開催案内「国連放牧地と遊牧民の国際年2026年に向けた国際セミナー・ワークショップ」5月11・12日開催(会員・一般)

この度、二つの研究助成プロジェクトの共催で、2024年5月11日(土曜)・12日(日曜)に、法政大学市ヶ谷キャンパスにて、国連の「放牧地と遊牧民の国際年2026年(UN IYRP 2026)に向けて、オックスフォード大学からアリエル・アハーン講師とトロイ・スタンバーグ主任研究員をお招きして、国際セミナーとそのサイドイベントとなる国際ワークショップを開催致します。

2022年3月に開催された国連総会において、2026年を「放牧地と遊牧民の国際年」とすることが全会一致で宣言され、日本政府もこれに向けた動きを支持してきました。

同宣言は、地球の地表面積の半分以上は放牧地が占めており、かつ、急速な砂漠化に苦しんでいることを指摘しました。

また、放牧地と遊牧民は、現在各地域で緊急の課題に直面しており、SDGsの達成のためには、持続可能な放牧地と遊牧の実現に向けた取り組みを急速に拡大する必要があることが承認されました。

日本では国連IYRP2026の認知度は低く、SDGs達成のために遊牧民と放牧地が果たす重要な役割も十分に認識されていません。

同宣言では、遊牧は多様な生態系、文化、アイデンティティ、伝統的知識、自然と共存してきた歴史的経験と結びついた、ダイナミックで柔軟性に富んだ生業であると認められています。

したがってIYRP2026年に向けて、放牧地と遊牧に関連する研究分野による学術的な対話を促進することが期待されています。

本セミナーとワークショップでは英国の内陸アジア研究者と日本のアフリカ研究者(村橋勲、佐川徹、島田剛、阪本拓人・榎本珠良、目黒紀夫、橋本栄莉)がそれぞれ報告を行い対話します。

講演・質疑応答言語は英語です。フライヤー、プログラム、参加方法、アクセス等の詳細につきましては下記ウェブページをご参照下さい。

参加お申し込みの締め切りは2024年5月3日(金曜)です。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
*詳細は変更になる場合がありますので、随時ホームページをご参照ください。

国際セミナー案内ウェブページ

国際セミナー-国連「放牧地と遊牧民の国際年2026年/

国際ワークショップ案内ウェブページ

国際ワークショップ-国連放牧地と遊牧民の国際年2/


本件にかんするお問い合わせ先

科研費基盤研究(A)23H00031、JSPS国際共同研究プログラムJPJSJRP20211705

  • localizationtoafrica [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



新刊案内 『レジリエンスは動詞である─アフリカ遊牧社会からの関係/脈絡論アプローチ』(京都大学学術出版会)

私ども科研費チームは、欧州大学院大学のグレタ・センプリチェ研究員、米国エモリー大学ピーター・D・リトル教授との共編著で、Reconsidering Resilience in African Pastoralism: Towards a Relational and Contextual Approachを昨年刊行しましたが、この度、同書の和訳版『レジリエンスは動詞である─アフリカ遊牧社会からの関係/脈絡論アプローチ』を京都大学学術出版会から刊行しました。

今日、「レジリエンス」は「SDGs」とともに、人新世の地球を救う鍵のように言われておりますが、外部からは脆弱でレジリエンス強化の対象と眼差され続けてきたアフリカ遊牧民の側から、揺らぐ生の脈絡に応じた日々のダイナミックな実践—すなわち動詞—こそがレジリエンスに他ならぬことを明らかにし、政策と実践の転換を促した国際共同研究の成果です。

本書のエピローグは、英国サセックス大学のイアン・スクーンズ教授が執筆しており、各章を評価しながら総括しています。ご高覧いただければ幸いです。

日本語版 『レジリエンスは動詞である─アフリカ遊牧社会からの関係/脈絡論アプローチ』(京都大学学術出版会)

英語版 Reconsidering Resilience in African Pastoralism: Towards a Relational and Contextual Approach (Trans Pacific Press)

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開催案内「JICA緒方貞子平和開発研究所ブックローンチセミナー」4月22日開催(会員・一般)

昨年10月、研究プロジェクト「日本の産業開発と開発協力の経験に関する研究:翻訳的適応プロセスの分析」は、Springer社より英文書籍”Introducing Foreign Models for Development: Japanese Experience and Cooperation in the Age of New Technology”を出版いたしました。

つきましては、4月22日(月曜)15時より、ブックローンチセミナーをオンラインにて開催いたします。

本書の編者らが書籍の概要を紹介するとともに、海外から専門家をお招きし、経済開発におけるラーニングと知識共創の新たな視点や実践的アプローチ、SDGsとデジタル化の時代におけるラーニングなどについて議論します。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

開催概要

  • Date and Time: April 22, 2024, 15:00-16:30 (JST)
  • Format: Online participation (Zoom)
  • Language: English (Japanese interpretation available)
  • Fee: Free

Program:

  1. Opening Remarks
  2. Book Overview
  3. Expert Comments: International Experiences on Knowledge Cooperation (including Video Message)
  4. Discussion and Q&A

Speakers:

<Opening Remarks>

  • Akio Hosono, Senior Research Advisor, JICA Ogata Research Institute

<Presenters>

  • Izumi Ohno, Professor Emeritus, National Graduate Institute for Policy
    Studies (GRIPS) and Senior Research Advisor, JICA Ogata Research Institute
  • Kimiaki Jin, Chief Advisor, Quality and Productivity Improvement (Kaizen) Project in South Africa, JICA

<Moderator>

  • Junichi Mori, former Chief Technical Advisor for the Skills for Prosperity Programme in Malaysia, International Labour Organization (ILO)

<Discussants>

  • Joonghae Suh, Senior Fellow Emeritus, Korea Development Institute (KDI)
  • Stephan Klingebiel, Head of Inter and Transnational Cooperation Research Program at the German Institute of Development and Sustainability (IDOS), Visiting Professor at the University of Turin and Ewha Womans University, Seoul
  • Toru Homma, Senior Advisor to the CEO, AUDA-NEPAD (Senior Advisor on Private Sector Development, JICA)

<Video Message>

  • Getahun T. Mekonen, Certified Kaizen Principal Consultant, Ethiopia

申し込み方法

ご参加は以下のサイトからご登録ください。
/jica_ri/news/event/


本件にかんするお問い合わせ先

JICA緒方貞子平和開発研究所

  • dritrp [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



新刊案内「Reforms in Public Sector for Curbing Corruption in Bangladesh.」

Bangladesh is a growing economy with 180 million population in south-asian region. It got independence in 1971 with a bloody civil war which caused huge damaged in infrastructure and production system. After independence, Bangladesh progressed lot in human development and economic sector with help of other developed nations. But the main problem of this nation towards development is overwhelming corruption. This paper will discuss on corruption problem of Bangladesh, reasons behind corruption, reforms initiative taken by the government and provide some suggestion to solve this problem.

Main Problem of Bangladesh in the Way of Development:

Bangladesh achieved high level growth in last few decades. But during this period, this nation has been also suffering from rampant corruption in all level specially in public sectors. It is now the main problem in country’s progress and create hindrance in the way of development. “Just under 70 percent of youths described corruption and nepotism as the main obstacles to the country’s development in a recent survey conducted by Citizen’s Platform for SDGs, Bangladesh” (Mahmudul, 2023). According to Transparency Internationals (TI), a German based international Non-Governmental Organization, renowned for it its efforts for curbing corruption in worldwide “Corruption erodes trust, weaken democracy, hamper economic development and further exacerbates inequality, poverty, social division and environment crisis” (IT).

In TI run Corruption Perception Index (CPI) ranking, Bangladesh became most corrupted country for five consecutive years from 2001 to 2005. In contrary, during this period, it improve in terms of scores from 0.4 at 2001 to 24 at 2009. After that, its anti-corruption progress became stagnant and still it’s score 25 at 2022 and it’s ranking was 12th most corrupted country. It means, despite rapid economic growth, Bangladesh failed to deal with it’s main problem.

もくじ

Part-1: Reasons Behind of this Problem in Bangladesh:

Firstly, continuous political instability.

Secondly, corrupted political ruling parties.

Thirdly, lack of leadership.

Fourthly, culture.

Fifthly, regional influence.

Part-2: Reform Initiatives for Curving Corruption in Bangladesh:
Signed and ratified the International Conventions.

Establishing ‘The office of the Comptroller and Auditor General (OCAG)’.

Establishing ‘The Anti-Corruption Commission (ACC)’.

Enacted ‘The Right to Information Act-2009’.

Established ‘National Integrity Strategy (NIS)’.

Initiative for ‘Digital Bangladesh’.

Part-3: Possible Solutions to Curve the Corruption in Bangladesh:

A) Political Will.

B) Empowered Institutionalization.

C) Social Movement.

D) Enhancing Transparency and Accountability.

E) Deepening Democracy.

F) Utilizing the Global Experience.

G) Digitization.


本件にかんするお問い合わせ先

Monirul Islam
Master’s Student (2nd Year)
Department of International Business Law,
Graduate School of International Social Science,
Yokohama National University, Kanagawa, Japan

Mobile: 08040750987




世界銀行セミナー「開発・気候・生物多様性のための森林グローバルチャレンジプログラム」4月10日開催(会員・一般)

世界銀行では新たに「グローバル チャレンジ プログラム」(GCPs:Global Challenge Programs)を展開しています。

これは、途上国政府に対する融資・助言・技術協力を提供する国際復興開発銀行(IBRD)/国際開発協会(IDA)、途上国で展開する民間企業による事業に対する投融資・助言を提供する国際金融公社(IFC)と保証を提供する多数国投資保証機関(MIGA)が一体となって、地球規模の課題への取り組みをさらに前進させるために官民セクターのソリューションをより迅速かつ効果的にとりまとめ、より多くの融資、より多くのパートナーシップ、より多くの知識を求めるニーズに対応します。

GCPsでは、複製かつ拡張可能なアプローチにより、各国がより迅速かつ効果的に開発成果を達成できるよう支援し、持続可能な開発目標 (SDGs) の達成に貢献します。最初のGCPsとして6件が選定され、そのうちの一つは「開発・気候・生物多様性のための森林」をテーマとするプログラムです。

この度、クリスチャン・ピーター世界銀行環境・天然資源・ブルーエコノミーグローバルプラクティス プラクティスマネージャーの来日の機会を捉え、クリティカルな森林バイオームにおける持続可能な森林経済の構築に向けてどのようなアプローチをとろうとしているのか、また、GCPが本分野において資金提供・支援を行う官民セクターの様々な団体とどのようにパートナーシップを構築できるかについてご紹介します。使用言語は英語(日本語への通訳なし)です。

開催概要

  • 日時:2024年4月10日(水曜)午後0時~午後1時(日本時間)
  • 方法:ハイブリッド(webex)
  • 詳細:

プログラム

報告

クリスチャン・ピーター
世界銀行環境・天然資源・ブルーエコノミーグローバルプラクティス プラクティスマネージャー

コメント

森尚樹
地球環境戦略研究機関(IGES)ファイナンス・タスクフォース プロフラムディレクター

報告者紹介

The World Bankクリスチャン・ピーター
世界銀行環境・天然資源・ブルーエコノミーグローバルプラクティス プラクティスマネージャー

環境、保全、天然資源管理において30年以上の経験を有する。1998年、世界銀行入行。アフリカ地域総局、ラテンアメリカ・カリブ海地域総局、東アジア・太平洋地域総局において、環境・天然資源管理の専門家として本部および現地事務所において融資業務に従事してきた。ドイツのゲオルグ・アウグストゲッティンゲン大学で森林科学・管理学修士号を取得。

申し込み方法

ご参加は以下のサイトからご登録ください。


本件にかんするお問い合わせ先

世界銀行東京事務所
大森

  • komori [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



新刊案内:「人新世」から世界を問う

世界情勢が混沌化する中で、マクロな視野からの見直しが重要です。

時間スケールを拡張した人類史的視点から世界動向を論じ、国連SDGsの意義についても言及しています。

以下、一般向け普及書を刊行しましたのでご紹介します。

『 今さらだけど「人新世」って?―知っておきたい地球史とヒトの大転換点 』WAVE出版(2024/03/19刊)

本書は「人新世」時代を生きる私たち人間が、この先いったいどうなっていくのかについて、地球史とヒトの進化を振り返り、急速に発展する最新技術とのかかわりに触れ、さまざまな思想をもとに、近未来から遠未来まで展望します。

複雑かつ混迷を深める現代世界を立体的・重層的に掘り下げ、困難な時代状況を見すえて、未来への展望をどのように見出すかについて、巨視的視野から描き出しました。

ぜひ多くの方々に、人新世という大転換期がはらむ奥深い問題への関心を共有いただき、お目通し頂けますと幸いです。

(はじめに、終わりに、紹介)

人新世の名称、国際地質科学連合の小委員会で最近否決されたのですが、地質学の概念をこえて、その意味する内実が、改めて問われています


本件にかんするお問い合わせ先

 古沢広祐・研究室

  • furusawa [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



採用公募「SDGsジャパン事務局スタッフ募集」

SDGs市民社会ネットワークでは、SDGsに関する政策提言を担当する職員を募集しています。

今年の国連未来サミット、来年の日本政府のVNRが主な関与の対象です。

正規職員あるいは業務委託契約職員のどちらかの形での採用を考えています。

関心がありそうな方に共有いただけますと幸いです。

一般社団法人 SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)事務局スタッフ募集

「誰一人取り残さない」SDGs達成に向けた、市民社会のネットワーク構築および政策提言活動に関心のある方、一緒に働いてみませんか。

一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)では、下記の通りスタッフを募集します。

募集概要

  • 人数:1 名程度
  • 雇用形態:契約職員
  • 雇用期間:2024年4月1日~2025年3月31日(ただし最初の3カ月間は試用期間とし、3ヵ月終了後に本契約を判断する)
    ※勤務状況、業務の進捗状況等を踏まえ、双方の合意により契約を更新します(1年ごとの有期契約)
    ※2年目に正職員の登用の可能性有り
    ※業務開始日については相談に応じます
  • 勤務日:月~金曜日のうちの週4日前後(土・日・祝日・年末年始休)
  • 勤務時間:9:00-18:00(昼食休憩1時間、実働8時間)
    ※イベントや会議での休日出勤や、時間外勤務あり(その場合は振替休日の取得により対応)
    ※状況に応じて、テレワーク勤務あり
    ※前後2時間の時差出退勤制度あり
  • 給与:年齢・経験や能力を考慮の上、当法人規程による給与を支払う。
  • 手当:通勤手当支給(上限有り)
  • 保険等:健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険加入
  • その他:年次有給休暇あり(6カ月継続勤務し、8割以上出勤した場合)

勤務内容

SDGsジャパン事務局業務全般に関すること。

(1) 「誰一人取り残さない」SDGs達成のための政策提言活動。

  • SDGsジャパンが作成する政策提言文書のとりまとめ
  • 会議やセミナー開催の企画運営
  • その他関係する会議やイベント、セミナーへの参加と議事録取りまとめ など

(2) NPO・市民活動団体、国会・地方議員や政党、行政や企業と協働し、SDGsを達成することを目的としたセミナー、ワークショップ、研修などの企画、運営、コーディネート及び業務に関連する事務。

(3) SDGsジャパン会員とのコミュニケーション。

  • 会員団体とのコミュニケーション、各種問い合わせ対応
  • 会員団体及び支援者・機関向けの制作物の作成 など

勤務地

千代田区飯田橋1-7-10 山京ビル本館605(状況に応じて在宅ワークは応相談)
※新型コロナウィルス等感染症対策のため、団体として在宅勤務を決定した場合は、在宅で勤務していただきます。

応募者に求める経験や資質

  • 「誰一人取り残さない」SDGsの達成にむけた市民社会の取り組みに共感をもっており、政策提言における市民参加やネットワーク形成に関心があること。
  • 論理的思考と事務処理能力に長け、社会人経験が3年程度あること。
  • 事務作業を厭わず、少人数チームの中で円滑な人間関係を築くことができるコミュニケーション能力があること。
  • マイクロソフト「ワード」「エクセル」「パワーポイント」の扱いに習熟し、Eメール対応の実務での使用経験があること。
  • 日本語での業務が滞りなくできること(事務所内での基本使用言語は日本語です)。
  • 英語での業務ができる方を優先します。

※2024年4月からの勤務が可能(応相談)で、職務に求められる知識・技能のある方を優先します。

応募方法

応募を希望される方は、下記メールアドレス宛てにタイトルを「職員の応募について」と明記の上、以下の提出書類と合わせてご応募ください。

ご提出いただいた経歴書、志望動機書はお戻ししませんので予めご了承ください。

  • 経歴書(様式自由)
  • 志望動機書(当団体のウェブサイトをご覧いただき、志望動機とこれまでのご経験がどのように応募職種に生かせるかを2000字以内で明記してください)

採用方法

  • 第1次選考:経歴書、志望動機書
  • 第2次選考:面接(対面を基本としますが、現在海外在住など遠隔地にいらっしゃる方にはオンラインによる面接を行います)

応募期間

随時

※採用者が決定次第、応募を締め切ります。適任者がいない場合は、応募期間を延長します。


本件にかんするお問い合わせ先

一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)
担当:新田

  • nitta[※] [※]を@に変更してください。
  • 電話番号:03-5357-1773(月・水・木)10:00-17:00電話受付
  • 住所:千代田区飯田橋1-7-10山京ビル本館605



新刊案内・Publications「Temp」

この度、国際協力NGOセンター(JANIC)のシンクタンク部門、THINK Lobbyより、研究誌『THINK Lobbyジャーナル』第2号が発刊されました。

第2号では、「複合危機下の開発協力」を特集テーマに据え、市民社会の視点から貧国撲滅や平和構築等の国際課題に取り組んできた研究者による研究ノート/調査報告/書評に加え、昨年改定されたODA大綱に関する外務省を交えた座談会記事や昨年のG7広島サミットでの市民社会組織による活動報告等を収録しています。

もくじ

巻頭挨拶「開発協力大綱改定にみる国際協力の本質とNGOの役割」

座談会記事「日本の開発協力の未来を探る 開発協力大綱改定は我々に何を示唆するのか」

コラム「社会価値と企業価値の両立へ 新たな企業観を『実装』するために」

研究ノート「SDGsの中間年を迎えて『我々の世界を変革する』ための課題」
研究ノート「2つの危機下の世界のODA」

調査報告「複合危機下の国際協力途上国の債務問題と市民社会の役割」
調査報告「複合危機下の国際協力-保健分野を含めて-」
調査報告「在住外国人支援のアクターとしての社会福祉協議会と国際協力NGO/NPO―『多文化ソーシャルワーク』の先へ―」
調査報告「『伝統的』ドナーから『新興』ドナーへ 北と南のNGOの関係の再構築の試み」
調査報告「The Experience of Becoming a Refugee: Evacuation and Resettlement of Afghanistan Citizens in Japan」
調査報告「日本における女性の政治参加の現状と課題~G7サミットの機会を活用した市民社会による提言活動~」

報告記事「アジアセンター 第8回国際会議:『アジアにおける選挙と民主主義』に参加して」

活動報告「G7広島サミットに向けたC7およびG7市民社会コアリション2023の活動」
活動報告「Defending Democracy and Civic Space in Asia (DDCSA) and Tokyo Democracy Forum (TDF)」
活動報告「THINK Lobby Corporate Social Justice Project Report 2023」

書評「山形辰史著 『入門 開発経済学グローバルな貧困削減と途上国が起こすイノベーション』(2023)」

編集後記「『複合危機下の開発協力』はどうあるべきか?」

本文入手方法

論文データベースサイト「J-STAGE」(PDFおよびHTML形式)

電子版は以下、J-stageサイトから無料で閲覧・ダウンロードいただけます。

第3号への投稿募集中

第3号への掲載原稿の締め切りは、2024年9月30日です。

*まずは「投稿規定/執筆要綱」および「査読体制」をお読みください。応募いただいた原稿については、本号特集の構成などを総合的に勘案し、編集委員会で掲載可否について審査のうえ、後日編集責任者から採否について連絡いたします。なお、執筆内容について事前に相談を希望される方は、投稿文の仮タイトルと要旨を 600~800字程度でまとめ、お名前・ご所属・連絡用メールアドレスを明記した上で、以下事務局まで電子メールでお問い合わせください。

皆さまの研究成果の交流の場として、今後とも本誌をご活用いただけますと幸いです。


本件にかんするお問い合わせ先

『THINK Lobbyジャーナル』発売・発行・編集制作
編集・発行:NPO法人 国際協力NGOセンター
発行所:出雲出版(島根県出雲市下横町350)

  • admi [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



社会的連帯経済研究部会 共催セミナ「農と食に見る社会的連帯経済」3月26日開催(会員・一般)

社会的連帯経済研究部会・みんなのSDGs共催セミナー「農と食に見る社会的連帯経済」

みんなのSDGsでは、環境・経済・社会にまたがるテーマとして、サーキュラ―エコノミー(循環経済)と社会的連帯経済をとりあげ、連続でセミナーを開催しています。

第1回(2023年10月)には、「誰一人取り残さないキュラーエコノミーに向って~社会やひとの視点からみた社会的連帯経済~」と題して、二つのアプローチの基本を学び、関連する「社会やひと」に関わる課題について議論しました。

第2回(2024年1月)には、「誰一人取り残さないサーキュラ―エコノミーに向かって~社会やひとの視点からみた食と農の課題~」と題して、食と農に関するサーキュラーエコノミーに 焦点をあて、社会やひとの視点から見つめました。

まず食と農のサーキュラーエコノミーの概要を学び、続いて地域での実践事例をもとに、ライフスタイルを含めた社会やひとの課題について考えました()。

シリーズ第三弾として、前回と同じ食と農に焦点を当てながら、社会的連帯経済を学ぶセミナーを企画しました。

社会的連帯経済(SSE)は、協同組合や共済組織などが中⼼となって多様な経済主体と連携しつつ新しい持続可能な経済社会の構築を⽬指す国際的な連帯運動です。

2023年4月18日には、国連総会で「持続可能な開発に向けた社会的連帯経済の推進」が決議されています。

開催概要

  • 日時:2024年3月26日(火曜)18:30 – 20:30
  • 方法:Microsoft Teamsオンラインセミナー
  • 主催:社会的連帯経済研究部会・みんなのSDGs

プログラム

第一部:プレゼンテーション

1) 世界と日本の食と農に関する政策の動向と社会的連帯経済
古沢広祐氏(国学院大学客員教授、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)代表理事)

2) 生協が進める体験農園と都市における農的空間: 生活クラブ神奈川が運営するみんなの農園
小口広太氏(千葉商科大学人間社会学部准教授、アジア太平洋資料センター(PARC)理事)

3) ブラジルのフェイラリブレ(自由の市<いち>)と社会的連帯経済を推進する大陸間ネットワーク(RIPESS)
田中滋氏(アジア太平洋資料センター理事・事務局長)

第二部:ディスカッション

モデレーター: 大橋正明氏(SDGs市民社会ネットワーク)、神田未和氏(国立国際医療研究センター)

申し込み方法

ご参加希望の方は、下記リンクからお申込み下さい。

参加ご登録いただいた方に限り、ご希望される方に動画の事後配信(1か月程度)を予定しております。


本件にかんするお問い合わせ先

みんなのSDGs 国立国際医療研究センター 国際医療協力局
藤田雅美

  • mfujita [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



国際女性デー シンポジウム「学校における月経のヘルスプロモーション」3月9日開催(会員・一般)

国際女性デーに合わせて、ジェンダー平等にむけた一歩として、学校のトイレ内に生理用品が用意されている環境をつくり、月経教育を強化することの必要性と課題について考える国際シンポジウムを、大阪大学 MeWプロジェクト主催で開催します。

本シンポジウムでは、 世界的な⽉経をめぐ るジェンダー平等のムーブメントを牽引しているコロンビア⼤学公衆衛⽣⼤学院のソマー教授をお招きし、 看護学がご専⾨の埼⽟県⽴⼤学元副学⻑兼学部⻑の鈴⽊名誉教授、 学校での⽣理⽤品無償提供を開始した明⽯市市⺠⽣活局⻑の箕作⽒にご登壇頂き、 プレゼンテーションに続いて、パネルディスカッションを行います。

開催概要

  • 日時:2024年3月9日(土曜) AM 10:00~11:30
  • 方法:ハイブリッド(オンライン配信)
  • 会場:大阪大学中之島センター 10F 佐治敬三ホール
  • 定員:先着80名
  • 言語:同時通訳付き
  • 主催: 大阪大学 UNESCOチェア MeWプロジェクト
  • 共 催 : 大阪大学 感染症総合教育研究拠点(CiDER)
    大阪大学 ダイバーシティー&インクルージョンセンター
    大阪大学 人間科学研究科附属未来共創センター

プログラム

登壇者

  • Sommer Marni先生(コロンビア大学公衆衛生大学院 教授)
  • 鈴木幸子先生(埼⽟県⽴⼤学元副学⻑ 兼 看護学部⻑、名誉教授)
  • 箕作美幸 局長(兵庫県明石市 市民生活局長 )

開会のご挨拶:

  • 井上惠嗣理事(大阪大学 理事・副学長、ダイバーシティ&インクルージョン・SDGs 担当理事)
  • [ビデオメッセージ] 山本 ベバリー・アン理事(大阪大学 理事・副学長、国際(教育)担当理事/ 大阪大学UNESCOチェア代表)

モデレーター:

  • 杉田映理(大阪大学人間科学研究科教授 / MeWプロジェクト代表)

申し込み方法

対面でのご参加は、お申し込み順の先着80名様とさせて頂きます。

オンラインでご参加の方も、上記よりお申込みください。ウェビナーのリンクを後日お送りします。

※申込み〆 切: 3⽉ 6⽇(水曜)


本件にかんするお問い合わせ先

大阪大学 UNESCOチェア MeW Project

  •   [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



公開研究会(オンライン)「SDGs推進体制下の人類社会におけるベーシックインカム運動の現状と課題」2月19日開催(会員・一般)

法政大学大原社会問題研究所共同研究プロジェクト「SDGs推進体制下の人類社会におけるベーシックインカム運動の現状と課題」(代表の岡野内正ほか48名。2021年5月発足)公開研究会(オンライン)のお知らせ

すでに研究成果の一部は、『大原社会問題研究所雑誌』778(2023年8月号)の特集「ベーシックインカム運動研究の地平」で公開していますが、本年もさらに同誌特集論文として続々と出していきます。

ご要望にお応えして、研究会もできるだけ公開していきますので、ご関心をお持ちの方は、ご参加ください。歓迎します。

以下の要領で、行います。申し込みは不要、参加無料です。それぞれのZOOM情報にしたがっておいでください。

開催概要

  • 日時:2024年2月19日(月曜)15時~17時
  • 方法:オンライン(ZOOM)
  • 参加費:無料
  • 主催:法政大学大原社会問題研究所共同研究プロジェクト「SDGs推進体制下の人類社会におけるベーシックインカム運動の現状と課題」

報告者:

河村有介(神戸大学)

タイトル:

エジプトの社会保障とベーシック・インカム:なぜベーシック・インカム運動は盛り上がらないのか?

報告要旨:

管見の限り、中東・北アフリカ諸国では、総じてベーシック・インカム運動が大きく盛り上がっていない。

本報告では、(ベーシック・インカム運動が盛り上がっていないことの理由を特定することは困難ではあるものの)中東・北アフリカ地域の権威主義国家の一つであるエジプトに焦点を当てて、2011年の「アラブの春」以降の社会保障改革の動向を分析することを通して、ベーシック・インカム運動が盛り上がらない背景について考察する予定である。

参加方法

申し込みは不要、参加無料です。下記のZOOM情報にしたがっておいでください。

2024年2月19日 03:00 PM 大阪、札幌、東京
ミーティング ID  823 4514 8600
パスコード     500869
招待リンク


本件にかんするお問い合わせ先

法政大学社会学部
岡野内 正

  • otadashi [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



国際シンポジウム「東北大学 Transforming Higher Education for Sustainability」2月19日開催(会員・一般)

この度、東北大学大学院教育学研究科主催の国際シンポジウム(Transforming Higher Education for Sustainability)を開催する運びとなりました。

ご多用の時期であるかと存じますが、是非ご参加くださいますようご案内申し上げます。

持続可能性のための高等教育の変革 アジア太平洋地域における グリーンリテラシーのための教育・学習の革新

International Symposium on Transforming Higher Education for Sustainability in the Asia-Pacific Region: Innovations in Teaching and Learning for Green Literacy

開催概要

  • 日時:14:00-17:00, February 19, 2024
  • 方法:対面・オンライン
  • 会場:Meeting Hall 11F
  • 主催:Graduate School of Education, Tohoku University

Background:

With the rapid economic and social change in the Asia-Pacific region, many universities have been actively promoting the SDGs. According to the 2022 Times Higher Education (THE) impact ranking (THE, 2022), 534 out of 1,410 reported universities were located in the Asia-Pacific region. One-third of them were in a top 100 university ranking position. Furthermore, these universities have achieved highly performed engagement in promoting the SDGs. Although a vast amount of research in the Asia-Pacific region covers the topic of higher education, studies unveiling the transformation of HES still need to be explored. Therefore, it is necessary to explore how higher education institutions create innovative, interdisciplinary, and collaborative teaching, learning, and research to promote the SDGs implementation.

Purpose:

This symposium aims at exploring innovative initiatives taken by higher education institutions in Asia and the Pacific region to transform teaching and learning for Green Literacy (in a broad sense, it defines as knowledge and skills which enable individuals to take actions for building sustainability) and contributing to the achievement for the 2030 Agenda. Moreover, it is to bring higher education stakeholders, international organizations and other stakeholders to discuss what are the necessary transformation in teaching and learning required within universities to collectively achieve the SDGs in the Asia-Pacific region.

プログラム

13:20-14:00 Registration

14:00-14:15 Opening remark 
Introduction

14:15-15:00 Keynote speech
Mr. Libing Wang, UNESCO Bangkok

15:00-15:20 Photo Session & Coffee Break

15:20-16:40 Case studies
1. Chulalongkorn University
Ms. Sornnate Areesophonpichet
Ms. Fuangarun Preededilok

2. Tsinghua University
Ms. Zhou Zhong, Tsinghua University

3. The Education University of Hong Kong
Mr. Weiyan Xiong, The Education University of Hong Kong

4. Tohoku University
Mr. Jing Liu, Tohoku University

16:40-17:00 Q & A Session

17:00 Closing Remark
Mr. Hideki Kozima, Vice Dean, Graduate School of Education, Tohoku University

申し込み方法

対面参加事前登録

Onsite Participation Registration:

 

オンライン参加事前登録

Online Participation Registration:

 


本件にかんするお問い合わせ先

東北大学大学院教育学研究科 
劉靖
Jing Liu, Graduate School of Education, Tohoku University

  • [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



新刊案内「SRIDジャーナル第26号発行のご案内」

昨年9月にインドが議長国となりG20ニューデリー・サミットが開催されました。

G20メンバーに加えてバングラデシュ、エジプト、ナイジェリア等の国が招待され、多様な議論が行われました。

インドのモディ首相は、初日から首脳宣言を発表する異例のプロセスに踏み切り、ロシアのウクライナ侵攻に関して内容が大幅に後退したものの、2年連続で宣言を出せない事態を回避しました。

時代は大国間の覇権争いに加えて混迷深まる多極化に向かい始めています。

この様な複合危機の中、特集は「武力紛争と大国間の覇権争いの中で、自主性と結束を求める開発途上国の開発課題」としました。

巻頭エッセイでは開発途上国を取り巻く背景を論じ、論説とインサイトでは、中国と一帯一路、グローバルサウスのリーダーとしてのインド、開発途上国の課題としてミャンマーを事例にSDGsの現状、国連での最新の温暖化議論、イスラエル‐ガザ武力紛争を取り上げました。

また、ブックエッセイ、SRID活動報告、途上国アルバムではインド外交、ジェンダーや女性の直面する問題について論じています。

SRIDジャーナル編集委員長
湊 直信


SRIDジャーナル第26号・目次

SRIDジャーナルとは

特集:

「武力紛争と大国間の覇権争いの中で、自主性と結束を求める開発途上国の開発課題」

巻頭エッセイ

  • 高橋一生:武力紛争で荒れる地球社会:自国中心主義と結束に揺れる途上国世界

論説・インサイト

  • 藤村学:メコン地域における一帯一路の現状~CLM諸国を中心に~
  • 近藤正規:グローバルサウスのリーダーとしてのインド
  • 林薫:SDGsはなお語る意味があるか?
  • 玉置佳一:24時間365日カーボンフリーのエネルギーの未来を目指して
  • 福田幸正:ガザ紛争 あらためてラビンの死を悼む

徒然草

  • 浅沼信爾:あるベンガル商人のホラ/ホラー話

国際開発研究・教育探訪

  • 高崎経済大学・地域政策学部・黒川基裕研究室

ブックエッセイ/書評

  • 山岡和純:平和と安定を愛する新興大国の雄は、世界リスクに対峙する真の政治大国となり得るか
  • 乙部尚子:キャリアの足を引っ張るものは「Greedy Work」? 男女格差を減らす為に今何が求められるか?

SRID活動報告

  • 森田宏子:日本人女性の国際機関等でのキャリア上の人間関係: 国際開発分野で働く女性のためのオンライン懇談会シリーズ第4回目

途上国アルバム

  • 森田愛:ネパールでの出産経験から見えたもの

編集後記

投稿規定


本件にかんするお問い合わせ先

SRIDジャーナル編集委員会
中島千秋

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第34回全国大会セッション報告(一般口頭発表)

一般口頭発表


1C:教育(日本語)

  • 座長:小川 啓一(神戸大学) 
  • コメンテーター:坂上 勝基(神戸大学)、黒田 一雄(早稲田大学)
  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-B104 (紀尾井坂ビルB104)
  • 聴講人数:32名

第1発表:[1C01] ケニア農村部の初等教育の公正性と包摂性―公立と私立の二項対立分析の再考

西村 幹子(国際基督教大学)

西村会員は、ケニア農村部の初等教育において、それぞれの学校を率いる校長やシニア教員が公正性や包摂性をどのように捉えているかについて発表した。

学校の公正性と包摂性は、校長や教員の背景にある考え方や経験、マサイ族の文化、地域との関係性に依っており、必ずしも私立校、公立校という二項対立軸で捉えられるものではないことを明らかにした。

これに対して、コメンテーターの黒田会員から、私立-公立という二項対立軸ではなく、それぞれの学校運営を支えるコミュニティや民族の文化、校長や教員のこれまでの経験に関するインタビュー調査の分析に基づく、本発表のユニークネスについての評価がなされた。

第2発表:[1C02] 授業形態別にみた教育効果の検証:バリ島における環境教育を事例に

栗田 匡相(関西学院大学)

第二発表では栗田会員から、バリ島における環境教育を事例にして、授業形態別による教育効果の差について検証した研究成果の報告が行われた。

座学のみと比べて、地域における体験型の環境学習を組み合わせた形態によって授業を提供する方が、教育効果が中長期間継続することを示した。

これに対し、コメンテーターの坂上会員は、環境教育の効果を実証した本研究のSDGs時代における重要性を強調した上で、対照群と処置群の選定方法について確認する質問を行った。

また、環境問題に関する児童の認知能力向上のみならず、介入が環境保全状況の改善に与える効果まで検討する、今後の研究の展開の可能性についての指摘がなされた。

第3発表:[1C03] 現状に見るミャンマー連邦共和国の基礎・高等教育の課題 

牟田 博光(国際開発センター)

第三発表で牟田会員は、新型コロナウイルスと軍事政権の成立という二重のショックを受けたミャンマー連邦共和国の基礎・高等教育における現状と課題について、発表した。

教員研修の重要性、学力低下の危惧、人的資源蓄積の滞り、混乱収束後の課題が示された。

これに対して、コメンテーターの黒田会員は、日本が長年援助してきたミャンマーにおいて、教育システムが不安定になっている状況について言及した。

また、本発表で使用されたデータの貴重性を強調した上で、今後学術論文として世に公開されることへの期待を述べられた。

第4発表:[1C04] コートジボワールの初等教育における非認知能力の視点からみた教育の質

小松 勇輝(大阪大学大学院)

第四発表では小松会員から、コートジボワールの初等学校に通う児童の非認知能力、特に自己効力感と教育の質に関する報告がなされた。

学校内の児童-教師間のインタラクションと職業教育における徒弟制が、児童の自己効力感の涵養プロセスに関与していることが、主に参与観察を用いた長期間のフィールド調査によって明らかになった。

これに対してコメンテーターの坂上会員は、初等教育を対象とする研究の中で、公立校とインフォーマルセクターである職業教育の事例のみ取り出して、並列にして分析をすることの妥当性について質問した。

また、学術的蓄積が比較的乏しい西アフリカにおける、本研究の意義の大きさについても言及した。

【総括】

本セッションでは、ケニア、インドネシア、ミャンマー、コートジボワールにおける教育の現状や課題、最新の動向についての研究成果が報告された。

コメンテーターからのコメント・質問はもとより、フロアからも積極的に質問やコメントが挙がり活発な議論が行われ、発表者・参加者の双方にとって有意義なセッションとなった。

報告者:小川 啓一(神戸大学)

1D:若者と雇用(日本語)

  • 座長:吉田 和浩(広島大学) 
  • コメンテーター:狩野 剛(金沢工業大学)、谷口 京子(広島大学)
  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 11:00
  • 会場:紀-B108 (紀尾井坂ビルB108)
  • 聴講人数:00名
  1. [1D01] ウガンダにおける社会的遺児の強いられた自立と職業訓練
    *朴 聖恩(京都大学大学院)
  2. [1D02] アフリカによるアフリカのための研修-ケニアの気候変動の脅威に対する第三国研修の実施を通じたサブサハラアフリカ諸国への貢献-
    *本庄 由紀(ケニア国技術協力プロジェクト)
  3. [1D03] ケニアにおけるコンピテンシーにもとづくカリキュラム改革-導入の背景と新たな課題-
    *大塲 麻代(帝京大学)

【総括】

報告者:吉田 和浩(広島大学)

1E:経済(日本語)

  • 座長:西浦 昭雄(創価大学) 
  • コメンテーター:山形 辰史(立命館アジア太平洋大学)、會田 剛史(一橋大学)
  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 11:00
  • 会場:紀-B112 (紀尾井坂ビルB112)
  • 聴講人数:16名

第1発表:[1E01] 中国における地域の教育格差: CHFSに基づくジニ係数の分解分析

李 鋒(中央大学大学院)

コメンテーターの會田会員より、質の高い研究であり、都市・農村内の教育格差が都市と農村間の教育格差より大きいことを示した点がユニークである一方で、①どのような仮説を検証したいのか、なぜそれが重要なのか、先行研究の中でどのような貢献があるのか、といった研究課題を明らかにすべき点、②都市・農村内での教育格差が拡大した理由まで掘り下げる点、③2014年度の制度改革による教育格差の是正に関する効果を分析する点、のコメントがあった。

これに対して、李会員より、先行研究では都市に住んでいる農村出身の人々の格差までは計測できていないと回答した。

フロアからの質疑応答では、修学年数をジニ係数で計測した先行研究の存在や格差を示す値の目安、農村戸籍から都市戸籍にコンバージョンするプロセスについての質問があった。

第2発表:[1E02] 生成系 AIの勃興がもたらす開発途上国への影響の考察:機会と脅威

内藤 智之(神戸情報大学院大学)

コメンテーターの山形会員より、生成系AIがアフリカの労働者・農民にとって脅威なのか、それとも機会なのかという議論を経済学の代替性と補完性に分けて考えると、新技術が一般的労働者の補完的になったバングラデシュ縫製業による事例からも、一般的労働力(非熟練労働)が生成系AIによって補完的になることがアフリカ貧困削減につながることになるとのコメントがあった。

これに対し、内藤会員からは、過去のインターネットの経験から考察すると、アフリカの雇用とAIをトレードオフではなく、ポジティブな関係だと捉えていること、補完的になれるよう今後の20年を考えるための政策提言を考えていきたい、そのため農業の中では小作農のリテラシー教育が重要性をもつのではないかと、いう回答があった。

次にフロアより、大規模言語モデルではマイナー言語の蓄積が少なくなるので言語による格差が広がるのではないかという質問があった。

第3発表:[1E03] 農産品サプライチェーンにおける多様な連帯:グローバルノースとグローバルサウスの歯車

楊 殿閣(ソリダリダード・ジャパン)

コメンテーターの山形会員より、発表では社会的連帯経済を形成するために、インドネシアのパーム油とインドのコットンを事例に国際NGOであるソリダリダードの役割について考察しているが、その役割は研究や技術協力であり、買い付けや販売組織をもっているわけではなく、ユニリーバやサラヤといった買い付けを行う企業にとってソリダリダードはどのように評価されているかを視点に加えていくべきではないかというコメントがあった。

これに対し、楊会員より、植物油を使用する企業は人権や環境保護の観点からサプライヤーとの関係に注力しているが、農業生産を専門にしているわけではないため、農業が持続可能性を保つために小農、農法支援の面で市民社会と企業のパートナーシップをとる事例が増えているとの回答があった。

フロアからの、消費者の行動変容の視点、現地政府主導の認証システム、開発途上国発の加工企業の場合のグローバルノースとグローバルサウスの立て分けについてのコメント・質問があった。

【総括】

経済分野のセッションとして、中国の都市・農村の教育格差、生成系AIによるアフリカ雇用への影響、グローバルノースとサウスの社会的連帯経済の形成など広い観点から発表され、活発なコメントならびに質疑応答があった。

そこでは国際開発を考える上での新しい視点が多く提起されるなど、有意義なセッションであったと総括できる。このセッションを萌芽としてこれらの議論が発展することを願っている。

報告者:西浦 昭雄(創価大学)

1H:水と衛生(日本語)

  • 座長:杉田 映理(大阪大学) 
  • コメンテーター:西野 桂子(関西学院大学)、緒方 隆二(国際協力機構)
  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-108 (紀尾井坂ビル108)
  • 聴講人数:20名

第1発表:[1H01] バングラデシュ南西沿岸部における世帯単位の給水サービスの可能性-ポンド・サンド・フィルターと逆浸透膜給水装置の比較から-

山田 翔太(立教大学)

バングラデシュ沿岸部の水源管理および支払い意思に関しての研究であり、今後の現場での国際協力の方法を考える際に有用な研究発表であった。その点を評価したうえで、コメンテーターからは次のコメントがあった。

1)給水施設の区分に関して、公共の水源(コミュニティ型水源)、個人単位で設置や運営できる水源、ビジネスを通じた給水サービスの3区分に分けるべきではないか?また、その上で先行研究をもとにそれぞれの長所、短所をまとめると分かり易い。

2)結論に関して、一般化しすぎているようにも見える。例えば、PSFでもうまくいっている事例もあるはずであり、ビジネスを通じたサービスでもうまくいっていない事例もあるのではないか(もしくは収入によって支払い意思が低い層の存在もあるだろう)。

3)コミュニティ型水源にもPSF以外に深井戸や小規模水道もあり、今回の1カ所のPSFを通じた調査結果や教訓をすべての公共の水源に適用できるかは疑問が残る。

第2発表:[1H02] 住民は手押しポンプをどのように用いるのかーモザンビーク北部農村における水源の多様性と季節性に着目してー

近藤 加奈子(京都大学大学院)

コメンテーターからは、モザンビーク農村住民の複数水源の利用状況、季節による水源利用の違いを明らかにしようとしている興味深い研究であったと評価された。

一方で、次の点が指摘された。分析の方法を多少改良する必要があること。まず、いくつかの種類の水源を調査対象としているが、水源の客観的なカテゴリーを明らかにした上で比較検討する必要がある(JMPによるカテゴライズ:Improved or Unimproved もしくはSafely managed, Basic, Limited, Unimproved)。

住民が複数の水源を使う場合は、水源によって使い方(例えば飲料用、料理用、その他)が異なるはずであり、データがあれば具体的使い方も含めて分析すべきではないか。また、提言は具体的な例を入れた方が良い(従来の水源の改良が望ましい→例えばどのような改良?)。

さらに、用語に関しても、「手押しポンプ」→「深井戸」もしくは「手押しポンプ式深井戸」、水源は「メイン、サブ」ではなく、「飲料用、料理用、その他」で分けた方が良いのではとの助言があった。

第3発表:[1H03] ベトナム農村部における浄水需要:個別家庭型アプローチの有効性

黒川 基裕(高崎経済大学)

コメンテーターから、ヒ素除去が可能となる小型浄水ボトルの商品企画・開発」を通じて、ハノイ近郊農家のヒ素問題が解決できるかの実証実験を試みた意欲的な研究であると評価したいこと、また、援助ではなく、BOPビジネスを検討している点が経済発展が著しいベトナムに適していると考えられることが示された。

サブスクリプション形式とし、ラテライトのフィルターを回収するところまで寛がられており、今後に対して示唆が多いとのコメントもフロアからもあった。

第4発表:[1H04] 市民参加と情報公開を通じた統合水資源管理、環境管理分野の協力アプローチの可能性

大塚 高弘(独立行政法人国際協力機構)

「参加型の取り組みを効果的に活用する協力アプローチとは?」という問い、すなわち、「JICA・カウンターパート・住民(社会)の三方よしの協力アプローチが作れないか?」という問いに対する実践的な研究であるとコメンテーターから評価された。

また、行政から市民への情報公開の重要性は明らかである一方、タイとボリビアの2案件において参加のはしごの参加のレベルをどのように評価できるのか、質疑応答がなされた。

【総括】

個人発表枠で「水と衛生」というセッションが組めたのは、国際開発学会では久しぶりであり、非常に中身の濃い、有益なセッションとなった。

安全な水の確保を目的としながら、給水のしくみとしは、ポンド・サンド・フィルター、逆浸透膜給水装置、手押しポンプ付き深井戸、小型浄水ボトルと多様であり、水分野研究の奥行きを示すセッションであった。

また、すべての発表に共通して、住民が、それぞれの活動にどのように参加する(サブスクも含め)のかが議論されており、重要課題であることが確認された。

報告者:杉田 映理(大阪大学)

1L:海洋文化・先住民族(日本語)

  • 座長:関根 久雄(筑波大学) 
  • コメンテーター:佐藤 敦郎(九州大学)、東方 孝之(アジア経済研究所)
  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 11:00
  • 会場:紀-404 (紀尾井坂ビル404)
  • 聴講人数:13名

第1発表:[1L01] 開発に直面する先住民族の協議・ FPICに関する国際比較研究プロジェクトの構想

寺内 大左(筑波大学)
小坂田 裕子(中央大学)
深山 直子(東京都立大学)

コメンテーターから、インドネシアの一民族であるダヤックを事例として取り上げた分析からはどの程度の一般化が可能なのか、多民族国家インドネシアに注目することにより分析を拡張できる可能性、そして地方政府の特徴に注意する必要性、といった指摘や質問があった。

これらに対して、事例研究としてダヤックに注目する(インドネシアの代表例として位置付けることは重視していない)ことや、アクターとしての地方政府についても注目する予定であることなどの回答があった。

また、「国連宣言の中には『継続的な協議』という文言がなく、FPICにおける『同意』が『契約』に近いことから、将来、予想外の悪影響が生じても『同意』が縛りとなり、先住民族に悪影響を強いる危険性がある」という発表内容について、フロアから国連宣言やFree Prior and Informed Consent((FRIC)の中に”Continuous”という文言を加える方法は取れないのか、という質問があり、それに対して、すでに採択された文言なに改良を行うことは非現実的であり、目の前で生じている事態に対する短期的・即効的な方策を考える必要がある、という応答があった。

第2発表:[1L02] コミュニティベース海洋環境教材の国際ネットワーク化に関する研究

小林 かおり(椙山女学園大学)

里海とは人が環境にアクセスすることであり、利活用が必然だとすれば、ゴミの海洋投棄は必要悪とも言える現象ではないのか。

「そういうもの」という発想に立脚して里海のあり方、環境教育のあり方、漂着ゴミ問題を考えることはできないか、という質問に対し、自然と人間との関係性の観点からそういう見方はありうるが、現状はすでに必要悪の次元を超えていて、改善すべき課題として直視しなければならないところまで来ており、その意味からも環境教育の必要性は待ったなしの状態にある、という趣旨の応答があった。

また、「海外と日本」の海洋環境教育といった具合に対象を二項対立的に捉えているのではないかという質問があり、それに対し、「先行研究において(海洋に限らず)環境保護は欧米と日本の捉え方は異なっていて二項対立的に捉えられ書かれる傾向があるものの、海洋環境教材はそのような発想で書かれているわけではない。

なぜなら、台湾の場合も日本と同様に「海洋環境の持続可能性」に焦点を当てた海洋環境教材が主流であるから」という回答であった。

第3発表:[1L03] 諫早湾干拓の開発史

松原 直輝(東京大学)

発表者が諫早湾干拓事業に関して、官の役割に着目していることに対して、コメンテーターは、事業主体としては官ではあるが、その中にも公共の論理と民間の論理が混在しているとの問題意識から、漁民、農民(半農半漁)、自然環境保護活動家、ディベロッパー、国(食糧増産、防災)、裁判所の立場で公共と民間の論理を指摘した。

また、歴史分析の反実仮想的な発想から、干拓事業を見るとどのように考えられるか、質問した。

コメントに対して、発表者からは、公共の論理と民間の論理について、前者について時代を越えて一貫したものが存在せず、後者が前者の中に吸収されている印象があること、また、反実仮想的な発想からの分析は今後の課題である、という回答があった。

また、諫早湾の事例について、第2発表者に対するものと同様に、発表者は「行政/市民」と二項対立的に対象を捉えているのではないかという質問が出されたが、過去の事例を踏まえると二項対立的に解釈せざるを得ない、という応答であった。

【総括】

3事例ともに外的要因に基づく開発行為が当該地域住民の暮らしに重大な影響を及ぼし、かつ彼らの生活域内における自然環境と地域住民との関係のあり方に懸念が生じたり、その関係性のあり方に変更を迫ったりするような事態を対象にした研究であった。

いずれも発表者の視点は地域住民の側に注目し、微視的に対象を捉えながら、自然環境と住民を取り巻くマクロな動きとミクロの現実との接合を試みる意欲的な研究内容であった。

報告者:関根 久雄(筑波大学)

1M:Development theory and practice (English)

  • 座長:新海 尚子(津田塾大学) 
  • コメンテーター:後藤 健太(関西大学)、島田 剛(明治大学)
  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 12:00
  • 会場:紀-407 (紀尾井坂ビル407)
  • 聴講人数:00名
  1. [1M01] Dragon Rouge Redux: Assessing China’s Economic Hegemony in Cambodia
    *Toufic SARIEDDINE(Nagoya University)
  2. [1M02] CDMモデルから考察した途上国におけるイノベーションと外資系企業の役割ーベトナムの製造業企業を事例に
    *TranThi Hue(神戸女子大学)
  3. [1M03] Digital Currency and Development: Exploring the Potential Contribution and Challenges of Central Bank Digital Currency, “ Bakong,” for Development in Cambodia
    *Hisako KOBAYASHI(Oriental Consultants Global Co., Ltd.)
  4. [1M04] The Role of Private Sector toward Poverty Reduction – Analysis of Case Study in India –
    *伊波 浩美(JDI)
  5. [1M05] Regional decline and structural change in Northeast China: An exploratory space-time approach
    *Chen Yilin(Nagoya University, Graduate School of International Development)

【総括】

報告者:新海 尚子(津田塾大学)

1N:オンライン(日本語)

  • 座長:高柳 彰夫(フェリス女学院大学)
  • コメンテーター:戸田 隆夫(明治大学)、高橋 基樹(京都大学)
  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 12:00
  • 会場:紀-409 (紀尾井坂ビル409)
  • 聴講人数:00名
  1. [1N01] インドネシア・リアウ州における泥炭火災予防:現状・課題・対応案 *久保 英之1、Albar Israr2、Kurniawan Anung 2 (1. JICA専門家、2. インドネシア国環境林業省)
  2. [1N02] ASEAN諸国におけるデジタル経済促進分析:課題と戦略
    *原 正敏1、*橋 徹2 (1. ビジネス・ブレークスルー大学大学院、2. 早稲田大学)
  3. [1N03] 障害者権利条約に基づく国際協力を巡る論点及び概念整理の課題に関する一考察一各国への総括所見及び建設的対話の分析から
    *福地 健太郎(国際協力機構)
  4. [1N04] 島嶼は日本の縮図たるか?——離島及び日本における水・エネルギーの対外依存状況に着目した一考察
    *關谷 武司1、*吉田 夏帆2、*芦田 明美3 (1. 関西学院大学、2. 兵庫教育大学、3. 名古屋大学)
  5. [1N05] エジプト日本科学技術大学における教育研究機器導入、および活用プログラム開発
    *松下 慶寿(エジプト日本科学技術大学)

【総括】

報告者:高柳 彰夫(フェリス女学院大学)

1O:援助機関と現場(日本語)

  • 座長:林 薫(グローバル・ラーニング・サポート・コンサルタンツ代表/元文教大学教授)
  • コメンテーター:小林 誉明(横浜国立大学)、志賀 裕朗(横浜国立大学)
  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 11:00
  • 会場:紀-412 (紀尾井坂ビル412)
  • 聴講人数:20名

第1発表:[1O01] 日本の政府開発援助の効率性とコンサルタントの関係

*大須賀 誠(法政大学大学院 公共政策研究科 博士後期課程)

本報告は日本のODA の技術協力に関して、ODA 大綱の変遷、経済団体と政府の関与、援助体制とコンサルタントの役割などについて概観し、日本の援助実施体制が欧米に比較して弱体であること、このギャップを埋めているのがコンサルタントであるが、ODA予算の減少によって、コンサルタントの雇用が減少したり単価が引き下げられたりしていることなどが、ODAの実施体制を更に困難に陥れていることを説明しようとした報告である。

報告ではコンサルタントは相手国の要望に合わせた機材を国際的な経験によって把握しているので、助言や専門的知識を提供することで技術協力が効果的に推進できるであろうが、残念ながら、コンサルタントの知見が政策立案に十分反映される条件になっているとは言えない。

さらに、個々のコンサルタントの処遇も十分ではなく、何らかの育成策が必要であると結論づけている。

本報告に対しては、「日本のODAの効率性とコンサルタントの関係」がリサーチ・クエスチョンであり「コンサルタントを活用すること」がその答えなのだとすると、新聞報道、ODA大綱、経済団体の要望書、日本の援助体制の未整備(職員数の少なさ)はエビデンスとして不十分ではないかという疑問が提起された。

むしろ、人数で「効率性」を測っているのであるとすれば、現在すでに日本のODAは極めて効率的と判断することもできるわけであるから、そもそもODAの効率性とは何かという概念定義からしっかりと行う必要がある点も指摘された。

座長からも、ODAの規模の指標として予算額は必ずしも適切ではなく、事業規模も見るべきであること、コンサルタントの雇用形態や役割は多様であり、さらなる分析と考察が必要であることを指摘した。

第2発表:[1O02] バングラデシュ郡自治体円借款事業によるガバナンス改善:ガバナンス借款の可能性

*宗像 朗1、*杉山 卓2 (1. 独立行政法人国際協力機構、2.株式会社コーエイリサーチ&コンサルティング)

本報告は、バングラデシュの郡自治体借款事業(UGDP)1を事例にガバナンス借款の可能性を検討したものである。

この事業では①バングラデシュ全郡(約500 郡)を対象に実施した行政評価、②行政評価に基づいた開発資金の郡への供与、③研修とファシリテーターによる基本行政実施支援、の三つを柱にする約147 億円の円借款事業である。

このPDCAとインセンティブを組み合わせた仕組みにより、群自治体関係者のオーナーシップが高まり、説明責任の向上や適正な手続きの確保など実際にガバナンス改善が見られたとし、ガバナンス借款には大きな可能性があるとした報告である。

本報告に対しては、円借款によって全国的・広域的にガバナンス改革を促進する可能性を検討した興味深い論考であること、またその経緯を丹念に記録しデータを採った上でシンプルな記述統計を使って効果の発現を示した実証分析であることから、極めて高い評価がなされた。

一方、「日本の援助機関によるバングラデシュという特定の国に対する一事例」の紹介(アネクドート)にとどまっている嫌いがあるため、比較事例研究とするなどして、一国事例を超えた普遍的な教訓を引き出すことを検討してほしいとのコメントがなされた。

座長からは、これは日本の国際協力におけるプログラム支援の成功例であり、円借款という資金規模が大きい仕組みを使って全国をカバーできたことが、指摘されたような効果を生んだと考えられ、特筆すべきであるが、ガバナンス改善効果についてはより客観的なデータで評価する必要があること、インパクト評価を実施すれば教訓を一般化できることなどを指摘した。

第3発表:[1O03] 技術協力プロジェクトにおける効果的な実施・監理手法に関する考察~パキスタン国パンジャブ州上下水道管理能力強化プロジェクト(フェーズ1、フェーズ2)の事例における非技術的要素の検討~

*佐藤 伸幸(日本テクノ株式会社)

本報告は、技術協力のプロジェクト・マネジメントの一要素としてペタゴジー(Pedagogy;子供を教える技術と科学)に対するアンドラゴジー(Andragogy:成人の学習を援助する技術と科学)に焦点を当てた。

前者では知識を教えることに重点が置かれるが、後者では気づきと学びが重要である。

アンドラゴジーの要素を検討の結果、報告では、効果的なプロジェクト・マネジメントは、①どのような考え方でプロジェクトのカウンター・パートに対応してゆくのか、② どのような視点・問題意識とプロセスで協力を進めてゆくのか、③技術協力専門家の役割と立ち位置はどのようなものかの3点が重要であると結論づけた。

本報告に対しては、技術協力プロジェクトの成功要因の概念化に取り組んだ興味深い論考であり、見えにくく注目されにくい「非技術的要素」にも光を当てている点は意義深いとの評価がなされた。

そして、単一事例研究に終わらせずにより広い普遍的なrelevanceを持つものに発展させるためには、他国・他機関の事例との比較研究を行って理論的な精緻化を進めてほしいとの提案がなされた。

その一方で、「アンドラゴジー」という概念の有効性を証明するための事例分析をしているようなきらいがみられるため、既存のドグマに囚われすぎる必要はなく、むしろ現場の経験に基づいて既往理論に修正を加えるくらいの姿勢があっても良いのではないかという指摘もなされた。

座長からは、教育で「気づきと学び」を重視するアプローチは、現在ではアクティブ・ラーニングのように小中学校の学習でも重視されるようになってきており、ペダゴジーとアンドラゴジーの対比はやや古いパラダイムになりつつあるのではないかという指摘を行った。

【総括】

総じて、本セッションはODAを通じた人材育成の重要性に焦点が当てられ、その最適な手法についての議論が行われたセッションになった。

日本のODAの強みは人材育成であり、これが日本の国際的な役割として重要であること、ODA政策において人材育成がもっと重視されるべきであることを座長から指摘して、セッションを終わった。

報告者:林 薫(グローバル・ラーニング・サポート・コンサルタンツ代表/元文教大学教授)

2L:Health, gender, family (English)

  • 座長:松山 章子(津田塾大学)
  • コメンテーター:高松 香奈(国際基督教大学)、宇井 志緒利(明治学院大学)
  • 2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-404 (紀尾井坂ビル404)
  • 聴講人数:20名

第1発表:[2L01] Scalable and Sustainable Adaptive Solutions to COVID-19 Disruptions in Family Planning (FP) Health Service Delivery in the Philippines

Leslie Advincula LOPEZ
Jessica Sandra Claudio
Haraya Marikit Mendoza
(Ateneo de Manila University)

The presentation was on a policy advocacy-oriented research on family planning health service delivery in the Philippines based on the experiences during the COVID-19 pandemic. Dr. Shiori Ui, the discussant, acknowledged its academic and practical significance in flexibility and innovative adaptation experiences of the project activities during normal time which can be utilized for the pandemic time. She, however, raised some important inquiries including the needs of detailed analysis of BARMM (Bangsamoro Autonomous Region in Muslim Mindanao). She also emphasized the importance of further analysis on its role of the identified Health Care Provider Network. Exploring how it contributes to UHC (Universal Health Care) would be very much insightful for us.

第2発表:[2L02] Caring through a Pandemic: Filipino transnational families’ survival of disrupted mobility during the COVID-19 crisis

Derrace Garfield MCCALLUM(Aichi University)

The presentation was on the study exploring the impact of digital technology on Filipino transnational families, focusing on how ICT (Information and Communication Technology) ’s influence the (re)creation and maintenance of family bonds during the COVID-19 pandemic. The discussant, Dr. Kana Takamatsu, appreciated that the paper was convincing and well organized. Acknowledging its nique feature which challenged the existing notion, she inquired some important methodological and analytical approaches. She asked if the results would be different by age and gender. It was also pointed out by her the term, “care”, should be clarified and defined since care is an ambiguous word, could mean emotional and/or financial spheres. Moreover, she raised interesting question that intimate relationships of ICTs could become possible “possessive relationship”.

第3発表:[2L03] Gender dimensions of the world of work under crises: Trends and challenges

Naoko OTOBE

The presenter reported, using the existing panel data of world of work, how these multiple crises have impacted women and men differently in the arena of work. Dr. Kana Takamatsu acknowledged that it was an informative paper to enhance the understanding of the impact of COVID-19 on work/ employment by gender perspective. She raised several questions, however, including accuracy of analysis period. Although the paper covered the crises such as COVID-19, climate change, and Ukraine and Russia conflict, the framework of the analysis period for the study was not very clear. Moreover, “intersectionality” is an important notion in gender analysis and she suggested discussion on the point would be useful for further study.

第4発表:[2L04] カンボジアにおける紛争と信頼ー2021年カンボジア社会経済調査を用いた実証分析ー

大貫 真友子(早稲田大学)
小暮 克夫(会津大学)
高崎 善人(東京大学)

This was the presentation on the study on impact of conflict exposure on social trust in Cambodia, using Cambodia Socio-Economic Survey (CSES) 2021. The data on social trust was collected through informally added questions by one of the study collaborators who was a part of the CSES 2021 team. The significance of the research topic, how conflicts may affect attitude and feelings in relation to social trust of people and community is well taken at this time of violent conflict around the world. However, Dr. Shiori Ui, the discussant, who are familiar to Cambodian society, raised an important issue regarding relevance of the questions used to measure social trust. Additionally, validity of the study topic, whether the lack of trust in non-kin-based networks is attributable to violent conflict (genocide) in Cambodia, was questioned. Rather, Dr. Ui said, a deeper-rooted problem in Cambodian society may be that trust among close kin members such as family members, relatives, and friends has been affected by violent conflict. Finally, further study prospects were discussed.

【総括】

The session offered wide variety of topics ranging from health, gender, care among family through ICT, to social trust in relation to conflict. The first three presentations, although different in topic, were all related to the impact of the COVID-19 pandemic. The last presentation, which explored the relationship between historical conflict and people’s social trust, is a very timely and important topic in light of the current global situation. I believe that those who attended the session learned a lot from these presentations. The comments by the discussants and discussion followed were also insightful and thought-provoking which would contribute to the prospect of future research.

報告者:松山 章子(津田塾大学)

2M:Sustainability (English)

  • 座長:高田 潤一(東京工業大学)
  • コメンテーター:藤倉 良(法政大学)、道田 悦代(アジア経済研究所)
  • 2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-407 (紀尾井坂ビル407)
  • 聴講人数:00名
  1. [2M01] Sustainability Reporting: Quality Concerns of Third-Party Tools and A Call for High-Quality Third-Party Tools to Avoid Greenwashing
    *Vivek Anand ASOKAN(Institute for Global Environmental Strategies)
  2. [2M02] 生物多様性条約の「 DSI」の国際開発への影響
    *渡邊 幹彦(山梨大学)
  3. [2M03] 太平洋島嶼地域における環境意識調査~ミクロネシア連邦の事例研究~
    *高木 冬太(立命館大学)
  4. [2M04] Global RCE Network: Action-oriented Education for Sustainable Development
    *Jongwhi Park2, *Sawaros Thanapornsangsuth1,2, *Shengru Li2, Fred Emmanuel Sato2(1. Tokyo Institute of Technology, 2. Institute of Advanced Studies, United Nations University)

【総括】

報告者:高田 潤一(東京工業大学)

2N:Online (English)

  • 座長:西村 幹子(国際基督教大学)
  • コメンテーター:マエムラユウ・オリバー(東京大学)、内海 悠二(名古屋大学)
  • 2023年11月12日(日曜)09:30 〜 10:30
  • 会場:紀-409 (紀尾井坂ビル409)
  • 聴講人数:00名
  1. [2N01] 観光と環境のネクサス:ラグーナ州パグサンハン、カビンティにおける地元の認識に対する多面的な検証
    *ALINSUNURIN Maria Kristina2、*新海 尚子1 (1. 津田塾大学、2. フィリピン大学ロスバニョス校)
  2. [2N02] インドネシアにおける職業教育と非認知能力が労働成果に与える影響
    *崔 善鏡(広島大学)

【総括】

報告者:西村 幹子(国際基督教大学)

2O:社会開発、コミュニティ(日本語)

  • 座長:小早川 裕子(東洋大学) 
  • コメンテーター:藤掛 洋子(横浜国立大学)、松丸 亮(東洋大学)
  • 2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-412 (紀尾井坂ビル412)
  • 聴講人数:18名

第1発表:[2O01] 通域的な学びの実践 – Africa-Asia Business Forumにおける学び合いを媒介とした地域間のつながり

工藤 尚悟(国際教養大学)

本研究では、国際協力や開発学の地域研究に従来の研究者や実務者による知見共有から直線的に課題解決が設計される方法ではなく、具体的な現場を持つ全く異なる地域の実践者たちが共同フィールドワークを通して得られる視点や気づきのリフレクションを基に、習慣的な思考パターンへの気づきや新しい視点の獲得といった自己変容を促す「通域的な学び」に関する調査が行われた。

コメンテーターからの課題解決型ではないプログラムの成果をどう評価できるのか、との質問に対し、工藤会員は、課題の出口として、方法論を提供する発展的評価になる回答した。

第2発表:[2O02] 開発学における表情解析の応用可能性:マダガスカル農村の女性における事例

山田 浩之(慶應義塾大学)

開発研究における調査では、回答者の設問理解度の把握の難しさ、考えずに回答している可能性、主観的で要因が多様な幸福感の測定が難点であるため、客観的調査が可能な顔を認識するソフト、FaceReader (FR)を起用した。

マダガスカル農村女性の笑顔をデータ化したものと記述調査を照合し、幸福感と個人や世帯の特性との関連性が調査された。

コメンテーターからは、FRをマダガスカルで使う有効性、調査結果が従来の調査結果と変わらなかった事から、FRを開発学で利用する意義の説明が必要ではないかとの指摘があった。

第3発表:[2O03] ブータン東部におけるアブラナ科野菜の普及の実態とその要因-タシガン県バルツァム郡を事例に-

生駒 忠大(京都大学/日本学術振興会)

本研究は、ブータンにおける新たな換金作物の普及は単に高換金性が引き金になっているのではなく、農業実践や地域文化の変容が普及の要因となっている可能性を調査した。

その結果、アブラナ科野菜が普及していった要因として、若者の離村と労働力確保の難しい村において、長期間の栽培適期と栽培の簡便性、副次的栽培、労働集約性の低さと高い生産性が村の現状に適合していたこと、アブラナ科野菜の食文化への浸透、牛の飼料としての有用性などが明らかにされた。

第4発表:[2O04] 潜在的に田園回帰志向を持つ人の要因分析 -地方に関心のある大学生に魅力的な地方自治体の施策とは-

戸川 椋太(立命館大学大学院)

田園回帰志向を持つ学生の実態を把握し、地方自治体への政策提言を目的に、潜在的に回帰思考のある大学生の特徴を明らかにする目的の研究である。

追跡調査も予定されているが、本発表では、コメンテーターから、田園回帰の定義の明確化の必要性、アンケート調査の対象が立命館大学の学生に限定されていた事による一般化の難しさ、田園回帰志向分析の設問内容が、都市でも可能な活動ではないかとの指摘があった。

【総括】

各発表は時間通りに進んだ。どれも興味深い研究発表だったため、フロアーからの質疑がたくさんあるように見受けたが、時間が限られていたため、1名の質問しか受けられなかったのが残念だった。

報告者:小早川 裕子(東洋大学)

2L:Rural development (English)

  • 座長:澤田 康幸(東京大学) 
  • コメンテーター:髙橋 和志(政策研究大学院大学)、米倉 雪子(昭和女子大学)
  • 2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:45
  • 会場:紀-404 (紀尾井坂ビル404)
  • 聴講人数:不明

第1発表:[2L05] 「園芸の商品化と家庭の意思決定が小規模農家の収入に及ぼす不均一な影響:エチオピアのジマ地帯における準実験研究の証拠」

*FIKADU ASMIRO ABEJE、*Nomura Hisako(Kyushu University)

本論文はエチオピアでJICAが進めているSHEP(市場志向型農業振興)アプローチが農家所得の向上に寄与しているか、寄与している場合、それが所得レベルや男女間でどのような違いがあるか、定量分析したものである。

データは2022-23年に集めたクロスセクショナルデータで、610の農家から集めた。

推定には、マッチングとQuantile regressionを用いている。

推定の結果からは、SHEPは全体として農家所得を有意に増やしているが、その効果はもともとの高所得家庭、また男性の意思決定力が強い農家でより大きくなることが判明した。

本論文は潜在的に重要なイシューを扱っているものの、以下のような点を改訂することが望ましい。

  • アウトカムである園芸作物所得と、説明変数である園芸作物指数の間には強い相関があるため、これを説明変数に使わない方がよい。
  • アウトカムをレベルのまま使っていると、ほぼ必然的に高所得家計の方に強い影響が出がちなので、ログを採った方がよい。
  • 推定式の説明の際にいくつかの誤りが見られた。
  • マッチングの方法をもう少し丁寧に説明した方がよい。

第2発表:[2L06] Empowerment Mechanisms of the ‘ SHEP Approach’ on Horticultural Behaviour Change of Smallholder Farmers. A Case of Kenya

Peter Nyamwaya ORANGI,
Hisako Nomura
(KYUSHU UNIVERSITY)

本論文はケニアでJICAが進めているSHEP(市場志向型農業振興)アプローチ農家のビジネスや農業スキルに寄与しているか、またそれらのスキル向上を通じてエンパワメントに役立っているか、定量分析したものである。

データは4058家計によるパネルデータで。推定には、差の差の分析とOLSが用いられている。推定の結果からは、SHEPは全体としてスキル向上に寄与し、それにより、生産やマーケティング面におけるエンパワメントに繋がっていることが判明した。

本論文はSHEPのプロジェクト目標が満たされているか定量的に検証した点で意義深いものの、以下のような点を改訂することが望ましい。

  • スキルのカテゴリーづくりややや恣意的なだめ、どのような理論的背景があるのか示せるとなおよい。
  • データがどのようにとられたのか、また4058はバランスパネルなのかそうでないのかなど、詳しい説明が必要。
  • DIDよりも近年はANCOVAが好まれる傾向にあるため、DIDを使うメリットを丁寧に説明してほしい。
  • エンパワメントの分析にはOLSが使われているが、スキル変数は内生なので、その点を考慮した推定方法に改善する必要がある。

第3発表:[2L07] Economic Analysis of Income Generation Through Creation of Dairy Farmers Union. A Case Study on Balkh Dairy Union, Afghanistan

Hamed ARIF SAFI(Kyushu University)
Nomura HISAKO(Kyushu University)
Shoichi ITO(Kyushu University)
Hiroshi ISODA(Kyushu University)

Key Points
  • 7 interviewers conducted semi-structured interview in 8 villages in Dehdadi District, Balkh province in Aug 2014. 355 milk producers, 192 Balkh Livestock Development Union (BLDU) members and 163 dairy farmers not BLDU members.
  • Examination of the impact of dairy union membership on the productivity of dairy farmers and the net annual milk income of households using the propensity score matching method (PSM).
  • Union membership significantly reverberates impacts critical economic outcomes of dairy farming dynamics.
  • It recommends stakeholders in the dairy farming sector, including policymakers and farm management, to recognize the positive aspects of union participation on production and income.

Questions to understand the situation further to promote union

  1. The amounts of income and dairy production. How many cows do they have. Is the size of farmers relevant to the result?
  2. Why/how the farmers became union members: Did anybody suggest them to become members? What are the merits that they recognise? ie) info, training, funds, etc from the union.
  3. Why non-members do not join unions? What prevents them? ie) In Cambodia, people were traumatised by their experience of forced labor during communist/socialist era.
  4. How many days did 7 researchers interview 355 farmers in 8 villages. Did they simply ask their annual income and production or had farmers recorded the amounts?

第4発表:[2L08] 高価値な換金作物の導入後の農村移住と民族間の格差における変遷:ベトナム中央高地の台湾から導入されたウーロン茶産業の事例

呉 昀熹(京都大学)

Key Points
  • Semi-structured questionnaires targeting Kinh migrants for April-June 2019, and the minority settlements for Oct-Nov 2019 in D and L Communes, hubs for oolong tea enterprises, in Lam Dong province in the Central Highlands, Vietnam. Sites included oolong tea factories, farms, and various households. A total of 123 households heads: 96 Kinh, 10 ethnic minority migrants (Muong, Cham), 16 indigenous minorities (Kohor, Ma), 1 Vietnamese Chinese individual.
  • geographical access to employment, Kinh has easier access, Muong have relatively comparable access to Kinh, able to reach oolong tea enterprises within a half-hour walk, Ma and Kohor at more remote locations.
  • 2 categories of spontaneous migrants: Early migrants, dependent on network, organised migrants; Late migrants. less-dependent on network.
  • Ma, traditionally engaged in shifting agri, adapted themselves to the tea industry, changed gender roles. Kohor, traditionally nomadic lifestyle, limited engagement with industry.

Questions to understand the Discussion further

  1.  Describing “3 key attractions of the tea system included higher income, varied job chances, and accommodation” regarding each ethnic group may show the differences clearer. How it becomes as “a stepping stone to cash crop farming. As migrants’ farms become sustainable, their dependency on the system decreases”?
  2.  About Gender role, Ma has seen the changes while Kohor did not. How about other ethnic groups?
  3.  Explain more in section “3 Findings” about the socio economic impact including health risks and loss of personal time.
  4.  About “the indirect marginalization of indigenous groups”, may be discuss about Ma and Kohor separately? How about Muong and Cham?

【総括】

Rural Developmentセッションの名にふさわしい意欲的な論文が4本報告された。

特に、JICAが進めているSHEP(市場志向型農業振興)アプローチやアフガニスタンにおける酪農組合プロジェクトの評価など、厳密なエビデンス(科学的根拠)が求められている研究対象について、ミクロデータを用い、マッチング(matching)、差の差分析(difference in differences)、分位点回帰(quantile regression)など緻密な手法を用いた研究につき、計量分析を洗練化することのみならず、ドメイン知識に基づいて研究をさらに深化させるという観点から、コメンテータの高橋和志教授(政策研究大学院大学)、米倉雪子教授(昭和女子大学)より多数の建設的なコメントがなされ、活発な議論が行われた。

座長としては、今後も国際水準の開発研究・教育の成果が日本発で期待でき、国際開発学会のあるべき姿を示す有意義なセッションとなった、と感じた。

報告者:澤田 康幸(東京大学)

2M:国際開発援助(日本語)

  • 座長:伊東 早苗(名古屋大学) 
  • コメンテーター:大門(佐藤) 毅(早稲田大学)、宗像 朗(国際協力機構)
  • 2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:45
  • 会場:紀-407 (紀尾井坂ビル407)
  • 聴講人数:00名
  1. [2M05] 政府開発援助が海外直接投資に与えた影響―援助形態別の分析―
    *大野 沙織(京都大学)
  2. [2M06] 現地主導の開発(locally-led development)とCSOの南北パートナーシップの再検討
    *高柳 彰夫(フェリス女学院大学)
  3. [2M07] 日本政府の支援がパキスタン気象局の能力向上に果たした役割に関する考察
    *内田 善久(株式会社国際気象コンサルタント)
  4. [2M08] 国際協力における Co-Financeの「全体像」をどう捉えるか~中国と DACドナー間の取り組みを事例に~
    *石丸 大輝1、*土居 健市2、*汪 牧耘3、*林 薫4 (1. 独立行政法人国際協力機構、2. 早稲田大学、3. 東京大学、4.元 文教大学)

【総括】

報告者:伊東 早苗(名古屋大学) 

2N:環境、サスティナビリティ(日本語)

  • 座長:松岡 俊二(早稲田大学)
  • コメンテーター:佐々木 大輔(東北大学)、古沢 広祐(國學院大学)
  • 2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:15
  • 会場:紀-409 (紀尾井坂ビル409)
  • 聴講人数:25名

第1発表:[2N03] インドネシア国アッパーチソカン揚水発電所建設に関わる原石山の補償問題

筒井 勝治(株式会社ニュージェック)
冨岡 健一(Global Utility Development Co., Ltd)

インドネシア国アッパーチソカン揚水発電所周辺の地域住民に対する補償の法制度とその運用のあり方をめぐって議論をした。

第2発表:[2N04] 環境知識の移転をめぐる地政学的ダイナミクス:中国の環境協力機関の比較分析

WU Jingyuan(東京大学大学院)

中国における環境協力機関の展開について、リアリズムの視点、リベラリズムの視点、コンストラクティビズムの視点から議論を行った。

第3発表:[2N05] 生産国の実情から考える持続可能なパーム油-インドネシアとマレーシアの事例に着目して-

吉田 秀美(一般社団法人持続可能なサプライチェーン研究所)
楊 殿閣(一般社団法人ソリダリダード・ジャパン)

持続可能なパーム油の国際的認証と各国のナショナルな認証制度との関係のマーケット・企業の動向について議論を行った。

【総括】

インドネシアの発電所建設に伴う住民補償、中国の環境協力機関の歴史的展開、インドネシアとマレーシアの持続可能なパーム油の認証制度をめぐって議論を行い、東アジアの環境問題と環境協力のあり方について、深く考える機会となった。

報告者:松岡 俊二(早稲田大学)

2L:Education (English)

  • 座長:澤村 信英(大阪大学) 
  • コメンテーター:劉 靖(東北大学)、川口純(筑波大学)
  • 2023年11月12日(日曜)15:00 〜 17:00
  • 会場:紀-404 (紀尾井坂ビル404)
  • 聴講人数:20名

第1発表:[2L09] Inclusion in Higher Education: Exploring the Experiences of Nepalese College Students with Disabilities

Bhuwan Shankar BHATT(International Christian University, Tokyo)

障害を有するネパール人大学生の経験をもとに、高等教育におけるインクルージョンのあり方を多面的に検討するものである。

高等教育におけるインクルージョンに関する実証研究は貴重であり意義があり、その重要性はますます大きくなっている。

それゆえに、研究のスコープを発展させれば(例えば、学部生と大学院生、学生の専攻を分けるなど)、さらに学術的・実践的な示唆が得られるだろう。

集団的相互作用の概念枠組みに、なぜ財政上の視点を入れていないのか、あるいは今後の研究として制度的なインクルージョンに対する考え方について質疑応答があった。

第2発表:[2L10] Case studies of a positive outlier and a negative outlier municipal education departments in supporting primary schools in Brazil

Danilo LEITE DALMON(Kobe University)

ブラジルの同一州にある人口規模や経済指標が類似する市を対象として、初等学校を管轄する教育局の中で最も効果的な教育行政が行われている市と、反対にそうでない市を選別し、両者を比較検討、要因の分析を行おうとするものである。

ブラジルを対象とする希少性はあるが、これに類似する効果的学校研究に関わる蓄積は膨大にあるので、さらなる文献レビューを進めてほしい。

また、サンプリングをいかに行ったかのプロセスが不明であり、その妥当性を明確にする必要がある。対象とする国、地域、学校の状況がわかる基礎データを示してほしい。

オリジナルのファインディングが何なのか、従来の効果的学校研究に対していかなる貢献があるのかなど、質疑が行われた。

第3発表:[2L11] Citizenship education and Malagasy philosophy: An analysis of the upper secondary school curriculum

Andriamanasina Rojoniaina RASOLONAIVO(Osaka University)

マダガスカルの後期中等学校のカリキュラムを分析することにより、グローバルなシティズンシップ教育の中でいかなる価値観が育成されるのか、されようとしているのかを探索するものである。

脱植民地化やグローバル・シティズンシップ教育の議論の中で、学校のカリキュラムがいかなる影響を受けつつ内在化していくかを検討することは重要なことである。

一方で、シティズンシップ教育やマダガスカルのフィロソフィーがそれぞれ何を意味するかは、丁寧に記述する必要がある。リサーチクエスチョンに対する結果の提示にやや齟齬があるように思えるとの意見も出された。

第4発表:[2L12] Parental Involvement in Malagasy Students’ Career Planning: the Case of Public High Schools in Urban and Suburban Settings

Fanantenana Rianasoa ANDRIARINIAINA(Osaka University)

マダガスカルの都市部の公立高校を事例として、生徒のキャリア計画にいかに親が関わっているかを考察するものである。

このようなテーマ設定自体は、教育を受けた後の就業に関わることで興味深く、重要なテーマである。

ただし、キャリア計画の定義がやや不明瞭で、どのように親が子どものキャリア計画に関わっているのか、さらなる丁寧な分析と解釈がなされることが期待される。

現在の結論は、親が何を考えているか、何を行っているかに留まっており、いかに関わっているかが十分に探索できていないように思える。

【総括】

ネパール、ブラジル、マダガスカルと、発表者は日本の大学に属しながら、それぞれの母国を研究対象としている。

このような多様な対象国の研究発表が本学会の場で行われることは、少なくない影響を日本人研究者にも与えてくれているように思う。

今後もこのような学術面での国際交流が展開され、将来的に国際共同研究などに進展することを期待したい。

報告者:澤村信英(大阪大学)

2M:事業評価・分析(日本語)

  • 座長:大橋 正明(聖心女子大学) 
  • コメンテーター:石田 洋子(広島大学)、桑島 京子(青山学院大学)
  • 2023年11月12日(日曜)15:00 〜 16:00
  • 会場:紀-407 (紀尾井坂ビル407)
  • 聴講人数:8名

第1発表:女性自助組織を通した母親の資源獲得と子どもの教育への影響―インド Rajasthan州の Rajeevikaプログラムを事例に―[2M09] 

水島 侑香(東京大学)

この発表は、本年の3月に行ったインド西部の州の3県(District)の3つの郡(Block)で政府が進める女性の自助組織(Self-Help Group、以下SHGs)の15名のメンバーに、半構造化インタビューを行った結果を軸に分析したものである。

報告者によると、多くのメンバーがSHGのマイクロファイナンスにより事業やSHGs組織の役職報酬よる収入向上、情報や人間関係といった形での資源を獲得し、結果的に子どもの教育にポジティブな影響を与えることを示した。

この発表に対してコメンテーターである広島大学の石田洋子会員は、SHGsの活動によってその本人だけでなく、その夫、女性の両親、子ども、教員、上位機関メンバー等がどう変化して、結果的に子どもたちの教育における変化につながっているのかを、セオリー・オブ・チェンジ(Theory of Change)といった形で把握すること、SHGプログラムの全容や対象地域の教育事情などが不明である、といった指摘をした。

第2発表:カンボジア・つばさ橋建設をめぐる環境社会配慮と事業化検討プロセス[2M10] 

小泉 幸弘(独立行政法人国際協力機構)
花岡 伸也(東京工業大学)

小泉会員の報告は、カンボジアにおける同様な橋梁プロジェクトと比較して、本案件がカンボジア側からの要請から無償資金協力実施の意思決定に至るまでに、10年ほどの時間を費やしたことの要因として、2004年改定のJICA環境社会配慮ガイドラインを適用した経緯をもとにしたものであった。

結果として、早期開通を希望していたカンボジア側の声には応えられなかったことが提起された。

これに対して青山学院大学の桑島会員からは、改定後の環境社会配慮ガイドラインの画期性、外務省・JICAの権限関係の「今」、カンボジアの運輸交通開発における環境社会配慮の「今」などのより幅広い検討の必要が指摘された。

また会場から相次いだ質問を通じて、こうした配慮がなされることでより丁寧な検討がされたことを評価するという指摘や、他の新興ドナーとの対抗を意識する日本政府はこうした配慮の適用範囲を限定しようとする動きがあるという懸念などが示された。

【総括】

このセッションでは、二人のコメンテーターからのコメントと発表者による応答、そして会場の参加者との興味深いやり取りが行われた。

四人の発表者を前提にした時間枠に二人の発表だったため、時間的に余裕があったので、しっかりしたやり取りをすることができた。それでも16時半に終了した。

報告者:大橋 正明(聖心女子大学)

2N:平和構築、レジリエンス(日本語)

  • 座長:湖中 真哉(静岡県立大学) 
  • コメンテーター:松本 悟(法政大学)、桑名 恵(近畿大学)
  • 日時:2023年11月12日(日曜)15:00 〜 17:00
  • 会場:紀-409 (紀尾井坂ビル409)
  • 聴講人数:約40名

第1発表:[2N06] 特定地域における民族間の勢力均衡論(ドミノ式)についての一考察ー勢力均衡のパターン分析を中心にー

安部 雅人(東北大学)

安倍会員による最初の報告では、民族間の勢力均衡論として3つの類型が提示され、中国新疆ウイグル自治区の紛争、パレスチナ紛争、ルワンダのジェノサイド等の事例が、その3つの類型の観点から検討された。

これに対して、松本会員によるコメントでは、リサーチクエスチョンの所在、先行研究に対する位置づけ等に関する質問が投げかけられた。

また、フロアからは、なぜインクルーシブな国家を形成できなかったのかという問題意識からの再検討の可能性等の論点が提出され、報告された類型が多角的に検討された。

第2発表:[2N07] 中国の都市におけるコミュニティレジリエンスの構築に関する質的研究—ソーシャル・キャピタルの視点から

王 藝璇(大阪大学大学院)

つづく王会員による報告では、2021年の中国河南省洪水災害で被災したコミュニティを対象とするインタビュー調査結果がおもに報告された。

同会員は被災コミュニティを都市・農村の移行期コミュニティの脆弱性に注目しながら3つに類型化し、各コミュニティのレジリエンスをソーシャルキャピタルの類型の観点から分析した。

松本会員によるコメントでは、ソーシャルキャピタルの有効性を論じるに当たっての基準設定の問題、比較の前提となる影響要因の評価の問題、調査対象者の選定上の問題等が質問された。

王会員は質問に回答しながら、今後の研究にコメントをフィードバックしていく見通しを述べた。

第3発表:[2N08] エルサルバドル共和国帰国研修員によるパイロット事業の形成過程と実施に関する要因分析:
ポストコンフリクトにおける地域住民の主体的生活改善活動に着目して

藤城 一雄 (独立行政法人国際協力機構)

その後の藤城会員他の報告では、研究対象地はエルサルバドルに移り、長期内戦後のポストコンフリクト状況において、JICA本邦研修による中米地域生活改善研修を事例として、パイロット事業実施5年後の現地調査の分析結果が報告され、おもにインタビュー結果から、パイロット事業参加者の幸福感が変容した成果等が示された。

コメンテーターの桑名会員によるコメントでは、過去の教訓を踏まえている点等が評価され、今後の展望が質問された。

また、フロアからは、事業に対するネガティブな反応がなかったのかという点が質問された。藤城会員は、その後エルサルバドルで政権交代があったため、組織全体が消滅したこと等、その後の事業の経緯を踏まえつつ、これらの質問に回答した。

第4発表:[2N09] グローバル・ナレッジとしての東日本大震災とそこからの復興(途上国に役に立つ知識とするために何が必要か?)

林 薫 (グローバル・ラーニング・サポート・コンサルタンツ代表、元文教大学教授)

最後の林会員による報告は、東日本大震災の震災以降に着目し、震災伝承施設をグローバルなレッジの観点からどのように評価できるかを探究し、その調査成果が豊富な事例とともに示された。

コミュニティ防災の軽視や失敗学の不在等の課題を示しつつ、最後に何が世界に発信すべきコアなナラティブになり得るかという展望が示された。桑名会員はこれに対して調査の方法や協働知の双方向性について質問を投げかけた。

林会員は震災伝承施設の展示方針の硬直性の問題により、双方向性が現状では困難であること等を回答した。

【総括】

本セッションでは各報告が時間を超過しなかったため、充実した討議を行うことでき、多角的に報告を検討することができた。

なかでも林会員は報告を通じて、本セッションの他の報告やプレナリーセッションにも言及され、本大会の最後を締めくくるに相応しい報告となった。

報告者:湖中 真哉(静岡県立大学)

その他

  • 一般口頭発表
  • 企画セッション
  • ラウンドテーブル
  • プレナリー、ブックトーク、ポスター発表



第34回全国大会セッション報告(ラウンドテーブル)

ラウンドテーブル


[1I01] 国際教育開発のシングル・ストーリーを乗り越える:実務者と研究者の出会い直しに向けて

  • 日時:2023年11月11日(土曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-112 (紀尾井坂ビル112)
  • 聴講人数:20名
  • 座長:荻巣崇世
  • 司会:川口純
  • ディスカッサント/コメンテーター:林研吾(国際協力機構)、泉川みなみ(国際協力機構)、坂口真康(兵庫教育大学)、関口洋平(畿央大学)
  • 第1発表:国際教育開発の哲学̶背景と展開̶
    橋本憲幸(山梨県立大学)
  • 第2発表:国際教育開発のシングル・ストーリーを乗り越える:実務者と研究者の出会い直しに向けて〜ニカラグア〜
    吉村美弥(国際協力機構)
  • 第3発表:国際教育開発のシングル・ストーリーを乗り越える:実務者と研究者の出会い直しに向けて〜マダガスカル〜
    山縣弘照(国際協力機構)
  • 第4発表:ともに「学び」・「学び直す」関係へ
    興津妙子(大妻女子大学)
  • 第5発表:国際教育開発のシングル・ストーリーを乗り越える:実務者と研究者の出会い直しに向けて〜ヨルダン〜
    山上莉奈(国際協力機構)
  • 第6発表:国際教育開発のシングル・ストーリーを乗り越える:実務者と研究者の出会い直しに向けて〜ガーナ〜
    村田良太(国際協力機構)

【総括】

本企画は、国際教育開発における実務と研究を架橋し、双方向から国際教育開発という分野を捉え直すことを目的として、特に、若手を中心とする実務者と研究者の相互理解を深めるための対話の機会として企画するものである。

2022年度から実施してきた勉強会での議論を通して、研究者側はJICAを単体のアクターと捉える傾向があり、その中で実務に携わる実務者個人の想いや葛藤に十分に目を向けて来なかったことや、逆に、実務者側は、研究者が生み出す知見や批判的検討を実務の中で十分に活かしきれていないことなど、実務(者)と研究(者)の間には「すれ違い」があることが明らかになってきた。

そこで、本企画では、この「すれ違い」の背景に、国際教育開発に関わる人々の葛藤や戸惑い、願いなどの個人的な語りが覆い隠されてきたことがあるのではないかとの仮説に基づき、これへの反省から議論を進めた。

特に、国際教育開発の中で「研究(者)」と「実務(者)」のそれぞれについて生み出されてきた、一方的で固定的なイメージ(シングル・ストーリー)を批判的に捉え、国際教育開発の語りを具体化・複数化するところから始める必要があること、また、「語られること」だけでなく「語られないこと」にも注意を払い、シングル・ストーリーが何を可能にし、何を不可視化してきたのか、議論を深めることに留意し、いわゆる研究者と実務者双方から計6名が登壇し、討論者も双方から計4名が登壇して、議論を進めた。

発表者からは、実務や研究に携わることになった背景・想いに加えて、それぞれが抱える葛藤や喜びが共有され、双方の顔を見ながら、想いをも含めて「出会う」「出会い直す」ことの重要性が確認された。

また、コメンテーターからは、やっていることの中身からは、実務(者)と研究(者)の境界は極めて曖昧なものであるにもかかわらず、それぞれが敢えて立場性を意識する/させる関係の中ですれ違いが起きているのではないかとの指摘があった。

会場からは、国際教育開発の「現場」をどう捉えていけば良いかとの指摘や、教育は明確なゴールがない(あるべきでないとも言える)分野だからこそ、「良い教育とは何か」についての対話を継続的に行なっていかなければならないのではないか、との指摘があった。

今年度より、本ラウンドテーブルのメンバーが中心となって研究部会「国際教育開発」を発足させることから、実務者・研究者の出合い直しや自分自身との出会い直しを促すために、引き続き対話を続けていきたい。

報告者:荻巣崇世(上智大学)

[1J01] 地方展開委員会主催ラウンドテーブル 地方大会から何が見えたのか?ー改めて「地方」から国際開発を考えるー

  • 日時:2023年11月11日(土曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-115 (紀尾井坂ビル115)
  • 聴講人数:00名
  • 座長:
  • ディスカッサント/コメンテーター:
*木全 洋一郎1、*佐野 麻由子2、*工藤 尚吾3、*梶 英樹4、*生方 史数5、*辰己 佳寿子6 (1. 独立行政法人国際協力機構、2. 福岡県立大学、3. 国際教養大学、4. 高知大学、5.岡山大学、6. 福岡大学)

【総括】

報告者:

[2D01] なぜ日本で「国際開発」を学ぶのか——韓国・中国の(元)留学生の経験から紡ぎ出すその答え

  • 日時:2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-B108 (紀尾井坂ビルB108)
  • 聴講人数:25名
  • 座長:汪 牧耘(東京大学)
  • ディスカッサント/コメンテーター:大山 貴稔(九州工業大学)・松本 悟(法政大学)・劉 靖(東北大学)・キム ソヤン(ソガン大学(韓国))・Wu Jingyuan(東京大学大学院)

第1発表:留学生は「国益」になるか:行政・研究・教育現場からの考察

松本 悟(法政大学)

松本氏は、日本政府が無償資金協力で実施している人材育成奨学計画(JDS)を中心に、国際開発の日本留学が持つ特殊性と本RTの意義を述べた。

JDSは開発途上国の若手行政官が日本の大学院で英語学位を取得するのを支援し、帰国後、その国のリーダーとして開発課題の解決に寄与することを目的としている。

過去20年間で5千人以上がJDSで日本に留学した。

こうした「開発奨学生」の中心は行政官であり、修了後に帰国して開発行政と日本との橋渡しという外交的な役割が期待されている。

JDSに見受けられる「意図的な国益」に比べて、本RTは私費留学生や非行政官に登壇してもらい、留学生が自ら感じ取った日本留学の価値をその個々人のストーリーから理解する場である。

松本氏は、このような背景の違いを踏まえて、本RTにおける登壇者の語りが持つ意味を際立たせた。

第2発表:“Made in China, Recycle in Japan?”:留学の「成功例」とは何か——教育で世界を変えよう

劉 靖(東北大学)

本発表では、劉氏が「教育で世界を変えよう」という信念を持つようになった過程を振り返った。

小・中学校から、「正解」や「特権」に塗られた教育に感じた不平と違和感が、その問題関心の原点だという。

来日してから、大切な日本人の方や先生との出会いが積み重なっているなかで、劉氏は国際開発学の教育・研究活動に踏み出した。

「教育の公平」を実現するため、批判的かつ建設的な学問のあり方を国内外の機関、大学や教育現場で思索してきた。

こうした経験を踏まえて、劉氏は「国際開発に関する知の借用」から「国際開発に関する知の共有・共創」への転換が、日本で国際開発を学ぶ意味として挙げた。

その転換を引き起こす主体は、「個人」だけではなく、「地域」でもある。アジアの諸国・諸社会が互いの参照点となることで、自己理解が変容し、主体性が再構築されていく試みは、劉氏の現在進行中の研究である。

第3発表:越境者[境界人]の思い[lived experience]:イギリスと韓国から日本を包み直す[reflecting upon Japanese development studies]

キム ソヤン(ソガン大学(韓国))

本発表の冒頭で、キム氏は本RTで用いる方法論である「オートエスノグラフィ(自伝的民族誌)」の系譜を概説し、個人が自らの多面的・流動的なアイデンティティと経験を再帰的に考察・表象・構築するという行いが持つ学問的意味を浮き彫りにした。

その上で、キム氏は、1990年代から今に至り、韓国、日本やイギリスの国境を超えてきた勉強・留学・研究の経験を、その時々の時代背景と変動をかい摘みながら共有した。

日本で出会った政治生態学の面白さや地域研究者の素晴らしさ、イギリスで受けた理論・議論・研究倫理の厳しい訓練などといった越境による光の部分だけではない。深刻な人種差別と他者排除をはじめとする影もまだ境界人の心身を洗練するものとなった。

キム氏は、30年にわたって見えてきた日本の国際開発研究の可能性を踏まえながら、批判的思考の欠如や議論の断片化などとった現状に対する危機感と変革の必要性を訴えた。

【総括】

これほどまでに人を笑わせたり、泣かせたりした学会のRTはあっただろうか。発表が終わっても、会場における議論が終わらなかった。

「人材をどう育成するか」を考える前に、まずは図らずも日本に来た留学生が見てきた世界に向き合ってみることの大切さを忘れないこと。

オートエスノグラフィという一見「小さな物語」がもつ力を丁寧に用いながら、日本における国際開発研究を批判的に再構築すること。

JASIDをより多くの人が他者との共創の中で自らの足場を見つめ直す場になること。

これらの貴重な課題を示してくださった発表者、コメンテーター、司会と参加者の皆様に深く御礼申し上げたい。

報告者:汪 牧耘 (東京大学) 

[2E01] Well-being, Economics Policy Making and Sustainable Development Goals (SDGs) (English)

  • 日時:2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-B112 (紀尾井坂ビルB112)
  • 聴講人数:15名
  • 座長:石戸 光(千葉大学)
  • ディスカッサント/コメンテーター:Arthur Grimes(Victoria University)、小林 正弥(千葉大学)

第1発表:Using wellbeing concepts to enhance international development

Arthur Grimes (Victoria University of Wellington)

千葉大学の研究プロジェクト「公正社会研究の新展開-ポストコロナ時代の価値意識と公共的ビジョン」(代表:水島治郎・千葉大学大学院社会科学研究院教授)の招聘および共催により、ウェルビーイングと経済政策策定の分野における世界的な経済学者(アーサー・グライムス博士、Motu Economic and Public Policy Research Trustシニアフェロー、ビクトリア大学ウェリントン校経済学部非常勤教授、ニュージーランド・ワイカト大学経済学部名誉教授)を招聘し、主観的幸福度、客観的経済政策(国家予算として財政的価値が配分される)、持続可能な開発目標(SDGs)の相互関係について、ウェルビーイングを考察した哲学・経済学者の系譜や、ウェルビーイング指標の低下が米国におけるトランプ政権の誕生や英国のEU離脱をある意味で予測できる指標であったこと(ただしこの分析自体は事後的なものであるが)、ウェールズを含む各国のウェルビーイング関連政策の有効性、などの側面から学際的に発題していただいた。

第2発表:Comment on “Using wellbeing concepts to enhance international development”

小林正弥(千葉大学)

アーサー・グライムズ教授からの発題を受けて、開発における新たなアプローチとして、どのような「開発」を先進国においても目指すべきか、センのケイパビリティアプローチの特質、客観・主観指標、悲惨や貧困と比較してのウェルビーイング研究の特質、政治哲学およびコミュニタリアニズム、といった概念の差異および関連性について質疑がなされた。

また「多次元的アプローチ」が有益である点、将来世代に関する目配りを行うウェールズの幸福度・公共政策を評価する点についての質疑応答が行われた。

特に多次元的なウェルビーイングを考慮していくことは、低所得のみならず、高所得国においても、生活の質の観点から重要な「開発」の課題である点が提起された。

第3発表:ウェルビーイング、公共政策およびSDGsの関連性

石戸 光(千葉大学)

出席の方々も交えてラウンドテーブル(双方向的な討論)を発表者(石戸)の司会進行により行った。

フロアからの質疑やコメントとして、「経済研究者の方がウェルビーイングを主眼として研究されていることに、研究分野の広がりを感じた」、「韓国は所得的には上がったが、幸福度はむしろ下がっているのが体感であり、この種の研究は目の開かれるものであった」「アフリカではパンとバターなどの物質的な充足が依然として重要であるが、やはりウェルビーイングの低さもあって、両者は相関している」「南米の所得水準とウェルビーイングには、また独特の特徴があるようにも思われる」など種々のコメントが寄せられた。ウェルビーイングへの文化的影響と開発の関連なども重要な論点であることが討議された。

【総括】

冒頭にて、アーサー・グライムズ博士が、公共政策に関する実務との結びつきが強い著名なエコノミストであり、2003年から2013年までニュージーランド準備銀行総裁を務めたことに言及し、その後、同氏の研究テーマがウェルビーイングおよび公共政策についてのものになっていった点を紹介した。

この経歴の変遷が参加者にとって斬新なもので、ラウンドテーブルにおける発題では、開発を問題意識の根底に持ちつつも、主観的指標と客観的指標の相互関係について議論がなされ、続く質疑も活発で有意義なものであった。

報告者:石戸 光(千葉大学)

[2H01] アジアにおける子どもの教育と健康

  • 日時:2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-108 (紀尾井坂ビル108)
  • 聴講人数:00名
  • 座長:
  • ディスカッサント/コメンテーター:
*高柳 妙子1、*日下部 達哉2、*藤崎 竜一3 (1. 早稲田大学、2. 広島大学、3. 帝京大学)

【総括】

報告者:

[2J01] ソーシャルビジネスにおける研究の貢献可能性:インドの離島エリアにおける e-Healthビジネスの事例から

  • 日時:2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-115 (紀尾井坂ビル115)
  • 聴講人数:20名
  • 座長:狩野剛(金沢工業大学)
  • ディスカッサント/コメンテーター:佐藤峰(横浜国立大学)・内藤智之(神戸情報大学院大学)

第1発表:ソーシャルビジネスにおける研究の貢献可能性

功能聡子(ARUN合同会社)・岡崎善朗(早稲田大学)・狩野剛(金沢工業大学)

発表者の3名から、インドのiKure社の概要、共同研究の概要といった背景説明があった。

そのあと、引き続き発表者より、インドにおける医療機器の現状や新興国・途上国での医療機器ビジネスの難しさなどについて解説があった。

そして、ソーシャルビジネスにおける研究の貢献可能性として、工学系研究者・民間企業・投資家・社会科学系研究者・現地大学・住民という各ステークホルダーの視点から見える共同研究における貢献可能性について説明があった。

【総括】

発表の後、討論者や会場の参加者からの活発なコメント・質問が行われた。今後の共同研究推進に向けた主な助言は以下の通り。

  • 現地の視点として医療サービスを提供するiKureからの情報を主としているようだが、エンドユーザの声をきちんと拾い上げるべき。例えば、遠隔医療への抵抗感、医者・看護師による信頼の違い、文化・宗教的なハードルなどについてきちんと情報を集めるべき。
  • 研究による外国人・外国資金の介入によって、ソーシャルビジネスの持続性に悪影響が出ないように気をつけた方が良い。特にこの共同研究の出口はどうなるのかと言った点は事前に先方とも意識合わせをしておく必要があると考えられる。
報告者:狩野剛(金沢工業大学)

[2C02]「持続可能性」の多義性を問う-言説分析、認識調査、評価の先に何を見るか

  • 日時:2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:45
  • 会場:紀-B104 (紀尾井坂ビルB104)
  • 聴講人数:30名
  • 座長:山田肖子(名古屋大学)
  • ディスカッサント/コメンテーター:木山幸輔(筑波大学)・工藤尚悟(国際教養大学)
Questioning the polysemy of “sustainability”: What to Look For Based on Discourse Analysis, Perception Surveys, and Evaluations

第1発表:「持続可能な開発」は誰にとってのどのような課題なのか:フィリピン、ガーナでのオンライン質問票調査からの試論

山田肖子(名古屋大学)・島津侑希(愛知淑徳大学)

この報告に先立つ、山田による本セッションに関する説明においては、質問紙調査による演繹的モデル作りと、学校や農村でのフィールドワークによる帰納的知見とを用いて、「持続可能性」言説をめぐる多様なリアリティを明らかにするという本セッション参加者が今後目指す目的と、国際開発学との接合という課題が示された。

その後、山田・島津報告においては、質問調査をもとに「持続可能性」概念を基軸として行われた批判的言説分析の報告がなされた。

そこでは、持続可能性に関する人々の認識において、いくつかの指向が存在することが報告された。

フロアとの議論では、本研究が持ちうる意義として、持続可能性言説がトップダウン的政治性をもちつつ同時に拡散し定着していく動態との関係を明らかにしうること、西欧近代的な認識論・存在論を問い直しうることなどが指摘された。

第2発表:「持続可能な開発」を評価するとはどういうことなのか

米原あき(東洋大学)

米原報告と次の西川報告は、帰納的知見を用いるものである。米原報告は、持続可能性と関連し実施される評価について考察を行う。

すなわち、タイにおけるコミュニティ開発評価と日本のESDに関する評価である。

報告では、そうした評価において用いられる説明責任・エビデンス・合理性について、現場の当事者とともに協創される評価指標にもとづくそれらの像の可能性が指摘された。

こうした協創においては、共通認識をどのように、いかなる主体が形づくっていくことができるのか、コメント・質問がなされた。

これは、当事者の観点が、同じ人間であっても、地球市民、学校の生徒等、多様なものでありうることとも関係する。

第3発表:食と農のシステムの持続性のなにが厄介な問題か?

西川芳昭(龍谷大学)

西川報告では、食と農をめぐる持続性に関する議論において、人間中心主義が前景にあったことが指摘された。

そして、むしろ多様なアクターとの萃点の中で、むしろ評価になじまない当事者のまなざし、例えば「種をあやす」といった農業従事者の言葉をどのように位置付けるか、といった課題が提起された。

こうした議論について、例えば当事者の視点をむしろ規範的に固定化してしまうおそれについて提起がなさたり、研究者による価値判断が機能を果たす位置等について、質問がなされたりした。

【総括】

セッション全体に共通するコメントとして、「共創/協創/対話」といったモデルにおいて、研究者と調査対象者の望ましい関係のあり方、あるいは持続可能性概念に対する研究者のポジショナリティが問われた。

あるいは、研究によって明らかとなる人々の持続可能性をめぐる認識・世界観と、研究者の価値に関する探究の関係が問われた。

セッションでは、多様な学術領域および実務家からの本研究への観点が示されるとともに、参加者がもつ持続可能性の言葉に対する態度についても言葉が示された。

こうしたことを通じ、本研究の意義について考察が深められ、今後の研究の進展に大きな意義があったと思われる。

報告者:木山幸輔(筑波大学)

[2D02] 国際開発(学)の「埋葬」と「再生」―世代を超えた、グローバルなサステナビリティの確保を射程に入れて―

  • 日時:2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:45
  • 会場:紀-B108 (紀尾井坂ビルB108)
  • 聴講人数:00名
  • 座長:
  • ディスカッサント/コメンテーター:
*佐藤 峰1、*小林 誉明1、*木全 洋一郎2 (1. 横浜国立大学、2. 国際協力機構)

【総括】

報告者:

[2E02] 国際協力NGOの組織基盤強化支援におけるマッチ・ミスマッチ

  • 日時:2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:45
  • 会場:紀-B112 (紀尾井坂ビルB112)
  • 聴講人数:不明
  • 座長:中山雅之(国士舘大学大学院)
  • ディスカッサント/コメンテーター:東郷 琴子(パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社)、松元 秀亮(国際協力機構)、篠原 大作(特定非営利活動法人日本ハビタット協会)、田口 由紀絵(合同会社 コドソシ)、楯 晃次(株式会社EMA)

国際協力NGOの組織基盤強化支援について、表面的には見えないマッチ・ミスマッチが存在するのではないかと、支援組織、支援を受ける組織、評価・伴走者の3者の視点から議論をする企画であった。

まずコーディネーターの中山が組織とは何か、組織基盤強化とは何かについて、経営学の視点で整理した。

その後、報告、パネルディスカッション、フロアからのコメントの3パートで進められた。

報告

楯が、これまで行われてきた支援制度を研修型、助成金型の2つに分け、年表に沿い、その変遷を報告した。

研修型は1987年前後から開始されたが、組織基盤強化に直接資する組織マネジメント研修やリーダーシップ研修などは、2004年からの開始となり、2011年頃までに多く行われ、その後はファンドレイジング研修に変化した。

助成金型では、1993年に初めて助成制度を設けた組織が出たものの、その後助成金制度は増えず、数団体にとどまっている現状を報告した。

こうした変遷の中で、支援を行う組織として、パナソニック オペレーショナルエクセレンスの東郷、国際協力機構の松元が、支援を受ける組織として日本ハビタット協会の篠原が、評価・伴走者コドソシの田口が、 (1)組織基盤強化/支援に関する取組、(2)支援をする組織/支援を受ける組織への要望、(3)感じ考えていること、の3点について報告した。

支援を行う組織として東郷は、社会変革における組織基盤強化の重要性、また組織基盤強化の取り組みが組織文化として定着していくことの意義、そしてそれらノウハウが業界全体に共有・浸透されることの重要性を報告した。

一方で、セクター全体の成長を促進するために、どの層を応援することが効果的かまだ定まっていないとの課題を提示した。

続いて松元は、JICAとしての支援制度を説明した後、支援を受ける組織に対して、組織同士の繋がりと学び合いによって他組織と自組織との比較を通じた気付きの重要性を述べた。

制度を整えるだけでなく、組織自らが組織基盤強化の必要性・重要性を感じて取り組むモチベーションがなければ、制度があっても組織基盤強化に資さないのではといった問いを提示した。

支援を受ける組織として篠原は、支援を行う組織に対して、より効果的なものにする為には、結果だけでなく強化プロセスを重要視すべきであることを強調した。その為強化のための組織再構築のモデルケースを提示することが望ましいと述べた。

最後に評価・伴走者の田口からは、支援を行う組織に対しては、業界の現状と外部環境の変化を把握し、業界がどうなれば世界が良くなるのかという視点をプログラムに反映することの重要性が述べられた。

支援を受ける組織には、環境が変化する中で、組織変革に取り組むことに対して組織全体で合意形成をとることが、組織基盤強化の一歩目であると報告をした。

パネルディスカッション

報告を踏まえ、中山がコーディネーターとして、報告者が討論者となり、パネルディスカッションを行った。

特に組織基盤を強化するにあたって、組織内部での合意形成と組織基盤強化に関わる三者の緊密な連携について多くの議論がなされた。

組織内部での合意形成については、組織の根幹に関わる課題と向き合うため、多くの困難や痛みを伴うこともあり、その認識を組織全体が事前に共有・合意し、取り組まなければ、本質的な組織基盤強化への取り組みは難しいことが強調された。

また三者の連携は支援制度への申請前からコミュニケーションを図るべきであり、また実施前・中・後が有機的に連結された一連モデルケースを整備することが重要であることが合意された。

フロアからのコメント

組織基盤強化を考える上でも資金調達の重要性を感じたといった感想が述べられた。

そして組織の活動分野や特徴に合わせた強化方法や成長の特徴を整理する必要があるのではないか、さらに、組織の核となるミッション・ビジョンといったアイデンティティを明確化し継承することが組織の基盤強化には不可欠であり、具体的にどのように取り組むべきか改めて考えるきっかけとなったというコメントがなされた。

【総括】

組織基盤強化に関して、支援を行う組織、支援を受ける組織、評価・伴走者という異なる立場である者が一堂に会するということが、大きな意味をもった。

そして、今後NGOが継続して組織基盤を強化していく上で必要となる視点や支援制度の在り方について、率直な意見が開示され、開かれた議論が成されたことは、今後の支援制度設計、そして本業界の成長に大きな意義を見出すことが出来る成果となった。

報告者:楯晃次(株式会社EMA)

[2H02] メイキング・オブ・開発協力大綱:大綱はどう作られ、どこに向かうのか

  • 日時:2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:45
  • 会場:紀-108 (紀尾井坂ビル108)
  • 聴講人数:00名
  • 座長:
  • ディスカッサント/コメンテーター:
*山形 辰史1、*河野 敬子2、*原 昌平3、*井川 真理子4、*鈴木 千花5 (1. 立命館アジア太平洋大学、2. (一社)海外コンサルタンツ協会、3. 国際協力機構、4.(株)コーエイリサーチ&コンサルティング、5. 持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム)

【総括】

報告者:

[2O05] JICA国際協力事業における評価の枠組みとグローバル危機について

  • 日時:2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:45
  • 会場:紀-412 (紀尾井坂ビル412)
  • 聴講人数:00名
  • 座長:佐藤 真司(独立行政法人国際協力機構)
  • 指定討論者:伊藤  晋(新潟県立大学)

第1発表:JICA事業評価の概況と最新課題-紛争影響国の事業評価の視点-

阿部 俊哉(独立行政法人国際協力機構)
山口 みちの(独立行政法人国際協力機構)

南スーダン、フィリピン(ミンダナオ)の事例を交え、紛争影響国の事業での評価の難しさとともに、「紛争影響国・地域に留意した事後評価の視点」を整理・公開していることを紹介した。また、外部要因の考え方の整理が重要であることを報告した。

指定討論者から、①感染症、経済危機、政権交代等で事業に影響が生じた際の評価での対応、②騒乱等の影響が事業実施段階に発生し、事業計画と異なる対応が生じた場合の評価の考え方について質問があった。

JICAから、①事業形成時には想定困難で事業期間中に対応困難な事象が発生した場合、外部要因と整理するが、一律の判断基準を設けることは困難なため、事業が受けた影響の記録を残すことが重要であること、②紛争影響国での事業は、案件計画当時に治安悪化等のリスク想定及びその対策の実施内容、計画時の想定を超える治安悪化等が事業に与えた影響、事業継続に向けた対応等を事後評価時に確認することを説明した。

第2発表:新事業マネジメント(クラスター事業戦略)でのモニタリング・評価の枠組み検討について

宮城  兼輔(独立行政法人国際協力機構)
菅原  貴之(独立行政法人国際協力機構)

JICAグローバル・アジェンダ(JGA)・クラスターの概要と、クラスター単位でのモニタリング・評価の試行案を紹介した。また、クラスター導入を踏まえたJICAの評価6項目の適用項目、確認時の重みの分散案を説明した。

指定討論者から、①クラスター外の技術協力への評価6項目の適用方針、②技術協力と資金協力の取扱が異なる理由、③クラスター単位での成果検証方法について質問があった。

JICAから、①評価6項目の適用項目や重みの分散は試行対象クラスター及び事業のみ、試行結果ではクラスター外の事業に適用する可能性がある、②技術協力は活動の過程でアウトプット、アウトカムが発現するが、資金協力は事業完了時にアウトプットが生成され、事業完了の一定期間後にアウトカムが発現するのが主流という違いを踏まえている、③クラスターは、技術協力以外に資金協力や民間連携事業、他機関とのプラットフォーム活動の成果も確認対象になること、を説明した。

【総括】

以下のような質問・コメントがあった。JICAからは、JGAとクラスターが目指す方向性は、今次大会のテーマである「複合的危機下における連帯と共創」とも通ずるものであり、指摘の点も踏まえ、試行プロセスを通じてよりよい制度設計をしていきたい旨回答。

  • 多様なステークホルダーを巻き込むクラスターは、JICA単体で事業監理が可能なのか。
  • EBPMならぬPBEM (Policy Based Evidence Making)にならぬようすべき。
  • IMM(Impact Measurement and Management)の発想が重要である。
報告者:佐藤 真司(独立行政法人国際協力機構)

[2P01] 2023 JASID 世銀協議―世界銀行 ・ 日本政府 ・ 住民を繋ぐ者たち―

  • 日時:2023年11月12日(日曜)12:45 〜 14:45
  • 会場:紀-413 (紀尾井坂ビル413)
  • 聴講人数:15名
  • 座長:玉村優奈(東京大学)
  • ディスカッサント/コメンテーター:大芝亮(広島市立大学広島平和研究所)、松本悟(法政大学)

第1発表:文化運動としての愛知用水ー仲介者「久野庄太郎」を中心にー

柴田 英知(歩く仲間)

2021年9月30日に通水60周年を迎えた愛知用水は、第二次世界大戦後の、日本初の地域総合開発事業ともいわれ、また世界銀行の借款事業としても知られている。

愛知用水の事業推進の内部構造を、ソーシャル・イノベーション論の枠組みで読み解き、「文化運動としての愛知用水」という観点から、発願者であり篤農家の「久野庄太郎」の開発思想、久野らを支えた官民、皇室にまで及ぶネットワークを中心に、地域開発事業をめぐる仲介者の協働ととらえる視点を提示した。

愛知用水の事例で何がなかったら失敗していたか、成功と失敗を決める事業評価の根本的な在り方(松本)、開発コミュニティはどのようにつくられるか(大芝)がコメントされ、愛知用水が他の対日融資と比べても特異な事例であることを柴田氏は強調した。

第2発表:日本のNGOと世界銀行・財務省との対話と課題

田辺 有輝(JACSES)

田辺氏は、世界銀行と融資事業地の住民らとの仲介的な存在である「財務省・NGO定期協議」について報告した。その中で、大芝氏による過去の外部評価が紹介され、信頼関係の醸成が財務省とNGOの双方にとっての成果として挙げられた。

その後の20年間の考察として、財務省内の人事異動による知識の蓄積や逐次議事録の公開が協議を発展させたと自己評価した。

また、愛知用水の比較事例として、世界銀行が1960年から1970年に「緑の革命」として推進したパキスタンの灌漑事業が深刻な塩害を引き起こした問題を取り上げた。塩害対策の事業が新たな環境社会被害を引き起こし、それが世界銀行のインスペクションパネルにかけられ、5つの政策違反が指摘された。

愛知用水という「図らずも」成功した農業事業がある一方で、「図らずも」問題の連鎖を引き起こした農業事業もあった。

コメンテーターからは、対日融資と現在の世銀事業との異同(松本)や、協議に参加するNGOとそうでないNGOとの線引き(大芝)などについてコメントがなされた。

第3発表:2023 JASID – 世界銀行協議―世界銀行・日本政府・住民を繋ぐ者たち―

米山 泰揚(世界銀行)

米山氏は、愛知用水を主管する農林省が3省と共管し、基本計画を5省庁と協議し、さらに実施計画は3県と協議したうえに農民の意見提出権が明記されていることは当時としては極めて珍しいと指摘した。

また、米山氏が財務省職員として関わったNGOとの定期協議の意義を評価し、住民等の関係者の視点を通じて事業の多面性を認識したこと、開発政策を巡る自由闊達な議論によって「開発コミュニティ」が形成されたこと、国際開発に携わる行政官の「教育」になったことを挙げた。

世界銀行の最新の動向として、気候変動・パンデミック・政情不安な脆弱国などに対処する国際公共財の供与を強化し、環境・社会配慮原則を緩めることなく案件組成に要する時間の大幅短縮を目指すこと、今後10年で1,500億ドルの融資を積み増すことなどを説明した。

コメンテーターからは、世界銀行の予算増額・時間短縮とAIIBや中国との繋がり(大芝)や市民社会と世界銀行の間を財務省が仲介することの煩雑さ(松本)について質問が出され、米山氏からは、AIIBは競争相手ではない点や、市民社会が国会を通じて問題提起するのと同時に、財務省との定期協議の場において掘り下げた議論を行うことで、実質的な改善に繋がるなどの認識が示された。

【総括】

世界銀行の対日融資である愛知用水と、1990年代以降の日本の財務省とNGO間の世銀に関する協議を取り上げ、仲介者の役割と組織を超えた知の蓄積の重要性を浮き彫りにした。

現在、世界銀行は融資額を増加する一方で、融資審査の期間を短縮する方針を打ち出している。

本RTが、現場と世銀を繋ぐ仲介者の活動をどのように活性化できるか、新たな制度的枠組みづくりと過去の経験の援用の限界と可能性といった新たな課題を提起したといえる。

さらに、本RTが今後の国際開発学会で、世界銀行を筆頭に国際開発金融機関への議論と関心が高まるきっかけとなることを期待する。

報告者:玉村 優奈(東京大学)

[2C03] 外国人技能実習制度を通じた技能移転をめぐる課題と可能性ーベトナムにおける社会的ニーズと技能実習生の生活戦略

  • 日時:2023年11月12日(日曜)15:00 〜 17:00
  • 会場:紀-B104 (紀尾井坂ビルB104)
  • 聴講人数:20名
  • 座長:生方史数(岡山大学)
  • ディスカッサント/コメンテーター:佐藤寛(開発社会学舎)

第1発表:ベトナム人元技能実習生における技能移転と将来設計

加藤丈太郎(武庫川女子大学)

コメント:「技能移転」を研究することは技能実習制度を擁護することにもつながるのではないか。

応答:本研究は、制度の是非を超えて、移民個人に制度がどのような影響を及ぼしたのか、その内実を明らかにすることを目指している。

コメント:分析枠組みにcapabilityを用いているが、移住と開発の研究分野ではaspirationも合わせて議論されている。元技能実習生のaspirationも考える必要があるのではないか。

応答:たしかにaspirationによって事象を説明し得る可能性がある。今後ぜひ取り入れていきたい。

コメント:研究方法は、31名へのインタビューとあるが、どのように調査対象者を確保したのか。

応答:データの偏りを防ぐために、在ベトナムの日本語通訳者、日本のベトナム寺院の住職、カトリック教会のシスター、自らの前の研究の調査対象者への再コンタクトなど、複数のルートをたどり調査対象者を集めた。結果的に相当数の方へのインタビューの実現につながった。

第2発表:ベトナムの農業をめぐる社会的ニーズと技能実習生の生活戦略としての技能移転

二階堂裕子(ノートルダム清心女子大学)

コメント:日本の農業分野で就労し、農業の技術を学んだとしても、技能実習生の母国の自然条件や地理的条件が異なるため、必ずしもその技術を活用することができるわけではないのではないか。

応答:狭い意味での技術ではなく、作業遂行のための能力、たとえば、農業経営の考え方や方法を身につけることで、それを母国で活用することは可能であると思う。

ただし、日本社会がもつ知識や技能を、技能実習生の母国のそれらよりも「優れたもの」と安易に位置づけ、「修得するに値するもの」として一方的に「押し付ける」といった姿勢があるとすれば、おおいに検討の余地があると考える。

そのためにも、送出国でどのようなニーズがあるのか、そのニーズに応えうる技能とは何かを吟味する必要がある。

第3発表:介護分野におけるベトナムへの技能移転の課題と可能性:「移民力」の視点から

比留間洋一(静岡大学)

コメント:Cさん(将来故郷で介護サービスを提供すべく、現在、日本在住ベトナム人高齢者に介護ボランティアを試行)は、ベトナムでは大卒、日本では(技能実習生ではなく)留学生(現在、介護福祉士)。

ここからも示唆されるように、調査対象者を技能実習生に限定しないほうがよいでは。また、(コミュニティのチェーンマイグレーションではなく)一人の個人によるものなので、故郷のコミュニティ開発への影響は限定的になるのではないか。

応答:確かにCさんのような介護職者はまだ少ない。しかし、介護ボランティアにはCさんの同僚のベトナム人介護職者(元技能実習生を含む)が自ら進んで参加している点で可能性が感じられる。

「上からの」日本式介護の輸出ではなく、「移民力」(故郷への思いと実践)を基盤としたベトナム人による「下からの」試みのほうが持続性の面で期待できるのでは。以上から、このような事例に今後とも注視していく必要がある。

【総括】

政府の有識者会議より、近日中に、技能実習制度に代わる新しい外国人労働者の制度が示される見込みである。

今年10月に立ち上がった「移住と開発」研究会では、こうした動向をふまえつつ、日本社会が外国人労働者から「選ばれ続ける」ための道筋を検討していきたい。

報告者:二階堂裕子(ノートルダム清心女子大学)

[2D03] SDGsを追い風とした国際協力人材の確保とキャリア形成~RiskとOpportunity~

  • 日時:2023年11月12日(日曜)15:00 〜 17:00
  • 会場:紀-B108 (紀尾井坂ビルB108)
  • 聴講人数:30名
  • 座長:佐藤仁(東京大学)
  • ディスカッサント/コメンテーター:山田肖子(名古屋大学)・末森満(国際開発ジャーナル社)

第1発表:国内外の社会課題解決を結ぶ国際協力キャリア

江崎千絵(JICA)

  • JICAを取り巻く国際協力人材の現状と課題
  • JICA内外の開発協力人材の養成・確保に向けたビジョン
    (多様化・複雑化・変化する世界規模の(開発途上国の)課題に、機動的・革新的に対応するために、活力ある魅力的な開発協力人材市場を実現する)
  • 職業としての国際協力の認知向上
  • 越境支援、人材の還流
  • 個人にとっての魅力的なキャリアアップと業界全体での共創促進の方策とは?

本当に優秀な人を、国際協力人材として活躍してもらえる状態にしておくかが大事なのではないか、そのためにも待遇の工夫や地位向上への努力も必要だろう。

第2発表:「開発コンサルティング人材の確保とキャリア形成」

河野敬子(ECFA)

  • 開発コンサルタントの年代構成
    (20代と70代の増加、30代の減少)
  • 高齢化と中堅層の確保
  • 70代のプロジェクトマネジャーの増加
  • 課題と対応
    (ジェネレーションギャップ、働きやすさ、報酬、魅力発信、参入障壁対策)

開発コンサルタントは新規マーケットを目指しているのか?日本のコンサルがグローバル競争に入っていけるのか?などの質問があった。

第3発表:国際協力人材育成における大学の役割」

須藤智徳(立命館アジア太平洋大学)

  • 国際開発に関する学生アンケート結果
  • サステナビリティ学科の学生8割が国際開発に関心あり
    (ほとんどが授業をきっかけに関心)
  • 将来仕事として関わりたい人は6割
    (JICA等政府機関が人気)
  • 高校までの動機付けをどう作るか
  • 大学で国際開発教育の動機付けをどう強化するか

国際開発の仕事に関心がある学生に対して、新卒採用の門徒が狭いといった受け入れ側の課題も多く、学生からはハードルが高い印象。専門性や経験も具体的に何をといった提示があるとキャリア形成に役立つといった学生側からの声も聞かれた。

【総括】

江崎氏、河野氏、須藤氏の順にそれぞれの立場で感じている国際協力人材についての現状や課題について発表を行った後、討論者末森氏からは、①国際協力とは何かを明確にする、➁国際協力の担い手(国際協力人材)はグローバル人材である、③働く環境を改善する、④人材確保に対しターゲットを大学生に加えて中高生に拡大するといった指摘があった。

討論者山田氏からは、「国際開発学」「国際開発業界」という言葉が暗黙のうちに作ってしまっている職業上の参入障壁と″業界人”の思考枠組みをいかに変えるか?テーマとしては関心がある、既に関わっているという層といかにつながるか?といった点について、有機的につながり続けるための仕掛けにイノベーションが必要との指摘があった。

今後、学生を含めた20代、30代をターゲットとしたイベント等を検討していくべく、学生に協力を呼び掛けた。

報告者:河野敬子(ECFA)

[2H03] SDGs Reexamined-Lessons Learned from Afrian Experience (English)

  • 日時:2023年11月12日(日曜)15:00 〜 17:00
  • 会場:紀-108 (紀尾井坂ビル108)
  • 聴講人数:45名
  • 座長:Masato Noda (Ibaraki University)
  • ディスカッサント/コメンテーター:Woury M. Diallo (ex. World Bank)

第1発表:Aid Complementarity: Theory and Practice in Africa

Takeshi Daimon-Sato (Waseda University)

In this presentation, the author presented on aid complementarity in Africa. Main message can be summarized as follows: 1) competition is good, but coordination failure often results in costs for all parties. 2) there is a case for grand coalition for Win-Win-Win case, 3) It may be difficult to find a convergence for the Belt and Road Initiative (BRI) and Free and Open Indo-Pacific (FOIP) – but there exists a more realistic possibility for collaboration between FOCAC and TICAD for targeted topics. 4) in selected fields such as medical-public health/educational fields (example in Mauritania), there are some good practices in support of complementarity thesis, while transportation/energy infrastructure – there seems to be most difficult challenge to overcome. It is important to grasp the concept of complementarity with some gradation on the basis of a) Reciprocal Complementarities – South-South Cooperation, Equal Partner Cooperation / Interdependence, b) One-Sided Complementarities – Center-Periphery Relations (Growth Center vs Supplier Countries) / Dependence.  Further, the analysis could be broken into sectoral level (input-output inter-industry, or intra-industry) complementarities.  Also, multidimensionality of complementarities could apply to resources (skilled labor, capital), institutions, hardware and software (infrastructure and management system).

第2発表:Halfway of SDGs to 2030

Masato Noda(Ibaraki University)

SDGs are the global development goals 2016-2030. They are on halfway in 2023. They are required to reexamine based on the COVID-19 pandemic. Analysis of its impacts on SDGs requires multidimensional approach regarding to the three dimensions of sustainable development; economy, society and environment. The pandemic highlights vulnerability, especially people and are that left behind. COVID-19 pandemic is a global thread and crisis of human security. It is necessary to “rebuild our economies sustainably and inclusively.” “Remember, we are in this together,” “No one will ever be truly safe until everyone is safe” (Mohamed, A.J). SDGs motto, “No one left behind” is not just ideal but should be in practice. For post/with Corona society, it necessary to accelerate SDGs through human security approach in Anthropocene.

第3発表:Rely on China? Africa’s Path to SDG 10

Christian S. Otchia (Nagoya University)

This research explores the influence of Foreign Direct Investment (FDI) on regional inequality in Ghana, addressing the spatially imbalanced distribution of FDI, particularly in urban areas. Using a regional inequality index derived from predicted GDP, the study employs a panel data fixed effect model spanning 1994 to 2020 across ten regions, providing a nuanced regional-level analysis. Notably, FDI is found to significantly reduce regional inequality, highlighting the role of Ghana’s absorptive capacity. The study underscores the positive impact of FDI in the manufacturing sector, advocating for tailored policies to attract such investments to foster equitable regional development. Moreover, Chinese FDI is identified as a key contributor to reducing regional disparities, aligning with policies emphasizing infrastructure and employment. The research offers policy recommendations to optimize FDI distribution, strengthen bilateral relations with positive contributors like China, and align strategies with SDG 10. Emphasizing the non-linear relationship between FDI and regional inequality, the study calls for an adaptive approach to maximize benefits while mitigating potential disparities, emphasizing the manufacturing sector’s potential and aligning strategies with the African Continental Free Trade Area.

第4発表:China-Africa Cooperation and SDGs

Naohiro Kitano (Waseda University)

In this presentation, the author presented on the recent China-Africa relations and China’s efforts to make use of the SDGs to expand its influence, as well as challenges on the African side. China has been hosting the Forum of China Africa Cooperation (FOCAC) as a platform for enhancing relations with Africa. In 2021, for the first time, the ministerial conference adopted the long-term plan for FOCAC. The three-year plan shifted its focus from infrastructure to health, the digital economy, and human resource development. As for infrastructure, China has become more cautious about providing new loans as the debt problems of developing countries, including African countries, have worsened. A new initiative emerged in 2021: the Global Development Initiative (GDI), which provides a global platform hosted by China to accelerate the achievement of the SDGs. the GDI seems to be more of a foreign policy to increase the influence on global south rather than a development policy. Chinese government announced funding for the GDI, but not on the scale of the Belt and Road Initiative (BRI). From the developing countries’ perspective, taking Zambia as an example, good leadership and governance is the key to managing relations with China.

第5発表:China’s Party-State Relations in Africa

Takashi Nagatsuji (Waseda University)

How does the Communist Party of China (CPC) interact with the Chinese Ministry of Foreign Affairs (MFA)? Previous studies on party-state cooperation of China point out a clear division of work between the party and the state. However, in reality the divisional cooperation between the CPC and the MFA is blurry. My research untangles China’s party-state relations in Africa by constructing and analyzing original datasets covering the activities of both the International Department of the CPC Central Committee (IDCPC) and the MFA. The IDCPC is an organ in charge of the CPC’s external work. On the one hand, my research shows that party-state cooperation is not strong in terms of geographically selecting their partners and that their cooperation is weak even in the Belt and Road Initiative (BRI). On the other hand, my research shows that the IDCPC aligns with the MFA in their main activities, illustrating two types of party-state cooperation: Party-Led Cooperation and State-Led Cooperation. My research implies that China does not have one overarching Africa Strategy and the IDCPC and the MFA has its own Africa Strategy. This research contributes to the literature on China-Africa relations and advances understanding of the relations between political parties and state organizations.

【総括】

This round table is the kickoff session of new JASID ‘SDGs Re-examined’ Research Group. It aims to develop the research on SDGs post/with Corona era toward 2030, as the successor of precedent SDGs research groups of JASID: on ‘Sustainable Development and SDGs’ and ‘Resilience of Development and SDGs’. The book, Noda, M. ed. (2023) ‘SDGs Re-examined: Post/With Corona and Human Security’ is a fruit of them. Based on these, the research group plans to 1) conduct case studies of the regions, such as Africa, Asia and Pacific, and Latin America, 2) organize academic sessions and publish articles and books in English.

報告者:Masato Noda (Ibaraki University)

[2J03] 大国間競争の時代に ODAで「普遍的価値」を促進することの意味を問う

  • 日時:2023年11月12日(日曜)15:00 〜 17:00
  • 会場:紀-115 (紀尾井坂ビル115)
  • 聴講人数:00名
  • 座長:
  • ディスカッサント/コメンテーター:
*志賀 裕朗1、*福岡 杏里紗3、*荒井 真紀子2、*小林 誉明1(1. 横浜国立大学、2. JICA研究所、3. デロイトトーマツコンサルティング)

【総括】

報告者:

[2O06] 人口減少社会における創造的復興とは何か?

  • 日時:2023年11月12日(日曜)15:00 〜 17:00
  • 会場:紀-412 (紀尾井坂ビル412)
  • 聴講人数:20名
  • 座長:松岡俊二(早稲田大学)
  • ディスカッサント/コメンテーター:中村勝則(秋田県立大学)、工藤尚悟(国際教養大学)

第1発表:東日本大震災からの「ポスト復興」のまちづくり:岩手県陸前高田市の事例

木全洋一郎(JICA北海道帯広)

木全さんの陸前高田市の事例報告、戸川さんの紫波町オガールプロジェクトの事例報告、島田さん・辻さん・松岡の福島浜通り復興の事例報告は、まちづくりのビジョンやコンセプトの形成プロセス、公民連携(PPP)のプロセス、よそ者(外部者)と地域社会内の人々との関係、社会イノベーション創造のための知識創造や資源動員のあり方、政策形成と「対話の場」=「学びの場」の関係(科学と政治と社会の協働)のあり方など、さらに幾つかの基本的な評価軸で比較研究すると一層興味深い研究成果が生まれ、実践への教訓が明確になるように思います。

引き続き調査研究を続けたいと思います。

第2発表:多様な主体が地域で学習する場の形成を通じた地域再生に関する一考察:紫波町オガールプロジェクトの事例

戸川卓哉(国立環境研究所福島地域協働研究拠点)

中村さんのコメントの研究者・専門家としてのまちづくりや地域再生への関与(参与)のあり方は、大学に籍を置く研究者・学者として深く考える必要を感じました。

12年半前の東日本大震災・福島原発事故は日本の大学と政治や社会のあり方を考える大きな機会だったのですが、今になって思うと、持続的な大学改革への努力が根本的に不足していたように思います。

ある意味で、そうした自主的な持続的な努力の不足が、「失われた30年」の日本の科学技術力や日本の大学の国際的な地位低下の大きな要因の一つであるように思います。

第3発表:人口減少社会における原子力災害からの福島再生を考える:福島再生塾の設立に向けて

松岡俊二(早稲田大学)
島田剛(明治大学)
辻岳史(国立環境研究所福島地域協働研究拠点)

工藤さんが最後の方でコメントいただいた以下の指摘は、福島の復興や廃炉の研究をする者として大変重く心に響きました。

「この12年半、福島へボランティアや視察などで訪れた人は私の周りにも多くいる。しかし、そうした多くの人々の福島の復興や廃炉への関心は持続せず、福島県浜通り地域の関係人口とはなっていない。このことは、福島県のホープツーリズムなどが提供する福島復興のメッセージやコンセプトと日本社会や世界の福島への想いが乖離していることを示しているのではないか。『福島の問題は日本の問題であり、福島の問題は世界の問題である』ということを明確なメッセージやコンセプトとして示していくことが必要ではないか」。

【総括】

11月12日(日曜)15:00-17:00、上智大学で開催されました国際開発学会・第34回全国大会・企画セッション「人口減少社会における創造的復興とは何か?」では、創造的復興、まちづくり、地域再生などをめぐり、地域社会内外の多様なアクターによる「場」づくりのあり方や知識創造・イノベーション創出のあり方など、大変充実した議論が出来ました。

報告者の方々、秋田からご参加いただいた討論者の中村さん、工藤さん、福島(富岡町)から参加いただいた穂積さんなど、参加された皆さんに心から感謝申し上げます。

報告者:松岡俊二(早稲田大学)

[2P02] テストと学力改善

  • 日時:2023年11月12日(日曜)15:00 〜 17:00
  • 会場:紀-413 (紀尾井坂ビル413)
  • 聴講人数:00名
  • 座長:
  • ディスカッサント/コメンテーター:
*谷口 京子1、*光永 悠彦2、*渡邊 耕二3、*丸山 隆央4、*石井 洋5 (1. 広島大学、2. 名古屋大学、3. 宮崎国際大学、4. JICA緒方研究所、5. 北海道教育大学)

【総括】

報告者:

その他

  • 一般口頭発表
  • 企画セッション
  • ラウンドテーブル
  • プレナリー、ブックトーク、ポスター発表



第34回全国大会セッション報告(プレナリー、ブックトーク、ポスター発表)


プレナリー(対面・オンライン)


日本の開発援助はどこに向かうのか―開発協力大綱の改定を受けて—

  • 2023年11月11日(土曜)13:30 〜 16:30
  • 2-1702 (2号館1702)

【司会】小松 太郎:上智大学総合人間科学部教育学科教授、国際開発学会大会実行委員長

【モデレーター】田中 雅子:上智大学総合グローバル学部教授、国際開発学会大会実行委員会事務局長

基調講演「国益、地政学、人間の安全保障―開発協力はどこへ行く?」

峯 陽一:国際協力機構(JICA)緒方貞子平和開発研究所所長、同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教授、開発協力大綱の改定に関する有識者懇談会委員、国際開発学会員

コメンテーター

  • 伊豆山 真理:防衛研究所理論研究部長、専門分野:南アジアの政治・外交・安全保障
  • 佐藤 仁:東京大学東洋文化研究所教授、国際開発学会 会長
  • 松本 悟:法政大学国際文化学部教授、外務省開発協力適正会議委員、国際協力機構(JICA)環境社会配慮助言委員、国際開発学会 常任理事

前半は、峯陽一(同志社大学、JICA緒方貞子平和開発研究所所長)による基調講演「国益、地政学、人間の安全保障―開発協力はどこへ行く?」に続いて、伊豆山真理(防衛研究所)、佐藤仁(東京大学)、松本悟(法政大学)がコメントを述べた。

また、バングラデシュとフィリピンの研究者、ならびにケニアの市民社会組織のオピニオンリーダーからのビデオレターを上映した。

後半は、会場からの質問をもとに、政府開発援助(ODA)と政府安全補償能力強化支援(OSA)の区別、それらのモニタリング過程への相手国政府や市民社会の関与、国際協力に関わる人材を増やすための大学教育のあり方、開発援助の新たな価値の創造に学会や研究者はどう関わっていくかという点などについて、コメンテーターによる討論を行った。

司会は大会実行委員長の小松太郎が、モデレーターは大会実行委員会事務局長の田中雅子(ともに上智大学)が務めた。

上智大学国連WEEKSのポスト企画として実施し、日英同時通訳と日本語字幕による情報保障を行った。上智大学国際協力人材育成センター(SHRIC)からも協力を得た。

大会参加者の他、上智大学国連WEEKSの申込者あわせて約200名が対面で、100名以上がオンラインで参加した。

第34回全国大会・実行委員会
委員長:小松太郎(上智大学)


ブックトーク

  • 日時:2023年11月12日(日曜)09:30 〜 11:30
  • 会場:紀-112 (紀尾井坂ビル112)
  • 聴講人数:50名
  • 企画責任者・モデレーター:佐藤寛(開発社会学舎)、島田剛(明治大学)、道中真紀(日本評論社)芦田明美(名古屋大学)

報告書籍(1)『争わない社会――「開かれた依存関係」をつくる』

  • 発表者:佐藤 仁(東京大学東洋文化研究所)
  • 担当編集者:倉園 哲(NHK出版)
  • 討論者:志賀裕朗(横浜国立大学)

コメント・応答

国家間の戦争、社会の分断、個人同士やネット上の諍(いさか)いなど、豊かになり余裕ができた時代にも争いが絶えないのはなぜか?国からは「自助」を、市場からは「競争に勝ち残ること」を求められて、個人が孤立無援となってしまうのはなぜか?

本書は、その原因が近代人の「自立」への欲求にあったと見て、その陰で見落とされてきた「依存」の可能性を問う試みである。

誤読された進化論、支援国の利益になる対外援助、明治から100年近く闘われた入会権闘争、社会問題の発見を通じて居住地域への帰属意識を育んだ生活綴方までを分析。機能的な中間集団への依存が争いの芽を摘む可能性を示す。領域を横断する考察が切りひらく、社会科学からの挑戦の書。

報告書籍(2)『未来へ繋ぐ災害対策:科学と政治と社会の協働のために』

  • 発表者:松岡俊二(早稲田大学)
  • 担当編集者:渡部一樹(有斐閣)
  • 討論者:木全洋一郎(JICA)

コメント・応答

従来の災害対策では有効に対応できない災害が多発し、従来のやり方では「未来へ繋ぐ災害対策」にならないのではないかという深く本質的な「問い」を踏まえ、どのようにすれば「未来へ繋ぐ災害対策」を創ることができるのかという「問い」に「応えたい」と思い、本書「未来へ繋ぐ災害対策」を編集した。

しかし、本書は「未来へ繋ぐ災害対策」とは何かという「問い」に対する「答え」を提示しない。より正確に言えば、「問い」への唯一の正解や最適解はないし、正解は幾つもあるというのが本書の基本的な立場である。

幾つも存在する正解から、科学と政治と社会は協働して「対話の場」=「学びの場」を形成し、社会的に納得可能な解決策を共創することが必要であり重要だというのが、本書の一貫したメッセージである。

さらに言えば、「学びの場」とはLearning Communityであり、災害対策の新しい知識を創造するという目的をもったコミュニティである。

科学と政治と社会による「対話の場」=「学びの場」が有効に機能するには、参加者のエンパシー能力の形成や境界知作業者の役割が決定的である。

こうした点も、本書の重要なメッセージとして終章で詳しく述べている。

報告書籍(3)『入管の解体と移民庁の創設ー出入国在留管理から多文化共生への転換』

  • 発表者:加藤丈太郎(武庫川女子大学)
  • 担当編集者:黒田貴史(明石書店)
  • 討論者:齋藤百合子(大東文化大学)

コメント・応答

法務省入国管理局は入管法の執行者として自らをあらゆる権力の上位に置いてきた。

2019年4月に、出入国在留管理庁へと格上げされる中、スリランカ人女性の死亡事件が起きた。入管は現在のまま存続して良いのであろうか。

入管を一度解体し、新たに移民庁を創設するアイディアを本書では構想した。第1章から第16章まで16 名の著者(監修者を含む)による論考を収録した。

第1部は「人権無視の外国人管理」と題し、出入国在留管理庁において人権が守られていない状況を主に実務家が事例をもとに示した。

第2部は、「元入管職員の『中の視点』から」と題し、実際に入管に務めた経験を有する元職員が出入国在留管理庁における問題点を「中の視点」から述べた。

特に元東京入国管理局長からは、「交流共生庁」の創設という具体的な案が示された。

第3部は戦後から21 世紀にかけての「入管の歴史」を4名の研究者の論考をつないで追いかけた。

第4部「移民庁の創設に向けて」では、3名の研究者の論考から「民族」概念を問い直し、入管に存在する「レイシズム」を明らかにし、「諸外国の入管・統合政策担当機関」のあり方を整理した。

報告書籍(4)『SDGs時代の評価:価値を引き出し、変容を促す営み』

  • 発表者:米原あき(東洋大学)
  • 担当編集者:鶴見治彦(筑波書房)
  • 討論者:山田肖子(名古屋大学)

コメント・応答

SDGsの取り組みは評価が難しいと言われる。それは、SDGsがこれまでの国際開発目標とは異なる次元で問題提起をしているのに対し、その取り組みを評価する方法や思考が旧次元に留まっているからではないか。

本書では、「評価evaluation」という活動を価値(value)を引き出す(ex-)ための営みと捉えて、SDGs時代に求められる評価の在り方を検討している。

「不確実性のなかで多様な個人や集団が協働して持続可能な社会を構築することが求められる時代」であるSDGs時代の評価には、ふたつのシフトが求められる。

それらは、①評価をPDCAの「C」という一点でとらえる「点の視点」から、PDCAという一連の流れやそのサイクルの積み重ねという「線や面の視点」へのシフトと、②評価を与えられた指標に基づく測定と前提して「いかに測るべきか」(measurability)を問う姿勢から、そもそも評価したい/すべき価値は何なのかという大前提からの問い直し(evaluability)を前提とする姿勢へのシフトである。

本書の各章では、これらのシフトにかかる事例や、これらのシフトに関連する新たな評価理論を紹介している。

報告書籍(5)『SDGsを問い直す ポスト/ウィズ・コロナと人間の安全保障』

  • 発表者:野田真里(茨城大学)
  • 担当編集者:舟木和久(法律文化社)
  • 討論者:山形辰史(立命館アジア太平洋大学)

コメント・応答

SDGs(2016~2030年)の中間年にあたる2023年、SDGsを問い直す野心的研究として、人間の安全保障上の危機であるコロナ禍の教訓を踏まえ、ポスト/ウィズ・コロナを展望しています。

本書はSDGsの17目標に因んで17の論稿から構成されています。SDGsのゴールの達成状況の分析とともに、今回のコロナ禍によってもたらされた課題を2つの角度から分析しています。

1つは、「取り残される人々」やレジリエンス(強靭性、回復力)の観点です。もう1つは、「ポスト/ウィズ・コロナ」の観点です。

「取り残された人々」が具体的にどのような危機的状況におかれているのか、また、SDGsの観点からどのように取り組んでいくべきなのかを詳細に描いています。

本書では、これまでSDGsについて充分論じられてこなかったテーマ(高齢者、障害者等)やSDGsへの批判的観点を含めて、踏み込んだ検討を行っています。

また本書は国際開発学会員のSDGsに関する2016年からの2つの研究部会(「持続可能な開発とSDGs」、「開発のレジリエンスとSDGs」)の成果でもあり、多くの学会員が執筆しています。

【総括】

本ブックトークセッションでは会員による近刊5冊の書籍についての紹介が、著者および出版社の編集担当者よりなされ、出版に至ったきっかけや経緯、苦労等が共有された。

討論者からは、内容を踏まえての貴重なコメントが提供された。参加者は常時50名にのぼり、活発な質疑応答となった。

報告者:芦田明美(名古屋大学)

ポスター発表

  • 2023年11月11日(土曜)09:30 〜 13:00(コアタイム11:45-12:45)
  • 2号館5階学生食堂
  1. [1R01] 僧院が担う新たな社会的包摂機能
    ―ブータン王国における仏教とウェルビーイング―

    *佐藤 美奈子(京都大学)
  2. [1R02] Space-Time Analysis of East-West Inequality of Economic Development and Digital Financial Inclusion: Province-level Evidence from China
    *Jiaqi LI(Nagoya University)
  3. [1R03] ミャンマーとバングラデシュにおける SDGsの達成状況
    ー目標1を中心にー
    *頼藤 瑠璃子、*エイチャン プイン(熊本学園大学)
  4. [1R04] ポストコロナにおけるスマートツーリズム:ヨーロッパとアジアの事例比較分析
    *ZHU Ningxin(立命館大学大学院)
  5. [1R05] 高校生は SDGsから何を考えイメージするのか~イメージマップテストを用いた分析~
    *坂根 咲花(関西学院大学大学院)
  6. [1R06] 気候変動の影響が武力紛争を招く社会の脆弱性条件
    *長野 貴斗(京都大学大学院)
  7. [1R07] ガーナにおける就学前教育が与えるスクールレディネスへの影響の分析
    *内山 かおり(神戸大学大学院)
  8. [1R08] Influence of Maternal Decision-Making on Children’ s Years of Schooling in Malawi
    *Yudai ISHII(Kobe University)
  9. [1R09] Analysis of Demand-Side and Supply-Side Factors on Learning Outcomes in Myanmar
    *Htet Myet Aung(Graduate School of International Cooperation Studies, Kobe University)
  10. [1R10] 地域 SDGsプロジェクト共創を促進するオープンソーシャルイノベーションプラットフォーム事業の実証研究 – 石川県金沢市 IMAGINE KANAZAWA2030パートナーズ事業の分析から-
    *津田 祐也1、*富田 揚子2 ( 無所属、2. 国連大学サステイナビリティ高等研究所)
  11. [1R11] An Assessment of Digital Competence of Freshmen at Top Ranked Public Universities in Bangladesh
    *Rakibul HASSAN(Kobe University)
  12. [1R12] Analysis of Parental Involvement and Secondary School Students’ Academic Achievement in Cambodia
    *SARA Thavrith(Kobe University)
  13. [1R13] 太平洋島嶼国パラオに見る開発の多元性
    ー援助ドナーとの相互依存関係と地域社会に着目してー
    *井川 摩耶(東京大学大学院)
  14. [1R14] Perception of Students with Disability on Inclusivity in Higher Educational Institutes of Bangladesh *Sheikh Rashid Bin ISLAM(Kobe University)
  15. [1R15] 発達障害のつくられ方−個性と障害の境界線をめぐる人々の認識と国際的診断基準のギャップ−
    *八郷 真理愛(横浜国立大学大学院)
  16. [1R16] An Analysis of the Factors Influencing Primary School Students Learning Achievements in Burundi
    *Deo KABANGA(Kobe University)
  17. [1R18] Analysis of Influence of Student and Family Factors on Learning Achievements in the Philippines.
    *Minghao Wang(Kobe Univ.)
  18. [1R17] An Analysis of Teacher Quality and Primary School Students’ Learning Achievement in Cambodia
    *Sreymech HOEUN(Kobe University)
  19. [1R19] フィリピンの若者が困難な状況を乗り越えるためのパターン・ランゲージの作成
    *金井 貴佳子、太田 深月、井庭 崇(慶應義塾大学)
  20. [1R20] バングラデシュにおける普遍的就学前教育政策下での就学前学校の種類の決定要因
    *宇野 耕平(神戸大学大学院国際協力研究科)
  21. [1R21] Assessment of community ICT access and connectivity for development of an intangible cultural heritage digital repository in Luang Prabang
    *Jerome SILLA1, Jun-ichi Takada2, Shinobu Yamaguchi1, Sengthong Lueyang3, Souvalith Phompadith3, Xaykone Phonesavath3 ( United Nations University, 2. Tokyo Institute of Technology, 3. Luang Prabang World Heritage Office)
  22. [1R22] グローバル企業経営戦略・ GVCMとの連携による産業発展に関する「発展経営論」試論
    *竹野 忠弘(名古屋工業大学)

その他

  • 一般口頭発表
  • 企画セッション
  • ラウンドテーブル
  • プレナリー、ブックトーク、ポスター発表



[RG24-1] 移住と開発

移住と開発

Migration and Development

代表:加藤 丈太郎(武庫川女子大学)

移住と開発が相互に結びつきを強めている旨をNyberg-Sorensen, N et al. (2002)はThe Migration-Development Nexusという語と共に表す。SDGsにおいても「移住労働者」が具体的に言及されるようになった。

日本社会においても、コロナ禍を契機にJICAやNGOなど国際開発に携わってきた組織が日本国内に暮らす移民を新たに支援する動きが広がっている。

しかし、日本においては移民研究と開発研究はこれまで別個に発展しており、相互の結びつきは弱い。そこで、移民研究者と開発研究者が集い、自由に議論を行うためのプラットフォームとして本研究部会を立ち上げる。移民研究・開発研究の両方からアプローチできるテーマとして、本研究部会は技能実習制度などに着目する。

技能実習制度は「技能、技術又は知識の開発途上国等への移転」を目的としてきた。しかし、同制度は、発展途上国から来日した者にとっては一時的な貯蓄の手段、日本企業においては労働力補充の手段となっているとの批判が移民研究ではなされている。また、日本政府は、技能実習制度に代わる育成就労制度を立ち上げようとしているが、技能実習制度においてどのような「技能」が発展途上国に移転されてきたのかは明らかにされていない。開発研究の知見が求められている。

本研究部会では、移民研究、開発研究それぞれ単独では出てこなかった、移住と開発における新たな視点、分析枠組みを生み出すことが期待できる。また、最終年度には具体的な政策提言も目指す。

研究部会へのお問い合わせ窓口

 

関連情報
ニューズレター:活動報告

 




『SDGs を問い直す』研究部会(2024年2月)

SDGs を問い直す

Sustainability Development Goals, Re-examined

メンバー

代表

大門(佐藤)毅(早稲田大学)

副代表

野田真里(茨城大学)


活動開始から活動終了までの予定

1年目(2023年10月~2024年9月)←今年度

春季大会(日本語)、全国大会(英語)でのセッションおよび研究会(日本語/英語)等

2年目(2024年10月~2025年9月)

春季大会(日本語)、全国大会(英語)でのセッション(日本語/英語)および研究会等

3年目(2025年10月~2026年9月)

春季大会(日本語)、全国大会(英語)でのセッション開催および研究会(日本語/英語)等、国際ジャーナル(英語)での特集企画や出版等


成果の公表予定

<学会での発表、学会誌での特集企画など>

1年目

春季大会、全国大会でのセッション開催等

2年目

春季大会、全国大会でのセッション開催等

3年目

春季大会、全国大会でのセッション開催、および英文による学会誌での特集企画や出版等


女性会員、外国人会員、若手研究者(若手正会員)の活動奨励策

ダイバーシティ推進にかんがみ、英語による研究部会活動を促進し、外国人会員の参加や若手研究者とくに女性会員の国際的な活躍を推進する。賛同に女性会員が多数おり、外国人会員や若手会員にも参加いただいている。各年次の大会等で開催するセッション等の半分は英語とし、学会誌での特集企画や出版等も英語で企画する。


『SDGs を問い直す』研究部会
代表:大門(佐藤)毅(早稲田大学)




オンライン・シンポジウム「ダウンサイドリスクを克服するレジリエンスと実践知の探究」2月9日開催(会員・一般)

東京大学未来ビジョン研究センター SDGs協創研究ユニットでは、アフリカ7カ国における新型コロナウイルス感染症の影響を調査する研究プロジェクトの一環として、下記にてオンライン・シンポジウムを開催します。ぜひご参加ください。

「ダウンサイドリスクを克服するレジリエンスと実践知の探究―新型コロナ危機下のアフリカにおける草の根の声」第2回シンポジウム

開催概要

  • 日時:日時:2024年2月9日(金曜)18:30-20:30(日本時間)
  • 方法:Zoomウェビナーによるオンライン開催
  • 言語:英語(日本語同時通訳有)
  • 主催:東京大学未来ビジョン研究センターSDGs協創研究ユニット
  • 共催:日本アフラシア学会

プログラム

  • 趣旨説明:華井和代 東京大学 特任講師
  • 報告1:クリスチャン・S・オチア 名古屋大学 准教授「Beliefs and Shots: エチオピアのCOVID-19ワクチン接種率における信仰、宗教、誤報のダイナミクスを理解する」
  • 報告2:大平和希子 ハーバード大学 ポストドクトラルフェロー「ウガンダにおけるCovid-19パンデミック時の政府介入に対する草の根の認識を検証する」
  • 報告3:細井友裕 東京大学 博士課程「南アフリカにおける中産階級のCOVID-19経験」
  • コメント:稲場雅紀 アフリカ日本協議会 国際保健部門ディレクター
  • 質疑応答

申し込み方法

シンポジウムのご案内および参加お申し込みはこちら

(JP)


本件にかんするお問い合わせ先

東京大学未来ビジョン研究センターSDGs協創研究ユニット

  • sdgs [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



開催案内「グローバルキャリアフォーラム@大阪大学中之島センター」2月2日開催(会員・一般)

ECFAでは、関係機関と連携して「グローバルキャリアフォーラム」を開催することとなりました。

関西では「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとして2025年に大阪・関西万博の開催が予定されており、「いのち輝く未来社会」像や「誰も取り残さない社会」の実現に向けた議論が、産官学民のあらゆるアクターが参加する「いのち会議」という枠組みがあります。

今回は、「いのち会議」市民部門と共同主催とし、SDGsの達成や国際協力へ高い関心を持つ高い関心を持つ学生・社会人等を対象とした、理解への促進、モチベーションアップを目的としたイベントとして実施します。

世界銀行、国際通貨基金(IMF)、国際協力機構(JICA)、NGO、開発コンサルタントといったグローバルなアクターの話とともにSDGs + beyondに関連する取り組みについて一度に聞くことができる絶好のチャンスです。

将来このような場で活躍したい方には、座談会や個別相談の時間もありますので、一歩踏み込んだ相談も可能です。みなさまのご来場をお待ちしています。

開催概要

日時:

2024(令和6)年2月2日(金曜)

  • 第1部 14:00~15:00 セミナー
  • 第2部 15:10~19:30 座談会、個別相談

方法:

ハイブリッド(Zoom)

会場:

大阪大学中之島センター5階(いのち共感ひろば)

対象:

SDGs、国際協力に関心をもち、具体的に取り組みたいと考えている方(高校生・大学生の方も歓迎です。)

主催:

「いのち会議」市民部門、世界銀行、IMF、ECFA

後援:

大阪大学社会ソリューションイニシアティブ、関西SDGsプラットフォーム大学分科会、国際協力機構(JICA)

プログラム

第1部 セミナー
14:00-14:10「いのち会議」の取り組み
14:10-15:00 世界を取り巻く現状と課題そして
各団体(世界銀行、IMF、JICA、NGO、ECFA)の役割

15:00-15:10(10分) 休憩

第2部 グループ座談会、個別相談
15:10-19:30

登壇者及び相談者:

堂目 卓生 (どうめ たくお)氏
大阪大学総長補佐/社会ソリューションイニシアティブ長/
大学院経済学研究科 教授

田和 正裕氏
大阪大学 社会ソリューションイニシアティブ 教授

大森 功一 氏
世界銀行 東京事務所/ 上級対外関係担当官

川瀬 翔平 氏
国際通貨基金(IMF) アジア太平洋地域事務所/エコノミスト

鍛治澤 千重子 氏
独立行政法人国際協力機構(JICA) 関西センター 開発大学院連携課 /課長

栗田 佳典 氏
特定非営利活動法人 関西NGO協議会/ 事務局長・理事

河野 敬子
一般社団法人 海外コンサルタンツ協会(ECFA)
人材育成・研究会・広報業務マネジャー
サステナビリティ推進チームビジネス推進グループ

申し込み方法

事前申し込みが必要です。参加希望の方は、期日までにお申込みをお願いします。

  • 締切:2024年1月31日

※会場の定員を越える場合は、オンラインでの参加をお願いすることがございます。予めご了承ください。


本件にかんするお問い合わせ先

(一社)海外コンサルタンツ協会
担当:河野

  • kono [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください



参加者募集:「移住と開発」研究部会・第1回研究会 2月12日開催(会員・一般)

コロナ禍を契機にJICAやNGOなど国際開発に携わってきた組織が日本国内に暮らす外国人(移民)を支援する動きが広がっています。SDGsにおいても、ゴール8、10などで「移住労働者」が具体的に取り上げられるようになりました。

しかし、日本においては移民研究と開発研究がこれまで別個に発展しており、相互の結びつきはまだ強いとは言えません。そこで、移住もしくは開発に興味のある方たちが集い、議論を行うためのプラットフォームとして、2023年10月より、国際開発学会にて、「移住と開発」研究部会が始動しました。

この度、第1回研究会を行う運びとなりましたので、ご案内申し上げます。

第1回研究会は、「移民(外国人)の日本への移住経験は送り出し国社会にどのような影響を及ぼす(した)のか」を大きなテーマとし、関連する実践・研究を研究部会メンバー2名が報告します。

国際開発学会の会員でなくても、どなたでも参加いただけます。ただし、参加には申込みが必要です。皆さまのご参加をお待ちしています。

開催概要

  • 日時:2024年2月12日(月曜・祝)14:00-16:30(終了後、近隣で懇親会を予定)
  • 方法:対面を中心としたZoomとのハイブリット形式
  • 会場:武庫川女子大学 中央キャンパス 中央図書館棟6階 C601教室
    (最寄駅 阪神電車「鳴尾・武庫川女子大前」駅 徒歩8分)
    *大阪梅田から20分、神戸三宮から25分で着きます
  • 定員:対面は25名
  • 対象:国際開発学会会員、テーマに関心のある方(非会員の参加も歓迎します)
  • 参加費:無料

プログラム

「移住と開発」研究部会 研究会の始動にあたって

生方 史数(岡山大学)

報告1
「『失踪』からのベトナムへの帰還―元技能実習生における主体性」

加藤 丈太郎(武庫川女子大学)

ベトナム人技能実習生の「失踪」が社会課題として盛んに報道されている。しかし、「失踪」者がいかなる「主体性」をもって日本で生きていたのか、また、ベトナムに帰国後、どのように生活を営んでいるのかは十分に明らかにされていない。

本報告は2023年8-9月にベトナムで行ったインタビューの結果を元に、元ベトナム人技能実習生がたどった軌跡を「主体性」の観点から検討する。

報告2
「介護労働に従事する移住女性の生活戦略」

二階堂 裕子(ノートルダム清心女子大学)

再生産労働の国際分業とともに国際移動の女性化が進行するなか、日本国内の急速な少子高齢化と労働力不足の深刻化を背景に、介護施設で就労する外国人女性が増加の一途を辿っている。

本報告では、中国地方の介護施設で働くミャンマー人女性に焦点を当てて、彼女たちがどのような動機から日本での就労を選択したのか、また、この経験をどのように捉え、いかなる将来展望を抱いているのかについて検討する。

モデレーター

佐藤 寛(開発社会学舎、アジア経済研究所名誉研究員)

申し込み方法

Google Form()にてお申し込みください。

*2月10日(土曜)18:00締め切り


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会「移住と開発」研究部会
加藤 丈太郎(武庫川女子大学)

  • jotaro33 [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



開催案内「誰一人取り残さないサーキュラ―エコノミーに向かって」1月31日開催(会員・一般)

みんなのSDGs 2023年度第2回セミナー
「誰一人取り残さないサーキュラ―エコノミーに向かって~社会やひとの視点からみた食と農の課題~」

1. 背景

みんなのSDGsでは、今年度、環境・経済・社会にまたがるテーマとして、サーキュラ―エコノミー(循環経済)と社会的連帯経済をとりあげ、連続でセミナーを開催しています。

2023年10月に開催した前回のセミナーでは、「誰一人取り残さないキュラーエコノミーに向って ~社会やひとの視点からみた社会的連帯経済~」と題して、二つのアプローチの基本を学び、関連する「社会やひと」に関わる課題について議論しました。

今回は、食と農に関するサーキュラーエコノミーに焦点をあて、社会やひとの視点から考えます。

サーキュラ―エコノミーが、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提とした従来の経済システムに代わる新たな考え方として注目されるなか、食と農の分野では、環境負荷を最小化しながら、人口増加に見合う食料生産と公正な分配や、食と農を担う人たちの暮らしの確保を実現していくことが求められます。

そのためには、科学技術を推進するだけでなく、生産、加工、流通、販売、消費、廃棄等に関わるあらゆるステークホルダーが価値観、行動、仕組みをリニューアルし、ライフスタイルを変えていく必要があると指摘されています。

今回のセミナーでは、食と農のサーキュラーエコノミーの概要について学び、地域での実践事例をもとに、ライフスタイルを含めた社会やひとの課題について考えます。

2. 目的

(1) 食と農に関するサーキュラ―エコノミーの動向について理解する
(2) 地域での実践事例をもとに、食と農に関するサーキュラ―エコノミーをめぐる「社会」「ひと」に関わる課題について考える

3. 開催日時と形式

    • 日時:日時:2024年1月31日(水曜)18:30 – 20:30
    • 方法:Microsoft Teamsオンラインセミナー
    • 主催:みんなのSDGs 国立国際医療研究センター 国際医療協力局

プログラム

第一部:プレゼンテーション

1) 食と農に関するサーキュラーエコノミーの概要と持続可能なライフスタイル
  • 渡部厚志氏:地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能な消費と生産領域 プログラムディレクター
2) 地域から食と農の循環をつくる
  • 岡田光氏、高橋由紀子氏、浜絵里子氏: 量り売りとまちの台所 野の 運営メンバー

第二部:パネルディスカッション

パネリスト:
  • 渡部厚志氏(地球環境戦略研究機関)
  • 岡田光氏、高橋由紀子氏、浜絵里子氏(量り売りとまちの台所野の)
  • 手島祐子氏(三祐コンサルタンツ)
コメンテーター:
  • 大橋正明氏(SDGs市民社会ネットワーク)

申し込み方法

ご参加希望の方は、右記リンクからお申込み下さい。


本件にかんするお問い合わせ先

みんなのSDGs 国立国際医療研究センター
国際医療協力局 藤田雅美

  • mfujita [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



[RG24-3] SDGs を問い直す

SDGs を問い直す

Sustainability Development Goals, Re-examined

代表:大門(佐藤)毅(早稲田大学)

この度、本学会における先行の国連SDGs(持続可能な開発目標)にかかる研究部会(後述)の成果を発展させるべく、新規に「SDGsを問い直す Sustainability Development Goals, Re-examined」研究部会の設置する。

当研究部会の目的と期待される成果は次の通りである。第1に、SDGs(2016-2030年)の中間年を迎えるにあたり、これまでのSDGsの歩みを再考し、新型コロナ禍やポスト/ウィズ・コロナ等を踏まえて、SDGsの創造的破壊も含めて学際的・多角的に問い直す。

第2に、多くの学会員が執筆した『SDGsを問い直す』(野田真里編著、法律文化社、2023年)での到達点をふまえて、SDGsの後半そして2030年にむけた課題を分析し、国際開発の政策や実践について展望する。

なお、同書は本学会の「持続可能な開発とSDGs」研究部会(JASID-SDGs、2016-2019年)および「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会(2019-2023年)等の研究成果を踏まえている。

第3に、研究の国際化を推進、英語による研究会や大会でのセッションを企画し、外国人会員や海外の研究者等とのネットワークを強化する。また、英語による国際雑誌への投稿や英文図書の出版を企画する。

そして、第4に、持続可能な開発の担い手とくに若手人材の育成、女性会員や外国人会員の積極的な参加等のダイバーシティの推進、そして行政・企業・市民社会等のマルチステークホルダーとの連携を強化する。

研究部会へのお問い合わせ窓口

 

関連情報
ニューズレター:活動報告



アジア・アフリカ研究所「公開研究会・シンポジウム」1月20日開催(会員・一般)

<公開研究会・シンポジウム>
ガザ・ウクライナ等の虐殺・戦争を超えて―非軍事の人類社会を展望する

ウクライナでの戦争が継続し、日本や欧米諸国の軍事費が倍増、急増する。

核兵器使用がほのめかされ、ロシア、中国の脅威を煽る発言が飛び交う。

地中海に派遣された米軍空母が見守り、イスラエル軍がガザの子ども、住民虐殺を続ける。

ガザの虐殺以前に書かれた、戦争と虐殺で儲ける仕組みに迫る雑誌特集論文の筆者たちに、その後の事態も含めて語っていただきます。

参加者も含めて、人類社会の大転換を展望する、議論をします。

開催概要

  • 日時:2024年1月20日(土曜) 13:30~18:00
  • 方法:会場参加およびZOOMも併用(ハイブリッド方式)
  • 会場:法政大学市ヶ谷キャンパス大内山校舎・Y501教室
  • 主催:NPO法人 アジア・アフリカ研究所

プログラム

趣旨説明「戦争と虐殺で儲かる仕組みをどう変えるか?―国境なき市民社会SDGs達成投資ファンド創設」

岡野内正(法政大学)

報告1「開発協力大綱改正に関する市民社会の動き―非軍事原則を巡っての交渉のプロセス」

重田 康博(宇都宮大学)

報告2「核管理体制の矛盾―ロシアのウクライナ侵攻の問いかけるもの」

太田 和宏(神戸大学)

報告3「グローバルな「悪徳商売」としての現代戦争―軍事産業、刑務所産業、ゲーム産業の事例から」

中村 理玄(法政大学・院)

参考文献

『アジア・アフリカ研究』第63巻第4号、2023年10月、特集「非軍事の人類社会を展望する」

参加方法

申し込みの必要はありません。会場あるいはZOOMに直接、おいでください。

ZOOM情報は下記の通りです。

  • ミーティング ID: 831 7216 8146
  • パスコード: 594966

本件にかんするお問い合わせ先

NPO法人 アジア・アフリカ研究所事務局 
鰐部行崇・岡野内正(otadashi [at] )

  • aaken [at] , [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-5972-4740



参加募集「ユネスコウィーク2024」1/19~21開催(会員・一般)

ユネスコウィーク2024
「共に創造する未来 ~ユネスコ活動によるアプローチ~」

ユネスコ未来共創プラットフォーム事務局(ユネスコ・アジア文化センター:ACCU)では、今年度も「ユネスコウィーク」を開催します。

ユネスコとユネスコの活動についての知識を深めたいと考えるユースや、地域のユネスコ活動を主導する関係者の方々、持続可能な開発目標(SDGs)の実現へ向けてパートナーシップの強化に取り組む実務者まで、幅広い層の方々からのご参加をお待ちしております!

開催概要

  • 日時:2024年1月19日(金曜)~21日(日曜)
  • 会場:国立オリンピック記念青少年総合センター ※Web配信あり
  • 参加費:無料
  • 主催:文部科学省、日本ユネスコ国内委員会、公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター
  • 共催:国連教育科学文化機関(UNESCO)(予定)

イベント詳細

国際シンポジウム「共に創造する持続可能な未来」

  • 日時:2024年1月19日(金曜)18:00~19:30
  • 言語:日本語・英語(同時通訳)
<内容>

「共に創造する未来」を考える上で、どのような分野横断的な取組が有効なのか-国内外の実践事例をもとに議論を深めます。

基調講演者にはDzulkifli bin Abdul Razak氏(マレーシア国際イスラム大学学長)をお迎えします。ESDに関する様々な国際会議で登壇経験をお持ちのRazak氏の講演を、日英同時通訳でお聞きになる大変貴重な機会です。

第15回ユネスコスクール全国大会「未来のユネスコスクールを考える-ASPnet70周年を迎えて-」

  • 日時:2024年1月20日(土曜)9:30~17:00
  • 言語:日本語 ※一部日英同時通訳の分科会を含みます
<内容>

ユネスコスクールの意義・役割や国内外のユネスコスクールをめぐる動向について学び、また優良事例の共有や関係者間の交流を図ります。

特に今回はユネスコスクール発足 70 周年の節目として、これまでのユネスコスクールの歴史や成果・課題を振り返り、今後を展望するような内容となっています。

ユースフォーラム「ユースによる『未来への宣言』〜ユネスコ活動から考える気候変動〜」

  • 日時:2024年1月21日(日曜)10:30~16:00
  • 言語:日本語
<内容>

気候変動に焦点を当て、ユネスコ活動を通じた気候変動問題への対応及びユース世代が果たすべき役割について再考します。

また、「未来への宣言」策定へ向けた参加型ワークショップも実施しますので、若者の声を届けるべく、是非ユース世代の積極的なご参加をお待ちしています。

当日は、兵庫県芦屋市の髙島市長からもオンラインの応援メッセージをいただきます!!

申し込み方法

特設サイトよりお申込みください


本件にかんするお問い合わせ先

公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)

  • education [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:+81-3-5577-2852
  • FAX番号:+81-3-5577-2854



新刊案内『インパクト評価–社会的インパクト評価のために 』

国際協力の世界でも話題のインパクト評価に関する新しい本が出版されました。

インパクト評価事例集(IDCJのサイトでご提供)に、あらたに「最終章:インパクト評価の起源・現在地点・そしてこれから」を書き下ろして追加しました。R.A.フィッシャーからはじまって、ノーベル経済学賞受賞者のアビジット・バナジーまで、そしてさらに近年の「再現性の問題」を含む最新の話題までを網羅した解説になります。

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本書の解説

『インパクト評価 社会的インパクト評価のために』

  • 著者:佐々木亮
  • 発行年:2023
  • 出版:RIO Institute/.

ESG投資、社会的インパクト投資、インパクト投資、SDGsなどの関連で注目を浴びる社会的インパクト評価。本書はインパクト評価とその応用とも言える社会的インパクト評価について解説します。

本書は以下の構成になっています。最初から読み進めることを想定していますが、必要な部分から読んでも差し支えないように配慮されています。

それぞれの事例や学術的な議論には出所である参考文献リストをすべて掲載しています。

それらの参考文献はすべて英語ですが、興味のある読者は直接入手して参照することが勧められます。

I.基本的な概念の解説(インパクト評価の5つの基本デザイン、インパクトの定義など)

II.5つの基本デザインの考え方と実例の解説
1. 事前・事後比較デザイン (Before-After)
2. 時系列デザイン (Interrupted Time-Series)
3. 一般指標デザイン (Generic Control)
4. マッチングデザイン (Matched control)
5. 実験デザイン(RCT)(Randomized controlled trial)

III.インパクト評価に関連する学術的な議論の紹介

IV.最終章:インパクト評価の起源・現在地点・そしてこれから

<著者紹介>

佐々木亮(博士)/Ryo SASAKI, Ph.D.

ウェスタンミシガン大学博士(評価学) ニューヨーク大学修士(公共・非営利組織のマネジメントと政策)マラウィ(井戸給水)、ミャンマー(初等教育)、ヨルダン(給水施設整備)、パレスチナ(初等教育)などの社会的インパクト評価やインパクト評価の経験が豊富。

日本評価学会 奨励賞(2007) 日本評価学会 功績賞(2023)

学術的な書籍としてページ数も明記して引用するために、通常の本(印刷製本した
定価のある物理的な本)として手元に置きたいというニーズに対応した次第です。

ご興味のある方はぜひお手に取っていただければと存じます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発センター(IDCJ) 評価部
主任研究員 佐々木亮

  • [at](* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-6718-5932、
  • FAX番号:03-6718-0910.
  • 〒108-0075 東京都港区港南1-6-11 芝浦クリスタル品川12階.



無料オンライン説明会のご案内:第3回 国際協力プ ロフェッショナル検定/基礎講座「国際協力の歴史と動向」12月26日開催(会員・一般)

株式会社パデコより、「国際協力プロフェッショナル検定®」/eラーニング「国際協力の歴史と動向」の無料オンライン説明会について、ご案内させていただきます。

ご好評につき、追加開催を決定しました。最終回は12月26日(火)18:00~です。

~検定合格者の声~
「ODAの最新情報を学べたところが良かったと思います」(30代、男性、会社員)

「就職活動の第一歩を踏み出すことができたと思います」(30代、女性、大学院)

オンライン説明会概要

  • 日時:2023年12月26日(火曜)18:00~18:45
  • 参加費:無料
  • 形式:オンラインライブ配信(Microsoft Teams)

内容:

  • 国際協力プロフェッショナル検定®とは
  • 基礎講座「国際協力の歴史と動向」とは
  • 検定試験の出題範囲と勉強方法 など

説明会のお申込み

※お申込み後に参加用URLをお送りします。

検定試験、基礎講座のお申込みも受付中です!
ご検討よろしくお願いいたします。

第3回 国際協力プロフェッショナル検定試験®︎(試験対策Webコース付き)概要

  • Webコース:2024年1月8日(月曜)~27日(土曜)
  • 検定試験:2024年1月27日(土曜)14:00~15:15
  • 申込期間: 2024年1月5日(金曜)まで
  • 形式:eラーニング(オンデマンド)、Webテスト
  • 受講料:35,000円(税込)
  • 試験内容:国際協力の歴史、SDGs、国際条約/開発目標、国際協力のアクター/スキーム、時事問題など
  • 合格者特典:株式会社パデコのインターンとして登録可

検定試験の詳細・お申込み

国際協力プロフェッショナル基礎講座「国際協力の歴史と動向」概要

  • 受講期間:申込日から60日間
  • 申込期間: 2024年2月29日(木曜)まで
  • 形式:eラーニング(オンデマンド)
  • 受講料:15,000円(税込)

コース内容:

第二次世界大戦前からSDGs時代までの、国際協力の歴史とその潮流を、動画講義で学習

基礎講座の詳細・お申込み


本件にかんするお問い合わせ先

株式会社パデコ PADECO Academy

  • padeco-academy [at](* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-5733-0855
  • 住所:〒105-0004 東京都港区新橋6-17-19新御成門ビル



「『グローバル エデュケーション モニタリング レポー ト 2023教育におけるテクノロジー』概要日本語版ローンチウェビナー」1月24日開催(会員・一般)

UNESCO発行の『グローバル エデュケーション モニタリング レポート 2023教育におけるテクノロジー』概要の日本語版を、この度広島大学教育開発国際協力研究センター(CICE)と UNESCOで共同発行しました。

持続可能な開発目標(SDGs)のゴール4である教育目標(SDG4)の進捗状況ならびに今年のレポートのテーマである教育におけるテクノロジーの活用、課題と展望についての市民・学生および国際教育協力関係者の理解を促進するとともに、SDG4の達成に向けた日本のODA、民間企業およびNGOの役割について考えるためのウェビナーを下記の通り開催します。どなたでもご参加いただけます。

開催概要

  • 日時:2024年1月24日(水曜)16:30-18:00
  • 方法:Zoom(ミーティング形式)を使って実施します。Zoomリンクは開催日
    の2日前にご連絡します。
  • 参加費:無料
  • 参加人数:280名(先着順で定員になり次第締め切ります)
  • 共催:広島大学教育開発国際協力研究センター(CICE)、国際協力機構(JICA)、ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)、教育協力NGOネットワーク(JNNE)、UNESCO Global Education Monitoring Report Team

プログラム

  • 全体進行:若山洋子(ユネスコ・アジア文化センター(ACCU) 教育協力部 主任)

16:30-16:35 開会

16:35-16:40 開会挨拶
亀井温子(JICA 人間開発部長)

16:40-17:05 「『GEMレポート2023』の概要」
吉田和浩(広島大学教育開発国際協力研究センター 教授)

17:05-17:55  パネルディスカッション
「教育におけるテクノロジーの活用」

  • モデレーター: 吉田 和浩(広島大学教育開発国際協力研究センター 教授)
  • パネリスト:
    荻野 紗由理(株式会社教育情報サービス COO)
    酒井 聖子(株式会社スマートエデュケーション ナビゲーター)
    森 透(認定NPO法人ラオスのこども 理事)

17:55-18:00 閉会挨拶
三宅隆史(教育協力NGOネットワーク(JNNE) 事務局長)

申し込み方法

オンラインで下記からお願いします。
/6d30a5a2806740

  • 登録時に提供する情報は、共催団体と共有され、主催団体は、その情報を団体のプライバシーポリシーに従って使用できます。
  • 事務局の記録のために録画しますが、録画の後日公開はいたしません。
  • GEMレポート2023概要の日本語版は以下からダウンロードできます。
    /?p=10715

本件にかんするお問い合わせ先

教育協力NGOネットワーク事務局

  •  jnne[at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



第4回「SDGs『誰ひとり取り残さない』作文・小論文/クリエイティブ コンテスト」12月31日締切(会員・一般)

SDGsの基本理念「誰ひとり取り残さない」をテーマにした若者対象の作文・小論文/クリエイティブ コンテストを実施しています。学生を中心とした実行委員により審査がなされます。

第4回となる今回は、新たにクリエイティブ部門(写真やイラストなど)を加えています。ぜひ、お近くの学生などにご紹介いただければうれしいです。

SDGsの基本理念は「誰ひとり取り残さない」です。

でも、何から取り残されないのでしょう?
一つは、皆が享受できる社会活動や経済活動の選択肢から、誰もが排除されないということではないでしょうか。

社会活動や経済活動とは、「学校で学ぶ」、「十分な食事をとる」のような基本的なものだけではなく、「スポーツをする」、「遊ぶ」なども人には必要な活動ですね。

人によって必要なものも異なります。

しかし、そこから取り残される多くの人がいます。障害者、LGBTQ+、 貧困、外国人、、、そのようなわかりやすい例だけではなく。

あなたも人と違うと思う部分がありませんか?

あなたも取り残されそうだと感じることはありませんか?

あなたの近くに取り残されている人はいませんか?

取り残されている人をニュースで聞いたことはありませんか?

なにか気づいたことはありませんか?

「取り残される人」の視点でSDGsを改めて考えていただいた自由な発想の応募を待っています。

募集要項

【作文・小論文部門】

SDGsの基本理念、「誰ひとり取り残さない」の視点で、考えること、自分が行いたいこと、社会への提言など自由な発想で、小論文・作文を作成のうえご提出ください。

文字数は問いませんが上限は2000文字とします。

【クリエイティブ部門】

SDGsの基本理念、「誰ひとり取り残さない」について、自由な発想で、A4サイズ1枚に写真、イラスト、絵、グラフィクなど自由な表現で提出ください(提出はJPEG形式)。文字が含まれる場合は日本語40文字以内とします。

※本コンテストは、協賛する個人および団体の寄付で実施しています。1000円より寄付を募っております。ご協力いただける方は下記よりお願いします。

審査基準:

社会へ訴える力や審査員への共感を生むものを高く評価します。作文・小論文部門では、日本語としての表現や小論文としての構成などはあまり考慮しませんので、文章を書くのが苦手な人も、日本語が得意でない人もぜひ応募ください。

また、クリエイティブ部門も芸術的な要素よりも審査員に訴える力を期待します。

応募資格:

  • 2023年4月1日時点で25歳以下の方
  • 所属も含めて本名での応募および公開に同意する方

応募方法:

次のフォームからご提出ください。

*このフォームからうまく応募できない場合は、問い合わせ先メールアドレス宛にお願いします

注:提出済のものを差し替える場合は、再提出いただければ、最後に提出したもののみ審査を行います。

締め切り:

2023年12月31日 23:59(日本時間)

表彰・副賞(予定):

【両部門共通】

  • 大賞(3万円) 4 作品
  • 特別賞(2万円) 6 作品
  • 入賞(1万円) 15作品

主催:

野毛坂グローカル

後援:

国際協力機構(JICA)・朝日新聞社・SDGs市民社会ネットワーク


本件にかんするお問い合わせ先

SDGs「誰ひとり取り残さない」エッセイ/クリエイティブ コンテスト2023実行委員会

  • info [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



出版記念オンラインセミナー:第2回「JICA×SDGs」12月13日開催(会員・一般)

JICAは(株)山川出版社様と共同制作した書籍『JICA×SDGs 国際協力でサステナブルな世界へ』()を2023年6月30日に出版いたしました。

これを記念してオンラインセミナーを開催いたします。

本書はJICAと事業パートナーによる世界各地でのSDGsへの取り組みをまとめた初めての書籍です。

教育現場で使用いただくことを想定し、小中高校の学習指導要領に明記された「持続可能な社会の創り手」を育むヒントをこの1冊にまとめました。

世界の課題、その課題解決に向けた取り組み事例を幅広く掲載し、児童・生徒や先生、これから国際協力を目指そうと考えている若者にも役立つ情報も取り入れています。

本セミナーでは、指導案(中学校3年生/総合)をご提示し、授業における書籍活用のヒントをご紹介いたします。

参加者の皆様には、SDGsに関する授業実践の参考になればと思いますので、是非ご参加いただければ幸いです。

開催概要

  • 日時:2023年12月13日(水曜)19時~19時50分
  • 会場:オンライン(Teamsを予定) 申込いただいた方に後日リンクをお送りいたします
  • 対象者:教員、教育関係者、教育分野にご関心のある方(学生の皆様の参加も大歓迎です)
  • 参加費:無料
  • 書籍詳細:

★プログラム

(当日変更になる可能性がございます。予めご了承ください。)
19:00-19:05
冒頭挨拶

19:05-19:15
書籍の中身ご紹介等

19:15-19:45
書籍活用のポイント等

19:45-19:50
お知らせ等

参加申し込み:

以下のリンクから申込フォームにアクセスし、所定の事項を記入して送信してください。


本件にかんするお問い合わせ先

JICA企画部イノベーション・SDGs推進班

  • pdis [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)