ハイブリッド開催「バングラデシュ女性に関するKINDOWSセミナー」10月28日開催(会員・一般)
下記の要領で研究会を開催いたします。
ご参加ご希望の方は、10月26日(土曜)までに下記の参加申込フォームからお申込みください。
オンライン参加ご希望の方には、研究会前日にZoomURLをお送りいたします。
皆様のご参加をお待ちしております。
開催概要
- 日時:2024年10月28日(月曜)15:00-17:30
- 方法:ハイブリッド(Zoom)
- 会場:京都大学吉田キャンパス本部構内文学部校舎地下1階大会議室
- 主催:環インド洋世界研究プロジェクト京大拠点(KINDOWS)
プログラム
15:00-15:45
研究報告1:藤田幸一(青山学院大学)
「バングラデシュにおける女性の教育、婚姻、就業の選択― 2016-17年政府統計局労働力調査の個票データの分析を通じて」
15:50-16:00
コメント:南出和余(神戸女学院大学)
16:00-16:30
全体討論
16:45-17:15
研究報告2:藤田幸一(青山学院大学)
「バングラデシュの最近の女子農業就業の実態に迫る―2016-17年政府統計局労働力調査の個票データの分析を通じて」
17:15-17:30
討論
申し込み方法
参加申込フォームにご記入ください。
https://forms.gle/xW7zC4uZnqYQGFDRA
- 登録期限:2024年10月26日(土曜)
研究報告要旨:
1.藤田幸一(青山学院大学)「バングラデシュにおける女性の教育、婚姻、就業の選択―2016-17年政府統計局労働力調査の個票データの分析を通じて」
Koichi Fujita (Aoyama Gakuin University), “Choice of Education, Marriage and Employment by Bangladeshi Women: Based on Analysis of Microdata of 2016-17 BBS Labour Force Survey”
【要旨】
バングラデシュ統計局による2016-17年労働力調査の個票データが手に入ったので、その分析を進めており、この報告はその成果第一弾である。主な内容は、(1)2016-17年調査時に20代前半、後半、30代前半、後半、40代までの女性を対象として、その最終学歴の分析を通じてバングラデシュの都市・農村別の教育セクターの発展過程がわかる、(2)5歳から20代後半の女性の就学状況が都市・農村別に明らかになり、それと婚姻時期を相関させることによって興味深いことがわかる(男性との比較を行う)、(3)女性の最終学歴別の就業状況を詳しく検討する。
主な結論は、前期中等教育修了後、女性の結婚ラッシュが始まり、それ以上の就学を断念する女性が多いこと、ただし、特に都市部では近年、後期中等教育やさらに高等教育へ進学する女性が増加している。他方、就業状況をみると、前期中等教育までの女性とそれ以上の教育を受けた女性の間で、就業先が二重構造になっており、前者は低賃金不安定職、後者は高賃金安定職が中心である。
したがって、前期中等教育を終え、SSCを取得する女性が増加しているにもかかわらず、都市部では専業主婦になり、農村部では専業主婦のほか、「不完全就業」の色濃い農業就業が多いという現象が観察される。
Abstract
Based on Microdata of BBS’s 2016-17 Labour Force Survey, this presentation is the first outcome of such endeavors. Major conclusions are; 1) After completing the Secondary Education, many women start to look for their husband and be married, which is the major obstacle for them to go for higher education, 2) It seems that there is a dual labour market structure for women in Bangladesh. For women who stopped study until Secondary School, mainly low-income and unstable jobs are available, and in contrast, for women who completed Higher Secondary Education and/or Tertiary Education, high-income and stable jobs are available (although limited). As a result, although many women go to Secondary Education and obtain SSC title, in urban area, many women do not work outside and concentrate in household matters. In rural areas, in addition to household works, many women are engaged in agricultural works.
2.藤田幸一(青山学院大学)「バングラデシュの最近の女子農業就業の実態に迫る―2016-17年政府統計局労働力調査の個票データの分析を通じて」
Koichi Fujita (Aoyama Gakuin University), “Reality of Recent Agricultural Employment by Bangladeshi Women: Based on Analysis of Microdata of 2016-17 BBS Labour Force Survey”
【要旨】
バングラデシュ統計局の2016-17年労働力調査の個票データの分析成果、第二弾である。バングラデシュの女性の労働力参加率(LFPR)は1980年代前半の8%から最近では30%台後半ないし40%強まで上昇してきたが、これは都市部での輸出向け縫製業の発展のおかげということではなく、実は、主に農業に就業する女性が急増していることを反映するものである。では、その女性の農業就業の実態はどういうものか、それを明らかにするのが報告の目的である。
主な論点は2つある。(1)最終学歴別にみると前期中等教育以下の女性たちが、主に農業就業をしているが、その中身の解明である。作物(コメ、ジュート、小麦や豆類を含むラビ作物、ジャガイモ、その他野菜類など)、畜産(乳牛、ヤギ・羊、家禽類など)、漁業その他にわけて実態を示す。また特に畜産に「不完全就業」が多い点も明らかにする。(2)最近、バングラデシュでは、ムスリム女性の圃場での農業労働が始まり、増加するという画期的な動きがみられるが、その実態がよくわからない。バングラデシュのどの地域でそういう動きが始まっていて、それが何を意味するのか、可能な限り、実態に迫りたい。
Abstract
Second outcome from the analysis of Microdata of BBS’s 2016-17 Labour Force Survey. The presentation will disclose the realities of recent women’s engagement in agriculture. There are mainly two points. 1) In terms of educational background, who are the major women engaging in agriculture, and to what extent, their employment in agriculture is underemployed (especially, in livestock sector). 2) After 2010s, we can observe a revolutionary phenomenon in rural Bangladesh: Muslim women started to engage in agricultural works in the field, beyond homestead areas. The presentation will discuss about where in Bangladesh such revolutionary phenomena are observed and why.
本件にかんするお問い合わせ先
主催:環インド洋世界研究プロジェクト京大拠点(KINDOWS)
(担当:杉江あい)
- sugie.ai.6v [at] kyoto-u.ac.jp(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)