人材育成委員会からのお知らせ(2024年2月)

1.活動報告

(1)委員会

(定例会は2 か月に1 度、最終日曜日の20 時~22 時)

2022/11/26(日曜)

臨時会合:理事会報告。全国大会でのRT の打ち合わせ。

2023/2/26(日曜)

第1 回定例会:第3 回国際開発論文コンテストのスケジュール確定。
「(留学生は)なぜ日本で国際開発を学ぶのか」企画、春季大会で東大EAA と「開発と文学」のセッションを共催。

2023/4/23(日曜)

第2 回定例会:第2回国際開発論文コンテスト審査方法とスケジュールの審議・決定。「(留学生は)なぜ日本で国際開発を学ぶのか」で11 人のインタビュー終了。

2023/5/21(日曜)

国際開発論文コンテスト(第3 回)審査会
[2023/5/28 常任理事会で審査結果を審議承認。コメントへの対応は後日検討]
[国際開発研究2023/6 号に第2 回国際開発論文コンテストの入賞者の要旨掲載]

2023/7/1(土曜)

  • 第3 回定例会:第3 回国際開発論文コンテストの振り返り。
  • 第4 回国際開発論文コンテストの実施決定。
  • 全国大会に「(留学生は)なぜ日本で国際開発を学ぶのか」のセッション開催。
  • 1 年間の活動計画の達成状況を確認。

2023/8/27(日曜)

第4 回:今後の人材育成活動について。

2023/10/9(日曜)

第5 回:2023 年度活動報告案・決算案の審議。

(2)学部生を対象とした第3 回国際開発論文コンテスト(日本語、英語)

前年度より3 カ月早い2022 年11 月から広報開始(学会誌、ホームページ、メーリングリスト)。

  • 2023 年3 月1 日~24 日募集。
  • 5 月21 日(日曜)審査会。最優秀論文賞は該当なし。
  • 優秀論文賞は4 編。6 月春季大会(秋田)で公表。
  • 賞状、楯、学習奨励金を授与(郵送・振込)。
  • 入賞論文の要旨を学会誌掲載予定。

(3)2022 年12 月全国大会で、「授業という開発実践―わたしたちはどんな「人材」を「育成」するのか」と題したセッションを開催。

(4)留学生がなぜ日本で国際開発・国際協力を学ぶ/研究するのかについて聞き取り調査を実施。それをもとに、2023 年11 月の全国大会でRT を開催予定。

2.活動の評価

(1)目的:

以下の機会を提供することで人材の育成を目指す

  1. 学部生が参加できる機会
  2. 「国際開発の人材」とは何かを若手研究者(院生など)が考えられる機会

(2)年度当初の活動計画

  1. 学部生対象の「国際開発論文コンテスト」第2 回受賞論文の学会誌掲載、第3 回コンテストの実施。周知活動に力を入れて、応募論文の増加を図る。
  2. 留学生を対象にしたアンケートを実施し、日本で国際開発や開発協力を学び研究する意義を把握し人材育成活動に繋げる糸口を見つける。
  3. 「授業という開発実践―わたしたちはどんな「人材」を「育成」するのか」と題した学会セッションを開催し、その成果をもとに活動の継続を検討する。

(3)評価

  • 活動計画①を実施し、目的①は達成している。
  • 活動計画②と③を実施して目的②の達成に近づいてはいるが、まだ明確には打ち出せていない。次期に向けた課題としたい。

3.第11 期で俎上にあがったものの実現できなかった活動

  1. 国際開発論文コンテスト応募者との座談会:
    論文コンテスト入賞者のその後を追うことで、コンテストがどのように人材育成と繋がるかを考える。
  2. 継続検討事項=アイディアのストック:
    A. 人材育成実践としての国際開発や国際協力の授業の経験共有。
    B. 開発学会員お勧めの小説紹介。
    C. 15 分程度の「オンライン講座」(テーマごと)の発信。
    D. 国連フォーラムの「国連職員NOW」の国際開発学会版。若手学会員がインタビューすることで国際開発の多様性や変化を具体的に学び、将来目指すべき道を考えるきっかけにしてもらう。
    E. 国際機関やJICA はどのような人材を求めているのか、国際開発の教育はどのような人材を育てているのかを議論するフォーラムの開催(大会)。
    F. 開発学会員の留学生はどんな「人材」を目指しているのか、どんな学びを期待しているのか、文字や言葉にする【学会誌の特集など】。
    G. 以上の活動はホームページの活用と繋がっているので、学会のホームページをどう更新するかと合わせて考えていく。

人材育成委員会
第11期 委員長:松本悟(法政大学)


国際開発学会第12 期:委員会の構成および幹事の委嘱

委員長

小山田英治(同志社大学)

委員

志賀裕朗(横浜国立大学)

幹事

汪 牧耘(東京大学大学院)
大山貴稔(九州工業大学)
栗田匡相(関西学院大学)
森 泰紀(同志社大学大学院)

2024年度活動計画

  • 国際開発論文コンテスト企画・実施
  • 全国大会での企画・RT 開催活動計画

人材育成委員会
第12期 委員長:小山田英治(同志社大学)




第3回「国際開発論文コンテスト」受賞者のことば(2023年11月)

学部論文を対象とした第3回国際開発論文コンテストで優秀論文賞を受賞した方々の「受賞の言葉」です。

これまでは学会の大会でビデオメッセージを流していましたが、2023年春季大会は時間の関係で受賞者の紹介しかできませんでしたので、ニューズレターを通じて、皆さんの声をお伝え致します。

なお、所属は応募時(2023年3月時点)のものです。  

国際開発学会では2024年も学部生対象の国際開発論文コンテストを実施致します。詳しくは学会ホームページをご覧下さい。

意欲的な学生からの多くの応募をお待ちしております。

中西勇太(釧路公立大学)

「カンボジア農家の作物栽培と食料消費の実態―CSES2014を用いた計量経済分析―」

この度は、第3回国際開発論文コンテストにおいて優秀論文賞を頂き、大変光栄です。 研究当初はデータの整理や回帰分析に苦労し、執筆時もなかなか論理性を持った文章を書くことができませんでしたが、三輪加奈先生の丁寧で熱心なご指導のおかげで、この賞を受賞することができました。

私は、国際開発という研究分野は非常に重要であり、途上国の開発問題だけでなく、先進国においてもジェンダー問題や貧困格差など研究が必要な課題が山積みだと考えております。

一見、私たち個人が国際開発に対して貢献できることはとても少ないように思えますが、先行研究を読み、自分なりの解釈をし、論文を執筆するということは大きな一歩ではないでしょうか。

そして、学部生は他大学の方に自分の論文を読んでもらう機会があまりない中で、本コンテストに応募して、審査委員の方に読んで頂くのは非常に良い機会だと思います。

私は、受賞論文においてカンボジア農家の作物栽培と食料消費の現状について家計調査データを用いて明らかにしましたが、カンボジアの農業や栄養不足はまだまだ改善の余地があると考えます。

また、研究を進めるにつれ、カンボジアの人々の伝統的な食文化や生活習慣にも興味を持ちました。途上国の暮らしは日本で過ごす私たちからは想像し難いものではありますが、そこから学べることは多いと考えており、今後より一層理解を深めていきたいと考えております。


中本絢子、中泉澄美、棚橋愛梨咲(関西学院大学)

「マダガスカル農民のコメ生産性に男女のネットワークが与える影響~性格特性に着目した2段階推計を用いて~」

この度は、拙著『マダガスカル農民のコメ生産性に男女のネットワークが与える影響–性格特性に着目した2段階推計を用いて–』を第三回国際開発論文コンテストにて、優秀論文賞に選んでいただきまして、心より御礼申し上げます。

本論文は、2022年8月に、マダガスカルにて私達が独自に取得したデータを用い、執筆いたしました。本研究の舞台であるマダガスカルという国は、世界最貧国家のひとつであり、貧困脱却や今後の人口増加に備えるために、国の主要産業である農林水産業の早急な発展が必要だといわれています。

現在のマダガスカルにおいては、伝統的な農法が主流であり、化学肥料等も効果的に使用されていません。そこで、本研究ではマダガスカルの主食であるコメの生産性向上に着目し、ネットワークの構築と、それを促す性格特性についての研究を行いました。

国際開発論文コンテストでは、私たちのような学生が国際開発という観点から、論文執筆を行い、コンテストに出場することで自身の知見を深めるとともに、さらなる国際開発をめぐる研究の発展に貢献できるのではないかと考えます。

本論文の執筆と本コンテストで栄誉ある賞を頂けたことが、今後のマダガスカルにおいて、より良い政策の実行、また国の発展に貢献できることを心より願っております。私たちも、この度の経験を糧に国際発展という大きな目標に向かい日々精進してまいります。今後ともどうぞよろしくお願い致します。


任百香、石橋由唯、塚本真世(関西学院大学)

「子どもの認知・非認知能力を促すピア効果の影響~マダガスカル農村で行った介入実証実験をもとに~」

この度は『子どもの認知・非認知能力を促すピア効果の影響〜マダガスカル農村で行った介入実証実験をもとに〜』を2023年度国際開発学会賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。

私たちは、最貧国家マダガスカルの農村地域で現地調査を行い研究を行いました。本研究の舞台であるマダガスカルは、世界の中でも特に貧困問題が深刻な国で、経済はもちろん、生活環境や教育環境なども決して良いとは言えません。

特に農村部の教育に注目して研究しました。マダガスカル農村では、学校に通えない子どもがいることはもちろん、教育免許を持っていない村人も教えていること、教科書が教室に数冊しかなく勉強道具も十分でないこと、十分な授業が提供されていないことなどの問題があり、小学校高学年でも四則演算ができない子どもがたくさんいます。

さらにその子どもたちの親世代となると、多くの親が子どもたちより計算問題ができない、字が読めない、字が書けないという現状があり、いかに昔から教育が不十分だったかがうかがえます。

そのような農村の教育の現状の中で、教育レベルを向上させるために「ピア効果」に着目して大規模な実証実験を行いました。ピア効果とはある個人が周囲の人々から受ける影響のことを言い、意識や能力の高い集団の中に身を置くことで切磋琢磨しお互いを高め合う効果やその逆もあります。

ピア効果によって、経験の豊富な教師を頼りにせず、しっかりした教科書を用いて子どもたちがグループ学習をすることによって、短期間で大きな学習効果があることを立証することができました。

本研究が少しでも途上国開発研究の貢献材料となればと幸いに存じます。最後に研究や調査に協力してくださったマダガスカル農村の皆さまに感謝を述べるとともに、皆さまの生活に少しでも貢献できることを願って受賞の言葉と変えさせていただきます。ありがとうございます。


渡辺彩(法政大学)

「ソ連崩壊後のロシアの開発協力―英文学術誌の研究サーベイをもとに―」

この度は優秀賞をいただき、心より感謝申し上げます。本コンテストに応募するということは私にとって「挑戦」でしたので、賞をいただくことができ、大変嬉しく思っております。 本論文は、冷戦後のロシアの開発協力に着目したサーベイ論文です。

冷戦期、東側の旗頭だったソ連を引き継いだロシアは、冷戦終結後、どのような開発協力を行い、新冷戦と呼ばれる状況に至る過程で、どのように変化しているのかという問いを探究しました。

本コンテストは、賞を受賞する機会があるだけではなく、応募者全員が講評をもらうことができます。書いたものを誰かに読んでもらうということは非常に重要だと論文執筆の過程で強く感じました。

なぜなら、執筆者本人では気がつくことができない指摘を得ることができるからです。その過程を踏むことにより、論文をより洗練されたものにすることができます。

講評をもらう機会はさほど多くありません。そのため、応募者全員が講評をもらうことができるというのは、本コンテストの特徴の一つであり、意義なのではないかと思います。

本論文を執筆するにあたり、たくさんの方に支えていただきました。これまでご指導、ご尽力いただきました、先生やゼミ生、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 いただいた講評を踏まえ、賞をいただいたことを励みに、より研究に努めてまいります。この度は誠にありがとうございます。


人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




論文募集「第4回・国際開発論文コンテスト」(応募受付期間:3月1日~24日)

1.目的

国際開発及び国際協力に関心を持つ学生の人材育成という観点から、学部生の研究を奨励し、研究成果の顕彰を目的として、国際開発学会では本コンテストを実施する。

2.応募資格と対象

応募できるのは2024年3月の時点で国内外の大学(学部)に在籍していた者とする。対象となるのは、国際開発及び国際協力にかかわる諸問題に関して学部在籍期間に執筆した研究論文とし、単独研究・共同研究の別を問わない。ただし、共同研究の場合は在籍大学が異なっていても構わないが、執筆者全員が上記時点で学部生であることとする。

3.表彰

応募論文は厳正な審査を行ったうえで、国際開発学会として「最優秀論文賞」と「優秀論文賞」を選び表彰する。

4.公表

「最優秀論文賞」は全文を、「優秀論文賞」は要旨を、国際開発学会の学会誌、ニューズレター、ホームページなどを通して公表する。なお、公表にあたっては若干の修正を求めることがある。所属大学のリポジトリや紀要などですでに発表されている場合は、応募者自身が当該大学等に許諾を得ること。

5.論文

募集する論文は、明確な問題意識に基づいて開発や国際協力に関わる課題設定を行い、それをすでに行われてきた議論の中に位置づけたうえで、方法を明示した分析を行って合理的な結論を導いたもの。何らかオリジナリティがみられる、日本語または英語で書かれた研究論文とする。

6.留意点

国際開発学会には多様なディシプリンを背景とする学会員が集っており、個々のディシプリンにおける独自性や意義を示すだけにとどまらず、国際開発や国際協力に対する含意に踏み込んだ論述を意識して欲しい。

7.応募論文のフォーマット

(1)応募論文はMicrosoft WordのA4判で作成し、図表を含め1つのファイルにまとめること。この様式での応募が困難な場合は事務局に問い合わせること。

(2)日本語の論文は本文で20,000字程度(図表、注、参考文献込み)を限度とする。最優秀論文に選出された場合は全文を学会誌に掲載することになるので、論文の字数にはくれぐれも留意すること。
a)第1ページには、表題、執筆者名(和文と英文)、所属(和文と英文)、E-mail、その他の連絡先を明記すること。
b)第2ページには、英文表題、300語程度の英文要旨、英文キーワード3~5語を記すこと。
c)第3ページには、表題を明記し、1,200字程度の和文要旨を記すこと。執筆者名は書かないこと。
d)第4ページ以降が本文である。A4判の用紙に左右マージン30mmをとり、1段組み、10.5または11ポイントのフォントを使用して、1行40字、1ページ40行とする。各ページに番号をふる。
e)図表は本文とは分離し、1ページに1枚記すこと。

(3)英語の論文は本文で7,000語程度(図表、注、参考文献込み)を限度とする。
a)第1ページには、表題、執筆者名、所属、E-mail、その他の連絡先を明記すること。
b)第2ページには、表題を明記し、400語程度の要旨及びキーワードを3~5語記すこと。執筆者名は書かないこと。
c)第3ページ以降が本文である。A4判の用紙に左右マージン30mmをとり、11ポイントのフォントを使用して、1ページ40行のレイアウトとする(1ページ約600語)。各ページに番号をふる。
d)図表は本文とは分離し、1ページに1枚記すこと。

(4)執筆要綱は『国際開発研究』執筆要綱に準拠する。

8.応募用紙・推薦書

「国際開発論文コンテスト」応募用紙・推薦書の項目を確認してチェックを入れたものに、執筆者全員の署名をすること。また、応募にあたっては国際開発学会会員の推薦を受ける必要があるため、同じ様式に推薦者の署名もしくは押印を得て応募論文とともに提出する。もし、学会員の指導教員がいない場合は、人材育成委員会事務局にメールで相談すること。

9.募集期間

2024年3月1日(金曜)~3月24日(日曜)

10.応募方法

応募者は、「応募用紙・推薦書」と「応募論文」を募集期間内に以下の人材育成委員会事務局までE-mailに添付して送ること。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会・人材育成委員会
事務局

  • jasid_jinzaiikusei [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



第3回「国際開発論文コンテスト」選考結果(2023年8月)

国際開発に関心を持つ学部生の人材育成を目的とする「第3回国際開発論文コンテスト」について報告致します。

  1. 募集期間:
    2023年3月1日~24日(前年秋の学会誌及び学会メーリングリストで広報)
  2. 応募状況:
    応募論文13編(全て和文)。2023年3月時点の所属大学は、共立女子大学、関西学院大学、釧路公立大学、法政大学。
  3. 審査結果:
    それぞれの応募論文を複数の委員で審査した結果、以下の通りとなった。

【最優秀論文賞】

該当者なし

【優秀論文賞】

4編(順不同)

「カンボジア農家の作物栽培と食料消費の実態―CSES2014を用いた計量経済分析―」

中西勇太(釧路公立大学)

カンボジアの世帯調査ミクロデータを用い、カンボジア農家の生産、消費の両側面に配慮した同時方程式モデルに基づく分析を行っている。

学部学生でミクロデータを用いた分析を行っている点や消費と生産の同時性に配慮した分析手法を採用するなど、技術的な点で優れた論文といえる。全体として文章表現が的確かつ明瞭で、論理構成も一貫性がとれている点が高く評価できる。

研究の目的と意義が明確に示されており、それぞれの分析結果を受けた要因をその都度考察し、分析の内容や結果そのものにおいて不備や不十分がある点を筆者自身が理解・認識した上で、それらについても適所に言及しているところも、論述の丁寧さが伺えた。

本研究のオリジナリティである分析手法を提示する決定関数の定式化の記述のところでも、詳細に読み手に分かり易く説明されていた。

「マダガスカル農民のコメ生産性に男女のネットワークが与える影響~性格特性に着目した2段階推計を用いて~」

中本絢子、中泉澄美、棚橋愛梨咲(関西学院大学)

本論文は、マダガスカル農民を事例に、個人の男女という性格特性や認知能力・非認知能力の違いがソーシャルネットワークを介して農業生産性に与える影響を検証し、農業のソーシャルネットワークの大きさが生産性向上に影響を与えることを明らかにしている。

先行研究の指摘を踏まえて現地調査を設計し、独自の調査データを用いて2段階推計を行っており、外向性と神経性に関しては男女で正反対の作用をしているという興味深い結果も得られている。

これらの点について多角評価された一方で、章見出しなど執筆要項のルールおよび要件を満たしていない体裁であるために残念ながら減点対象となってしまった。その他、本研究の課題を最後に示すと、論文全体の流れが引き締まって説得力が増す論文になる、などのコメントが審査委員からなされた。

「ソ連崩壊後のロシアの開発協力―英文学術誌の研究サーベイをもとに―」

渡辺彩(法政大学)

ソ連邦崩壊後のロシアにおける開発協力の変遷を英文誌のサーベイ、並びにロシアの行政文書を元に読み解き、4つの時代に区分しうることを明らかにしている。ロシアの行政文書についての比較分析を行ったり、レビューから浮かび上がった今後の研究課題を示したりと、独自の議論を展開しているところも高く評価された。

ソ連崩壊後のロシアに着目する意義についても丁寧な説明を行っており、読者との共通理解を築くことにも成功している。

調査方法(レビューする文献の抽出方法)を明示することで、自身の調査の射程と限界について自覚的であろうとする姿勢も窺えた。文章表現も明確で学部生のサーベイ論文としては良い評価を得られた一方で、審査委員からは文献レビューの範囲を狭く絞りすぎているという指摘もなされた。

「子どもの認知・非認知能力を促すピア効果の影響~マダガスカル農村で行った介入実証実験をもとに~」

任百香、石橋由唯、塚本真世(関西学院大学)

マダガスカル農村の教育において、短期間の物的介入が子どもの成績にどの程度影響するのかという実験を行い、その分析・考察を通してマダガスカルの学校現場及び学習環境の改善に向けた政策提言に繋げた論文である。

本研究のオリジナリティは、10歳から12歳の子ども計296人もの対象者に3週間という期間をかけて独自の介入実験(使用する数学と読解問題の教材を自分たちで作成して実験を設計)を行ったところにある。

先行研究の体系的なレビューや独自の現地調査など、学部生としては非常に高い水準の調査が行われていることが評価された。

その一方で、介入実験の説明や実験結果の記載など、論文の根幹に係わる部分が曖昧な記載になっており、研究論文としての完成度については改善の余地が指摘された。

表彰等

春季大会での表彰は実施せず、受賞者には賞状と記念品を郵送し、規程に基づく研究奨励金を授与した。受賞者の声については、次号のニュースレターで掲載する。

また、受賞論文の要旨を今年秋に発行する学会誌で公表する予定である。なお、人材育成というコンテストの目的に鑑み、応募者全員には審査員からの講評を伝えている。

人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




人材育成委員会からのお知らせ(2023年5月)

学部生を対象とした第3回国際開発論文コンテストの応募を3月24日に締め切りました。

ご協力頂きました学会員の皆さん、ありがとうございました。

今年度の応募論文は13編で、応募時の所属は、共立女子大学、関西学院大学、釧路公立大学、法政大学でした。

審査の結果は6月に春季大会(秋田市)で発表し、表彰する予定です。

人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




論文募集「第3回・国際開発論文コンテスト」(応募受付期間:3月1日~24日)

国際開発学会では、国際開発及び国際協力に関心を持つ学生の人材育成を目的に、学部生が研究・執筆した論文を対象とした「第3回国際開発論文コンテスト」を以下の要領で実施致します。応募期間は2023年3月1日~24日です。

会員の皆様におかれましては、ご指導された学部生や専攻・研究室の後輩、応募資格を持つお知り合いなどに広くお声がけ頂けますと幸いです。ご質問がございましたら、このメールの最後に書かれています事務局までご連絡頂ければと存じます。

募集要項

1.目的

国際開発及び国際協力に関心を持つ学生の人材育成という観点から、学部生の研究を奨励し、研究成果の顕彰を目的として、国際開発学会では本コンテストを実施する。

2.応募資格と対象

応募できるのは2023年3月の時点で国内外の大学(学部)に在籍している者とする。対象となるのは、国際開発及び国際協力にかかわる諸問題に関して学部在籍期間に執筆した研究論文とし、単独研究・共同研究の別を問わない。ただし、共同研究の場合は在籍大学が異なっていても構わないが、執筆者全員が上記時点で学部生であることとする。

3.表彰

応募論文は厳正な審査を行ったうえで、国際開発学会として「最優秀論文賞」「優秀論文賞」を選び表彰する。

4.公表

「最優秀論文賞」は全文を、「優秀論文賞」は要旨を、国際開発学会の学会誌、ニューズレター、ホームページなどを通して公表する。なお、公表にあたっては若干の修正を求めることがある。所属大学のリポジトリや紀要などですでに発表されている場合は、応募者自身が当該大学等に許諾を得ること。

5.論文

募集する論文は、明確な問題意識に基づいて開発や国際協力に関わる課題設定を行い、それをすでに行われてきた議論の中に位置づけたうえで、方法を明示した分析を行って合理的な結論を導いたもの。何らかオリジナリティがみられる、日本語または英語で書かれた研究論文とする。

6.留意点

国際開発学会には多様なディシプリンを背景とする学会員が集っており、個々のディシプリンにおける独自性や意義を示すだけにとどまらず、国際開発や国際協力に対する含意に踏み込んだ論述を意識して欲しい。

7.応募論文のフォーマット

(1)応募論文はMicrosoft WordのA4判で作成し、図表を含め1つのファイルにまとめること。この様式での応募が困難な場合は事務局に問い合わせること。

(2)日本語の論文は本文で20,000字程度(図表、注、参考文献込み)を限度とする。最優秀論文に選出された場合は全文を学会誌に掲載することになるので、論文の字数にはくれぐれも留意すること。
a)第1ページには、表題、執筆者名(和文と英文)、所属(和文と英文)、E-mail、その他の連絡先を明記すること。
b)第2ページには、英文表題、300語程度の英文要旨、英文キーワード3~5語を記すこと。
c)第3ページには、表題を明記し、1,200字程度の和文要旨を記すこと。執筆者名は書かないこと。
d)第4ページ以降が本文である。A4判の用紙に左右マージン30mmをとり、1段組み、10.5または11ポイントのフォントを使用して、1行40字、1ページ40行とする。各ページに番号をふる。
e)図表は本文とは分離し、1ページに1枚記すこと。

(3)英語の論文は本文で7,000語程度(図表、注、参考文献込み)を限度とする。
a)第1ページには、表題、執筆者名、所属、E-mail、その他の連絡先を明記すること。
b)第2ページには、表題を明記し、400語程度の要旨及びキーワードを3~5語記すこと。執筆者名は書かないこと。
c)第3ページ以降が本文である。A4判の用紙に左右マージン30mmをとり、11ポイントのフォントを使用して、1ページ40行のレイアウトとする(1ページ約600語)。各ページに番号をふる。
d)図表は本文とは分離し、1ページに1枚記すこと。

(4)執筆要綱は『国際開発研究』執筆要綱に準拠する(以下の「8.」に示したリンク先を参照)。

8.応募用紙・推薦書

以下のリンクにある「国際開発論文コンテスト」応募用紙・推薦書の項目を確認してチェックを入れたものに、執筆者全員の署名をすること。また、応募にあたっては国際開発学会会員の推薦を受ける必要があるため、同じ様式に推薦者の署名もしくは押印を得て応募論文とともに提出する。もし、学会員の指導教員がいない場合は、人材育成委員会事務局にメールで相談すること。

9.応募期間

2023年3月1日(水曜)~24日(金曜)

10.応募方法

応募者は、「応募用紙・推薦書」と「応募論文」を応募期間中に以下の事務局までE-mailに添付して送ること。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会人材育成委員会事務局
法政大学国際文化学部 松本悟研究室気付

  • E-mail: smatsumoto[アットマーク]



人材育成委員会からのお知らせ(2023年2月)

協力者募集「なぜ日本で「国際開発」を学ぶか」

人材育成委員会では、「なぜ日本で国際開発を学ぶか」という企画を立てており、日本における国際開発の人材育成の現状・課題を外国人の視点から考えております。そのため、ぜひ日本で留学している、または留学生であった会員の方々、会員のお知り合いの(現・元)留学生の方々に、ご協力いただけると幸いです。本企画の詳細は以下の通りです。


1.問題意識・関心

日本の国際開発・国際協力の規模は縮小しています。そうしたなか、なぜ留学生は欧米や自国ではなく、日本で国際開発について学ぶのでしょうか。日本での勉学・生活において、この分野で学ぶ留学生はどのような悩みを抱えており、どんなことを得られているのか——

本委員会は、こうした実態を把握しながら、国際開発学会を通した人材育成の可能性を検討したいと考えています。日本における外国人を含めた知的コミュニティを築き、国際開発・国際協力分野の「人材育成の場としての日本」の価値を見出せたらと思っています。

2.ご協力者の募集

  • 国際開発学会に所属する(元)留学生の皆様
  • 国際開発・国際協力の関連分野に携わる(元)留学生の皆様
  • 国際開発・国際協力の関連分野に関心を持つ(元)留学生の皆様

3.ご協力・共有していただきたい内容

  • 日本に留学した経緯
  • 国際開発・国際協力への問題意識・関心
  • 日本で留学生活を送ることの悩みや楽しみ

4.想定している活動形態

  • オンラインおよび/もしくは対面
  • アンケート、インタビュー、懇談会、グループディスカッション、議論・研究成果の発表・共有

会員の皆様のなかには、日本以外の国出身の留学生・研究者が多数おられるかと拝察します。少しでもご興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。身の周りにご興味のあるご友人がいらっしゃいましたら、ぜひ本企画をご紹介頂ければ幸いです。


お問い合わせ・協力依頼へのご回答

ご連絡の際に、以下の情報を簡単に教えてください。なお本委員会が取得した個人情報は上記目的以外には一切使用致しません。

  • お名前:
  • ご所属:
  • 研究分野・テーマ:
  • ご連絡先:

連絡先メールアドレス

  • jasid_jinzaiikusei [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

締め切り

2023年1月31日(火曜)

なお、今回は初めての試みのため日本語のみでご案内させて頂きましたが、今後は日本の大学・大学院の英語学位コース等で国際開発・国際協力を学んでいる/学んだ留学生の方々にも対象を広げていきたいと考えています。ご協力頂ける(現・元)留学生からのご連絡を心よりお待ちしております。何卒宜しくお願い致します。

人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




協力者募集「なぜ日本で「国際開発」を学ぶか」(人材育成委員会)

国際開発学会・人材育成委員会です。本委員会では、「なぜ日本で国際開発を学ぶか」という企画を立てており、日本における国際開発の人材育成の現状・課題を外国人の視点から考えております。そのため、ぜひ日本で留学している、または留学生であった会員の方々、会員のお知り合いの(現・元)留学生の方々に、ご協力いただけると幸いです。

本企画の詳細は以下の通りです。

企画概要

1.問題意識・関心

日本の国際開発・国際協力の規模は縮小しています。そうしたなか、なぜ留学生は欧米や自国ではなく、日本で国際開発について学ぶのでしょうか。日本での勉学・生活において、この分野で学ぶ留学生はどのような悩みを抱えており、どんなことを得られているのかー本委員会は、こうした実態を把握しながら、国際開発学会を通した人材育成の可能性を検討したいと考えています。日本における外国人を含めた知的コミュニティを築き、国際開発・国際協力分野の「人材育成の場としての日本」の価値を見出せたらと思っています。

2.ご協力者の募集

  • 国際開発学会に所属する(元)留学生の皆様
  • 国際開発・国際協力の関連分野に携わる(元)留学生の皆様
  • 国際開発・国際協力の関連分野に関心を持つ(元)留学生の皆様

3.ご協力・共有していただきたい内容

  • 日本に留学した経緯
  • 国際開発・国際協力への問題意識・関心
  • 日本で留学生活を送ることの悩みや楽しみ

4.想定している活動形態(オンラインおよび/もしくは対面)

  • アンケート
  • インタビュー
  • 懇談会・グループディスカッション
  • 議論・研究成果の発表・共有

会員の皆様のなかには、日本以外の国出身の留学生・研究者が多数おられるかと拝察します。少しでもご興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。身の周りにご興味のあるご友人がいらっしゃいましたら、ぜひ本企画をご紹介頂ければ幸いです。

協力依頼へのご回答

以下のメールアドレスまで、以下の情報をお送りください。なお本委員会が取得した個人情報は上記目的以外には一切使用致しません。

**********
お名前:
ご所属:
研究分野・テーマ:
連絡先:
**********

  • jasid_jinzaiikusei [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

締め切り:2023年1月31日(火曜)

なお、今回は初めての試みのため日本語のみでご案内させて頂きましたが、今後は日本の大学・大学院の英語学位コース等で国際開発・国際協力を学んでいる/学んだ留学生の方々にも対象を広げていきたいと考えています。ご協力頂ける(現・元)留学生からのご連絡を心よりお待ちしております。何卒宜しくお願い致します。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会・人材育成委員会




人材育成委員会からのお知らせ(2022年11月)

第3回・国際開発論文コンテスト

国際開発及び国際協力に関心を持つ学生の人材育成という観点から、学部生の研究を奨励し、研究成果の顕彰を目的として、国際開発学会では本コンテストを実施する。2023年 6月開催予定の国際開発学会春季大会で公表・表彰の予定。


最優秀論文賞

  • 研究奨励金 5万円(1 名)
  • 全文を国際開発学会の媒体、学会誌などを通して公表する

優秀論文賞

  • 研究奨励金 2万円(若干名)
  • 要旨を国際開発学会の媒体、学会誌などを通して公表する

応募要項

募集対象の論文

  • 日本語または英語
  • 国際開発や国際協力に対する含意に踏み込んだ論述を意識したもの
  • 一定程度の先行研究を踏まえた課題設定を行い、明示された方法で分析を行って合理的な結論を導出することを通して、当該研究分野への何らかのオリジナルな貢献をするもの

応募資格

  • 2023年3月の時点で国内外の大学(学部)に在籍していた者
  • 応募用紙・推薦書:応募用紙・推薦書の項目を確認してチェックを入れたものに、執筆者全員の署名をすること
  • 応募にあたっては国際開発学会会員の推薦を受ける必要がある。学会員の指導教員がいない場合は、事務局(松本)にメールで相談すること

応募方法

応募者は「応募用紙・推薦書」と「応募論文」を事務局(松本)までE-mail に添付して送ること。

送り先メールアドレス

国際開発学会人材育成委員会事務局
法政大学国際文化学部 松本悟研究室気付

  • E-mail: smatsumoto [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

募集期間

2023年3月1 日~2023 年3月24日 (延長無し・締切厳守)

人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




人材育成委員会からのお知らせ(2022年8月)

学部生対象の「第2回国際開発論文コンテスト」の応募論文は6編(和文5編、英文1編、2022年3月時点の所属大学は東京大学、共立女子大学、宇都宮大学、都留文科大学、関西学院大学、東洋学園大学)で、人材育成委員会での審査の結果、入賞者は以下の通りとなりました。

なお、審査結果は常任理事会で審議・承認の後、理事会での報告し、春季大会では動画による受賞者挨拶を含む表彰式を行いました。

【最優秀論文賞】

該当者なし

【優秀論文賞】

橘知里(たちばな・ちさと)「地震がカースト制度下の人々の幸福度に与える影響〜ネパール農村の2時点パネルデータを用いて〜」(執筆時の所属は関西学院大学経済学部)。

※選出理由

本論文が「優秀論文」に入選された理由は、まず問題意識と課題設定が明確で、全体の構成に整合性、一貫性がとれていること、本論文のテーマに関連する分野の先行研究を広くレビューしていること、目的に沿った調査方法が明確に述べられていることが高評を得ました。

また2020年2、3月という時期・期間に筆者も含めた学部生がチームで現地に入り、標高の高低差が激しい地形の中を歩き回りネパールの人々に26の質問項目に基づく調査を実施したこと、そして1910人ものサンプル数を自らの足で採取してきたデータを基に分析を行っていることも高く評価されました。

さらに、住まいをコントロールすると低位カーストの人も幸福度が回復しているという分析結果は、当該研究分野における新たな知の蓄積に寄与するものであったと言えます。

一方、本論文が「最優秀論文」に至らなかった理由としては、まず関連する分野の先行研究を広くレビューしていたとはいえ、それぞれの先行研究における知見が本研究とどう繋がっているかが明示的に書かれていなかった点が挙げられます。先行研究で明らかになったこと、なっていないことを丁寧に分析して、自身の研究に繋げることが十分にできていればもっとよかったと思いました。

また災害、カースト、幸福度という3つの分析要素を結び付けたことに新規性を見出し、本研究のユニークさを主張していますが、その研究をする積極的な意義が明確ではありませんでした。そもそもこの3つを繋げた実証研究が今までなかったのは、それを明らかにする意義があまりないからかもしれません。

先行研究の不足は研究の条件になり得ますが、だからといって自動的にその研究が必要であるとはならないため、本研究の意義についてもう少し説得力ある説明が論文の中で欲しかったです。さらに結論自体も、一般的に想定されることや推察し得る分析結果で、新規性や独創性はやや弱いと言わざるを得ない印象を受けました。

例えば筆者は、高位カーストの人ほど幸福の回復が高いという仮説や、震災復興において金銭面だけでなく非金銭面での回復に着目した点を強調していました。しかしながら、カーストが高い人ほど所得や物理的・精神的満足度が高い傾向があり、逆にカーストが低い人ほどそれらが全て低い傾向にあることはある程度自明なため、幸福度や震災からの回復度を測った本研究の結論も概ね想定内であったのではと言えます。

以上より、審査員で総合的に評価・判断した結果、本論文を優秀論文とすることと致しました。

人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




人材育成委員会からのお知らせ(2022年5月)

第2回国際開発論文コンテストの応募を2022年3月24日に締め切りました。学生への周知や推薦の面でご協力頂きました会員の皆様、ありがとうございました。

第1回コンテストと比べ、締切を半年早め周知期間が短くなったことが影響したせいか、応募論文は6つの大学の6編に留まりました。今後厳正な審査を行った上で、入賞論文が選出された場合は、国際開発学会春季大会で表彰する予定です。

人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




第2回・国際開発論文コンテスト

FY2022

募集要項

1.目的

国際開発及び国際協力に関心を持つ学生の人材育成という観点から、学部生の研究を奨励し、研究成果の顕彰を目的として、国際開発学会では本コンテストを実施する。

2.応募資格と対象

応募できるのは2022年3月の時点で国内外の大学(学部)に在籍していた者とする。対象となるのは、国際開発及び国際協力にかかわる諸問題に関して学部在籍期間に執筆した研究論文とし、単独研究・共同研究の別を問わない。ただし、共同研究の場合は在籍大学が異なっていても構わないが、執筆者全員が上記時点で学部生であることとする。

3.表彰

応募論文は厳正な審査を行ったうえで、国際開発学会として「最優秀論文賞」と「優秀論文賞」を選び表彰する。

4.公表

「最優秀論文賞」は全文を、「優秀論文賞」は要旨を、国際開発学会の学会誌、ニューズレター、ホームページなどを通して公表する。なお、公表にあたっては若干の修正を求めることがある。

5.論文

募集する論文は、明確な問題意識に基づいて開発や国際協力に関わる課題設定を行い、それをすでに行われてきた議論の中に位置づけたうえで、方法を明示した分析を行って合理的な結論を導いたもの。何らかオリジナリティがみられる、日本語または英語で書かれた研究論文とする。

6.留意点

国際開発学会には多様なディシプリンを背景とする学会員が集っており、個々のディシプリンにおける独自性や意義を示すだけにとどまらず、国際開発や国際協力に対する含意に踏み込んだ論述を意識して欲しい。

7.応募論文のフォーマット

(1)応募論文はMicrosoft WordのA4判で作成し、図表を含め1つのファイルにまとめること。この様式での応募が困難な場合は事務局に問い合わせること。
(2)日本語の論文は本文で20,000字程度(図表、注、参考文献込み)を限度とする。最優秀論文に選出された場合は全文を学会誌に掲載することになるので、論文の字数にはくれぐれも留意すること。
a)第1ページには、表題、執筆者名(和文と英文)、所属(和文と英文)、E-mail、その他の連絡先を明記すること。
b)第2ページには、英文表題、300語程度の英文要旨、英文キーワード3~5語を記すこと。
c)第3ページには、表題を明記し、1,200字程度の和文要旨を記すこと。執筆者名は書かないこと。
d)第4ページ以降が本文である。A4判の用紙に左右マージン30mmをとり、1段組み、10.5または11ポイントのフォントを使用して、1行40字、1ページ40行とする。各ページに番号をふる。
e)図表は本文とは分離し、1ページに1枚記すこと。
(3)英語の論文は本文で7,000語程度(図表、注、参考文献込み)を限度とする。
a)第1ページには、表題、執筆者名、所属、E-mail、その他の連絡先を明記すること。
b)第2ページには、表題を明記し、400語程度の要旨及びキーワードを3~5語記すこと。執筆者名は書かないこと。
c)第3ページ以降が本文である。A4判の用紙に左右マージン30mmをとり、11ポイントのフォントを使用して、1ページ40行のレイアウトとする(1ページ約600語)。各ページに番号をふる。
d)図表は本文とは分離し、1ページに1枚記すこと。
(4)執筆要綱は以下の『国際開発研究』執筆要綱に準拠する。

8.応募用紙・推薦書

「国際開発論文コンテスト」応募用紙・推薦書の項目を確認してチェックを入れたものに、執筆者全員の署名をすること。また、応募にあたっては国際開発学会会員の推薦を受ける必要があるため、同じ様式に推薦者の署名もしくは押印を得て応募論文とともに提出する。

応募用紙・推薦書は以下のリンクから入手して下さい。

9.応募締切

2022年3月24日(木曜)

10.応募方法

応募者は、「応募用紙・推薦書」と「応募論文」を募集期間内に以下の事務局までE-mailに添付して送ること。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会・人材育成委員会事務局
法政大学国際文化学部 松本悟研究室気付

  • E-mail: smatsumoto [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



人材育成委員会からのお知らせ(2022年2月)

国際開発論文コンテスト2022を実施致します。対象は2022年3月時点で学部生が書かれた論文で、国際開発学会員の推薦が必要です。

応募締切は2022年3月15日、募集要項などの詳細は後日お知らせ致します。卒業論文等をもとに応募される方が多いかと思いますので、今からご準備のほど、よろしくお願い致します。

人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




人材育成委員会からのお知らせ(2021年11月)

人材育成委員会の活動報告(8月~10月)

1.委員会等

第5回委員会

2021/8/29(日):コンテスト応募状況確認。

[2021/9中旬 審査員決定、審査用紙作成、理事会で審査基準等承認]

第6回委員会

2021/10/24(日):コンテスト応募論文の審査・入賞者決定。

2.国際開発論文コンテストの審査結果

2021年3月時点の学部生を対象とした「国際開発論文コンテスト」に対して10編の応募がありました。所属大学・学部は、埼玉大学教養学部、東京大学工学部社会基盤学科、法政大学国際文化学部、中央大学経済学部・法学部・商学部・総合政策学部・理工学部(共著)、名古屋外国語大学外国語学部、関西学院大学経済学部で、和文4編、英文6編でした。審査の結果、以下の3編を入賞としました。

■最優秀論文賞(1編)奨励金・5万円

玉村優奈
「見過ごされる配慮――JICA環境社会配慮ガイドラインと異議申立案件をめぐって」

■優秀論文賞(2編)奨励金・各2万円

  • 大崎勇
    「Network Centrality, Credit Constraints and Subjective Expectation for Support from Friends: Evidence from Rural Madagascar」
  • 坂田成優
    「予備的動機の貯蓄に対する信用制約の影響―マダガスカル農村部の事例から―」

3.国際開発論文コンテスト2022の募集予定

学部生(2022年3月時点)を対象に、国際開発や国際協力に関する論文を募集します。募集締め切りは3月半ば、6月の春季大会で表彰する予定です。募集要項は、2021年末までに学会ホームページで公開します。多くの大学で対面授業中心に移行しつつありますので、学内に募集用のポスターを掲載していただける方がいらっしゃいましたら、人材育成委員会の松本(smatsumoto[アットマーク])までご連絡頂けますと幸いです。

人材育成委員会
委員長・松本悟(法政大学)




人材育成委員会からのお知らせ(2021年8月)

人材育成委員会の委員と幹事が全員出席して、2021年6月29日に、2か月に1度の定例の委員会をオンラインで開催しました。簡単に議論の内容をご報告致します。

(1)春季大会の振り返り 若手研究部会を中心に、人材育成委員会と研究×実践委員会が参加したセッションについて振り返った。「面白い人を集めれば面白くなる」、「具体的に話すことで具体的な学びに繋がる」、「若手の目には順調に映る先達がかつて抱えていた不安を共有することは意味がある」など、前向きな意見が出された。

(2)国際開発論文コンテスト 学期中は授業準備などで手が回らなかった広報を急ぎ行っていく。

(3)今後の活動に向けたブレーンストーミング

  • 春季大会を振り返り、結果だけでなく、知的生産(研究、論文や本の執筆)プロセスを共有することが「人材育成」に繋がるのではないか。
  • 人材育成の実践の場である大学の授業にもっと目を向けてはどうか。学会員が開発や国際協力をどのように14回の授業で教えているのか、学会でもあまり共有されていない。
  • 開発における感性の重要性を考えると「文学と開発」は重要なテーマ。学会員がどんな小説を読んできたのかをリスト化してみてはどうか。
  • 人材育成委員会の役割として、情報を提供することと議論の場を提供することと、どちらに重きを置くのか。
  • コロナ禍だからできる人材育成として「オンライン大学」があるのではないか。無料で15分程度で1つのテーマについて学ぶことができるようなもの。そこから学会に繋げていく。学部生向けと大学院生向けに用意するというのはどうか。

以上です。人材育成委員会の活動に関心をお持ちの会員の方は是非メール等でご連絡下さい。

人材育成委員長・松本悟(法政大学)




【締切延長】2021年国際開発論文コンテスト(8/31)

1.目的

国際開発及び国際協力に関心を持つ学生の人材育成という観点から、学部生の研究を奨励し、研究成果の顕彰を目的として、国際開発学会では本コンテストを実施する。

2.応募資格と対象

応募できるのは 2021 年 3 月の時点で国内外の大学(学部)に在籍していた者とする。対象となるのは、国際開発及び国際協力にかかわる諸問題に関して学部在籍期間に執筆した研究論文とし、単独研究・共同研究の別を問わない。ただし、共同研究の場合は在籍大学が異なっていても構わないが、執筆者全員が上記時点で学部生であることとする。

3.表彰

応募論文は人材育成委員会の責任において審査を行ったうえで、国際開発学会として「最優秀論文賞」と「優秀論文賞」を選び表彰する。

4.公表

「最優秀論文賞」は全文を、「優秀論文賞」は要旨を、国際開発学会の学会誌、ニューズレター、ホームページなどを通して公表する。

5.論文

募集する論文は、明確な問題意識に基づいて開発や国際協力に関わる課題設定を行い、それをすでに行われてきた議論の中に位置づけたうえで、方法を明示した分析を行って合理的な結論を導いたもの。何らかオリジナリティがみられる、日本語または英語で書かれた研究とする。

6.応募論文のフォーマット

(1)応募論文は Microsoft Word の A4 判で作成し、図表を含め 1 つのファイルにまとめること。この様式での応募が困難な場合は事務局に問い合わせること。

(2)日本語の論文は本文で 20,000 字程度(図表、注、参考文献込み)を限度とする。
a)第 1 ページには、表題、執筆者名(和文と英文)、所属(和文と英文)、E-mail、その他の連絡先を明記すること。
b)第 2 ページには、英文表題、300 ワード程度の英文要旨、英文キーワード 3~5 語を記すこと。
c)第 3 ページには、表題を明記し、1,200 字程度の和文要旨を記すこと。執筆者名は書かないこと。
d)第 4 ページ以降が本文である。A4 判の用紙に左右マージン 30mm をとり、1 段組み、10.5 または 11 ポイントのフォントを使用して、1 行 40 字、1 ページ 40 行とする。各ページに番号をふる。
e)図表は本文とは分離し、1 ページに 1 枚記すこと。

(3)英語の論文は本文で 7,000 字程度(図表、注、参考文献込み)を限度とする。
a)第 1 ページには、表題、執筆者名、所属、E-mail、その他の連絡先を明記すること。
b)第 2 ページには、表題を明記し、400 ワード程度の要旨及びキーワードを 3~5 語記すこと。執筆者名は書かないこと。
d)第 3 ページ以降が本文である。A4 判の用紙に左右マージン 30mm をとり、11 ポイントのフォントを使用して、1 ページ 40 行のレイアウトとする(1 ページ約 600 ワード)。各ページに番号をふる。
e)図表は本文とは分離し、1 ページに 1 枚記すこと。

(4)執筆要綱は『国際開発研究』執筆要綱に準拠する。

7.応募用紙・推薦書

「国際開発論文コンテスト」応募用紙・推薦書の項目を確認してチェックを入れたものに、執筆者全員の署名をすること。また、応募にあたっては国際開発学会会員の推薦を受ける必要があるため、同じ様式に推薦者の署名もしくは押印を得て応募論文とともに提出する。

応募用紙・推薦書は以下のリンクから入手して下さい。
d/1cqY-Xrf_8EogP6CY2QgL8-EOLtcffYn2/view?usp=sharing

8.募集期間

2021 年 4 月 1 日~2021 年 8 月 31 日

9.応募方法

応募者は、「応募用紙・推薦書」と「応募論文」を募集期間内に以下の事務局まで E-mailに添付して送ること。


本件に関する連絡先

国際開発学会人材育成委員会事務局

法政大学国際文化学部 松本悟研究室気付

E-mail: smatsumoto[アットマーク]




人材育成委員会

Human Development

国際開発分野での人材育成事業等の企画運営等

  • 委員長:松本悟(法政大学)
  • 委員:池見真由(札幌国際大学)
  • 幹事:大山貴稔(九州工業大学)、汪牧耘(東京大学大学院)、栗田匡相(関西学院大学)

関連情報

人材育成委員会からのお知らせ

開発論文コンテスト