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新刊案内:汪牧耘著『中国開発学序説:非欧米社会における学知の形成と展開』(法政大学出版局)

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東京大学・東洋文化研究所の汪牧耘(おうまきうん)と申します。この度、『中国開発学序説:非欧米社会における学知の形成と展開』(法政大学出版局)を上梓致しました。

本書は、中国の「開発学」(development studies)を手がかりに、その設立経緯と言説形成の過程を約三十年間にわたって明らかにすることで、非欧米社会における国際開発の学知の特徴と可能性を考察したものです。

知識生産の「脱欧米中心」の機運が高まるなか、本書のより広範な関心は、開発経験を国家のために道具化していくような取り組みに対して、私たちはいかに「より良い生」を自由に思考する場としての開発学を築けるのか、というところにあります。

本書は、その流れに立ち向かう中国人研究者の工夫と葛藤をそのまま示すことを試みました。ここで示される中国の事例が、国際開発をめぐる知的営みに関心を持つ日本の読者にとっても一本の新しい補助線になれば幸いです。

書誌情報

  • 著者:汪牧耘
  • 出版社 ‏ : ‎法政大学出版局
  • 価格:4,950円 (消費税 450円)
  • 発売日 ‏ : ‎2024年01月 刊行
  • 版型‏ : ‎A5判
  • ページ数:316ページ
  • ISBN-13 ‏: ‎978-4-588-64549-5 C3030

もくじ

はじめに
序章 なぜ中国の開発学なのか
第1節 開発言説の新興生産者の登場
第2節 中国の開発学の生成と変遷を問う
第3節 本書の全体に関わる説明
第4節 本書の構成

【第Ⅰ部 背景・課題・方法】
第1章 開発言説の系譜と視点
第1節 開発と言説
第2節 開発言説を捉えるための4つの視点
第3節 欧米における開発学の設立と言説形成
第4節 本書の分析枠組み
第2章 中国の開発学を形づくる要素
第1節 政治:脅威論を打ち止める研究者の役割
第2節 想像:西洋への葛藤に基づく世界像
第3節 専門分野:開発研究の国内ブーム
第4節 残された課題と本書の特色
第3章 調査手法と対象
第1節 歴史研究
第2節 ドキュメント分析
第3節 現地調査・インタビュー

【第Ⅱ部 分野の形成】
第4章 「開発学」という名:学知の概念的文脈
第1節 中国の開発概念の根源を問う
第2節 日中の語彙交流史の成果
第3節 「開発(*)」の原義と「開発」の受容 (*は簡体字)
第4節 中国における開発概念の今日的特徴
第5章 中国における開発学の創設者とその開発観
第1節 開発学設立までの長い前夜
第2節 農学出身の「開発学の父」
第3節 西洋に対する抵抗と転向
第4節 「H実験」に映される開発観
第6章 開発学の教育・活動・言説
第1節 学部の教育・研究活動
第2節 研究者ネットワークの拡大
第3節 「開発研究ブーム」がもたらしたもの
第4節 「新開発学」という理論構築の試み

【第Ⅲ部 言説の形成】
第7章 言説①:中国と西洋の対立
第1節 中国と世銀の関係性の変化
第2節 賛否両論の世銀・貴州プロジェクト
第3節 「交渉」による事業の現地化
第4節 中国と西洋の対立のはざまに
第8章 言説②:「平行・対等」という中国の自画像
第1節 中国の対ラオス援助と「ラオス事業」
第2節 事業現場から見る中国経験
第3節 中国経験に基づく他者理解
第4節 経験共有の対等性の再考
第9章 言説③:中国人研究者による日本批判
第1節 中国から見る日本の国際開発
第2節 日本における開発学の生成と特徴
第3節 日本における知識生産の「経験重視」
第4節 日本へのまなざしの歪み

終章 中国の開発学の特徴と可能性
第1節 結論:開発学の形成と展開
第2節 開発学という木:地上と地下のコントラスト
第3節 本書の課題と意義

おわりに

参考文献・資料
索引


本件にかんするお問い合わせ先

詳しくは以下よりどうぞ:

法政大学出版局
https://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-64549-5.html

法政大学出版局◉別館 本書より「はじめに」:https://note.com/hup/n/n69c0de628ce8

  • 汪牧耘:oumakiunn [at] gmail.com(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

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