広報委員会からのお知らせ(2022年11月)

広報委員会の各種広報活動について

Webサイト() は随時情報を更新しております。委員会・支部・研究部会用には専用ページを用意しておりますので、ご利用を希望される場合には広報委員会までお知らせ下さい。

全会員宛のメーリングリストによる告知依頼は、配信依頼フォームのURL()

よりお願い致します。配信依頼を送信できるのは在会中の会員に限ります。

会員の「公益に資する情報提供を行う」という方針に従って運用しておりますので、商業活動や個人的な依頼等にはお応えできないことをご了承下さい。フォーム送信から配信まで最大1週間程度のお時間を頂くことがありますので、余裕を持ってご依頼いただければ幸いです。

なお、ご希望がある場合にはWebサイトにも同じ内容を掲載します。 ニューズレターはWebおよびPDFにより発行しております。会員限定コンテンツについてはパスワードが掛けられております。パスワードは会員システムSMOOSYにログインすれば確認できます。

学会の年度が切り替わるタイミングでパスワードも変更しておりますので、ご確認下さい。 広報委員会へのご連絡は news[アットマーク] までお願い致します。

広報委員会
委員長:高田潤一(東京工業大学)




選挙管理委員会からのお知らせ(2022年11月)

選挙管理委員会では、来年の選挙で利用するオンライン選挙のシステムの選定を、学会本部および総務委員長の協力を得て行いました。現在、ユーザーフレンドリーな方法で選挙が実施できるよう、詳細を業者と調整しているところです。

また、ご存じの方もいて下さるかと思いますが、学会の各委員会の活動や理事の役割などについて広く知って頂ければと、選挙管理委員会の幹事が中心となって動画を作成しています。

このたび、選挙管理委員会の幹事による、社会連携委員会の川口委員長インタビューのYouTube動画を公開しました。

学会のトップページ()をスクロールしていくと、中盤あたりに「せんかん YouTube」のバナー出てきます。また、選挙管理委員会のページにも掲載されていますので、ぜひご覧下さい。

グローバル連携委員会の北村友人委員長へのインタビュー動画も近日中に公開予定です。

選挙管理委員会
委員長:杉田映理(大阪大学)


選挙管理委員会




総務委員会からのお知らせ(2022年11月)

2023年度会費について

2023年度会費請求について

国際開発学会の会計年度は、毎年10月1日から翌年9月30日までとなっており、2022年10月1日から2023年度が始まりました。2023年度会費の徴収については以下の通りです。

2022年度までの会費をすべて支払っている会員

会費の滞納がない会員につきましては、2023年4月中旬ごろに2023年度会費の請求書を発行します。

2020年度、2021年度の会費をまだ支払っていない会員

会費滞納がある会員は、2023年度会費の請求開始前に、できるだけ早急に未払の会費の支払いをお願いします。

なお、2023年度会費を2023年3月31日までに支払いたい会員の方は、後日、メーリングリストとウェブサイトで申請方法を告知します。締切は2023年2月28日(月曜)とします。請求作業は原則毎月15日と月末ごとに取りまとめて、会費請求を行います。そのため、申請後から会費請求の連絡まで最大2週間程度かかることをあらかじめご了承ください。


会費減額について

先日連絡した2023年度会費減額申請について、近日中にその結果を申請した会員に個別で連絡します。会費請求は2023年4月中旬に行い、会費は減額された金額となります。

総務委員会
委員長:池上 寛(ジェトロ・アジア経済研究所)




【会員限定】常任理事会議事録(第229・230回)

第229回・常任理事会

  • 日時:2022年7月25日(月曜)16時~18時
  • 開催方法:ハイブリッド(東京大学東洋文化研究所での対面会議およびZoomの併用方式)
  • 参加者(敬称略)
    〔対面〕佐藤(会長)、山田(副会長)、池上、小林、島田、杉田、松本、三重野(以上、常任理事)、志賀(事務局長)
    〔オンライン〕高田(副会長)、川口、佐野(以上、常任理事)、秋保(事務局次長)
    〔欠席〕北村(常任理事)

議題

(審議事項)

1.育志賞への対応について(賞選考委員会)

三重野賞選考委員長より今年度の育志賞への対応に関して報告がなされ、来年度の募集に向けて被推薦者の条件等を含めたルール作りを行っていくとの説明があった。

2.学会賞の応募状況について(賞選考委員会)

三重野賞選考委員長より、学会賞に書籍13件(単著11、編著・共著2、英書3)、解題付き翻訳書1件、論文3件の応募があった旨が報告された。また、賞が対象とする書籍、論文の範囲の見直しを行っていく必要があるだろうとの見解が示された。

3.英文ジャーナル編集体制について(国際交流委員会)

英文ジャーナルの国際諮問委員会委員の人選の在り方について議論が行われた。

(報告事項)

4.選挙管理システムおよび選挙関連の郵送物について(選挙管理委員会)

杉田選挙管理委員長より、新たな選挙管理システムの導入について検討中である旨の報告があった。また、選挙時に行っている会員に対するハガキの発送を今後中止することを検討している旨、説明があった。

5.第23回春季大会決算報告と処理について(大会実行委員会)

山田大会組織実行委員長より、第23回春季大会決算が赤字であった旨の報告があり、常任理事会はこの赤字を補填することを承認した。 

6.Facebookの運用方針改定案について(広報委員会)

高田広報委員長より、学会Facebookページを活用した情報発信の活性化を図るための案が提示され、会員相互の情報交換のためのFacebookグループ新設に向けてFacebook運用方針の改訂を含めた議論を継続していくとの説明がなされた。

(その他)

7.総務委員会・本部事務局からの連絡

志賀事務局長より、入会申請(26名)、退会希望(40名)があり、入会申請者が新会員として承認された。現時点での学会員総数は、正会員・学生会員含め1,670名であるとの説明がなされた。

続いて、池上総務委員長より、会費支払い状況と会費未納者への対応について報告がなされた。現時点で会費未納者が37%いるため、今後会費の支払い方法について検討していく旨、説明された。また、合理的配慮について3件の申請があった旨の報告があった。

8.今後の常任理事会および理事会開催日程について

志賀事務局長より、今後の常任理事会および理事会の開催予定について説明があった。


第230回・常任理事会

  • 日時:2022年10月11日~14日
  • 方法:メールによる開催

議題(いずれも審議事項)

1.第3回国際開発論文コンテストについて

松本人材育成委員長より、第3回(2023年度)国際開発論文コンテストについて提案があり、承認された。

2.2023年度減額申請について

池上総務委員長より、2023年度の会費減額申請について報告があり、正会員25名、学生会員41名の会費減額が承認された。

3.新規入会者、退会者について

志賀事務局長より、15名の新規入会者および64名の退会者(3年間会費未納による退会処分者17名を含む)が報告され、承認された。

本部事務局長
志賀裕朗(横浜国立大学)




横浜支部(2022年11月)

2022年度活動報告

  1. 2022年3月31日に「若手による開発研究部会」の協力を受け、3つの修士論文を対象にした「修了記念領域横断ゼミ」を実施した。参加は20名。
  2. 2022年7月2日に「国際開発学会若手部会」と共催し、「博士論文作成の経験をめぐる座談会」を実施した。将来的に博士課程に進む予定がある方と現在博士論文の作成を考えている方を主要な対象に、先輩方より博士論文の思考プロセスやスケジュール、現地調査、学術誌への論文投稿、メンタル管理、研究調査や生活費の入手に関する経験の共有を行う目的で開催した。発表者と参加者の交流を通じて、参加者は現在直面している課題をどのように取り組むかについて発表者よりの助言をいただく機会ともなった。
  3. このほかに日常的に情報交換活動を活発に行った。

横浜支部
支部長:林薫(文教大学)




東海支部(2022年11月)

2022年度活動報告

1.若手研究者報告会の開催

JASID Tokai 2022 Conference for Young Researchers

  • 日時:2022年8月27日(土曜)13:00~16:40
  • 場所:オンライン

JIASIDのメーリングリストを活用して広く公募し2名の応募があり、8月1日に2名を決定、他に前回3月26日の若手研究者報告会の発表で優秀であった二名の学生を基調講演に招待した。

プログラム

  1. 13:00-13:45
    Wenxuan Yang (Keynote Speaker) Nagoya Univ Economics
    Analyzing Human Capital in China by Spatial Econometrics
  2. 13:45-14:30
    Hua Zheng (Keynote Speaker) Nagoya Univ Economics
    The spatial difference in the impact of real estate investment on the regional economy in China– MGWR approach
  3. 14:30-15:15
    Eiichi Shibata Arukunakama (NPO) Economics
    スケールを考慮した「内発的発展論」の可能性―「キー・パーソン」の立ち位置と「内」と「外」との関連性に着目して―
  4. 15:15-16:00
    Nguyen Thi Minh Thu Nagoya Univ Economics
    Income convergence in Vietnam: An estimation on the impacts of industrial factors and spatial spillover externalities
  5. 16:00-16:40
    Overall discussion and comments

2.国際ビジネス研究学会(JAIBS)中部部会
第42回中部部会研究会(共催:JASID東海)

  • 日時:令和4年9月24日(土曜日)16:05~17:05
  • 場所:オンライン(Zoom)にて開催

事例発表

16:05~17:05
北川 啓子氏 JERA[財務部IRユニット(ESG担当)シニアマネージャー]
「ジョイントベンチャー等におけるパートナー企業との信頼関係構築の重要性~ 味の素での香粧品(化粧品)事業における取組み ~」

東海支部
代表:梅村哲夫(名古屋大学)

副支部長:染矢将和(名古屋大学)
副支部長:林尚志(南山大学)




広島支部(2022年11月)

2022年度活動報告

本年度、九州大学と共同で西日本地域の国際開発・協力に関わる研究者、実務者、学生を集めて議論するJASID第9回西日本地区研究発表会(於:広島大学)を、3年ぶりに対面開催した。

参加大学は九州大学、広島大学に加え、岡山大学であった。

開催日時は8月26日午前10時~午後4時半、発表者52名、座長16名、その他の参加者21名の合わせて89名だった。

報告セッションは、経済政策関連(経済発展と政策)、生物学関連(生物科学と生体工学)、工学関連(社会発展と工学)、農業科学関連(農業発展と社会)の4セッションを平行で行ない、それぞれで活発な報告及び討論が行われた。

広島支部
支部長:市橋勝(広島大学)




京滋支部(2022年11月)

2022年度活動報告

本年度はまず支部長を含む支部体制の交代を行いました。その引き継ぎ作業と共に、コロナ禍およびポストコロナ禍における支部の活動のあり方について打ち合わせを重ねました。

たとえば過年度オンラインで実施した長浜市の町興しプロジェクトのセミナーを参照し、オンラインでは多様な参加者を得られるメリットを認識しつつも、より深い議論が対面方式では期待できることに注目しました。従って支部で実施する催し、たとえば研究交流会はなるべく対面で実施する方針を掲げました。

その研究報告会ですが、既報のとおり5月15日(日曜)、キャンパスプラザ京都にてハイブリッド形式で開催しました。当日は、外国人正・学生会員の報告応募を得ることができ、9つの研究成果および研究計画(うちオンライン2件)が報告され、京都および滋賀地域から23名(会場21名、オンライン2名)の参加者を得ました。久しぶりの対面形式を含む研究会であったところ、期待されたとおり活発な議論を行うことができました。

また、京滋地域の90余名の会員のなかで、より多くの会員に支部の活動に参加してもらうという趣旨で、会員情報の把握を行いました。これについては本部事務局のご協力をいただくことができました。また学生会員および正会員の勧誘も併せて継続的に行っています。

なお、同様の趣旨から、現在の支部体制が一部の大学に偏っている現状を改善するため、支部内で打ち合わせを実施し、来年度はあらたな副支部長を迎えることが内定しています。

他方で反省点としては、当初実施する構想のあった工場見学など当地域の特色を活かした活動は、本会計年度内には実現することができませんでした。新型コロナ感染症第7波で企画する側のモメンタムが阻害されたことが主因です。それに加え、受け入れ側の企業にとって感染対策体制の準備から少なくても2ヶ月前に実施予定・訪問者を確定する必要があるという制約がありました。この点については来年度の活動計画を策定するうえで、留意すべき点として教訓を得ました。

京滋支部
支部長:渡邉松男(立命館大学)




関西支部(2022年11月)

2022年度活動報告

関西支部では国際開発・国際協力に関するさまざまな分野の専門家を招聘し、現在世界的な問題となっているコロナ禍、また、ポストコロナにおける国際開発・国際協力に関する議論を精力的に展開していくことを2022年度は目的としている。2022年9月に計3回(第161回から第163回)の研究会を開催したので、その内容について以下の通り報告する。

第161回研究会

  • 日時:2022年9月22日(木曜)18:00-20:00
  • 言語:英語
  • 発表テーマ:Influence of Technological Advancements on Sustainable Graduate Employability: Case of Bangladesh
  • 発表者:Dr. Md. Jahangir Alam, Associate Professor, Department of Japanese Studies, University of Dhaka
  • 参加人数:45名

概要

本研究会では、ダッカ大学のMd. Jahangir Alam博士を招聘し、「Influence of Technological Advancements on Sustainable Graduate Employability: Case of Bangladesh」をテーマに講演をしていただいた。

Alam博士はコロナ禍を通じた教育のデジタル化が、学校教育におけるアクセス・質の改善、教育内容の質的向上に資することについて言及した。

一方で、調査対象としたバングラデシュの高等教育において教育のデジタル化が進みつつある中で、ICTの普及状況や需要者側のICT利活用能力に関して格差が生じていることを挙げ、これらは学生の学習成果向上を妨げてしまう可能性があると強調した。

教育のデジタル化に関する政府の政策や現状、教員のICT利活用能力、ICT普及の都市農村格差などを中心に、多岐にわたる論点から活発な議論が行われた。本研究会はAlam博士の講演並びにその後の議論を通じてバングラデシュにおける教育のデジタル化の展望と課題について深い知見を得ることができた大変意義深い研究会となった。


第162回研究会

  • 日時:2022年9月27日(火曜)18:00-20:00
  • 言語:英語
  • 発表テーマ:Decarbonization Pathways in Lao PDR
  • 発表者:Dr. Phouphet Kyophilavong, Dean, Faculty of Economics and Business Management (FEBM), National University of Laos
  • 討論者:Dr. Kenji Nozaki, Professor, Faculty of Economics, Takasaki City University of Economic
  • 参加人数:34名

概要

本研究会では、ラオス国立大学のPhouphet Kyophilavong博士を招聘し、「Decarbonization Pathways in Lao PDR」をテーマに講演をしていただいた。Kyophilavong博士は地球の二酸化炭素濃度や表面温度の上昇、エネルギー利用過多に触れ、気候変動によるリスクや課題について言及した。

また、ラオスは1990年代以降、経済発展を続けている一方、貧富の格差や環境破壊等の問題を抱えており、COVID-19の影響も踏まえて国家レベルで脱炭素化に向けた政策を実行していかねばならないことを強調した。

講演後は、高崎経済大学の野崎謙二博士に討論者として登壇いただき、ラオスにおける第二次産業の展望や中国との関係、経済的持続性についての議論が行われた。その後、参加者からも中小企業や農村部での脱炭素化の展望や、国家のCO2削減政策の現状などを中心に多岐にわたる論点について質疑がされ、活発な議論が行われた。

本研究会はKyophilavong博士の講演並びにその後の議論を通じてラオスにおける脱炭素化に向けた課題とこれからの展望について深い知見を得ることができた大変意義深い研究会となった。


第163回研究会

  • 日時:2022年9月28日(木曜)18:00-20:00
  • 言語:英語
  • 発表テーマ:Lao Education Policy Planning and Implementation Progress Linked to SDGs
  • 発表者:Dr. Bounpanh Xaymountry, Director-General, Department of Planning, Ministry of Education and Sports (MOES), Lao PDR
    Mr. Anoupheng Keovongsa, Deputy Director-General, Department of Planning, Ministry of Education and Sports (MOES), Lao PDR
  • 討論者:Mr. Yasumasa Nagaoka, JICA Education Policy Advisor, Lao PDR
  • 参加人数:36名

概要

本研究会では、ラオス教育スポーツ省の国立大学のBounpanh Xaymountry博士とAnoupheng Keovongsa氏を招聘し、「Lao Education Policy Planning and Implementation Progress Linked to SDGs」と題した講演をしていただいた。

Xaymountry博士はラオスの2021年から2025年における国家教育プランについて、SDGs、とりわけSDG 4との関連性に触れながら説明をした。また、オーストラリア政府やUNICEFからの支援を受け策定した前述の教育プランの実施については、COVID-19の影響を大きく受けていると強調した。

Keovongsa氏は、ラオスにおけるGlobal Partnership for Education (GPE)の現状と展望について講演を行った。GPEのフェーズ2では5つのGPEの成果を目標として指標化し、4つの目標が達成され、現在のフェーズ3では、教育の公正性、質保障、学習成果に関する目標を立てているとした。加えてCOVID-19の影響に対応したGPEプロジェクトが進行している点も言及した。

講演後は、JICA教育政策アドバイザーである長岡康雅氏を招聘し、ラオスの国家教育政策とGPEについて議論を深めた。長岡氏は国家政策とGPEにより教育状況が改善されてきた一方で、今なお政策と現状には乖離があること、COVID-19の影響を大きく受けていることについて言及した。

その後、参加者を交えた活発な質疑応答も行われ、本研究会はラオスにおける国家教育政策とGPEについて深い知見を得ることができた大変有意義な研究会となった。

関西支部
支部長:小川啓一(神戸大学)




2022年度・活動報告『人の移動と開発』研究部会(2022年11月)

今年度は、研究部会の最終年度として、『国際開発研究』第31巻第1号の特集「人の移動と開発」に4編を投稿した。

『人の移動と開発』研究部会
代表:田中雅子(上智大学)




2022年度・活動報告『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会(2022年11月)

第11回研究会

  • 日時: 2022年7月27日(水曜)19:00~21:00
  • 場所: オンライン

スケジュール

19:0019:45
『Cities and places meet the Doughnut』
Dr. Leonora Grcheva(Cities and Regions Lead, Doughnut Economics Action Lab: DEAL)

19:4521:00
討論

概要

地球の生態学的限界の中、全ての人に真っ当な暮らしを保障する発展をどう図れば良いのかを問う「ドーナツ経済」概念に注目が集まっている。ドーナツの外縁が地球環境の上限、内縁は最低限の暮らしを可能せしめる土台を表す。外縁と内縁の間にできるだけ多くの人が入るシステムをつくることで、持続可能かつ公正な社会の実現を目指している。本研究会では「ドーナツ経済アクションラボ」で、主に都市部や自治体での実践活動を率いてきたレオノラ・グルチェバさんに、ドーナツ経済の概説と各地の適用事例をご紹介いただいた。


第12回研究会

  • 日時: 2022年9月8日(木曜)18:30~20:00
  • 場所: オンライン

スケジュール

18:3019:15
「 Community Based Learningを地域社会開発の視点で考える」
秋吉 恵(立命館大学)
コメンテーター:藍澤 淑雄(拓殖大学)

19:15-20:00
討論

概要

Community Based Learning /Service Learning(以下CBL)は、大学とコミュニティの双方に相互利益をもたらす活動形態として、ここ数十年で世界的にますます関心が寄せられるようになった。本研究会では秋吉恵会員に、南アジアと日本の地域で延べ600名以上の学生とCBLを実施してきた経験をベースに、CBLの意義・可能性について、地域社会開発の視点から論じていただいた。

地域における内部システム(家庭・地域社会)と外部システム(市場・行政)のありようや組織的対応、さらにCBLに関わるアクター(学生・大学教職員・地域組織スタッフ・地域住民)のキー・コンピテンシーやアクター間の関係性をもとに、CBLが学生の成長のみならず、地域にとっても有益な共同活動となり得ることをご報告くださった。


第13回研究会

  • 日時: 2022年9月29日(木曜)19:00~20:30
  • 場所: オンライン

スケジュール

18:30-19:15
「 あいだの開発学の可能性:秋田と南アフリカの地域の出会いを通じての考察」
工藤 尚悟(国際教養大学)
コメンテーター:平井 華代(追手門学院大学)

19:15-20:00
討論

概要

秋田と南アフリカ・クワァクワァ地域において調査を実施されてきた工藤尚悟会員にご報告いただいた。

移住者の起業活動についてのご自身のフィールドワークを参照しながら、風土や社会経済状況が大きく異なる途上国と先進国の地域が共通課題を通じて出会ったとき、どのような気付きや学びがあったのかをお話しくださった。開発の概念と実践の両方に内在する様々なあいだに関わる「あいだの開発学」の可能性を論じられた。

『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会
代表:真崎克彦




2022年度・活動報告『ODAの歴史と未来』研究部会(2022年11月)

2021年10月~2022年9月

「ODAの歴史と未来」研究部会の2022年度の活動は、下記のように四回の研究会の実施と、オーラルヒストリー調査を実施したことである。

2022年初回の研究会は、1月29日に二部構成で行なった。第一部では、日下部尚徳会員(立教大学)が「対バングラデシュ援助の表象」というテーマで報告し、第二部では、藏本龍介会員(東京大学)が「土木」、そして橋本憲幸会員(山梨県立大学)が「人づくり」を取り上げ、「英語にしにくい日本の開発概念」の研究成果を共有した。

二回目の研究会は3月26日に実施した。第1部・小林誉明会員の報告、第2部・英語にしにくい日本の開発概念から近江加奈子会員の「内発的発展」、松原直輝会員「現場主義」であった。いずれも日本的な開発概念と実践の在り方に迫る報告であったが、そもそも「日本的」とは何であるかの一層掘り下げた研究が必要とのコメントがあった。

三回目の研究会は、7月16日に開催され、は汪牧云会員、鄭会員、近江加奈子会員が共同で「日・中・韓の現場からみるODAの歴史と未来——農村開発の経験輸出を中心に」を行い、第二部では松原直輝会員が「現場主義の理想と現実」と題してJICAの現場主義に関する行政学的な研究成果を報告した。

2022年度の最終回は、9月17日に実施し、「部会活動の到達点とこれからの課題」と題して小林誉明会員、佐藤仁会員、大山貴稔会員の報告で総まとめを行った。また部会のスピンオフ企画として下村恭民氏、廣野良吉氏、星昌子氏らのオーラルヒストリーもとりまとめに成功し、充実した部会活動を行うことができた。いずれの会もオンラインで15名前後の参加者を得て3時間ほど熱心に議論に参加した。何よりもベテランから大学院生まで、幅広い層の参加者を得られたことがよかった。

『ODAの歴史と未来』研究部会
代表:佐藤仁(東京大学)




2022年度・活動報告『開発のレジリエンスとSDGs』研究部会(2022年11月)

活動報告

春季大会(2022年6月18日)では、「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会による第3回目のラウンドテーブルを実施した。本研究部会においては開発の持続性だけでなくレジリエンスという観点からも開発やSDGs概念の有効性や課題に関し考察を重ねてきた。

本セッションでは前2回のラウンドテーブルでは焦点化されなかった「移動する人々」に着目し、ウィズコロナの今日的な状況の中で、生活基盤に「移動の要素」を抱える人々のレジリエントな様相、SDGsの課題について議論した。

来る全国大会(2022年12月4日、5日開催予定では)本研究部会による第4回目のラウンドテーブルを実施する予定である。テーマは「食のレジリエンスとSDGs」ということで、専門家を招聘し、オンラインのラウンドテーブルで議論する予定で現在準備を進めている。


今後の予定

3年目(2022年10月から2023年9月)
開発のレジリエンスとSDGs提言作成等成果の取りまとめ

開発のレジリエンス、SDGsに関連したテーマに関心をお持ちの会員はぜひご参加いただきたい。引き続き活発な議論の展開に努めていきたい。

参加申込・連絡先

東京大学グローバル地域研究機構 持続的開発研究センター
センター長 関谷 雄一

  • sekiya [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

『開発のレジリエンスとSDGs』研究部会
代表:関谷雄一(東京大学)




2022年度・活動報告『子どもの安全保障への開発アプローチ』研究部会(2022年11月)

「子どもの安全保障への開発アプローチ」研究部会では、「人間の安全保障」について、子どもに焦点を絞った「子どもの安全保障」の概念について議論し、研究部会メンバーのそれぞれの研究領域における事例研究を発表し、政策提言にもつながるような理論的枠組みを構築することを目指して研究活動を進めている。

すでに報告したとおり、2022年6月18日(土曜)9:30-11:30、第23回春季大会(福岡県立大学、オンライン)において、「子どもの安全保障〜障害のある子どもの保護とエンパワーメント」と題してラウンドテーブルを開催(オンライン)した。しかし、その後は、代表と副代表の異動があったことも一つの要因となり、研究会を実施できていない。

『子どもの安全保障への開発アプローチ』研究部会
代表:勝間靖(早稲田大学)




2022年度・活動報告『若手による開発研究』研究部会(2022年11月)

活動2年目を迎えた、本研究部会の本年度の活動計画を報告させていただきます。  

昨年度は、当研究部会のメンバーを中心に第31回全国大会、第22回春季大会にてラウンドテーブルを開催しました。

これに加えて、8回のオンライン研究会を開催しました。  

活動初年度であった昨年度は、全国大会、春季大会におけるラウンドテーブルでの発表という目標を達成し、また原則月に一度研究会を開催するという本研究部会の活動の基本的体制が整えられました。

今年度はこうした活動を継続しつつも、対面での研究会の開催、若手部会メンバー以外にも開かれたオープンな形式での研究会の開催など、新たな取り組みにも挑戦していこうと考えております。

『若手による開発研究』研究部会
代表:宮川慎司(東京大学・院)




2022年度・活動報告『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2022年11月)

2022年度の活動実績

2022年度は、オンラインによる研究会を5回開催した。第1回は、2021年10月10日にオイシックス・ラ・大地株式会社ソーシャル・コミュニケーション室の秋元浩治さんほか1名を講師として、「倫理的生産者と倫理的消費者をつなぐ試み」を報告してもらった。オイシックス・ラ・大地は、有機農産物を中心にその配送や加工品の販売を通じて、日本で倫理的食農システムの構築を実践してきたトップランナーに位置づけられる。その歴史と業務内容、ポリシーなどについて学んだ。

第2回は1月8日に愛媛大学農学部教授の胡 柏さんを講師として、「愛媛県今治市の食と農のまちづくりが示唆するもの」というテーマの下に、今治市の取組について学んだ。今治市は学校給食、有機農業、食育などで著名だが、胡 柏さんは長年にわたって、今治市食と農のまちづくり委員会会長を務めているので、内側の事情についても興味深い報告をしていただいた。地産地消と有機農業(農産物)、地域内での経済循環、多様な主体の関与と分担(マルチステークホルダー)といった研究部会に関わる論点が浮き彫りになった。

第3回は6月11日に東京大学教授の受田宏之さんが「ミルパとプルケー、メリポナ蜂:メキシコの小農とアグロエコロジー」について報告した。ミルパ(トウモロコシとマメ類を中心に混作するメキシコの在来農法)もプルケー(多年草マゲイから作られる地酒)もメリポナ蜂(マヤの人びとが神からの贈り物とする針のないミツバチ)も小農世界を構成する不可欠のパーツであり、そこに地域の生態系を重視するアグロエコロジー(AE)との接点がありうる。ただし、有機農業の位置づけが高いのは輸出用のコーヒー、アボガド部門であって、小農部門ではごく一部にとどまる。とはいえ、参加型認証を用いる有機市の事例とAEの重要な要素である農民の主体性を育てようとする農民学校の事例から判断すると、小農部門における有機農業の主流化には相当の努力が必要だが、コミュニティの形成・強化には大きな役割を果たし得るといえる。

第4回は7月2日に三重大学名誉教授・CSA研究会代表の波夛野豪さんが「CSAの現段階とTEIKEIの展開過程」について報告した。波夛野氏は、日本はもとより世界各地のCSAを訪問・調査してきた。その結果によると、CSAは「地域が支える農業」「地域支援型農業」と和訳されることが多いが、実態はCommunityが支える農業であり、そのCommunityの性格によってCSAのあり方が決まってくる。運営のポイントは会員制で、会費(農産物の対価とは限らない)の前払いによって農家・農場を支援する点にある。不作でも会員に対する保証がないので、CSAは農産物とともにリスクを共有する仕組みだと見ることもできる。会費の設定方式として、所得格差に応じて差を設けるスライディング方式は、倫理的食農システムの観点からたいへん興味深い。

第5回目は、7月10日に米沢女子短期大学准教授の中川恵さんが「宮城県・鳴子の米プロジェクトがめざす農と食のコミュニティ―日本版CSAの特徴をどうとらえるか?―」について報告した。鳴子の米プロジェクトは、鳴子町の水田・稲作が荒廃しかねないと、民族研究家の結城登美雄氏が危機感を持ったことで始まった。結城氏はその際に地元の温泉街・こけし業者に対して、地元産の米を食べることで共有財産としての鳴子町の水田を守ろうと呼びかけた。その象徴として、日本でも知ら始めた「地域支援型農業」の呼称を持ち込んだものと思われる。鳴子では宮城県が開発した高冷地向け品種「ゆきむすび」の栽培と自然乾燥米をその要件とした。現在は都心のおにぎり業者との契約栽培に重点が移っている。このCSAは中山間地における離農の速度を遅らせるという効果を持った。

2022年度の研究会では有機農業とCSAによる農村発展のあり方がひとつの共通テーマとして浮かび上がった。必ずしも、明確に議論されたわけではないが、有機認証やCSAによる前払い制、リスクの共有といった特徴は倫理的食農システムを考える上での論点となりうるだろう。

2022年度秋季大会には、「倫理的食農システム:アグロエコロジーの視点から」というテーマでラウンドテーブルを開催する予定で準備を進めている。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




2022年度・活動報告『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会(2022年11月)

初年度である2022年度は、「アフリカ・アジアにおけるものづくり」に関して、合計で3回(3月、5月、8月)の研究部会を開催しました。さまざまな分野の研究者によって、「ものづくり」を考察する多角的な切り口が提示され、ものづくり研究のすそ野の広がりを感じる1年となりました。

第1回研究会

第1回目の研究会では、研究部会代表者の高橋基樹会員より本研究会の目的が説明されました。その後、以下の4名に研究成果を発表していただきました。労働研究や教育研究など、多角的な視点から途上国の「ものづくり」を考察することができ、発表後の議論も大いに盛り上がりました。

  • 「南アフリカにおける『ものづくり』とカイゼンを促進する要素」(神公明会員)
  • 「東南アジア洋上の船舶労働: 言語能力・入職経路・労働環境」(町北朋洋氏)
  • 「アフリカにおける社会的遺児のキャリア形成と職業訓練」(朴聖恩会員)
  • 「COVID-19がインフォーマルなものづくり事業者に与えた経済的影響-ケニアの首都ナイロビに注目して-」(松本愛果会員)
  • 「ウガンダ都市インフォーマル金属加工業における知識の構成 -ものと人の関係に着目して-」(山崎裕次郎会員)

第2回研究会

第2回目の研究会では、牛久晴香さんより、ガーナのボルガバスケット産業の概要およびデザインや技術の考案に関わる主体、技術の地域分化の要因について発表をいただきました。また、黒川基裕会員より、ミャンマーで現在進行中のBOPビジネスのものづくりプロジェクトについて、Field-based Approachの採用とその効果、開発経済学の視点からのものづくり研究の考察、BOPビジネスのモデリングなど幅広い見地から報告がありました。

  • 「ガーナのボルガバスケット産業におけるかご編み技術の共有とその広がり―産地内の地域分化に着目して」(牛久晴香会員)
  • 「BOPビジネスの実現に向けたField-based approachの実践」 (黒川基裕会員)

第3回研究会

第3回目の研究会では、前田夢子さんより徒弟制の変容が生じている現在の沖縄県窯業界およびセネガルのグラフィティ制作に携わる若者の日常と実践について報告いただきました。また、JICAの専門員として途上国の民間セクター開発支援に携わっておられる本間徹さんより、現在の4つの潮流(GVC、I4.0、コロナ、環境社会)時代における産業開発支援とものづくりの今後の示唆について報告がありました。

  • 「沖縄県の焼物業界における職人・見習いの日常と実践: セネガルのグラフィティ集団を射程に入れて」(前田夢子氏)
  • 「激動する4つの潮流:ポストコロナ時代の産業開発支援とものづくり」(本間徹会員)

『アフリカ・アジアにおけるものづくり』研究部会
副代表 井手上和代(明治学院大学)




2022年度・活動報告『社会課題解決のための開発とイノベーション』研究部会(2022年11月)

Activity Report in the FY 2022

(Oct. 2021-Sept. 2022)

IDSSP (Innovation and Development for Solving Social Problems) was launched in January 2022 after its establishment was approved in the 32nd Annual Conference of JASID in Nov. 2021. This research group was created to provide a platform for researchers in the field of international development to exchange ideas and share knowledge on the process of solving social issues, which are commonly observed in the World, and conduct inter-disciplinary research on applicable innovations. Since half of our members reside outside of Japan, all activities have been conducted online.


In Jan., 2022, a kick-off meeting was held and members were introduced. We also planned our activities for the financial year 2021-2022.

Between Feb. and April, 2022, we prepared for a round table session in the 23rd Spring Conference of JASID. We chose guest speakers and topics, and communicated with guest speakers to organize our session.

In June 2022, a roundtable session, titled “Prospects in Innovation and Development for Solving Social Problems: Learning from Cases in Asia“, was held during the 23rd Spring Conference of JASID. In this roundtable session, we discussed commonality and differences of social issues in Asia and the use of multifaceted approaches in problem-solving. We invited two guest speakers, Dr. Vincent Y-W Chen at the Department of Leisure Management, Minghsin University of Science and Technology and Technology & Institute of Fisheries Science, National Taiwan University, Taiwan, and Dr. Ariya Svetamra, Department of Women’s Studies, Faculty of Social Sciences, Chiang Mai University, Thailand.

Dr. Chen presented on “The Application of AI Technology to Address SDG issues” and demonstrated the application of Artificial Intelligence (AI) to protect green sea turtles in Xiao Liuqiu island, Taiwan, and how to develop sustainable tourism and communities for nature conservation.

Dr. Svetamra presented on “Gendered Dynamics of Women Migrant Workers in Northern Thailand”, described the severe conditions, which migrant women in Northern Thailand had to face in their lives, and explained the application of FPAR (Feminist Participatory Action Research) to create their opportunities in the future. In the discussion session following two talks, participants shared the issues and knowledge in tourism development and international migration.

The vice representative, Dr. Pei-Hsin Hsu, and the representative, Dr. Naoko Shinkai, co-chaired this roundtable session.

 In July 2022, we had a research meeting with Dr. Chen to follow up on the issue of innovation and development from AI prospects.

In September 2022, a joint seminar, 2022 IDSSP-JASID research seminar/The 5th TU-RIPS seminar on “Business Innovation During the Crises: no trade-off between human rights and business performance “was held.

This seminar was co-organized by IDSSP and the Research Institute for Policy Studies, Tsuda University. In this seminar, two professors from Sri Lanka, Dr. Rukmal Weerasinghe, Professor, Faculty of Management Studies and Commerce and the Chairperson, Center for Entrepreneurship and Innovation, University of Sri Jayewardenepura, Sri Lanka, and Dr. Shirantha Heenkenda, Dean, Faculty of Humanities and Social Sciences University of Sri Jayewardenepura, Sri Lanka made presentations.

Dr. Weerasinghe provided a talk on the innovative business operations in Sri Lanka in a state of multiple crises, economic and financial crises, and pandemic, and illustrated how the right of employees was preserved.

Following the talk by Dr. Weerashinghe, Dr. Heenkenda made a speech and added the legal background of human rights in business in Sri Lanka and called attention to possible human rights risks during the crises. In the discussion session after two talks, we reviewed essential factors in leading and developing business in difficult times without sacrificing human rights.

In addition, we had a preparatory meeting with guest speakers and core members before each event and two supplemental research meetings with core members.

『社会課題解決のための開発とイノベーション』研究部会/
Innovation and Development for Solving Social Problems (IDSSP)
代表:新海尚子(津田塾大学)/
Representative: Naoko Shinkai, Tsuda University




2022年度・活動報告『社会的連帯経済』研究部会(2022年11月)

活動報告(2021年10月~2022年9月)

2021年10月研究部会として発足、準備・実行体制を整えて、2022年3月より活動開始しました。以下、2021年10月~2022年9月までの活動について報告します。

スタート特別研究会:2022年3月9日(水曜)15:00~17:00

オンライン開催

  • 基調報告:「社会的連帯経済(SSE)の現在と未来 ー日本と世界の動向から」
  • 講師: 伊丹謙太郎(法政大学大学院連帯社会インスティテュート教授)
  • 司会進行:古沢広祐(国際開発学会「社会的連帯経済・研究部会」代表)
  • コメンテータ:研究部会関係者

*(講師の伊丹教授は、特別研究会後に国際開発学会に入会され、研究部会の活動に参加、協力頂いています)


第1回研究会:4月23日(土曜)15:00~17:00

テーマ:連帯経済は地方経済活性化を後押しできるのか

  • 講師:廣田裕之(スペイン社会的通貨研究所共同創設者)
  • コメンテータ:古沢広祐(国際開発学会社会的連帯経済研究部会代表)
  • モデレーター:佐藤寛(アジア経済研究所・上席主任調査研究員)

講師の廣田先生を囲んで研究交流、約1時間。

*参考「パラダイムシフト──社会や経済を考え直す」廣田裕之、最近の記事()


第2回研究会:5月28日(土曜)15:00~17:00

テーマ:地域問題解決のツールとしての地域通貨―その思想と歴史

  • 講師:泉留維(専修大学経済学部教授)
  • 司会進行:古沢広祐

第2回研究会のYouTube配信

前半の報告部分の録画をしばらく公開します。以下、同様

  • YouTubeライブリンク()

第3回研究会:6月25日(土曜)15:00~17:00

テーマ:社会的連帯経済のための草の根金融

  • 講師:多賀俊二(草の根金融研究所「くさのーね」代表、中小企業診断士)
  • 司会進行:古沢広祐

第4回研究会:7月23日(土曜)15:00~17:00

テーマ:市民が自由に協同組合をつくることができる時代に向けて―労働者協同組合法が市民社会、協同組合にもたらすもの―

  • 講師: 三浦一浩 (公益財団法人生協総合研究所 研究員)
  • 司会進行:古沢広祐(国際開発学会 社会的連帯経済研究部会 代表)

第5回公開研究会:8月27日(土曜)15:00~17:00

テーマ:「食文化・農業遺産を契機とする地域おこしの展開~能登の里山・里海ほか、各地の取り組み事例から~」

  • 講師:大和田順子(同志社大学 政策学部・総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコース 教授、

    地域づくりの視点やSDGs的展開を含め、地域文化、農業遺産などの事例、都市と農村の関係交流など、豊富なご経験、諸取り組みなどについて、ご報告いただきました。


    第6回公開研究会:9月24日(土曜)15:00~17:00

    テーマ:「地域創生にとりくむローカルベンチャー、社会的企業」

    • 講師:大友和佳子(JA共済総合研究所地域再生基盤グループ研究員)・小林峻(合同会社colere代表)
    • 参考情報:合同会社colere地域の挑戦を育むチャレコミ ()
    • 司会進行:古沢広祐

    *研究会のこれまでの活動と案内等は、Noteサイトにて公開中:

    『社会的連帯経済』研究部会
    代表:古沢広佑(JACSES代表理事、國學院大學客員教授)




【会員限定】入退会員のお知らせと会員数動向(2022年11月)

(順不同・敬称略)

第229回・常任理事会承認

正会員

LI Shengru(国連大学)、PARK Jonghwi(国際連合大学)、THANAPORNSANGSUTH Sawaros(東京工業大学)、鮎澤優(GAECC)、加藤陽一(中堅NGO研究会)、杉本貴史(株式会社MAXISエデュケーション)、大塚高弘(国際協力機構)、中村加奈(日本環境衛生センター)、矢向禎人(国際協力機構)、林伸江(国際協力機構)、林愛美(明治大学)

学生会員

アルナクビ・マリアム(東京工業大学)、BOURAN Taymour(上智大学)、EDLER Kenna Lee(国連大学サステイナビリティ高等研究所)、LI Jiaqi(名古屋大学大学院)、呉昀熹(京都大学)、溝下遼太郎(早稲田大学大学院)、高誉文(大阪大学大学院)、酒井ひかり(広島大学大学院)、石井あゆ美(青山学院大学)、陳芸霖(名古屋大学大学院)、島部惠子(神戸大学大学院)、楊鵬超(立命館大学)、松平尚也(京都大学)、伊丹謙太郎(法政大学大学院)


第230回・常任理事会承認

正会員

吉﨑基弥(横浜市役所)、中根和隆(東海窯業原料株式会社)、中田真佐美(マダガスカル日本大使館)、町田聖娘(EYストラテジーアンドコンサルティング)、津田祐也(国連大学サステイナビリティ高等研究所)、槌谷恒孝(国連開発計画)、佐藤光(明治大学)、中根誠人(アジアインフラ投資銀行)、熊澤友紀子(愛知淑徳大学)、植松大輝(立命館大学)

学生会員

KABANGA Deo(神戸大学大学院)、NGUYEN Minh Thu Thi(ホーチミン国家政治アカデミー)、市川斉(法政大学大学院)、JI Xinyu(神戸大学大学院)、八尾 祐香(京都大学大学院)


退会者

江頭竜一、伊藤ゆうこ、益田信一、今村英明、柴﨑三郎、田中香織、嘉田良平、寺末奈央、杉原多可子、神田陽治、大石彩夏、BEKBASAROV, Maksat、SYDYKOVA, Ayana、DALAT, Sengouthai、SIAKKHASONE, Phetdala、NAMMACHACK, Ackhaphon、AUNG, Thura、THEIN, Kyaw、BAN, Thach、VUN, Phanith、GYELTSHEN、JAMTSHO, Tshewang、CHHANGCHHA, Deepesh、PAUDELDilli, Ram、ADZIMAH, Samuel Doe、BEMPONG, Esther、JUMAMUDUN UULU, Ernis、ZHAKISHOV, Akylbek、SAYSANAVONGPHET, Phonepaseuth、KEOBOUNPHAN, Nittaya、PECH, Sophany、VANNSOK, Vansakd、TENZIN, Karma、LHAMO, Sangay、AMINATH, Naufa Rushdi、HASSAN, Nawaaf、BHATT, Santosh Kumar、ADHIKARI, Sanjaya、AKUMBUTUM, Andrew Abadeka、DERY, Alfred Batiernye、RAI, Sharad Chandra、グエン コンディン、PHAM, Van Truong、服部朋子、浅野史代、相沢友紀、森晶子、菅野智子、平口皓貴、善波綾花、NZOUGHE NGOME, Nathanael、渡辺真恵、DIALLO, Asmao、稲葉健一、FAZAALLOH, Al Muizzuddin、TRINH THI, Chung、SIAKKHASONE, Phetdala、FABELLA, Melisa、中村謙仁、正延憲人、野沢勝美、吉井美知子、山田好一、中村ひかり、西方憲広、益田信一、上原幸花、BEISHENALIEV, Kanatbek、大川強、中尾圭志、土肥原洋、楊賢芳、山中悦子、杉浦政裕、結城貴子、ACQUAH, Stanislaus、NAZARI, Mohammad Nabi、Saidur RAHMAN、Kazia YESMEN、GONDWE, Foster、HADDIS, Solomon、CHAN, On Ni、MAHMUD, Muhammad al、丸山隼人、根来宏行、AMIBANG AWAH, Martin、中島清隆、中田志郎、奥村哲郎、王悦、南谷太一、松田教男、高野光輝、諸岡育美、THAPA, Kabita、仲田俊一、佐藤彩香、高光遵、黄貞淵、TYPAYALAI, Katikar、GUNAWAN, Anang、CHAUHAN, Sonali Hasmukh、CHANG, Chih-Hao、後藤章

*なお、退会者のうち15名については、理事会に対して3年間会費未納による退会処分に提案することを承認した。


会員数

合計:1,606名(2022 年 10月 18日現在)

  • 内訳:正会員 1,447名、名誉会員 8名、学生会員 151名
  • 上記人数は、初年度会費を未入金の新入会員を含まない。

住所など不明会員について

以下の会員は住所などが不明となっており、現在連絡が取れない会員の方々です。もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら、ご本人に本部事務局まで連絡するようお伝えください。よろしくお願い申し上げます。(以下、敬称略)

西田(宇山)かや子、堀江新子、成澤博、氏橋亮介、工藤正樹、梅野知子、長島聡、津江篤典、服部敦、島村由香、池邉智基、KHURAM, Mohammad Ajmal、八郷真理愛、KIM, Seil、中村史、宇原英美、小林健一郎、SAYALATH, Soulatha、NAVALTA, Razel Andrea、YTOKAZU MINAMI, Gustavo Raul、若林槙、李嘉悦、朴聖恩、川北菜月、李淑敏、ウー・ジン

本部事務局
事務局長:志賀裕朗(横浜国立大学)




第23回春季大会の開催報告と総括

第23回春季大会報告

第23回春季大会は2022年6月18日(土曜)に、福岡県立大学を開催校としてオンライン(Zoom)で実施されました。

福岡県立大学が立地する福岡県田川市は、旧産炭地として日本の近代化、戦後復興を支えてきたものの、1960年代のエネルギー転換を受け急激な衰退を経験し、鉱害からの復旧、新たな産業づくりによる安定した生活基盤の確保など地域再建を続けてきた「課題先進地域」です。この地でこれからの時代の開発、国際協力を考える学会を催すことができ、大変嬉しく思います。

今大会では、大学を超えて「チーム福岡」として実行委員会を組織し大会に臨みました。山あり谷ありの準備の六ヶ月ではありましたが、御縁に恵まれ、国際開発学会第23回春季大会の全てのプログラムを無事実施することができました。参加者の皆様、学会関係者の皆様、そして、地域の皆様のご支援に心より感謝申し上げます。

当日は225名の方に参加登録いただき、4つの企画、7つのラウンドテーブル、7つの個人発表において、それぞれ活気ある議論が交わされました。

プレナリーセッション「知っちょるよ、もうやっとるよSDGs」では、筑豊(田川郡川崎町・田川市)で地域づくりに奮闘する関係者を招き、オンライン越しではございましたが、2030年に真の持続可能な社会をつくるために必要なことについて、専門分野の異なる参加者の皆様と議論を深めることができたと思います。

本大会が「学会員が少ないから…」「地方だから…」と学会開催に二の足を踏んでいる皆さまの背中を押すものになれば望外の喜びです。

大会実行委員長
佐野麻由子(福岡県立大学)

プレナリーセッション「知っちょるよ、もうやっとるよSDGs」

【第1部】
「日本の地域と国際開発をつなぐ“よりよい生”-金沢大会からのバトンを受け継ぐ」

  • 佐野麻由子(国際開発学会第23回春季大会実行委員長/ 福岡県立大学) 
  • 和田一哉(国際開発学会第32回全国大会実行委員長/金沢大学)

【第2部】
基調講演および座談会「生が営まれる場としての地域-筑豊・田川-」

登壇者(1)杉本利雄氏(ラピュタファーム代表)
「“生”をつなぐ宿り木としてのラピュタファーム-筑豊・田川の新しい“地域ブランド”ができるまで」

登壇者(2)佐野典久氏(佐野畳屋三代目店主)
「畳からつながるよりよい暮らし-生きてるだけで儲けもの」

本セッションは、(1)炭鉱だけではない筑豊・田川の魅力を感じていただくこと、(2)海外のフィールドと日本の地域とを往還し国際協力の想像力を高めていただくこと、(3)個々人の日常の実践がカギを握る個人化時代の開発のあり方、その中でもSDGsの実現可能性、継続性、波及性を高める条件を議論することを目的に企画された。

第1部では、金沢大会の和田実行委員長より、日本の地域に目を向けるこが先進国・途上国問わず「よりよい生」を考える一歩になるというメッセージを頂いた。

第2部では、杉本利雄氏、佐野典久氏に、活動に至った経緯、活動を支える思い等についてお話をうかがった。

杉本氏は、ラピュタファームの経営を通し、地域に対するネガティブなイメージを払拭し、筑豊の魅力を発信し続けてきた。質の良い農作物であっても地名を聞くと美味しそうに思えないという消費者の反応、地元での産業廃棄物施設操業の危機などマイナス要因が、「バイキングや加工品を通して地域のイメージを刷新しよう」「自然を残すだけでなく活用しよう」と奮起する契機になった。

また、地域内外の他業種の仲間との関わりや「元お客の従業員」との試行錯誤の中でヒット商品が生みだされたエピソードなど、地域・業種・生産者/消費者の関係を超えて活動が展開されていることが紹介された。

佐野氏は、畳学校で国産イグサの良さを知って以来、イグサ生産者と消費者をつなぎ、畳をつくるだけでなく古畳を解体して土に戻す活動を行ってきた。閉鎖されることになった精米所を引き取りそこでとれた米糠を土づくりで活用したり、土づくりの傍らでアルバイトの学生のために野菜を作ったりする等のユニークな循環型社会実現の例も紹介された。

「求めるべき真の自由についてどのように考えるのか」というフロアからの質問に対して、「真の自由は、行きたいときにみんなで支えあって授業参観に行けること。それを許容する社会」とこたえていたのが印象的だった。

お二人に対しては「勇気づけられた」「楽しそうな仕事ぶりに励まされた」「捨てようと思ったものを蘇生して楽しく活用するのが田川モデル」等、多数のコメントが寄せられた。日常のなかで個々人がよりよい生を実践することが重要な意味をもつ今日、「楽しい」「お互い様」「足るを知る」が、SDGsの実現可能性、継続性、波及性を高める秘訣であると感じた。

(佐野麻由子)


セッション報告A(6月18日土曜日 Saturday 18th June 2022)

【午前の部I】Morning Session 9:30-11:30 (GMT +9)

A1. 地域から考えるオルタナティブ開発―近代的開発実践・モデルの超克に向けて―

  • 座長:真崎克彦(甲南大学)
  • 討論者:平山恵(明治学院大学)
  • 秋吉恵(立命館大学)

「アフワット:パキスタンにおける社会的連帯経済の実践-互酬性が貧困削減に果たす役割」

高須直子(立命館アジア太平洋大学)

「地域コミュニティの『ありのまま』と多遍性(pluriversality)をどう捉えるか―館ヶ丘団地における人々のかかわりと価値創造からの考察」

藍澤淑雄(拓殖大学)  

国際開発学会「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会の企画セッションである。最初の座長による趣旨説明では、西洋近代型の「普遍」的とされる進歩観と一線を画した、オルタナティブ開発のあり方が概説された。

高須会員の報告では、パキスタンのイスラム金融マイクロファイナンス組織、アフワットの事例が、社会的連帯経済モデルに依拠しながら取り上げられている。地域コミュニティに存する伝統的「協同性」が、いかにアフワットの無利子融資の拡大や政府の政策形成の成功を後押ししてきたのかを軸として、報告がなされた。

討論者の平山会員のコメントでは、イスラム世界で遍く見られる喜捨の伝統に絡めて「協同性」が論じられ、アフワットが、被支援者が支援者に転じることもあるユニークな社会連帯経済の一例として、広く知られていくことの意義が述べられた。

藍澤会員の報告は、東京都八王子市の館ヶ丘団地で学生たちと行ってきた地域コミュニティ振興活動の紹介である。高齢化が進む同団地での自治会住民と学生のかかわりの中から防災の仕組み作りが始まった事例について報告がなされた。

この経験を踏まえて、西洋近代的な「普遍的」社会づくりモデルでは見えてこない、人びとのありのままの暮らしに寄り添う「多遍的(pluriversal)」な生活支援のあり方が論じられた。

討論者の秋吉会員からは、藍澤報告の事例に引きつけて、地域コミュニティの支援活動での支援者と被支援者との関係が、いかに変容的なものへと発展し得るのかが解説された。またそうして、地域にある潜在的な共同性が解き放たれる仕組みが示された。

以上の通り両報告を通して、支援者と被支援者の壁が低くなることで、地域に存在する価値観や暮らしを引き立てたオルタナティブ開発が立ち上がってくる様子が明らかにされた。本セッションには常時25 名前後の会員に参加いただいた。

(真崎克彦)


【午後の部I 】Afternoon Session I 12:15-14:15 (GMT +9)

A2. 企画”Soft Skills and Employability in the Face of Asymmetry between the Labor Market and School Education: Soft Skills Training and Development in Africa”

労働市場と学校教育の非対称状況におけるソフトスキルと雇用可能性―アフリカにおけるソフトスキル訓練と開発―

  • 登壇者: エストレルヤド エマヌウェル(名古屋大学)・チャロエンシルプ ピンマダ(名古屋大学)・近藤菜月(名古屋大学)・山崎裕次郎(名古屋大学)
  • 司会: 山田肖子(名古屋大学)
  • 討論者: 高田明(京都大学;非会員)・島田剛(明治大学)

本セッションでは、アフリカの労働者のソフトスキルについて4名の報告が行われた。

初めに司会の山田会員より、ソフトスキルの概要、途上国の産業人材育成における重要性が説明され、第一報告(山崎)では、インフォーマル・セクターの労働においてソフトスキルがいかに活用されているのかの事例を報告した。第二報告(近藤)では、ガーナの大学卒業生のキャリアからソフトスキルの重要性とキャリア形成におけるその役割について議論した。

上記の報告に対し、コメンテーターの高田明氏(非会員)より、インフォーマル・セクター内での差異、顧客からの視点、短い就業年数の理由、学校のカリキュラムとの関係について今後深めるべき点をご教示いただいた。

島田会員からソフトスキルと専門的技能の重要性の比較、雇用可能性に対する自己評価の要因、起業の動機についてより考察ができると示唆をいただいた。

続く第三報告(チャロエンシルプ)では、ゲームを用いた行動モデリングトレーニングによって、労働者にソフトスキルを習得させる新しい方法を紹介した。

第四報告(エストレルヤド)では、第三報告で紹介したゲームを用いたソフトスキルトレーニングについて実施した内容を紹介し、トレーニングの結果、実施前と比べて、参加者のソフトスキルに統計的に有意な正の変化が見られたことを報告した。

上記の報告に対し、コメンテーターの高田氏より、観察学習以外の学びへの視点、ゲーム作成・実施における対象者の文化への配慮、実際の仕事への相関について示唆を頂いた。

島田会員から、ゲームベースのトレーニングが企業内研修として発揮する効果や、参加者の学校教育歴による結果の差異について今後考察を深める点をご助言頂いた。

なお、本セッションの報告の一部では、名古屋大学の研究グループが実施しているSKY(Skills and Knowledge for Youth)プロジェクトのデータを使用している。

(山田肖子)


【午後の部Ⅱ】Afternoon Session Ⅱ 14:30-16:30 (GMT +9)

A3. RT: 地方展開委員会主催「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ(実践編)」

  • 司会:木全洋一郎(JICA)
  • 発表者:富山泰庸(ロッツ株式会社)、山本あやみ((特非) 砂浜美術館)、 柳澤龍((一社)ドチャベンチャーズ)
  • 討論者:木全洋一郎(JICA)、梶英樹(高知大学)、工藤尚悟(国際教養大学)

本セッションでは、2021年全国大会のラウンドテーブルでの議論を踏まえ、陸前高田、高知、秋田の各現場からの中継により、新たな地域活性化の実践事例を共有し、今後の国際開発アジェンダのあり方について、約30名による議論が行われた。

はじめに、富山氏より、東日本大震災での医療支援を契機に、将来にわたってまち全体を健康にすべく、薬局、高齢者リハビリ、オーガニックカカオからチョコレート製造販売と多様な事業が紹介された。地元・日本のための事業が、フェアトレードのカカオを使うことで途上国の児童労働問題の解決にもつながっている。

次に、山本氏より、建物のない、美しい砂浜そのものを美術館にしている取り組みが紹介された。ありのままを価値とすることに共感した元青年海外協力隊の方と、ガーナ、ケニア、モンゴル各地の自然の中でのTシャツアート展を共同実施している。

柳澤氏からは、五城目町の廃校のシェアオフィスで、地域に根ざした土着のベンチャー事業が紹介された。まち全体をシェアビレッジとしたオープンにし、「世界一子供が育つ町」として、地域からの学びをデザインしている。敢えて社会全体の課題ではなく、局地的な願いに寄り添って場を作っていくことで、地域変容を見届けている。

フロアからは、よそ者の役割や都会と地方との関係性を前提にした地方間競争への懸念といった質問が出された。

議論を通じて、3つの事例とも、都会と田舎という対立構造ではなく、地域を同じテーブルに乗せて、それぞれが「オンリーワン」の魅力で人を惹きつけているという共通点が見えてきた。また、実践者はその地域でなくてはならないということではなく、どの地域でもオンリーワンを発見しているという意味において、途上国の地域開発にも通ずる視点が提供された。

地球規模の開発アジェンダは「課題」志向で見出されるが、日本の地域におけるアジェンダは「創造性」から見えてくる。この間の橋渡しこそが、国際開発に携わる今後の役割として提起された。

(木全洋一郎)


セッション報告B

B1. 子どもの安全保障

  • 企画責任者:勝間靖(早稲田大学/国立国際医療研究センター)
  • 司 会:勝間靖(早稲田大学/国立国際医療研究センター)
  • 発表者:池田直人(難民を助ける会)・田中敏裕(日本ブータン友好協会)
  • 討論者:勝間靖(早稲田大学/国立国際医療研究センター)

「子どもの安全保障への開発アプローチ」研究部会では、「人間の安全保障」について、子どもに焦点を絞った「子どもの安全保障」の概念について議論し、研究部会メンバーのそれぞれの研究領域における事例研究を発表し、政策提言にもつながるような理論的枠組みを構築することを目指して研究活動を進めている。

2022年6月18日(土曜)9:30-11:30、第23回春季大会(福岡県立大学、オンライン)において、「子どもの安全保障〜障害のある子どもの保護とエンパワーメント」と題してラウンドテーブルを開催(オンライン)した。

まず、研究部会代表者である勝間靖会員(早稲田大学、国立国際医療研究センター)が、企画者として、これまでの研究部会での研究活動を説明し、事例研究を発表するうえでの共通の枠組みを提示した。

そして、池田直人(難民を助ける会)が「パキスタンにおける障がいのある子どもたち」と題して、田中敏裕(日本ブータン友好協会)が「障がいのある子どものスポーツ参加」と題して発表した。質疑応答と議論が活発におこなわれた。参加者は、パネリストのほか、8名であった。

(勝間靖)


B2. 企画・信頼と開発協力

  • 企画責任者:石塚史暁(JICA)
  • 司会:佐藤仁(東京大学)
  • 討論者:佐藤寛(ジェトロ・アジア経済研究所)

発表者:

  1. 開発協力における「信頼」とは―ODA案件の比較分析の試み―
    石塚史暁(JICA)
  2. ボホール灌漑事業における「信頼」の考察-開発協力と「信頼のジレンマ」-
    杉山秀男(JICA)
  3. インフラ整備への開発協力と信頼
    橋本大樹(JICA)
  4. ガーナ共和国におけるJICAボランティア事業と「信頼
    左近文子(JICA)

冒頭、座長より、実務家自らが「信頼」のように扱いにくいテーマを研究対象として手掛けることの意義を述べた。その後、次の4本の発表があった(石塚「開発協力における『信頼』とは」、杉山「ボホール灌漑事業における『信頼』の考察」、橋本「インフラ整備への開発協力と『信頼』」、左近「ガーナ共和国におけるJICAボランティア事業と『信頼』」)。

杉山は開発協力の複数の当事者間での信頼を両立することのジレンマ、橋本は大規模インフラ協力の意思決定において信頼が影響を及ぼせる領域の大きさ、左近はJICA海外協力隊が配属先との間で蓄積する信頼のストック等をそれぞれ扱った。

石塚発表は、これら事例分析の総合的な結論として、当事者間の「信頼」は開発協力の効果や持続性を下支えし、開発協力の積み重ねは当事者間の信頼蓄積に貢献するという、両者の概念が相互に影響を及ぼしあっていることを指摘した。

討論者及び参加者からは、次のような質問・コメントが寄せられた。

開発協力の主体は、自ら当事者となる信頼に加え、第三者をつなぐ信頼にも注目すべきではないか。開発協力の主体は、相手からの信頼に加え、自らの相手に対する信頼を意識すべきではないか。開発協力によって相手国の信頼を買うことは可能か。海外協力隊員が得た現場での信頼は、日本の国レベルの信頼につながるか。「信頼のジレンマ」は、信頼のレベルが浅いことによるものと考えられないか。

現場での関係者との信頼構築に加え、開発協力の制度にも改革が必要な点はないか、相手国と日本の間の信頼は、相手国と他ドナーの間の信頼と比べ、違いはあるか、コンサルタントや民間企業も、開発協力の当事者であり、分析対象に加えるべきではないか、など。

セッション参加者は約40名で、議論は大変活発であった。この分野に対する高い関心も感じられたので、今後の信頼研究のさらなる深化を期待したい。

(佐藤仁)


B3. RT:翻訳しにくい開発のことば

  • 企画責任者:佐藤仁(東京大学)
  • 司会:佐藤仁(東京大学)
  • 発表者:松原直輝(東京大学大学院)、藏本龍介(東京大学)、橋本憲幸 (山梨県立大学)
  • 討論者:大山貴稔(九州工業大学)

私たちが開発を語るときに用いる言葉はどこから来て、どこで、どのような意味を生み出すのか。開発にかかわる概念の射程の検討を通じて、それらの概念の組み合わせからなる開発学の場所性を議論するのが、このRTの目的である。

本セッションでは、日本語として国内で流通している「開発」にかかわる3つの概念を例に取り上げて、翻訳の問題を検討した。具体的には、松原直輝(東京大学大学院)が「現場主義」を、藏本龍介(東京大学東洋文化研究所)が「土木」を、 橋本憲幸(山梨県立大学)「人づくり」を検討した。

松原会員は、特に緒方理事長時代のJICAによる現場主義の実態分析に基づいて、本部と現場という日本的な組織構造から、「現場」概念の固有性をあぶりだした。

蔵本会員は「土木」の概念史をたどり、寺社建造などの場面で用いられていた「普請」が、明治期に土木に置き換えられた背景や、泥臭さを強調する日本の技術協力と土木概念の関係について論じた。

橋本会員は、「人づくり」が国内開発の文脈から報じた後に、特に途上国での人材育成で盛んに用いられるようになった一方で、対先進国には用いられないという非対称性に着目し、この概念がもつ道徳性と教育との関係について論じた。

これに対して、討論者の大山貴稔(九州工業大学)は、これらの概念が用いられる文脈に応じて意味合いを反転させている点に注目し、概念に埋め込まれた世界認識の整理を行った。そして、概念の翻訳過程に注目することに、どのような学術的貢献を期待できるのかを問うた。

この問いかけを皮切りに、フロアからも多数のコメントや質問が寄せられた。「翻訳しにくい開発のことば」は、今回取り上げたもののほかに数多く、今後も、バラエティーを増しながら、開発におけるアイデアの文脈性と普遍性を検討していく必要性が確認できた。セッションの参加者は概ね40名前後であった。

(佐藤仁)


セッション報告C

C1. RT:日本の国際協力NGOの過去、現在、そして挑戦–
NGOデータブック2021と市民活動年表(国際協力分野)の調査・執筆から見えてきたこと

本RTを企画したのは、以下の二つの出版とそれに伴う調査・分析である。

一つは、国際協力NGOのネットワークの国際協力NGOセンター(JANIC)が2022年3月に出版した「NGOデータブック2021」である。1996 年から『NGO データブック』 としてJANICが NGO に関する 5 年毎の調査を開始し、2011年からは外務省の委託事業になっている。

今回の調査対象とした424 団体の約51%、216 団体から有効回答を得て分析を行ったが、前回の有効回答数の二倍近いので、より正確にNGOの現状に迫ったと想定される。この企画・調査・執筆・監修に楯、長谷川、重田、大橋が関わり、外務省のHPで公開されている。

もう一つは、大阪ボランティア協会が2014年に編集発行した「日本ボランティア・NPO・市民活動年表」(明石書店)の1880~2010年を対象とした国際協力分野の改訂と、2011~2020年の出来事の追加に、長谷川、楯、大橋が携わり、同じ22年3月に刊行されたその「増補改訂版」だ。

これらから見えてきた日本の国際協力NGOの歴史的変化と現状を、長谷川と楯が発表した。

まず長谷川が、「日本の国際協力NGOの歴史と今」と題するプレゼンを行い、日本の国際協力の1960年代からの歴史を6つの時期に分けて説明し、90年代をピークに新規NGOの創設数が10年ごとに約半減していること、一方でソシアルビジネス的なものが増えていることを示した。

そして、現状については現地のパートナー団体を通じての活動が増えていること、活動地域はアジアが少し減り、代わりにアフリカが増えていること、活動では人権や国内課題が増えていること、個人会員数が増えていること、市民社会スペースの縮小がグローバルな問題であることを示した。

続いて楯が、「日本の故高裁協力NGOの財務と人材」というタイトルで三点に関して報告した。まずNGOの財務に関して、NGOの資金は政府資金の増加だけでなく自己資金の増加があること、しかし相変わらず資金規模の二極化が続き、コロナで56.4%が負の影響を受けており、自己資金を伸ばしたのが主に大手によるものと指摘している。

続いてNGOの人材については、人材確保が課題と多くのNGOが述べているが、他セクターでも同様であり、高齢化こそがNGOが直面する独自の課題であるとした。最後の「財務と人材に関する展望と課題」では、労働環境は整いつつあるが、待遇はまだ不十分であること、NGOの存在意義の見直しと自己成長が必要とまとめた。

これらの発表に対する討論者JICAでNGO支援を担当している日浅美和・国内事業部市民参加推進課長、NGO向けのODA資金やその管理費がNGOに与えた影響について関心を寄せる国際開発センター社会開発部の高杉真奈次長、そして欧米や東南アジアのNGOや政府との関係に詳しい高柳彰夫フェリス女学院大学教授だった。会場からの質問もあり、充実したやり取りとなった。

(以上)


C2. RT:移動する人々のレジリエンスとSDGsー移民・難民・遊牧民を中心にー

  • 企画責任者:関谷雄一(東京大学)
  • 報告者:関谷雄一、マイヨール ロドリグ(民間TVディレクター)、キム ヴィクトリヤ(立命館大学)、湖中 真哉(静岡県立大学)
  • 討論者:野田真里(茨城大学)

本セッションは「開発レジリエンスとSDGs」研究部会による第3回目のラウンドテーブルで、前2回のラウンドテーブルでは焦点化されなかった「移動する人々」に着目し、ウィズコロナの今日的な状況の中で、生活基盤に「移動の要素」を抱える人々のレジリエントな様相、SDGsの課題について議論を行った。

始めに関谷が企画・研究部会の主旨説明と、日本における国内避難民のレジリエンスとSDGsに関する課題提供をした。

続いてマイヨール氏(非会員)から、民間放送局の取材現場の視座から見える、日本国内の外国人移民のレジリエンス、政策の課題に関する報告がなされた。

キム氏(非会員)からは、日本における移民の統合過程に関し、結婚移民女性のレジリエンスに焦点を当てた報告がなされた。最後に湖中会員からは東アフリカ遊牧社会からみた移動とレジリエンスに関する報告がなされた。

各報告後に野田会員から報告者に対し質疑がなされ、議論が展開された。

各報告で取り上げられた問題に共通する論点として、グローバルな課題であるSDGsという枠組みに対応する主体として、前提とされているのは国民国家であり、「移動する人々」は自ずとそこから取り残されていることが、それぞれの問題や課題と向き合うことに、どう影響しているのかというものがあった。

各報告者から質疑に対し、それぞれの文脈で応答がなされたが、そこに通底していた論点としては、「移動する人々」の視座に立ったそれぞれの解決法が望まれており、そこには既存の枠組みでは解決できない課題があり、それぞれに個別かつ具体的な当事者性に目を向けることが重要であることが確認された。

(関谷雄一)


C3. RT: “Prospects in Innovation and Development for Solving Social Problems: Learning from Cases in Asia”

  • Organizer: Naoko Shinkai (Tsuda University)、Pei-Hsin Hsu (Taiwan Forest Research Institute)
  • Chair/Moderator: Naoko Shinkai (Tsuda University)、Pei-Hsin Hsu (Taiwan Forest Research Institute)
  • Presenter: Vincent Y. Chen (Minghsin University/National Taiwan University), Ariya Svetamra (Chiang Mai University)
  • Discussant: Guestspeakers and all the participants

 This roundtable session was organized by the research group on Innovation and Development for Solving Social Problems (IDSSP) of JASID, which was launched in January 2022. There are social problems, which have been observed for decades, and we encounter some of those problems commonly in the world. This session aimed to learn from successful cases of tackling those common social issues in Asia, share knowledge, and find commonality and differences in social issues and the process for solutions. 

 Two guest speakers were invited to talk about their experiences of solving social problems. First, Dr. Vincent Y. Chen at the Department of Leisure Management, Minghsin University of Science and Technology & Institute of Fisheries Science, National Taiwan University, Taiwan presented the application of Artificial Intelligence (AI) to prevent the harassment of green sea turtles in Xiao Liuqiu island, Taiwan, and develop sustainable tourism.

Next, Dr. Ariya Svetamra at the Department of Women’s Studies, Faculty of Social Sciences, Chiang Mai University demonstrated the struggles and risks of migrant women in Northern Thailand and how Feminist Participatory Action Research (FPAR) was applied to understand the realities of migrant women and discuss the structure of gender dynamics for creating their opportunities in the future.

After their presentations, all the participants were invited to ask questions, express their opinions about the lessons learned, and share their knowledge.

 This roundtable session was co-facilitated by Dr. Naoko Shinkai at the Department of Policy Studies, Tsuda University, the Chairperson of this research group and Dr. Pei-Hsin Hsu, at Taiwan Forestry Research Institute, the Vice-chair of this research group.

(Naoko Shinkai)


セッション報告D

D1. 企画・JASID ブックトーク

  • 司会進行:
    島田剛(明治大学)
    芦田明美(名古屋大学)

本セッションではブックトークとして、以下の4冊の本の紹介が著者および出版社の編集担当者よりなされた。セッションの中では各著者から出版にいたったきっかけ、経緯や苦労が共有された。また、編集者の方の工夫されたこと、今後出版するにはどのようにしたらよいかなどの助言がなされた。参加者は延べ約60名にのぼり活発な議論がなされた。


報告書籍: Mine Sato, Nobuo Sayanagi, Toru Yanagihara. 2022. Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Explorations. Palgrave Macmillan

  • 報告者: 佐藤峰(横浜国立大学)
  • 担当編集者:河上自由乃(Springer英文書籍出版担当)
  • 討論者: 佐藤寛(アジア経済研究所)

1980年代以降の開発援助の政策と実施においては、「主体の働きかけ(主体性)を支援するモデル」を採用しようというみが、政策および実践においてなされてきている。しかし、人を「主体的で自律的存在」として扱えば「主体的な課題対処プロセス」が無条件に始まるわけでなく、そこに至る「主体性の回復と醸成のプロセス」が存在する。

現状では、関連学術領域では、定義や測定の議論が多く、現場では暗黙知や経験則はあるが体系立った整理はなく理論との対応付けも十分に進んでいない。この問題意識に基づき、本書では、主に3つの文脈(参加型開発、普及プログラム、社会サービス)での主体性醸成に関与する要因とメカニズムの理解に焦点を当て、経済学・心理学・人類学の立場から続けてきた共同研究の成果を共有する。

報告書籍: 人権の哲学:基底的価値の探究と現代世界

  • 報告者: 木山幸輔(筑波大学)
  • 担当編集者: 斉藤美潮(東京大学出版会)
  • 討論者: 関谷雄一(東京大学)

本書は、人が人であるがゆえに持つ人権、その正当化の根拠を探り、現代世界への含意を示すものである。本書はその探求を、以下の順番で行う。政治的人権構想と自然本性的人権構想の対立における後者の擁護、自然本性的構想において擁護されるべき構想としての二元的理論の提示、二元的理論の示唆の特定、当該示唆の国際開発援助構想への適用、という順序である。

本書はまず、ロールズ、ラズ、ベイツ、グリフィン、センをはじめ、極めて多様な道徳・政治・法哲学者が参与してきた人権に関する論争を、特に自然本性的構想と政治的構想との論争として捉え、その分析を行う。本書が分析の中で擁護するのは、現在人気があるとは言い難い自然本性的構想の方である。

そして、人間が人としてもつ利益に依拠するものと人権を捉える自然本性的構想、その最善の理論として、人々が同定した善に従って生きることと、平等に扱われることを2つの基軸とする二元的理論を描き出す。そうした知見を背景として、特に国際開発・援助構想に対して評価を与えることを念頭に、社会経済的権利とデモクラシーへの権利、そして国際的関係における人権の適切な描き方を提示する。

最後に、現在影響力を持つ国際開発・援助構想に関する幾つかの論点に対し、描き出された人権構想をもとに評価を加え、私たちが開発・援助を構想する上で望ましい像を描き出す。

報告書籍: 日本の「非正規移民」:「不法性」はいかにつくられ、維持されるか

  • 報告者: 加藤丈太郎(武庫川女子大学)
  • 担当編集者: 今枝宏光(明石書店)
  • 討論者: 日下部尚徳(立教大学)

本書籍は、日本に暮らす非正規移民における「不法性」を問うた実証研究の成果である。移住は送り出し国・受け入れ国の間で発生する事象である。開発の文脈では送り出し国の事情が捉えることが多い。

受け入れ国側から移住を捉えた本書を持って、国際開発学会員に新たな視点を提供したい。元相談員として筆者が抱いた問いを出発点として、1)移民はなぜ「不法」になるのか、2)何が非正規移民の「不法性」を維持させるのかという2つのリサーチクエスチョンを掲げ、質的研究方法を用い、38名の非正規移民をはじめ計69名へのインタビュー、のべ175箇所の参与観察を行った。

報告書籍: デジタル技術と国際開発(リチャード・ヒークス著、竹内知成監訳、ICT4D Lab訳)

  • 報告者: 竹内知成((一社)ICT for Development)
  • 担当編集者: 道中真紀(日本評論社)
  • 討論者: 高田潤一(東京工業大学)

本書は英国マンチェスター大学のRichard Heeks教授の著書「Information Communication Technology for Development」(2017年、Routledge社)の翻訳本であり、国際開発における情報通信技術(ICT)利用に関する初の日本語専用教科書になります。

ケニアのモバイルマネー「M-Pesa」に代表されるように、途上国においてもデジタル技術を活用したサービスが普及し、国際開発においてもデジタル技術の活用が注目を集めています。また、SDGs達成に向けて公的機関のみならず民間企業も取り組みを進める中でICTの活用が進んでおり、様々な組織においてイノベーションやDXというキーワードが使われるようになっています。

こうした背景から、これから求められるのはICTを目的達成の為に活用できる人材であり、技術的な知識と社会課題の両方を理解し、技術分野のエンジニアと社会課題分野の専門家や政策決定者とを橋渡しできるハイブリッドな知見や、どういった要因がICT利活用の成功と失敗を決めるのか、成功率を高める為には何が行われるべきかを様々な観点から理解する力も求められます。

本書はそういった人材の育成に最適な教科書であり、社会課題の解決にテクノロジーの活用が重要性を増している現在、国際開発業界のみならずIT業界で社会課題を解決しようとする人達にとっても役立つ一冊です。

(島田剛)


D2. 「研究×実践」委員会主催企画:ラウンドテーブル「災害の現場における実践と研究との連携」について

ラウンドテーブル「災害の現場における実践と研究との連携」 は、「研究×実践」委員会主催の企画としてとして継続的に実施されているもの。前回のJICAの「クラスターアプローチ」をテーマに「援助」にフォーカスを当てたセッションに続き、今回は「災害」に絞り込んだ議論を行った。

浜名弘明会員より「コンサルティングファームからの防災分野における研究×実践」と題して都市OSの適用についての実践例の紹介がなされたのち、芝浦工業大学の市川学准教授より「災害時保健医療福祉活動⽀援システムと災害情報」と題してAIやデータサイエンスの研究成果を活かした災害支援システムの可能性が提示された。

この2つの報告に対して、ユーザーサイドからの視点として、佐藤峰会員より「地域防災への自発的な取り組みと課題:横浜市西区羽沢西部自治会を例に」と題して元横浜市西区羽沢西部自治会長・現第四区地区者協会長の米岡美智枝氏の作成されたスライドを用いた報告がなされ、またカマル・ラミチャネ会員より、とりわけ障害者の視点からみたシステムの使い勝手についてのコメントがなされた。

上記の報告を踏まえて活溌な議論が展開された。とりわけ、「システムの運営をするのは誰か?」という点に議論が集約された。この問いはすなわち「誰が収益を得て、費用負担するか?」という問いに変換されるわけだが、例えば、防災システムによって顧客の情報を把握できるメリットをもつ保険会社や、防災システムによって資産価値の向上が見こまれるデベロッパーに参加してもらうといった具体的なアイディアが検討された。

一見すると、途上国の開発イシューとはかけ離れた議論のように見えるものの、議論をしてゆくなかで、結局は行政のコーディネーションや、費用負担の意志決定といった、開発につきまとうイシューそのものが本質であることが確認された。

(小林誉明)


D3. 教育/子ども(個人)

  • 座長:北村友人(東京大学)
  • 討論者:黒田一雄(早稲田大学)、内海悠二(名古屋大学)

発表者

1.「タンザニアの小学生の食品群・野生食物摂取と健康に関する予備的報告―ダルエスサラームとプワニ州における質問票調査より―」

阪本公美子(宇都宮大学)、大森玲子(宇都宮大学)、津田勝憲(宇都宮大学)

2.「新制度論による紛争後社会の教育改革分析」

小松太郎(上智大学)

3.「日本の非政府アクターによる教育輸出―公文教育研究会を事例に―」

朝倉隆道(広島大学)

本セッションでは、以下の3件の研究発表が行われた。いずれも教育や子どもに関する重要なテーマを扱い、学術的また実践的な示唆に富む研究であった。

阪本公美子会員・大森玲子会員・津田勝憲会員(いずれも宇都宮大学)による「タンザニアの小学生の食品群・野生食物摂取と健康に関する予備的報告―ダルエスサラームとプワニ州における質問票調査より―」は、阪本会員が代表して発表を行った。

タンザニアの地方都市における小学生96名を対象に、①雨季と乾季の食品・食品群別摂取頻度、②野生食物の摂取頻度、③健康状況、④食品群・野生食物の摂取頻度と、健康の関係について質問紙調査を行い、子どもたちの食習慣パターンを明らかにした。

小松太郎会員(上智大学)による「新制度論による紛争後社会の教育改革分析」では、ボスニアを事例として、政治学等の研究で用いられる3つの新制度論(社会学的新制度論、歴史的制度論、言説的制度論)を援用して、紛争後社会の教育改革の分析・説明を行った。

紛争後社会の復興において、多様なアクターが関与しながらいかにして制度が形成され、機能するようになるのかを、異なる視点から分析することで明らかにした。今後の実証研究にも期待を抱かせる、優れた分析であった。

朝倉隆道会員(広島大学)による「日本の非政府アクターによる教育輸出―公文教育研究会を事例に―」では、民間企業を中心とした非政府アクター(non-state actor)が国際教育協力に参入し、教育サービスを提供する新展開が進む状況のなかで、そうした企業(この研究の事例としては公文教育研究会)が用いる戦略について検討した。

事例分析を通して、供給側の形成するイメージや言説が、受容する人々の想起する教育への期待や幻想をかき立てようとしていることを明らかにした。

これらの研究発表に対して、討論者の黒田一雄会員(早稲田大学)と内海悠二会員(名古屋大学)から的確かつ刺激的なコメントが提起され、また参加者からも重要な質問や指摘がなされ、活発な議論が交わされた。

それらの論点は、理論と実践を架橋することの重要性や難しさに関する指摘から、研究の方法論に関するものまで幅広く、それぞれの発表者が研究のさらなる発展を目指すなかで参考になるものであったと確信している。

(北村友人)


セッション報告E

E1. 環境(個人)

  • 座長:藤川清史(愛知学院大学)
  • 討論者: 豊田知世(島根県立大学)、山口健介(東京大学)

発表者

1.「熱帯地域における気候変動緩和策としての植林事業の方法論について」

久保英之(地球環境戦略研究機関)

2.「新興国における環境政策・制度の発展と課題について-タイとベトナムでの先駆的事例分析を踏まえて-」

安達一郎(JICA)、檜枝俊輔(日本工営)、中川原 宏昭(日本工営)、櫻井幸子(日本工営)

3.「国際開発とソーシャルワークの距離感と接近の可能性」

小松豊明(特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会/ルーテル学院大学)

環境セッション(E1)での報告は次の3本であった。

1.久保英之(地球環境戦略研究機関)「熱帯地域における気候変動緩和策としての植林事業の方法論について、2.安達一郎(JICA)、檜枝俊輔(日本工営)、中川原宏昭(日本工営)、櫻井幸子(日本工営)「新興国における環境政策・制度の発展と課題について-タイとベトナムでの先駆的事例分析を踏まえて-」、3.小松豊明(特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会/ルーテル学院大学)「国際開発とソーシャルワークの距離感と接近の可能性」。

これらの報告に対する討論は、豊田知世(島根県立大学)と山口健介(東京大学)にお願いした。

植林活動は地球温暖化防止活動として注目されるが、同時に地域の貧困削減等の社会経済活動でもある。久保報告は、材木利用による所得向上が目的にもかかわらず、しばしば木材需要先が確保されていないことや、事業期間が短期間なので、間伐・伐採・再植林のサイクルが事業に組み込まれていない等の問題があることを指摘し、ベトナム(政府主導)とマダガスカル(JICA)での成功例では、こうした問題が解決されていると述べる。

これに対して討論者からは、民間企業と連携しての実施の可能性があり、REDD+やVCSの認証制度との整合性も重要だろうとのコメントがあった。

安達報告は、途上国では産業振興政策が優先され、環境保存政策は後回しにされているというのが従来の認識であったが、近年は経済成長と環境保全対策の両立は可能という「エコロジー近代化論」に基づいた、従来型の規制的手段ではない先駆的な環境政策もタイやベトナムで見られると述べる。

これに対して討論者からは、政策の設計段階で市民を巻き込むことを前提としていても、運用上で市民を巻き込めるのか、規制を受ける企業側の協力は担保されるのか等のコメントがあった。

小松報告では、国際開発事業と国内の社会福祉・ソーシャルワークの分野は、かなり共通した活躍をしているものの相互理解が進んでいないと述べる。ソーシャルワーク側からは国際開発を「国際ソーシャルワーク」と捉える一方で、国際開発の分野では社会福祉ないしはソーシャルワークへの関心は薄いとのことである。

討論者からは、国際ソーシャルワークの範囲を明らかにする必要があり、双方の接点を作るためにはどうすればよいかの提案をしてほしい等のコメントがあった。

(藤川清史)


E2. 開発(個人)日本語

  • 座長:斎藤文彦(龍谷大学)
  • 討論者:高橋清隆(恵泉女学園大学)、嶋田晴行(立命館大学)

発表者

1.「カンボジア農村女性の幸福度と社会関係資本」

石黒馨(神戸大学)

2.「中国における開発研究―その特徴と可能性―」

汪牧耘(東京大学)

3.「ターリバーンとともにアフガニスタンでSDGsを達成する―経済制裁から長期のベーシックインカム財源保障・給付条件整備援助へ」

岡野内正(法政大学社会学部)

本セッションでは3つの報告がなされた(以下敬称略)。第1は、石黒馨による「カンボジア農村女性の幸福度と社会関係資本」であった。社会関係資本についての研究は多いが、途上国の農村女性を対象にしたものは少ないので、その空白を埋めることを意図していた発表であった。

幸福度と主観的健康を区別して調査した結果、幸福度の向上には、家族への信頼、金銭貸与、社会参加、家計所得、主観的健康度などが影響するのに対し、主観的健康の改善には、家族への信頼、金銭貸与、社会参加、子供の生存人数などが影響するとされた。

これに対してコメンテーターの高橋清貴から、村の属性や、各種のコンテクストによって状況は変わるのではないかといった指摘がなされた。

第2報告は、汪牧耘の「中国における開発研究」であった。西欧から入ってきた「開発研究」が中国にどのように受け入れられてきたかという大変興味深い研究発表であった。汪によれば、西欧の研究が普遍的発展モデルを提示する傾向があるのに対して、中国での研究はより実践的であるとまとめられた。

コメンテーターの嶋田晴行からは、事前に詳細なコメントが提示されており、日本と中国の類似性や相違性も含めた幾つかの指摘がなされた。汪は返答として、中国が海外の研究者たちと交流することにより、中国自身の経験を明確化させることができ、それが重要であるとの指摘もあった。

第3は、岡野内正による「ターリバーンとともにアフガニスタンでSDGsを達成する」であった。発表に際し、画面共有がうまくできなかったが、岡野内の主張としては、ベーシックインカムによって、(1)健康状況の改善、(2)経済の改善、(3)コミュニティの活性化が、もたらせたと指摘された。

コメンテーターの高橋清貴からは、アフガニスタンが抱えるさまざまな課題が根深いものであるために、今後とも考察していくべき点は多々ある旨の指摘がなされた。

座長としての感想を一言。全体に事例研究としては3報告とも特徴があり個性的であったが、今後、事例の研究意義をより明示的に提示できれば、それぞれの研究発表はさらに有益になるであろうと思われる。

(斎藤文彦)


E3. 社会/経済(個人)

  • 座長: 會田剛史(ジェトロ・アジア経済研究所)
  • 討論者:小國和子(日本福祉大学)、栗田匡相(関西学院大学)

発表者

1.「インドネシアとケニアの農村における農家の社会関係と食慣行の変化―食の入手・消費・共有に注目して―」

伊藤紀子(農林水産政策研究所)

2.「COVID-19のエジプト経済への影響」

岡室美恵子(星城大学)、染矢将和(名古屋大学)

3.「長期における新技術の導入・標準化・衰退」

宮田幸子(立命館大学)、澤田康幸(東京大学)、高倉一真(東京大学)

本セッションでは、発展途上国の社会・経済問題に関する3つの報告が行われた。

第1報告は、伊藤紀子(農林水産政策研究所)「インドネシアとケニアの農村における農家の社会関係と食慣行の変化 ―食の入手・消費・共有に注目して―」で、主にインドネシアの農村調査に基づいて食事内容や共食の慣行についての分析結果が報告された。

コメンテーターの小國和子氏(日本福祉大学)からは、共食儀礼が子供の栄養状態に与えたインパクトや、データ収集方法についての質問・コメントが挙げられた。他にも、現地における共食儀礼の詳細についての質問があった。

第2報告は、岡室美恵子(星城大学)「COVID-19 のエジプト経済への影響」で、エジプトのマクロ経済状況を概観した後、クロスカントリーによるCOVID-19の経済成長への影響分析の結果に基づき、そのエジプト経済への影響をシミュレートした結果が報告された。

コメンテーターの栗田匡相氏(関西学院大学)からは、データの制約に伴う計量分析モデルの妥当性や論文の構成についてコメントがあった。他にも、COVID前後の比較をすることで計量分析の精度を上げられる可能性が指摘された。

第3報告は、澤田康幸(東京大学)「長期における新技術の導入・標準化・衰退」で、インドネシアのダム建設に伴う住民移転と養殖業への参入の決定要因に関する長期の計量分析結果が報告された。

コメンテーターの栗田氏からは分析結果の解釈や住民移転が選好パラメータに与える心理的影響の可能性などについてコメントがあった。他にも、住民移転に伴う補償金が技術導入に与えた影響についての質問があった。

(會田剛史)


セッション報告F

F1. Community Development

  • Chair: Koichi Ikegami (Professor, Emeritus, Kindai University)
  • Discussant: Emi Kojin (IDE-JETRO), Daisuke Sasaki (Tohoku University)

Presenters

“The evolution of community-based tourism in Vietnam – a critical review of policy and research-”

Nguyen Quang Tan (Okayama University), Fumikazu Ubukata (Okayama University), Nguyen Cong Dinh (Hue University)

“Influences of economic development among traditional mountain area – Case studies on remote tourist destinations in Shiga prefecture, Japan”

Kiyoto Kurokawa (Ritsumeikan University)

The session F1 “Community Development” comprised two presentations on local tourisms. The number of participants was approximately 20.

Nguyen Quang Tan presented a case study on community-based tourism (CBT) in Vietnam. First, he analyzed tourism policy documents by a four -component framework, namely demands, decision, outputs, and impacts.

As a result, he revealed that the process of tourism policy was divided into three periods, and the position of the CBT was still low for the government. Second, he showed the result of analysis of the peer-reviewed English articles by the qualitative thematic analysis (QTA) method.

After he categorized them into three groups in terms of CBT perspective, he pointed majorities were ‘Development Supporters’ which put priority on an economic aspect. Other two categories, ‘Protectionists’ claiming importance of a cultural viewpoint and ‘Community Developers’ lying between the both categories were few.

His main finding was the conformity of policies and studies. Emi Kojin commented three points; (1) unclear purpose and assumption of the study, (2) importance of narrowing down the area of policy (i.e., concentration on tourism policy), and (3) questions on economy-oriented policy and researches.

Additional comment by a chair was a risk of bias caused from analyzing only English literature.

Kiyoto Kurokawa explained the various local treasurers and a local tourism project planned at the ancient emperor palace of Shikaraki situated in Shiga Prefecture. According to his presentation, Shiga Prefecture is rich in local treasurers, ranging from nature parks to cultural heritages as well as traditional folk crafts, but they could not attract many domestic tourists because of low visibility.

A local tourism project based on the historical backgrounds might change such situation because of increase in demand of cultural tourism.

Daisuke Sasaki commented the necessity of verifying the conclusion in an evidence-based manner, and suggested effectiveness of Tourism Destination Competitiveness (TDC) for compensating for this weakness.

Even though the demand of local tourism such as nature-based and cultural one is increasing instead of mass-tourism, there are a lot of tourism sites in the local area. The question is how tourists decide their destination. The TDC approach can open a new perspective for researchers and practitioners related with a tourism sector.

(Koichi Ikegami)


F2. Education (Individual) *English

  • Chair: Taro Komatsu (Sophia University)
  • Discussant:Mikiko Nishimura(ICU)、Katsutoshi Fushimi (JICA)

Presenter

“The Implementation of Practices Related to Student Achievement by Municipal Governments in Brazil”

Leite Dalmon Danilo (Kobe University)

“War Trauma and Education―A Case Study of Bosnia and Herzegovina―”

Mari Katayanagi (Hiroshima University)

“Long-term Impact Evaluation of Conditional Cash Transfer Program on Poverty: Evidence from the Philippine Fishers”

Melisa Fabella (Ritsumeikan University)

This session was attended by some 20 participants. There were three presentations as below.

Leite Dalmon Danilo (Kobe University): The Implementation of Practices Related to Student Achievement by Municipal Governments in Brazil

The proposed research intends to fill this gap in the literature by analyzing the practices of effective
municipalities in primary education in Brazil by using the “district effectiveness framework.”

The expected outcomes for this research include the analysis of the implementation of “effective district
practices” by municipal secretaries of education in Brazil that are considered “effective”.

This should contribute to the literature by expanding the range of contexts in which effective district practices can be used to describe the mid-level government practices associated to higher student achievement.

Moreover, it will provide new evidence that Brazilian policymakers and those from other low- and middle-income countries can use to improve their government practices.

A commentator suggested, among others, that the study take into consideration local contextual factors that may affect the study topic.

Mari Katayanagi (Hiroshima University): War Trauma and Education ―A Case Study of Bosnia and Herzegovina―

The study aims to interrogate the effects of war trauma on school education and learning in the case of Bosnia and Herzegovina.

The data were examined using qualitative narrative analysis, questioning how children were psychologically affected by war, what consequences were observed in their education, and how they have coped or were coping with the consequences.

The study concludes that children become particularly vulnerable when they are separated from their families; when the uncertainty of the future increases and credible threats to life are felt, children lose their motivation to study; education assists in holistic development and the attainment of resilience to overcome challenges, including psychological ones; and attention must also be paid to cultural specificities and attitudes towards psychological care and treatment.

A commentator asked for clarification regarding the data analysis, literature gap and research ethics, which were answered by the presenter point by point.

Melisa Fabella (Ritsumeikan University) Long-term Impact Evaluation of Conditional Cash Transfer Program on Poverty: Evidence from the Philippine Fishers

The research evaluated the long-term impact of the CCT program (4Ps) on poverty and examine its alignment with the SDG No. 1, which was to eradicate extreme poverty.

The study reveals that the program has reduced poverty among the poor across time. This study has also found some issues within the dataset that should be addressed such as data outliers and inconsistencies with other impact evaluation studies in the country.

Furthermore, in order to keep the program`s effectiveness through time, critical impact monitoring and evaluation should be continuously done to ensure that the people, especially the poor and the marginalized sector, can truly benefit in the program.

A commentator asked for clarification regarding the data analysis procedure. There was also a brief discussion regarding the impact of the program on education as it was the session’ theme.

(Taro Komatsu)


F3. Economy / Society (Individual)

  • Chair: Masato Noda (Ibaragi University)
  • Discussant: Yasushi Katsuma (Waseda University), Takao Toda (Meiji University)

Presenter

1. “Economic Analysis on Socio-Economic Growth by the Impact of Official Assistance: A Case Study of Laos’ Tertiary Education Relation to Growth; Knowledge of Electronic and Entrepreneur in the Field of Electronic Investment”

Soulivanh CHANSOMBUTH (Ritsumeikan University)

2. “Distribution of COVID-19 Vaccines to 49 Sub-Saharan African Countries: Which Vaccines Go Where and How?”

Tatsufumi Yamagata (Ritsumeikan Asia Pacific University), Naoko Takasu (Ritsumeikan Asia Pacific University)

当セッションでは、第1報告として、Soulivanh Chansombuth 会員(立命館大学)、第2報告としてNaoko Takasu会員 およびTatsufumi Yamagata会員(ともに立命館アジア太平洋大学)から次の報告がなされた。参加者は24名であった。

第1報告では、Economic Analysis on Socio-Economic Growth by the Impact of Official Assistance A Case Study of Laos’ Tertiary Education Relation to Growth; Knowledge of Electronic and Entrepreneur in the Field of Electronic Investmentと題し、オーストラリアの援助がラオスの高等教育を通じて経済成長もたらす影響等について、産業人材の開発に着目した分析がなされた。

また、第2報告では、Distribution of COVID-19 Vaccines to 49 Sub-Saharan African Countries: Which Vaccines Go Where and How?と題し、サブサハラアフリカ地域におけるCOVID-19ワクチン接種の現状と課題について、UNICEFのCOVID-19 Vaccine Market Dashboard等のデーターをもとに分析がなされた。

質疑応答では、第1報告に対して討論者の戸田隆夫会員(明治大学)から分析方法の妥当性等について、座長の野田からはドナーとの関係や評価等について質問・コメント等がなされた。

第2報告に対して、勝間靖会員(早稲田大学)からCOVAX等によるワクチン分配等について、戸田会員からサブサハラ地域の多様性とワクチン等について質問・コメントがなされた。続いて、参加者による活発な議論が時間いっぱいまでなされた。大変充実したセッションとなり、関係各位に感謝申し上げる。

(野田真里)




第23回春季大会・優秀ポスター発表賞

2022年度春季大会のポスターセッションでは、16件の意欲的な研究報告がありました。オンライン開催を考慮して、昨年度の全国大会に引き続き、今回もビデオ掲載による発表の形式となりました。

ポスターセッション発表に対する賞選考委員会および常任理事会での厳正な審査の結果、下記の作品が優秀ポスター賞として選出されました。

優秀ポスター発表賞

 松田華織・会員

 “An Analysis of Access to Education for Children with Disability in Indonesia”

 太田洋舟・会員

「モルディブ共和国における「ムスリムネス」の多様性に関する一考察―首都マレ圏のスポーツ活動を行うムスリム女性を事例として―」

賞選考委員会
委員長・三重野文晴(京都大学)




第33回全国大会(明治大学)のお知らせ

今年の国際開発学会・全国大会を12月3日(土曜)および4日(日曜)に、明治大学(お茶の水・駿河台キャンパス)で開催させていただけることになりました(会場の都合から、4日にプレナリー、総会、ポスター発表を予定)。現時点では対面とオンラインの併用により実施していく予定です。

1.テーマについて

今回の大会では「グローバル危機にどう立ち向かうべきか ー 紛争・食糧高騰・飢餓」をテーマにしました。今、世界は新型コロナ禍に始まり、その後の世界的な物価高、さらにはウクライナ侵攻後の小麦などの食糧価格の上昇、そしてアフリカの角における飢餓など、次々に新たな危機が押し寄せてきています。

いずれの危機も一つの国では対処するのが難しい国を超える課題であり、一人ひとりの人間の生活が脅かされているという人間の安全保障の危機とも言えます。

これらの危機はまた、一つの学問分野だけでは対処が難しい問題でもあります。国際開発学という学際的なアプローチではどのような問題の捉え方ができ、どのように解決できるかを話し合える場になればと思っています。


2.対面・オンライン併用での開催の難しさについて

6月現在の状況であれば対面での開催が可能ですが、今後、再び感染の増加がないとは言い切れません。そのため、対面での開催と同時にオンラインでも開催できるように準備を進めています。準備を始めてみて、どちらにも対応できるようにという準備はとても難しいと感じています。不確定な未来の状況に対して、全てのケースに対して準備をすることはなかなかできそうにないからです。

参加いただける方々にできるだけ満足いただけるようにしたいと思いつつ頭を悩ませながら対応しているというのが現状です。

大会の実施にあたっては多くの学部の学生たちに手伝ってもらう予定です。新型コロナ禍の状況では、これらの学生に無理はさせられないですし、またスタッフ側とはいえ学生に対する感染症対策は学会として責任をもって実施していきたいと思っています。皆さまにもご協力いただければ幸いです。


3.会員の交流会などについて

新型コロナ禍により色々と制約のある中での開催となりますが、会場の近くの神田・神保町・お茶の水はとても魅力的な街です。源氏物語絵巻や解体新書が店で販売されるような場所は世界でも神保町ぐらいしかないのではないでしょうか。ぜひ学会の合間に街歩きなども楽しんでいただければと思います。

残念ながら新型コロナ禍対策のため、学内における飲食を伴う懇親会は認められていないのですが、会員間で話し合う交流会はしたいと思っています(そしてぜひ神保町の喫茶店、カレー店(洋風カレーのみでなく、本格的な南インド、スリランカ、バングラデシュのカレー店)や、インドネシア、アルゼンチン、ロシアなどの料理で語り合いたいものです)。

今回の大会は対面を再開し、学会員が交流できる場になればと思っています。以下の体制でお迎えできるように準備をしております。皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

大会実行委員長・島田 剛(明治大学)


第33回全国大会・概要

  • 日程:2022年12月3~4日(土・日)プレナリー、総会、ポスター発表は4日を予定
  • 会場:明治大学(対面とオンラインを併用して開催)
  • テーマ: 「グローバル危機にどう立ち向かうべきかー 紛争、食糧高騰、飢餓」

実行委員会

事務局長

  • 高橋 華生子(明治大学):会場運営担当
  • 林 愛美(明治大学,大阪公立大学):オンライン担当
  • 三牧 順子(明治大学):会場運営担当
  • 李 洸昊(早稲田大学):会計担当

アドバイザー

  • 小林 尚朗 (明治大学)
  • 笹岡 雄一 (明治大学)
  • 長畑 誠  (明治大学)
  • 源 由理子 (明治大学)

*役職内の並び順は50音順

第33回全国大会・実行委員会
実行委員長:島田剛(明治大学)




大会組織委員会からのお知らせ(2022年8月)

2022年6月18日に福岡県立大学を中心に準備してきた第23回春季大会が成功裏に終了した。 2022年の第33回全国大会は、12月3、4日に、明治大学(神保町キャンパス)で実施予定である。アクセスのいい都心での開催となるので、多くの会員が対面で交流する機会となれば幸いである。

また、今期大会組織委員会では、大会実行委員会の負担を減らし、より大会の内容充実に注力していただけるよう、大会運営管理のためのコンピュータシステムの導入を進めており、第33回全国大会の発表申し込み、参加登録から実用化の予定である。これにより、実行委員会の運営業務がスリム化されるだけでなく、参加者にとっても、手順が容易になるものと期待している。

大会組織委員会
委員長・山田肖子(名古屋大学)




学会誌編集委員会からのお知らせ(2022年8月)

現在、第31巻第1号の印刷・発送をしています。この原稿を読んでいただいている時にはお手元に届いているころかもしれません。 今号は当初、原稿がなかなか集まらずページ数の薄いものになってしまうのではないかとかなり心配しました。

しかし、締め切りが近づくにつれ徐々に投稿が増え2週間ほどの間に7本もの論文の投稿があるなどし,最終的には充実したものになりました。査読をお願いした先生、編集委員会の先生方にはタイトなスケジュールの中でご協力いただき本当に感謝をしております。

ただ、投稿時期が発刊間近であったために本号の収録には間に合わなかった論文も多くありました。次号を楽しみにお待ちください。査読は査読者を探すのが難航するなど、大変なことも多いですが、やはり投稿が多いと嬉しいものです。ぜひ皆さまからのさらなる投稿をお待ちしています。

さて、本号に収録できた論文ですが特集が2本立てとなりました。学会の研究部会の研究にもとづくものと、昨年の金沢大学での全国大会のプレナリーシンポジウムでの議論にもとづくものです。両特集とも学会の活動を学会誌に収録することができました。

学会活動とのつながりという意味では、今回は初の試みとして学部生を対象とした国際開発論文コンテストの論文も掲載しています。優秀な若い学生の人たちに将来的にぜひ学会活動に関わっていただきたいという思いがあります。

特集もコンテスト論文も、学会誌と学会の活動が有機的なつながりを持つことによりさらに学会が活発になることを期待しての試みです。 また、今回は論文、研究ノート、書評も充実した内容にすることができました。

書評対象の図書についても随時受け付けています。編集事務局へご連絡いただければ、書評対象として検討させていただきます。書評の方も今後は学会大会のブックトークを編集委員会の活動の一環として実施することとなりました。 今後も皆さまのご協力・ご支援をいただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。

学会誌編集委員長・島田剛(明治大学)




グローバル連携委員会からのお知らせ(2022年8月)

グローバル連携委員会では、以前にお伝えしましたように、2023年2月の刊行を目指して、学会誌編集委員会と連携して学会誌英文号の準備作業を進めています。それに加えて、以下の活動を行いました。

1.国際ワークショップの開催

現在準備を進めている学会誌英文号の刊行へ向けて、特集企画のテーマを検討することを目的とした国際ワークショップを開催しました。このワークショップは、佐藤寛会員(ジェトロ・アジア経済研究所)が代表している研究プロジェクトと連携し、タイのチュラロンコン大学との共催で開いたものです。英文号の編集委員ならびに国際諮問委員の参加を得て、活発な議論が交わされました。

  • テーマ:Development Knowledge: Asian Style
  • 日時:17:00-19:00 (JST), March 18, 2022(Zoomによるオンライン開催)

プログラム

17:00 Opening Remark
by Dr. Kim Eun Mee (Rector, Ewha Womans University, South Korea)

17:10 Provocation/Questioning Development Knowledge in Asia
by Dr. Soyeun Kim (Sogang University, South Korea)

17:30 Struggle for Shaping Asian Development Sociology
by Dr. Sato Kan Hiroshi (Institute of Developing Economies, Japan)

17:45 Development Sociology in India
by Dr. Yutaka Sato (Tsuru University, Japan)

18:00 Primary Comment
by Dr. Surichai Wungaeo (Chulalongkorn University, Thailand)

18:10 Comments
from other observers

18:30 Reply
from presenters and Discussion

19:00 Closing Remark
by Dr. Jin Sato (President of JASID, The University of Tokyo, Japan)
Moderator: Dr. Yuto Kitamura, (Chief Editor for the Journal of International Development Studies [English-only issues], The University of Tokyo, Japan)


2.ウクライナ緊急セミナーの開催

2022年2月から始まったロシアによるウクライナへの侵攻を受けて、教育学の視点から何ができるのかを考えるために、以下の緊急セミナーを開催しました。このセミナーは、日本教育学会国際交流委員会が主催し、本委員会と日本比較教育学会・国際交流委員会との共催で開いたものです。

現在、ロシアによるウクライナへの侵攻が続き、多くの人命が失われています。国外に脱出できない人も多く、また、国外に逃れることができた人々にも難民としての厳しい現実が待っています。とくに、子どもたちは厳しい状況に置かれています。こうした状況に対して、教育と平和の問題について考えるため、関連学会と連携して緊急セミナーを開催しました。

このセミナーでは、これまで国連機関の教育担当官や国際協力機構(JICA)の専門家としてボスニア・ヘルツェゴビナ、コソボ、アフガニスタンなどの紛争経験地域において教育協力事業に携わってこられた、小松太郎会員(上智大学)にご登壇いただきました。

  • テーマ:ウクライナ情勢を考える:教育学に何ができるか?
  • 日時:2022年3月24日(木曜)15:00~16:30(Zoomによるオンライン開催)

プログラム

  1. 主催者代表の挨拶:小玉重夫(東京大学/日本教育学会会長)
  2. 対談:小松太郎(上智大学)× 北村友人(東京大学)

グローバル連携委員会
委員長:北村友人(東京大学)




社会連携委員会からのお知らせ(2022年8月)

活動予定

 社会連携委員会では下記の3つの活動が現在、進行中です。

1.「学術研究者による一般の方へのナレッジ共有プロジェクト」

これまで会員、非会員を問わず、広く参加者を募り、計4回の連続セミナーを実施してきました。いずれもオンライン上ではございますが、100名程の参加者を得て活発な議論が展開されてきました。今後とも継続してオンラインでセミナーを不定期開催していく計画です。会員の中で話題提供者を希望する方は委員会までご連絡下さいませ。

2. グローバルフェスタへの参加、企画の実施

2022年10月1日(土曜)、2日(日曜)に開催されますグローバルフェスタに出展する計画です。昨年に引き続きオンライン上で「国際協力キャリア形成セミナー」を開催する予定です。若手会員、非会員を中心に参加者を広く募ります。会員の方々も所属院生等にどうぞ宜しくご周知下さいませ。

3. 書籍刊行の企画:SDGsを問い直す

大会開催時における委員会の特別セッション「SDGsの再考」での議論を基に書籍の刊行を計画しています。会員に限らず、一般の実務者にもご寄稿頂き、SDGsの取り組みを振り返り、今後の実践、議論に示唆を導出したいと計画しています。

社会連携委員会
委員長:川口純(筑波大学)




人材育成委員会からのお知らせ(2022年8月)

学部生対象の「第2回国際開発論文コンテスト」の応募論文は6編(和文5編、英文1編、2022年3月時点の所属大学は東京大学、共立女子大学、宇都宮大学、都留文科大学、関西学院大学、東洋学園大学)で、人材育成委員会での審査の結果、入賞者は以下の通りとなりました。

なお、審査結果は常任理事会で審議・承認の後、理事会での報告し、春季大会では動画による受賞者挨拶を含む表彰式を行いました。

【最優秀論文賞】

該当者なし

【優秀論文賞】

橘知里(たちばな・ちさと)「地震がカースト制度下の人々の幸福度に与える影響〜ネパール農村の2時点パネルデータを用いて〜」(執筆時の所属は関西学院大学経済学部)。

※選出理由

本論文が「優秀論文」に入選された理由は、まず問題意識と課題設定が明確で、全体の構成に整合性、一貫性がとれていること、本論文のテーマに関連する分野の先行研究を広くレビューしていること、目的に沿った調査方法が明確に述べられていることが高評を得ました。

また2020年2、3月という時期・期間に筆者も含めた学部生がチームで現地に入り、標高の高低差が激しい地形の中を歩き回りネパールの人々に26の質問項目に基づく調査を実施したこと、そして1910人ものサンプル数を自らの足で採取してきたデータを基に分析を行っていることも高く評価されました。

さらに、住まいをコントロールすると低位カーストの人も幸福度が回復しているという分析結果は、当該研究分野における新たな知の蓄積に寄与するものであったと言えます。

一方、本論文が「最優秀論文」に至らなかった理由としては、まず関連する分野の先行研究を広くレビューしていたとはいえ、それぞれの先行研究における知見が本研究とどう繋がっているかが明示的に書かれていなかった点が挙げられます。先行研究で明らかになったこと、なっていないことを丁寧に分析して、自身の研究に繋げることが十分にできていればもっとよかったと思いました。

また災害、カースト、幸福度という3つの分析要素を結び付けたことに新規性を見出し、本研究のユニークさを主張していますが、その研究をする積極的な意義が明確ではありませんでした。そもそもこの3つを繋げた実証研究が今までなかったのは、それを明らかにする意義があまりないからかもしれません。

先行研究の不足は研究の条件になり得ますが、だからといって自動的にその研究が必要であるとはならないため、本研究の意義についてもう少し説得力ある説明が論文の中で欲しかったです。さらに結論自体も、一般的に想定されることや推察し得る分析結果で、新規性や独創性はやや弱いと言わざるを得ない印象を受けました。

例えば筆者は、高位カーストの人ほど幸福の回復が高いという仮説や、震災復興において金銭面だけでなく非金銭面での回復に着目した点を強調していました。しかしながら、カーストが高い人ほど所得や物理的・精神的満足度が高い傾向があり、逆にカーストが低い人ほどそれらが全て低い傾向にあることはある程度自明なため、幸福度や震災からの回復度を測った本研究の結論も概ね想定内であったのではと言えます。

以上より、審査員で総合的に評価・判断した結果、本論文を優秀論文とすることと致しました。

人材育成委員会
委員長:松本悟(法政大学)




「研究×実践」委員会からのお知らせ(2022年8月)

活動報告

  • これまでと同様、春期大会においても「研究×実践」委員会主催のラウンドテーブルを企画した。「災害の現場における実践と研究との連携」 と題し、災害について議論した。詳細はRTのニューズレター該当部分に記載。
  • 月例の会合を拡充し、外部からのリソースパーソンを招いての拡大定例会を開催した。インキュベーションプログラムを実践している富岡功氏よりリーンスタートアップについて報告をいただいた。
  • その内容へのレスポンスから、全国大会でのセッションのテーマとして「開発とビジネス」を再検討するような内容のものを検討することとなった。

「研究×実践」委員会
委員長:小林誉明(横浜国立大学)




地方展開委員会からのお知らせ(2022年8月)

地方展開委員会は、2022年6月18日、第23回春季大会でラウンドテーブルセッション「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ(実践編)」を開催しました。2021年全国大会のラウンドテーブルでの議論を踏まえ、陸前高田、高知、秋田の各現場から中継でお伝えしました。

その後に開催されたプレナリーセッション「知っちょるよ、もうやっとるよSDGs」とあわせて、「地方」で生活する個の目線から「課題解決から始まる開発ではなく、地域の可能性や夢分析から始まる開発へ」、「支援する人・される人を前提とした開発ではなく、支援者であるという前提を相対化した先にある当事者として共に地域の可能性・夢を実現する開発へ」というパラダイムシフトの重要性を提示することができました(詳細は、RT、プレナリーセッションの報告をご覧ください)。

地方展開委員会
委員長:佐野麻由子(福岡県立大学)