会長からの手紙(2023年2月)

第11期の2年目を振り返って

国際開発学会の皆様、こんにちは。今年も、昨年度と同じように学会活動の1年間を振り返ったハイライトをみなさんにお届けします。これは、各委員会の活動報告を行う総会にご参加いただけなかった会員のみなさんに対して、学会活動の要点をお知らせするものです。

昨年度の活動としてまずお伝えしたいのは、ロシアのウクライナ侵攻に対して学会として声明を発出し、日本と英語でHPに掲載したことです。学会として政治的な声明を出すことについては理事会の中でも賛否がございましたが、多くの皆様の賛同を得ることができたこと、そして何よりも、学会として世界のアクチュアルな問題への対応方法を常任理事の間で議論できたことが大きな収穫だったと思っています。今後も世界が難しい局面に入るごとに、学会としてどのように立ち居振る舞いをすべきなのか、議論してまいりたいと思います。


さて、第11期はvisible, inclusive, entertaining の旗印を掲げて、2年目を無事に終えることができました。総会を明治大学にて対面で実施できたことは何よりうれしいことでしたし、400名以上の参加登録があったことは、みなさんがこの大会を待ち望んでいたことの表れでもあると思います。発表の合間に廊下やホールで見かけたおしゃべりの環、学会賞受賞者のスピーチやそのあとの写真撮影と談笑、旧友との思いがけない再会など、対面開催ならではの偶発的な喜びに満ちた大会でした。実行委員長の島田剛先生とスタッフの皆様に改めて御礼申し上げます。

執行部の今年度の活動は、着手した活動をしっかりと定着させ、安定軌道に乗せることに力点をおきました。いくつか特筆すべき活動をあげるとすると、次のようなものがあります。

まず、Visibleについては、選挙管理委員会のイニシアチブにより、学生会員の主導によってYouTubeやツイッターの発信を実施しました。また、人材育成委員会では継続的に(学部生向け)論文コンテストを実施し、前年度より多くの10篇の応募をいただき、その中から3篇を学会誌に掲載しました。学部生の開拓は未来の開発研究者・実務者を育てるうえで大切な事業であります。

学会賞の方も、応募数が昨年度5件から、今年度13件と激増し、良質の作品を審査して3点に賞が出せたことは大きな成果でありました。社会連携委員会では、今年も外務省主催のグローバルフェスタにも出展し、「国際協力におけるキャリア形成」というセッションを設けて、若いみなさんを中心に100名の参加者を得ることができました。HPやメーリスを中心とする広報委員会の業務は、visibleであり続けるために重要な役割を果たしています。たとえば10月1ヶ月間のサイト全体のページ表示回数は約50,000回に上りました。

Inclusive については、まず地方展開委員会の活動をあげなくてはなりません。地方展開委員会では、2021年の全国大会、2022年の春季大会でラウンドテーブルセッション 「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ」 「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ(実践編)」 を企画し、 福岡、高知、岡山、岩手、秋田に拠点をおく学会員、地域づくりという関心を同じくする非学会員とのネットワーク構築に貢献しました。この委員会が縁となり、2022年春の福岡大会に続き、2023年春の秋田大会へと地方での学会開催の輪を広げることができました。

また、科研費(国際情報発信強化)を用いた特集号の編集体制の確立、原稿集め、査読、そして次号に向けた国際ワークショップ(@チュラロンコン大学)の段取りができたのも大きな成果でした。この科研費を利用した外国人会員のさらなる開拓、日本留学帰国組とのネットワーク化など、inclusive の範囲を海外に展開していきたいと考えています。

また、様々な障害をおもちの会員にできるだけ大会に参加してもらえるよう、ニーズの把握を務めたのもの今年の活動でした。次年度は、合理的な配慮に関するタスクフォースを設けて、アドホックではない配慮のあり方について議論し、その成果を実施したいと考えています。

最後にEntertaining については、引き続き学会誌の魅力を高めるための新たなデザインの検討を行いました。特に、次年度は英文特集号が加わる節目の年でもあります。表紙のデザインは会員の皆様に参加型で投票していただきました。3月には新しい表紙での最初の雑誌をお届けできると思います。どうかお楽しみに。


このほかにご報告すべき活動として、研究×実践委員会では2021年全国大会において、JICAが新たに推進しようとしている「クラスター・アプローチ」に対して研究者や委員会メンバーが意見を述べるラウンドテーブルを開催しました。この試みはJICA側からの評価も高く、その後2022年4月まで4回に渡って意見交換会を継続しました。こうした実務者と研究者との成熟した関係が構築できるようになったのは、両者が相まみえる「場」を本学会が長年提供し続けてきたことの帰結といえましょう。

こうした一連の事業を持続的なものにするためには、事務局が無理なく稼働できる体制が不可欠です。大会運営における特別ソフト confit の導入は、こうした省力化の努力の一環です。これらの着実な前進の背景には、多くの invisible な努力があります。各委員会の委員長や委員の皆さんはもちろんですが、事務局や広報委員会のスタッフは日常的な裏方として日々の業務をこなしてくれています。本当にありがとうございます。

明治大会でのプレナリーでは「グローバル危機にどう向き合うか―国際開発学の役割」と題して充実した議論を行いましたが、「危機と方向感覚」と題した私の講演に対する反応として、私の尊敬するあるシニアの会員から加藤周一の次のような引用が励ましの言葉と共に送られてきました。これは、加藤が1946年の雑誌『世代』(1946年3月号)に書いたエッセイの一部で、つい昨日まで好戦的だった日本の青年が良心の呵責もなく平和主義者に変わってしまうという日本青年の現状について書いている部分です。

「かなりの本を読み、相当洗練された感覚と論理を持ちながら、凡そ重大な歴史的社会的現象に対して新聞記事を繰り返す以外一片の批判もなしえない」

『世代』(1946年3月号)

論文を書くことは重要ですが、現実世界とのつながりに基づく方向感覚を失いたくないものです。学会は学問成果を取り交わすとこであると同時に、自分たちがどこに向かっているのかを確認する羅針盤のような機能を果たさなくてはいけないのかもしれません。引き続き、会員諸氏の叱咤激励をお願いする次第です。


第11期の最後となる2022年11月からの1年は、着手済みの変革をさらに開花させ、最終年にはさらによい報告ができるよう努力してまいります。会員の皆様の一層のご支援をお願いする次第です。

2023年1月
第11期会長 佐藤仁(東京大学)

Letter from the President
Reflecting on the Second Year as the 11th President




会長からの手紙(2023年11月)

あっという間の3年間でした。Visible, Inclusive, Entertaining をスローガンに、常任理事の皆さんと事務局スタッフに助けられながら、ここまで来られたことに感謝の気持ちで一杯です。

特に、任期前半の大会がすべてオンラインになってしまったために、Entertaining な側面を十分に展開できなかったことは心残りでした。それでもHPの全面改訂や学会管理システムの導入、学会誌のデザインとコンテンツの刷新、学部生論文コンテストの導入、若手による選管PR動画の配信、学会費の割引制度、学会としての科研費の獲得や英文ジャーナルの充実など、それなりに visible な成果を出すことができました。

「学会」と呼ばれる集団の多くが会員数を減らしている中で、どうにか会員数を維持できた背景には、3年会費未納で自動退会になりそうな人に声をかけて踏みとどまらせるという、きわめて地味な活動もありました。

どれほど visible な活動にも、このように、それを下支えしてくれた皆さんの invisible な貢献があります。日々の理事会の日程調整や議題の整理なども、事務局長、総務委員長をはじめとするスタッフの献身的な努力があったからこそ円滑に進められました。

とかくアイディア先行で、実施となると周りを振り回しがちな私をサポートし、着実に成果に結びつけてくれた常任理事、理事の皆様にも厚く御礼申し上げます。

これまでの大会実行委員の先生方、そして大会に参加してくれて活動を盛り上げてくださった会員のみなさんにも厚く御礼を申し上げます。

次の会長が山田肖子さんになったことは本当に喜ばしいことです。彼女は、大会組織委員長として大会のホスト校を口説くという、まさに invisible 仕事をやってきた学会の大黒柱です。

山田さんのつくる新しいチームの下、学会が新しい時代を切り開く推進力になることを祈って、私の退任のあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました!

2023年11月
第11期会長 佐藤仁(東京大学)




会長挨拶(2024年2月)

2023年11月の総会で12期会長を拝命しました名古屋大学の山田肖子と申します。

2026年総会まで、約3年間、皆様に気持ちよく、やりがいを持って関わっていただける学会になるよう、努めて参りたいと思っております。前任の佐藤仁会長をはじめ、この学会をこれまで作り上げてきた常任理事、理事経験者の礎と志を継ぎつつ、国際開発や学術を取り巻く今日の状況にみあった改革も進めていきたいと思っています。

今期の方針は

  1. 国際開発学の再定義
  2. 多様性からのシナジー
  3. ワクワクの創造

です。

まず1点目の “国際開発学の再定義” は、変化の節目を、この学問分野の発展に活かす発想です。

1990年に学会が設立されて30年以上が経ち、国際開発を取り巻く環境も大きく変わっています。今年(2023年)に改定された開発協力大綱をみると、援助国-被援助国の垂直的な関係が多極化し、開発の主要アクターとしての国家の在り方が揺らぐなか、日本社会でのODAの捉え方も大きく変わっていることが分かります。

また、持続可能な開発が標ぼうされ、「国際開発」が目指す人道的で公共の利益の実現についても、誰にとって何が望ましい状態なのかが一元的に語れなくなりました。昨今の地政学的な危機やコロナ禍を経て、「国際開発」が国内や先進国と切り離された途上国の課題だという発想も陳腐化しているように思われます。

そうした変化の局面で、研究がどんな役割を果たすのか、実務者と研究者が集うこの学会がどんな場になっていくのか、皆さんと一緒に創り、考えていけたらと思っています。

2点目の “多様性からのシナジー” は、学問分野や職業、属性の違いを尊重しながら、相乗効果を生むことです。

私自身は、この学会では初めての女性の会長です。しかし、性別に限らず、世界の様々な状況での人々と関わってきたこの学会の会員の皆さんは、きっと何かしらの属性においてマイノリティになった経験や、そうなる人々に関わったことがあるでしょう。他者との違いをいかに尊重するかは、国や社会の違いを超えて国際開発学の本質を問う姿勢にもつながると思います。学問の再定義をするためには、まず我々の活動の場である大会や研究部会、学会誌などが、多様性から前向きな化学反応を生む場でありたいと思います。

12期では、障がいを持った学会員への合理的配慮を進めるべく、以前から準備を進めていた山形辰史元会長をはじめとするメンバーが、ワーキンググループを立ち上げています。

また、研究面では、学際的なこの学会にふさわしく、様々なディシプリン、研究テーマ、手法、研究対象地域、所属機関の人々が、いつも同じ顔ぶれとだけ交流するのでなく、越境し、協働してくことが重要です。

どうすればそのようなシナジーが生まれるのか。それは、まずこの学会が、会員の皆さんにとって、「あそこに行けば、いつもとは違う学問的刺激がもらえる、新しい発想が得られる、面白い人に出会える」、そういう期待感を抱き、しかもそれを裏切らない経験をできる場になることだと思います。

ですから、この3年間、私を含め、12期の役員たちは、ここをワクワクする場にするために全力を尽くしたいと思います。

学術大会が、その開催を引き受けてくれる開催校にとって、作業負担の多さに圧倒されるのでなく、自分たちならではの魅力や研究、地域社会との関わりなどを発信できる機会となるよう、サポートしていきます。

また、良い研究をしている若手や、国際開発学会では従来あまり紹介されてこなかったような分野やその研究者にも注目が当たるよう、学会賞、学生論文コンクールなどを選考に注力するとともに、広報メディアを通じた受賞者の紹介や学会内外の活動への参加奨励なども進めたいと思います。

萌芽的、実験的な研究アイディアを持った会員が本学会の研究部会を立ち上げ、学術大会での企画セッションや学会誌での論文発表につながるような道筋も積極的に示していきたいと思っています。

学会で既に活動している人だけでなく、国際開発や地域の開発課題に取り組んでいる潜在的な関心層にリーチしていくイベントや仕組みも検討しています。

こうした盛りだくさんの活動をどこまで実現できるか?それは、我々役員自身がその活動を楽しみ、それが会員の皆さんにどこまで伝播していくかに依るかもしれません。

学会の運営は大いなるボランティアである、と佐藤前会長がよく言っておられました。我々は、直接的対価のためではなく、自分たちを育ててくれたこの学会が、今後も会員にとって自らの研究を発信し、先輩や他の会員からコメントをもらったり意見を交わしたりする中で成長する場であり続けるために貢献したいという思いでやっています。

会員の皆さんにワクワクしてもらう場をつくるために、まず我々役員が、「次は何をしよう、こうなったらもっといいんじゃないか?」と提案し、アクションを取る、そんな12期でありたいと思います。そしてそんな役員に対して、会員の皆さんからもアイディアを寄せていただければ幸いです。

第12期国際開発学会
会長 山田 肖子




【会員限定】常任理事会議事録(第236・237・238回)

第236回常任理事会

  • 日時:2023年5月2~5日
  • 方法:メール審議

議題

(1) 審議事項

18名の新規入会希望者が承認され、7名の退会者が報告された。


第237回常任理事会

  • 日時:5月28日(日)9時00分~11時15分
  • 方法:オンライン(Zoom)
  • 出席:佐藤仁(会長)、高田(副会長)、池上、佐野、島田、小林、杉田、川口、三重野(以上、常任理事)、志賀(事務局長)、秋保(事務局次長)

議題

(1)審議事項

  1. 第3回国際開発論文コンテスト審査結果について:大山・人材育成委員会委員(松本委員長の代理)より、応募論文13編のなかから優秀論文賞の授与対象として4編が選出されたことが報告され(最優秀論文賞は該当者なし)、承認された。
  2. 優秀ポスター発表賞の審査方法の変更について:三重野・賞選考委員長より、優秀ポスター発表賞の審査方法を変更したい旨の要請があり、承認された。
  3. 障害者の権利に関する合理的配慮について:佐藤会長(企画運営委員長)より、2019年に導入された「国際開発学会における障害者の権利に関する合理的配慮について」を、障害を有する会員の意見を踏まえてまとめた改訂案について報告がなされ、承認された。

(2)報告事項

  1. 第12期1号理事候補選挙結果および候補者の確定について:杉田選挙管理委員長より、5月に実施された第12期1号理事候補選挙結果が報告された。続いて、志賀事務局長より、選挙における得票数上位者に1号理事就任を打診した結果、19名の第12期1号理事候補者が確定されたことが報告された。
  2. 第12期会長候補者について:志賀事務局長より、本年11月11日の会員総会に提案する次期(第12期)会長候補者の推薦手続きについて説明が行われた。
  3. 入会者、退会者、会費未納退会になる可能性がある会員について:志賀事務局長より、68名の会員が2年度分の会費未納を理由として退会処分になる可能性がある旨が報告され、会費納入促進の方策について議論が交わされた。

第238回常任理事会

  • 日時:2023年7月7~10日
  • 方法:メール審議

議題

(1)審議事項

     

    本部事務局
    事務局長:志賀裕朗(横浜国立大学)




    【会員限定】常任理事会議事録(第239・240・241回)

    第239回常任理事会

    • 日時:2023年8月19~22日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1) 審議事項

    1. 第33回全国大会(@明治大学)の大会運営予算に係る留保金の取り扱いが審議された。
    2. 3名の新規入会希望者が承認された。

    第240回常任理事会

    • 日時:9月3日(日曜)13時00分~15時15分
    • 方法:オンライン(Zoom)
    • 出席:佐藤仁(会長)、高田(副会長)、池上、佐野、島田、小林、杉田、川口、三重野(以上、常任理事)、志賀(事務局長)、秋保(事務局次長)

    議題

    (1)審議事項

    1. 総務委員会より、2024年度の支部・研究部会の設置について説明があり、了承された。
    2. 人材育成委員会より、2024年の第4回国際開発論文コンテストの開催案について説明があり、了承された。
    3. 本部事務局より、現行定款の改正の検討状況について説明があり、改正する方向性について了承された。
    4. 本部事務局より、2年間連続して会費を未納としている会員の退会処分について提案があり、了承された。

    (2)報告事項

    1. 社会連携委員会より、国際協力キャリアセミナーの開催について報告があった。
    2. 賞選考委員会より、春季大会のポスター発表の表彰結果および今年度の学会賞選考の進展状況について報告があった。

    第241回常任理事会

    • 日時:2023年10月5~7日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1)審議事項

    • 15名の新規入会希望者が承認された。

    (2)報告事項

    • 39名の退会者、25名の休会申請者、58名の会費減額申請者が報告された。

    本部事務局
    事務局長:志賀裕朗(横浜国立大学)




    【会員限定】常任理事会議事録(第242・243回)

    第242回常任理事会

    • 日時: 2023年11月4日(土曜)9時30分~12時
    • 方法:対面及びZoom併用
    • 場所:名古屋大学東山キャンパス グローバル・エンゲージメントセンター
    • 出席者(敬称略):佐藤(第11期会長)、山田(第11期副会長、第12期会長候補)、高田(第11期副会長)、池上、川口、北村、小林、佐野、志賀、島田、杉田、三重野(以上、第11期常任理事)、工藤、木全、小國、小山田、狩野、関谷、星野(以上、第12期常任理事候補)、尾和、島津(第12期事務局次長候補)
    • 欠席者(敬称略):松本(第11期常任理事・第12期常任理事候補)、澤田(第12期常任理事候補)

    議題

    ※特段の記載がない場合、報告者は第11期の各委員会とする。

    (1)報告事項

    1. 第34回全国大会(@上智大学)の準備状況について(大会組織委員会)
    山田大会組織委員長より、第34回全国大会の準備状況について報告がなされた。

    (2)審議事項

    1. 2023年度決算および監査役報告(本部事務局・総務委員会)
    池上総務委員長より、2023年度決算およびそれに基づく貸借対照表について説明がなされた。これを受けて、監査役より、特に指摘すべき事項はなかった旨の報告があった。

    2. 2023年度活動報告(各委員会)
    各委員長より、2023年度の活動報告が行われた。

    3. 2024年度予算案・活動計画案(第12期本部事務局・総務委員会)
    各委員長より、2024年度の予算案と活動計画案について説明がなされた。

    JICAから提案されているアジア圏を対象とする開発学会設立構想について、どの委員会が業務を担当すべきか、意見交換がなされた。

    第12期において設置を予定している社会共創委員会が中心となり、第11期の北村グローバル連携委員長と連携して対応し、今後も議論していくことが決定された。

    4. 2023年度学会賞の選出(賞選考委員会)
    三重野賞選考委員長より2023年度学会賞の選出について提案があり、承認された。

    5. 韓国国際開発学会冬季大会への会員派遣(グローバル連携委員会)
    北村グローバル連携委員長より、韓国国際開発学会冬季大会への会員派遣について提案があり、承認された。

    6. 会員向け情報発信方法の整理(広報委員会)
    高田広報委員長より、会員向け情報発信方法の整理について提案があり、承認された。

    7. 大橋正明会員の名誉会員への推挙(総務委員会)
    池上総務委員長より、大橋正明会員の名誉会員への推挙がなされ、承認された。

    8. 第33回会員総会議事(本部事務局、総務委員会)
    志賀事務局長より、第34回全国大会(@上智大学)にて実施予定の第33回会員総会議事について説明され、承認された。

    9. 定款改正(本部事務局)、定款細則改正(第12期本部事務局、総務委員会)
    志賀事務局長と池上総務委員長より、定款と定款細則の改正について提案があり、承認された。

    10. 会費支払い方法の変更(バンクチェック廃止)(本部事務局)
    池上総務委員長より、会費支払方法の変更(バンクチェック廃止とPayPal導入の検討)について提案がなされ、承認された。

    (3)その他

    11.今後の予定について
    今後の会合予定について確認が行われた。


    第243回常任理事会

    • 日時: 2023年11月12日(日) 昼休み(上智大会中)
    • 場所:上智大学四谷キャンパス 紀尾井坂ビル B104室
    • 出席者(五十音順・敬称略):尾和、小山田、狩野、北村、木全、工藤、澤田、島津、島田、関谷、松本、山田(欠席:小國、杉田、星野)

    議題

    (1) 審議事項

    1.1. 会員向け情報発信方法の整理について(広報委員会)

    狩野広報委員長より、ニューズレターとメーリングリストの運用に関して改善案が出された。現在の課題としては、両者の役割が重複している点、ニューズレターに掲載する委員会・研究部会・支部からの報告が負担になっている点が挙げられた。

    改善案としては、ニューズレターをアーカイブ目的、メーリングリストを即時性のある情報発信目的とし、メーリングリストの対象内容を強化するとともに、ニューズレターの発行を年4回から2回に減らすことが提案された。

    常任理事より、ニューズレターに掲載している座長報告の負担が大きいことから、大会終了後に会員が論文集にアクセスできることが周知・広報されることを前提に座長報告を止め、代わりに改善案などを座長が任意でフィードバックできるGoogle フォームを作成し、Confitのメッセージ機能で流してはどうかという提案があった。

    他にも、学会誌にアーカイブ的な情報(事務局報告・委員会報告など)を一元化して掲載し、ニューズレターを廃止してはどうかという提案もあった。

    ニューズレターおよびメーリングリストの運用については、引き続き広報委員会が検討していくこととなった。

    2.支部・研究部会の活動報告について(会長)

    山田会長より、研究部会の活動報告を義務としてはどうかという提案があった。例として、大会で活動報告をするセッションを出す、ニューズレターやメーリングリストで発信するなどが挙げられた。

    常任理事より、活動報告をしなければ予算が下りないという仕組みにする、自分たちでウェブサイト上の各部会のページを更新させる、期間中に部会での検討・研究状況を学会誌に必ず掲載することを義務とする、などの案が出された。

    また、発信方法については、メーリングリスト、ニューズレター、ウェブサイト、学会のラウンドテーブル、総会でのフラッシュトークなど、様々な形から選択させてはどうかという案も出された。

    引き続き山田会長が企画運営委員会として研究部会のルール(公開性や規定)を確認し、活動報告の発信方法について検討し、次回の常任理事会で提案することとなった。

    3.ポスター賞および学会賞について(賞選考委員会)

    澤田賞選考委員長より、(1)ポスター発表者によるフラッシュトークを次回大会から実施したい、(2)学会賞受賞者へ賞金を出す場合は定款の改定が必要となるため、今後、賞選考委員会内で改定案を作成する、(3)賞選考の基金を作るための方法を検討すべき旨の提案があった。今後の常任理事会に具体的な規定や手続き案を委員会から提示し、議論することとした。

    4.学会における合理的配慮について(合理的配慮WG)

    小國副会長より、合理的配慮WGのメーリングリストを作成することが提案され、承認された。また、ウェブサイト上の合理的配慮に関するページを、読み上げソフトを用いやすいように設定することが提案され、承認された。上記の二点については、石田さんにお願いすることとなった。

     加えて、「学会における合理的配慮について」のサブページを、今後作成される山田会長の挨拶ページからもリンクすることが提案され、山田会長の了承を得た。

     WG内で出されているその他のアイデアとして、「学会の合理的配慮を考える」セッションを大会で設けること、希望者には学会誌をテキストファイルで提供すること、などが挙げられていることが紹介された。

    5.入会審査・退会報告(本部事務局)

    関谷総務委員長より、入会者11名、復会・再入会者1名の審査について提案があり、承認された。また、退会者5名について報告がなされた。

    6.その他

    常任理事会の年間スケジュールを事前に決定して欲しいとの要望が常任理事より出され、事務局より具体的な提案を用意し、検討することとした。

    (2) 報告事項

    なし


    本部事務局
    本部事務局長:星野晶成(名古屋大学)




    【会員限定】常任理事会議事録(第231・232回)

    第231回常任理事会

    • 日時:2022年11月3日(木曜)10時~14時
    • 方法:対面とZoom(オンライン)のハイブリッド
    • 出席者:佐藤(会長)、高田、山田(以上、副会長)、池上、小林、島田、松本、北村、川口、佐野、志賀、杉田、三重野(以上、常任理事)

    議題

    (1) 審議事項

    1.支部・研究部会助成額の決定について

    池上総務委員長より、2023年度の支部・研究部会の助成額について報告があり、承認された。

    2.定款および定款細則の改正について

    志賀事務局長より、会員制度の変更等に伴う定款および定款細則の改正案が提案され、承認された。

    3.第12期1号理事選挙について

    杉田選挙管理委員長より、第12期1号理事選挙を2023年5月9日から23日の期間に実施するとの提案があり、承認された。また、選挙規程の改正案が提案され、承認された。

    4.2022年度学会賞について

    三重野賞選考委員長より、2022年度学会賞に13 作品の応募があったこと、審議の結果、 学会賞本賞に牛久晴香会員の『かごバッグの村―ガーナの地場産業と世界とのつながり』(昭和堂)、奨励賞に阿部和美会員の『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動―「平和の地」を求める戦いの行方』(明石書店)、賞選考委員会特別賞に佐藤峰会員、佐柳信男会員、柳原透会員共著のEmpowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration (Palgrave Macmillan)が選出されたこと、論文部門については該当なしとの結果であったことが報告され、承認された。


    (2) 報告事項

    1. 第33回全国大会

    島田大会実行委員長より、第33回全国大会のプログラム案と準備状況について報告がなされ、承認された。

    2. 入会・退会者の報告と会員数の動向

    志賀事務局長より、新規入会希望者・退会者の報告(新規入会希望者13名、退会者3名)ならびに会員数の動向について報告があった。

    3. 翻訳書の応募者への対応について

    三重野賞選考委員長より、翻訳書をもって学会賞への応募があった場合の対応や、論文賞の今後のあり方についての検討状況が報告された。

    4. ポスター賞選考の準備状況について

    三重野賞選考委員長より、ポスター賞選考の準備状況について報告された。


    第232回常任理事会

    • 日時:2022年11月26日(土曜)10時~11時30分
    • 方法:Zoom(オンライン)による開催
    • 出席者:佐藤(会長)、高田、山田(副会長)、池上、川口、小林、佐野、志賀、島田、杉田、松本(常任理事)

    議題

    (1)審議事項

    1.2022年度活動報告および監査役報告について

    各委員長より2022年度の活動について報告された。また、志賀事務局長および池上総務委員長より、2022年度監査については特段の問題点を指摘されることなく終了した旨が報告された。

    2.  2023 年度活動計画および予算案について

    各委員会から2023年度活動計画および予算案について説明がなされ、承認された。

    3.入退会承認について

    志賀事務局長より、30名の新規入会希望者(正会員8名、学生会員22名)について提案がなされ、承認された。また、1名が退会したことが報告された。

    4.第115回理事会議事および第33回会員総会の議事について

    志賀事務局長より、第115回理事会の議事案および第33回会員総会の議事案について説明がなされ、承認された。




    【会員限定】常任理事会議事録(第233・234・235回)

    第233回常任理事会

    • 日時:2023年2月1日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1) 審議事項

    1.第33回全国大会より導入した大会参加・発表管理プログラムのConfitにかかる契約の継続について承認された。

    2.21名の新規入会希望者が承認され、9名の退会者が報告された。


    第234回常任理事会

    • 日時:2023年2月13日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1)審議事項

    1. 10名の新規入会希望者が承認され、2名の退会者が報告された。

    第235回常任理事会

    • 日時:2023年4月3日
    • 方法:メール審議

    議題

    (1)審議事項

    1. 選挙管理委員会より国際開発学会理事候補者選挙細則の改正案が提案され、承認された。
    2. 19名の新規入会希望者および15名の会費未納を理由とする退会処分が承認され、10名の退会者が報告された。

    本部事務局長
    志賀裕朗(横浜国立大学)




    【会員限定】常任理事会議事録(第223~226回)

    第223回常任理事会

    • 日時:2022年1月30日(日曜)15時~16時
    • 方法:Zoom(オンライン)
    • 出席者(敬称略):佐藤、高田、山田、池上、川口、北村、小林、佐野、島田、杉田、松本、三重野、志賀

    議題

    (1) 審議事項

    1. 学会誌編集委員の追加について:学会誌編集委員会の島田委員長より、佐藤寛会員および道中真紀会員を同委員会の委員に加える旨の提案がなされ、了承された。
    2. 学会後援名義の貸与について:研究×実践委員会の小林委員長より、学会外の活動に対する国際開発学会の後援名義の貸与について申請があり、了承された。
    3. 新規入会希望者について:志賀事務局長より、20名の新規入会希望者のリストが提示され、了承された。

    (2) 報告事項

    1. 退会者:志賀事務局長より、36名の退会者が報告された。

    第224回常任理事会

    • 日時:2022年2月27日~3月2日
    • 方法:メールによる開催

    議題

    (1) 審議事項

    14名の新規入会者が承認された。

    (2) 報告事項

    2名の退会者が報告された。


    第225回常任理事会

    • 日時:2022年3月19日(日曜)15時~17時
    • 方法:Zoom(オンライン)
    • 出席者(敬称略):佐藤、高田、山田、池上、川口、小林、佐野、島田、杉田、三重野、志賀

    議題

    (1) 審議事項

    1. 実務家と研究者をつなぐプラットフォームの整備について:
      研究×実践委員会の小林委員長より、学会内の研究者会員と実務家会員の実質的な交流の促進を目的とした制度的仕組みについて問題提起があり、スラック等を活用した双方の関心事項のマッチング等の「場」の整備の必要性や、学会に入っていない実務家と研究者を繋ぐ必要性、若手実務家の入会を促進する必要性についての問題提起が行われた。
    2. 学会後援名義の貸与について:
      選挙管理委員会の杉田委員長より、学会外の活動に対する国際開発学会の後援名義の貸与について申請があり、了承された。
    3. 合理的配慮の取り扱いについて:
      総務委員会の池上委員長より、障碍を有する会員への学会大会等における合理的配慮のあり方について提案がなされ、理事会への付議を含め、今後も引き続き議論していくこととなった。
    4. 休会制度の導入、会費未納退会時期の変更について:
      総務委員会の池上委員長より、休会制度導入の提案、および会費未納を理由とする退会制度について、現行の3年から2年未納をもって退会処分とする制度変更の提案がなされ、いずれも了承された。
    5. 来年度の支部・研究部会の募集について:
      総務委員会の池上委員長より、来年度の支部・研究部会の募集について提案がなされ、了承された。オンライン会議の発達で、「地方」という区切りの意味が薄れつつあるなか、地方支部には若手研究者や留学生の育成奨励といった新たな意義を持たせる必要があるのではないかという問題提起がなされた。
    6. 重大事態発生の際の学会声明について:
      志賀事務局長より、ロシアのウクライナ侵攻や日本学術会議委員任命問題のような「重大事態」の際の学会からの声明の発出について、その要件や手続きの素案が提示された。どんな事態を「重大事態」と認定するか、学会会員の意見の一致が見込めない中でどのような名義で声明を出すべきか、そもそも事前に手続きを明示しておくべきか等について議論がなされ、理事会に付議することとなった。
    7. 新規入会希望者について:
      志賀事務局長より、14名の新規入会希望者のリストが提示され、了承された。

    (2) 報告事項

    1. 今後の大会の開催について:
      大会組織委員会の山田委員長より、本年の春季大会は福岡県立大学、全国大会は明治大学、来年の春季大会は国際教養大学、全国大会は上智大学でそれぞれ開催予定である旨が報告された。
    2. 第23回春季大会について:
      大会実行委員会の佐野委員長より、春季大会の応募状況について報告があった。
    3. 退会者について:
      志賀事務局長より、3名の退会者が報告された。

    第226回常任理事会

    • 日時:2022年4月14日~4月16日
    • 方法:メールによる開催

    議題

    (1) 審議事項

    15名の新規入会者が承認された。

    (2) 報告事項

    14名の退会者が報告された。

    本部事務局長
    志賀裕朗(横浜国立大学)




    【会員限定】常任理事会議事録(第221回)

    • 日時:2021年11月7日(日曜)10時~12時
    • 方法:Zoom(オンライン)
    • 出席者(敬称略):佐藤、高田、山田、池上、川口、北村、小林、佐野、島田、杉田、松本、三重野、志賀、紺野

    議題

    (1) 審議事項:

    第111回理事会および第32回会員総会の議案を検討した。

    (2) 報告事項:

    1. 監査役報告について:
      11月3日に行われた会計監査で、2021年度決算の承認を得た旨が報告された。
    2. 予算案の確定:
      2022年度最終予算案を確定した。
    3. 活動報告・活動予定の確定:
      第111回理事会にて報告予定の各委員会の2021年度活動報告・2022年度活動計画の内容を確定した。
    4. 支部・研究部会への助成額確定:
      各支部・研究部会からの助成申請額を2022年度予算より助成することを確定した。
    5. 定款細則改正案の確定:
      会費制度の変更に伴って必要となる定款細則の関連規定の改正案を確定した。



    会長からの手紙(2021年11月)

    第11期、最初の1年を振り返って

    国際開発学会の皆様、こんにちは。この間、コロナに関連して様々な経済的、精神的苦境に立たされてきた皆様には心よりお見舞い申し上げます。コロナ禍の中で会長に就任し、いまだに会員の皆さんに対面でご挨拶をさせていただけないことをとても心苦しく思いつつ、Visible, Inclusive, Entertaining の旗印を掲げてどうにか走り出し、あっという間に1年が過ぎました。

    この間、オンラインではあるものの、例年と劣らない規模の参加者を経て、春季大会(文教大学)⇒秋季大会(金沢大学)の開催ができていることは、各実行委員長を中心とする開催校のご尽力もさることながら、発表の場をもとめる会員のエネルギーが落ちていないことを示すもので、大いに励まされます。大会運営関係者の皆様には改めて感謝申し上げます。

    さて、コロナの「お陰」で常任理事会はオンライン会議が活発化し、学会全体の組織・運営に及ぶ議論が例年以上に深められたことは大きな収穫でした。こうした議論の結果として、私が第11期の会長として掲げたスローガンであるVisible, Inclusive, Entertainingに即して、さまざまな取り組みが少しずつ実を結び始めています。時間の関係で、総会の場でそれを逐一ご紹介する時間がありません。そこで、ここ1年間に執行部が行ってきた新たな取り組みのハイライトを一望できるように、このお手紙を書きました。


    Visibilityについては、学会の「顔」であるウェブサイト(と会員管理システム)を全面的にリニューアルしました。会員管理システムについては業者を選定しなおし、 ウェブサイトの更新については学会事務局でタイムリーな更新ができるようWord Pressをつかったシステムを導入しました。申すまでもなく、ウェブサイトは更新の頻度と質によって価値が変わってきます。ようやく基本的な設計ができましたので、ぜひ皆さんからインプットいただき、更新の体制を固めていきたいと思っております。

    また、賞選考委員会主導で、日本学術振興会・育志賞への学会推薦を実施しました。育志賞はあらゆる分野の博士課程の大学院生に与えられる国内で最も栄誉ある賞であり、こうした賞への参加は「国際開発」という分野を世に知らしめる重要な回路となります。

    さらには、学生会員主導のツイッター発信を11月から開始しました。これは長年の課題である理事選挙の投票率を向上させる一環として選挙管理委員会が主導で行う事業ですが、単なる選挙対策を超えて、広く一般社会に対しても学会が何をしているのかをより visible にしていく新しい試みでもあります。社会への発信という点では、今年初めて外務省主催のグローバルフェスタにも出展し、「国際協力におけるキャリア形成」というセッションを設けて、若いみなさんを中心に100名の参加者を得ることができました。

    Inclusive については、若手による開発研究部会(通称:若手部会、旧・院生部会)を新設し、部会の主査には理事会にオブザーバー参加してもらうことで200名以上の学生会員との有機的な連帯を確認するところから始めました。また、学会として5支部、10研究部会の活動を奨励し、地方と執行部の風通しを良くするために各支部長にも理事会にオブザーバー出席してもらうことにしました。若手部会は独自のウェブサイトをつくり、異なる大学に属する学生が交流できる稀有な場として活発に活動しています。

    また、学会として初めて申請した科研(国際情報発信強化)が採択され、5年間で合計1400万円程度の予算をもらえることになりました。この予算を用いて、これまで年間2号だった学会誌に英文特集号を追加します。この特集を組むための国際諮問委員会を編成し、アジア各地でのワークショップと執筆者の開拓を始めます。あわせて、日本国内にいる留学生や英語で論文を書いてみたい日本人のために英語論文執筆チュートリアルを実施し、英文校閲などもサポートして学会の英語発信を一層強化してまいります。

    くわえて、学会のコロナ対応の一環として、経済的な困窮者や学生への会費減免措置を実施しました。同時に、これまでの紙による申請から電子申請へと移行し、入会手続きを簡略化しました。これらの措置も学会をより開かれたものする試みの一環であると考えます。

    Entertaining については、学会誌の魅力を高めるための新たなコンテンツ(座談会)を導入し、来年からはデザインも一新します。学会誌は、学会の学問的な「顔」であり、学会の水準を内外に示す重要な回路でありますが、やはり多くの人に手に取ってもらえるような見栄えとコンテンツが揃っていることは大前提だと思っています。査読論文の応募を奨励して、国際開発分野のゲートキーパーの役割を維持しつつ、書評や討論、実務家による実践報告、座談会など、読み物として楽しめるコンテンツを充実させていきます。

    今年から導入した学部生向けの国際開発論文コンテストは、Inclusiveness に貢献する活動としても位置付けています。初年度は10篇の応募があり、幸い、入賞者の選定も終えました。学部生の開拓は未来の開発研究者・実務者を育てるうえで大切な事業であります。今年はいろいろな意味で「試行」の年となりましたが、来年度にはさらに制度の知名度を上げたいと思っています。


    こうした一連の変革を持続的なものにするためには、事務局が無理なく稼働できる体制が不可欠です。そこで、11期からは事務局業務を事務局と総務委員会に分離し、事務局には次長としてサポートしてくれる非常勤スタッフを配置し、作業の一部をデジタル化することによって、どなたが事務局長を引き受けても仕事が回るような体制にしつつあります。そうはいっても、今年度の事務局、常任理事の皆様には例年以上の業務負荷がかかったことは否定できません。また、このお手紙では触れることができなかった裏方の地味なルーティンワークを粛々と担ってくださっている皆さんには感謝の言葉もありません。

    2021年11月からの任期2年目は、着手済みの変革をさらに定着させつつ、研究と実践の密な関係、地方展開など、ここでご報告できなかった領域に力をいれて、来年はさらによい報告ができるよう努力してまいります。会員の皆様の一層のご支援をお願いする次第です。

    2021年11月
    第11期会長 佐藤仁(東京大学)

    Letter from the President
    Reflecting on the First Year as the 11th President




    【会員限定】常任理事会議事録(第219・220回)

    第219回常任理事会

    • 日時:2021年8月17日~8月25日
    • 方法:メールによる開催

    審議事項

    17名の新規入会者が承認された。

    報告事項

    5名の退会者が報告された。


    第220回常任理事会(その1)

    ※第220回常任理事会は議事多数につき、2日に分けて開催された

    • 日時:2021年9月19日(日曜) 10時00分~12時40分 
    • 方法:オンライン
    • 出席者(敬称略):佐藤、高田、島田、杉田、三重野、松本、池上、志賀、紺野

    審議事項

    1. 国際開発論文コンテストについて:
      人材育成委員会の松本委員長より、コンテストの応募及び審査の状況について説明があった。国際開発学会を支える将来の有望な「戦力」を取り込んでいくという観点から、受賞者と様々な形態で関与を継続していくことが重要ではないかとの指摘がなされた。
    2. 選挙管理委員会幹事の企画内容について:
      選挙管理委員会の杉田委員長より、学会選挙を学会員により身近なものとして感じてもらうことを目的とした、選挙管理委員会幹事の企画内容について報告があった。様々な媒体(SNS等)を活用した学会活動内容の発信については、効果を途中で適宜検証しながら進めていく必要があるとの指摘がなされた。
    3. 地方支部・研究部会の設置申請について:
      総務委員会の池上委員長より、2022年度の地方支部および研究部会の設置申請状況について報告があり、当時時点で申請がなされていた支部・部会の設置が承認された。
    4. 入会希望者および退会処分者について:
      志賀事務局長より、20名の入会希望者が紹介され、承認された。また、3年会費未納を理由とする退会処分者56名の提案がなされ、承認された(併せて18名の希望退会者が報告された)。

    報告事項

    1. 学会ウェブサイト等の運用状況について:
      広報委員会の高田委員長より、今年に全面リニューアルを行った学会ウェブサイトの運用状況や、メーリングリスト・ニューズレターの運営上の問題点について報告があった。テクニカルな問題点を解決していくためのノウハウの蓄積を含め、持続可能なかたちで運営していくための工夫が必要であるとの指摘がなされた。また、高田委員長からは、ウェブサイトについて今後は魅力あるコンテンツ作りに注力していきたいとの発言があった。
    2. 今後の各種会合の予定について:
      志賀事務局長より、第32回全国大会までの理事会、常任理事会の日程および議事について報告がなされた。事務の簡素化・合理化の観点からはオンラインでの開催が望ましいとの意見があった一方、理事・常任理事が対面で会合することの意義・効果を考えるべきという意見も出された。

    第220回常任理事会(その2)

    • 日時:2021年9月26日(日曜) 10時00分~12時45分 
    • 方法:オンライン
    • 出席者(敬称略):佐藤、高田、山田、道中(理事)、三重野、池上、川口、小林、佐野、島田、杉田、志賀、紺野

    審議事項

    1. ブックトークセッションについて
      これまで、大会時に開催されてきているブックトークセッションの今後のあり方について、道中理事より説明があった。学会員の研究成果を広く会員に認知してもらうための活動としてブックトークセッションは重要であるという意見が出され、大会での扱い(現在の企画セッションから公式イベントとするか等)や他の学会活動との連携のあり方について、引き続き議論していくこととなった。
    2. 全国大会・春季大会について:
      大会組織委員会の山田委員長より、第32回全国大会の準備状況の説明および今年度の春季大会の実施結果と余剰金の取扱について報告があった。併せて、新型コロナ感染状況下での大会開催方法(全面オンラインか、オンラインと対面方式のハイブリッドか等)の判断指針をどう設定すべきかについても議論された。
    3. 英文学会誌の編集体制について:
      グローバル連携委員会の北村委員長より、英文学会誌の編集体制(編集委員会および諮問委員会を設置する案)について説明がなされ、了承された。
    4. 会費制度の改訂について:
      総務委員会の池上委員長より、70歳以上の会員に対する会費減額制度の創設や、会費未納がない会員への会費請求は毎年4月1日以降に実施することとすることについて提案があり、了承された。
    5. 志賀事務局長より、コロナ禍に起因する経済的困窮を理由とする2022年度の会費減免措置の対象となる会員の申請状況について報告があり、承認された。

    報告事項

    • 賞選考委員会の三重野委員長より、今年度の学会賞への応募状況と審査日程について報告があった。併せて、学会賞のあり方について議論がなされ、概して応募数が少ないという現状を変えるために、どういう応募作を求めているかなどを含めた広報を行っていく必要があるという意見が出された。
    • グローバルフェスタへの参加について:
      社会連携委員会の川口委員長より、外務省主催のグローバルフェスタへ学会として参加し、会員の参加を得て「キャリア形成セミナー」と題する企画を実施する予定であるとの報告があった。

    第11期・本部事務局
    事務局長志賀裕朗(JICA研究所)




    【会員限定】常任理事会議事録(第217・218回)

    第217回常任理事会

    • 日時:2021年6月6日(日曜)10時00分~13時00分
    • 方法:オンライン開催
    • 出席者(敬称略):佐藤、高田、山田、池上、川口、小林、佐野、島田、杉田、三重野、松本、志賀、秋保

    審議事項

    支部・研究部会について

    池上総務委員長より、来年度の支部・研究部会の募集につき、これまでのところ研究部会について継続4つ、新規1つの申請があったとの報告があり、理事会に諮ることが承認された。

    2022年度会費について

    池上総務委員長より、学生会員に対する会費減額措置を来年度も継続すること、途上国/先進国会員という会費区分を撤廃することについて提案があり、承認された。

    事業年度と会費年度の分離について

    池上総務委員長より、事業年度と会費年度を分離する提案があり、今後も議論を継続していくこととなった。

    幹事の追加について

    小林研究×実践委員長より、功能会員、狩野会員の幹事就任に関する提案があり、承認された。また、杉田選挙管理委員長より、選挙管理委員会幹事を公募した結果、4名の学生会員から申請があったとの説明があり、4名の幹事就任が承認された。

    入会希望者

    志賀事務局長より34名の新規入会希望者が紹介され、承認された。また、26名の退会者が報告された。

    「人文社会系学協会メーリングリストへのご参加のお願い」への対応について

    人文社会系学協会連合連絡会からなされている「人文社会系学協会メーリングリストへの参加のお願い」への対応について志賀事務局長から説明がなされ、審議のうえ、参加の条件や方法について連絡会に改めて確認することとなった。

    「ミャンマーにおける人間の安全保障シンポジウム」への協賛依頼への対応について

    東京大学主催の「ミャンマーにおける人間の安全保障シンポジウム」への協賛依頼への対応について志賀事務局長から報告があり、承認された。

    (報告事項)

    宛名不明者一覧

    池上総務委員長より、メールアドレス不明者47名について報告があり、不明者の中に常任理事の知っている会員がいる場合、連絡をとって確認していただきたいとの依頼がなされた。

    2021年9月末で会費3年未納によって退会処分になる可能性がある会員一覧

    池上総務委員長より、9月末で会費3年未納を理由として退会処分になる可能性がある会員が73名いるとの報告があった。

    育志賞

    三重野賞選考委員長より、育志賞の候補者の選考状況が報告された。

    春季大会ポスターセッション表彰の選考

    三重野賞選考委員長より、次期春季大会では18件のポスターセッション発表者が予定されており、ビデオセッション形式で全選考委員が評価する方法を採用する旨が報告された。

    今年度の学会賞公募

    三重野賞選考委員長より、現時点では1件の論文と1件の書籍の応募があったことが報告された。

    i-vote選挙管理システム

    杉田選挙管理委員長より、選挙管理システム(i-vote)について報告があり、どのような選挙管理システムを採用するかについて今後も検討していくことが説明された。

    学会ホームページ改訂

    高田広報委員長より、学会ホームページのリニューアルの進捗状況について報告された。

    英文学会誌発刊準備

    英文学会誌の編集体制の構築や国際諮問委員会の設置にかかる準備状況について報告された。(北村グローバル連携委員長が欠席の為、佐藤会長から報告)


    第218回常任理事会

    • 日時:2021年6月30日~7月3日
    • 方法:メールによる開催

    審議事項

    キム・ソヤン会員がグローバル連携委員会の幹事に就任する案を審議し、理事会に諮ることが承認された。また、7名の新規入会者が承認された。

    報告事項

    6名の退会者が報告された。

    第11期本部事務局長志賀裕朗(JICA研究所)