであった。

多様なステークホルダーの協働による取り組みにおけるインセンティブや価値、イニシャルコストや維持管理コスト、公共私の空間認識など幅広い議論が行われた。本報告で提起されたサニタリーバリューチェーンというコンセプトがどのように研究者と現地住民の間で共有されてきたのかというプロセスが興味深いところであった。

山田会員報告はバングラデシュで大規模に実施されている村落小規模水道の設置にあたって、地域の有力者の利害が大きな要因であることを指摘したものであった。

ヒ素汚染に比べて塩水化は直接知覚できることから住民の関心が高いこと、管理においてはケアテーカーが担っていること、NGOが請け負った事業であるが前身は外国援助機関によるプロジェクトに由来するものであることなどが質疑応答の中で明らかにされた。

集落単位ではなく個人単位での水道敷設が望ましいという結論についてはさらなる検討が必要と感じた。

総括

テーマは災害、衛生、水道、国はバヌアツ、インドネシア、バングラデシュといずれも異なる対象を扱った報告であったが、現地調査を踏まえた具体的な事例をもとにした考察は大変興味深く、参加者からの質問やコメントも活発で集まった参加者の間での関心の高さをうかがうことができた。

今後、各事例研究を広く先行研究の中で位置づけることによって学術的かつ社会的な貢献をより明確にして、論文発表がなされることを期待したい。

報告者:大塚 健司(ジェトロ・アジア経済研究所)


[D3] 保健・福祉(個人・日本語)

  • 14:45 〜 16:45
  • 座長:杉田 映理(大阪大学)
  • コメンテーター:松山 章子(津田塾大学)、西野 桂子(関西学院大学)
  • 聴講人数:20名
  1. [D3-01] ノンフォーマル教育をエントリー・ポイントとする女性たちの社会参加と自己実現-ブータン農村部における地域保健医療とビレッジ・ヘルスワーカー-
    佐藤 美奈子(京都大学)
  2. [D3-02] サブサハラアフリカの出生率低下は持続するか?
    大橋 慶太(国連人口基金)
  3. [D3-03] 社会的に構築された障害への批判と社会的実践によるその変革ータイ障害者の経験と語りを通じて
    横山 明子(大阪大学人間科学研究科)

コメント・応答など

第1報告者の佐藤美奈子会員の報告に対し、ブータン王国での調査の経験を持つ西野会員からコメントがなされた。ブータンでの現地調査はかなり困難が伴うと推察され、それを乗り越えて調査を実施していることがまず評価された。

さらに、本研究は、ノンフォーマル教育(NFE)を通してリテラシーを得た農村の女性たちがVillage Health Workerとして地域保健医療活動に参与する道を拓くことを目的とした、多角的な調査結果に基づく政策提言を主とする研究であると評された。

一方、グローバリセーションの影響を鑑みて、政府だけではなく、女性たちの自己実現を促すには民間の力も視野にいれて研究する必要性が指摘された。佐藤会員からは、能力をつけた人がオーストラリアに移住してしまう事例も見られることが報告された。

第2報告はサブサハラアフリカの出生率低下について、大橋慶太会員からの報告であり、松山会員からは、本研究はプロダクティブヘルスの観点からも、またアフリカにおいても既に議論され始めている今後の高齢化社会の課題を考える上でも、重要なテーマで学術的意義が高いと評価された。

一方で、セネガルとケニアを比較し、文化・社会的要因に着目しながらも、出生率の近成要因モデルを用いた分析方法を利用することや、国単位で分析することの妥当性について問われた。

中絶に関する信頼性の高いデータ収集は難しいが、例えばGuttmacher Instituteなどが出しているデータを検討することの助言があった。

第3報告の横山明子会員の発表に対するコメントは、再び西野会員が行った。

本研究は、タイ障害者への現地語でのインタビューを通じて、障害者への差別構造と変革主体・アプローチの分析を試みる意欲的な研究であると評価された。

研究対象のタイは、経済発展が著しい反面、政治的な混乱が続いており、加えて「前世の行い」という宗教的思想も差別や偏見につながっていることが指摘された。

また、3つの用語Impairment (a problem with a structure or organ of the body), Disability (a functional limitation with regard to a particular activity), Handicap (a disadvantage in filling a role in life relative to a peer group) のタイ語におけるニュアンスについて質問がなされた。

総括

3つの報告は、それぞれ異なる地域、異なる切り口での研究内容であったが、広くヘルスの課題を地域の視点からとらえようという共通性があったと言える。

それぞれが意欲的な研究であった。また、会場が普段の学会ではあまり利用経験のない横長の形状であったが、結果的に、参加者(オーディエンス)と発表者の距離が近く、質疑応答も活発に行うことができた。

報告者:杉田 映理(大阪大学)


[E2] 国際協力(個人・日本語)

  • 12:30 〜 14:30
  • 座長:山形 辰史(立命館アジア太平洋大学)
  • コメンテーター:林薫(グローバル・ラーニング・サポート・コンサルタンツ)、志賀裕朗(横浜国立大学)
  • 聴講人数:30名
  1. [E2-01] ナレッジマネジメントから見た国際協力の有効性
    河田 卓(株式会社ナレッジノード)、林 俊行(Nyika Energy Consultant)、佐藤 伸幸(日本テクノ株式会社)
  2. [E2-02] 新型コロナウィルス感染症拡大と国際ボランティアの一斉帰国一 JICA海外協力隊を事例としてー
    河内 久実子(横浜国立大学)
  3. [E2-03] 現代社会における「流通」の役割と社会経済システムへの影響
    安部 雅人(東北大学)

コメント・応答など

E2「国際協力」セッションは多様な3つの報告に関して議論が行われた。

第一報告の河田卓・林俊行・佐藤伸幸「ナレッジマネジメントから見た国際協力の有効性」は、技術協力を行うに際し、(1)コメンスメント、(2)アダプティブ、(3)インクルーシブ、(4)インサイドアウト、という4つの要素を満たすことで、プロジェクトが有効に実施されると主張した。

それを示すに際し、バングラデシュにおけるクリーンダッカ・プロジェクト、パキスタン・パンジャブ州における上下水道管理能力強化プロジェクト、日本の学校法人アジア学院の研修プロジェクトの円滑な実施が、これらの4つの要素を基準として確認することの有効性を示した。

第二報告の河内久実子「新型コロナウィルス感染症拡大と国際ボランティアの一斉帰国―JICA海外協力隊を事例として―」は、新型コロナ感染拡大のために一時帰国を余儀なくされた青年海外協力隊員、シニア隊員、計17名に対してインタビューを行い、突然の帰国に関する効果を分析したものである。

帰国した隊員の感情は大きく分けて「落胆型」と「安堵型」に分けられることが検出された。「同じ境遇の人と情報共有や気持ちの共有をする場があれば、隊員の不安を和らげることができる」ということが一つの結論である。

第三報告の安部雅人「現代社会における「流通」の役割と社会経済システムへの影響」は、SDGsにおいても一定の役割を果たす「流通」を分析対象として取り上げた研究である。

流通の対象をモノ、ヒト、カネとし、モノは「ビジネス」、「商社」、「公共」、「輸送」(中単元)にさらに分割した。それぞれの中単元ごとに4つの様態を指定し、6×4の「流通マトリックス」を定義する。各セル(モノ×4,ヒト、カネ)×4の現状を詳述したことで研究成果とした。

3報告の間の共通性は小さい。それぞれの議論の妥当性、他の事例への適用可能性が課題として討論者から示された。

2時間のセッションを通じて、30人程度の聴衆が参加した。

報告者:山形 辰史(立命館アジア太平洋大学)


[E3] 文化と開発(個人・日本語)

  • 14:45 〜 16:45
  • 座長: 真崎 克彦(甲南大学)
  • 討論者: 関根 久雄(筑波大学)、佐野 麻由子(福岡県立大学)
  • 聴講人数:30名
  1. [E3-01] インドネシアにおける食料消費の現状と変化:西ジャワ農村の事例
    伊藤 紀子(拓殖大学)
  2. [E3-02] 小規模支援のインパクト分析 -ソーラーランタン支援事業の事例より
    柏﨑 梢(関東学院大学)
  3. [E3-03] 頭脳流出から頭脳流入へ:スーダン人高度人材の母国貢献意識に着目して
    黒川 智恵美(上智大学)

コメント・応答など

本セッションでは関根久雄会員と佐野麻由子会員をコメンテーターとして迎え、以下の3名の会員による報告があった。

最初は伊藤紀子会員による「インドネシアにおける食料消費の現状と変化:西ジャワの事例」であった。西ジャワ州タシクラヤ県の稲作地帯で、近代食が身近になるにつれていかに伝統食をめぐる考えや摂取行為が変わってきたのかについての現地調査の成果である。

双方を摂る食習慣が根づくようになった今日でも、調査対象の女性の間では自覚的かつ主体的に伝統食に価値を見出されていることが分かった。

コメンテーターからは、「近代食」と「伝統食」という二項対立に関して次の課題が指摘された。第一に、たとえば伝統食の要素が入った近代食、または近代知によってリアレンジされた伝統食など、食の現状は「近代なのか、伝統なのか」という二分法だけでは把握できないはずであり、住民の視線に沿った理解が欠かせない。

第二に、「伝統食は健康に良い」と考えているという住民の認識自体も、近代知に拠るものであろうから、同じく「近代なのか、伝統なのか」という分類では説明し尽くされない。

続く柏﨑梢会員の「小規模のインパクト分析―ソーラーランタン支援事業の事例より」では、ベトナム山間民族集落のための活動が紹介された。国際協力事業のもと、ソーラーランタンが学校を通して子供に供給され、学校と家庭の連携が強まり、また保護者の教育意識も高まるとともに子供の自己肯定感が向上した。

こうした支援活動は身の丈に合ったものであったため、在来の生活様式に大きな影響は与えていないことも分かった。限定的な光源であることから文化面や慣習面における影響はほとんどみられない。

コメンテーターからは、今後の課題として次の点が指摘された。ランタンの文化的な影響の有無や程度について論じる際、住民が限定的な光源をどのように捉えているのかについて、さらに深く検証されるべきではないのか。

また、ランタンによって勉強の習慣がついて子どもの自己肯定感が醸成された、という指摘があったが、それらはランタンだけでもたらされたことなのだろうか。1つの事象が単一の要素だけで構成されることはほとんどなく、他の種々の要素も併せて考察することが欠かせない。

最後に黒川智恵美会員による「頭脳流出から頭脳流入へ:スーダン人高度人材の母国貢献意識に着目して」が報告された。エジプトと日本への移民や難民、帰還民の間では、母国への貢献の意志は、イスラム社会の価値観や個人の母国や移住先との関係に左右されている。

母国貢献の思いは身近な人との互助共同体の構築に表れている。現在進行中の紛争を解決することで、そうした「私の国への恩義は身近な人への貢献として返還したい」という気持ちが活かせるようにすべきである。

コメンテーターからは今後の課題として次が挙げられた。第一に、家族、親族、コミュニティというものがクローズアップされておらず、国家という抽象的存在が前景化されている。

最後の「国への恩義は身近な人への貢献として返還したい」という部分をもっと具体的に説明すべきである。第二に、報告者は頭脳流出の類型化を行ったが、1人の人間は複数の型にまたがったり、状況に応じて往還したりするものではないか。そうである場合、1人の人間が型を変えるときの文脈も注目すべき点になるのではないか。

総括

3名の会員による報告は、それぞれが「文化と開発」を考える上で有用な事例であった。セッション全体としても、コメンテーターのインプットで「文化と開発」について主要論点が浮き彫りにされた。

報告者:真崎克彦(甲南大学)


[G1] オンラインセッション

  • [オンライン口頭発表]
  • 座長:川口純(筑波大学)
  • コメンテーター:戸田隆夫(明治大学特別招聘教授)、新海尚子(津田塾大学)
  • 参加者:約12名
  • [G1-01] A Making of Cambodian Teacher Education: Competition and Coordination among Donors, Ministry, Teacher Educators, and Future Teachers
    Takayo OGISU (Sophia University)
  • [G1-03] 農村における気候変動適応活動のアプローチ:エチオピア国の事例より
    久保 英之(地球環境戦略研究機関)三浦 真理(国際協力機構)

コメント・応答など

本セッションはオンラインにて、2名の会員(荻巣崇世会員、久保英之・三浦真理会員)のご発表が行われ、各発表に対して1名ずつの指定討論者がコメントを付した。参加者は累計で12名程であった。

まず荻巣会員のご発表では、カンボジアの教員養成について、特に2013年の改革以降のドナー間の国際協調や競争の実態について報告がなされた。多種多様なドナーが各々のプロジェクトを進行させていく中で、カンボジア教育省のオーナーシップの重要性や学校現場の教員の教育観にも焦点化された示唆に富む発表であった。

荻巣会員の発表に対しては、戸田隆夫会員より、カンボジアの凄惨な歴史とその中でも教育関係者たちが“より良い教育”を実施すべく尽力してきた経緯を踏まえつつ、未来志向の建設的な研究を実施するよう、熱いコメントがなされた。

次に、久保会員らの発表では、エチオピアの農村を対象に気候変動に対応する活動について、その妥当性を検討する報告がなされた。特に、新しいコンセプト(適応、レジリエンス)を導入することで現場がどう変わり得るのかについて議論がなされた。

久保会員らのご発表に対しては、新海尚子会員から、水関連の災害が気候変動の中でも貧困層により大きな影響がある中で、影響、評価についてもコンテクストに応じて考えることが重要とのコメントがなされた。また対象者についても、女性、子供、高齢者、障害者等、気候変動の影響力を受けやすい人々に寄り添う重要性も指摘された。

報告者:川口純(筑波大学)


その他の座長報告




京滋支部(2023年8月)

既報のとおり、2023 年4月23日(日曜)に京都大学稲盛財団記念館にて、京滋支部研究報告会をハイブリッドで開催した。

当日は、学生会員(博士前・後期課程)および PD、助教レベルの会員による 15 の研究成果および中間報告が対面で行われた。

特に関東地区の学生会員数名が対面で報告を行うなど、京滋地域を越えて若手研究者に研究成果の機会を提供する形となった。

また 8 件の発表が外国籍会員によるものであった。

また6月24日(土曜)には、ものづくり研究部会との共催で、研究会を京都大学稲盛財団記念館にてハイブリッドで開催した。

京滋支部としては、江崎グリコ株式会社尾崎隼人氏による発表「ガーナのブラックソープガーナにおけるブラックソープの製法とオペレーション改善」を企画した。

発表では、尾崎氏が海外青年協力隊員として赴任時に撮影したビデオも交えたブラックソープの製造過程、また生産現場のカイゼンによる効率化、また原料となるカカオ生産時の環境への含意も示された。

発表に続く質疑応答では活発な意見交換がなされ、有意義な研究会となった。

京滋支部
支部長:渡邉松男(立命館大学)




「アフリカとアジアのものづくり研究部会」よりシンポジウムのご案内:Informality and Dynamism of African Economies(7/20)

このほど、神戸大学経済経営研究所及びデューク大学アフリカ・イニシアティブとの共催で、「アフリカとアジアのものづくり研究部会」研究会の番外編として、以下のシンポジウムを開催することとさせていただきました。

アフリカのインフォーマル経済の動態とその役割は、近年ますます注目を浴びつつあります。このシンポジウムでは、日本、アメリカ、南アフリカ、ナイジェリアから、世界銀行、大学、国際協力機構などに属する経済学者、人類学者、地域研究者が集い、アフリカ経済のインフォーマル性について、多様な観点と経験から語り合います。ふるってご参加ください。

Informality and Dynamism of African Economies

  • 日時:2023年7月20日(木曜)午後3時~6時
  • 場所:神戸大学経済経営研究所別館会議室(ないしオンラインでの参加可)
  • フライヤー:

参加方法

参加いただく場合は、7月16日までに以下のURLからご登録ください。

登録用URL:

研究会への参加申し込みやお問い合わせは、下記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。

皆様のご参加をお待ちしております。
※勝手ながら、神戸大学経済経営研究所及びデューク大学アフリカ・イニシアティブとの共催とさせていただきました。


本件にかんするお問い合わせ先

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会 事務局

  • africaasiamonozukuri[at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



ハイブリッド開催:第7回研究部会「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」6月24日開催(会員・一般)

「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」第7回研究部会のご案内(京滋支部共催)

「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」よりお知らせです。

京滋支部との共催で、第7回研究部会を6月24日(土曜)15:00~開催いたします。ハイブリッド開催の予定です。ぜひご参加いただけましたら幸いです。

開催要領

  • 開催日時:2023年6月24日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド
    オンサイトの会場は京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室を予定
    (アクセス)
    ※当日入口は施錠されています。14:30~15:00まではドアを開閉するスタッフがいますが、その前後に来られた方は、入口に掲示されている電話番号にご連絡ください。

プログラム

15:00-15:05
開会

高橋基樹(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10
自己紹介

15:10-16:10
「南アフリカに進出した中国系製造業企業における人事管理の現状(仮)」
シ・ゲンギン(立教大学異文化コミュニケーション学部助教)

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「ガーナにおけるブラックソープの製法とオペレーション改善」
尾崎隼人(江崎グリコ株式会社)

17:20-17:30
閉会、次回の予定

研究会への参加申し込みやお問い合わせは、下記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。皆様のご参加をお待ちしております。


本件にかんするお問い合わせ・お申込み先

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会 事務局
幹事/明治学院大学国際学部 井手上和代

  • africaasiamonozukuri [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



京滋支部(2023年5月)

2023年度活動予定

京滋支部は、4月23日(日曜)、2023年度第1回研究報告会を、京都大学稲盛財団記念館(およびオンライン)にて実施します。

本報告執筆時点で15名の発表応募を得ており、準備作業を進めています。次回のニューズレターでこの会の実施内容を報告します。

また、6月には「アフリカ・アジアにおけるものづくり」研究部会と共催で、研究会を予定しております。詳細は追って学会メーリングリストでご案内いたします。

京滋支部
支部長:渡邉松男(立命館大学)




第6回研究部会「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」4月22日開催(会員・一般)

国際開発学会「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」第6回研究会

「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」よりお知らせです。第6回研究部会を4月22日(土曜)15:00~開催いたします。ハイブリッド開催の予定です。ぜひご参加いただけましたら幸いです。

開催概要

  • 開催日時:2023年4月22日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド
    オンサイトの会場は京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室を予定
    (アクセス:)

※当日入口は施錠されています。14:30~15:00まではドアを開閉するスタッフがいますが、その前後に来られた方は、入口に掲示されている電話番号にご連絡ください。

プログラム

15:00-15:05
開会(高橋基樹、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10
自己紹介

15:10-16:10
「ケニアにおける小規模農家のアグリプラットフォーム利用状況の検討」
井上直美 会員(東京外国語大学大学院博士後期課程、アジ研連携研究員)

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「ナイロビの都市インフォーマルセクターにおけるオンライン・マーケティングの利用」
福西隆弘 会員(アジア経済研究所 開発研究センター/開発スクール)

17:20-17:30
閉会、次回の予定


本件にかんするお問い合わせ先

研究会への参加申し込みやお問い合わせは、下記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会 事務局

  • africaasiamonozukuri [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

井手上和代(明治学院大学)

  • ideue [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

 




第5回研究部会『アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会』3月18日開催(会員・一般)

第5回研究部会を2023年3月18日(土曜)15:00~にて開催いたします。ハイブリッド開催の予定です。ぜひご参加いただけましたら幸いです。

開催要領

国際開発学会「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」第5回研究会

  • 開催日時:2023年3月18日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド
    オンサイトの会場は京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室を予定()
    *当日入口は施錠されています。14:30~15:00まではドアを開閉するスタッフがいますが、その前後に来られた方は、入口に掲示されている電話番号にご連絡ください。

プログラム

15:00-15:05
開会(高橋基樹、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10
自己紹介

15:10-16:10
「デジタル・グローバル時代の人材育成:アジア・アフリカの現場から考える」
栗田匡相 会員(関西学院大学経済学部教授)

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「ケニア西部グシイ地方におけるソープストーン彫刻産業の現状」
板久梓織(東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程)

17:20-17:30
閉会、次回の予定

研究会への参加申し込みやお問い合わせは、下記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。


本件にかんするお問い合わせ先

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会 事務局

  • africaasiamonozukuri [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 井手上和代(明治学院大学)ideue [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

皆様のご参加をお待ちしております。




第33回全国大会セッション報告(一般口頭発表)

A. 一般口頭発表

A-1. 教育

  • 2022年12月3日(土曜)09:45ー11:45(アカデミーコモン8F 308F1E)
  • 座長:山田 肖子(名古屋大学)
  • ディスカッサント:荻巣 崇世(上智大学)、川口 純(筑波大学)

発表題目と発表者

(報告:山田 肖子)


A-2. Community

  • 2022年12月3日(土曜)13:20ー14:50(リバティタワー7F 10751B)
  • 座長:佐藤 峰(横浜国立大学)
  • ディスカッサント:野田 真里(茨城大学)、近藤 菜月(名古屋大学)

このセッションには対面で20名、オンラインで14名の参加を得て行われた。座長は佐藤峰(横浜国立大学)、コメンテーターは野田真理(茨城大学)と近藤菜月(名古屋大学)、佐藤峰が担当した。

まず、第一発表 “Youth Safeguarding Intangible Cultural Heritage in Luang Prabang through Community-centered Innovations”では、ラオスの古都ルアンプラバンにおける、コミュニティを中心とした若者の無形文化資産(ICH)保護の試みについての発表がなされた。野田会員からは、本研究の核となるコミュニティの示すものが明確ではないとの指摘がなされた。

続いて、SDGsの観点から、「持続可能な開発の第4の柱」としての開発リソースとしてのICHの在り方、経済・社会・環境の持続可能性との関係、ラオスの文化の基盤である仏教との関係について質問がなされた。

第二発表 “Group Identity and Self-Accountability with Autoethnography: A Privileged Mestizo amidst an Indigenous Community in Mexico”では、研究する側がオートエスノグラフィーを実施することで、より調査される側に対してより倫理的でアカウンタブルでいられるのではないかと言うアイディアが共有された。

佐藤会員からは、アイディア自体は優れているが、何故オートエスノグラフィーなのか、これがある調査とない調査での比較検討があったほうがより説得力があるのではないかと言う質問と共に、先住民およびメスチーソとしてのアイデンティティの流動性についてなどの指摘もあった。

第三発表 “Transdisciplinary Community Practice (TDCOP) for Rural Women’ s Empowerment: A Case Study in Gorontalo Province, Indonesia”では、伝統的な手工芸カラウォへの支援を通じて、女性の経済的エンパワーメントや、男性の人力小規模金採掘への参加率低下を目指すプロジェクトが紹介された。

近藤会員からは、プロジェクトが机やライトなどの物質的支援や技術的側面に焦点を当てているのに対し、伝統的手工芸や人力小規模金採掘に男女が従事する文化的社会的構造の調査とそれに基づくアプローチが必要ではないかという質問などが出された。

セッション自体はコメンテーターと発表者の対話があり有意義だったが、発表時間を5分短くしてフロアからの質問を受け付けられるとよりよいという印象を得た。

(報告:佐藤 峰)


A-3. 平和構築、レジリエンス

  • 2022年12月3日(土曜)15:10ー16:40(リバティタワー7F 10731A)
  • 座長:志賀 裕朗(横浜国立大学)
  • ディスカッサント:湖中 真哉(静岡県立大学)、関谷 雄一(東京大学)

発表題目と発表者

  1. 「人道・開発・平和構築のポケットと人道的開発支援の可能性-ティモール島の国境をめぐる考察」
    堀江正伸(青山学院大学)
  2. 「自然資源管理におけるレジリエンス概念の役割について-東アフリカを事例として」
    久保英之(地球環境戦略研究機関)、三浦真理(国際協力機構)
  3. 「複合的災害下におけるパタンに居住するネワール民族の女性自助組織の果たす役割-2015年ネパール大地震と新型コロナウイルスパンデミック以後のコミュニティ復興の事例から」
    竹内愛(南山大学)

堀江会員は、東ティモールの独立に伴って東西に分断されたティモール島では、東ティモールへは国際社会の注目が集まる一方、東側からの難民も多い西側が話題に上ることはなかったとしたうえで、分断後20年を経て、両地域の人々が国境を越えた新たな経済社会的相互依存関係を生み出していると指摘し、そうした国境を越えた連帯を促す支援のあり方について検討した。

これに対して、討論者の湖中会員は、「人道的開発」とは、当事者以外の周辺住民等を含むアクターを対象とした社会集団の拡がりを想定した開発のあり方なのか、それとも緊急/平時の二分法に囚われず、時間的な拡がりを想定して、慢性的問題に取り組むことを主張する開発のあり方なのかといった点等を質問した。

また同じく討論者の関谷会員は、ティモールの事例は、欧米列強が画定した国境に沿って独立国として歩まざるを得なくなったアフリカ諸国の国境線沿いの人々を彷彿させると指摘したうえで、このような歴史を持つ人々にとって、持続的な開発の未来にはどのような落としどころがありうるのだろうか、との問いを提起した。

続いて、竹内愛会員は、ネパールのパタンにおける女性自助組織である「ミサ・プツァ」が2015年の大地震や新型コロナ感染爆発に際して実施したコミュニティ復興支援活動について報告し、彼女たちが20年にわたる活動を通じて地域行政組織やコミュニティの男性と信頼関係を構築した結果、災害等の緊急状態下で迅速かつ効果的な活動を展開することができたと主張した。

これに対して、討論者の関谷会員は、カースト制度や男性優位の伝統が根強いネパール社会において、「ミサ・プツァ」は女性が持続的な社会的役割を営むようになる突破口になりうるのか、その活動がネパール社会に根付き、ジェンダーバランスを是正したり、カーストを超えた女性の繋がりに発展したりする可能性があるのか、等の問いを投げかけた。

最後に、久保英之会員と三浦真理会員は、気候変動の影響を被りやすい乾燥・半乾燥地帯を抱えるエチオピアとケニアを事例として、気候変動レジリエンス概念の政策実施への反映状況を分析し、自然資源管理におけるレジリエンス概念の効果的な活用のあり方について検討した。

これに対して討論者の湖中会員は、そもそもレジリエンス概念は開発学にどんな新規性をもたらしうるのかを考える必要性を指摘したうえで、気候変動の影響を受ける社会生態システムの内部と外部が連動しながら変化するというシステムの変容可能性を考慮してレジリエンスをどのように定義すべきか、コンテクストが変化しうる状況下において、攪乱要因と社会生態システムの脆弱性を特定することはできるのか、といった問いを提起した。

このように、本セッションは、ティモール、ネパール、アフリカという多様な地域を対象とした観察結果をもとに、多様な人々が変化する自然社会環境の中で共存していく道筋を考えるうえで根本的に重要な「国境」「レジリエンス」「ジェンダー」等の概念について熟考する貴重な機会となった。座長の時間管理が不適切だったためにフロアとの質疑応答の時間が取れなかったことが悔やまれる。

(報告:志賀 裕朗)


A-4. 教育、子ども

  • 2022年12月3日(土曜)15:10 ー 16:40(リバティタワー7F 10751B)
  • 座長:黒田 一雄(早稲田大学)
  • ディスカッサント:山﨑 泉(学習院大学)、小川 未空(大阪大学)

本セッションは、会場とオンライン併用によるハイブリッド形式で行われ、日本語による2発表により構成された。

第一に、追手門学院大学の平井華代会員により、「Southから Northへ:フィリピンのNGOの支援事例から得る日本の子ども食堂への示唆」と題した発表が行われた。本研究は、岩手県の子ども食堂の活動と、フィリピン・セブにおける貧困な子ども・家庭を支援するNGOの活動を、インタビューを中心とした質的研究手法により比較する研究であった。

この研究の独自性は、貧困な子ども支援に先進的なフィリピンから、日本に対する教訓抽出を目的とするというユニークな問題意識から出発していることであり、その試みは発表で示された具体的な提言により、十分に達成されていると見受けられた。途上国の教育を対象とした比較研究の新しいあり方を提示しており、挑戦的な取り組みとなっていた。

第二の発表は、東洋大学の金子(藤本)聖子会員による、「マレーシアにおける難民の学習環境-クアラルンプール近郊のコミュニティセンターの多様性-」と題する報告であった。マレーシアは難民条約を批准していないながら東南アジア最大の難民受け入れ国となっており、その多くがミャンマーからのロヒンギャ難民である。

本研究では、クアラルンプール近郊の難民が集中する地域において、難民を対象とした4つのコミュニティスクールでの調査を基にして、難民にとっての教育の役割・重要性を考察しながら、各校に潜む多様な課題が明らかにされた。難民の教育は、世界的な政策課題としてはその重要性を認識されながらも、学術的な研究の乏しい分野であり、今後の一層の展開が期待される。

この2報告に次いで、学習院大学の山﨑泉会員、大阪大学の小川未空会員(名古屋大学)両指定討論者によるコメントが行われ、それぞれの学術研究としての方法論について活発な議論が行われた。

(報告:黒田 一雄)


A-5. 教育

  • 2022年12月3日(土曜)15:10ー16:40(リバティタワー7F 10761C)
  • 座長:日下部 達哉(広島大学)
  • ディスカッサント:佐野 麻由子(福岡県立大学)、坂上 勝基(神戸大学)

発表題目と発表者

(報告:日下部 達哉)


A-6. Gender, Education

  • 2022年12月3日(土曜)15:10ー16:40(アカデミーコモン8F 308E1D)
  • 座長:石田 洋子(広島大学)
  • ディスカッサント:島津 侑希(愛知淑徳大学)、崔 善鏡(広島大学)

本一般口頭発表では、教育開発における重要な課題の一つであるジェンダー平等について、各国における現状とそうした不平等を生み出す要因、或いはCOVID-19の感染拡大による影響などに関する研究発表が行われた。座長は石田洋子氏(広島大学)が、ディスカッサントは島津侑希氏(愛知淑徳大学)及び崔善鏡氏(広島大学)が務めた。

Jean-Baptiste SANFO氏(滋賀県立大学)の発表、“Factors Explaining Gender Inequalities in Learning Outcomes in Francophone Sab-Saharan African Primary Education”では、サブサハラアフリカ諸国の基礎教育の成果におけるジェンダー不平等について、教育制度や所得の影響に加えて、社会や家族など客観的な測定が難しい要因が影響していることを解明するため、PASECの結果を用いて分析の進捗について報告が行われた。

Naoko Otobe氏(Gender, Work and Development Expert)の発表、“The Socioeconomic impact of multiple global crisis: Gender dimensions”では、日本国内におけるCOVID-19感染拡大による社会・経済的影響によってより明確になったジェンダー不平等について、政府発表の国内データの分析やOECDデータを用いた国際比較を通して課題を示し、日本政府による対応策と今後の課題について報告が行われた。

本一般口頭発表には対面・オンラインを併せて約30名が参加した。両発表ともジェンダー平等についてタイムリーで重要な課題を扱っているが、現時点では二次データを用いた分析であり、今後は一次データを用いたより詳細な分析が期待されることなど、活発な議論が行なわれた。

(報告:石田 洋子)


A-7. 社会開発

  • 2022年12月3日(土曜)15:10ー16:40(大学会館3F 第1会議室1F)
  • 座長:木全 洋一郎(JICA)
  • ディスカッサント:松岡 俊二(早稲田大学)、関根 久雄(筑波大学)

発表題目と発表者

  1. 「潜在的に田園回帰志向を持つ人の要因分析」
    戸川 椋太(立命館大学)
  2. 「人口減少に関する要因研究–マーシャル諸島共和国を事例として–」
    野原 稔和(マーシャル諸島海洋資源局)
  3. 「米国社会における差別問題と負のスパイラル—トランプ政権における国民の分断を中心に—」
    安部 雅人(東北大学)

本セッションでは、3本の研究発表が行われ、会場16名、オンライン14名の計30名による議論が行われた。

第1の戸川報告では、日本の大都市圏から地方への移住(田園回帰)を志向する要因として、一軒家の購入や車の所有、農業体験の参加経験、勉強に意欲的の3点を挙げ、若い移住者向けの居住意欲のわく住宅を用意すること、農業体験を通じて特産品の魅力を印象付けることを提言した。

戸川報告に対し、討論者の松岡会員からは、世界的に人口減少社会になっていく中で社会や家族の在り方が問い直されており、その中で地方移住促進策を捉え直す重要性が指摘された。

第2の野原報告では、マーシャル諸島共和国で2011年から2021年に人口減少に転じた要因として、平均余命、人口移動、出生率の観点から分析し、0歳代から10歳代の人口が大幅に減少しており、特に0歳代は0歳代から10歳代の人口よりもさらに下回っていることから、出生率が人口減少の一因と結論づけた。

野原報告に対し、討論者の松岡会員からは、出生率が減少した要因は何か、他の島嶼国の人口動態はどうなっているか、島嶼地域社会の持続性の阻害要因を考えるにはどういった問いを立てるのかといったコメントが出された。

第3の安部報告では、米国の差別問題の背景として歴史的な白人男性優位社会やコロナ禍による白人低所得者層の失業を挙げ、抗議運動の高まりが更なる警察の治安対策強化や民間人による銃の重武装化につながるとする負のスパイラルを指摘した。これに対し、黒人・アフリカ系の若年層からの教育・就業機会の充実化を提言した。

安部報告に対し、討論者の関根会員からは、差別問題の構造的問題は教育や収入向上の視点を超越しており、差別する側の視点から、なぜ差別をするのか、そもそも平等とは何なのかを問い直す必要性が指摘された。

3報告ともこれまでの国際開発学会ではあまり見られない課題設定をしている点に将来性を感じる一方で、必ずしも研究精度の高くない発表もあった。特に学生会員においては、大会での門戸を広げる意味でポスターセッションでの発表を奨励しているが、あえてセッション発表とするには、一定の質を確保すべく指導教官の監督指導の徹底をお願いしたい。

(報告:木全 洋一郎)


A-8. 経済と環境

  • 2022年12月3日(土曜)15:10ー16:40(大学会館3F 第2会議室1G)
  • 座長:豊田 利久(神戸大学)
  • ディスカッサント:黒川 清登(立命館大学)、渡邉 松男(立命館大学)

このセッションでは、途上国の経済と開発援助資金に関する3つの発表がなされた。その報告と討論の概要は次の通りである。なお、参加者は約20名であった。

(1) 「中国の国際協力資金が各国のIMFの金融支援プログラム参加に与える影響の検討」

大森佐和(国際基督教大学)

最近の中国の開発資金増大がIMFプログラムへの参加に影響するか否かを計量分析した。特に、中国の開発資金がIMFプログラムを短期的にはクラウドアウトしていること、中国と選好(国連投票行動)が離れている国では長期的にIMFプログラムに参加する傾向があること、などが示された。

討論者から、中国資金の長期的な影響の有無や異なった基準での選好の把握などを分析する必要性が指摘された。

(2) 「カンボジア銀行業の資本構成:高度ドル化経済における銀行業の計量分析」

奥田英信(帝京大学)

銀行経営の健全性を資本構成(資本金の体操資産比率)の決定要因によって解明することを試みた。2011年から7年間のデータを用いた計量分析により、ドル化経済の下で中央銀行の最後の貸手機能に制約があるにもかかわらず、商業銀行がリスクに十分な注意を払っていない可能性を見出した。討論では、ドル化経済と商業銀行の資本構成との関係に関する仮説のより明白な叙述の必要性が指摘された。

(3)「政府開発援助が直接投資に与える影響-VAR モデルによる検証」

大野沙織(京都大学)

主要5カ国のODAが海外直接投資(FDI)に及ぼす効果を2003年-2020年のデータによって計量分析した。主な結果は、ODAは必ずしもFDIに影響を及ぼしていないこと、1990年代のデータで実証されてきた日本のODAの先兵効果は見いだされないことである。討論では、日本の先兵効果が1990年代に終わったとされる理由のさらなる検討や分析手法再考の必要性が指摘された。

(報告:豊田 利久)


A-9. 教育

  • 2022年12月3日(土曜)16:50 ー 18:50(リバティタワー7F 10731A)
  • 座長:内海 成治(大阪大学)
  • ディスカッサント:澤田 康幸(東京大学)、平山 恵(明治学院大学)

12月3日16:50から行われた教育分科会には、会場に25人Zoom参加者約25人と合わせて約50人の参加があり、教育分野への関心の高さが感じられた。

本分科会では4つの発表が行われた。コメンテーターは澤田康幸先生(東京大学)、平山恵先生(明治学院大学)で、初めの2つの発表を澤田先生、後の2つの発表を平山先生に初めのコメントをいただいた。

最初の発表は内海悠二(名古屋大学)会員の「アフガニスタンにおける教育に対するコミュニティレジリエンス」であった。これは2014年の社会調査を利用したマルチ分析である。教育に対するコミュニティの役割を女性、児童労働、紛争状況等から分析したものである。澤田先生からは統計分性に関する指摘等があった。現在アフガニスタンは再びタリバン政権となり教女子教育は厳しい状況にあるが、こうしたコミュニティの意向は重要な意味を有すると思われる。

2つ目の発表は狩野豪(金沢工業大学)・石川健太(マンチェスター大学)会員の「日本のGIGAスクール構想はOne Laptop per Childと同じ道を歩むのか?」で、狩野会員が発表した。2005年から開始されたOLPCの経験から、現在日本で展開されているGIGAスクール構想の課題を分析したものである。標準仕様、教員研修、子どもの学習機会、性別や地域の格差等に考慮する必要性が明らかになった。澤田先生からはOLPCとGIGA構想とは状況が大きく変わっているので、比較対象の正当性への指摘があった。GIGA構想はOLPCのみならず、国際的な比較の中で検討されるべき重要な課題と思われる。

3番目は藤枝詢子(京都精華大学)会員の「フィジーにおける伝統的住居の建築技術継承の可能性」とい非常にユニークな教育課題である。フィジーのブレという伝統的な茅葺住居は全住居の1%と危機的状況にあり、その建築技術の継承には教育機関による技術教育の役割が重要であり、そのための課題を抽出したものである。平山先生からはこの発表がまとまりのある発表であるため、ご自身の経験した伝統的事業の継承に関する例が紹介された。ネパールの伝統医療、フィリピンの薬草事業、奈良正倉院の校倉津造りの継承の例である。

伝統技術の継承は国際的な課題であり、国際協力において注目する必要性が高いことが分かった。

4つ目の発表は、近藤葉月(名古屋大学)会員の「『いずれ自営業者のなりたい』若者たち:ガーナ農村部の学卒者のschool to work transition調査から」で、質問票調査とFG調査からの報告である。学卒者が政府セクターあるいはNGOへの就職を希望しながらも、将来的には自営業を目指していることが明らかになった。ガーナの雇用状況の不安定さが起業家精神を育んでいる状況が示された。平山先生からは、FGインタビューの採用、大学の教員の能力、雇用者側の問題等が指摘された。

熱心な発表と丁寧なコメントで非常に有意義な分科会になった。座長のミスで会場からのコメント・質問の時間がとれず申し訳なかった。今回の分科会は幅白い教育分野の各地の調査の報告であり、教育開発分野の広がりと深まりを感じた次第である。

(報告:内海 成治)


A-10. African Economy

  • 2022年12月3日(土曜)16:50 ー 18:20(リバティタワー7F 1075 1B)
  • 座長:笹岡 雄一(明治大学)
  • ディスカッサント:武内 進一(東京外国語大学)、福西 隆弘(ジェトロ・アジア経済研究所)

African Economyのセッションでは、Joseph Enoch Garcon氏が「TICADとアフリカの米セクターの参加型政策形成」Christian Otchia氏が「経済特別区(SEZ)の意味と構造変容」Hoi Yee Regina氏が「アフリカ地方の環境リスク認識」の3つの発表を行った。コメンテーターは武内進一氏、福西隆弘氏であった。

最初のTICADの発表ではTICADの経緯、米生産についてはアジアの緑の革命や日本の経済モデルとの関係、TICAD型開発理念の意義が語られたが、オーナーシップとパートナーシップの原則が反映されている特徴は首肯されるものの、日本の農業の実績とCARD実施体制に有意な関係はないのではないか、アフリカが力を注ぐべきは米なのかメイズなのかといったコメントがあった。

SEZについてはアジアやラ米では経済的な効果をもたらしたが、アフリカでは顕著な効果がなかった、ないしその効果は特定地域に限定されていたとの発表であった。なぜアフリカでは効果がなかったのかについてはlocal captureの問題があり、効果のスピルオーバーがアフリカでは低く、従ってマクロの産業構造も工業化などの変化に乏しかったという説明であった。発表趣旨は明確であったが、産業構造の変化はSEZだけで捉えられるのかといった問いや回帰分析で適切な変数について注意を払うべきとのコメントがあった。

環境リスクはナイジェリア中部の人々の認識について長年のデータ分析から行ったもので、降雨量や時期の集中化による洪水の発生や、気温の変化なども相まって牧畜民の移動や生活の変化をもたらす認識の変化が現れているという趣旨であった。これがフラニ族の移動や周囲の人々との紛争にもたらす影響については今後の課題とのことであった。

3つの発表とも内容の濃い力作であったが、最初の2つはやや当初の想定に思い込みもあった気がした。最後の発表は降雨量などの物理的なデータと遊牧民の意識とを組み合わせた長期の調査を反映したもので、構想の大きさにとても感心させられた。

(報告:笹岡 雄一)


A-11. 援助、環境

  • 2022年12月3日(土曜)16:50 ー 18:50(リバティタワー7F 1076 1C)
  • 座長:大塚 健司(ジェトロ・アジア経済研究所)
  • ディスカッサント:小林 尚朗(明治大学)、山口 健介(東京大学)

本セッションでは4本の報告があった。

まず槇田容子(国立環境研究所)会員から「開発援助における気候変動適応主流化―ボトムアップアプローチの普及について」というタイトルで報告があり、気候変動適応策の策定には、科学主導型のトップダウンアプローチに加えてコミュニティ主導型のボトムアップアプローチを組み合わせたデュアルアプローチが有効であることを指摘し、JICAのプロジェクトを事例にその課題と解決策を明らかにした。

次に侯テイ玉(お茶の水女子大学)会員から「市民社会の視点から見たミャンマーの経済特区における日本のODA政策と中国の『一帯一路』構想の実践に対する比較について」というタイトルで報告があり、ミャンマーにおける日本、中国それぞれの経済特区に対する開発援助のアプローチの同異を検討し、いずれも市民社会サイドから批判を受けてきたものの、その背景にある政策意図、リーダーシップと人的コネクションなどに違いがあることを指摘した。

続いて榎本直子(法政大学)会員から「健康的に、地球環境問題の解決を目指した『行動変容』モデルに関する一考察」というタイルとで報告があり、法政大学環境センターによる独自の環境マネジメントシステム「EMS」に注目して、学生アンケート調査を基に行動変容の実態を明らかにしつつ、さらなる行動変容を促す企画を行ったことを紹介した。

最後に高柳彰夫(フェリス女学院大学)会員から「DAC市民社会勧告の実施:南の市民社会の支援をめぐって」というタイトルで報告があり、DAC勧告を概観した上で勧告採択後に策定中の南の市民社会組織支援のためのツールキットのプロセスを紹介し、日本社会へのインプリケーションについて論じた。

槇田会員と榎本会員の報告に対しては小林尚朗会員(明治大学)から、侯会員と高柳会員の報告に対しては山口健介会員(東京大学)からコメントがあり、フロアからの質問やコメントも含めて報告者との間で質疑応答が活発に行われた。

(報告:大塚 健司)


A-12. Economy and Environment

  • 2022年12月3日(土曜)16:50 ー 18:20(大学会館3F 第2会議室1G)
  • 座長:小島 道一(ジェトロ・アジア経済研究所)
  • ディスカッサント:柳原 透(拓殖大学)、岡本 由美子(同志社大学)

発表題目と発表者

  • “Overseas Employment as Means to Sustain Economic Growth and Development: The Case of Overseas Filipino Workers”
    Armand Rolla
  • “Future Estimation of the Amount of Solid Waste in Fiji -Empirical analysis based on quantitative and qualitative analysis”
    高木 冬太(立命館大学)
  • “Addressing the Japanese elderly mobility problems with autonomous vehicle”
    PANDYASWARGO Andante Hadi (Waseda University)

Three presentations were delivered in the session on “Economy and Environment”.

Ms. Armand Rola made presentation on “Overseas Employment as Means to Sustain Economic Growth and Development: The Case of Overseas Filipino Workers“. This paper seeks to illustrate how the overseas employment of Filipinos can be both beneficial to the host country and to the Philippines by looking at the various host countries’ demand for labor and the overseas remittances’ contributions to the Philippines’ Gross National Product. Based on historical secondary data, the remittance contributions to the country’s GNP were valued at % in 1984 and grew to as much as % in 2006. In addition, there were only 350,982 Filipinos deployed in 1984 which grew to almost 2.3 million in 2018. Dr. Yumiko Okamoto, a commentor of the session, recommended to compare the magnitude and the role of remittances and foreign aid (grant portion) in the economy of the Philippines, because both of them appear in the current transfer balance of the current account of BOP.

Mr. Tota Takagi presented “Future Estimation of the Amount of Solid Waste in Fiji -Empirical analysis based on quantitative and qualitative analysis”. The paper estimated future generation of waste in Fiji, using Input-output Table with some assumption on consumption expenditure per tourist, and the number of tourists. It is estimated that waste generation would increase by 20,000 tons per year in 2030, at least compared to the amount in 2018. Mr. Michikazu Kojima, the chair of the session, suggested some further research such as impact of mismanaged waste in Fiji to tourism, comparing economic ripple effect and cost of waste management, and financing mechanism on waste management such as tourist tax.

Third speaker, Ms. PANDYASWARGO Andante Hadi, made a presentation titled “Addressing the Japanese elderly mobility problems with autonomous vehicle.” The study analyzed the Japanese Study of Aging and Retirement (JSTAR) data and gained insights through multiple correspondence analyses and nonparametric tests. The study found that technology adjustments, such as universal designs, may help ease the use of autonomous vehicles by drivers with lower cognitive and physical functions. However, the steep price of the technology must be aided with innovative business models. Dr. Toru Yanagihara, the commentator, pointed out that regarding transportation modes, it is necessary to consider not only the two extremes, personal vehicle and public transportation, but also various methods in between personal and public transportation. He also pointed out that autonomous driving was a major technological innovation, with maintaining the status quo in daily life and with reducing the psychological resistance.

(報告:小島 道一)


A-13. Disasters, Infrastructure, Education

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:00(リバティタワー8F 1085)
  • 座長:本田 利器(東京大学)
  • ディスカッサント:松丸 亮(東洋大学)、桜井 愛子(東洋英和女学院大学)

Disasters, Infrastructure, Educationのセッションでは、災害を軸に多岐にわたる発表がなされた。

“Preparedness of the Coastal Inhabitants of Pakistan towards Natural Hazards”では、パキスタンの4地区を対象とした住民の災害意識や災害情報の入手経路などの調査報告がなされた。当日はそれに加え、脆弱性および災害対応力に対する分析も報告された。会場から全国的な傾向との比較について質問があり、それを含めた分析を進める予定であることが報告された。

“Barriers to education and lifelong learning of the climate change displaced persons: a case study in Indonesia”においては、インドネシアの教育環境について女子の教育に課題があること等が報告された。また、気候変動対策の政策に対して教育制度が十分に対応できていない現状等が報告された。会場からのコメントとの議論の中では、行政が人々の移動等のデータを収集管理することや高度教育への支援の必要性も言及された。

“Case study of Biomass Clearance in Dam Reservoir related to Nam Ngiep 1 Hydropower Project in Lao PDR”では、ダム建設に伴うリスクとその対応として、不発弾処理の課題や地方行政の対応の遅さ、地元建設企業への技術指導の課題が紹介された。会場との議論で、これらがラオスだけではなく一般性のある課題であること等が言及された。いずれの発表も時宜を得た発展性のあるものであり、議論も有意義なものであった。

(報告:本田 利器)


A-14. Education and Culture

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:30(リバティタワー9F 1096)
  • 座長:工藤 尚悟(国際教養大学)
  • ディスカッサント:小川 啓一(神戸大学)、汪 牧耘(東京大学)

発表題目と発表者

  1. 「留学生・日本人学生の個人的体験と教科書をつなげる試み」
    吉田秀美(法政大学)
  2. “Measurement of the level of intangible cultural heritage awareness and knowledge among the local community of Luang Prabang in Lao People’s Democratic Republic”
    Jerome Silla (United Nations University)
  3. ”China’s Belt and Road Initiative and Reshaping Internationalization of Local Higher Education Institutions”
    劉靖(東北大学)
  4. “The factors influencing the diffusion process of the teacher portal use among lower secondary school teachers in Mongolia”
    Yuji Hirai (Tokyo Institute of Technology)

本セッションでは、以下の4件の発表があり、参加者は10名ほどであった。コメンテーターは、小川啓一(神戸大学)および、汪 牧耘(東京大学)の各会員であった。いずれの報告も国際化や新型コロナ感染症の拡大などで多様化する教育現場のダイナミズムを捉える、重要な研究テーマであった。

“留学生・日本人学生の個人的体験と教科書をつなげる試み”

吉田秀美(法政大学)

アジアからの留学生が増加していくなか、大学教育の現場でサステイナビリティを議論するとき、その背景となる条件に対する異なる意見があることによって、議論の深化が生まれるという内容であった。発表者はこれまで自身の担当する科目にて学生が用いた発表スライドを見せながら、学生の持つ多様性を示した。会場からは、豊富なデータに対するコメントや、一科目のデータからどのようにESD全体への提言につなげていくのかなどの質問が出された。

“Measurement of the level of intangible cultural heritage awareness and knowledge among the local community of Luang Prabang in Lao People’s Democratic Republic”

Jerome Silla (United Nations University)

ラオス・Luang Prabangにて、コミュニティの無形文化財(ICH: intangible cultural heritage)に対するawarenessとknowledgeの理解度を定量的に調査した内容が報告された。具体的にはICHに関する12項目を網羅するアンケートを作成し、Luang Prabangにある29村において435人に対して実施した内容が示された。会場からは、発表者が実施した大規模調査に対するコメントと共に、ICHに関わる政策の意思決定に誰がどのように関わるのかなどの質問が出された。

”China’s Belt and Road Initiative and Reshaping Internationalization of Local Higher Education Institutions”

劉靖(東北大学)

中国の一帯一路政策における高等教育の国際化について、ドキュメント分析手法を用いて調査した内容が報告された。一帯一路政策は中国の地方大学においても国際化を起こすカタリストとしての役割が期待されているという内容に対して、興味深いという会場からのコメントが多くあった。

“The factors influencing the diffusion process of the teacher portal use among lower secondary school teachers in Mongolia”

Yuji Hirai (Tokyo Institute of Technology)

新型コロナ感染症の拡大によって学校教師の研修制度が実施できなくなるなか、モンゴルではインターネットを介した研修プログラムの普及が進んでいる。本発表は、モンゴルの中学校教師の間でオンライン研修プログラムの普及プロセスを、ウランバートル内の4地区で実施したアンケート調査(835件)のデータを用いて分析した内容が報告された。会場からはクラスター分析の内容に対する質問の他、現地での大規模調査に対するコメントなどが出された。

(報告:工藤 尚悟)


A-15. Aid Organization, Economic Growth and Poverty

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:00(リバティタワー10F 1105)
  • 座長:岡部 正義(共立女子大学)
  • ディスカッサント:高橋 基樹(京都大学)、伊東 早苗(名古屋大学)

本セッションは2名の会員による報告が行われ、参加者は対面8名・オンライン2名、進行は全て英語で行われた。

第一報告は、伏見勝利会員(JICA緒方貞子平和開発研究所)による”Ceremonial Implementations at Overseas Locations: A Multi-Case Study of a Bilateral Development Cooperation Agency”

報告者はまず、様々な事業体が海外展開し、海外子会社や現地海外事務所(OO)を展開する中で、HQから下された事業がOOの実施局面では、“ceremonial implementations”(儀礼的な実施、CI)にとどまっていることの功罪に問題意識を示し、二国間開発協力機関(BDCA)にも該当すると問題提起があった。

そして、報告者自身の豊富なこれまでの情報の蓄積に加え、OOに勤務する現地スタッフへのインタビュー調査を用いて一次データを構築し、CIが行われる背景やその性格、メカニズムを丹念に分析。HQや本国との関係に緊張性をはらむなかで、CIはセーフガードとしての機能を果たしていることをBDCAの事例でも立証したとする結論が報告された。

第二報告は、原正敏会員(ビジネスブレークスルー大学)による“A Development Strategy on Middle-Income Trap and Startups Promotion in the Philippines”

報告者は、高所得国や上位中所得国に移行した域内近隣国の台頭と対照的に、フィリピンが過去三十年にわたり低位中所得国から抜け出せない「中所得国の罠(MIT)」に問題関心を設定する。そして、MITから抜け出せない原因のひとつに、同国ではスタートアップにかかる取引費用・初期コスト等が高いという仮説を開発計画や先行研究から示した。

世銀のWorld Development Indicatorsから「ビジネスのしやすさ(EDB)」尺度という変数を集計・構築してこれを関心ある独立変数とし、経済成長の尺度として一人当たりGDPに回帰する線形回帰分析を行った。さらに政府文書等の丹念な解釈に基づく定性的分析も実施した。主たる結果はEDBの説明力を示す結果となったとする結論が報告された。

各報告後、第一報告には伊東早苗会員(名古屋大学)、第二報告には高橋基樹会員(京都大学)がディスカッサントとなって質問や提案事項を議論し、さらにフロア参加者の質問も活発に寄せられ、所期の時間を超えて活発に報告者との間に議論を展開することができ、たいへん有意義なセッションとなった。

(報告:岡部 正義)


A-16. 援助機関と現場

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:00(リバティタワー10F 1106)
  • 座長:源 由理子(明治大学)
  • ディスカッサント:松本 悟(法政大学)、北野 収(獨協大学)

本セッションの第一報告は、隅田姿(広島修道大学)会員による「開発援助における現地実務者の役割~境界連結者としての貢献~」である。現地に派遣された援助実務者の働き方に焦点をあて、境界連結者(boundary spanner)の概念を使い、現地実務者が果たす役割について検討したものである。報告に対しコメンテーターの松本悟(法政大学)会員から、境界線の両側の視点から見る必要性や現地実務者の役職による違いなどについてコメントがあった。

続く第二報告は、松原直輝(東京大学)会員による「現場主義の理想と現実~JICAの本部・現地事務所関係から見た組織経営~」である。JICA独立行政法人化にともなう「現場主義」の組織改革プロセスで組織改革の巻き戻しが起きた背景を、地方分権化の議論を分析の枠組みとして考察したものである。

松本会員からは、効率性に重きをおく地方分権化の枠組みで「現場主義」を検討することの是非、現場を理解した中堅職員の増加との関係性、緒方貞子氏の存在の影響についてコメントがあった。また、隅田報告と松原報告をつなぎ、境界連結者分析と「現場主義」双方から考えるとどうなるのかという問いかけがあり、両者の継続的・発展的な研究への期待が述べられた。

最後に、第三報告である若林基治(JICA)会員による「開発途上におけるソーシャルイノベーションの実現にかかる開発協力機関の役割について」は、開発途上国のソーシャルイノベーションのためには開発協力機関が一定の役割を果たすという仮説のもと、日本の高専がアフリカにおいて企業、大学等と協力して行ったプロジェクトを事例として仮説検証を行ったものである。

コメンテーターの北野収(獨協大学)会員からは、かつての技術移転論・普及教育論との違い、語法としてのイノベーションの整理上の課題、イノベーションの目的が成長に限定されることへの懸念、イノベーションにおける市民社会の位置づけなどのコメントがあった。

フロアからの質問・コメントも含め、3人の報告者ともに可能な範囲でのフィードバックを行いつつ、今後の研究上の課題として捉えていくことが表明された。援助の現場と理論を架橋する研究の更なる発展を期待したい。

(報告:源 由理子)


A-17. 経済

  • 2022年12月4日(日曜)12:45 ー 14:45(リバティタワー8F 1083)
  • 座長:後藤 健太(関西大学)
  • ディスカッサント:受田 宏之(東京大学)、會田 剛史(ジェトロ・アジア経済研究所)

第一報告:「インドネシアにおける労働市場の構造変化と賃金格差」

  • 報告者:本台進会員(神戸大学)
  • 討論者:會田剛史会員(ジェトロ・アジア経済研究所)

本報告は、通貨危機後のインドネシアの労働市場に起きた構造変化の分析にフォーカスをあて、その賃金格差への影響を分析したものであった。討論者からは、非常に多くの示唆に富む報告であるというコメントとともに、現在の分析が労働供給側の観点に限定されていることから、ミクロレベルでの賃金の決定要因や、男女間・都市農村間の賃金格差の決定要因の推定など、労働需要側の分析の可能性が示された。

第二報告:「GVCと自律共生的発展との連携:日系自動車メーカーのASEAN地域活動史の検討」

  • 報告者:竹野忠弘会員(名古屋工業大学)
  • 討論者:受田宏之会員

本報告は、東南アジアにおける日系自動車メーカーの事業展開を、多国籍企業とローカル企業・産業間連携におけるメリットを、製品・製造設計の観点から検討し、地場企業にとっての「経営発展」の可能性に関してするものであった。討論者からは、東南アジア地域の多様性をどのように考えるのか、さらにグローバル・バリューチェーンの開発的な側面をどのように扱うのか、といった質問があった。

第三報告:「メキシコにおけるトランジット移民―法整備と現実のはざまで」

  • 報告者:柴田修子会員(同志社大学)
  • 討論者:受田宏之会員

本報告では、最近の米墨国境における非正規な越境者の急増と、そこにおける非メキシコ人(トランジット移民)の比率の急増という背景の下、メキシコにおける移民・難民に関する法整備の状況と、これとの整合性な政策実践に焦点を当てていた。そこでは、移民をプロセスととらえる視点の重要性や、最終目的地として考えられてきた米国に向けて、トランジット移民が必ずしも直線的な移動経路を取らない多様な実態を、詳細な現地調査でえられた知見に基づいた報告がなされた。討論者からは、こうした、データの取りにくい課題に対して、NGOからアクセスした点に対する評価があった。また、プッシュ・プル要因の中でも、近年高まりを見せているプッシュ要因の重要性、さらにはNGOのアドボカシー活動の影響などに関する質問があった。

第四報告:「ラオス日系企業工場労働者の生産性改善とピア効果―作業グループにおける性格特性の異質性に着目したミクロ計量分析―」

  • 報告者:栗田匡相会員(関西学院大学)
  • 討論者:會田剛史会員

本研究は、途上国(ラオス)の工場労働者を対象に、観測不能な「能力」を性格特性(性格五⼤因⼦)で代用とし、こうした能力のグループ内の異質性の労働生産性への影響を推計することで、そのピア効果を検証しようとしたものである。討論者からは、本研究のユニークで意欲的な側面への言及があった。また、理論モデルおよびデータ収集(実験)にいける作業環境に関するにいくつかの重要なコメントがなされた。

4つの全ての研究発表が、それぞれ大変興味深いものだった。二人の討論者の的を射た建設的なコメントもあり、新たな研究の視点を提供するような有意義なセッションだった。なお、本セッションでは4つの報告があり、それぞれ20分の発表、討論者による5分のコメント、その後の討論者の回答とフロアからの質問を合わせて5分という時間配分となっていたが、やや時間不足な印象があったのが若干残念であった。

(報告:後藤 健太)


A-18. 思想、人類学、文化

  • 2022年12月4日(日曜)12:45 ー 14:45(リバティタワー10F 1103)
  • 座長:重田 康博(宇都宮大学)
  • ディスカッサント:橋本 憲幸(山梨県立大学)、木山 幸輔(筑波大学)

本報告は、一般口頭発表「思想、人類学、文化」セッションについてである。参加者は、4名の発表者、2名の討論者など事務局関係者を含めて約20名であった。

最初の清水大地(筑波大学大学院)会員の「多元世界におけるアフリカの開発論:ウブントゥ的開発論への展望」は、エスコバルの多元的世界観におけるアフリカのウブントゥ的開発論を ILO、マラウィの事例に考察し、その本質が他者との関係性にあるとした。

討論者の橋本憲幸(山梨県立大学)会員からは、「ウブントゥ」概念が表象の政治のなかで利用されてきたことを清水会員自身はどう評価しているのかといった質問が出された。

次の浅田直規(筑波大学)会員の「人類学と開発(学)の交点としての『開発予後』を考える―ルーマニアの児童福祉制度を事例に」は、開発プロジェクト終了後の影響を「開発予後」として、ルーマニアの児童福祉制度/国際援助を事例に調査し、その歴史、児童養護施設の長所と課題を取り上げ、ポスト共産主義の文化からどのように持続するのかが重要だと述べた。橋本会員からは、ルーマニアへの児童福祉制度に対する国際援助が共産主義の文化とどのように結びついているのかという質問があった。

三番目の宮澤尚里(早稲田大学)会員の「伝統文化の現代的役割―インドネシア・バリ島の事例から」は、インドネシアのガムラン音楽活動は参加者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)にどのような影響を与えているかのアンケート調査を行い考察した。討論者の木山幸輔会員(筑波大学)からは、QOL 増進を目指す「政策提言」の位置付け、ガムランの営みと QOL の因果関係などの質問があった。

最後の岡野内正(法政大学)会員の「SDGs 思想の歴史的起源―トーマス・スペンス(1750-1814)の自由移民・土地総有・全員参加・住民管理原則に基づくグローバルなベーシックインカム資本主義発展構想」は、総有制法人によるオーナーシップの確立構想を提案しベーシックインカム理念の創設者スペンスの著作などをテキスト分析しグローバル資本主義発展と普遍的人権保障が両立できるかを検討している。木山会員からはスペンスの総有制法人とSDGs や人権の概念との関係、SDGs や人権の「何に」寄与するのかといった質問があった。

(報告:重田 康博)


A-19. 保健衛生

  • 2022年12月4日(日曜)12:45 ー 14:15(リバティタワー10F 1106)
  • 座長:杉田 映理(大阪大学)
  • ディスカッサント:松山 章子(津田塾大学)、福林 良典(宮崎大学)

発表題目と発表者

(報告:杉田 映理)


A-20. 社会開発、コミュニティ

  • 2022年12月4日(日曜)12:45 ー 14:45(リバティタワー11F 1113)
  • 座長:長畑 誠(明治大学)
  • ディスカッサント:大橋 正明(聖心女子大学)、秋吉 恵(立命館大学)

発表題目と発表者

(報告:長畑 誠)


B. 企画セッション

C. ラウンドテーブル

D. ブックトーク、プレナリーほか

第33回全国大会を終えて




第33回全国大会セッション報告(企画セッション)

企画セッション


B-2.ウクライナ紛争と中東・北アフリカ地域の食糧不安・危機
――レバノン・エジプト・チュニジアの事例より

  • 2022年12月3日(土曜)09:45 ー 11:45
  • 企画責任者:井堂有子(日本国際問題研究所)
  • 司会:佐藤寛(アジア経済研究所)
  • 討論者:河村有介(神戸大学)

発表題目と発表者

  1. 「中東・北アフリカ地域における食糧安全保障の共通課題―構造的脆弱性の背景―」
    井堂有子(日本国際問題研究所)
  2. 「レバノンの食料不安―金融危機と難民流入―」
    土屋一樹(アジア経済研究所)
  3. 「エジプトにおける食糧『危機』が直撃する脆弱層」
    岩崎えり奈(上智大学)、井堂有子(日本国際問題研究所)
  4. 「チュニジアにおける食料安全保障の構造的課題と食料主権」
    山中達也(駒澤大学)

第33回大会全体テーマ「グローバル危機にどう立ち向かうべきか―紛争、食料高騰、飢餓」に呼応する形で、本企画は「ウクライナ紛争と中東・北アフリカ地域の食糧不安・危機」というテーマで4つの報告を行った。

2022年2月に発生したロシアのウクライナ侵攻と黒海封鎖、さらに対ロシア経済制裁は、サプライチェーンを通じて相互依存を深めてきた世界全体に衝撃を与えたが、特に主要穀物を両国からの輸入に大きく依存してきていた中東・アフリカ地域は直接的打撃を受けた。

本企画セッションでは、中東・北アフリカ(MENA)地域の共通課題とともに、特に注目されるレバノン、エジプト、チュニジアの個々の構造的課題を掘り下げることを目的とした。

ウクライナ戦争以前から、同地域は2010-11年以降の幾度かの「アラブの春」、広範囲な抗議行動、世界的感染拡大、金融危機、極度のインフレ、気候変動による異常気象といった複合危機にすでに見舞われてきていた。こうした中での黒海封鎖は、この地域の食糧不安をさらに深刻化させ、政治危機を招く要因になりうる。

第一の発表は、企画の趣旨説明として、約6億の人口を擁するMENA地域に共通する構造的課題の論点整理(気候変動への脆弱性、穀物輸入依存、「社会契約」としての食糧補助金、食糧援助)を行った。この地域では主要穀物(小麦)を国内生産でではなく海外輸入に依存する傾向が強まってきたが、この背景として、農業生産向上を阻む気候・地理条件に加え、広く実施されてきた食糧補助金制度、外部要因としての食糧援助の影響を指摘した。

第二の発表では、ウクライナ危機以前、レバノンが既に深刻な金融危機(世界ワースト3位内)や政治的混乱、財政破綻等、度重なる危機に直面していたことが解説された。この背景として、脆弱な経済構造(送金・観光経由の外貨頼み、対外債務高)に加え、レバノン人380万~500万人に対してシリア難民150万人とパレスチナ難民1.6万人の受入れ等、元々厳しい状況にあったところ、低い小麦自給率(20%)もあり、黒海封鎖で市民と難民双方の食糧不安がさらに深刻化したことが報告された。

第三の発表では、小麦輸入大国エジプトの家計調査データ(2010年代後半)の分析から、食糧不安に最も脆弱な層と彼らの生存戦略の詳細が明らかにされた。エジプトの小麦輸入相手先は米国一辺倒から多角化の時代を経て、2020年頃にロシア・ウクライナに集中するようになっていた。食糧補助金の大半を占める小麦のパン配給制度は同国の「社会契約」を象徴してきたが、危機の際には脆弱層の命の綱となってきたことが報告された。

第四の発表では、革命期チュニジアの政治経済危機に関して、経済構造の諸課題が詳細に解説された。「アラブの春」唯一の成功例とされたチュニジアであっても、残存する縁故資本主義で硬直化した市場とFDIの停滞、30%もの高学歴失業者、インフォーマル部門の肥大化、財政赤字と対外債務の増大、低生産で脆弱な農業部門の現状により、コロナ禍以前において国民の4人に一人が中程度以上の食糧難に直面していた。こうした構造的悪循環を脱するため、国内穀物の半分を生産する小規模農民を中心としたチュニジアの市民社会による食料主権の樹立を求める動きが紹介された。

討論者からは、地域の共通課題に対して、ロシア・ウクライナ産穀物への過度な輸入依存には経済的要因だけでなく政治的要因もあるのか、なぜ一般的な社会保障制度よりMENA地域では食糧補助金が大きな役割を果たしているのか、との質問がなされた。

個別発表に対しては、(1) レバノンでのシリア難民受入れ、パン価格引き上げへの国民の反応、国連の支援スキームの多くが現金給付であるのはなぜか、(2) ウクライナ危機がエジプトの社会保障改革に与える影響、(3) チュニジアにおける食料主権の主体は誰なのか、あるべき農業政策(戦略)とはどのようなものか、といった質問がなされ、発表者との議論が続いた。

初日午前の時間帯であったにもかかわらず、対面・オンライン併せて40名程度の参加を得た。

(報告:井堂有子)


B-3.中東における『障害と開発』

  • 2022年12月3日(土曜)12:50 ー 14:50
  • 企画責任者:森 壮也(ジェトロ・アジア経済研究所)
  • 討論者:小林 昌之(ジェトロ・アジア経済研究所)、長田 こずえ(名古屋学院大学)、細谷 幸子(国際医療福祉大学)、小村 優太(早稲田大学)、長沢 栄治(東京大学)、戸田隆夫(明治大学)

発表題目と発表者

(報告:森 壮也)


B-4.信頼と開発協力:研究の到達点と今後の課題

  • 2022年12月3日(土曜) 12:50 ー 14:50
  • 企画責任者:石塚 史暁(東京大学)
  • 座長:佐藤仁(東京大学)
  • 討論者:佐藤 寛(日本貿易振興機構アジア経済研究所)

発表題目と発表者

  • 大塚 高弘(独立行政法人国際協力機構)
  • 林 伸江(独立行政法人国際協力機構)
  • 大友 彩加(独立行政法人国際協力機構)

冒頭、座長より本テーマの意義について触れた後、事例分析の結果についての結果について3名(林:留学生受入事業、大塚:ボリビア国水資源管理技術協力、大友:フィリピン鉄道マスタープラン。いずれも所属は国際協力機構)より発表した。

発表では、いずれも信頼と開発協力に係る問題を、過去の事例分析を通じて扱った。林は関係者間の信頼関係が留学生の満足度に与えた影響、大塚はカウンターパートが頻繁に交代する国・地域における信頼の引継ぎ、大友は過去の実績の蓄積による信頼と案件実施中に新たに構築される信頼の構築過程を統合的に分析した。

これに対し、討論者(佐藤寛・アジア経済研究所)より、日本の地方部における外国人に対する信頼の問題や、ODAの技術協力スキームにおける信頼の位置づけ、開発協力における信頼の構成要素などについてコメントがあった。加えて、フロアの参加者からも以下のような質問・コメントがあり、座長・発表者を交えて活発な意見交換を行った。

「信頼」は「安心」や「信用」と区別して議論すべきではないか。

(留学生の)満足度と信頼はかならず相関するものといえるのか。

(モノなど)非人間的な要素に対する信頼はありえるか(信頼はどこまで属人的か)。

日本企業以外が受注するアンタイド案件における日本への信頼はどう考えられるか。

時代の変化に伴って開発協力における信頼の役割はどのように変化してきたか。

個人・組織・国という信頼の主体を区別して議論すべきではないか。

信頼は開発の目的になりえるのか(現場としては違和感あり)。

信頼の効果を捉えるため信頼が得られなかった案件との比較をしてはどうか。

セッションで提示された問いの幅は、開発研究における信頼というテーマがさらに深堀すべき要素を多く含んでいることの証左である。今後も、研究を継続したいという気持ちを強くした。なお、セッション参加者は約60名(会場:約15名、オンライン:約45名)で、議論は大変活発であり、この分野に対する高い関心が感じられた。

(報告:佐藤仁)


B-5.The ‘Easternisation’ of Development: The politics of East Asia’s Developmentalist Cooperation

  • 2022年12月3日(土曜)16:50 ー 18:50
  • 企画責任者:伊東 早苗(名古屋大学)
  • 司会:藤川 清史(愛知学院大学)
  • 討論者:佐藤 仁(東京大学)、KIM Soyeun(Sogang University)

発表題目と発表者

  1. ”The Easternization of Development: The Politics of East Asia’s Developmentalist Cooperation”
    伊東 早苗(名古屋大学)
  2. ”The Politics of East Asian Developmentalism: Paradigms, Practices and Prospects of Foreign Development Assistance”
    von Luebke Christian(コンスタンツ応用科学大学)
  3. Huan Meibo(上海対外経貿大学)
  4. Wang Zhao(上海対外経貿大学)

本企画セッションは、対面とオンライン合わせて約30名ほどの参加者があり、盛況であった。藤川清史会員(愛知学院大学)による司会のもと、4名による研究報告を予定していたが、大会直前になって、急遽、上海対外経貿大学の報告者2名(Meibo Huan氏 およびWang Zhao氏)が不参加となった。

彼らの報告を期待して参加くださった会員の皆様には、深くお詫びしたい。一方で、報告者2名(Sanae Ito, ”The Easternization of Development: The Politics of East Asia’s Developmentalist Cooperation”およびChristian von Lübke, ”The Politics of East Asian Developmentalism: Paradigms, Practices and Prospects of Foreign Development Assistance”)の報告後、討論者2名(佐藤仁会長/東京大学、およびSoeun Kim会員/Sogang University)およびフロア全体を巻き込む諸議論に十分な時間を費やすことができ、その意味で、大変有意義なセッションであった。

2名の報告内容は、ポスト2015時代における開発協力のパラダイムシフトと、近年の、日本、韓国、中国による国益重視型開発協力をめぐる政治的力学を「開発主義国家」概念と合わせて論じるものであった。

報告者によると、国益重視の開発協力は、「持続可能な開発目標SDGs」を推進する国際社会が民間セクターとの協働を促進する動きと連動している。また、それぞれの東アジア諸国が「非欧米型開発モデル」という言説を掲げ、欧米先進国が先導する開発アプローチに代わる「オータナティブ」を標榜しがちな状況とも連動しているとする。

具体的な事例として、日本政府による「質の高いインフラ事業」がとりあげられ、日本企業によるインフラ投資を促進するためにODAが戦略的に使われていることを「開発主義国家的な産業政策の復活」として議論した。

討論者からは「開発の東洋化」という概念にどのような意味があるか、また、国内産業の振興を目的とする産業政策が外交面で開発協力政策と接続する場合の距離感等についてコメントおよび質問があった。さらに、「開発の南化」や「Blended Finance」といった概念に関わる研究と実践上の動向について、知見の共有がなされた。

フロアからは、グローバル社会の動向と東アジアの動向を区別できるか、開発実践の現場における民間企業の本音はどこにあるか、といった論点が指摘された。また、開発主義国家の定義や、その多様な側面について当該分野の専門家からコメントがあり、学びの多い議論につながった。

(報告:   )


B-6.包摂的な産業開発は可能か―アフリカにおけるものづくりの現場から

  • 2022年12月4日(日曜)12:45 ー 14:45
  • 企画責任者:井手上 和代(明治学院大学)
  • 討論者:黒川 基裕(高崎経済大学)、渡邉 松男(立命館大学)

発表題目と発表者

  1. 「アフリカにおける製造業の『失われた中間』を問い直す―ソファ製造の多系的発展の事例から―」
    高橋 基樹(京都大学)
  2. 「ケニアの小規模零細金属加工業者のものづくりと資金調達 ―企業者的能力に着目して―」
    井手上和代(明治学院大学)
  3. 「支援を渡る―政府と国際援助機関によるエチオピア皮革産業の現地企業への影響―」
    松原加奈(東京理科大学)
  4. 「ザンビア・ルサカにおける障害者団体の技能訓練と生産活動―技能形成に着目して―」
    日下部 美佳(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

本セッションには、対面で11名、オンラインで11名の参加があった。本セッションは、「アフリカ・アジアにおけるものづくり」研究部会の活動を踏まえ、その成果を学会に還元することを念頭に置いて企画したものである。

アフリカ諸国が21世紀初頭からの高度成長を経てかえって強まった資源・一次産品への依存からの構造転換のために、ものづくり・製造業の現状を、実証研究を通じて考察することが要請されている。そこで必要なことは、多くの人が経済活動の担い手として参加する包摂的な開発が実現されてゆくことである。

最初の報告「アフリカにおける製造業の『失われた中間』を問い直す―ソファ製造の多系的発展の事例から―」(高橋基樹会員・京都大学)では、ケニア・ナイロビのソファ製造の複数のクラスターを取り上げ、製品について生じた革新的な知識が異なる業者の間で容易に共有される開放的なケースと知識が秘匿される閉鎖的なケースがあることが指摘された。それは従来の「失われた中間」=二重構造論では捉えきれない多系的な発展とそれに応じた包摂が生じている可能性を示唆するものである。

続く「ケニアの小規模零細金属加工業者のものづくりと資金調達 ―企業者的能力に着目して―」(井手上和代会員・明治学院大学)では、ナイロビの金属加工業の資金調達と企業者能力について、製品と技術(機械化の程度)が異なる二つの地区の業者への聞き取り調査に基づき論じた。長期資金需要の相対的多さにもかかわらず、金融市場における機会が狭められており、機械化の進んだ事業者も自己資金への依存率が高く、金融機関からの借り入れが限られていることが分かった。事業者の企業者能力はそうした生産環境の負の要因を補うために発揮されている。

「支援を渡る―政府と国際援助機関によるエチオピア皮革産業の現地企業への影響―」(松原加奈会員・東京理科大学)は、最初にエチオピアの革靴産業と産業政策の歴史を跡付けた。それを踏まえて、異なる3つの規模の企業が受けてきた支援を詳述し、小企業にも政府による外国援助を活用した支援が及んでいることを指摘する。各企業は異なる複数の支援を渡りつつ恩恵を受けるものの、逆に支援を渡ることができずに廃業に追い込まれる場合があり、包摂が不均等なかたちで生じていることが示された。

「ザンビア・ルサカにおける障害者団体の技能訓練と生産活動―技能形成に着目して―」(日下部美佳会員・京都大学博士課程)は、福祉用具に携わる障害者団体の活動に着目し、個々人の技能の熟練及び多能工化と活動参加前の教育や技能の習得とがどのように関わっているかについて考察した。技能形成とものづくりという障害者の開発への主体的な参加が団体の存在によって可能となっている。

各報告に対して黒川基裕会員(高崎経済大学)、渡邉松男会員(立命館大学)から、理論的枠組みを踏まえた議論の陶冶に向けた助言や、考察をさらに深めるための問題の提起がなされた。これらは上記研究部会での議論を進展させるために非常に有益なものであり、本セッションを開催した意義を確認することができた。

(報告:井手上 和代)


B-7.開発途上国におけるミクロ実証分析

  • 2022年12月3日(土曜)09:45 ー 11:45(オンライン発表)
  • 企画責任者:島村 靖治(神戸大学)
  • 討論者:樋口 裕城(上智大学)、倉田 正充(上智大学)、會田 剛史(アジア経済研究所)

発表題目と発表者

  1. 「女性自助組織活動と公的雇用保証政策は女性の民間での雇用にどのような影響を及ぼしたのか?―インド・アーンドラ・プラデーシュ州農村部の事例―」
    佐藤 希(愛知学院大学)
  2. 「地域内における資源配分と消費水準との関係の探求―マラウイの農業用投入資材補助金政策を事例としてー」
    藤田 茜(神戸大学)
  3. 「インドネシア医療ボランティアの活動報酬に対する選好―離散選択実験による実証分析―」
  4. 劉 子瑩(神戸大学)
  5. 「ベトナム中部の村落医療施設における医療従事者の利他性の分析」
    島村 靖治(神戸大学)

本セッションでは開発途上国におけるミクロデータを用いた実証分析に関する4つの報告が行われた。

第1の発表では、インド、アーンドラ・プラデーシュ州農村部の女性の自助組織活動と全国農村雇用保障法(NREGA)による雇用保証事業との関係、ならびにNERGAの民間雇用への影響に関する分析結果が報告された。そして、コメントとして、自助組織活動への参加によってNREGAの効果に違いがみられる理由をより丁寧に分析し議論すべきとの指摘があった。

第2の発表では、マラウイの農業投入資材補助金政策を題材に地域内における資源配分と地域全体の平均的な一人あたり消費水準との関係に関する分析結果が報告された。コメントとしては、地域や地域内における資源配分の捉え方の手法を再検討した上で結論についてもより丁寧に議論すべきとの指摘があった。

第3の発表では、インドネシア、ジョグジャカルタ郊外で活動する医療ボランティアの活動報酬に対する選好がボランティアの利他性により異なることを見出した分析結果が報告された。一方で、コメントとして、結果の解釈にあたっては純粋利他性と不純利他性の違いを考慮に入れて行うべきとの指摘があった。

第4の発表では、ベトナム中部の村落医療施設(CHC)で働く医療従事者の利他性の分析を行い、医療従事者の利他性は同じCHCで働く同僚の利他性と強い相関関係があることが報告された。他方、コメントとして、そうした相関が生じる理由がピア効果なのか、社会における職業的なソーティングなのかを峻別すべきとの指摘があった。加えて、医療従事者の人数が増えたCHCほどその効果が大きくなるメカニズムについても探求すべきとの指摘もあった。

そして最後に、4つの発表すべてについての質疑応答の時間があり、それぞれの研究の今後の発展可能性について活発な議論が行われた。

(報告:島村 靖治)


B-8.ジェンダーと開発

  • 2022年12月4日(日曜) 09:30 ー 11:30
  • 司会:高松香奈(国際基督教大学)
  • コメンテーター:菅野美佐子(青山学院大学)

発表題目と発表者

  1. 「バングラデシュにおけるマイクロファイナンスと女性のエンパワメント」
    本間まり子(早稲田大学)
  2. 「ネパールの家族農業における変化への対応」
    甲斐田きよみ(文京学院大学)
  3. 「南スーダンでの全国スポーツ大会を通じたスポーツとジェンダー」
    古川光明(静岡県立大学)

ジェンダー平等と女性のエンパワメントの推進は、持続可能な開発目標(SDGs)をはじめ、開発における重要な取り組み課題として認識されている。しかし、SDGsの達成度やジェンダー格差指数が示すように、これらの課題を解決するための取り組みは、未だに十分であるとは言えない。

こうした状況において、実務者と研究者が活動報告や情報共有、調査や啓発活動のためのアプローチなどを紹介することにより、ジェンダーと開発を考えるうえでの課題や可能性について検討することを目的に「ジェンダーと開発」研究部会が、2022年8月に設立された。

本企画セッションでは、家父長制下で制約を受けている女性に焦点をあて、研究部会の有志会員が関わってきた事例を紹介した。コロナ禍において、女性は以前より増して不利な状況におかれている。しかし、受動的な弱者として位置付けるのではなく、変化を引き起こす主体として位置付けるために、国際協力を通じ何が出来るのか検討した。

セッションの冒頭で、司会の高松会員より、研究部会の目的や活動内容の紹介をおこなった。続いて本間会員の発表では、バングラデシュのマイクロファイナンス事業の参加女性たちの融資金の利用について、コロナ禍の影響と関連した現状及び今後の調査計画が共有された。

甲斐田会員の発表では、ネパールの先住少数民族で最貧困層のダヌワールを対象にした聞き取り調査結果に基づいて、様々な社会経済状況の変化に対する農民の対応を、ジェンダー視点で分析し、性別役割分業やジェンダー規範の影響が報告された。

古川会員の発表では、南スーダンのジェンダーとスポーツに関連して、スポーツ大会がジュバ女性市民のスポーツ参加やスポーツを継続することの認識への与える効果について、質問票調査を通じた検証がなされた。

コメンテーターの菅野会員からは、各研究報告に対してより理解を深めるとともに、今後、研究を更に発展させるためのヒントとなるような質問やコメントが行なわれた。セッション参加者のうち、研究部会の新規登録者が数名あり、今後の活動に繋がった。

(報告:高松香奈)


A. 一般口頭発表

C. ラウンドテーブル

D. ブックトーク、プレナリーほか

第33回全国大会を終えて




第33回全国大会セッション報告(ラウンドテーブル)

ラウンドテーブル

C-1.授業という開発実践
ー わたしたちはどんな「人材」を「育成」するのか

  • 2022年12月3日(土曜)09:45 ー 11:45
  • 企画責任者:池見 真由(札幌国際大学)
  • 討論者:

発表者

  • 大山 貴稔(九州工業大学)
  • 松本 悟(法政大学)
  • 栗田 匡相(関西学院大学)
  • 汪 牧耘(東京大学)

(報告:池見 真由)


C-2.Adaptive Peacebuilding: A New Approach to Sustaining Peace in the 21st Century

適応的平和構築:21世紀における持続的な平和への新しいアプローチ

  • 2022年12月3日(土曜)09:45 ー 11:45
  • 企画責任者:伏見勝利(JICA緒方研究所)

発表者

  1. 武藤亜子(JICA緒方研究所)
  2. 立山良司(防衛大学校名誉教授)
  3. 田中(坂部)有佳子(一橋大学森有礼高等教育国際流動化機構グローバル・オンライン教育センター)
  4. ルイ・サライヴァ(JICA緒方研究所)

本ラウンドテーブルは、JICA緒方研究所の研究プロジェクト「持続的な平和に向けた国際協力の再検討」の最終成果である学術書籍”Adaptive Peacebuilding: A New Approach to Sustaining Peace in the 21st Century”の発刊前に、研究成果の一部を発表したものである。

ノルウェー国際問題研究所のデ・コニング博士が主導する概念である適応的平和構築とは、紛争の影響を受けた国の内部で、地元が主導する平和構築を推進するアプローチである。平和構築に関わる外部者は、人々自らが平和を維持するための社会全体のシステムを再構築するプロセスを、促進することが推奨される。ラウンドテーブルでは、次の適応的平和構築の事例を紹介した。

  1. シリア紛争にて、市民が紛争後の復興計画を作成したり国連主導の調停に関わったりした事例(武藤)
  2. パレスチナで、現地の人々との幅広い交流や協力関係を通じ、地元に配慮した治安維持に貢献したヘブロン国際監視団の事例(立山)
  3. 紛争後の東ティモールの「村(スコ)」という場が、退役軍人と人々の間の緊張緩和に貢献した事例(田中(坂部))
  4. モザンビーク紛争に際し、外部ではなく現地の人々が主導した平和構築の事例(サライヴァ)

適応的平和構築が紛争終結や紛争後の平和の維持に大きく貢献していることや、紛争が続く場合でも、紛争の負の影響の軽減や市民ネットワークの構築に有意義な貢献をしていることが明らかになった。窪田、伏見が討論者を務め、平和構築の多様な道筋、また現地の主体や社会経済的な文脈を考慮に入れる必要性を明らかにした研究成果には、多くの関心が寄せられた。

(報告:伏見勝利)


C-3.国際教育開発における専門知
ー実践の経験値と研究の専門性の架橋を中心にー

  • 2022年12月3日(土曜)12:50 ー 14:50
  • 企画責任者:川口 純(筑波大学)
  • 司会:坂田のぞみ会員(広島大学)

本セッションは、国際教育開発の研究と実践の架橋をテーマに開催された。背景には、本分野において実践と研究が十分に架橋されていないとの問題意識があった。従来、研究者から実践家に対しては、「実証的な研究成果を活かした実践になっているのか」、「教育の専門性を持たない専門家が多く、国際協力の専門性の方が教育の専門性よりも優先されてきたのではないか」などの指摘がなされてきた。

また、実践家から研究者に対しては、「日本の教育開発研究者は何をしているのか分からない」、「日本から国際潮流を作ることはあるのか」といった批判がなされてきた。

この様な相互の批判を踏まえて、本セッションでは若手研究者を中心に国際教育開発の研究と実践の架橋について議論が展開された。企画者は川口純会員(筑波大学)、登壇者は 荻巣崇世会員(上智大学)、橋本憲幸会員(山梨県立大学)、非会員の坂口真康氏(兵庫教育大学)と関口洋平氏(畿央大学)の4名で、司会は坂田のぞみ会員(広島大学)が務めた。

その他、10名程の参加者があり、幅広い角度から闊達な議論が展開された。その中で架橋の質を問う必要性や架橋の目的と方向性についてとりわけ活発に意見が交わされた。また、研究の枠組みを設定するにあたり、実践と研究が置かれてきた時代状況の違いを踏まえながら、個人としての架橋と総体としての架橋のずれに関する丁寧な議論の必要性への言及もあった。

本分野においては、以前より個人としては実践と研究の架橋が成されていたが、総体としては徐々に希薄化している状況が問題として認識され、実践の経験値の蓄積に対し研究の専門知が果たしうる役割について今後も議論を継続することが重要であるという結論が導かれた。

具体的な今後の研究の方向性としては、本研究自体に実践家を巻き込みつつ、事実(データ)に基づいたより実証的な研究を展開する必要性が確認された。

(報告:川口 純)


C-4.倫理理的食農システムの構築に向けて:
アグロエコロジーの観点から

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会

  • 2022年12月3日(土曜)12:50 ー 14:50
  • 企画責任者:池上甲一(近畿大学名誉教授)
  • 討論者:加藤(山内)珠比(京都大学)、妹尾裕彦(千葉大学)

本ラウンドテーブル(RT)は「倫理的食農システムと農村発展」研究部会の成果を議論する場として代表の池上が企画した。本RTの意図は、現行の食農システムの抱える諸矛盾を乗り越えるために、アグロエコロジーの観点から倫理的食農システムの構築可能性を論じることだった。

食農システムを対象とする以上、資材、農業生産、流通、消費というそれぞれの段階が社会的・環境的・経済的公正をおもな要素とする倫理性とどう関連しているのかが主要な論点となる。本RTではこうした趣旨を説明する座長解題と食農システムの各段階に対応する4報告が行われた。

第1報告・西川芳昭(龍谷大学)「アグロエコロジー研究から見たタネをめぐる主体者の多様性」は、最も基本的な資材である種子の参加型開発を可能にする農業研究のあり方を議論した。

第2報告・受田宏之(東京大学)「ミルパ、有機市、農民学校:メキシコにおけるアグロエコロジーの実践と課題」は、変革の主体やメカニズムと併せ、政治との関係を焦点とした。

第3報告・牧田りえ(学習院大学)「有機とローカルはなぜ接近するのか」は、原理的には異なる2つの動きが重なり合う9つの要因を文献研究から解明した。

第4報告・坂田裕輔(近畿大学)「生産過程の倫理性に対する消費者の関心」は、支払意思額に基づく分析結果から、消費者は商品のこだわりを意識して選択を行うが、一定の社会階層に対するエシカルマーケティングは成立しないと結論づけた。

討論者の加藤(山内)珠比(京都大学)は第1報告に対して、在来種による人口増への対処可能性と農民による種子選抜の可能性が疑問として提示された。また第2報告について「戦線の拡大」に伴う農民の異質性増大と「集合的な理想」の関連如何を問うた。

同じく討論者の妹尾裕彦(千葉大学)は第3報告に対して、アグロエコロジーの観点からはローカルの重要性がポイントだとコメントした。第4報告については解析を前提とした改善方向についての示唆があった。最後にRT全体にかかわる論点としてアグロエコロジーを拡げる(べき)範域と有機農業への転換による食料確保への懸念への対応の必要性が提起された。

(報告:池上甲一)


C-5.日本型援助理念と政策を問い直す

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:30
  • 佐藤仁(東京大学)

本ラウンドテーブルではODAにかかわる理念、原則、政策手段についての3つの視点から、日本に特有の援助理念の再検討を行った。具体的には、自助努力支援(マエムラ会員/東京大学)、要請主義(佐藤会員/東京大学)、開発輸入(キム会員/韓国・西江大学)が報告を行い、これに志賀裕朗会員(横浜国立大学)が討論の口火を切る形でセッションを運営した。

マエムラ会員は、OECD-DACの議事録分析などを基礎にして、自助努力支援の発想が欧米から斡旋された考え方である可能性が高いことを資料に基づいて提示し、自助努力支援がいつの間にか「国産化」した過程を跡付けた。

佐藤会員は、相手国からの要請という援助プロセスにおける当たり前の手続きが、日本のODAの原則になった経緯を戦後賠償の手続き論にたどって論じた。

最後に、キム会員が「開発輸入」という日本独特の援助方式を議題にとりあげ、この方式の「もの珍しさ」が外国人の研究者に発見された点や、中国が同じ方式で援助供与を行うようになったことなど、日本式の政策手段が諸外国に波及した事例を紹介した。

これらの3報告に対して、討論者の志賀会員からは日本の援助が欧米の aid の理念に翻弄されてきた歴史があったのではないかという興味深い指摘があった。欧米の aid はキリスト教の教えに共鳴する「施し」のニュアンスがあり、それが民間主導でおこなわれた経済協力とは相いれなかった可能性の指摘である。

日本は賠償に始まる独自の論理と手続きを構築した一方で、DACドナーとしてaid コミュニティーに理解を得る形で援助理念を形成せざるをえなくなった。日本型援助理念とは、援助の定義をめぐる西欧と自国の論理の板挟みになった結果として生み出された産物といえるかもしれない。フロアからは国民の援助理念の受け入れをどう考えるか、現場での援助実践と理念の関係などについて鋭い質問が相次ぎ、議論は大いに盛り上がった。参加者は現地とオンラインを合わせて30名程度であった。

(報告:佐藤仁)


C-6.地域の課題解決における国際協力人材の役割

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:30
  • 企画責任者:矢向禎人(JICA)
  • 司会:河野敬子(一般社団法人海外コンサルタンツ協会:ECFA)
  • 討論者:岸磨貴子(明治大学)室岡直道(JICA)

発表者

  • 大下凪歩(下関市立大学)
  • 金崎 真衣(環太平洋大学)
  • 井川真理子(株式会社コーエイリサーチ&コンサルティング)
  • 永田友和(高山市海外戦略課)
  • 塗木陽平(JICA)
  • 荻野光司(JICA)

実務者からの情報発信強化及び、研究者との交流によるODAの質的改善を目的としたECFAとJICA共同セッションは2018年より開始し、今年度で5年目を迎えた。

本ラウンドテーブルでは、(1) JICA中国主催の地域の多文化共生の課題に大学生等が取り組む「因島フィールドワーク合宿(学生主体で企画を立案。外国人材を多く受け入れている因島にて外国人材と地元の方との結びつき、異文化理解の促進に向けた取り組みを試行)」および、(2)「ルアンパバ-ン世界遺産の持続可能な管理保全能力向上プロジェクト(世界遺産の管理・保全のための協力を岐阜県高山市の協力を得て実施)」を事例とし、国際協力人材と日本の地域との関り方、地域の課題解決に果たしうる役割について議論を行った。

両事例は取り組み内容や目指す成果は異なるが、異文化理解の機会創出という共通性があり、国際協力を活用した異文化理解・多文化共生を育んでいく場の提供の重要性と可能性が見受けられた。一方、両事例による機会創出は時限的で連続性や持続性に留意すべきとの指摘もあり、このような機会をどのように繋げていくかは今後の検討課題である。

また、両事例に留まらず、各参加者の経験に基づく異文化理解・多文化共生の難しさについても議論が行われた。議論において、国際協力人材が持つ国内外の経験、特に多様な国や人々との交流経験は、「共生」を具体化し進めるための場や機会を提供に活かせるとともに、共に悩むことが出来るという点も国際協力人材の優位性や役割との意見が出された。

さらに、ラウンドテーブル全体の議論を振り返る中で国際協力という言葉についてもコメントがあり、求められる役割や環境を踏まえ、国際協力は「変化し続けるAgency」として捉え進めていくことの重要性についても意見交換がなされ、今後の国際協力を検討する上で有益なセッションとなった。

最後に本ラウンドテーブルの開催にご参加、ご支援頂いた皆様にお礼を申し上げます。

(報告:矢向禎人)


C-7.食のレジリエンスとSDGs

第4回「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会ラウンドテーブル

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:30(オンライン発表)
  • 企画責任者:関谷雄一(東京大学)
  • 討論者:野田真里(茨城大学)

発表者

  1. 基調講演:菊地良一(和法薬膳研究所) 
  2. 中西徹(東京大学)
  3. 西川芳昭(龍谷大学)
  4. 安藤由香里(大阪大学)

開発のレジリエンスとSDGs研究部会の第4 回目のラウンドテーブルは、食の問題を取り上げた。SDGs17 の目標の1つが2030年までに「飢餓をゼロに」することであるが、昨今の世界情勢、例えば新型コロナウィルスのパンデミックやロシアのウクライナ侵攻に伴う食糧供給危機や物価高騰などの諸問題を踏まえ改めて食のレジリエンスとSDGs を様々な角度から検討してみた。

基調講演として、山形県高畠町の和法薬膳研究所主宰の菊地良一氏から、主としてミネラル濃度の高い食品の重要性と普及に関する実践と重要性に関する報告を頂いた後、中西徹氏からは国際社会における、グローバル金融資本がもたらす食の格差拡大を是正するための有機農業の意義に関する報告がなされた。

次いで西川芳昭会員からは、農業の産業化と近代化による種子システムの脆弱化に関して現状に関する具体的な説明とともにその持続性を保つために必要な管理の在り方について報告がなされた。さらに、安藤由香里氏からはフードロスをめぐり、フランスおよびイタリアで適用されている社会連帯経済関連法・食品廃棄禁止法の効力、日本への適用可能性について報告がなされた。

討論者の野田真里会員からは各報告者に対し、それぞれのテーマに関して新型コロナ禍との関係やポスト/ウィズコロナを見据えた展望について問いがなされ、各報告者による応答があった。課題として、複合的なグローバル危機と食のレジリエンスに関し、さらに各テーマに関する追究が必要だという認識が共有された。

(報告:関谷雄一)


C-8.「一般化」の多様性 ー事例を巡る対話を通してー

「若手による開発研究」研究部会セッション

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:30
  • 企画責任者・司会:松原優華(東京外国語大学大学院)

発表者

  • 松原優華(東京外国語大学大学院)
  • 神正光
  • 山田翔太(立教大学/日本学術振興会特別研究員PD)
  • 吉田篤史(京都大学大学院)
  • 森泰紀(同志社大学大学院)
  • 須山聡也(東京大学大学院)

本ラウンドテーブルは、「若手による開発研究」部会による企画セッションである。本セッションでは、研究における「一般化」への向き合い方という多くの研究者が抱える問題をテーマとし、ディシプリンや研究者個人間での「一般化」の多様性を捉え直し、その中で研究の価値を再考する機会の提供を目的とした。

本セッションは発表と討論の2部で構成された。前半は、専門分野、対象地域が異なる6人の若手研究者が、(1)それぞれが捉える「一般化」、(2)「普遍性の追求-地域の固有性の追求×個人-世界の一般化のレベル感」から成る4象限で自身の研究スタンスを提示した。これにより、研究者個人間の「一般化」の捉え方の多様性、それゆえの研究スタンスの多様性を示した。

後半では(1)“良い”「一般化」とは何か、(2)「一般化」の捉え方が異なる中でどのように研究の価値を見出していくのか、15人ほどの参加者による討論を行った。

討論では、フロアからの「誰に向けての、何のための「一般化」なのか」との指摘から、「一般化」の意義について議論が展開された。その中で、事例から導出できる特殊性を広い文脈に位置づけることが他地域や他分野へと議論を広げる可能性が指摘された。その上で、この作業こそ研究者がすべきことなのではないのかという意見もでた。

また、「どのように「一般化」するのか」についても活発な議論が行われた。「一般化」の局地である「普遍性の追求」については、事例の特殊性を追及した結果として、偶発的に「普遍性」に近いものが発見される可能性に言及された。この指摘は、事例から意識的に「一般化」する方向が強調されてきたこれまでの研究法の議論とは異なる新たな事例と「一般化」の関係の捉え方といえよう。

本セッションでは、これまで曖昧なままにされてきた「一般化」の捉えにくさを正面から議論したことで、研究の意義を再考する機会となった。本セッションを皮切りに、「一般化」の考え方の違いから時に生じてきた分野、研究者間の対立を乗り越え、「一般化」の捉え方の議論が活発化することを望む。

(報告:松原優華)


C-9.開発における「ビジネス実践と研究」の連携可能性

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:30
  • 企画責任者:小林 誉明(横浜国立大学)
  • 狩野 剛、功能 聡子、佐藤 峰(横浜国立大学)浜名 弘明

(報告:小林 誉明)


C-10.大学におけるアフガニスタン、ウクライナからの避難民受入れ支援と課題

国際開発関係大学院 研究科長会議 企画ラウンドテーブル

  • 2022年12月4日(日曜)12:45 ー 14:45
  • 企画責任者:岡田 亜弥(名古屋大学)
  • 討論者:

発表者

  • 神馬 征峰(東京大学)
  • 小正 裕佳子(独協医科大学)
  • 小林 誉明(横浜国立大学)
  • 赤井 伸郎(大阪大学)
  • 金子 慎治(広島大学)
  • 市橋 勝(広島大学)
  • 木島 陽子(政策研究大学院大学)
  • 北 潔(長崎大学)

(報告:岡田 亜弥)


C-11.人口減少へ向かう人類社会とサステナビリティ研究

  • 2022年12月4日(日曜)12:45 ー 14:45
  • 司会:松岡俊二(早稲田大学)
  • 討論者:佐藤寛(アジア経済研究所)、石井雅章(神田外語大学)、島田剛(明治大学)

ラウンドテーブル(RT)「人口減少へ向かう人類社会とサステナビリティ研究」は、司会:松岡俊二(早稲田大学)、話題提供者:浜島直子(千葉商科大学、環境省)、工藤尚悟(国際教養大学)、討論者:佐藤寛(アジア経済研究所)、石井雅章(神田外語大学)、島田剛(明治大学)という構成で、2022年12月4日(日)12:45-14:45、明治大学リバティタワー1F1012教室にて開催した。参加者は20名程度であった。

日本の人口は2008年の1億2,808万人がピークで、その後は減少プロセスに入り、コロナ禍もあって、 2021年10月1日には、前年比64.4万人減となった。64.4万人という減少数は、鳥取県人口(55万人)を上回り、ほぼ島根県人口(66万人)に匹敵する規模となっている。

少子高齢化を特徴とする人口減少は日本だけではなく、中国や韓国などの東アジア諸国でも起きている。2022年7月に発表された『国連人口推計』は、中国の人口は2021年に14億2000万人でピークを迎え、2022年からは人口減少プロセスへ入り、2052年に13億人を割り込み、半世紀後の2078年には10億人を下回ると推定されている。また韓国は、2021年に合計特殊出生率が世界最低のとなり、人口減少が深刻化している。

人口減少問題は日本や東アジア地域にみられる個別的あるいは特殊的な社会的課題ではない。いま起きている人口減少は人類史的現象であり、人類史の大きな転換点であることが、近年の世界の人口研究によって明確になってきた。

ワシントン大学の研究グループは、2020年に医学雑誌Lancetに発表した論文で、2064年に世界人口は97億3千万人でピークを迎え、その後は減少へ転換するとした。ホモ・サピエンス登場から30万年、永く続いてきた人類の膨張が終わりにさしかかっている。人口増加を前提につくられた経済社会システムの限界が明らかになり、新たな社会のデザインが問われている。

本RTでは、人類社会が人口減少・縮小社会へ転換することが、サステナビリティ研究や国際開発協力にとって何を意味し、どのような転換への「備え」が必要なのかを論じた。特に、途上国の開発問題や気候変動などの長期的課題への影響や日本の地域社会の持続性について議論した。

(報告:松岡俊二)


C-12.開発経験は共有可能か
——日中韓にみる「セマウル運動」を事例に

「ODAの歴史と未来」研究部会

  • 2022年12月4日(日曜) 12:45 ー 14:45
  • 企画責任者:汪牧耘(東京大学)

本企画は「ODAの歴史と未来」研究部会の一環として、開発・援助研究の暗黙的な前提である「経験共有の可能性」を問い直すものである。具体的には、1970年代に始まった「セマウル運動」の経験がどのように日中韓で論じられてきたかを検討し、「経験共有の不可能性」を踏まえた知識生産のあり方を考察した。

当日、発表者の3人(チョン・ヒョミン氏・近江加奈子氏・汪牧耘氏)は、「セマウル運動」の展開とそれをめぐる日中韓における議論の系譜を共有し、開発経験の価値化・知識化とその共有は常に一種の政治性が伴うことを再確認した。

援助供与国が自国の開発経験を体系的にまとめる過程で起きる経験の取捨選択を批判・評価するのではなく、さらに「自らの経験をどう共有するか」を思考するのみならず、「自らの経験に対する他の見方をどう発掘するか」という問いに学問的な光を与えることが重要ではないかと提案した。

討論者(キム・ソヤン氏・志賀裕朗氏)のコメントは議論をさらに前進させた。特に、「知識実践」と「知識共有」の違い、外部者の眼差しと経験の相互作用や、欧米的な開発知の「匿名性」を踏まえたアジア・アフリカという枠の有効性などといった論点は、本企画の思考を精緻化していくための足場となりうる。

ディスカッションにおいて、松本悟氏、佐藤仁氏、柳原透氏から貴重なコメントを頂いた。特に、経験を(「外部」も含めて多様な視点で」)蓄積し、そして「経験を持つ側」と「その経験を欲しがる側」を結ぶ必要性を示した実践的な視点は示唆に富む。

また、経験共有の役割が“inspiration”を通して果す可能性に関する指摘も目に鱗であった。今後は、経験の受け止め方をより多くの事例から検討し、開発を推し進めてきた人びとの知性と感情を理解するための観測点となる研究へと、本企画を発展していきたい。

(報告:汪牧耘)


C-13.社会的連帯経済(SSE)の国際動向と日本の動き

「社会的連帯経済」研究部会

  • 2022年12月4日(日曜) 12:45 ー 14:45
  • 企画責任者:古沢広祐(國學院大學)

本RTは、前々日に開催された公開プレ企画の内容を共有するかたちで進められた。報告3名、(1)「ILO総会における社会的連帯経済の動向について」(高崎真一・ILO駐日代表)、(2)「社会的連帯経済の国内動向とILOとの連携について」(伊丹謙太郎・法政大学)、(3)「国際動向との関連で研究部会の研究会取り組み(中間総括)」(古沢広祐・國學院大學)、討論者(池上甲一・近畿大学)とともに、SSEの現状と今後について議論した。

ここでは、プレ企画内容について中心的に紹介したい。 「SSEの役割と可能性を議論」公開イベント概要が、ILO駐日事務所ニュース記事(2023/01/04)でよくまとまっているので以下紹介する。

・・・・「社会的連帯経済(SSE)と国際労働機関(ILO)の最近の動き」が12月2日にあり、ILO企業局プログラム・マネジャーのシメル・エシムが基調報告を行いました。学界や協同組合・政府の関係者、労働組合などからおよそ100人が参加しました。

イベントは、貧困、危機、不平等などの世界的な課題に取り組む手段として、SSEが世界で注目を集める中、日本でさらにSSEを認知してもらい、その可能性を話し合うために開催されました。

基調報告に立ったエシムは、2022年6月の第110回ILO総会で採択されたディーセント・ワークとSSEに関する決議 を紹介しつつ、アジア太平洋地域にはSSEに関する法的枠組みがほとんどないものの、SSEの価値や原則は各地域の文化に根差していると指摘。コミュニティー型の自助グループや協同組合、アソシエーション、相互扶助組織など同地域のSSEに触れつつ、過去20年間にインド、インドネシア、日本、タイ、韓国などで発展してきた社会的企業の役割についても強調しました。  

連合の西野ゆかり氏は、フリーランスや配達などを単発で請け負う「ギグ・ワーカー」、個人事業主を含む全ての労働者を支援する連合の取り組み「Wor-Q(ワーク)」を紹介。団体生命共済や総合医療共済など共済制度を通じた支援について説明しました。

ILO駐日代表の高﨑真一は、「SSEが目指す『社会正義の実現』はILOの設立理念に合致する」と話し、駐日事務所の長年の取り組みとして、アフリカの協同組合のリーダーを日本に招へいする研修プログラム を紹介しました。今回のイベントは12月3日、4日に開かれた国際開発学会第33回全国大会の一環で、オンラインと会場参加を組み合わせて開催されました。・・・・

–ja/

関連情報

  • –ja/

(報告:古沢広祐)


C-14.水産協力におけるブルーエコノミーの有効性

  • 2022年12月4日(日曜) 12:45 ー 14:45
  • 企画責任者:河野敬子(一般社団法人海外コンサルタンツ協会:ECFA)
  • 司会:本田勝(JICA)
  • 討論者:松丸亮(東洋大学)

発表者

  • 三国成晃(JICA) 
  • 世古明也(アイ・シー・ネット株式会社)
  • 寺島裕晃(アイ・シー・ネット株式会社) 
  • 馬場治(東京海洋大学)

実務者からの情報発信強化及び、研究者との交流によるODAの質的改善を目的としたECFAとJICA共同セッションは2018年より開始し5年目を迎えた。

三国氏は「ブルーエコノミーとその推進に向けたJICAの戦略」について発表した。JICAでは、グローバルアジェンダの協力方針の一つに水産資源/沿岸生態系、漁村/沿岸コミュニティ及び地場産業のそれぞれの便益を同時に創出するコベネフィット型の協力アプローチである「島嶼国の水産ブルーエコノミー振興」を掲げている。

これまでのJICA技術協力プロジェクト、パイロット活動、本邦研修などの経験を「ツールボックス」に入れて共有することでより効率的・効果的な支援ができるのではないかとの提案があった。

世古氏は「バヌアツ国豊かな前浜プロジェクト」について発表した。資源管理方策とコミュニティ支援方策を連動させる連結方策を含めた総合的なアプローチにより、活動のバランスをとることで、住民による自主的な資源管理と経済活動の多様化、それを支援する行政を目指した。

寺島氏は、「カリブ島嶼国での重要魚介類のナーサリーグラウンド造成と観光サイトとしての利用」について発表した。重要水産物あるロブスターを安価に増殖させ且つ観光資源にも貢献する試行が行われているが、コミュニティ組織強化や安価な人工魚礁の制作、観光業との連携など課題が山積している。

馬場氏は、日本の取組みとして「水産業普及指導員とその役割」について発表した。指導員制度は、直接漁業現場に出向いて漁業者と対話をすることで現場の課題を行政ルートでくみ上げる役割を担っており、内発的優良事例の発掘と普及に貢献している。開発援助でも、そのような事例を探し出す能力・行政システムとして本制度の移転に意義があるのではないかと紹介した。

ラウンドテーブルでは、知見共有のための「ツールボックス」等のアイデアや、現地の方にとってのプロジェクト参加のインセンティブ作りや巻き込み方法等コミュニティ開発に関わること、魚礁の設置や漁船が増えることのデメリットといった環境保全に関わること等、幅広いテーマでのディスカッションを行った。

(報告:河野敬子)


C-15.JICA国際協力事業における評価の枠組みとプロセスへの着目について

  • 2022年12月4日(日曜) 12:45 ー 14:45 1114(オンライン発表)
  • 企画責任者/司会:佐藤真司(国際協力機構)
  • 討論者:伊藤晋(新潟県立大学)

発表題目と発表者

  1. 「JICA事業評価の概況と最新課題~プロセスの視点を中心に~」
    古田成樹(国際協力機構)
  2. 「新事業マネジメント方式(クラスター事業戦略)の導入及び評価の枠組み検討について」
    丸山真司・山岡麻美(国際協力機構)
  3. 「ザンビア国現職教員研修制度支援を通じたキャパシティ・ディベロップメントにかかるプロセスの分析」
    伊藤治夫(株式会社アイコンズ)・山口恵里佳(国際協力機構)

本セッションでは、JICA国際協力事業評価における評価の今後の方向性及びあるべき姿に関する議論を深めるため、プロセスへの着目をキーワードに3つのテーマについて5名の報告者からの話題提供を受け、討論者・参加者を交えた議論が行われた。

冒頭、本ラウンドテーブルの企画者である佐藤より、ラウンドテーブル企画の背景、目的について説明した。最初の発表として、古田成樹氏より、JICA事業評価の昨今の取り組みを俯瞰する報告がなされた。

特にJICA事業評価基準の改訂(2021年度)に関し、新たに、事業実施中の対応過程等の視点を取り入れるなど、新規・類似案件の計画・実施に向け、より良い教訓の抽出・活用の促進に取り組んでいる状況について概観が共有された。

つづいて、丸山真司氏、山岡麻美氏より、グローバル・アジェンダ、クラスター事業戦略と呼ばれる目的・目標及び重点取組の設定を通じた包括的な事業マネジメントの最新状況と、当該戦略事業の評価手法の検討にかかる論点が報告された。

その後、伊藤治夫氏、山口恵里佳氏より、ザンビアにおける現職教員研修制度支援を通じたキャパシティ・ディベロップメントについて、DAC評価項目とは異なる視点で、事業のプロセスを当事者の語りから振り返りながら、今後の類似事業の形成・実施に向けての教訓が報告された。

報告の後、参加者からJICAにおけるインパクト評価の実施状況やクラスター事業戦略におけるシナリオのモデル化と受益国における開発計画の関係性に関する質問が寄せられ、指定討論者である新潟県立大学の伊藤晋会員からは、プロセスにも焦点を当てた評価をしていきたいとの点は評価できるとしつつ、事業評価に投入できる資源は限定的なため評価の合理化が必要だろうとのコメントがなされるなど活発な議論が展開された。

(報告:佐藤真司)


A. 一般口頭発表

B. 企画セッション

D. ブックトーク、プレナリーほか

第33回全国大会を終えて




第33回全国大会セッション報告(前夜祭、ブックトーク、プレナリーほか)

P. 前夜祭

現代アフリカの開発における課題
―危機下の市民生活から

  • 2022年12月2日(金曜)18:00 ー 20:00
  • 企画責任者:林 愛美(日本学術振興会/大阪公立大学)
  • 討論者:佐藤 光(明治大学)、山崎 暢子(京都大学・ハーバード大学)、笹岡 雄一(明治大学)、佐久間 寛(明治大学)

前夜祭の趣旨は以下の通りである。サハラ以南アフリカの多くの地域では、独立を経験してから60年以上が経った。近年、アフリカ社会は民主化やグローバルな資本主義経済化、そして開発プロジェクトの影響を受けて急激な変化を経験してきた。

また、現在はCOVID-19という世界的な感染症の危機の只中にある。こうした環境の変化や危機において、開発途上であるアフリカ社会では、支援と開発が必要とされている。しかしそのためには、アフリカの人びとがどのような危機に置かれており、どのような支援が必要であるかをまず明らかにする必要がある。したがって本企画では、現代のアフリカにおける開発と市民生活の課題について、それぞれの研究者のフィールドから報告を行った。

まず第1発表者の佐藤は、COVID-19の危機に際して生活困窮者が増加する中、アフリカ諸国で社会保障制度の強化が急速に進められている状況に着目し、非民主主義国が多いサハラ以南アフリカにおいて社会保障を整備する上での課題についてジンバブエの事例を取り上げ、民主化が進んだ南アフリカと比較しながら考察を行った。

第2発表者の山崎は、ウガンダの地方都市において交通インフラ整備といった開発事業が労働移動の契機となって地方の都市化を推し進めた一方、地方住民の生活に大きな影響を与えている点を指摘し、現代の地方都市住民の就労上の課題について論じた。

第3発表者の林は、ケニア西部の村落部において女性器切除という慣習を廃絶しようとする運動が市民社会組織によって展開されているものの、相互扶助的な地域社会においては両者の間でコンフリクトが生じていることを報告した。  

以上の発表に対して第1コメンテーターの笹岡からは、特に佐藤に対して民主化過程が社会保障制度の形成にどのようにつながっていくのか、また、外部からの財政的支援とはどのようなものかという質問がなされた。一方、外部支援に頼ることは、アフリカの社会保障制度の構築につながることになるのかという指摘も行われた。さらに、3名の発表の接合がうまく見出されていない点が企画の課題として挙げられた。

第2コメンテーターの佐久間は、本企画においてアフリカが「危機の大陸」として漠然と想像されているが、研究者はそれが誰にとって、どのような危機であるのかをより具体的に明らかにする必要があると指摘した。そうした作業の先にそれぞれの研究の接合が見出される可能性があるとした。各発表に対してはフロアからも多数の質問が寄せられ活発な議論が交わされた。発表者は新たな課題を得ることができ、充実したセッションとなった。

(報告:林 愛美)


D. ブックトーク

  • 2022年12月4日(日曜)09:30 ー 11:30(リバティタワー1F 1011)
  • 企画責任者・モデレーター(学会誌編集委員会、ブックトーク担当):芦田明美(名古屋大学)、佐藤寛(アジア経済研究所)、道中真紀(日本評論社)

本ブックトークセッションでは会員による近刊4冊の書籍についての紹介が、著者および出版社の編集担当者よりなされ、出版にいたったきっかけや経緯、苦労等が共有された。討論者からは、内容を踏まえての貴重なコメントが提供された。参加者はオンライン・対面双方含め30名以上にのぼり、活発な質疑応答となった。

D-1.月経の人類学―女子生徒の「生理」と開発支援

  • 2022年6月、A5版、304ページ、3,850円
  • 報告者:杉田映理(大阪大学)、新本万里子(広島市立大学)
  • 担当編集者:大道玲子(世界思想社)
  • 討論者:佐藤寛(アジア経済研究所)

月経は、いまやグローバルな課題となっている。国際開発の現場では、女子教育の向上、ジェンダー平等、水衛生分野における女性への配慮、女性のリプロダクティブ・ライツ/ヘルスなどの観点から2010年代前半から月経衛生対処が開発支援の対象とされた。

月経衛生対処(略称MHM)とは、生理用品へのアクセス、生理用品を取り替えやすいトイレや水回り、生理用品の廃棄設備が整備されており、月経に関する「適切な」知識へのアクセスがある状態を指す。一方、月経はそれぞれの文化に深く根差した慣習やタブーが存在する。MHM支援が広がる潮流のなかで、地域に固有の文化的慣習や月経観は、いま揺らいでいる。 

本書では、第1部で、月経をめぐる国際開発の動向を整理する。第2部では、世界8か国における女子生徒の月経対処について、ローカルな月経対処の文脈と実態を明らかにする。各地で実施したフィールドワークに基づく情報をもとに、月経対処の「今」を同時期にとらえる。第3部では、第2部でとらえた各地の実態を比較検討することで、国際開発による支援を月経対処に及ぼすときに何を検討する必要があるのか、その示唆を抽出する。


D-2.紛争後の東ティモールの環境管理:平和構築・国際協力におけるコミュニティの役割

  • 2020年2月、A5版、208ページ、4,450円
  • 報告者:宮澤尚里(早稲田大学)
  • 担当編集者:大江道雅(明石書店)
  • 討論者:石塚勝美(共栄大学)

紛争直後の東ティモールにおける、3年半のフィールド調査に基づく実証的研究の成果である。紛争後の国家が紛争状態に後戻りしない「平和と安定の国造り」を目指すにあたり、紛争後の環境資源問題に取り組むことの重要性を喚起する。そして、紛争後の平和構築プロセスにおける環境管理の具体的政策の検証結果を考察した。


D-3.Millennial Generation in Bangladesh: Their Life Strategies, Movement, and Identity Politics

  • 2022年3月、A5版、222ページ、USD 21
  • 報告者:南出和余(神戸女学院大学)
  • 担当編集者:Mahrukh Mohiuddin(The University Press Limited, Dhaka, Bangladesh)
  • 討論者:村山真弓(アジア経済研究所)

1990年代生まれの現在の若者世代は、バングラデシュ人口の最多世代を占め、同国の政治経済社会の大きな変化を経験している。彼らは1971年のバングラデシュ独立から20年後に生まれ、誕生以来、絶えず開発の取り組みの対象となり、国際援助、グローバル経済、イスラーム化などの直接的影響を受けながら育ってきた。さらに、グローバルな文脈では「ミレニアルズ」と呼ばれる世代である。グローバル化の傾向の中で、彼らは移住や職業の変化を通じて、社会を変革する大きな可能性を占めている。

本書は、現代バングラデシュの、特に都市部の若者の生活戦略、社会運動、アイデンティティ・ポリティクスについて論じる。グローバル化の様相は社会階層ごとにあまりにも多様であるが、どの階層もその影響を受けている。グローバル化時代における同世代の共通性と多様性こそが同世代の特徴であり、本書はそれを詳細に把握する。

1990年代生まれの若者世代に焦点を当てることは、バングラデシュ研究のみならず、グローカルな環境における「若者と社会」研究に重要な議論をもたらす。またその民族誌的記述は、バングラデシュの若者のダイナミックな実態を理解する上で読者を惹きつけるだろう。


D-4.国際協力NGOによる持続可能な開発のための教育: SDGsのための社会的実践を通じた学び

  • 2022年7月、B5判、168ページ、1,892円
  • 報告者:三宅隆史(シャンティ国際ボランティア会)
  • 担当編集者:なし(デザインエッグ社)
  • 討論者:小松太郎(上智大学)

本書は第一に、日本の国際協力NGOは、多様な 国内事業(教育、広報、情報伝達、社会的実践)を通じていかにして持続可能な開発のための教育(ESD)を推進しているのかを明らかにした。一方、NGOはESDを推進する上での人材・資金・専門性の不足といった課題を抱えている。

そこで本書は第二に、NGOによるESDの課題を克服するための方策は何かを検討した。これらの研究課題に取り組むことで、学術面においてはESD学習論に新たな知見を提供し、政策・実践面ではNGOのESD活動の質的・量的な強化に貢献することを目指した。


E. プレナリー

E-1. 「対話型」プレナリーパネル「グローバル危機にどう向き合うか – 国際開発学の役割」

  • 2022年12月4日(日曜)15:00 ー 16:30(オンライン/リバティタワー1F 1011)
  • 挨拶:源由理子(明治大学)
  • プレナリーパネル:佐藤仁(東京大学)、長畑誠(明治大学)、牛久晴香(北海学園大学)、島田剛(明治大学)

(報告:源由理子)


E-2. JASID-KAIDEC Session: Prospects for New Approaches to Promote International Development Cooperation

JASID/KAIDEC共同セッション「国際開発協力を促進する新たなアプローチの展望」

  • 2022年12月4日(日曜)15:00 ー 16:30
  • 北村友人(グローバル連携委員長)

国際開発学会(JASID)と韓国国際開発協力学会(KAIDEC)は、これまでお互いの学会年次大会において共同セッションを開催したり、毎年韓国の済州で開催される学術フォーラムに参加するなど、積極的に学術交流を深めてきた。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、オンラインでの交流は継続しつつも、過去2年間にわたり対面での交流を一時中断せざるを得なかった。それが、今年度のJASID秋季大会で、3年ぶりに対面での交流が可能になったことを関係者一同、何よりも嬉しく感じた。

今回の学会大会では、JASIDとKAIDECの共同セッション「国際開発協力を促進する新たなアプローチの展望(Prospects for New Approaches to Promote International Development Cooperation)」を開催した。なお、このセッションでは英語が使用され、対面とオンラインのハイブリッド形式で実施された。

まず、KAIDECのSung-gyu Kim会長(高麗大学)による開会の挨拶が行われ、JASIDとKAIDECの間で築き上げられてきた交流の実績を踏まえつつ、先を見通すことが難しい時代において2つの組織が協力し合いながら国際開発協力のあり方を検討していくことの重要性が強調された。

Kim会長の挨拶に続き、JASIDとKAIDECからそれぞれ新進気鋭の若手研究者たちによる講演が行われた。まず、KAIDECの国際委員会でChairを務めるKyung Ryul Park博士(KAIST)が登壇し、「Digital Transformation and Sustainable Development Cooperation: the Case of Artificial Intelligence」と題した講演を行った。

この報告では、これからの国際開発協力において「データ」がいままで以上に重要な役割を果たすと共に、そうした「データ」を分析し、その結果を実践に反映させるうえで、人口知能をはじめとする多様な技術の活用が不可欠であることが指摘された。とりわけ、国際機関によるデータ収集の現状や、国際開発協力の現場におけるデータ活用の具体例など、興味深い事例がいくつも紹介された。

続いて、JASIDからはグローバル連携委員の荻巣崇世会員(上智大学)が「Education and Sustainable Development Cooperation: Japanese experiences」と題した講演を行った。

まず、日本の若者たちが国際開発協力をどのように認識しているのかについての分析を踏まえたうえで、とくに教育開発分野を例として日本の国際開発協力がいかに現地との多様なアクターたちとのパートナーシップを大切にしているかが指摘された。

そのうえで、若者たちの視点を取り入れつつ、国際開発協力における「Global Knowledge Commons」を構築していくことの重要性が強調された。

これらの講演に続き、聴衆との間で活発な質疑応答のやりとりがなされた。そして、今後も、JASIDとKAIDECの間で学術交流を深めていくなかで、これからの国際開発協力のあり方についてアジアからいままで以上に積極的な発信を行っていくことが大切であることが確認された。

(報告:北村友人)


F. 第33回会員総会

  • 2022年12月4日(日曜)16:40 ー 18:10(リバティホール1F)

※会員総会のページを参照(要パスワード)


G. ポスター発表

  • 李 鋒(中央大学大学院)
    「中国における地域の教育格差:ジニ係数の分解分析」
  • 小林 匠(神戸大学)
    「ウガンダの初等教育におけるコミュニティと親の参加が教育の質に与える影響:ブシェニ県とワキソ県の事例から」
  • 宇野 耕平(神戸大学)
    「バングラデシュにおける需要側に着目した就学前教育へのアクセスの分析」
  • 石井 あゆ美(青山学院大学)
    「日本における多様な教育ニーズに即した「包摂的かつ公正で質の高い教育」の実現に向けた課題—神奈川県における外国につながる子どものノンフォーマルな学び場と学校教育との関係性の考察から—」
  • 石井 雄大(神戸大学大学院)
    「セネガル初等教育における学習達成に対する自律的学校運営の影響分析」
  • DAAS Yousuf(Kobe University)
    ”The Influence of Mothers’ Education, Childs Labour and Family Income on Expected Education Attainment in Bangladesh”
  • Danilo LEITE DALMON(Kobe University)
    “Factors Influencing the Effectiveness of Municipal Governments in Primary Education Student Achievement in Brazil”
  • 内山 かおり(神戸大学)
    「就学前教育とウガンダ初等教育における学習達成度の関係」
  • 枝元 美帆(立命館大学院)
    「自然災害に対する防災意識を維持する要因 ―滋賀県の意識調査を事例としてー」

A. 一般口頭発表

B. 企画セッション

C. ラウンドテーブル

第33回全国大会を終えて




2022年度「国際開発学会賞」選考結果と受賞のことば

牛久晴香会員、阿部和美会員および佐藤峰・佐柳信男・柳原透会員(共著)の3著書に2022年度学会賞を授与

2022年度「国際開発学会賞」選考結果

第33回全国大会(明治大学:2022年12月3・4日)において、牛久晴香会員の著書『かごバッグの村―ガーナの地場産業と世界とのつながり』(昭和堂 2020)に学会賞を、阿部和美会員の著書『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動 ―「平和の地」を求める戦いの行方』(明石書店 2022)に奨励賞を、佐藤峰・佐柳信男・柳原透会員の共著書”Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration” (Palgrave Macmillan 2022)に賞選考委員会特別賞を授与しました。

今年度も本事業にたくさんの応募がありました。その中で惜しくも受賞に至らなかったものの最終選考に残った作品としては、藍澤淑雄の著書『アフリカの零細鉱業をめぐる社会構造―貧困解消に向けたタンザニアの零細鉱業支援のあり方』(日本評論社 2021)、木山幸輔会員の著書『人権の哲学:基底的価値の探究と現代世界』(東京大学出版会 2022)の2つがありました。

応募くださった皆様、誠にありがとうございます。選考委員一同、応募作から多くのことを学ばせていただきました。学会賞の趣旨は、会員の研究を励ますことにあります。

会員の皆様には、ご自身の研究を、さらに磨き高めていくための機会として、ご活用いただけましたら幸いです。2023年度にも多くの皆様からのご応募をお待ちしております。

賞選考委員会
委員長:三重野文晴(京都大学)


選評


学会賞 牛久晴香

『かごバッグの村―ガーナの地場産業と世界とのつながり』昭和堂

本作品は、ガーナの「かごバック」=ボルガ・バスケット産業という国際開発の「成功事例」について、長期フィールドワークを通して歴史、技術、流通や文化に関する詳細なデータを入手し、グローバル化した手工芸産業の実態を丁寧に解き明かすものである。

その生産と流通の構造を、地元の経済社会と国際市場との関係で詳細に調査し、その商品としての出現過程についても可能な限りの検証と考察を行って、さらにその構造の中にミドルマンの役割の評価など多面的な要素を見いだしている。

包括的なこの研究によって導き出される発見は多岐にわたる。この国際的商品としての誕生には外部者である政府・国際機関の開発政策や企業の宣伝が関わってきたこと、原料育成地の減少と輸出の急増への対応の過程の課題が生産者側の「生活の論理」の中に読み替えられて、生産体制が維持・改善されてきたこと、つまり国際市場に取り込まれる中でも、生産者の現地社会における価値観が自律的に維持されてきたこと、そして、在村の仲買人(ミドルマン)が、本来相容れない2つの価値観の間を多様な方法で仲介していること、などである。

国際開発の潮流を強く意識した堅固な課題設定のもとで、ボルガ・バスケットの生産と流通を多角的かつ詳細に調査・分析し、その結果として、在来産業の商品が国際商品化する過程で在来社会が主体性を失う方向に変質していくというステレオタイプとは異なる実態とそのメカニズムを、独創的な手法によって見事に描き出している。

数々の発見は、国際開発研究における生業創出援助やフェア・トレード、あるいはより広く企業、流通、貿易に関わる論点に、一石を投じる内容となっている。

本作品は、地域研究分野の博士論文研究の成果出版であり、大学院における語学習得や長期にわたる参与観察の過程をふまえて結実した、実にダイナミックな研究である。

ボルガ・バスケットの材料調達や編み方の実践にまで体験的に参加するフィールドワーカーとしての姿勢と、一方でフィールド調査の事実発見のみに引きずられることなく、複数の分野の研究成果の知見を縦横に活用して普遍的な論点を展開していく力量が、巧みな文章とあいまって、完成度の高い研究書を生み出している。学会賞(本賞)に相応しい作品であると選考委員の意見が一致した。(三重野 文晴)


奨励賞 阿部和美

『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動 ―「平和の地」を求める戦いの行方』明石書店

本作品は、インドネシアのパプア社会に重点を置いて、パプア分離独立運動の考察を行ったものである。

基本的な問いを、なぜ、スハルト政権が崩壊して民主化が定着した今日においてパプア分離運動が依然として続いているのかという点におき、それをパプアの社会的・歴史的背景環境と、民主化以降の分離独立運動を牽引する主体および彼らの要求を吟味することで、考察している。

ここでは、パプア分離独立運動をインドネシア政府対パプア分離独立運動という二元的な構図のみで描くのではなく、分離独立運動や政府の開発事業がパプアの社会構造にもたらした変化を分析し、さらにそうした変化が分離独立運動にもたらしたインパクトが明らかにされる。

すなわち、特別自治法によるパプア人の政治参加が結果としてエスニック・グループ間の対立を激化させたこと、インドネシア政府による開発事業によって伝統的なアダット組織が弱体化したこと、こうした変化により分離独立運動が穏健派と急進派に分裂しインドネシア政府との交渉が停滞していることなどであり、こうした事実が丁寧なフィールド調査をもとに描かれている。

このような多角的な検討を通じて、パプア紛争の発端が国民統合過程においてパプア人の意思が反映されてこなかった民族自決の問題であり、これは例えばインドネシアへの国民統合そのものへの抵抗であったアチェ紛争と性格が異なることが指摘される。

そして民族自決とインドネシア政府の意思決定への参画を欠いていたゆえに、インドネシアに併合以降もパプアの人々の基本的ニーズが充足されてこなかったとの解釈を導いている。

民主化期に地域社会の中に蔓延する腐敗の構造についても目配せするなど、インドネシア政府対パプア分離独立運動の構図にとどまらない複雑な状況もよく考察され、問題の解決の困難さを描き出している。

本作品には、惜しいことに取り上げる情報・文献に二次資料が多く分離独立派側のものに偏りがあるという意見、またパプア人の人権尊重、国際社会の関心の喚起という結論はやや一般的にすぎるという意見もあった。

そのような課題が残るにせよ、国際開発研究として従来見逃されてきた貴重なテーマを取り上げ、学界にまとまりのよい知見を提供している点で貢献が大きいことには間違いない。若手研究者の今後の一層の活躍への期待もこめて、奨励賞に選出することとなった。(三重野 文晴)


(講評)賞選考委員会特別賞:佐藤峰、佐柳信男、柳原透

Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration, Palgrave Macmillan

本作品は、人類学、心理学、経済学の観点から、「人はどのようにイニシアティブをとるのか」という問いを掲げ、事例研究を織り交ぜながら理論的、実証的に論じるという、斬新な試みを行っている。

「エージェンシー」をキー概念として、その定義やそれが発現するメカニズム、そして実態が可視化されて人や社会のポジティブな変化につながる「エンパワーメント」の現象を、3つの学問分野からどのように説明できるかを、比較対比させながら分析している。

開発研究は学際的な学問領域であると言われながら、学際的研究において理論から実証研究まで異なる学問領域の研究者が論点を共有し、結論まで導き出すこのような試みは、その困難さから忌避されがちであるように思われる。

その意味で、開発研究の学際性に正面から挑戦し、分野間にある共通点や補完性を見出し、開発の働きかけによる人や社会の変化の可視化に挑み、開発研究の今後の視点を見出すことに一定程度成功した本作品の意義は大きい。

また、各分野に関わる取り組みに、日本の生活記録運動(Life Record Movement)、チリのSolidario Programなど開発援助の実践手法を取り上げて、それらの理論的根拠を析出することに繋がっていることも重要な貢献である。

本作品は、そのテーマの特徴から、各章はそれぞれの分野や個別の実践のレビュー論文としての性格が強いもので、特定テーマを深掘りした研究書とは構成・性格が異なる。

そして、残る課題として、それぞれの理論の改善や相互の補完性の可能性の指摘にはたどり着いたものの、分野横断的な批判的検討や理論構築には至っていないのではないか、という点も指摘された。

このようなユニークさや限界があるとはいえ、日本を含む開発過程と援助経験の含意を世界に発信しながら、学際性が求められる開発研究者の立ち位置のありかたに正面から挑戦したこの本の趣旨は、学界に大きな示唆をもつ。この点を踏まえて、本作品は賞選考委員会特別賞に相応しいものと評価された。(三重野 文晴)


受賞のことば

学会賞・牛久晴香会員

『かごバッグの村―ガーナの地場産業と世界とのつながり』
(昭和堂 2020)

このたびは国際開発学会学会賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。わたしはガーナ北部のボルガタンガ地方というところで10年強研究を続けてきました。とくにこの地域の地場産品で、今やアフリカを代表するかごバッグである「ボルガバスケット」という輸出向けの手工芸品に着目してこの本をまとめました。

この本で立てた問いはいくつかあるのですが、国際開発とも関係の深い問いとしては、「ボルガバスケットの産地で開発援助機関や外国企業の試みが『なかったこと』にされずにうまく取り込まれてきたのはどうしてか」があります。これは会員の小國和子先生がご著書『村落開発支援は誰のためか』で言及された、外部からの働きかけの「無効化」にヒントを得た問いです。

アフリカ農村では数多くの産業創出プロジェクトや一村一品運動が実施されてきましたが、その多くはプロジェクト終了とともに立ち消えてしまう、あるいは「なかったこと」にされてしまうことは、みなさまがご存じのとおりです。

それではなぜ、ボルガバスケットでは無効化されずにうまく取り込まれてきたのか。本書ではその理由を、ボルガタンガの人たちが新たに持ち込まれる技術や取引のしくみを村の生活の論理やものづくりの論理に適合的なかたちに改変してきたから、としました。この過程でとくに重要な役割を果たしてきたのは、ミドルマン(仲介者)たる在村の仲買商人なのですが、彼らの言う「僕らのやり方」がこの産業の発展に不可欠であったと結論づけました。

この本には開発実務に役立つモデルや普遍性のある理論は書かれていません。しかし、「アフリカ農村のやり方」を研究するためのいくつかのヒントを、そして「アフリカ農村のやり方にもとづく産業発展」の一例を、本書が示すことができていれば幸いです。

まだまだ未熟者ですが、さらに研究を発展させるべく、そしてこれから国際開発研究の発展にも貢献すべく精進いたしますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。このたびは誠にありがとうございます。


奨励賞・阿部和美会員

『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動 ―「平和の地」を求める戦いの行方』
(明石書店 2022)

この度は、国際開発学会奨励賞を頂戴し、大変光栄に存じます。これまでご指導・ご尽力いただきました先生方ならびに関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

パプアを初めて訪れたのは、2010年12月です。パプアのことをほとんど知らないまま訪問しましたが、特別自治法の内容が適切に履行されていない、パプア人が警察や軍に不当逮捕や殺害されているなど、深刻な問題を次々と目の当たりにして、研究対象にしようと決意しました。

『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動―「平和の地」を求める闘いの行方』では、パプア分離独立運動の背景と社会変容を考察しながら、政府との対立が解決しない要因は安全保障、開発、アイデンティティへのニーズの不充足が依然として是正されていない実態にあると特定しました。

近年、パプアでも開発が進み、利便性が大きく向上しましたが、外国人ジャーナリストの渡航が制限されるなど、パプアに関する情報は依然として厳しく規制されています。フィールド調査にも困難があり、治安上の問題から、分離独立運動が活発な内陸の山岳部ではほとんど調査ができません。入手できる資料も限られています。

パプア分離独立運動も、大きく変化しつつあります。分離独立運動を牽引してきた第一世代の多くが死去し、著名な活動家がいません。パプアでは開発が進み生活が便利になる一方で、開発を進める企業と住民の間で土地問題が発生しています。内陸部では、武装集団と国軍の戦闘が激化して国内避難民が発生しています。

研究にはまだまだ不十分な点や取り組むべき課題が多々ありますが、このようなパプアの現状を一人でも多くの読者の方々に知っていただきたいと思い、本書の出版に至りました。 今回の受賞を励みとして、パプアや類似する事例の問題解決に少しでも貢献できるよう、精進して参ります。このたびはありがとうございました。


特別賞・佐藤峰会員・佐柳信男会員・柳原透会員(共著)

”Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration”
(Palgrave Macmillan 2022)

この度は Empowerment through Agency Enhancement に対して国際開発学会特別賞をいただき感謝を申し上げます。賞状に「将来性に対して」とありましたので、まだまだ途上である学際研究のポテンシャルに対して賞を頂戴したと理解しております。

本書は、国際協力などの社会サービスにおける当事者のオーナーシップやイニシアティブがどのようにしたら発揮されるのか(どのようにエンパワメントが起こるのか)、どのように支援できるかについて、エージェンシーを鍵概念として、人類学(佐藤峰)、心理学(佐柳信男)、経済学(柳原透)、の間での学際研究を行った成果です。

三部構成になっており、エージェンシーの定義について、エージェンシーが発揮されるメカニズムについて、その可視化と測定について、それぞれの専門領域からの議論を展開しました。社会開発や社会福祉に関わる実践者の多くは、当事者が自ら意思決定し動いていけるようさまざまに努力をしてきましたが、得られた知見の多くは経験知に止まっています。それらを理論と結びつけ、実学としての開発学のひとつのかたちを示したい、という思いもありました。

構想の発端は、柳原が代表であった「生活改善」に関する研究部会に佐藤が2007年に参加し後に共同代表を務める中で、生活改善にとどまらない「主体性」に関わる研究への関心が強まったことでした。その具体化として、JICA研究所の研究プロジェクトとして「主体性醸成のプロセスと要因にかかる学際的研究:中南米事例を中心に」(2012-2015)を立ち上げました。人の心の動きを扱う研究として心理学の視点・知見の必要が認識され、佐柳会員の参画を得ることとなりました。

その後、国際開発学会やHDCA(Human Development and Capability Approach)など国内外での学会で企画セッションを持ち、反応から手応えを得て成果を書籍として世に問うことを考えました。2018年にPalgrave Macmillanの編集者にお会いする機会があり、プロポーザルをお送りしたところ採用となり、三人で研究会をしながら書き進め刊行に至りました。

学際研究は、同一分野の研究者による共同研究とは違い、各分野での発想や暗黙の前提を相互に分からなければなりません。相互理解と相互啓発の過程では、しばしば行きつ戻りつが起きます。そのこともあり、本書でも、同一のテーマや事例につき各分野からの議論を収斂させ統合するところまでは、未だ至っていません。「特別賞」を学際研究への「特別奨励賞」として受けとめ、学際研究のひとつのあり方を打ち出せるよう、今後も努める所存です。大きな励ましをいただいたことに、あらためてお礼を申し上げます。




『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会(2023年2月)

2023年度・活動計画

「アフリカ・アジアにおけるものづくり」研究部会は、初年度の2022年度は合計で3回の研究部会を開催しました。研究会では分野の異なる研究者が集い、活発な議論がなされるとともに、さらなる議論の糸口となる新しいアイデアや課題が出されました。一方で、初年度はアフリカ地域に関する研究成果が中心であったため、2年目を迎える2023年度は、アジアにおけるものづくり研究や、カイゼン研究の成果も聞いてまいりたいと思います。

開催予定

第5回研究会

開催日時

2023年3月18日(土曜)15:00~17:30 

発表者

  • 栗田匡相会員(関西学院大学経済学部教授)
  • 板久梓織(東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程)

第6回研究会

開催日時

2023年4月22日(土曜)15:00~17:30

発表者

  • 福西隆弘(アジア経済研究所主任調査研究員)

以上に加えて、9月までに2~3回の研究会の開催を予定しております。詳細については、MLでお知らせします。

『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会
副代表 井手上和代(明治学院大学)




2022年度・活動報告『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会(2022年11月)

初年度である2022年度は、「アフリカ・アジアにおけるものづくり」に関して、合計で3回(3月、5月、8月)の研究部会を開催しました。さまざまな分野の研究者によって、「ものづくり」を考察する多角的な切り口が提示され、ものづくり研究のすそ野の広がりを感じる1年となりました。

第1回研究会

第1回目の研究会では、研究部会代表者の高橋基樹会員より本研究会の目的が説明されました。その後、以下の4名に研究成果を発表していただきました。労働研究や教育研究など、多角的な視点から途上国の「ものづくり」を考察することができ、発表後の議論も大いに盛り上がりました。

  • 「南アフリカにおける『ものづくり』とカイゼンを促進する要素」(神公明会員)
  • 「東南アジア洋上の船舶労働: 言語能力・入職経路・労働環境」(町北朋洋氏)
  • 「アフリカにおける社会的遺児のキャリア形成と職業訓練」(朴聖恩会員)
  • 「COVID-19がインフォーマルなものづくり事業者に与えた経済的影響-ケニアの首都ナイロビに注目して-」(松本愛果会員)
  • 「ウガンダ都市インフォーマル金属加工業における知識の構成 -ものと人の関係に着目して-」(山崎裕次郎会員)

第2回研究会

第2回目の研究会では、牛久晴香さんより、ガーナのボルガバスケット産業の概要およびデザインや技術の考案に関わる主体、技術の地域分化の要因について発表をいただきました。また、黒川基裕会員より、ミャンマーで現在進行中のBOPビジネスのものづくりプロジェクトについて、Field-based Approachの採用とその効果、開発経済学の視点からのものづくり研究の考察、BOPビジネスのモデリングなど幅広い見地から報告がありました。

  • 「ガーナのボルガバスケット産業におけるかご編み技術の共有とその広がり―産地内の地域分化に着目して」(牛久晴香会員)
  • 「BOPビジネスの実現に向けたField-based approachの実践」 (黒川基裕会員)

第3回研究会

第3回目の研究会では、前田夢子さんより徒弟制の変容が生じている現在の沖縄県窯業界およびセネガルのグラフィティ制作に携わる若者の日常と実践について報告いただきました。また、JICAの専門員として途上国の民間セクター開発支援に携わっておられる本間徹さんより、現在の4つの潮流(GVC、I4.0、コロナ、環境社会)時代における産業開発支援とものづくりの今後の示唆について報告がありました。

  • 「沖縄県の焼物業界における職人・見習いの日常と実践: セネガルのグラフィティ集団を射程に入れて」(前田夢子氏)
  • 「激動する4つの潮流:ポストコロナ時代の産業開発支援とものづくり」(本間徹会員)

『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会
副代表 井手上和代(明治学院大学)




第4回「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」10月22日開催(会員・一般)

開催概要

  • 日時:2022年10月22日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド
    オンサイトの会場は京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室を予定
    (アクセス )

プログラム

15:00-15:05
開会(高橋基樹、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10
自己紹介

15:10-16:10
「モザンビーク都市部における小規模金属加工業の動態:南部マトラ市の金属建具製造に着目して」(仮)
畔柳理(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 博士課程)*オンライン参加

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「鉄鋼産業の技術移転研究:韓国ポスコの技術導入からインドネシア移転まで」
辺成祐(近畿大学経営学部 准教授)

17:20-17:30
閉会、次回の予定


本件にかんするお問い合わせ先

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会 事務局

研究会への参加申し込みやお問い合わせは、下記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。皆様のご参加をお待ちしております。

  • africaasiamonozukuri [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会(2022年8月)

活動報告

「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」では、2022年5月28日(土曜)に第2回研究部会を開催いたしました。前回に引き続き、Zoomとオンサイトのハイブリッド形式で開催し、当日は国内外から20名を超える参加者がありました。

第2回目は、ガーナのボルガタンガ地方で生産される手編みのかごバッグ(ボルガ・バスケット)産業について研究を行っている牛久晴香会員、BOPビジネスとものづくりについての研究をされている黒川基裕会員に報告をいただきました。

牛久会員からはボルガ・バスケット産業の概要およびデザインや技術の考案に関わる主体やキーパーソン、さらに、かご編み技術の地域分化の要因について、これまでの長期にわたる詳細な現地調査を通じた考察が示されました。

参加者からは、かごバッグのマーケット側についてのニーズ、開発援助機関の役割についてなどの質問がありました。

黒川会員からは、ミャンマーで現在進行中のBOPビジネスのものづくりプロジェクトについて、Field-based Approachの採用とその効果、開発経済学の視点からのものづくり研究の考察、BOPビジネスのモデリングなど幅広い見地から報告がありました。

とくに、質疑応答を通じて、消費者の開発課題を解決することを前提としてBOPを見ていくことの重要性や、BOPビジネスの難しさと可能性について意見が表明されるとともに、黒川会員が研究と教育を兼ねてプロジェクトを進めていることについて高い評価の声が上がりました。

二つの報告ともに質疑応答での議論が絶えず、参加者も勉強になると同時に、大変刺激を受けた研究会となりました。
 
本研究部会の概要は以下の通りです。

  • 開催日時:2022年5月28日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(京都大学 稲盛財団記念館3階 中会議室)のハイブリッド。

プログラム

  • 15:00-15:05 開会
    高橋基樹(京都大学 アジア・アフリカ地域研究研究科 教授)
  • 15:05-15:10 自己紹介
  • 15:10-16:10 「ガーナのボルガバスケット産業におけるかご編み技術の共有とその広がり―産地内の地域分化に着目して」
    牛久晴香(北海学園大学 経済学部地域経済学科 准教授)
  • 16:10-16:20 休憩
  • 16:20-17:20 「BOPビジネスの実現に向けたField-based approachの実践」
    黒川基裕(高崎経済大学 地域政策学部地域政策学科 教授)
  • 17:20-17:30 閉会、次回の予定

『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会
副代表 井手上和代(明治学院大学)




第3回「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」8月6日開催(会員・一般)

2022年8月6日(土曜)に「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」の第3回研究部会を開催いたします。プログラム等の詳細は以下の通りです。皆様のご参加をお待ちしております。

開催概要

  • 日時:2022年8月6日(土曜)15:00~17:30
  • 方法:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド(COVID-19の感染状況によって変更あり)
    オンサイトの会場は、京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室(予定)
    なお、今回の発表者のお二人はオンラインで参加されます。

プログラム

15:00-15:05  
開会(高橋基樹、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

15:05-15:10
自己紹介

15:10-16:10
「沖縄県の焼物業界における職人・見習いの日常と実践: セネガルのグラフィティ集団を射程に入れて(仮)」
前田夢子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程、オンライン参加)

16:10-16:20
休憩

16:20-17:20
「激動する4つの潮流:ポストコロナ時代の産業開発支援とものづくり(仮)」
本間 徹(国際協力機構国際協力専門員、オンライン参加)

17:20-17:30
閉会、次回の予定

申し込み

以下のGoogle formよりお申込みください。後日、Zoomの招待URLをお送りします。


本件にかんするお問い合わせ先

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会・事務局
松井梓(京都大学アフリカ地域研究資料センター研究員)

  •  (ご質問はフォームよりお送りください。)
  • africaasiamonozukuri [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



第2回「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」(会員・一般)

5月28日(土曜)に「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」の第2回研究部会を開催いたします。
プログラム等の詳細は以下の通りです。皆様のご参加をお待ちしております。

開催要領

  • 開催日時:2022年5月28日(土曜)15:00~17:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド(COVID-19の感染状況によって変更あり)
    オンサイトの会場は、京都大学稲盛財団記念館3階 中会議室を予定(アクセス:)※当日入口は施錠されています。14:30~15:00まではドアを開閉するスタッフがいますが、その前後に来られた方は、入口に掲示されている電話番号にご連絡ください。

プログラム

  • 15:00-15:05   開会(高橋基樹、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)
  • 15:05-15:10   自己紹介
  • 15:10-16:10  「ガーナのボルガバスケット産業におけるかご編み技術の共有とその広がり―産地内の地域分化に着目して」牛久晴香(北海学園大学経済学部地域経済学科准教授)
  • 16:10-16:20   休憩
  • 16:20-17:20  「BOPビジネスの実現に向けたField-based approachの実践」黒川基裕(高崎経済大学地域政策学部地域政策学科教授)
  • 17:20-17:30   閉会、次回の予定

お申込み

研究会に関する問い合わせ・申し込みは下記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。
後日、Zoomの招待URLをお送りします。


本件にかんするお問い合わせ先

アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会

幹事・松井 梓(京都大学アフリカ地域研究資料センター研究員)

  • africaasiamonozukuri [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会(2022年5月)

活動報告

「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」では、2022年3月11日(金曜)に第1回研究部会を開催いたしました。本研究会は始まったばかりということもあり、成熟した研究・分析の結果のみならず、今後さらに発展させようとする計画段階の研究の発表も呼びかけ、多岐にわたる報告が行われました。

当日は30名が参加し、活発な議論がなされました。「ものづくり」をテーマに質疑を通じて多角的な視点が提示され、大学院生や若手研究者を含めた研究者間の交流にも繋がりました。研究部会はできる限り頻繁に開催し、学会の内外で、ものづくり研究のすそ野の広がりに繋げていければと願っています。

本研究部会の概要は以下の通りです。

  • 開催日時:2022年3月11日(金曜)9:30~15:30
  • 実施方法・場所:Zoomとオンサイト(京都大学稲盛財団記念館3階中会議室)のハイブリッド。

発表内容

  • 「南アフリカにおける『ものづくり』とカイゼンを促進する要素」
    神公明(JICA緒方貞子平和開発研究所 専任参事)
  • 「東南アジア洋上の船舶労働: 言語能力・入職経路・労働環境」
    町北朋洋(京都大学東南アジア地域研究研究所 准教授)(有本寛、坪田建明との共同研究)
  • 「アフリカにおける社会的遺児のキャリア形成と職業訓練」
    朴聖恩(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 博士課程)
  • 「COVID-19がインフォーマルなものづくり事業者に与えた経済的影響-ケニアの首都ナイロビに注目して-」
    松本愛果(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 博士課程)
  • 「ウガンダ都市インフォーマル金属加工業における知識の構成-ものと人の関係に着目して-」
    山崎裕次郎(名古屋大学大学院国際開発研究科 博士後期課程)

活動予定

※第2回の研究会は、5月28日(土曜)を予定しています。

『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会
副代表 井手上和代(明治学院大学)




第1回「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」3月11日(会員・一般)

3月11日(金曜)に「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」の第1回研究部会を開催いたします。
プログラム等の詳細は以下のとおりです。皆様のご参加をお待ちしております。

開催概要

  • 日時:2022年3月11日(金曜)9:30~15:30
  • 方法・場所:Zoomとオンサイト(対面)のハイブリッド。
    オンサイトの会場は京都大学稲盛財団記念館を予定(COVID-19の感染状況によって変更あり)

プログラム

9:30-9:45
開会の挨拶、趣旨説明
(高橋基樹、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科教授)

9:45-10:00
自己紹介

10:00-10:55
「南アフリカにおける『ものづくり』とカイゼンを促進する要素」
神公明(JICA緒方貞子平和開発研究所専任参事)

<休憩>

11:05-12:00
「東南アジア洋上の船舶労働: 言語能力・入職経路・労働環境」(※有本寛、坪田建明との共同研究)
町北朋洋(京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)

12:00-12:55
「アフリカにおける社会的遺児のキャリア形成と職業訓練」
朴聖恩(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)

<昼食>

13:35-14:30
「COVID-19がインフォーマルなものづくり事業者に与えた経済的影響-ケニアの首都ナイロビに注目して-」
松本愛果(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)

14:30-15:25  
「ウガンダ都市インフォーマル金属加工業における知識の構成 -ものと人の関係に着目して-」
山崎裕次郎(名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程)

15:25-15:30
閉会の挨拶、次回の予定


本件にかんするお問い合わせ・お申込み先

『アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会』
幹事・井手上和代(明治学院大学国際学部)

研究会に関する問い合わせ・申し込みは、下記メールアドレスにご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。後日、Zoomの招待URLをお送りします。

  • ideue [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



活動報告『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会(2022年2月)

「アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会」は、2022年度より設置を認められた。

経済開発にとってばかりでなく、社会開発、人間開発、そして伝統の再創造にも大きな意味を持つアフリカ・アジアにおけるものづくりについて、今後、大いに論じていきたい。

同研究部会の第1回の研究会を、2022年3月11日(金曜)に開催する予定としている。研究会の詳細については、決まり次第、国際開発学会MLにて皆さんにご連絡申し上げる。

『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会
代表:高橋基樹(京都大学)




[RG22-1] アフリカ・アジアにおけるものづくり

Study Group on Manufacturing in Africa and Asia

代表:高橋基樹(京都大学)

この研究では、アフリカ・アジアなど所得の低い開発途上国において、人びとがどのように広義のものづくりに関わり、技能を身につけ、それを活かし、さらに暮らしを織りなしているかに注目し、労働研究・教育研究などの理論的な背景を踏まえつつ、できる限り現実の事例に即して考えていくことを目的とする。

従来、特に日本の学術研究においては、アフリカをはじめとする開発途上国の製造業などにおける、人びとの働き(労働)、彼ら・彼女らの暮らし、彼らを取り巻く環境には十分な関心が払われてこなかった。

しかし、アジアばかりでなくアフリカにおいても製造業部門は、小規模なものを含めれば、しっかりと社会に根付いており、むしろアフリカの都市ではインフォーマル・零細なものづくりが製品供給・雇用・技能の開発と普及/継承に欠かせない役割を果たしている。

そして、アグロインダストリーなどを含む広義の製造業部門の発展は、一次産品依存を脱却し、より持続的で広汎な雇用を創出し、技術・知識や経済機会を進展させるために不可欠であり、アフリカでもほのかな工業化の兆しが見えている。

他方でワークライフバランスが広く社会的な問題となっている今日、改めて人びとのものづくりや労働の現状に目を向けることは重要である。

本研究部会は、こうした問題意識にたって、会員が集い、熱心に論ずる場としたい。

成果は、新たに構築するHPを通じて、その都度公開するとともに、学会大会のセッションを開き、また書籍・論文などの刊行を目指す。

それを通じて国際開発研究の視野を大きく広げることに貢献したい。

本研究部会へのお問い合わせ窓口

関連情報



【会員限定】理事会議事録(第108回)

  • 日時:2021年6月12日11時45分~14時
  • 方法:オンライン開催
  • 出席者:佐藤(会長)、高田、山田(以上、副会長)、池上、川口、北村、小林、佐野、島田、杉田、松本、三重野(以上、常任理事)、伊東、藤掛、小國、萱島、鍋島、佐藤(寛)、岡島、大橋、道中、勝間、澤村、池見、小川、黒田、高橋、山形、(以上、理事)、梅村(以上、支部長)、宮川(学生会員代表)、志賀(事務局長)、秋保(事務局次長)
  • 欠席:岡部、市橋、仲佐、藤山、藤倉、西川(以上、理事)、小池、黒川(以上、支部長)

議題

1)佐藤会長冒頭挨拶

佐藤会長より、林・第22回春季大会実行委員長への大会開催に向けた尽力への御礼が述べられた。また、学会新体制の取り組みについて会長から学会員に対する手紙を発送して説明することを検討しているとの報告があった。

2)第22回春季大会実行委員長からの挨拶

林大会実行委員長から、第22回春季大会はハイブリッド型から全面オンライン型へと開催型式を変更するなどの曲折があったが、無事に253名の登録者を得て無事開催の運びとなったことが報告された。

3)第32回全国大会実行委員長からの挨拶

和田第32回全国大会実行委員長から、金沢大学における第32回全国大会の開催について協力の依頼がなされた。

4)審議事項

(1)幹事の追加について

小林・研究×実践委員長より2名の会員を、杉田選挙管理委員長より4名の学生会員をそれぞれ幹事として、追加したい旨が説明され、承認された。承認された幹事は以下の通り(敬称略)。

研究×実践委員会

  • 狩野剛(ミシガン大学)
  • 功能聡子(ARUN)
選挙管理委員会

  • Fanantenana Rianasoa Andriariniaina(大阪大学大学院人間科学研究科)
  • 松田華織(神戸大学大学院国際協力研究科)
  • 藤山美律(University of Sussex)
  • 神正光(名古屋大学大学院国際開発研究科)

(2)2022年度支部・研究部会について

池上総務委員長より、5月31日が提出〆切であった支部・研究部会の申請について、全ての支部が未提出であること、研究部会については継続4つ、新規1つの申請があったことが報告された。期限内に申請があった5つの研究部会についてはいずれも承認された。ただし、助成額については、来年度の全体予算を検討する際に決定することとした。また、追加申請を実施する旨、報告があった。承認された研究部会は以下の通り(敬称略)。

研究部会名

  • 市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発(継続・ 3 年目)
  • 代表者:真崎克彦(甲南大学) 副代表者:藍澤淑雄(拓殖大学)
  • アフリカ・アジアにおけるものづくり研究部会 (新規)
  • 代表者:高橋基樹(京都大学) 副代表者:井手上和代(明治学院大学)
  • ODAの歴史と未来 (継続・ 2 年目)
  • 代表者:佐藤仁(東京大学) 副代表者:峯陽一(同志社大学)
  • 開発のレジリエンスとSDGs (継続・2 年目)
  • 代表者:関谷雄一(東京大学) 副代表者:野田真里(茨城大学)
  • 子どもの安全保障への開発アプローチ(継続・ 2 年目)
  • 代表者:勝間靖(早稲田大学) 副代表者:小野道子(東京大学)

(3)2022年度学会費の減免について

池上総務委員長より、2021年度は新型コロナ感染症の影響による状況を鑑み、常勤職についておらず会費滞納をしていない正会員については会費を半額にする減免措置、学生会員については全額免除の措置をとってきた。来年度については正会員、学生会員とも本人から申請があった場合は継続して本措置の対象とする方針であり、定款細則の変更も検討していくとの報告がなされた。

また、正会員(途上国会員)区分(対象者5名)の廃止が提案された。高橋理事から、学生会員の会費減免措置については事務の手間を考慮しつつ対応すべきこと、正会員の減額措置での高齢会員については過去に希望者が少なかったことも勘案し、申請ベースで対応してはどうかとの提案がなされた。

それに対し、池上総務委員長からは、現在70歳以上の会員が約60名おり、一律に30%減免することも検討している旨回答があり、今後総務委員会にて検討していくこととなった。

(4)第23回春季大会について

山田大会組織委員長より、次回春季大会は福岡県立大学に内諾いただいており、6月18日開催を予定しているとの報告がなされ、理事会ではそれを承認した。

(5)優秀ポスター発表賞受賞者について

優秀ポスター発表賞受賞者について:三重野賞選考委員長より、本賞1名・奨励賞2名の合計3名を受賞者として選定する旨の報告がなされた。理事から奨励賞の受賞対象者の1人について、若手奨励を想起させる賞には相応しくないので、別の名称にすべきではないかとの提案がなされた。これに対し三重野委員長からは、内規との関係からすぐに新たな名称の賞を設定することが困難であることと、ポスターセッションの位置づけに関わることなので、今回は、授賞式で奨励賞の趣旨を丁寧に説明することで対応し、別の賞を設けるかどうかについては今後の検討課題としたいとの説明があり、了承された。

5)報告事項

(1)学会誌『国際開発研究』英文特集号の刊行について

北村グローバル連携委員長より理事に対し、編集委員会と国際諮問委員会の委員候補者の推薦の依頼がなされた。

(2)出前講座設置について:

佐野地方展開委員長より、出前講座設置について報告がなされた。

(3)学会HPリニューアルについて

高田広報委員長より、5月に行われたHPのリニューアルについて報告があった。また、4月に実施したアンケ―トの結果、メールでの配信の継続を希望する声が多かったため、今後も現状のまま配信することとなった旨が報告された。

(4)入退会報告

志賀本部事務局長より、34名の入会希望者、26名の退会者について報告があった。また、入会時に2名の推薦者を必須としていることについて、今後もこれを継続していくかどうかを今後議論したい旨が述べられた。これに対して、推薦人制度の廃止については合意するが、何らかの入会審査は行うべきであるとの意見や、会員として守るべき最低限のルール(会費納入等)の遵守を誓約させるべきとの意見が出たため、総務委員会と事務局で検討することとなった。

(5)2021年9月末で3年未納退会になる会員について

池上総務委員長より、3年間会費未納者が56名おり、9月末で退会扱いになることが報告された。また、メールアドレス不明者47名について報告があった。

第11期本部事務局長・志賀裕朗(JICA研究所)




活動を終了した研究部会

過去の研究部会

第11期(2020年12月~)

2023年度(~)

  1. 「ジェンダーと開発」研究部会 主査:田中由美子(城西国際大学客員教授・JICA)
  2. 「アフリカ・アジアにおけるものづくり」研究部会 主査:高橋基樹(京都大学)
  3. 「社会的連帯経済」研究部会 主査:古沢広佑(JACSES代表理事、國學院大學客員教授)
  4. 「社会課題解決のための開発とイノベーション」研究部会 主査:新海尚子(津田塾大学)
  5. 「子どもの安全保障への開発アプローチ」研究部会 主査:勝間 靖(早稲田大学)
  6. 「倫理的食農システムと農村発展」研究部会 主査:池上甲一(近畿大学名誉教授)
  7. 「若手による開発研究」研究部会 主査:宮川慎司(東京大学)
  8. 「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会 主査:関谷雄一(東京大学)

2022年度(~)

  1. 「アフリカ・アジアにおけるものづくり」研究部会 主査:高橋基樹(京都大学)
  2. 「社会的連帯経済」研究部会 主査:古沢広佑(JACSES代表理事、國學院大學客員教授)
  3. 「社会課題解決のための開発とイノベーション」研究部会 主査:新海尚子(津田塾大学)
  4. 「人の移動と開発」研究部会 主査:田中雅子(上智大学)
  5. 「開発と栄養改善」研究部会 主査:樽本(服部)朋子(NTCインターナショナル株式会社)
  6. 「市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発」研究部会 主査:真崎克彦(甲南大学)
  7. 「子どもの安全保障への開発アプローチ」研究部会 主査:勝間 靖(早稲田大学)
  8. 「倫理的食農システムと農村発展」研究部会 主査:池上甲一(近畿大学名誉教授)
  9. 「ODAの歴史と未来」研究部会 主査:佐藤 仁(東京大学)
  10. 「若手による開発研究」研究部会 主査:宮川慎司(東京大学)
  11. 「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会 主査:関谷雄一(東京大学)

2021年度(~)

  1. 「人の移動と開発」研究部会 主査:田中雅子(上智大学)
  2. 「開発と栄養改善」研究部会 主査:樽本(服部)朋子(NTCインターナショナル株式会社)
  3. 「開発とビジネス」研究部会 主査:佐藤 寛(ジェトロ・アジア経済研究所)
  4. 「市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発」研究部会 主査:真崎克彦(甲南大学)
  5. 「子どもの安全保障への開発アプローチ」研究部会 主査:勝間 靖(早稲田大学)
  6. 「倫理的食農システムと農村発展」研究部会 主査:池上甲一(近畿大学名誉教授)
  7. 「ODAの歴史と未来」研究部会 主査:佐藤 仁(東京大学)
  8. 「若手による開発研究」研究部会 主査:宮川慎司(東京大学)
  9. 「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会 主査:関谷雄一(東京大学)
  10. 「内なる国際化」研究部会 主査:小林かおり(椙山女学園大学)

第10期(2017年11月~2020年12月)

2020年度()

  1. 「持続可能な開発とSDGs」研究部会 主査:野田真里(茨城大学)
  2. 「開発福祉の理論と方法」研究部会 主査:穂坂光彦(日本福祉大学)
  3. 「人の移動と開発」研究部会 主査:田中雅子(上智大学)
  4. 「内なる国際化」研究部会 主査:小林かおり(椙山女学園大学)
  5. 「開発と栄養改善」研究部会 主査:樽本(服部)朋子(NTCインターナショナル株式会社)
  6. 「開発とビジネス」研究部会 主査:佐藤 寛(ジェトロ・アジア経済研究所)
  7. 「市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発」研究部会 主査:真崎克彦(甲南大学)

2019年度()

  1. 「開発経験の実証的考察を通じた発展・開発のあり方の再考」研究部会 主査:重田康博(宇都宮大学)
  2. 「持続可能な開発とSDGs」研究部会 主査:野田真里(茨城大学)
  3. 「都市計画の国際協力」研究部会 主査:志摩憲寿(東洋大学)
  4. 「開発福祉の理論と方法」研究部会 主査:穂坂光彦(日本福祉大学)
  5. 「人の移動と開発」研究部会 主査:田中雅子(上智大学)
  6. 「内なる国際化」研究部会 主査:小林かおり(椙山女学院大学)
  7. 「開発と栄養改善」研究部会 主査:楢本(服部)朋子(NTCインターナショナル株式会社)
  8. 「開発とビジネス」研究部会 主査:佐藤 寛(アジア経済研究所)

2018年度()

  1. 「開発経験の実証的考察を通じた発展・開発のあり方の再考」研究部会 主査:重田康博(宇都宮大学)
  2. 「開発過程の基本研究と実務への指針:石川滋先生の開発研究の継承・発展」研究部会 主査:柳原透(拓殖大学)
  3. 「開発と農業」研究部会 主査:水野正己(日本大学)
  4. 「教育と開発」研究部会 主査:北村友人(東京大学)
  5. 「持続可能な開発とSDGs」研究部会 主査:野田真里(茨城大学)
  6. 「都市計画の国際協力」研究部会 主査:志摩憲寿(東洋大学)
  7. 「開発福祉の理論と方法」研究部会 主査:穂坂光彦(日本福祉大学)

第9期(2014年11月~2017年11月)

2017年度()

  1. 「開発経験の実証的考察を通じた発展・開発のあり方の再考」研究部会 主査:重田康博(宇都宮大学)
  2. 「開発協力・研究に資する、日本の生活改善経験に関する資料、応用事例の収集と体系化」研究部会 主査:太田美帆(玉川大学)
  3. 「開発過程の基本研究と実務への指針:石川滋先生の開発研究の継承・発展」研究部会 主査:柳原透(拓殖大学)
  4. 「開発と農業」研究部会 主査:水野正己(日本大学)
  5. 「教育と開発」研究部会 主査:北村友人(東京大学)
  6. 「持続可能な開発とSDGs」研究部会 主査:野田真里(茨城大学)
  7. 「都市計画の国際協力」研究部会 主査:志摩憲寿(東洋大学)

2016年度()

  1. 「開発経験の実証的考察を通じた発展・開発のあり方の再考」研究部会 主査:重田康博(宇都宮大学)
  2. 「開発協力・研究に資する、日本の生活改善経験に関する資料、応用事例の収集と体系化」研究部会 主査:太田美帆(玉川大学)
  3. 「開発過程の基本研究と実務への指針:石川滋先生の開発研究の継承・発展」研究部会 主査:柳原透(拓殖大学)
  4. 「開発と農業」研究部会 主査:水野正己(日本大学)
  5. 「教育と開発」研究部会 主査:北村友人(東京大学)
  6. 「持続可能な開発とSDGs」研究部会 主査:野田真里(茨城大学)

2015年度()

  1. 「工学と国際開発」研究部会 主査:高田潤一(東京工業大学)
  2. 「開発経験の実証的考察を通じた発展・開発のあり方の再考」研究部会 主査:重田康博(宇都宮大学)
  3. 「開発協力・研究に資する、日本の生活改善に関する資料、応用事例の収集と体系化」研究部会 主査:太田美帆(玉川大学)
  4. 「研究成果の効率的な対外発信方法を検討するための」研究部会 主査:佐藤寛(アジア経済研究所)

第8期(2011年11月~2014年11月)

2014年度()

  1. 「開発と社会学」研究会 主査:佐藤 裕(国際教養大学)
  2. 「工学と国際開発」研究部会 主査:高田潤一(東京工業大学)
  3. 『日本の開発協力における「カイゼン思想」の在り方と今後の方向性』研究部会 主査:楢本(服部)朋子(NTCインターナショナル株式会社)
  4. 「地域社会と開発」研究部会 主査:関根久雄(筑波大学)

2013年度()

  1. 「開発と社会学」研究会 主査:辰己佳寿子(山口大学)
  2. 「原発震災から再考する開発・発展のあり方―若年世代家族の生活をとりまく構造から―」研究部会 主査:重田康博(宇都宮大学)
  3. 「障害と開発」研究部会 主査:森 壮也(ジェトロ・アジア経済研究所)
  4. 「工学と国際開発」研究部会 主査:高田潤一(東京工業大学)
  5. 「日本の開発協力における『カイゼン思想』の在り方と今後の方向性」研究部会 主査:楢本(服部)朋子(NTCインターナショナル株式会社)
  6. 「地域社会と開発」研究部会 主査:関根久雄(筑波大学)

2012年度()

  1. 「開発と社会学」研究会 主査:辰己佳寿子(山口大学)
  2. 「原発震災から再考する開発・発展のあり方―若年世代家族の生活をとりまく構造から―」研究部会 主査:田口卓臣(宇都宮大学)
  3. 「障害と開発」研究部会 主査:森 壮也(ジェトロ・アジア経済研究所)
  4. 「工学と国際開発」研究部会 主査:高田潤一(東京工業大学)
  5. 「日本の開発協力における『カイゼン思想』の在り方と今後の方向性」研究部会 主査:楢本(服部)朋子(NTCインターナショナル株式会社)
  6. 大学院生部会 主査:竹前由美子(東京大学・院)

第7期(2008年11月~2011年11月)

2011年度()

  1. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  2. 「島嶼社会の振興開発と内発的発展」研究部会 主査:松島康勝(龍谷大学)
  3. 「障害と開発」研究部会 主査:森 壮也(ジェトロ・アジア経済研究所)
  4. 大学院生部会 主査:堀佐知子(東京大学・院)

2010年度()

  1. 「日本の地域振興と国際協力」研究部会 主査:木全洋一郎(JICA)
  2. 「国際環境協力」研究部会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「生活改善アプローチの開発協力への適用」研究部会 主査:柳原 透(拓殖大学)
  4. 「島嶼社会の振興開発と内発的発展」研究部会 主査:松島康勝(龍谷大学)
  5. 「障害と開発」研究部会 主査:森 壮也(ジェトロ・アジア経済研究所)
  6. 大学院生部会 主査:堀佐知子(東京大学・院)

2009年度()

  1. 「日本の地域振興と国際協力」研究部会 主査:木全洋一郎(JICA)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「生活改善アプローチの開発協力への適用」研究部会 主査:柳原 透(拓殖大学)
  4. 大学院生部会 主査:大垣俊朗(東京大学・院)

第6期(2005年11月~2008年11月)

2008年度()

  1. 「日本の地域振興と国際協力」研究部会 主査:木全洋一郎(JICA)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「生活改善アプローチの開発協力への適用」研究部会 主査:柳原 透(拓殖大学)
  4. 大学院生部会 主査:後藤潤(東京大学・院)
  5. 「技術協力の文化人類学」研究部会 主査:鈴木紀(千葉大学)

2007年度()

  1. 「運輸交通」研究部会 主査:角川浩二(埼玉大学)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「社会開発とジェンダー」研究部会 主査:滝村卓司(JICA)
  4. 「生活改善アプローチの開発協力への適用」研究部会 主査:柳原 透(拓殖大学)
  5. 大学院生部会 主査:石曽根道子(東京大学・院)

2006年度()

  1. 「運輸交通」研究部会 主査:角川浩二(埼玉大学)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「開発と文化」研究部会 主査:成田弘成(桜花学園大学)
  4. 「社会開発とジェンダー」研究部会 主査:滝村卓司(JICA)
  5. 「社会調査の品質向上」研究部会 主査:佐藤 寛(ジェトロ・アジア経済研究所)
  6. 大学院生部会 主査:加藤靖之(東京大学・院)

第5期(2002年11月~2005年11月)

2005年度()

  1. 「運輸交通」研究部会 主査:角川浩二(埼玉大学)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「開発と文化」研究部会 主査:成田弘成(桜花学園大学)
  4. 「社会開発とジェンダー」研究部会 主査:滝村卓司(JICA)
  5. 「社会調査の品質向上」研究部会 主査:佐藤 寛(アジア経済研究所)
  6. 大学院生部会 主査:青柳恵太郎(東京大学・院)

2004年度()

  1. 「運輸交通」研究部会 主査:角川浩二(埼玉大学)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「開発と文化」研究部会 主査:成田弘成(桜花学園大学)
  4. 「社会開発とジェンダー」研究部会 主査:滝村卓司(JICA)
  5. 「社会調査の品質向上」研究部会 主査:佐藤 寛(アジア経済研究所)
  6. 大学院生部会 主査:杉村典子(東京大学・院)

2003年度()

  1. 「運輸交通」研究部会 主査:角川浩二(埼玉大学)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「開発と文化」研究部会 主査:成田弘成(桜花学園大学)
  4. 大学院生部会 主査:児玉光成(東京大学・院)

第4期:2000~2002年度(1999年11月~2002年11月)

2002年度()

  1. 「運輸交通研究部会」主査:角川浩二(埼玉大学)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「開発と文化」研究部会 主査:成田弘成(桜花学園大学)
  4. 「技術協力の文化人類学」研究部会 主査:鈴木紀(千葉大学)
  5. 大学院生部会 主査:児玉光成(東京大学・院)

2001年度()

  1. 「運輸交通」研究部会 主査:角川浩二(埼玉大学)
  2. 国際環境協力研究会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「開発と文化」研究部会 主査:成田弘成(桜花学園大学)
  4. 「技術協力の文化人類学」研究部会 主査:鈴木紀(千葉大学)
  5. 大学院生部会 主査:児玉光成(東京大学・院)

2000年度()

  1. 「運輸交通」研究部会 主査:森塚雄三(東洋大学)
  2. 「環境衛生」研究部会 主査:北脇秀敏(東洋大学)
  3. 「開発と文化」研究部会 主査:成田弘成(桜花学園大学)
  4. 「ジェンダー」研究部会 主査:山崎美恵(共栄学園短期大学)
  5. 「技術協力の人類学」研究部会 主査:鈴木紀(千葉大学)
  6. 大学院生部会 主査:小林誉明(上智大学・院)

[出典]「国際開発ニューズレター」各号および「支部・研究部会設置申請書」等より本部事務局作成 。

注)全支部・研究部会の正確な記録が残っている第4期(2000年度~)以降を掲載。