発表者募集:日本評価学会「社会実験分科会-2024年度研究報告会」6月29日開催(会員・一般)

『エビデンスに基づく実践のグローバルトレンド』+自由論題3本

過去4年連続で実施しております社会実験分科会の研究報告会を今年度も実施致します。

昨年度は133名の参加申込があり88名が参加されました。

例年通り、「自由論題」(3枠)も設定して、定量分析・定量評価の実践報告および研究の発表の機会も設けております。

この機会に発表を希望される学会員の皆様はぜひお申込みください。

また分科会大会の参加希望者もお申込みください(Zoomでのご参加)。

開催主旨

今回の研究報告会は、エビデンスに基づく実践に関する最新のグローバルトレンドのいくつかを紹介して議論致します。

また、例年通りに自由論題セッションも開催して、幅広くエビデンスに基づく実践の研究成果をご発表いただく場と致します。

指定討論者も置き、成果は日本評価学会の本体にも提出される、正式な学会発表の場となります。

主催

日本評価学会-社会実験分科会

日時

2024年6月29日(土曜)10:00〜14:00(最大)

場所

リモート(Zoom)

研究報告者は大学会議室(早稲田大学を予定)に集合しての発表を前提としますがZoomでの発表もできます。

プログラム

10:00-10:10 
開催挨拶(田辺智子・社会実験分科会長)

10:10-12:20
『特集号に向けた概要の報告』

<このセッションの主旨>
学会誌「日本評価研究」, Vol.1の特集号の投稿予定の学術論文のアイディアを発表して議論します。

  • 田辺智子(早稲田大学)『EBPMにおける質的研究のエビデンス』
  • 正木朋也(北里大学)『変化の理論(Theory of Change)で考えるエビデンス: ミクロとマクロとその狭間』
  • 林庸平(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)『日本のEBPMはなぜ機能しないのか?日米の比較からの考察』
  • 森俊郎(名古屋大学)『教師のエビデンスリテラシーの育成に関する研究』
  • 佐々木亮(国際開発センター(IDCJ))『社会的インパクト評価とインパクト評価の関係と最近の動向」
  • さらにもう一名打診予定(仮)
    発表6本x20分(発表15分+質疑5分)

12:20-13:50
『自由論題』

<このセッションの主旨>
分科会員に限らず定量的な評価・分析に実践報告や研究報告を募集します。

分科会員が討論者としてつきます。学会本文に発表の実績を報告しますので、正式な学会報告として認められます。

最大3本x30分(発表20分+質疑10分)

  • 自由論題発表1『対人支援の評価におけるパラダイムシフトの提案』(仮)津富宏
  • 自由論題発表2『(未定)』
  • 自由論題発表3『(未定)』

13:50-14:00 
閉会挨拶(正木朋也・北里大学)

参加費用

前回に引き続き無料

参加申し込み方法

参加あるいはZoom視聴を希望される方は以下をクリックして必要事項を記載して6月24日(月曜)までにお申し込みください。

自由論題の発表申込

自由論題で発表を希望される方は以下をクリックしてMSワードフォームにご記入のうえ、ご提出ください。(期日:2024年5月末)

『自由論題の発表申し込みフォーム』


本件にかんするお問い合わせ先

日本評価学会-社会実験分科会
(事務担当:佐々木亮)

  • (a) (メールを出す場合には (a)を@に変えてください)

【日本評価学会-社会実験分科会および協力者(本大会運営チーム)】
田辺智子、森俊郎、正木朋也、津富宏、河野摂、佐々木亮

【社会実験分科会の設立主旨と活動実績】
日本評価学会の分科会のひとつである社会実験分科会(2001年設立)は、定量的な評価により政策決定のための判断材料を提供することを目的として活動しています。社会実験分科会では、日本における定量的評価の普及と発展に資するために本研究会を企画しました。また、志を同じくする研究者が集い情報交換することも目的としています。正式な設立趣旨は、このウェブサイトの一番下の脚注『社会実験分科会の設立趣旨(2001年設立趣旨設定、2021年9月改訂)』をご覧ください。

  • 2023年度の分科会大会のウェブサイト
  • 2022年度の分科会大会のウェブサイト
  • 2021年度の分科会大会のウェブサイト
  • 2020年度の分科会大会のウェブサイト



書籍プレゼント『代替社会経済に向けて―「二十世紀の意味」を出発点として』4月8日締切

この度、『代替社会経済に向けて―「二十世紀の意味」を出発点として』を、個人出版しました(DTP出版、定価1,500円+税=1,650円)。

私の、40年余りに亘る開発コンサルタント人生の集大成を意図したものです。目次を下記に示します。

書誌情報

  • 著者:橋本強司(株式会社レックス・インターナショナル・会長)
  • 出版社 ‏ : ‎個人出版
  • 価格:定価1,500円+税=1,650円

もくじ

第1部 「二十世紀の意味」再考

1 四つの落とし穴はどうなったか?

1.1戦争の落とし穴;1.2人口の落とし穴;1.3技術(エントロピー)の落とし穴;1.4人間の本性の落とし穴

2 大転換におけるイデオロギーと科学技術の役割

2.1イデオロギーの意味と役割;2.2技術の意味と役割;2.3イデオロギーと科学技術の関係

3 資本主義固有の弊害と金融資本主義

3.1金融制度と政治的権力;3.2資源管理と資本;3.3資源の所有権;3.4資本主義とグローバリゼーション

4 新しい神話の創造

4.1新しい神話の必要性;4.2自然と技術;4.3人類の目的;4.4新しい神話の可能性

第2部 代替社会経済の提案

5 代替社会経済の基本的考え

5.1イデオロギーとパラダイム転換;5.2地域開発とコミュニティ;5.3代替社会経済の考え方と基本条件

6 代替社会経済を支える技術

6.1技術と技術革新;6.2代替社会経済を支える中間技術;6.3中間技術と開発協力

7 雇用と人口

7.1雇用と労働;7.2人口と都市

8 産業クラスターと環境・社会条件

8.1代替社会経済の意味;8.2産業クラスターと地域開発;8.3途上国の産業クラスター事例

9 代替社会経済実現に向けた提案

9.1開発協力の役割;9.2企業と個人の役割;9.3代替社会経済への道筋;9.4宇宙がかなでる音楽

プレゼント応募受付

ご希望の方は、下記お問い合わせ先欄に記載されているメールアドレス宛に、送付先ご住所を明記の上お知らせください。

メール発信の日時によって、先着30名の方々に謹呈させていただきます。

お申し出が30名に満たない場合も、4月8日をもって締め切りとさせていただきます。


本件にかんするお問い合わせ先

株式会社レックス・インターナショナル
橋本強司

  • hashimoto [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



JASID合理的配慮ワーキング・グループ(企画運営委員会)

Planning and Management:
JASID Reasonable Accommodation

障害を持つ会員への合理的配慮について

国際開発学会は、多様性を重視し、様々な属性を持つ会員が自由に、そして闊達に、学会活動に参加していただきたいと考えています。

障害を持つ会員には、国連障害者の権利条約の精神に則り、合理的配慮を行います。

本学会の合理的配慮原則として、下に示した「国際開発学会における障害者の権利に関する合理的配慮について」が定められています。

この原則に基づいてこれまで、聴覚障害を持つ会員の大会や総会等参加のための手話通訳の雇用、視覚障害を持つ会員の大会参加のための移動支援(ガイド・ヘルパーの雇用)などを行ってきました。

これらに留まらず、会員の皆様のニーズに応じて、JASID合理的配慮ワーキング・グループが、皆様の自由で闊達な学会参加のため、調整にあたります。

現在、本学会の会員である皆様、そして本学会の新規会員となることを考えていらっしゃる皆様の中で、合理的配慮を求める方がいらっしゃいましたら、このワーキング・グループまでご相談ください。

また、現在「合理的配慮を求めている」ということでなくとも、障害に関するご相談、ご提案など、広くコメントやメッセージを歓迎いたします。以下のメール・アドレスにご連絡いただけましたら幸いです

reasonable_accommodation [at]
(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

メンバー

  • 山形辰史(ワーキング・グループ長:立命館アジア太平洋大学)
  • 小國和子(学会副会長:日本福祉大学)
  • 川口 純(筑波大学)
  • 土橋喜人(金沢工業大学)
  • 森 壮也(アジア経済研究所)

お問い合わせ窓口

JASID合理的配慮ワーキング・グループ

reasonable_accommodation [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

関連情報
ニューズレター:活動報告



シンポジウム「開発協力大綱改定―日本の市民社会による関与とその インパクトを検討する」2月24日開催(会員・一般)

国際開発学会と法政大学国際文化学部共催で開発協力大綱に関するシンポを開催します。ぜひご参加ください。

開催概要

  • 日時:2024年2月24日(土曜)13:00~15:30
  • 場所:法政大学 市ヶ谷キャンパス 大内山校舎Y402教室とZoomのハイブリッド
    アクセスマップ 
    キャンパスマップ 
  • 対象:国際協力系NGO職員・ボランティア,国際開発学会会員,その他関心のある学部生・院生 等
  • 主催:関西NGO協議会,名古屋NGOセンター政策提言委員会,国際協力NGOセンター(JANIC)
  • 共催:国際開発学会,法政大学国際文化学部(本セッションは、同大学同学部「FICオープンセミナー」を兼ねて開催します)
  • 参加費:無料

趣旨

2022年5月の新聞報道,9月の外務省による正式発表から,2023年6月の閣議決定まで,開発協力大綱の改定をめぐり,日本の市民社会は,数々の取組を行ってきた。

それらには,対外務省の取組としては,「開発協力大綱の改定に関する有識者懇談会」(以下,「有識者懇談会」と表記)への委員の派遣や資料の提出,NGO・外務省定期協議会での議論,声明文の発出,パブコメ,意見交換会の開催協力やそこでの意見表明が含まれる。

また,NGO間の意見共有を図る取組としては,アンケートの実施や緊急NGO・市民社会円卓会議や勉強会の開催,対国会議員の取組としては,院内集会の開催や個別国会議員へのブリーフィング,さらに対メディアへの働きかけとして記者会見の開催などが含まれる。

それでは,こうした取組はどのようなインパクトをもたらしてきたのか。また,その制約とは何であったのか。2023年10月以降,関西NGO協議会や名古屋NGOセンター,国際協力NGOセンター(JANIC)といった国際協力NGOのネットワーク団体が軸となり,NGO関係者自身による「内部総括」プロセスを開始し,11月のアンケート実施,12月のワークショップ開催を行なってきた。

今回のセッションは,その内部総括で得られた結果を広く共有するとともに,関連分野の研究者の協力も得て,開発協力大綱改定プロセスにおける市民社会の関与の成果と制約を検討し,今後の取組を企図する目的で開催する。

スケジュール

13:00
開会の挨拶・趣旨・スケジュール説明
岡島克樹(大阪大谷大学 教員/関西NGO協議会 理事/国際開発学会会員)

13:05
開発協力大綱改定プロセスにおける日本の市民社会の取組概要
佐伯奈津子(名古屋学院大学 教員/名古屋NGOセンター 政策提言委員)

13:15
開発協力大綱改定プロセスにおける日本の市民社会の取組のふりかえり
―その目的と結果

(稲場雅紀(アフリカ日本協議会 共同代表/有識者懇談会 委員(当時))

13:30
開発協力大綱改定プロセスにおける日本の市民社会の取組の評価
―アドボカシーNGOの視点から

木口由香さん(メコン・ウォッチ 事務局長)

13:45
開発協力大綱改定プロセスにおける日本の市民社会の取組の評価
―若者からの視点

鈴木千花さん(持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム前事務局長)

<休憩10分>

14:10
研究者からのコメント(1)
藤岡美恵子さん(法政大学 非常勤講師)

14:20
研究者からのコメント(2)
松本悟さん(法政大学 教授/国際開発学会 副会長)

14:30
研究者からのコメント(3)
山形辰史さん(立命館アジア太平洋大学 教授/国際開発学会 元会長)

14:40
市民社会からのレスポンス
栗田佳典さん(関西NGO協議会 理事・事務局長)

14:50
フロアとの質疑応答

15:20
閉会の挨拶
山田肖子さん(名古屋大学 教授/国際開発学会 会長)

15:30
終了

参加申込

以下のフォームよりお申し込みください。

 


本件にかんするお問い合わせ先

お問い合わせは下記までお願いします。
岡島克樹(大阪大谷大学)

  • okajimk@(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



会長挨拶(2024年2月)

2023年11月の総会で12期会長を拝命しました名古屋大学の山田肖子と申します。

2026年総会まで、約3年間、皆様に気持ちよく、やりがいを持って関わっていただける学会になるよう、努めて参りたいと思っております。前任の佐藤仁会長をはじめ、この学会をこれまで作り上げてきた常任理事、理事経験者の礎と志を継ぎつつ、国際開発や学術を取り巻く今日の状況にみあった改革も進めていきたいと思っています。

今期の方針は

  1. 国際開発学の再定義
  2. 多様性からのシナジー
  3. ワクワクの創造

です。

まず1点目の “国際開発学の再定義” は、変化の節目を、この学問分野の発展に活かす発想です。

1990年に学会が設立されて30年以上が経ち、国際開発を取り巻く環境も大きく変わっています。今年(2023年)に改定された開発協力大綱をみると、援助国-被援助国の垂直的な関係が多極化し、開発の主要アクターとしての国家の在り方が揺らぐなか、日本社会でのODAの捉え方も大きく変わっていることが分かります。

また、持続可能な開発が標ぼうされ、「国際開発」が目指す人道的で公共の利益の実現についても、誰にとって何が望ましい状態なのかが一元的に語れなくなりました。昨今の地政学的な危機やコロナ禍を経て、「国際開発」が国内や先進国と切り離された途上国の課題だという発想も陳腐化しているように思われます。

そうした変化の局面で、研究がどんな役割を果たすのか、実務者と研究者が集うこの学会がどんな場になっていくのか、皆さんと一緒に創り、考えていけたらと思っています。

2点目の “多様性からのシナジー” は、学問分野や職業、属性の違いを尊重しながら、相乗効果を生むことです。

私自身は、この学会では初めての女性の会長です。しかし、性別に限らず、世界の様々な状況での人々と関わってきたこの学会の会員の皆さんは、きっと何かしらの属性においてマイノリティになった経験や、そうなる人々に関わったことがあるでしょう。他者との違いをいかに尊重するかは、国や社会の違いを超えて国際開発学の本質を問う姿勢にもつながると思います。学問の再定義をするためには、まず我々の活動の場である大会や研究部会、学会誌などが、多様性から前向きな化学反応を生む場でありたいと思います。

12期では、障がいを持った学会員への合理的配慮を進めるべく、以前から準備を進めていた山形辰史元会長をはじめとするメンバーが、ワーキンググループを立ち上げています。

また、研究面では、学際的なこの学会にふさわしく、様々なディシプリン、研究テーマ、手法、研究対象地域、所属機関の人々が、いつも同じ顔ぶれとだけ交流するのでなく、越境し、協働してくことが重要です。

どうすればそのようなシナジーが生まれるのか。それは、まずこの学会が、会員の皆さんにとって、「あそこに行けば、いつもとは違う学問的刺激がもらえる、新しい発想が得られる、面白い人に出会える」、そういう期待感を抱き、しかもそれを裏切らない経験をできる場になることだと思います。

ですから、この3年間、私を含め、12期の役員たちは、ここをワクワクする場にするために全力を尽くしたいと思います。

学術大会が、その開催を引き受けてくれる開催校にとって、作業負担の多さに圧倒されるのでなく、自分たちならではの魅力や研究、地域社会との関わりなどを発信できる機会となるよう、サポートしていきます。

また、良い研究をしている若手や、国際開発学会では従来あまり紹介されてこなかったような分野やその研究者にも注目が当たるよう、学会賞、学生論文コンクールなどを選考に注力するとともに、広報メディアを通じた受賞者の紹介や学会内外の活動への参加奨励なども進めたいと思います。

萌芽的、実験的な研究アイディアを持った会員が本学会の研究部会を立ち上げ、学術大会での企画セッションや学会誌での論文発表につながるような道筋も積極的に示していきたいと思っています。

学会で既に活動している人だけでなく、国際開発や地域の開発課題に取り組んでいる潜在的な関心層にリーチしていくイベントや仕組みも検討しています。

こうした盛りだくさんの活動をどこまで実現できるか?それは、我々役員自身がその活動を楽しみ、それが会員の皆さんにどこまで伝播していくかに依るかもしれません。

学会の運営は大いなるボランティアである、と佐藤前会長がよく言っておられました。我々は、直接的対価のためではなく、自分たちを育ててくれたこの学会が、今後も会員にとって自らの研究を発信し、先輩や他の会員からコメントをもらったり意見を交わしたりする中で成長する場であり続けるために貢献したいという思いでやっています。

会員の皆さんにワクワクしてもらう場をつくるために、まず我々役員が、「次は何をしよう、こうなったらもっといいんじゃないか?」と提案し、アクションを取る、そんな12期でありたいと思います。そしてそんな役員に対して、会員の皆さんからもアイディアを寄せていただければ幸いです。

第12期国際開発学会
会長 山田 肖子




第34回全国大会セッション報告(プレナリー、ブックトーク、ポスター発表)


プレナリー(対面・オンライン)


日本の開発援助はどこに向かうのか―開発協力大綱の改定を受けて—

  • 2023年11月11日(土曜)13:30 〜 16:30
  • 2-1702 (2号館1702)

【司会】小松 太郎:上智大学総合人間科学部教育学科教授、国際開発学会大会実行委員長

【モデレーター】田中 雅子:上智大学総合グローバル学部教授、国際開発学会大会実行委員会事務局長

基調講演「国益、地政学、人間の安全保障―開発協力はどこへ行く?」

峯 陽一:国際協力機構(JICA)緒方貞子平和開発研究所所長、同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教授、開発協力大綱の改定に関する有識者懇談会委員、国際開発学会員

コメンテーター

  • 伊豆山 真理:防衛研究所理論研究部長、専門分野:南アジアの政治・外交・安全保障
  • 佐藤 仁:東京大学東洋文化研究所教授、国際開発学会 会長
  • 松本 悟:法政大学国際文化学部教授、外務省開発協力適正会議委員、国際協力機構(JICA)環境社会配慮助言委員、国際開発学会 常任理事

前半は、峯陽一(同志社大学、JICA緒方貞子平和開発研究所所長)による基調講演「国益、地政学、人間の安全保障―開発協力はどこへ行く?」に続いて、伊豆山真理(防衛研究所)、佐藤仁(東京大学)、松本悟(法政大学)がコメントを述べた。

また、バングラデシュとフィリピンの研究者、ならびにケニアの市民社会組織のオピニオンリーダーからのビデオレターを上映した。

後半は、会場からの質問をもとに、政府開発援助(ODA)と政府安全補償能力強化支援(OSA)の区別、それらのモニタリング過程への相手国政府や市民社会の関与、国際協力に関わる人材を増やすための大学教育のあり方、開発援助の新たな価値の創造に学会や研究者はどう関わっていくかという点などについて、コメンテーターによる討論を行った。

司会は大会実行委員長の小松太郎が、モデレーターは大会実行委員会事務局長の田中雅子(ともに上智大学)が務めた。

上智大学国連WEEKSのポスト企画として実施し、日英同時通訳と日本語字幕による情報保障を行った。上智大学国際協力人材育成センター(SHRIC)からも協力を得た。

大会参加者の他、上智大学国連WEEKSの申込者あわせて約200名が対面で、100名以上がオンラインで参加した。

第34回全国大会・実行委員会
委員長:小松太郎(上智大学)


ブックトーク

  • 日時:2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-112 (紀尾井坂ビル112)
  • 聴講人数:50名
  • 企画責任者・モデレーター:佐藤寛(開発社会学舎)、島田剛(明治大学)、道中真紀(日本評論社)芦田明美(名古屋大学)

報告書籍(1)『争わない社会――「開かれた依存関係」をつくる』

  • 発表者:佐藤 仁(東京大学東洋文化研究所)
  • 担当編集者:倉園 哲(NHK出版)
  • 討論者:志賀裕朗(横浜国立大学)

コメント・応答

国家間の戦争、社会の分断、個人同士やネット上の諍(いさか)いなど、豊かになり余裕ができた時代にも争いが絶えないのはなぜか?国からは「自助」を、市場からは「競争に勝ち残ること」を求められて、個人が孤立無援となってしまうのはなぜか?

本書は、その原因が近代人の「自立」への欲求にあったと見て、その陰で見落とされてきた「依存」の可能性を問う試みである。

誤読された進化論、支援国の利益になる対外援助、明治から100年近く闘われた入会権闘争、社会問題の発見を通じて居住地域への帰属意識を育んだ生活綴方までを分析。機能的な中間集団への依存が争いの芽を摘む可能性を示す。領域を横断する考察が切りひらく、社会科学からの挑戦の書。

報告書籍(2)『未来へ繋ぐ災害対策:科学と政治と社会の協働のために』

  • 発表者:松岡俊二(早稲田大学)
  • 担当編集者:渡部一樹(有斐閣)
  • 討論者:木全洋一郎(JICA)

コメント・応答

従来の災害対策では有効に対応できない災害が多発し、従来のやり方では「未来へ繋ぐ災害対策」にならないのではないかという深く本質的な「問い」を踏まえ、どのようにすれば「未来へ繋ぐ災害対策」を創ることができるのかという「問い」に「応えたい」と思い、本書「未来へ繋ぐ災害対策」を編集した。

しかし、本書は「未来へ繋ぐ災害対策」とは何かという「問い」に対する「答え」を提示しない。より正確に言えば、「問い」への唯一の正解や最適解はないし、正解は幾つもあるというのが本書の基本的な立場である。

幾つも存在する正解から、科学と政治と社会は協働して「対話の場」=「学びの場」を形成し、社会的に納得可能な解決策を共創することが必要であり重要だというのが、本書の一貫したメッセージである。

さらに言えば、「学びの場」とはLearning Communityであり、災害対策の新しい知識を創造するという目的をもったコミュニティである。

科学と政治と社会による「対話の場」=「学びの場」が有効に機能するには、参加者のエンパシー能力の形成や境界知作業者の役割が決定的である。

こうした点も、本書の重要なメッセージとして終章で詳しく述べている。

報告書籍(3)『入管の解体と移民庁の創設ー出入国在留管理から多文化共生への転換』

  • 発表者:加藤丈太郎(武庫川女子大学)
  • 担当編集者:黒田貴史(明石書店)
  • 討論者:齋藤百合子(大東文化大学)

コメント・応答

法務省入国管理局は入管法の執行者として自らをあらゆる権力の上位に置いてきた。

2019年4月に、出入国在留管理庁へと格上げされる中、スリランカ人女性の死亡事件が起きた。入管は現在のまま存続して良いのであろうか。

入管を一度解体し、新たに移民庁を創設するアイディアを本書では構想した。第1章から第16章まで16 名の著者(監修者を含む)による論考を収録した。

第1部は「人権無視の外国人管理」と題し、出入国在留管理庁において人権が守られていない状況を主に実務家が事例をもとに示した。

第2部は、「元入管職員の『中の視点』から」と題し、実際に入管に務めた経験を有する元職員が出入国在留管理庁における問題点を「中の視点」から述べた。

特に元東京入国管理局長からは、「交流共生庁」の創設という具体的な案が示された。

第3部は戦後から21 世紀にかけての「入管の歴史」を4名の研究者の論考をつないで追いかけた。

第4部「移民庁の創設に向けて」では、3名の研究者の論考から「民族」概念を問い直し、入管に存在する「レイシズム」を明らかにし、「諸外国の入管・統合政策担当機関」のあり方を整理した。

報告書籍(4)『SDGs時代の評価:価値を引き出し、変容を促す営み』

  • 発表者:米原あき(東洋大学)
  • 担当編集者:鶴見治彦(筑波書房)
  • 討論者:山田肖子(名古屋大学)

コメント・応答

SDGsの取り組みは評価が難しいと言われる。それは、SDGsがこれまでの国際開発目標とは異なる次元で問題提起をしているのに対し、その取り組みを評価する方法や思考が旧次元に留まっているからではないか。

本書では、「評価evaluation」という活動を価値(value)を引き出す(ex-)ための営みと捉えて、SDGs時代に求められる評価の在り方を検討している。

「不確実性のなかで多様な個人や集団が協働して持続可能な社会を構築することが求められる時代」であるSDGs時代の評価には、ふたつのシフトが求められる。

それらは、①評価をPDCAの「C」という一点でとらえる「点の視点」から、PDCAという一連の流れやそのサイクルの積み重ねという「線や面の視点」へのシフトと、②評価を与えられた指標に基づく測定と前提して「いかに測るべきか」(measurability)を問う姿勢から、そもそも評価したい/すべき価値は何なのかという大前提からの問い直し(evaluability)を前提とする姿勢へのシフトである。

本書の各章では、これらのシフトにかかる事例や、これらのシフトに関連する新たな評価理論を紹介している。

報告書籍(5)『SDGsを問い直す ポスト/ウィズ・コロナと人間の安全保障』

  • 発表者:野田真里(茨城大学)
  • 担当編集者:舟木和久(法律文化社)
  • 討論者:山形辰史(立命館アジア太平洋大学)

コメント・応答

SDGs(2016~2030年)の中間年にあたる2023年、SDGsを問い直す野心的研究として、人間の安全保障上の危機であるコロナ禍の教訓を踏まえ、ポスト/ウィズ・コロナを展望しています。

本書はSDGsの17目標に因んで17の論稿から構成されています。SDGsのゴールの達成状況の分析とともに、今回のコロナ禍によってもたらされた課題を2つの角度から分析しています。

1つは、「取り残される人々」やレジリエンス(強靭性、回復力)の観点です。もう1つは、「ポスト/ウィズ・コロナ」の観点です。

「取り残された人々」が具体的にどのような危機的状況におかれているのか、また、SDGsの観点からどのように取り組んでいくべきなのかを詳細に描いています。

本書では、これまでSDGsについて充分論じられてこなかったテーマ(高齢者、障害者等)やSDGsへの批判的観点を含めて、踏み込んだ検討を行っています。

また本書は国際開発学会員のSDGsに関する2016年からの2つの研究部会(「持続可能な開発とSDGs」、「開発のレジリエンスとSDGs」)の成果でもあり、多くの学会員が執筆しています。

【総括】

本ブックトークセッションでは会員による近刊5冊の書籍についての紹介が、著者および出版社の編集担当者よりなされ、出版に至ったきっかけや経緯、苦労等が共有された。

討論者からは、内容を踏まえての貴重なコメントが提供された。参加者は常時50名にのぼり、活発な質疑応答となった。

報告者:芦田明美(名古屋大学)

ポスター発表

  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 13:00(コアタイム11:45-12:45)
  • 2号館5階学生食堂
  1. [1R01] 僧院が担う新たな社会的包摂機能
    ―ブータン王国における仏教とウェルビーイング―

    *佐藤 美奈子(京都大学)
  2. [1R02] Space-Time Analysis of East-West Inequality of Economic Development and Digital Financial Inclusion: Province-level Evidence from China
    *Jiaqi LI(Nagoya University)
  3. [1R03] ミャンマーとバングラデシュにおける SDGsの達成状況
    ー目標1を中心にー
    *頼藤 瑠璃子、*エイチャン プイン(熊本学園大学)
  4. [1R04] ポストコロナにおけるスマートツーリズム:ヨーロッパとアジアの事例比較分析
    *ZHU Ningxin(立命館大学大学院)
  5. [1R05] 高校生は SDGsから何を考えイメージするのか~イメージマップテストを用いた分析~
    *坂根 咲花(関西学院大学大学院)
  6. [1R06] 気候変動の影響が武力紛争を招く社会の脆弱性条件
    *長野 貴斗(京都大学大学院)
  7. [1R07] ガーナにおける就学前教育が与えるスクールレディネスへの影響の分析
    *内山 かおり(神戸大学大学院)
  8. [1R08] Influence of Maternal Decision-Making on Children’ s Years of Schooling in Malawi
    *Yudai ISHII(Kobe University)
  9. [1R09] Analysis of Demand-Side and Supply-Side Factors on Learning Outcomes in Myanmar
    *Htet Myet Aung(Graduate School of International Cooperation Studies, Kobe University)
  10. [1R10] 地域 SDGsプロジェクト共創を促進するオープンソーシャルイノベーションプラットフォーム事業の実証研究 – 石川県金沢市 IMAGINE KANAZAWA2030パートナーズ事業の分析から-
    *津田 祐也1、*富田 揚子2 ( 無所属、2. 国連大学サステイナビリティ高等研究所)
  11. [1R11] An Assessment of Digital Competence of Freshmen at Top Ranked Public Universities in Bangladesh
    *Rakibul HASSAN(Kobe University)
  12. [1R12] Analysis of Parental Involvement and Secondary School Students’ Academic Achievement in Cambodia
    *SARA Thavrith(Kobe University)
  13. [1R13] 太平洋島嶼国パラオに見る開発の多元性
    ー援助ドナーとの相互依存関係と地域社会に着目してー
    *井川 摩耶(東京大学大学院)
  14. [1R14] Perception of Students with Disability on Inclusivity in Higher Educational Institutes of Bangladesh *Sheikh Rashid Bin ISLAM(Kobe University)
  15. [1R15] 発達障害のつくられ方−個性と障害の境界線をめぐる人々の認識と国際的診断基準のギャップ−
    *八郷 真理愛(横浜国立大学大学院)
  16. [1R16] An Analysis of the Factors Influencing Primary School Students Learning Achievements in Burundi
    *Deo KABANGA(Kobe University)
  17. [1R18] Analysis of Influence of Student and Family Factors on Learning Achievements in the Philippines.
    *Minghao Wang(Kobe Univ.)
  18. [1R17] An Analysis of Teacher Quality and Primary School Students’ Learning Achievement in Cambodia
    *Sreymech HOEUN(Kobe University)
  19. [1R19] フィリピンの若者が困難な状況を乗り越えるためのパターン・ランゲージの作成
    *金井 貴佳子、太田 深月、井庭 崇(慶應義塾大学)
  20. [1R20] バングラデシュにおける普遍的就学前教育政策下での就学前学校の種類の決定要因
    *宇野 耕平(神戸大学大学院国際協力研究科)
  21. [1R21] Assessment of community ICT access and connectivity for development of an intangible cultural heritage digital repository in Luang Prabang
    *Jerome SILLA1, Jun-ichi Takada2, Shinobu Yamaguchi1, Sengthong Lueyang3, Souvalith Phompadith3, Xaykone Phonesavath3 ( United Nations University, 2. Tokyo Institute of Technology, 3. Luang Prabang World Heritage Office)
  22. [1R22] グローバル企業経営戦略・ GVCMとの連携による産業発展に関する「発展経営論」試論
    *竹野 忠弘(名古屋工業大学)

その他

  • 一般口頭発表
  • 企画セッション
  • ラウンドテーブル
  • プレナリー、ブックトーク、ポスター発表



企画運営委員会:合理的配慮WGからのおしらせ(2024年2月)

国際開発学会第12 期:委員会の構成および幹事の委嘱

委員長

山田肖子(名古屋大学)

委員

副会長、常任理事、本部事務局長、本部事務局次長

企画運営委員会 合理的配慮WG

WG長

山形辰史(立命館アジア太平洋大学)

委員

小國和子(日本福祉大学)
川口 純(筑波大学)

幹事

土橋喜人(金沢工業大学)
森 壮也(アジア経済研究所)

2024年度活動計画

  • タスクフォースの立ち上げ
  • 問い合わせ窓口の準備と試験運用
  • 大会参加者が希望する合理的配慮にかんする相談対応

企画運営委員会
合理的配慮WGグループ長:山形辰史
(立命館アジア太平洋大学)




企画運営委員会:人材推薦WGからのおしらせ(2024年2月)

国際開発学会第12 期:委員会の構成および幹事の委嘱

委員長

山田肖子(名古屋大学)

委員

副会長、常任理事、本部事務局長、本部事務局次長

企画運営委員会 人材推薦WG

WG 長

伊東早苗(名古屋大学)

委員

高橋基樹(京都大学)
山形辰史(立命館アジア太平洋大学)

2024年度活動計画

各委員長の依頼に基づき、学会間交流事業や大会座長・コメンテーター等、学会の重要事業を担う人材の推薦を行う


企画運営委員会
人材推薦WGグループ長:伊東早苗(名古屋大学)




大会組織委員会からのお知らせ(2024年2月)

2023年度活動報告

  • 明治大学を開催校とし(島田剛実行委員長)、第33 回全国大会を開催した(2022 年12月3 日、4 日;対面・オンラインのハイブリッド開催)。
  • 国際教養大学を開催校とし(工藤尚悟実行委員長)、第24 回春季大会を開催した(2023年6 月10 日;対面・オンラインのハイブリッド開催)。
  • 上智大学を開催校とし(小松太郎実行委員長)、2023 年11 月11、12 日に第34 回全国大会の開催に向けて、プログラム編成や大会運営の円滑化のための各種支援を行った。
  • 2024 年6 月予定の第25 回春季大会を宇都宮大学(阪本公美子実行委員長)で開催する見込みとなった。

大会組織委員会
第11期 委員長:山田肖子(名古屋大学 )


国際開発学会第12 期:委員会の構成および幹事の委嘱

委員長

松本 悟(法政大学)

委員

池見真由(札幌国際大学)

幹事

汪牧耘(東京大学大学院)

大山貴稔(九州工業大学)

栗田匡相(関西学院大学)

会長、副会長、事務局長

2024年度活動計画

  • 春季大会と全国大会の運営(実行委員会のサポート)
  • 大会運営の再編に向けた論点整理
  • 2025 年の大会開催校の打診・決定

大会組織委員会
第12期 委員長:松本 悟(法政大学)




社会共創委員会からのお知らせ(2024年2月)

2024年度より、以下の3委員会を統合し、新たに「社会共創委員会」を設置することとなった。

統合前の各委員会の昨年度の活動報告は以下のとおり。

2023年度活動報告

社会連携委員会(委員長:川口純)

  1. 市民社会との連携企画:「開発協力大綱の改定とその主要論点ー市民社会の主張とはどのようなものか?」を開催した。国際協力系NGO のスタッフ4名が登壇し、前回の改定時のふりかえり、今回の改定にあたって開発協力の理念や実施原則等について議論を実施した。
  2. グローバルフェスタにおいて「国際開発キャリアセミナー」を開催した。佐藤会長、大橋委員、荻巣会員がご登壇し、多数の若手参加者を得た。院生の参加者が主であり、闊達な質疑応答がなされた。

研究×実践委員会(委員長:小林誉明)

第34 回全国大会にて委員会主催(共催も含む)のラウンドテーブルを三つ企画しました。それぞれのセッションは委員会のメンバーがイニシアティブをとり、学会内外からリソースパーソンを巻き込んで企画を進めているものとなります。

1.「ソーシャルビジネスにおける研究の貢献可能性:インドの離島エリアにおけるe-Health ビジネスの事例から」
登壇者:狩野剛、功能聡子、岡崎善朗、佐藤峰、内藤智之

2.「国際開発(学)の「埋葬」と「再生」―世代を超えた、グローバルなサステナビリティの確保を射程に入れて―」(地方展開委員会との共催)
登壇者:佐藤峰、小林誉明、木全洋一郎、梶英樹

3.「大国間競争の時代にODA で「普遍的価値」を促進することの意味を問う」
登壇者:志賀裕朗、福岡杏里紗、荒井真紀子、小林誉明

地方展開委員会(委員長:佐野麻由子)

  • 2023 年6 月10 日の第24 回春季大会(国際教養大学)で「地方展開委員会RT 地方からみた『内なる国際化』と協働の可能性」を主催、参加者と内なる国際化を中長期的、短期的どのように位置づけるのか、移民社会にむけて検討すべき課題は何かについて意見交換を行った。
  • 国際開発学会出前講座の今後の運営について考えるために登録して下さった会員にアンケートを実施、今後の在り方について検討した。

国際開発学会第12期:委員会の構成および幹事の委嘱

共同委員長

  • 木全洋一郎(JICA)
  • 工藤尚悟(国際教養大学)
  • 杉田映理(大阪大学)

委員

  • 坂上勝基(神戸大学)
  • 佐藤 寛(開発社会学舎)
  • 藤山真由美(NTC インターナショナル)

幹事

  • 梶 英樹(高知大学)
  • 河野敬子(ECFA)
  • 小林誉明(横浜国立大学)

2024年度活動計画

◆設置目的

日本・先進国を含めたグローバルな観点から時代に合った国際開発学の再定義、学会から日本社会への貢献、新たな学会・パートナーの獲得のため、国際開発学会の内外の多様な団体・個人と連携した事業の企画・形成をし、広く学会員に呼び掛けてその実施展開を先導・調整・支援する。

◆活動計画

以下の3 つの柱において、具体的な企画を検討していく。

(1)連携・協働

  • 地方、企業・団体、他学会との共同セミナー・研究プロジェクトを実施
  • 海外の学会・団体、国際機関との連携 ※グローバル連携委員会との連携

(2)発信

  • 学部生、高校生等若者向け発信 ※人材育成委員会との連携
  • 各種イベント(グローバルフェスタ等)での発信

(3)支援・協働

  • 地方大会におけるプレナリーやエクスカーションプログラム

社会共創委員会・共同委員長:
木全洋一郎(JICA)
工藤尚悟(国際教養大学)
杉田映理(大阪大学)




【会員限定】常任理事会議事録(第242・243回)

第242回常任理事会

  • 日時: 2023年11月4日(土曜)9時30分~12時
  • 方法:対面及びZoom併用
  • 場所:名古屋大学東山キャンパス グローバル・エンゲージメントセンター
  • 出席者(敬称略):佐藤(第11期会長)、山田(第11期副会長、第12期会長候補)、高田(第11期副会長)、池上、川口、北村、小林、佐野、志賀、島田、杉田、三重野(以上、第11期常任理事)、工藤、木全、小國、小山田、狩野、関谷、星野(以上、第12期常任理事候補)、尾和、島津(第12期事務局次長候補)
  • 欠席者(敬称略):松本(第11期常任理事・第12期常任理事候補)、澤田(第12期常任理事候補)

議題

※特段の記載がない場合、報告者は第11期の各委員会とする。

(1)報告事項

1. 第34回全国大会(@上智大学)の準備状況について(大会組織委員会)
山田大会組織委員長より、第34回全国大会の準備状況について報告がなされた。

(2)審議事項

1. 2023年度決算および監査役報告(本部事務局・総務委員会)
池上総務委員長より、2023年度決算およびそれに基づく貸借対照表について説明がなされた。これを受けて、監査役より、特に指摘すべき事項はなかった旨の報告があった。

2. 2023年度活動報告(各委員会)
各委員長より、2023年度の活動報告が行われた。

3. 2024年度予算案・活動計画案(第12期本部事務局・総務委員会)
各委員長より、2024年度の予算案と活動計画案について説明がなされた。

JICAから提案されているアジア圏を対象とする開発学会設立構想について、どの委員会が業務を担当すべきか、意見交換がなされた。

第12期において設置を予定している社会共創委員会が中心となり、第11期の北村グローバル連携委員長と連携して対応し、今後も議論していくことが決定された。

4. 2023年度学会賞の選出(賞選考委員会)
三重野賞選考委員長より2023年度学会賞の選出について提案があり、承認された。

5. 韓国国際開発学会冬季大会への会員派遣(グローバル連携委員会)
北村グローバル連携委員長より、韓国国際開発学会冬季大会への会員派遣について提案があり、承認された。

6. 会員向け情報発信方法の整理(広報委員会)
高田広報委員長より、会員向け情報発信方法の整理について提案があり、承認された。

7. 大橋正明会員の名誉会員への推挙(総務委員会)
池上総務委員長より、大橋正明会員の名誉会員への推挙がなされ、承認された。

8. 第33回会員総会議事(本部事務局、総務委員会)
志賀事務局長より、第34回全国大会(@上智大学)にて実施予定の第33回会員総会議事について説明され、承認された。

9. 定款改正(本部事務局)、定款細則改正(第12期本部事務局、総務委員会)
志賀事務局長と池上総務委員長より、定款と定款細則の改正について提案があり、承認された。

10. 会費支払い方法の変更(バンクチェック廃止)(本部事務局)
池上総務委員長より、会費支払方法の変更(バンクチェック廃止とPayPal導入の検討)について提案がなされ、承認された。

(3)その他

11.今後の予定について
今後の会合予定について確認が行われた。


第243回常任理事会

  • 日時: 2023年11月12日(日) 昼休み(上智大会中)
  • 場所:上智大学四谷キャンパス 紀尾井坂ビル B104室
  • 出席者(五十音順・敬称略):尾和、小山田、狩野、北村、木全、工藤、澤田、島津、島田、関谷、松本、山田(欠席:小國、杉田、星野)

議題

(1) 審議事項

1.1. 会員向け情報発信方法の整理について(広報委員会)

狩野広報委員長より、ニューズレターとメーリングリストの運用に関して改善案が出された。現在の課題としては、両者の役割が重複している点、ニューズレターに掲載する委員会・研究部会・支部からの報告が負担になっている点が挙げられた。

改善案としては、ニューズレターをアーカイブ目的、メーリングリストを即時性のある情報発信目的とし、メーリングリストの対象内容を強化するとともに、ニューズレターの発行を年4回から2回に減らすことが提案された。

常任理事より、ニューズレターに掲載している座長報告の負担が大きいことから、大会終了後に会員が論文集にアクセスできることが周知・広報されることを前提に座長報告を止め、代わりに改善案などを座長が任意でフィードバックできるGoogle フォームを作成し、Confitのメッセージ機能で流してはどうかという提案があった。

他にも、学会誌にアーカイブ的な情報(事務局報告・委員会報告など)を一元化して掲載し、ニューズレターを廃止してはどうかという提案もあった。

ニューズレターおよびメーリングリストの運用については、引き続き広報委員会が検討していくこととなった。

2.支部・研究部会の活動報告について(会長)

山田会長より、研究部会の活動報告を義務としてはどうかという提案があった。例として、大会で活動報告をするセッションを出す、ニューズレターやメーリングリストで発信するなどが挙げられた。

常任理事より、活動報告をしなければ予算が下りないという仕組みにする、自分たちでウェブサイト上の各部会のページを更新させる、期間中に部会での検討・研究状況を学会誌に必ず掲載することを義務とする、などの案が出された。

また、発信方法については、メーリングリスト、ニューズレター、ウェブサイト、学会のラウンドテーブル、総会でのフラッシュトークなど、様々な形から選択させてはどうかという案も出された。

引き続き山田会長が企画運営委員会として研究部会のルール(公開性や規定)を確認し、活動報告の発信方法について検討し、次回の常任理事会で提案することとなった。

3.ポスター賞および学会賞について(賞選考委員会)

澤田賞選考委員長より、(1)ポスター発表者によるフラッシュトークを次回大会から実施したい、(2)学会賞受賞者へ賞金を出す場合は定款の改定が必要となるため、今後、賞選考委員会内で改定案を作成する、(3)賞選考の基金を作るための方法を検討すべき旨の提案があった。今後の常任理事会に具体的な規定や手続き案を委員会から提示し、議論することとした。

4.学会における合理的配慮について(合理的配慮WG)

小國副会長より、合理的配慮WGのメーリングリストを作成することが提案され、承認された。また、ウェブサイト上の合理的配慮に関するページを、読み上げソフトを用いやすいように設定することが提案され、承認された。上記の二点については、石田さんにお願いすることとなった。

 加えて、「学会における合理的配慮について」のサブページを、今後作成される山田会長の挨拶ページからもリンクすることが提案され、山田会長の了承を得た。

 WG内で出されているその他のアイデアとして、「学会の合理的配慮を考える」セッションを大会で設けること、希望者には学会誌をテキストファイルで提供すること、などが挙げられていることが紹介された。

5.入会審査・退会報告(本部事務局)

関谷総務委員長より、入会者11名、復会・再入会者1名の審査について提案があり、承認された。また、退会者5名について報告がなされた。

6.その他

常任理事会の年間スケジュールを事前に決定して欲しいとの要望が常任理事より出され、事務局より具体的な提案を用意し、検討することとした。

(2) 報告事項

なし


本部事務局
本部事務局長:星野晶成(名古屋大学)




【会員限定】理事会議事録(第122・123回)

第122回理事会

  • 日時:2023年11月4日(土曜)14時~16時
  • 方法:対面及びZoom併用
  • 場所:名古屋大学
  • 出席者(敬称略):佐藤(第11期会長)、山田(第11期副会長、第12期会長候補)、高田(第11期副会長)、池上、川口、北村、小林、佐野、志賀、島田、杉田、三重野(第11期常任理事)、工藤、木全、小國、小山田、狩野、関谷、星野(以上、第12期常任理事候補)、尾和、島津(以上、第12期事務局次長候補)、池見、石田、伊東、大橋、岡部、小川、片柳、萱島、樹神、工藤、坂上、佐藤(峰)、澤田、澤村、関谷、高橋、鍋島、西川、西野、初鹿野、藤掛、藤山、山形、渡邉(以上、第12期理事候補)
  • 欠席者(敬称略):市橋、岡島、勝間、黒田、澤田、仲佐、藤倉(以上、第12期理事候補)、松本(第11期常任理事、第12期副会長候補)、道中、峯(以上、第12期理事候補)

議事

特段の記載がない場合、報告者は第11期の各委員会とする。

(1)報告事項

第34回全国大会(@上智大学)の準備状況について(大会組織委員会)
山田大会組織委員長より、第34回全国大会の準備状況について報告がなされた。

(1)審議事項

1. 2023年度決算および監査役報告(本部事務局・総務委員会)
池上総務委員長より、2023年度決算および監査報告結果について説明がなされた。石田監査役、西野監査役より、適切に会計が行われている点が評価に値するとのコメントがなされた。

2. 2023年度活動報告(各委員会)
各委員長より、2023年度の活動報告がなされた。

3. 2024年度予算案・活動計画案(第12期本部事務局・総務委員会)
第12期星野事務局長と各委員長より、2024年度の予算案と活動計画案の説明がなされ、委員会・支部・部会の設置及び予算案とともに承認された。

4. 2023年度学会賞の選出(賞選考委員会)
三重野賞選考委員長より、書籍について12件の応募があり、選考の結果、池田真也会員、杉江あい会員が奨励賞を受賞、論文については該当なしとなった旨、報告があった。

5. 韓国国際開発学会冬季大会への会員派遣(グローバル連携委員会)
北村グローバル連携委員長より、学会賞受賞者と近藤久洋会員を2023年12月に開催予定の韓国国際開発学会冬季大会へ派遣する予定である旨、説明があった。

6. 会員向け情報発信方法の整理(広報委員会)
高田広報委員長より会員向け情報発信の方法を整理していく必要性について説明があった。

7. 大橋正明会員の名誉会員への推挙(本部事務局)
佐藤会長より、大橋正明会員の名誉会員への推挙がなされ、承認された。

8. 第33回会員総会議事(本部事務局、総務委員会)
志賀事務局長より第33回会員総会議事案について説明があり、承認された。

9. 定款改正(本部事務局)、定款細則改正(第12期本部事務局、総務委員会)
志賀事務局長より、定款と定款細則の改正について説明があり、承認された。

10. 会費支払い方法の変更(バンクチェック廃止)(本部事務局)
池上総務委員長より会費支払い方法の変更について説明があり、承認された。

(その他)

11.今後の予定について
今後の会合予定について確認がなされた。


第123回理事会

    • 日時:2023年11月11日(日曜)11時45分~12時45分
    • 会場: 上智大学 紀尾井坂ビルB104教室
    • 出席者(敬称略):佐藤(第11期会長)、山田、高田(以上第11期副会長)、池上、川口、北村、小林、佐野、島田、杉田、松本、三重野(以上、第11期常任理事)、池見、市橋、伊東、大橋、岡部、岡島、小川、小國、萱島、黒田、佐藤(寛)、澤村、高橋、藤掛、道中、山形(以上、第11期理事)、石田、西野(以上、第11期監査役)渡邉(京滋支部長)、志賀(第11期事務局長)、秋保(第11期事務局次長)
      小山田、狩野、木全、工藤、関谷(以上、第12期常任理事候補)、坂上、初鹿野(以上、第12期理事候補)、佐藤峰(第12期監査役候補)、星野(第12期事務局長候補)、尾和、島津(以上、第12期事務局次長)
    • 欠席者(敬称略):勝間、仲佐、鍋島、西川、藤倉、藤山(以上、第11期理事)、澤田(第12期常任理事候補)、樹神(第12期理事候補)

    *第11期役員で第12期も役員に就任予定の場合、第11期欄に名前を記載

    議事次第

    第34回全国大会実行委員長からのご挨拶(上智大学・小松太郎先生)
    小松・第34回全国大会実行委員長より挨拶があり、開催中の大会には学会員400名程度が参加しているとの報告がなされた。

    (1)審議事項

    1. 定款細則の改正について(第11期 本部事務局)
    志賀本部事務局長より、定款細則の変更に関する提案がなされ、承認された。

    2. 2024年度予算案について(第11期 総務委員会)
    池上総務委員長より、2024年度予算案について説明がなされ、承認された。支部・研究部会の活動費については、各支部・部会あたりの支給額の上限を20万円に設定することとなった。

    3. 理事会におけるオブザーバー参加について(第11期 本部事務局)
    理事以外の支部長(市橋先生、渡邉先生、梅村先生)を理事会オブザーバーとして認める提案がなされ、承認された。

     

    佐藤仁第11期会長からの挨拶

    佐藤第11期会長より退任挨拶があり、第11期のスローガンであるvisible, inclusive, entertainingはほぼ実現できたと考えているとの見解が披歴された。

    さらに、ホームページのアップデートや科研費を獲得したうえで英文学会誌を刊行できたことなどの具体的な成果についても言及がなされた。

     山田肖子・第12期会長候補からの挨拶

    山田・第12期会長候補より、第12期体制では「①国際開発学の再定義、②多様性からのシナジー、③わくわくの創造」をスローガンとして活動を行っていく旨の意向が表明された。

    その他(連絡事項など)

    第11期・第12期の役員紹介
    第11期佐藤会長、第12期山田会長より役員及び役員候補者の紹介がなされた。




    【会員限定】総会議事録(第34回)

    • 日時:2023 年 11 月 11 日(土曜)16:40~18:55
    • 場所:上智大学四谷キャンパス 2号館 17 階

    1.挨拶

    佐藤仁・第 11 期国際開発学会長及び小松太郎・第 34 回全国大会実行委員長による挨拶がなされた。

    2.議長選出

    島田剛会員が議長として選出された。


    3.議題

    報告事項

    (1) 会員数の動向および会員総会定足数充足の確認について

    志賀・事務局長より、現在の会員総数1,589名で、本日の参加者(319名)と委任状数(116名)の合計が定足数(159名)に達するため、定款第14条第5項に遵い、総会が成立することが報告された。

    (2)2024 年度支部・研究部会の設置について(資料1)

    志賀・事務局長より、2024年度支部・研究部会として一覧表が報告され、併せて、(一覧表上では空白となっていた)ジェンダーと開発部会については甲斐田きよみ会員が代表となることが報告された。

    (3) 学会賞・優秀ポスター発表賞について

    三重野・賞選考委員長より、22件のポスター発表から、選出された八郷真理愛会員(優秀ポスター発表賞)、佐藤美奈子会員(ポスター発表奨励賞)、井川摩耶(ポスター発表奨励賞)の3名の会員が選出された旨の報告がなされた。また、学会賞については、12件の応募の中から、池田真也会員および杉江あい会員の著書が奨励賞として選出された旨が報告された。


    審議事項

    (4)2023 年度活動報告,決算および監査役報告について(資料2、3)

    各委員会委員長より2023年度の活動報告、池上・総務委員長より2023年度の決算報告、北村・グローバル連携委員長より科研費を活用した活動に関する報告、西野・監査役より監査役報告がなされ、いずれも承認された。

    (5)第 12 期理事について(資料4)

    志賀・事務局長より12期理事候補について説明がなされ、承認された。

    (6)第 12 期会長,副会長,常任理事の選出および監査役の選任について(資料5)

    志賀・事務局長より、会長候補、副会長候補、常任理事候補、監査役候補について説明がなされ、承認された。

    (7)定款の改正について(資料6)

    志賀・事務局長より、定款の改正案について説明がなされ、承認された。

    (7)総括

    第 11 期会長による総括がなされた。

    (8)学会賞および優秀ポスター発表賞 授賞式

    三重野・賞選考委員長より、対象者に対して授賞式が行われた。

    第 11 期・第 12 期 役員交代

    第 12 期新会長挨拶および新役員紹介

    山田会長より挨拶がなされ、12期国際開発学会のテーマとして「国際開発学の再定義」、「多様性からのシナジー」、「ワクワクの創造」が報告された。


    審議事項

    (9)事務局長の選出および次期本部事務局について(資料7)

    山田会長より、星野・事務局長の選出および次期本部事務局について説明がなされ、承認された。

    (10)各委員会の構成および幹事の委嘱について(資料8)

    各委員会委員長より、委員会の構成および幹事の委嘱について説明がなされ、承認された。

    (11)2024 年度活動計画案,予算案について(資料9,10)

    関谷・総務委員長より、2024年度活動計画案および予算案について説明がなされ、承認された。


    報告事項

    (12)定款細則の改正について(資料11)

    星野事務局長より定款細則の改正について報告がなされた。

    (13)2024年春季大会の開催について

    坂本会員(次期春季大会実行委員長)より、2024年春季大会を2024年6月15日に宇都宮大学で実施することが報告された。


    本部事務局
    星野晶成(名古屋大学)




    会長挨拶

    国際開発学会のウェブサイトに来てくださった皆様

    2023年11月の総会で12期会長を拝命しました名古屋大学の山田肖子と申します。2026年総会まで、約3年間、皆様に気持ちよく、やりがいを持って関わっていただける学会になるよう、努めて参りたいと思っております。前任の佐藤仁会長をはじめ、この学会をこれまで作り上げてきた常任理事、理事経験者の礎と志を継ぎつつ、国際開発や学術を取り巻く今日の状況にみあった改革も進めていきたいと思っています。

    今期の方針は

    1. 国際開発学の再定義
    2. 多様性からのシナジー
    3. ワクワクの創造

    です。

    国際開発学の再定義

    まず1点目の “国際開発学の再定義” は、変化の節目を、この学問分野の発展に活かす発想です。

    1990年に学会が設立されて30年以上が経ち、国際開発を取り巻く環境も大きく変わっています。今年(2023年)に改定された開発協力大綱をみると、援助国-被援助国の垂直的な関係が多極化し、開発の主要アクターとしての国家の在り方が揺らぐなか、日本社会でのODAの捉え方も大きく変わっていることが分かります。

    また、持続可能な開発が標ぼうされ、「国際開発」が目指す人道的で公共の利益の実現についても、誰にとって何が望ましい状態なのかが一元的に語れなくなりました。昨今の地政学的な危機やコロナ禍を経て、「国際開発」が国内や先進国と切り離された途上国の課題だという発想も陳腐化しているように思われます。

    そうした変化の局面で、研究がどんな役割を果たすのか、実務者と研究者が集うこの学会がどんな場になっていくのか、皆さんと一緒に創り、考えていけたらと思っています。

    多様性からのシナジー

    2点目の “多様性からのシナジー” は、学問分野や職業、属性の違いを尊重しながら、相乗効果を生むことです。

    私自身は、この学会では初めての女性の会長です。しかし、性別に限らず、世界の様々な状況での人々と関わってきたこの学会の会員の皆さんは、きっと何かしらの属性においてマイノリティになったり、そうなる人々に関わった経験があるでしょう。他者との違いをいかに尊重するかは、国や社会の違いを超えて国際開発学の本質を問う姿勢にもつながると思います。学問の再定義をするためには、まず我々の活動の場である大会や研究部会、学会誌などが、多様性から前向きな化学反応を生む場でありたいと思います。

    12期では、障がいを持った学会員への合理的配慮を進めるべく、以前から準備を進めていた山形辰史元会長をはじめとするメンバーが、ワーキンググループを立ち上げています。

    また、研究面では、学際的なこの学会にふさわしく、様々なディシプリン、研究テーマ、手法、研究対象地域、所属機関の人々が、いつも同じ顔ぶれとだけ交流するのでなく、越境し、協働してくことが重要です。

    どうすればそのようなシナジーが生まれるのか。それは、まずこの学会が、会員の皆さんにとって、「あそこに行けば、いつもとは違う学問的刺激がもらえる、新しい発想が得られる、面白い人に出会える」、そういう期待感を抱き、しかもそれを裏切らない経験をできる場になることだと思います。

    ワクワクの創造

    ですから、この3年間、私を含め、12期の役員たちは、ここをワクワクする場にするために全力を尽くしたいと思います。

    学術大会が、その開催を引き受けてくれる開催校にとって、作業負担の多さに圧倒されるのでなく、自分たちならではの魅力や研究、地域社会との関わりなどを発信できる機会となるよう、サポートしていきます。

    また、良い研究をしている若手や、国際開発学会では従来あまり紹介されてこなかったような分野やその研究者にも注目が当たるよう、学会賞、学生論文コンクールなどの選考に注力するとともに、広報メディアを通じた受賞者の紹介や学会内外の活動への参加奨励なども進めたいと思います。

    萌芽的、実験的な研究アイディアを持った会員が本学会の研究部会を立ち上げ、学術大会での企画セッションや学会誌での論文発表につなげられるような道筋も積極的に示していきたいと思っています。

    学会で既に活動している人だけでなく、国際開発や地域の開発課題に取り組んでいる潜在的な関心層にリーチしていくイベントや仕組みも検討しています。

    こうした盛りだくさんの活動をどこまで実現できるか?それは、我々役員自身がどこまでの活動を楽しみ、それが会員の皆さんにどこまで伝播していくかに依るかもしれません。

    学会の運営は大いなるボランティアである、と佐藤前会長がよく言っておられました。我々は、直接的対価のためではなく、自分たちを育ててくれたこの学会が、今後も会員にとって自らの研究を発信し、先輩や他の会員からコメントをもらったり意見を交わしたりする中で成長する場であり続けるために貢献したいという思いでやっています。

    会員の皆さんにワクワクしてもらう場をつくるために、まず我々役員が、「次はどうしよう、こうなったらもっといいんじゃないか?」とワクワクし、提案し、アクションを取る、そんな12期でありたいと思います。そしてそんな役員に対して、会員の皆さんからもアイディアを寄せていただければ幸いです。

    第12期国際開発学会
    会長 山田 肖子




    東海支部共催講演会『日本企業の”知の創造”と海外拠点との関わり』11月9日開催(会員・一般)

    国際開発学会東海支部(JASID東海)・ 南山大学アジア太平洋研究センター 共催講演会

    「日系企業の国際経営技術移転の経緯と知の創造ー中南米、ASEAN、中国、米国の拠点比較からの考察ー」

    • 日時:2023年11月9日(木曜)17:30-19:00
    • 場所:南山大学Q棟5階会議室 (Q51、52) 対面のみで開催
      <アクセス>
      <キャンパスマップ>

    講師

    植木英雄 氏(東京都立産業技術大学院大学客員教授/日本ナレッジ・マネジメント学会、知の創造研究部会長)

    参加申込方法

    11/9(木)9:00amまでに、以下からお申込みください


    本件にかんするお問い合わせ先

    南山大学アジア太平洋研究センター

    • center-asiapacific [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
    • 電話:052-832-3111 (代表)



    会長からの手紙(2023年11月)

    あっという間の3年間でした。Visible, Inclusive, Entertaining をスローガンに、常任理事の皆さんと事務局スタッフに助けられながら、ここまで来られたことに感謝の気持ちで一杯です。

    特に、任期前半の大会がすべてオンラインになってしまったために、Entertaining な側面を十分に展開できなかったことは心残りでした。それでもHPの全面改訂や学会管理システムの導入、学会誌のデザインとコンテンツの刷新、学部生論文コンテストの導入、若手による選管PR動画の配信、学会費の割引制度、学会としての科研費の獲得や英文ジャーナルの充実など、それなりに visible な成果を出すことができました。

    「学会」と呼ばれる集団の多くが会員数を減らしている中で、どうにか会員数を維持できた背景には、3年会費未納で自動退会になりそうな人に声をかけて踏みとどまらせるという、きわめて地味な活動もありました。

    どれほど visible な活動にも、このように、それを下支えしてくれた皆さんの invisible な貢献があります。日々の理事会の日程調整や議題の整理なども、事務局長、総務委員長をはじめとするスタッフの献身的な努力があったからこそ円滑に進められました。

    とかくアイディア先行で、実施となると周りを振り回しがちな私をサポートし、着実に成果に結びつけてくれた常任理事、理事の皆様にも厚く御礼申し上げます。

    これまでの大会実行委員の先生方、そして大会に参加してくれて活動を盛り上げてくださった会員のみなさんにも厚く御礼を申し上げます。

    次の会長が山田肖子さんになったことは本当に喜ばしいことです。彼女は、大会組織委員長として大会のホスト校を口説くという、まさに invisible 仕事をやってきた学会の大黒柱です。

    山田さんのつくる新しいチームの下、学会が新しい時代を切り開く推進力になることを祈って、私の退任のあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました!

    2023年11月
    第11期会長 佐藤仁(東京大学)




    追悼:内海成治先生(本会元副会長)

    JASID名誉会員で、2011年から14年まで副会長としても活躍された内海成治先生(大阪大学名誉教授)が2023年9月16日に急逝されました。

    JICAの国際協力専門員(教育分野)、アフガニスタン教育大臣のアドバイザー、大阪大学、お茶の水女子大学、京都女子大学等で教授を歴任され、日本の国際開発分野で大きな足跡を残されました。ここに生前の内海先生のご貢献に感謝し、安らかな眠りをお祈りいたします。 

    佐藤仁


    アフリカでの教育開発研究を先導された内海先生との思い出

    1998年から始まった私のケニア通いにフィールド調査の要素が加味されたのは、内海先生が2000年にJSPSナイロビ連絡センターに赴任されことが契機になっています。

    広島大学に着任したのが1997年で、その前にJICAに勤めていたこともあり、少なくないお付き合いはありました。大学で働くことになったものの、私にはフィールドでの調査経験が圧倒的に不足していました。

    今のように大学が忙しくない時、先生が泊まる場所もあるというので、2000年9~10月の3週間ほどケニアへ行くことにしました。これが、今につながるケニアでのフィールド研究の始まりです。基本的に学生を含めた合宿調査でしたので、研究のことや世間話、朝から晩まで、話が尽きることはありませんでした。

    この初期の頃、アフリカの教育研究と言えば、日本では援助に関わる研究者の一部が細々と行っていました。学会で発表すると珍しがられたぐらいです。今日のようにアフリカの分科会が立ち上がるなど、考えられないことでした。

    内海先生は、当時、センターのニュースレター「ふくたーな」(2000年6月発行)の編集後記に、「アフリカ研究の中では教育は非常にマイナーな分野ですが、国際協力では非常に重要な分野です」と書かれています。

    時代は移り変わり、教育開発研究の中で、アフリカはメジャーな地域になりました。そのようなフィールド経験を経て、多くの学生が巣立っていきました。

    2000年から2010年代前半までは、マサイの人々の暮らすナロック県の小学校をベースに調査をしてきました。2006年には「ケニア教育開発研究合宿」と称して、8名ほどの本学会会員の参加も得て(今では皆さん50代以上になっています)、1週間ほどの調査を合同で行いました。

    ナイロビでの合宿生活に加え、平原にポツリとある小学校の寄宿舎に1泊した経験は、特に忘れがたい思い出です。シマウマやキリンが近くで見られることもありました。その後、イスラム圏のラム島や難民キャンプのあるカクマにもフィールドを広げていきました。

    内海先生の訃報に接したのは、ちょうどナイロビで定宿としているアパートに滞在していた時でした。そこには、様々な調査用具に加え、一緒に購入した洗濯用のバケツや炊飯器もあります。

    ケニアのご友人たちも一様に驚き、深く悲しまれていました。20年以上にわたるケニアでの調査生活を思い出すと寂しくてなりません。私自身を研究者として育ててくれたのも先生とのこの生活があったからこそです。

    内海先生のまかれた種は、立派に成長しています。これからも私たちを温かく見守って下さい。本当にありがとうございました。

    澤村信英




    学会誌編集委員会からのお知らせ(2023年11月)

    30巻1号(2021年6月発刊)から始まった現在の執行部の任期は、この11月で終了します。

    編集委員の先生方の多くは、すでに3年の任期を大幅に超えており、いつも多忙な中で特集の企画や論文審査にご協力いただいてきました。

    また、この3年の間、査読に多くの先生方にご協力をいただきましたこと、ここに感謝申し上げます。 この3年間、佐藤仁会長の”Visible, Inclusive, and Entertaining”のスローガンのもと、誌上セミナーという取り組みを行ったり、討論というセクションを始めたり、グローバル連携委員会と共に学会誌の表紙を新たにしました。

    手探りで前進してきましたが、多くの皆様のご協力と支援のおかげです。

    また、任期の途中から以前は独立して行われていた大会におけるブックトークを編集委員会として実施し、書評との連携を図ってきました。

    これは学会誌の編集とは異なる仕事ですが、「本をつくる」という側面から国際開発を見るのは新しい発見があり、楽しい経験でした。

    編集委員会の仕事を通じて、個人的には専門分野を超えて考えることの楽しさと難しさを感じています。

    次回の33巻からは新しい編集委員会のメンバーでの編集になります。今後も会員の皆様からのご協力とご支援をお願いいたします。

    学会誌編集委員会
    委員長:島田剛(明治大学)




    社会連携委員会からのお知らせ(2023年11月)

    2023年10月1日(日曜)にグローバルフェスタにて「国際開発キャリアセミナー」を開催しました。

    本事業は今年で3年目になりますが、毎年、若手の方を対象に本学会の会員が自身のキャリアについて経験をお話し、その後、質疑応答を行う形式で実施しています。今年は佐藤仁会長、本委員会の委員でもある大橋正明会員、上智大学の荻巣崇世会員にご登壇頂きました。

    質疑応答では「なぜ開発の世界に入ったのか」、「実務と研究の関係性について」、「ワークライフバランスの取り方」等について質問が出され、お3人に率直なところをお答え頂きました。

    オンラインで時間も限られていましたので、1往復のやり取りだけになってしまいましたが、本来はもっとじっくりとお酒でも飲みながら聞きたい内容でした。今後のご参考にして頂けますと幸いです。本事業は3年件で11名の方にご登壇頂きました。改めて全ての登壇者、参加者の皆様に御礼申し上げます。

    また、この3年間で本委員会主催のシンポやセミナーに多くの方にご参加頂き、充実した委員会活動をして頂きました。ご尽力頂きました委員を初め、関係各位にこの場をお借りして深く御礼申し上げます。本当にどうも有難うございました。

     

    社会連携委員会
    委員長:川口純(筑波大学)




    【会員限定】常任理事会議事録(第239・240・241回)

    第239回常任理事会

    • 日時:2023年8月19~22日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1) 審議事項

    1. 第33回全国大会(@明治大学)の大会運営予算に係る留保金の取り扱いが審議された。
    2. 3名の新規入会希望者が承認された。

    第240回常任理事会

    • 日時:9月3日(日曜)13時00分~15時15分
    • 方法:オンライン(Zoom)
    • 出席:佐藤仁(会長)、高田(副会長)、池上、佐野、島田、小林、杉田、川口、三重野(以上、常任理事)、志賀(事務局長)、秋保(事務局次長)

    議題

    (1)審議事項

    1. 総務委員会より、2024年度の支部・研究部会の設置について説明があり、了承された。
    2. 人材育成委員会より、2024年の第4回国際開発論文コンテストの開催案について説明があり、了承された。
    3. 本部事務局より、現行定款の改正の検討状況について説明があり、改正する方向性について了承された。
    4. 本部事務局より、2年間連続して会費を未納としている会員の退会処分について提案があり、了承された。

    (2)報告事項

    1. 社会連携委員会より、国際協力キャリアセミナーの開催について報告があった。
    2. 賞選考委員会より、春季大会のポスター発表の表彰結果および今年度の学会賞選考の進展状況について報告があった。

    第241回常任理事会

    • 日時:2023年10月5~7日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1)審議事項

    • 15名の新規入会希望者が承認された。

    (2)報告事項

    • 39名の退会者、25名の休会申請者、58名の会費減額申請者が報告された。

    本部事務局
    事務局長:志賀裕朗(横浜国立大学)




    【会員限定】理事会議事録(第120・121回)

    第120回理事会

    • 日時:2023年8月5~8日
    • 方法:メールによる開催

    (1)審議事項

    以下が提案され、いずれも了承された。

    1. 小國和子会員(日本福祉大学)および松本悟会員(法政大学)を副会長候補として、小山田英治会員(同志社大学)、狩野剛会員(金沢工業大学)、北村友人会員(東京大学)、木全洋一郎会員(国際協力機構)、工藤尚悟会員(国際教養大学)、澤田康幸会員(東京大学)、島田剛会員(明治大学)、杉田映理会員(大阪大学)、関谷雄一会員(東京大学)を常任理事候補として、2023年11月11日開催予定の会員総会に提案すること。
    2. 星野晶成会員(名古屋大学)を本部事務局長候補として上記会員総会に提案すること。
    3. 萱島信子会員(国際協力機構)および佐藤峰会員(横浜国立大学)を監査役候補として上記会員総会に提案すること。

    第121回理事会

    • 日時:2023年9月4~7日
    • 方法:メールによる開催

    (1)審議事項

    • 38名の会員について、会費を連続して2年間未納としていることを理由とする退会処分に付することが提案され、了承された。

    (2)報告事項

    • 2024年度支部・研究部会の申請状況が報告された。

    本部事務局
    事務局長:志賀裕朗(横浜国立大学)




    大阪大学「内海成治先生お別れの会」12月3日開催

    JASID名誉会員で、2011年から14年まで副会長としても活躍された内海成治先生(大阪大学名誉教授)が2023年9月16日に急逝されました。

    下記のとおり、内海成治先生のお別れの会を開催させていただきますので、ご案内させていただきます。

    概要

    • 日時:2023年12月3日(日曜)13~17時(12時15分より第51講義室前で受付)
    • 場所:大阪大学人間科学研究科棟(吹田キャンパス:吹田市山田丘1-2)

    第1部:内海先生の思い出を語る会

    (本館5階 第51講義室 キャノピーホール)13時00分~15時00分

    第2部:内海先生のご縁でつながる交流会

    (東館2階 第207講義室 ユメンヌホール)15時15分~17時00分

    参加方法

    どなたもご参加していただけますが、準備の都合もございますので、参加していただける方は、次のリンクより11月15日までに参加登録(オンラインを含む)をお願いします。

    語る会、交流会のいずれかのみの参加も可能です。第1部 語る会につきましては、オンラインでの配信を予定しています。

    交流会では茶菓類を準備する予定ですが、感染症の拡大状況によっては変更される場合もあります。

    寄せ書き

    また、オンラインで寄せ書きができる「kudoboard」というWebサービス(サイト説明は英語しかありませんが、入力は日本語でできます)を利用して、内海先生との思い出など、写真やメッセージを募っています(参加されない方も書き込みしていただけます)。

    次のリンクからアップロードしていただけますと有り難いです(左上のバナー(+ Add to board)から入っていただけます)。

    なお、ご供花 ご供物の儀はご辞退申し上げます。当日は平服にてお越しください。


    本件にかんするお問い合わせ先

    内海成治先生お別れの会実行委員会

    • [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



    社会連携委員会「国際開発キャリアセミナー」10月1日開催(会員・一般)

    社会連携委員会より「国際開発キャリアセミナー」のお報せです。
    グローバルフェスタ2023のサブステージで本学会主催の企画を開催致します。

    開催概要

    • 日時:2023年10月1日(日曜)15:00~15:45
    • 方法:オンライン
    • 申し込み:不要
    • 参加費:無料

    登壇者

    1. 佐藤仁会長(東京大学)
    2. 大橋正明会員(社会連携委員、聖心女子大学)
    3. 荻巣崇世会員(上智大学)

    参加方法

    オンライン(URLはグローバルフェスタHPに掲載予定)
    #stage-program

    *何方でもお気軽にご参加頂けますので、是非、ゼミの学生さんなどに参加を勧奨下さいませ。冒頭、3名の登壇者からご自身の国際開発キャリアについてプライベートな部分も含めて面白いお話を頂き、その後、参加者の皆様から質問を頂き、質疑応答を実施致します。


    本件にかんするお問い合わせ先

    社会連携委員会
    川口 純

    • kawaguchi [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



    12 期1号理事候補者選挙の開票結果の御報告(2023年8月)

    第 34 回会員総会(2023 年 11 月)から 3 年後の会員総会までを任期とする第 12 期 1 号理事候補者の選挙を、 日本時間の 5 月 9 日(火曜) 8 時から 23 日(火曜) 17 時まで、下記のとおり電子投票にて実施いたしました。

    投票率は11.5%となり、前回の2020年の選挙11.9%を僅かに下回りました。会員の皆様には、ご協力を頂きありがとうございました。

    以下に、1)理事選挙の経過、2)開票結果、3)1号理事候補者、4)選挙管理委員会からの申し送り事項について報告いたします。

    1.1号理事候補者選挙の経過

    2020 年 12 月の総会にて選挙管理委員会の承認を頂き、選挙管理委員4名体制でスタートしました。過去2回の投票率は、2017年9.9%、2020年11.9%と高くはなく、選挙管理委員会の活動として、投票率を上げることだけを目標とすることには限界がある考えました。そこで、学会理事の仕事および選挙の仕組みのvisibility を上げて学会の活動自体に会員に関心を持ってもらうことを目指して、若者の視点で広報企画・発信をしてもらうべく、選挙管理委員会の幹事を学生会員から2021年5月に公募しました。その結果幹事4名が加わり、2023年5月までの間に、委員会委員長(会長や理事)へのインタビュー動画の配信、ツイッターでの発信、選挙のしくみやシステムの利用マニュアルなどのHP作成などの活動を展開しました。

    また、2014年(この時に電子投票シスエムを導入)、2017年、2020年に利用していた選挙システムとの契約が終了することから、新たな選挙システムに切り替える必要がありました。学会本部事務局の協力を得ながら、選挙管理委員会でWEB選挙システムのサービスを持つ数社から情報収集を行い協議をした結果をふまえ、国際文献社を選定しました。2022年夏ごろから国際文献社と密な調整をしながら国際開発学会に合わせたカスタマイズを進めていきました。あわせて投票マニュアル(PDF)や投票方法の動画を日本語と英語で作成しました。

    正式なプロセスとして、2022年 12月の総会にて1号理事候補選挙を実施することを報告し、これに基づき、2023年 1月に選挙実施を公告するメール(和・英文)を会員あてに送付するとともに、国際開発学会のホームページに同内容を掲載しました。さらに2月 1日付のニューズレターVol. 34, No.1(通巻第127号)にて選挙告示を掲載しました。 2022年 12月 4日時点で会員の資格を有し、その後退会した者、休会申請した者を除いた名簿を 2023年 4月 9日付(電子投票 実施の30日前)で確定しました。そして、電子投票の公告を 5 月 1 日付ニューズレター No.2(通巻第 128 号)で行いました。学会ウェブサイトから被選挙者名簿と電子投票マニュアルをダウンロードできるようにするとともに、ML にてその旨を配信しました。

    電子投票は、予定どおり5月9日(火曜)8時から23日(火曜)17時まで実施されました。選挙期間中、選挙管理委員が交代制でヘルプデスクを設置しました。投票開始日の当日にWEB選挙システムのURLと個々人のパスワードが配信されましたが、一部の会員がメールを受けとれないという状況があり、その対応をいたしました。

    開票は5月23日(火曜)18時に選挙管理委員・幹事および学会事務局長立ち合いのものと、東京の学士会館会議室にて行われました。

    以下、投票状況とあわせて報告いたします。

    2.開票結果

    投票率、投票者数等は、次の表のとおり。

      2023年 (今回) 2020年 2017年 2014年 2011年 2008年
    選挙権保有者数 (a) 1,557 1,607 1,669 1,677 1,626 1,574
    投票者数 (b) 179 191 165 325 285 249
    投票率 (b/a) 11.5% 11.9% 9.9% 19.4% 17.8% 16.0%

    【注】2008年と2011年は紙による投票。2014年は紙と電子投票の併用。2017年、2020年、2023年は電子投票のみ。

    3.1号理事当選者

    開票結果に基づき、18名を当選者として本部事務局に報告し、会長名で本部事務局が打診したところ、16名内諾、2名辞退となりました。そのため、選挙管理委員会は本部事務局の連絡を受け、補欠候補予定者を追加当選者とし、その該当者3名を本部事務局に連絡し、本部事務局はその3名について打診をして内諾を得ました。その結果、以下の会員が 1 号理事候補者の当選者となりました。
     なお、選挙管理委員会は追加当選者の次に得票数が多かった同点4名を補欠候補として本部事務局に連絡しました。

    氏 名(50音順)

    *カッコ内は所属先

    • 伊東 早苗(名古屋大学)
    • 小川 啓一(神戸大学)
    • 小國 和子(日本福祉大学)
    • 川口 純(筑波大学)
    • 北村 友人(東京大学)
    • 黒田 一雄(早稲田大学)
    • 樹神 昌弘(神戸大学)
    • 坂上 勝基(神戸大学)
    • 佐藤 仁(東京大学)
    • 佐藤 寛(開発社会学舎)
    • 澤村 信英(大阪大学)
    • 島田 剛(明治大学)
    • 杉田 映理(大阪大学)
    • 高田 潤一(東京工業大学)
    • 高橋 基樹(京都大学)
    • 藤掛 洋子(横浜国立大学)
    • 松本 悟(法政大学)
    • 山形 辰史(立命館アジア太平洋大学)
    • 山田 肖子(名古屋大学)

    4.選挙管理委員会からの申し送り事項

    今回の選挙で利用したWEBシステムは、3年後の次回の1号理事候補選挙にも引き継がれることを報告いたします。今回、得られた経験を3年後の選挙に引き継いで、会員の多様な意思がより反映できる理事会となることを目指したいと考えております。

    2023 年 5 月 23 日
    国際開発学会 選挙管理委員会

    • 委員長:杉田 映理 (大阪大学)
    • 委員: 岡部 恭宜(東北大学)
    • 委員:仲佐 保(シェア=国際保健協力市民の会)
    • 委員: 鍋島 孝子 (北海道大学)
    • 幹事:Fanantenana Rianasoa Andriariniaina
    • 幹事:藤山 美律
    • 幹事:神正 光
    • 幹事:松田 華織

    選挙管理委員会
    委員長:杉田映理(大阪大学)




    【会員限定】常任理事会議事録(第236・237・238回)

    第236回常任理事会

    • 日時:2023年5月2~5日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1) 審議事項

    18名の新規入会希望者が承認され、7名の退会者が報告された。


    第237回常任理事会

    • 日時:5月28日(日)9時00分~11時15分
    • 方法:オンライン(Zoom)
    • 出席:佐藤仁(会長)、高田(副会長)、池上、佐野、島田、小林、杉田、川口、三重野(以上、常任理事)、志賀(事務局長)、秋保(事務局次長)

    議題

    (1)審議事項

    1. 第3回国際開発論文コンテスト審査結果について:大山・人材育成委員会委員(松本委員長の代理)より、応募論文13編のなかから優秀論文賞の授与対象として4編が選出されたことが報告され(最優秀論文賞は該当者なし)、承認された。
    2. 優秀ポスター発表賞の審査方法の変更について:三重野・賞選考委員長より、優秀ポスター発表賞の審査方法を変更したい旨の要請があり、承認された。
    3. 障害者の権利に関する合理的配慮について:佐藤会長(企画運営委員長)より、2019年に導入された「国際開発学会における障害者の権利に関する合理的配慮について」を、障害を有する会員の意見を踏まえてまとめた改訂案について報告がなされ、承認された。

    (2)報告事項

    1. 第12期1号理事候補選挙結果および候補者の確定について:杉田選挙管理委員長より、5月に実施された第12期1号理事候補選挙結果が報告された。続いて、志賀事務局長より、選挙における得票数上位者に1号理事就任を打診した結果、19名の第12期1号理事候補者が確定されたことが報告された。
    2. 第12期会長候補者について:志賀事務局長より、本年11月11日の会員総会に提案する次期(第12期)会長候補者の推薦手続きについて説明が行われた。
    3. 入会者、退会者、会費未納退会になる可能性がある会員について:志賀事務局長より、68名の会員が2年度分の会費未納を理由として退会処分になる可能性がある旨が報告され、会費納入促進の方策について議論が交わされた。

    第238回常任理事会

    • 日時:2023年7月7~10日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1)審議事項

       

      本部事務局
      事務局長:志賀裕朗(横浜国立大学)




      【会員限定】理事会議事録(第117・118・119回)

      第117回理事会

      • 日時:2023年5月6日(土曜)~7日(日曜)
      • 方法:メールによる開催

      (1)審議事項

      会費未納会員の退会処分

      2021年度および2022年度の2年間にわたり会費を支払っていない会員15名について、事務局が国際開発学会定款附則第5項に従って退会処分とすることを提案し、承認された。

      理事候補者選挙細則の改正

      選挙管理委員会より国際開発学会理事候補者選挙細則の改正案が提案され、承認された。

      (2)報告事項

      19名の新規入会希望者、10名の退会者が報告された。


      第118回理事会

      • 日時:2023年5月28日(日曜)13時00分~14時40分
      • 方法: Zoom(オンライン)による開催
      • 出席者(敬称略):佐藤仁(会長)、高田(副会長)、池上、佐野、島田、小林、川口、三重野(以上、常任理事)、志賀(事務局長)、小國、藤掛、岡島、山形、西川、市橋、小川、大橋、鍋島、勝間、黒田、藤倉、萱島、佐藤寛、高橋(以上、理事)、秋保(事務局次長)

      (1)審議事項

      第3回国際開発論文コンテスト審査結果について

      大山・人材育成委員会委員(松本委員長の代理)より、応募論文13編のなかから優秀論文賞の授与対象として4編が選出されたことが報告され(最優秀論文賞は該当者なし)、承認された。

      障害者の権利に関する合理的配慮について

      佐藤会長(企画運営委員長)より、2019年に導入された「国際開発学会における障害者の権利に関する合理的配慮について」を、障害を有する会員の意見を踏まえてまとめた改訂案について報告がなされ、承認された。

      (2)報告事項

      第12期1号理事候補選挙結果および候補者の確定について

      杉田選挙管理委員長より、5月に実施された第12期1号理事候補選挙結果が報告された。続いて、志賀事務局長より、選挙における得票数上位者に1号理事就任を打診した結果、19名の第12期1号理事候補者が確定されたことが報告された。

      優秀ポスター発表賞の審査方法の変更について

      三重野 賞選考委員長より、優秀ポスター発表賞の審査方法を変更したい旨の報告があった。

      入会者、退会者、会費未納退会になる可能性がある会員について

      志賀事務局長より、10名の入会希望者、3名の退会希望者が報告された。また、68名の会員が2年度分の会費未納を理由として退会処分になる可能性がある旨が報告され、会費納入促進の方策について議論が交わされた。


      第119回理事会

      • 日時:2023年6月10日(土曜)11時30分~12時15分
      • 方法:対面(第24回春季大会会場)による開催
      • 出席者(敬称略):佐藤仁(会長)、高田、山田(以上、副会長)、池上、川口、小林、佐野、杉田、松本(以上、常任理事)、志賀(事務局長)、池見、黒田、佐藤(寛)、澤村、高橋、鍋島、西川、道中、山形(以上、理事)、渡邉(オブザーバー、京滋支部長)、秋保(事務局次長)、工藤(第24回春季大会実行委員長)、小松(第34回全国大会実行委員長)

      冒頭に、工藤・第24回春季大会実行委員長から挨拶が行われた。また、小松・第34回全国大会実行委員長から、挨拶および大会の準備状況についての報告があった。

      (1)審議事項

      第12期会長候補の選出について

      志賀事務局長より、山田肖子・第12期理事(第11期副会長)を次期会長候補として推薦し、本年11月11日に実施される会員総会に提案することが報告され、承認された。

      第12期会長候補の選出について

      次期(第12期)会長候補者の選任について、5月30日から6月6日までの期間、現任(第11期)の理事より候補者の推薦の受付を行った。その結果、理事6名から山田肖子会員を推薦したい旨の届け出があった。これを踏まえ、理事会では、推薦人代表者からの説明を徴したのち、山田会員を次期会長候補として本年11月11日に実施される会員総会に提案することを承認した。

      (2)報告事項

      今後の会合予定について:志賀事務局長より、本年11月11日の会員総会までの理事会、常任理事会の会合日程(予定)について説明があった。

       

      本部事務局
      事務局長:志賀裕朗(横浜国立大学)




      【会員限定】第2号理事決定会合議事録

      • 日時:2023年6月10日 19時30分~20時30分
      • 方法:対面(第24回春季大会会場近隣の会議場)およびオンラインの併用による開催

      • 出席者(敬称略):佐藤仁(会長)、高田、山田(以上、副会長)、池上、川口、北村、小林、佐野、島田、杉田、松本(以上、常任理事)、志賀(事務局長)、伊東、池見、小川、黒田、佐藤(寛)、澤村、高橋、鍋島、藤掛、藤倉、山形(以上、現理事)、坂上、樹神(以上、次期1号理事)

      議事

      志賀事務局長より、本年5月に実施された第12期第1号理事選挙の結果選出された次期第1号理事の属性(所属・性別・専門分野等)についての説明が行われた。これを踏まえ、第12期第2号理事候補者についての議論が行われ、15名の会員を次期第2号理事候補者として選出した。

      本部事務局
      事務局長:志賀裕朗(横浜国立大学)




      日本評価学会:社会実験分科会『話題提供:EBPMの最新動向と課題』7月1日開催(会員・一般)

      日本評価学会-社会実験分科会では2023年度研究報告会を開催することになりました。

      毎回100名近くの参加申込をいただいている大会です。今回も自由論題セッションにて、国際協力分野の発表が3本ございます。

      なお、社会実験分科会では、過去20年で4回にわたり「エビデンスに基づく実践」(EBP)および「エビデンスに基づく政策立案」(EBPM)をテーマとした学会誌特集号を発行して参りました(日本評価学会の学会誌「日本評価研究」2006,2010,2016,2020)。

      今回も珠玉の発表が揃えておりますところ、ぜひご参加ください。Zoom開催で参加は無料です。

      開催主旨

      近年、『エビデンスはあるのか?』が、政策論争において叫ばれるようになりました。エビデンスとは効果検証の結果のことを指します。今回の研究報告会は、『話題提供:EBPMの最新動向と課題』と題して開催致します。また、例年通りに自由論題セッションも開催して、幅広くエビデンスに基づく実践の研究成果をご発表いたたく場と致します。指定討論者も置き、成果は日本評価学会の本体にも提出される、正式な学会発表の場となります。

      • 主催:日本評価学会-社会実験分科会
      • 日時:2023年7月1日(土曜)9:30~12:30
      • 場所:Zoom
      • 参加費用:無料

      プログラム

      9:30-9:40 キーノートスピーチ
      田辺智子(早稲田大学教育総合科学学術院 准教授、日本評価学会-社会実験分科会長)

      9:40-10:20 話題提供:EBPMの最新動向と課題
      <このセッションの主旨>
      EBPM(Evidence-Based Policy Making)(エビデンスに基づく政策立案)が国内外で盛り上がっております。この最新動向と課題について、当分科会の各研究者から短時間でご発表いただきます。(10分x3名程度+質疑応答10分の予定)

      1. 『Theory of Change に関わる階層とレベル感』
        正木朋也・国際開発機構(JICA)
      2. 『ODAにおけるインパクト評価の再現性の問題』
        佐々木亮・国際開発センター(IDCJ)

      10:20-12:20 自由論題セッション
      <このセッションの主旨>
      通常の学会の自由論題セッションと同じです。定量的な分析・評価の報告を想定しています。指定討論者を社会実験分科会から指名します。

      発表1:尾瀬国立公園トイレチップ支払増加プロジェクト
      Oze National Park Toilet Tip Payment Increase Project
      鈴木宏和(特定非営利活動法人Policy Garage)
      指定討論者:選定中

      発表2:子どもの心理的ストレスに対する図書館活動の効果―ミャンマー帰還難民の事例から-
      Impact of library activities on the psychological stress of children: Case of the returnees from Myanmar
      三宅隆史・シャンティ国際ボランティア会 指定討論者:津富宏・静岡県立大学

      発表3:SDGs達成に向けた革新的資金のインパクト評価の可能性:ODAとグローバル・タックスの支出に関する一考察
      A Study on the Potential Impact Assessment of Innovative Financing mechanism for SDGs Achievement: An Examination of ODA and Global Tax Expenditures
      唐語思(横浜市立大学)
      指定討論者:佐々木亮・国際開発センター(IDCJ)

      発表4:ヨルダン国ヨルダンにおけるシリア難民への平和の創出に係るインパクト評価
      Evaluation of the Peacebuilding Impact: Water Supply Improvement in the Host Communities of Syrian Refugees in Jordan
      佐々木亮/高杉真奈・国際開発センター(IDCJ)
      指定討論者:田辺智子・早稲田大学

      12:20-12:30 閉会の挨拶
      正木朋也(国際協力機構(JICA))

      参加申し込み方法

      参加(視聴)を希望される方は以下のURLして必要事項を記載して6/26(月曜)までにお申し込みください(最大100名まで)。

      その他

      本会は全日程をZoomで実施します。最新情報につきましては参加登録の際に登録いただきましたメールアドレスにご案内をいたします。ご確認いただきますようよろしくお願いいたします。また、ご登録いただいたメールアドレスに今後の社会実験分科会の活動のご案内をお送りさせていただく場合があります。


      本件にかんするお問い合わせ先

      国際開発センター(IDCJ) 評価部
      主任研究員 佐々木亮/Ryo SASAKI

      • [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
      • 電話番号:03-6718-5932
      • FAX番号:03-6718-0910
      • 〒108-0075 東京都港区港南1-6-41 芝浦クリスタル品川12階



      新刊案内:2023年5月新刊、野田真里編著『SDGsを問い直す:ポスト/ウィズ・コロナと人間の安全保障』法律文化社

      茨城大学の野田と申します。この度、SDGsの各分野でご活躍の第一線の多くの学会員にご執筆をいただき、拙編著『SDGsを問い直す:ポスト/ウィズ・コロナと人間の安全保障』を法律文化社より上梓いたしました。

      本研究は当学会のSDGsに関する2つの研究部会(「持続可能な開発とSDGs」、「開発のレジリエンスとSDGs」)の成果でもあります。

      概要と特色

      SDGs(2016~2030年)の中間年にあたる2023年、SDGsを問い直す野心的研究として、人間の安全保障上の危機であるコロナ禍の教訓を踏まえ、ポスト/ウィズ・コロナを展望しています。

      本書はSDGsの17目標に因んで17の論稿から構成され、第1部では「取り残される人々」とレジリエンス、第2部ではSDGsの「5つのP」に焦点をあて、経済・社会・環境の持続可能性やパートナーシップについて重層的・多角的にSDGsでこれまであまり論じられてこなかった点や批判的な観点もふまえている点も特色といえます。

      学会員限定のご案内

      会員割引

      国際開発学会第24回春季大会にて配布の申し込み用紙をご利用いただきますと割引価格でご提供。

      ラウンドテーブル

      同春季大会にて、本書の刊行に合わせて「SDGsを問い直す」セッションをオンラインにて開催(6月10日、12:30-14:30)。詳細は下記をご参照ください。何卒、よろしくお願い申し上げます。

      執筆者を代表して 野田真里

      『SDGsを問い直す ポスト/ウィズ・コロナと人間の安全保障』

      • 2023年5月1日刊行
      • A5判/並製/302頁/税込3,520円(本体3,200円+税)
      • ISBN 978-4-589-04208-8

      目次

      序文 なぜ、SDGsを問い直すのか?
      SDGs 17の目標
      第 1 章 SDGsと人間の安全保障の再考——新型コロナ危機とポスト/ウィズ・コロナを切り拓く

      <第 1 部 新型コロナ危機で「取り残される」人々とSDGs、レジリエンス>
      第 2 章 貧困層とSDGs——ポスト・コロナ時代の貧困撲滅と社会的保護
      第 3 章 難民とSDGs——地球社会のパイオニアとして
      第 4 章 移民・外国人労働者とSDGs——新たな連帯の構築に向かって
      第 5 章 災害弱者とSDGs——危険から誰一人取り残さないための思考
      第 6 章 女性・女子とSDGs——世界の未来を背負う人々
      第 7 章 高齢者とSDGs——高齢社会の可能性
      第 8 章 障害者とSDGs——取り残されてもなお生き延びるマイノリティ

      <第 2 部 ポスト/ウィズ・コロナとSDGs>
      第 9 章 グローバルヘルスとSDGs——ワクチン・ナショナリズムの克服に向けて
      第 10 章 教育とSDGs——教育のあり方を問い直す
      第 11 章 資本主義経済とSDGs——豊かさの意味を問い直す
      第 12 章 環境とSDGs——気候変動や生物多様性問題からみる社会変革の必要性
      第 13 章 平和とSDGs——新型コロナ禍のSDGsを支える平和と正義、強固な行政組織
      第 14 章 開発協力(ODA)とSDGs——新しいパートナーシップが切り拓く未来
      第 15 章 グローバル・ガバナンスとSDGs——グローバル・タックス、GBI、世界政府
      第 16 章 NGO・市民社会とSDGs——市民社会スペース、COVID-19対応支援、アドボカシー

      編者・執筆者

      • 野田真里 (編者、第1章)茨城大学人文社会科学部教授、同大学地球・地域環境共創機構兼務。国際開発学会本部事務局長、常任理事(大会組織委員長)、「持続可能な開発とSDGs」研究部会代表、「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会副代表等を歴任。
      • 伊東 早苗(第2章)名古屋大学大学院国際開発研究科教授、国際開発学会第10期副会長
      • 佐藤 安信(第3章)東京大学大学院総合文化研究科元教授、同大学グローバル地域研究機構持続的平和研究センター元センター長、早稲田大学アジア太平洋研究センター特別センター員
      • 藤田 雅美(第4章)国立国際医療研究センター国際医療協力局連携協力部長、みんなの外国人ネットワーク(MINNA)運営メンバー
      • 佐藤 寛(第4章)開発社会学舎主宰、みんなの外国人ネットワーク(MINNA)運営メンバー、国際開発学会第8期会長
      • 小松 愛子(第4章)長崎大学大学院博士前期課程、みんなの外国人ネットワーク(MINNA)実施メンバー
      • 関谷 雄一(第5章) 東京大学大学院総合文化研究科教授、同大学グローバル地域研究機構持続的開発研究センター長、国際開発学会「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会代表
      • 大谷 順子(第6章)大阪大学大学院人間科学研究科教授
      • 稲葉 美由紀(第7章)九州大学基幹教育院教授
      • 西垣 千春(第7章)神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授
      • 森 壮也(第8章)日本貿易振興会アジア経済研究所前主任調査研究員
      • 神馬 征峰(第9章) 東京大学大学院医学系研究科元教授、日本国際保健医療学会前理事長
      • 北村 友人(第10章) 東京大学大学院教育学研究科教授、同大学大学院新領域創成科学研究科サステイナビリティ学グローバルリーダー養成大学院プログラム教授(兼任)
      • 劉 靖(第10章)東北大学大学院教育学研究科准教授
      • 芦田 明美(第10章)名古屋大学大学院国際開発研究科准教授
      • 大門(佐藤) 毅 (第11章) 早稲田大学国際教養学部教授、同大学国際平和戦略研究所所長
      • 蟹江 憲史(第12章) 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授、SFC研究所 xSDG・ラボ代表、Global Sustainable Development Report2023 執筆者
      • 森田 香菜子(第12章) 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所主任研究員
      • 長 有紀枝(第13章)立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科・社会学部教授、難民を助ける会(AAR Japan)会長、人間の安全保障学会(JAHSS)第5代会長
      • 戸田 隆夫(第14章)明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科特別招聘教授、国際協力機構元上級審議役
      • 上村 雄彦(第15章) 横浜市立大学国際教養学部教授
      • 高柳 彰夫(第16章)フェリス女学院大学国際交流学部教授、国際協力NGOセンター(JANIC)政策アドバイザー

      本件にかんするお問い合わせ先

      法律文化社

      • eigyo [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



      第12期1号理事候補選挙結果のお知らせ

      先日行われた次期(第12期)1号理事候補選挙の結果を踏まえ、下記19名の会員から了承を得られましたので、第12期1号理事に就任することが決まりました。就任(任期開始)は、2023年11月11日(土曜)に開催される第34回会員総会終了後となります。

      国際開発学会第12期1号理事

      (敬称略・五十音順)

      伊東早苗(名古屋大学)、小川啓一(神戸大学)、小國和子(日本福祉大学)、川口純(筑波大学)、北村友人(東京大学)、黒田一雄(早稲田大学)、樹神昌弘(神戸大学)、坂上勝基(神戸大学)、佐藤仁(東京大学)、佐藤寛(開発社会学舎)、澤村信英(大阪大学)、島田剛(明治大学)、杉田映理(大阪大学)、高田潤一(東京工業大学)、高橋基樹(京都大学)、藤掛洋子(横浜国立大学)、松本悟(法政大学)、山形辰史(立命館アジア太平洋大学)、山田肖子(名古屋大学)

      なお、第12期会長候補については、役員候補選出規程(下記参考をご参照ください)に基づき、上記19名から選出することになります。春季大会時(6月10日)に開催される第119回理事会で次期会長候補者を決定する予定です。

      専攻分野や地域、所属機関等のバランスを考慮して選任される2号理事の候補者については、6月10日夜に開催される第12期2号理事候補決定会合で決定し、会合後にご本人への打診を行います。候補者が確定した後、改めてご連絡いたします。


      (参考:国際開発学会役員候補選出規程の該当箇所。太字は事務局による。)

      第1条 学会定款第11条第1項にもとづき、次期会長・副会長・常任理事の各候補は、現任の理事会において選出し、次期理事会の了承を得たうえで、直近に開催される会員総会の出席者(委任者も含む)の過半数の承認をもって、会長・副会長・常任理事として正式に選任するものとする。

      第2条 現任の理事会が次期理事会及び直近に開催される会員総会に提案する会長候補は、次期1号理事に選出された者の中から現任理事5人以上の推薦にもとづき、現任の理事会での審議を経て決定する。会長候補の推薦・選考にあたって各理事は学識、学会への貢献、会務の円滑な執行の可能性を十分に考慮しなければならない。複数の会長候補の推薦があった場合は、現任の理事会出席者による投票において最も得票の多い者を候補とする。


      本件にかんするお問い合わせ先

      国際開発学会・本部事務局