新刊案内『私たちのサステイナビリティ:まもり、つくり、次世代につなげる』(岩波ジュニア新書)
国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)が普及しはじめ、企業の経営戦略、自治体の総合計画、そして学校教育のなかで扱われることが一般的になってきました。しかし、現場では「SDGsは知っているが、サステイナビリティについてはよくわからない」という声を多く聞きます。こうした状態は、サステイナビリティや持続可能な開発という本来の目的をぼやけさせ、方法であるはずのSDGsを目的化してしまうという状況をつくり出しているのではないでしょうか。
本書は、岩波ジュニア新書シリーズとして刊行されており、サステイナビリティという概念(=考え方)を中高生〜大学生に向けて、わかりやすい言葉で解説しています。「SDGs時代」と呼ばれる今日ですが、この時代の価値観であるサステイナビリティという概念を駆使して18個目のSDGsを考え出すような次世代を、私たちはどのように生み出していけるのでしょうか。本書がそうした考え、特に次世代にむけたサステイナビリティ教育に関する議論のきっかけになれば幸いです。
ご批判・ご指導のほどどうぞ宜しくお願い申し上げます。
『私たちのサステイナビリティ: まもり、つくり、次世代につなげる』
目次
はじめに
第1章 サステイナビリティを「知る」
1 「サステイナビリティ」と聞いて思い浮かぶもの
2 語源は「下から支える」
3 「持続可能な開発」という考え方
4 サステイナビリティの描き方
5 サステイナビリティの存在と実在
第2章 サステイナビリティを「問い直す」
1 「持続可能性」という和訳を問い直す
2 主語を問い直す
3 自然のとらえ方を問い直す
第3章 サステイナビリティに「取り組む」
1 サステイナビリティの実践
2 和食給食応援団――日本の食文化を次世代につなぐ
3 タイニーピースキッチン――家庭料理のレストラン
4 シェアビレッジ――貨幣経済の外側でつながる仕組み
5 考えの道筋を示してサステイナビリティを社会に実装していく
第4章 サステイナビリティを「学ぶ」
1 サステイナビリティ学のススメ
2 サステイナビリティ学のはじまり
3 サステイナビリティ学の特徴
4 サステイナビリティ学を学んだ人が習得しているスキル
5 次世代のための社会をつくる人になる
注釈
おわりに
本件にかんするお問い合わせ先
岩波書店サイト:https://www.iwanami.co.jp/book/b599126.html
*本書についてのお問い合わせは、国際教養大学・工藤尚悟までお願い致します。
- skudo [at] aiu.ac.jp(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)