オンライン・社会連携委員会イベント「開発協力大綱改定」10月23日開催(会員・一般)

開発協力大綱の改定とその主要論点
―市民社会の主張とはどのようなものか?

今年5月の新聞報道につづき,9月には外務省から現在の開発協力大綱(2015年1月に閣議決定)の改定が発表された。今回の改定のために組織された有識者懇談会はすでに第1回目が9月16日,第2回目が9月30日に開催され,今後は11月中旬までに残り2回の会合が開催される予定である。また,公聴会や意見交換会も計画中であると言われている。

前回の改定議論はまさしくSDGsに関する議論の最中に行なわれたが,その後,今年はじめにUNDPから公表された「人新世の時代における人間の安全保障への新たな脅威:より大きな連帯を求めて」にも記されているように,デジタル技術や暴力的紛争,不平等,保健システム上の課題等,新たなチャレンジが注目されるようになっている。外務省の「開発協力大綱の改定について(改定の方向性)」では,新たな「情勢変化」として「普遍的価値に基づく国際秩序」や経済安全保障上の課題,開発協力に関する「官民の役割分担」の変化等も指摘されている。

こうした中にあって,日本の開発協力系NGOは今回の大綱改定についてどのような点に注目し,何を主張しているのか。開発協力は何を目指し,それをどのように達成すべきと考えているのか。本セッションでは,前回の改定時に有識者懇談会メンバーであった大橋さん,今回の有識者懇談会にそのNGO側メンバーとして参加している稲場さん,そのアドバイザリーグループをつとめる方々(の一部)を招き,その見解を学ぶ機会を設ける。

開催概要

  • 日時:2022年10月23日(日曜)13:00~15:20
  • 場所:完全オンライン(Zoom)
  • 対象:国際開発学会会員,国際協力系NGO職員・ボランティア,その他関心のある学部生・院生 等
  • 主催:国際開発学会 社会連携委員会
  • 共催:国際協力NGOセンタ(申請中),関西NGO協議会,名古屋NGOセンター
  • 参加費:無料

スケジュール

13:00「開会の挨拶」
名古屋NGOセンター 政策提言委員会
委員 佐伯奈津子さん(名古屋学院大学)

趣旨・スケジュール説明
国際開発学会 社会連携委員会
委員 岡島克樹(大阪大谷大学)

13:10「開発協力大綱 前回改定時の主要論点とは何であったか」
国際開発学会 理事 大橋正明さん
(前回改定時の有識者懇談会委員)

13:30「開発協力大綱 今回改定時の主要論点とは何か」
NGO・外務省定期協議会 開発協力大綱改定NGO代表委員 稲場雅紀さん
(今回改定時の有識者懇談会委員)

<休憩10分>

14:10「各論1・非軍事原則について」(仮)
日本国際ボランティアセンター(JVC)代表 今井高樹さん

14:25「各論2・開発協力における人間の安全保障と人権の実現」(仮)
(公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシー部 部長 堀江由美子さん

14:40「各論3・現地NGO主導の開発・人道支援の実現に向けて」
開発・人道支援コンサルタント 塩畑真里子さん

14:55 フロアとの質疑応答

15:15 閉会の挨拶
(国際開発学会)

15:20 終了

お申込

Google Forms()にてお申込ください。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会・社会連携委員会
岡島克樹(大阪大谷大学)

  • okajimk [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



Webinarシンポジウム『日本における妊娠・避妊の経験を聞く』11月14日開催(会員・一般)

Sophia Open Research Week 2022
インドネシア移民女性のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
日本における妊娠・避妊の経験を聞く

開催概要

  • 日時:2022年11月14日(月曜)午後2時~4時(日本時間)
  • 対象:上智大学学生・教職員、一般
  • 言語:日本語・インドネシア語(同時通訳)
  • 参加費:無料
  • 申し込み:
  • 主催:上智大学アジア文化研究所
  • 共催:科研費研究「移住女性とSDGs:セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスへのアクセス」(代表者:田中雅子)

プログラム

講演

「インドネシア移民女性のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツの現状」
ブディ・ワヒュニ(公正のためのインドネシア女性法律扶助協会ジョグジャカルタ事務所顧問、国立ガジャマダ大学女性学センター専門家)

報告1

「インドネシア北スラウェシ州マナドへの帰還者と茨城県大洗町在住者の妊娠と避妊の経験」
高向有理(西日本短期大学)

報告2

「在日インドネシア人コミュニティ:茨城県と福岡県で暮らした経験から」
ラウラ・ウィヅリ・ナインゴラン(研究協力者)

報告3

「インドネシアにおける助産師の役割」
ヘルリナ・クリスティーン・マカレウ (研究協力者)


本件にかんするお問い合わせ先

上智大学アジア文化研究所 

  • i-asianc [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-3238-3697



オンラインセミナー「移住女性とSDGs:『妊娠・出産への対応力』向上」11月17日開催(会員・一般)

移住女性とSDGs:「妊娠・出産への対応力」向上オンラインセミナー

開催概要

  • 日時:2022年11月17日(木曜)13:00-15:30
  • 対象:自治体、国際交流協会、監理団体、登録支援機関の職員、日本語学校・専門学校・大学の教職員、一般
  • 定員:先着50名(グループワークまで参加する方のみ、お申込みを受付けます。メディアの方は別途メールでご連絡ください)
  • 言語:日本語
  • 実施方法:申し込み締切後、計60分程度の事前講義動画のリンクと資料をお送りします。事前にご視聴ください。
  • 参加費:無料
  • 主催:科研費研究「移住女性とSDGs」プロジェクト
  • 後援:岐阜県、独立行政法人国際協力機構 中部センター

プログラム

13:00 開会あいさつ、趣旨説明
田中 雅子(上智大学)

13:20母子保健行政について
丹羽 由香里(岐阜県子ども・女性局子育て支援課主幹 兼 母子保健係長)

13:35 事例報告
1)外国籍住民へ対応
安藤 美春(岐阜県可児市健康増進課 母子保健係長)
2)技能実習生の妊娠・出産への対応
北島 あづさ(岐阜一般労働組合 執行委員長)
3)DV・女性相談窓口での妊娠・出産対応
杉戸 ひろ子(そうみ―移民女性自立の会)

14:15 休憩

14:20 グループワーク 「より良い対応を考える」
シナリオをもとに、地域の社会資源を考えながら、関係者の役割について少人数でディスカッション

15:00 全体共有および質疑応答

15:30 閉会
(16:00まで、任意で参加者交流会)

申込フォーム

  • 申込締切日:2022年11月7日(月曜)正午 12:00

本件にかんするお問い合わせ先

科研費研究「移住女性とSDGs」プロジェクト
田中雅子

  • researchsrhr [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:090-9149-9195



「国際協力のカギ『調査運動』を考えよう」10月8日開催(会員・一般)

今回で4回目を迎える好評の公開セミナーです。SDGs、エコなどよりよい社会を作るためのたくさんの方法がTVやスマホを通じて流れてきます。しかし、「自分にできることから始める」だけで、目標は達成できるのでしょうか。

SDGsもエコも、みんなが同じ目的に向かって、荷物を分け合って持つ世界的な「運動」だという「しくみ」を理解しながら取り組むことにより、個人、学校、企業、国がバラバラに取り組む何倍もの成果につながります。

特に国際協力を勉強している、実務に従事している、発信しているマスコミの方などには、「自分にできることから」を「みんなでやろう」に発想を変換していただきたいです。

1948 年以降、働く人たちの社会運動を推進してきた(公社)国際経済労働研究所が、基本的な「運動」の考え方から、運動を加速するためのコツ(「調査運動」)をお伝えします。双方向に会話しながら、ぜひ皆さんの意見を聞かせてください。

開催概要

■日時:2022年10月8日(土曜)13:30~15:00
■スピーカー:吉浜智美(国際経済労働研究所 研究員)
■参加対象:国際協力に興味のある学生・社会人の方
■実施方法:Zoom(参加者にURLをお送りします)
■費用:チケット制(無料・500円・1,000円からお選びください。無料席は定員10名)
■定員:20名程度
■申込フォーム: 


本件にかんするお問い合わせ先

(公社)国際経済労働研究所
吉浜智美

  • yoshihama [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-3760-1039(研究所)
  • 電話番号:090-1242-1058(当日連絡)



第13回適正技術フォーラム『 デジタル化と人間・社会の変容 』10月8日開催(会員・一般)

スマホやパソコンが街にあふれ、日々膨大な情報がネット上でゆきかい、人工知能がいたるところに組み込まれ、自動運転やメタバース等の普及も見込まれています。

それらは社会に進歩と革新をもたらし、経済を発展させるものとして受け止められていますが、私たちの仕事や生活をどのように変え、人間の能力、人格形成、人間関係等にどのような影響を及ぼし、総じて人間とその社会を本当に豊かにするものなのかどうかは、明らかでありません。

今回のフォーラムでは、適正な技術選択をめざす観点から、これらの新しい技術群がもたらす正の面と負の面に光を当てながら、デジタル化と人間・社会の変容の全体像にせまり、それにいかに向き合うかを考えます。

開催概要

  • 日時:2022年10月8日(土曜)14:00~16:30
  • 会場:オンライン(Zoom)開催
  • 定員:60名
  • 参加費:無料
  • 主催:適正技術フォーラム

プログラム

14:00~14:05
オープニング

14:05~15:00
『 ICTと人間の幸福な関係を築くには 』
講師: 佐倉統氏(東京大学大学院教授)

15:00~15:45
『 デジタル化の両義性を考える - 疎外への罠か、自由獲得のツールか 』
講師: 田中直(適正技術フォーラム共同代表)

15:45~15:50
休憩

15:50~16:30
パネルディスカッション・質疑
モデレーター:古沢広祐(國學院大學研究開発推進機構客員教授)

講師・モデレーターのプロフィール

佐倉 統(さくら・おさむ)

東京大学大学院情報学環教授。理化学研究所革新知能統合研究センター・チームリーダー。1960年東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。もともとの専門は進化生態学・霊長類学であるが、環境問題、人工生命、脳神経科学、AIとロボットなど、進化論を中心とした科学論、科学技術社会論に研究を広めている。

主な著書に『科学とはなにか-新しい科学論、いま必要な三つの視点』(講談社ブルーバックス)、『人と「機械」をつなぐデザイン』(東京大学出版会)、『「便利」は人を不幸にする』(新潮選書)など。

田中 直(たなか・なお)

適正技術フォーラム共同代表。1976年、東京大学工学部卒業後、石油会社で石油精製プロセス管理、情報処理、バイオテクノロジー、排水処理等の業務に従事する一方、1987年の設立当初から35年間(1999年より専従)、国際協力NGO、APEXの代表・代表理事を務める。理学博士。

著書に『適正技術と代替社会-インドネシアでの実践から』(岩波新書)、『現代適正技術論序説-近代科学技術に代わる技術体系をめぐって』(社会評論社)、編著書に『転換期の技術者たち』、『第三世界の問題を考える』(剄草書房)、『エネルギー問題-工業化社会の自然と労働』(社
会評論社)など。

古沢 広祐氏(ふるさわ・こうゆう)

國學院大學研究開発推進機構客員教授。(NPO)「環境・持続社会」研究センター代表理事。大阪大学理学部(生物学科)卒業、京都大学大学院農学研究科(農林経済)研究指導認定。農学博士。國學院大學経済学部(経済ネットワーキング学科)教授を定年退職後、客員教授。

著書に『食・農・環境とSDGs : 持続可能な社会のトータルビジョン』(農山漁村文化協会)、『みんな幸せってどんな世界』(ほんの木)、『食べるってどんなこと?』(平凡社)、『地球文明ビジョン』(NHKブックス)他。

お申し込み方法

ATFJ会員の方

メールタイトルを「第13回適正技術フォーラム参加申し込み(会員)」として、お名前明記の上、info@までメールでお申込み下さい。

一般の方

メールタイトルを「第13回適正技術フォーラム参加申し込み(一般)」として、お名前、ご所属、メールアドレスを明記の上、下記メールアドレスまでお申込み下さい。折り返し事務局よりご参加要領をお知らせいたします。


本件にかんするお問い合わせ先

適正技術フォーラム事務局

  • info [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-3875-9286
  • 〒110-0003 東京都台東区根岸1-5-12 井上ビル



オンライン『2022年9月関西支部研究会』9月27・28日開催(会員・一般)

関西支部では下記の研究会をZoomで開催します。ご参加を希望される方は関西支部事務局までご連絡ください。Zoomアドレスをご共有させていただきます。ふるってご参加ください。

第162回研究会

  • 日時:9月27日(火曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表テーマ:Decarbonization Pathways in Lao PDR
  • 発表者:Dr. Phouphet Kyophilavong, Dean, Faculty of Economics and Business Management, National University of Laos
  • 討論者:Dr. Kenji Nozaki, Professor, Faculty of Economics, Takasaki City University of Economics
  • 言語:英語

第163回研究会

  • 日時:9月28日(水曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表テーマ:Lao Education Policy Planning and Implementation Progress Linked to SDGs
  • 発表者:
    Dr. Bounpanh Xaymountry, Director-General, Department of Planning, Ministry of Education and Sports, Lao PDR
    Mr. Anoupheng Keovongsa, Deputy Director-General, Department of Planning, Ministry of Education and Sports, Lao PDR
  • 討論者:Mr. Yasumasa Nagaoka, JICA Education Policy Advisor, Lao PDR
  • 言語:英語
開催済の研究会
第160回研究会
  • 日時:9月21日(水曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表テーマ:Implementation Progress of SDGs in Uganda
  • 発表者:Dr. Albert Byamugisha, Senior Policy Advisor, Office of Prime Minister, Uganda
  • 言語:英語
第161回研究会
  • 日時:9月22日(木曜)午後6時~午後8時まで
  • 発表テーマ:Influences of Technological Advancements on Sustainable Graduate Employability: Case of Bangladesh
  • 発表者:Dr. Md. Jahangir Alam, Associate Professor, Department of Japanese Studies, University of Dhaka
  • 言語:英語

本件にかんするお問い合わせ先

JASID関西支部・事務局

  • E-mail: [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



「気候変動適応策・途上国支援ファイナンスセミナー」9月2日開催(会員・一般)

「COP27(適応のCOP)に向けた気候変動枠組条約第56回補助機関会合(SB56)結果と適応施策・ファイナンスの最新動向~誰一人取り残さない適応策構築を目指して~」を9月2日に開催します。

1.背景・目標

2022年11月6日~18日に開催されるCOP27(国連気候変動枠組条約第27回締約国会議)は、「適応のCOP」ともいわれる。その背景には、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書でも示された気候変動による悪影響・被害の顕在化がある。気候変動の原因となる温室効果ガス削減(緩和策)を進めるだけでなく、気候変動による悪影響・被害を防ぐ適応策の実践が世界的に一刻を争う課題となっている。

COP27は、エジプトで開催される。これまでも、温室効果ガス排出量が比較的少ないにもかかわらず、干ばつ・飢餓等の気候変動による悪影響・被害を受けてきたアフリカ諸国をはじめとする途上国は、先進国による適応支援を強く求めており、昨年のCOP26で多くの先進国は途上国への適応支援強化を打ち出した。日本も、途上国への適応支援倍増を表明し、脆弱国・貧困国の適応策を支援するアジア開発銀行(ADB)・国際開発協会(IDA、世界銀行グループ)・CTCN・GCF・適応基金等への資金拠出も行っている。そうした国際機関の多くが、途上国の脆弱層・貧困層への支援を拡大しつつある。

COP26では、その開催都市グラスゴー(英国)とCOP27の開催都市シャルム・エル・シェイク(エジプト)の名が冠された、「適応に関する世界全体の目標(GGA:Global Goal on Adaptation)に関するグラスゴー・シャルム・エル・シェイク作業計画」の設立が合意された。COP27では、グラスゴー・シャルム・エル・シェイク作業計画も含め適応に大きな焦点が当てられる。6月6日から16日に開催される国連気候変動枠組条約第56回補助機関会合(SB56)でも、適応関連の議題が設定されている。

気候変動適応は日本にとっても喫緊の課題であり、日本政府は、国内の地域・市民・企業等の気候変動適応策を推進している。昨年、気候変動適応計画を改定し、気候変動適応に関する施策の基本的方向性・分野別施策・基盤的施策・進捗管理の実施等について記載した。また、日本政府は、企業・自治体等が自らの気候変動による悪影響・被害のリスクを回避するとともに、企業等が拡大する適応ニーズをビジネスに結び付けていくための、適応ファイナンス支援の取組も進めている。

そこで、以下の目的のために、本セミナーを開催する。

  • SB56結果・COP27に向けた課題・日本の適応関連施策/ファイナンス・国際機関の取組等を共有し、今後の適応取組・施策・ファイナンス等に関する様々なステークホルダーの理解を促進する。
  • 特に、脆弱な人々/コミュニティの悪影響・被害を防ぐ適応策推進のために何が必要かを検討し、日本政府・国際機関・企業・NGO・市民等の取組を後押しする。

2.日時

2022年9月2日(金曜)15:00~17:30

3.場所

Web開催(英日通訳あり)

4.対象

気候変動政策・適応策・ファイナンス・ESG・環境ビジネス・国際協力・SDGs等に関心を寄せる/取り組むメディア・企業・NGO・市民・学生・研究者・自治体・省庁・国会議員・国際機関等

5.主催

主催:特定非営利活動法人「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
助成:環境再生保全機構地球環境基金

6.セミナープログラム<以下、敬称略>

「開催趣旨説明」
足立治郎(「環境・持続社会」研究センター(JACSES)事務局長)

(1)報告・提起
・「SB56結果とCOP27への展望、日本の途上国気候変動対策(特に適応分野)支援(仮題)」
外務省御担当者

・「アジア開発銀行(ADB)による気候変動 (特に適応面)への途上国支援(仮題)」
Arghya Sinha Roy(アジア開発銀行(ADB)持続的開発・気候変動局気候変動・災害リスク
管理課首席気候変動専門官)

・「SB56参加報告と適応関連施策/途上国支援策に関する提案(仮題)」
遠藤理紗(「環境・持続社会」研究センター(JACSES)気候変動プログラムリーダー)

(2)質疑応答・意見交換

○パネリスト:講演者
○論点(案):
・今後必要となる適応に関する国内取組・途上国支援策・ファイナンスのあり方とは?
・企業・自治体・NGO・市民等の役割とは?
・日本がCOP27等で世界に打ち出すべきことは?    等

7.参加費

無料

8.定員

500名(定員になり次第締め切らせていただきますのでご了承ください。)

9.お申し込み

下記よりお申し込みください。

お申し込みいただいた登録メールアドレスに、参加のための情報(ZOOMリンク先等)を開催前日(9月1日)にお送りします。
※参加申込において記載された内容(個人情報)は、本セミナーに関する目的に限り利用させていただきます。

10.事前準備

  • 開始時間の1時間前(予定)までにJACSESのウェブサイト()に資料を掲載いたしますので、掲載された資料をお持ちのノートパソコン・タブレット等に保存の上、当日ご活用ください。
  • 本セミナーはZOOMにて開催いたしますので、セミナー開催日までにZOOMのダウンロードをお済ませくださいますようお願い申し上げます。下記のリンクを押しますとZOOMのダウンロードページに移動します。

本件にかんするお問い合わせ先

特活)「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
足立治郎・遠藤理紗

  • Eメール:jacses [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-3505-5552



社会的連帯経済についての勉強会と研究会」(会員・一般)

社会的連帯経済(SSE)に関する勉強会と研究会についてお知らせします。

連帯経済勉強会・第5回(有料)

  • 開催日程:2022年8月27日(土曜)13時~14時30分
  • テーマ:農福連携による地域の活性化
  • ねらい:過疎化が進む地方では、地域活性化に多様なアクターの動員が求められています。一次産業と福祉の連携は相互補完的な関係を築き上げることが可能であり、新しい生産活動の形態として期待されています。農福連携の実践事例から新しい連帯経済の可能性について学びます。
  • 講師:奥田和也(奥能登元気プロジェクト代表取締役)
    (参考URL:)

申込方法

下記ご案内ホームページをご参照ください。

国際開発学会・社会的連帯経済研究部会 無料公開研究会

  • 2022年8月27日(土曜)15時~17時(予定)*詳細とアクセス案内は、近日中に公開されます。
  • テーマ:「食文化・農業遺産を契機とする地域おこしの展開~能登の里山・里海ほか、各地の取り組み事例から~」
  • 講師:大和田順子(同志社大学 政策学部・総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコース 教授)

    地域づくりの視点やSDGs的展開なども含めて、地域文化、農業遺産などでの事例、都市と農村の関係交流など、豊富なご経験につきまして諸取り組みなどについて、ご報告いただく予定です。

申込方法

皆様のご参加、心よりお待ちしております。


本件にかんするお問い合わせ先

一般社団法人ソリダリダード・ジャパン事務局

  • japan-info [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



第23回春季大会の開催報告と総括

第23回春季大会報告

第23回春季大会は2022年6月18日(土曜)に、福岡県立大学を開催校としてオンライン(Zoom)で実施されました。

福岡県立大学が立地する福岡県田川市は、旧産炭地として日本の近代化、戦後復興を支えてきたものの、1960年代のエネルギー転換を受け急激な衰退を経験し、鉱害からの復旧、新たな産業づくりによる安定した生活基盤の確保など地域再建を続けてきた「課題先進地域」です。この地でこれからの時代の開発、国際協力を考える学会を催すことができ、大変嬉しく思います。

今大会では、大学を超えて「チーム福岡」として実行委員会を組織し大会に臨みました。山あり谷ありの準備の六ヶ月ではありましたが、御縁に恵まれ、国際開発学会第23回春季大会の全てのプログラムを無事実施することができました。参加者の皆様、学会関係者の皆様、そして、地域の皆様のご支援に心より感謝申し上げます。

当日は225名の方に参加登録いただき、4つの企画、7つのラウンドテーブル、7つの個人発表において、それぞれ活気ある議論が交わされました。

プレナリーセッション「知っちょるよ、もうやっとるよSDGs」では、筑豊(田川郡川崎町・田川市)で地域づくりに奮闘する関係者を招き、オンライン越しではございましたが、2030年に真の持続可能な社会をつくるために必要なことについて、専門分野の異なる参加者の皆様と議論を深めることができたと思います。

本大会が「学会員が少ないから…」「地方だから…」と学会開催に二の足を踏んでいる皆さまの背中を押すものになれば望外の喜びです。

大会実行委員長
佐野麻由子(福岡県立大学)

プレナリーセッション「知っちょるよ、もうやっとるよSDGs」

【第1部】
「日本の地域と国際開発をつなぐ“よりよい生”-金沢大会からのバトンを受け継ぐ」

  • 佐野麻由子(国際開発学会第23回春季大会実行委員長/ 福岡県立大学) 
  • 和田一哉(国際開発学会第32回全国大会実行委員長/金沢大学)

【第2部】
基調講演および座談会「生が営まれる場としての地域-筑豊・田川-」

登壇者(1)杉本利雄氏(ラピュタファーム代表)
「“生”をつなぐ宿り木としてのラピュタファーム-筑豊・田川の新しい“地域ブランド”ができるまで」

登壇者(2)佐野典久氏(佐野畳屋三代目店主)
「畳からつながるよりよい暮らし-生きてるだけで儲けもの」

本セッションは、(1)炭鉱だけではない筑豊・田川の魅力を感じていただくこと、(2)海外のフィールドと日本の地域とを往還し国際協力の想像力を高めていただくこと、(3)個々人の日常の実践がカギを握る個人化時代の開発のあり方、その中でもSDGsの実現可能性、継続性、波及性を高める条件を議論することを目的に企画された。

第1部では、金沢大会の和田実行委員長より、日本の地域に目を向けるこが先進国・途上国問わず「よりよい生」を考える一歩になるというメッセージを頂いた。

第2部では、杉本利雄氏、佐野典久氏に、活動に至った経緯、活動を支える思い等についてお話をうかがった。

杉本氏は、ラピュタファームの経営を通し、地域に対するネガティブなイメージを払拭し、筑豊の魅力を発信し続けてきた。質の良い農作物であっても地名を聞くと美味しそうに思えないという消費者の反応、地元での産業廃棄物施設操業の危機などマイナス要因が、「バイキングや加工品を通して地域のイメージを刷新しよう」「自然を残すだけでなく活用しよう」と奮起する契機になった。

また、地域内外の他業種の仲間との関わりや「元お客の従業員」との試行錯誤の中でヒット商品が生みだされたエピソードなど、地域・業種・生産者/消費者の関係を超えて活動が展開されていることが紹介された。

佐野氏は、畳学校で国産イグサの良さを知って以来、イグサ生産者と消費者をつなぎ、畳をつくるだけでなく古畳を解体して土に戻す活動を行ってきた。閉鎖されることになった精米所を引き取りそこでとれた米糠を土づくりで活用したり、土づくりの傍らでアルバイトの学生のために野菜を作ったりする等のユニークな循環型社会実現の例も紹介された。

「求めるべき真の自由についてどのように考えるのか」というフロアからの質問に対して、「真の自由は、行きたいときにみんなで支えあって授業参観に行けること。それを許容する社会」とこたえていたのが印象的だった。

お二人に対しては「勇気づけられた」「楽しそうな仕事ぶりに励まされた」「捨てようと思ったものを蘇生して楽しく活用するのが田川モデル」等、多数のコメントが寄せられた。日常のなかで個々人がよりよい生を実践することが重要な意味をもつ今日、「楽しい」「お互い様」「足るを知る」が、SDGsの実現可能性、継続性、波及性を高める秘訣であると感じた。

(佐野麻由子)


セッション報告A(6月18日土曜日 Saturday 18th June 2022)

【午前の部I】Morning Session 9:30-11:30 (GMT +9)

A1. 地域から考えるオルタナティブ開発―近代的開発実践・モデルの超克に向けて―

  • 座長:真崎克彦(甲南大学)
  • 討論者:平山恵(明治学院大学)
  • 秋吉恵(立命館大学)

「アフワット:パキスタンにおける社会的連帯経済の実践-互酬性が貧困削減に果たす役割」

高須直子(立命館アジア太平洋大学)

「地域コミュニティの『ありのまま』と多遍性(pluriversality)をどう捉えるか―館ヶ丘団地における人々のかかわりと価値創造からの考察」

藍澤淑雄(拓殖大学)  

国際開発学会「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会の企画セッションである。最初の座長による趣旨説明では、西洋近代型の「普遍」的とされる進歩観と一線を画した、オルタナティブ開発のあり方が概説された。

高須会員の報告では、パキスタンのイスラム金融マイクロファイナンス組織、アフワットの事例が、社会的連帯経済モデルに依拠しながら取り上げられている。地域コミュニティに存する伝統的「協同性」が、いかにアフワットの無利子融資の拡大や政府の政策形成の成功を後押ししてきたのかを軸として、報告がなされた。

討論者の平山会員のコメントでは、イスラム世界で遍く見られる喜捨の伝統に絡めて「協同性」が論じられ、アフワットが、被支援者が支援者に転じることもあるユニークな社会連帯経済の一例として、広く知られていくことの意義が述べられた。

藍澤会員の報告は、東京都八王子市の館ヶ丘団地で学生たちと行ってきた地域コミュニティ振興活動の紹介である。高齢化が進む同団地での自治会住民と学生のかかわりの中から防災の仕組み作りが始まった事例について報告がなされた。

この経験を踏まえて、西洋近代的な「普遍的」社会づくりモデルでは見えてこない、人びとのありのままの暮らしに寄り添う「多遍的(pluriversal)」な生活支援のあり方が論じられた。

討論者の秋吉会員からは、藍澤報告の事例に引きつけて、地域コミュニティの支援活動での支援者と被支援者との関係が、いかに変容的なものへと発展し得るのかが解説された。またそうして、地域にある潜在的な共同性が解き放たれる仕組みが示された。

以上の通り両報告を通して、支援者と被支援者の壁が低くなることで、地域に存在する価値観や暮らしを引き立てたオルタナティブ開発が立ち上がってくる様子が明らかにされた。本セッションには常時25 名前後の会員に参加いただいた。

(真崎克彦)


【午後の部I 】Afternoon Session I 12:15-14:15 (GMT +9)

A2. 企画”Soft Skills and Employability in the Face of Asymmetry between the Labor Market and School Education: Soft Skills Training and Development in Africa”

労働市場と学校教育の非対称状況におけるソフトスキルと雇用可能性―アフリカにおけるソフトスキル訓練と開発―

  • 登壇者: エストレルヤド エマヌウェル(名古屋大学)・チャロエンシルプ ピンマダ(名古屋大学)・近藤菜月(名古屋大学)・山崎裕次郎(名古屋大学)
  • 司会: 山田肖子(名古屋大学)
  • 討論者: 高田明(京都大学;非会員)・島田剛(明治大学)

本セッションでは、アフリカの労働者のソフトスキルについて4名の報告が行われた。

初めに司会の山田会員より、ソフトスキルの概要、途上国の産業人材育成における重要性が説明され、第一報告(山崎)では、インフォーマル・セクターの労働においてソフトスキルがいかに活用されているのかの事例を報告した。第二報告(近藤)では、ガーナの大学卒業生のキャリアからソフトスキルの重要性とキャリア形成におけるその役割について議論した。

上記の報告に対し、コメンテーターの高田明氏(非会員)より、インフォーマル・セクター内での差異、顧客からの視点、短い就業年数の理由、学校のカリキュラムとの関係について今後深めるべき点をご教示いただいた。

島田会員からソフトスキルと専門的技能の重要性の比較、雇用可能性に対する自己評価の要因、起業の動機についてより考察ができると示唆をいただいた。

続く第三報告(チャロエンシルプ)では、ゲームを用いた行動モデリングトレーニングによって、労働者にソフトスキルを習得させる新しい方法を紹介した。

第四報告(エストレルヤド)では、第三報告で紹介したゲームを用いたソフトスキルトレーニングについて実施した内容を紹介し、トレーニングの結果、実施前と比べて、参加者のソフトスキルに統計的に有意な正の変化が見られたことを報告した。

上記の報告に対し、コメンテーターの高田氏より、観察学習以外の学びへの視点、ゲーム作成・実施における対象者の文化への配慮、実際の仕事への相関について示唆を頂いた。

島田会員から、ゲームベースのトレーニングが企業内研修として発揮する効果や、参加者の学校教育歴による結果の差異について今後考察を深める点をご助言頂いた。

なお、本セッションの報告の一部では、名古屋大学の研究グループが実施しているSKY(Skills and Knowledge for Youth)プロジェクトのデータを使用している。

(山田肖子)


【午後の部Ⅱ】Afternoon Session Ⅱ 14:30-16:30 (GMT +9)

A3. RT: 地方展開委員会主催「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ(実践編)」

  • 司会:木全洋一郎(JICA)
  • 発表者:富山泰庸(ロッツ株式会社)、山本あやみ((特非) 砂浜美術館)、 柳澤龍((一社)ドチャベンチャーズ)
  • 討論者:木全洋一郎(JICA)、梶英樹(高知大学)、工藤尚悟(国際教養大学)

本セッションでは、2021年全国大会のラウンドテーブルでの議論を踏まえ、陸前高田、高知、秋田の各現場からの中継により、新たな地域活性化の実践事例を共有し、今後の国際開発アジェンダのあり方について、約30名による議論が行われた。

はじめに、富山氏より、東日本大震災での医療支援を契機に、将来にわたってまち全体を健康にすべく、薬局、高齢者リハビリ、オーガニックカカオからチョコレート製造販売と多様な事業が紹介された。地元・日本のための事業が、フェアトレードのカカオを使うことで途上国の児童労働問題の解決にもつながっている。

次に、山本氏より、建物のない、美しい砂浜そのものを美術館にしている取り組みが紹介された。ありのままを価値とすることに共感した元青年海外協力隊の方と、ガーナ、ケニア、モンゴル各地の自然の中でのTシャツアート展を共同実施している。

柳澤氏からは、五城目町の廃校のシェアオフィスで、地域に根ざした土着のベンチャー事業が紹介された。まち全体をシェアビレッジとしたオープンにし、「世界一子供が育つ町」として、地域からの学びをデザインしている。敢えて社会全体の課題ではなく、局地的な願いに寄り添って場を作っていくことで、地域変容を見届けている。

フロアからは、よそ者の役割や都会と地方との関係性を前提にした地方間競争への懸念といった質問が出された。

議論を通じて、3つの事例とも、都会と田舎という対立構造ではなく、地域を同じテーブルに乗せて、それぞれが「オンリーワン」の魅力で人を惹きつけているという共通点が見えてきた。また、実践者はその地域でなくてはならないということではなく、どの地域でもオンリーワンを発見しているという意味において、途上国の地域開発にも通ずる視点が提供された。

地球規模の開発アジェンダは「課題」志向で見出されるが、日本の地域におけるアジェンダは「創造性」から見えてくる。この間の橋渡しこそが、国際開発に携わる今後の役割として提起された。

(木全洋一郎)


セッション報告B

B1. 子どもの安全保障

  • 企画責任者:勝間靖(早稲田大学/国立国際医療研究センター)
  • 司 会:勝間靖(早稲田大学/国立国際医療研究センター)
  • 発表者:池田直人(難民を助ける会)・田中敏裕(日本ブータン友好協会)
  • 討論者:勝間靖(早稲田大学/国立国際医療研究センター)

「子どもの安全保障への開発アプローチ」研究部会では、「人間の安全保障」について、子どもに焦点を絞った「子どもの安全保障」の概念について議論し、研究部会メンバーのそれぞれの研究領域における事例研究を発表し、政策提言にもつながるような理論的枠組みを構築することを目指して研究活動を進めている。

2022年6月18日(土曜)9:30-11:30、第23回春季大会(福岡県立大学、オンライン)において、「子どもの安全保障〜障害のある子どもの保護とエンパワーメント」と題してラウンドテーブルを開催(オンライン)した。

まず、研究部会代表者である勝間靖会員(早稲田大学、国立国際医療研究センター)が、企画者として、これまでの研究部会での研究活動を説明し、事例研究を発表するうえでの共通の枠組みを提示した。

そして、池田直人(難民を助ける会)が「パキスタンにおける障がいのある子どもたち」と題して、田中敏裕(日本ブータン友好協会)が「障がいのある子どものスポーツ参加」と題して発表した。質疑応答と議論が活発におこなわれた。参加者は、パネリストのほか、8名であった。

(勝間靖)


B2. 企画・信頼と開発協力

  • 企画責任者:石塚史暁(JICA)
  • 司会:佐藤仁(東京大学)
  • 討論者:佐藤寛(ジェトロ・アジア経済研究所)

発表者:

  1. 開発協力における「信頼」とは―ODA案件の比較分析の試み―
    石塚史暁(JICA)
  2. ボホール灌漑事業における「信頼」の考察-開発協力と「信頼のジレンマ」-
    杉山秀男(JICA)
  3. インフラ整備への開発協力と信頼
    橋本大樹(JICA)
  4. ガーナ共和国におけるJICAボランティア事業と「信頼
    左近文子(JICA)

冒頭、座長より、実務家自らが「信頼」のように扱いにくいテーマを研究対象として手掛けることの意義を述べた。その後、次の4本の発表があった(石塚「開発協力における『信頼』とは」、杉山「ボホール灌漑事業における『信頼』の考察」、橋本「インフラ整備への開発協力と『信頼』」、左近「ガーナ共和国におけるJICAボランティア事業と『信頼』」)。

杉山は開発協力の複数の当事者間での信頼を両立することのジレンマ、橋本は大規模インフラ協力の意思決定において信頼が影響を及ぼせる領域の大きさ、左近はJICA海外協力隊が配属先との間で蓄積する信頼のストック等をそれぞれ扱った。

石塚発表は、これら事例分析の総合的な結論として、当事者間の「信頼」は開発協力の効果や持続性を下支えし、開発協力の積み重ねは当事者間の信頼蓄積に貢献するという、両者の概念が相互に影響を及ぼしあっていることを指摘した。

討論者及び参加者からは、次のような質問・コメントが寄せられた。

開発協力の主体は、自ら当事者となる信頼に加え、第三者をつなぐ信頼にも注目すべきではないか。開発協力の主体は、相手からの信頼に加え、自らの相手に対する信頼を意識すべきではないか。開発協力によって相手国の信頼を買うことは可能か。海外協力隊員が得た現場での信頼は、日本の国レベルの信頼につながるか。「信頼のジレンマ」は、信頼のレベルが浅いことによるものと考えられないか。

現場での関係者との信頼構築に加え、開発協力の制度にも改革が必要な点はないか、相手国と日本の間の信頼は、相手国と他ドナーの間の信頼と比べ、違いはあるか、コンサルタントや民間企業も、開発協力の当事者であり、分析対象に加えるべきではないか、など。

セッション参加者は約40名で、議論は大変活発であった。この分野に対する高い関心も感じられたので、今後の信頼研究のさらなる深化を期待したい。

(佐藤仁)


B3. RT:翻訳しにくい開発のことば

  • 企画責任者:佐藤仁(東京大学)
  • 司会:佐藤仁(東京大学)
  • 発表者:松原直輝(東京大学大学院)、藏本龍介(東京大学)、橋本憲幸 (山梨県立大学)
  • 討論者:大山貴稔(九州工業大学)

私たちが開発を語るときに用いる言葉はどこから来て、どこで、どのような意味を生み出すのか。開発にかかわる概念の射程の検討を通じて、それらの概念の組み合わせからなる開発学の場所性を議論するのが、このRTの目的である。

本セッションでは、日本語として国内で流通している「開発」にかかわる3つの概念を例に取り上げて、翻訳の問題を検討した。具体的には、松原直輝(東京大学大学院)が「現場主義」を、藏本龍介(東京大学東洋文化研究所)が「土木」を、 橋本憲幸(山梨県立大学)「人づくり」を検討した。

松原会員は、特に緒方理事長時代のJICAによる現場主義の実態分析に基づいて、本部と現場という日本的な組織構造から、「現場」概念の固有性をあぶりだした。

蔵本会員は「土木」の概念史をたどり、寺社建造などの場面で用いられていた「普請」が、明治期に土木に置き換えられた背景や、泥臭さを強調する日本の技術協力と土木概念の関係について論じた。

橋本会員は、「人づくり」が国内開発の文脈から報じた後に、特に途上国での人材育成で盛んに用いられるようになった一方で、対先進国には用いられないという非対称性に着目し、この概念がもつ道徳性と教育との関係について論じた。

これに対して、討論者の大山貴稔(九州工業大学)は、これらの概念が用いられる文脈に応じて意味合いを反転させている点に注目し、概念に埋め込まれた世界認識の整理を行った。そして、概念の翻訳過程に注目することに、どのような学術的貢献を期待できるのかを問うた。

この問いかけを皮切りに、フロアからも多数のコメントや質問が寄せられた。「翻訳しにくい開発のことば」は、今回取り上げたもののほかに数多く、今後も、バラエティーを増しながら、開発におけるアイデアの文脈性と普遍性を検討していく必要性が確認できた。セッションの参加者は概ね40名前後であった。

(佐藤仁)


セッション報告C

C1. RT:日本の国際協力NGOの過去、現在、そして挑戦–
NGOデータブック2021と市民活動年表(国際協力分野)の調査・執筆から見えてきたこと

本RTを企画したのは、以下の二つの出版とそれに伴う調査・分析である。

一つは、国際協力NGOのネットワークの国際協力NGOセンター(JANIC)が2022年3月に出版した「NGOデータブック2021」である。1996 年から『NGO データブック』 としてJANICが NGO に関する 5 年毎の調査を開始し、2011年からは外務省の委託事業になっている。

今回の調査対象とした424 団体の約51%、216 団体から有効回答を得て分析を行ったが、前回の有効回答数の二倍近いので、より正確にNGOの現状に迫ったと想定される。この企画・調査・執筆・監修に楯、長谷川、重田、大橋が関わり、外務省のHPで公開されている。

もう一つは、大阪ボランティア協会が2014年に編集発行した「日本ボランティア・NPO・市民活動年表」(明石書店)の1880~2010年を対象とした国際協力分野の改訂と、2011~2020年の出来事の追加に、長谷川、楯、大橋が携わり、同じ22年3月に刊行されたその「増補改訂版」だ。

これらから見えてきた日本の国際協力NGOの歴史的変化と現状を、長谷川と楯が発表した。

まず長谷川が、「日本の国際協力NGOの歴史と今」と題するプレゼンを行い、日本の国際協力の1960年代からの歴史を6つの時期に分けて説明し、90年代をピークに新規NGOの創設数が10年ごとに約半減していること、一方でソシアルビジネス的なものが増えていることを示した。

そして、現状については現地のパートナー団体を通じての活動が増えていること、活動地域はアジアが少し減り、代わりにアフリカが増えていること、活動では人権や国内課題が増えていること、個人会員数が増えていること、市民社会スペースの縮小がグローバルな問題であることを示した。

続いて楯が、「日本の故高裁協力NGOの財務と人材」というタイトルで三点に関して報告した。まずNGOの財務に関して、NGOの資金は政府資金の増加だけでなく自己資金の増加があること、しかし相変わらず資金規模の二極化が続き、コロナで56.4%が負の影響を受けており、自己資金を伸ばしたのが主に大手によるものと指摘している。

続いてNGOの人材については、人材確保が課題と多くのNGOが述べているが、他セクターでも同様であり、高齢化こそがNGOが直面する独自の課題であるとした。最後の「財務と人材に関する展望と課題」では、労働環境は整いつつあるが、待遇はまだ不十分であること、NGOの存在意義の見直しと自己成長が必要とまとめた。

これらの発表に対する討論者JICAでNGO支援を担当している日浅美和・国内事業部市民参加推進課長、NGO向けのODA資金やその管理費がNGOに与えた影響について関心を寄せる国際開発センター社会開発部の高杉真奈次長、そして欧米や東南アジアのNGOや政府との関係に詳しい高柳彰夫フェリス女学院大学教授だった。会場からの質問もあり、充実したやり取りとなった。

(以上)


C2. RT:移動する人々のレジリエンスとSDGsー移民・難民・遊牧民を中心にー

  • 企画責任者:関谷雄一(東京大学)
  • 報告者:関谷雄一、マイヨール ロドリグ(民間TVディレクター)、キム ヴィクトリヤ(立命館大学)、湖中 真哉(静岡県立大学)
  • 討論者:野田真里(茨城大学)

本セッションは「開発レジリエンスとSDGs」研究部会による第3回目のラウンドテーブルで、前2回のラウンドテーブルでは焦点化されなかった「移動する人々」に着目し、ウィズコロナの今日的な状況の中で、生活基盤に「移動の要素」を抱える人々のレジリエントな様相、SDGsの課題について議論を行った。

始めに関谷が企画・研究部会の主旨説明と、日本における国内避難民のレジリエンスとSDGsに関する課題提供をした。

続いてマイヨール氏(非会員)から、民間放送局の取材現場の視座から見える、日本国内の外国人移民のレジリエンス、政策の課題に関する報告がなされた。

キム氏(非会員)からは、日本における移民の統合過程に関し、結婚移民女性のレジリエンスに焦点を当てた報告がなされた。最後に湖中会員からは東アフリカ遊牧社会からみた移動とレジリエンスに関する報告がなされた。

各報告後に野田会員から報告者に対し質疑がなされ、議論が展開された。

各報告で取り上げられた問題に共通する論点として、グローバルな課題であるSDGsという枠組みに対応する主体として、前提とされているのは国民国家であり、「移動する人々」は自ずとそこから取り残されていることが、それぞれの問題や課題と向き合うことに、どう影響しているのかというものがあった。

各報告者から質疑に対し、それぞれの文脈で応答がなされたが、そこに通底していた論点としては、「移動する人々」の視座に立ったそれぞれの解決法が望まれており、そこには既存の枠組みでは解決できない課題があり、それぞれに個別かつ具体的な当事者性に目を向けることが重要であることが確認された。

(関谷雄一)


C3. RT: “Prospects in Innovation and Development for Solving Social Problems: Learning from Cases in Asia”

  • Organizer: Naoko Shinkai (Tsuda University)、Pei-Hsin Hsu (Taiwan Forest Research Institute)
  • Chair/Moderator: Naoko Shinkai (Tsuda University)、Pei-Hsin Hsu (Taiwan Forest Research Institute)
  • Presenter: Vincent Y. Chen (Minghsin University/National Taiwan University), Ariya Svetamra (Chiang Mai University)
  • Discussant: Guestspeakers and all the participants

 This roundtable session was organized by the research group on Innovation and Development for Solving Social Problems (IDSSP) of JASID, which was launched in January 2022. There are social problems, which have been observed for decades, and we encounter some of those problems commonly in the world. This session aimed to learn from successful cases of tackling those common social issues in Asia, share knowledge, and find commonality and differences in social issues and the process for solutions. 

 Two guest speakers were invited to talk about their experiences of solving social problems. First, Dr. Vincent Y. Chen at the Department of Leisure Management, Minghsin University of Science and Technology & Institute of Fisheries Science, National Taiwan University, Taiwan presented the application of Artificial Intelligence (AI) to prevent the harassment of green sea turtles in Xiao Liuqiu island, Taiwan, and develop sustainable tourism.

Next, Dr. Ariya Svetamra at the Department of Women’s Studies, Faculty of Social Sciences, Chiang Mai University demonstrated the struggles and risks of migrant women in Northern Thailand and how Feminist Participatory Action Research (FPAR) was applied to understand the realities of migrant women and discuss the structure of gender dynamics for creating their opportunities in the future.

After their presentations, all the participants were invited to ask questions, express their opinions about the lessons learned, and share their knowledge.

 This roundtable session was co-facilitated by Dr. Naoko Shinkai at the Department of Policy Studies, Tsuda University, the Chairperson of this research group and Dr. Pei-Hsin Hsu, at Taiwan Forestry Research Institute, the Vice-chair of this research group.

(Naoko Shinkai)


セッション報告D

D1. 企画・JASID ブックトーク

  • 司会進行:
    島田剛(明治大学)
    芦田明美(名古屋大学)

本セッションではブックトークとして、以下の4冊の本の紹介が著者および出版社の編集担当者よりなされた。セッションの中では各著者から出版にいたったきっかけ、経緯や苦労が共有された。また、編集者の方の工夫されたこと、今後出版するにはどのようにしたらよいかなどの助言がなされた。参加者は延べ約60名にのぼり活発な議論がなされた。


報告書籍: Mine Sato, Nobuo Sayanagi, Toru Yanagihara. 2022. Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Explorations. Palgrave Macmillan

  • 報告者: 佐藤峰(横浜国立大学)
  • 担当編集者:河上自由乃(Springer英文書籍出版担当)
  • 討論者: 佐藤寛(アジア経済研究所)

1980年代以降の開発援助の政策と実施においては、「主体の働きかけ(主体性)を支援するモデル」を採用しようというみが、政策および実践においてなされてきている。しかし、人を「主体的で自律的存在」として扱えば「主体的な課題対処プロセス」が無条件に始まるわけでなく、そこに至る「主体性の回復と醸成のプロセス」が存在する。

現状では、関連学術領域では、定義や測定の議論が多く、現場では暗黙知や経験則はあるが体系立った整理はなく理論との対応付けも十分に進んでいない。この問題意識に基づき、本書では、主に3つの文脈(参加型開発、普及プログラム、社会サービス)での主体性醸成に関与する要因とメカニズムの理解に焦点を当て、経済学・心理学・人類学の立場から続けてきた共同研究の成果を共有する。

報告書籍: 人権の哲学:基底的価値の探究と現代世界

  • 報告者: 木山幸輔(筑波大学)
  • 担当編集者: 斉藤美潮(東京大学出版会)
  • 討論者: 関谷雄一(東京大学)

本書は、人が人であるがゆえに持つ人権、その正当化の根拠を探り、現代世界への含意を示すものである。本書はその探求を、以下の順番で行う。政治的人権構想と自然本性的人権構想の対立における後者の擁護、自然本性的構想において擁護されるべき構想としての二元的理論の提示、二元的理論の示唆の特定、当該示唆の国際開発援助構想への適用、という順序である。

本書はまず、ロールズ、ラズ、ベイツ、グリフィン、センをはじめ、極めて多様な道徳・政治・法哲学者が参与してきた人権に関する論争を、特に自然本性的構想と政治的構想との論争として捉え、その分析を行う。本書が分析の中で擁護するのは、現在人気があるとは言い難い自然本性的構想の方である。

そして、人間が人としてもつ利益に依拠するものと人権を捉える自然本性的構想、その最善の理論として、人々が同定した善に従って生きることと、平等に扱われることを2つの基軸とする二元的理論を描き出す。そうした知見を背景として、特に国際開発・援助構想に対して評価を与えることを念頭に、社会経済的権利とデモクラシーへの権利、そして国際的関係における人権の適切な描き方を提示する。

最後に、現在影響力を持つ国際開発・援助構想に関する幾つかの論点に対し、描き出された人権構想をもとに評価を加え、私たちが開発・援助を構想する上で望ましい像を描き出す。

報告書籍: 日本の「非正規移民」:「不法性」はいかにつくられ、維持されるか

  • 報告者: 加藤丈太郎(武庫川女子大学)
  • 担当編集者: 今枝宏光(明石書店)
  • 討論者: 日下部尚徳(立教大学)

本書籍は、日本に暮らす非正規移民における「不法性」を問うた実証研究の成果である。移住は送り出し国・受け入れ国の間で発生する事象である。開発の文脈では送り出し国の事情が捉えることが多い。

受け入れ国側から移住を捉えた本書を持って、国際開発学会員に新たな視点を提供したい。元相談員として筆者が抱いた問いを出発点として、1)移民はなぜ「不法」になるのか、2)何が非正規移民の「不法性」を維持させるのかという2つのリサーチクエスチョンを掲げ、質的研究方法を用い、38名の非正規移民をはじめ計69名へのインタビュー、のべ175箇所の参与観察を行った。

報告書籍: デジタル技術と国際開発(リチャード・ヒークス著、竹内知成監訳、ICT4D Lab訳)

  • 報告者: 竹内知成((一社)ICT for Development)
  • 担当編集者: 道中真紀(日本評論社)
  • 討論者: 高田潤一(東京工業大学)

本書は英国マンチェスター大学のRichard Heeks教授の著書「Information Communication Technology for Development」(2017年、Routledge社)の翻訳本であり、国際開発における情報通信技術(ICT)利用に関する初の日本語専用教科書になります。

ケニアのモバイルマネー「M-Pesa」に代表されるように、途上国においてもデジタル技術を活用したサービスが普及し、国際開発においてもデジタル技術の活用が注目を集めています。また、SDGs達成に向けて公的機関のみならず民間企業も取り組みを進める中でICTの活用が進んでおり、様々な組織においてイノベーションやDXというキーワードが使われるようになっています。

こうした背景から、これから求められるのはICTを目的達成の為に活用できる人材であり、技術的な知識と社会課題の両方を理解し、技術分野のエンジニアと社会課題分野の専門家や政策決定者とを橋渡しできるハイブリッドな知見や、どういった要因がICT利活用の成功と失敗を決めるのか、成功率を高める為には何が行われるべきかを様々な観点から理解する力も求められます。

本書はそういった人材の育成に最適な教科書であり、社会課題の解決にテクノロジーの活用が重要性を増している現在、国際開発業界のみならずIT業界で社会課題を解決しようとする人達にとっても役立つ一冊です。

(島田剛)


D2. 「研究×実践」委員会主催企画:ラウンドテーブル「災害の現場における実践と研究との連携」について

ラウンドテーブル「災害の現場における実践と研究との連携」 は、「研究×実践」委員会主催の企画としてとして継続的に実施されているもの。前回のJICAの「クラスターアプローチ」をテーマに「援助」にフォーカスを当てたセッションに続き、今回は「災害」に絞り込んだ議論を行った。

浜名弘明会員より「コンサルティングファームからの防災分野における研究×実践」と題して都市OSの適用についての実践例の紹介がなされたのち、芝浦工業大学の市川学准教授より「災害時保健医療福祉活動⽀援システムと災害情報」と題してAIやデータサイエンスの研究成果を活かした災害支援システムの可能性が提示された。

この2つの報告に対して、ユーザーサイドからの視点として、佐藤峰会員より「地域防災への自発的な取り組みと課題:横浜市西区羽沢西部自治会を例に」と題して元横浜市西区羽沢西部自治会長・現第四区地区者協会長の米岡美智枝氏の作成されたスライドを用いた報告がなされ、またカマル・ラミチャネ会員より、とりわけ障害者の視点からみたシステムの使い勝手についてのコメントがなされた。

上記の報告を踏まえて活溌な議論が展開された。とりわけ、「システムの運営をするのは誰か?」という点に議論が集約された。この問いはすなわち「誰が収益を得て、費用負担するか?」という問いに変換されるわけだが、例えば、防災システムによって顧客の情報を把握できるメリットをもつ保険会社や、防災システムによって資産価値の向上が見こまれるデベロッパーに参加してもらうといった具体的なアイディアが検討された。

一見すると、途上国の開発イシューとはかけ離れた議論のように見えるものの、議論をしてゆくなかで、結局は行政のコーディネーションや、費用負担の意志決定といった、開発につきまとうイシューそのものが本質であることが確認された。

(小林誉明)


D3. 教育/子ども(個人)

  • 座長:北村友人(東京大学)
  • 討論者:黒田一雄(早稲田大学)、内海悠二(名古屋大学)

発表者

1.「タンザニアの小学生の食品群・野生食物摂取と健康に関する予備的報告―ダルエスサラームとプワニ州における質問票調査より―」

阪本公美子(宇都宮大学)、大森玲子(宇都宮大学)、津田勝憲(宇都宮大学)

2.「新制度論による紛争後社会の教育改革分析」

小松太郎(上智大学)

3.「日本の非政府アクターによる教育輸出―公文教育研究会を事例に―」

朝倉隆道(広島大学)

本セッションでは、以下の3件の研究発表が行われた。いずれも教育や子どもに関する重要なテーマを扱い、学術的また実践的な示唆に富む研究であった。

阪本公美子会員・大森玲子会員・津田勝憲会員(いずれも宇都宮大学)による「タンザニアの小学生の食品群・野生食物摂取と健康に関する予備的報告―ダルエスサラームとプワニ州における質問票調査より―」は、阪本会員が代表して発表を行った。

タンザニアの地方都市における小学生96名を対象に、①雨季と乾季の食品・食品群別摂取頻度、②野生食物の摂取頻度、③健康状況、④食品群・野生食物の摂取頻度と、健康の関係について質問紙調査を行い、子どもたちの食習慣パターンを明らかにした。

小松太郎会員(上智大学)による「新制度論による紛争後社会の教育改革分析」では、ボスニアを事例として、政治学等の研究で用いられる3つの新制度論(社会学的新制度論、歴史的制度論、言説的制度論)を援用して、紛争後社会の教育改革の分析・説明を行った。

紛争後社会の復興において、多様なアクターが関与しながらいかにして制度が形成され、機能するようになるのかを、異なる視点から分析することで明らかにした。今後の実証研究にも期待を抱かせる、優れた分析であった。

朝倉隆道会員(広島大学)による「日本の非政府アクターによる教育輸出―公文教育研究会を事例に―」では、民間企業を中心とした非政府アクター(non-state actor)が国際教育協力に参入し、教育サービスを提供する新展開が進む状況のなかで、そうした企業(この研究の事例としては公文教育研究会)が用いる戦略について検討した。

事例分析を通して、供給側の形成するイメージや言説が、受容する人々の想起する教育への期待や幻想をかき立てようとしていることを明らかにした。

これらの研究発表に対して、討論者の黒田一雄会員(早稲田大学)と内海悠二会員(名古屋大学)から的確かつ刺激的なコメントが提起され、また参加者からも重要な質問や指摘がなされ、活発な議論が交わされた。

それらの論点は、理論と実践を架橋することの重要性や難しさに関する指摘から、研究の方法論に関するものまで幅広く、それぞれの発表者が研究のさらなる発展を目指すなかで参考になるものであったと確信している。

(北村友人)


セッション報告E

E1. 環境(個人)

  • 座長:藤川清史(愛知学院大学)
  • 討論者: 豊田知世(島根県立大学)、山口健介(東京大学)

発表者

1.「熱帯地域における気候変動緩和策としての植林事業の方法論について」

久保英之(地球環境戦略研究機関)

2.「新興国における環境政策・制度の発展と課題について-タイとベトナムでの先駆的事例分析を踏まえて-」

安達一郎(JICA)、檜枝俊輔(日本工営)、中川原 宏昭(日本工営)、櫻井幸子(日本工営)

3.「国際開発とソーシャルワークの距離感と接近の可能性」

小松豊明(特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会/ルーテル学院大学)

環境セッション(E1)での報告は次の3本であった。

1.久保英之(地球環境戦略研究機関)「熱帯地域における気候変動緩和策としての植林事業の方法論について、2.安達一郎(JICA)、檜枝俊輔(日本工営)、中川原宏昭(日本工営)、櫻井幸子(日本工営)「新興国における環境政策・制度の発展と課題について-タイとベトナムでの先駆的事例分析を踏まえて-」、3.小松豊明(特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会/ルーテル学院大学)「国際開発とソーシャルワークの距離感と接近の可能性」。

これらの報告に対する討論は、豊田知世(島根県立大学)と山口健介(東京大学)にお願いした。

植林活動は地球温暖化防止活動として注目されるが、同時に地域の貧困削減等の社会経済活動でもある。久保報告は、材木利用による所得向上が目的にもかかわらず、しばしば木材需要先が確保されていないことや、事業期間が短期間なので、間伐・伐採・再植林のサイクルが事業に組み込まれていない等の問題があることを指摘し、ベトナム(政府主導)とマダガスカル(JICA)での成功例では、こうした問題が解決されていると述べる。

これに対して討論者からは、民間企業と連携しての実施の可能性があり、REDD+やVCSの認証制度との整合性も重要だろうとのコメントがあった。

安達報告は、途上国では産業振興政策が優先され、環境保存政策は後回しにされているというのが従来の認識であったが、近年は経済成長と環境保全対策の両立は可能という「エコロジー近代化論」に基づいた、従来型の規制的手段ではない先駆的な環境政策もタイやベトナムで見られると述べる。

これに対して討論者からは、政策の設計段階で市民を巻き込むことを前提としていても、運用上で市民を巻き込めるのか、規制を受ける企業側の協力は担保されるのか等のコメントがあった。

小松報告では、国際開発事業と国内の社会福祉・ソーシャルワークの分野は、かなり共通した活躍をしているものの相互理解が進んでいないと述べる。ソーシャルワーク側からは国際開発を「国際ソーシャルワーク」と捉える一方で、国際開発の分野では社会福祉ないしはソーシャルワークへの関心は薄いとのことである。

討論者からは、国際ソーシャルワークの範囲を明らかにする必要があり、双方の接点を作るためにはどうすればよいかの提案をしてほしい等のコメントがあった。

(藤川清史)


E2. 開発(個人)日本語

  • 座長:斎藤文彦(龍谷大学)
  • 討論者:高橋清隆(恵泉女学園大学)、嶋田晴行(立命館大学)

発表者

1.「カンボジア農村女性の幸福度と社会関係資本」

石黒馨(神戸大学)

2.「中国における開発研究―その特徴と可能性―」

汪牧耘(東京大学)

3.「ターリバーンとともにアフガニスタンでSDGsを達成する―経済制裁から長期のベーシックインカム財源保障・給付条件整備援助へ」

岡野内正(法政大学社会学部)

本セッションでは3つの報告がなされた(以下敬称略)。第1は、石黒馨による「カンボジア農村女性の幸福度と社会関係資本」であった。社会関係資本についての研究は多いが、途上国の農村女性を対象にしたものは少ないので、その空白を埋めることを意図していた発表であった。

幸福度と主観的健康を区別して調査した結果、幸福度の向上には、家族への信頼、金銭貸与、社会参加、家計所得、主観的健康度などが影響するのに対し、主観的健康の改善には、家族への信頼、金銭貸与、社会参加、子供の生存人数などが影響するとされた。

これに対してコメンテーターの高橋清貴から、村の属性や、各種のコンテクストによって状況は変わるのではないかといった指摘がなされた。

第2報告は、汪牧耘の「中国における開発研究」であった。西欧から入ってきた「開発研究」が中国にどのように受け入れられてきたかという大変興味深い研究発表であった。汪によれば、西欧の研究が普遍的発展モデルを提示する傾向があるのに対して、中国での研究はより実践的であるとまとめられた。

コメンテーターの嶋田晴行からは、事前に詳細なコメントが提示されており、日本と中国の類似性や相違性も含めた幾つかの指摘がなされた。汪は返答として、中国が海外の研究者たちと交流することにより、中国自身の経験を明確化させることができ、それが重要であるとの指摘もあった。

第3は、岡野内正による「ターリバーンとともにアフガニスタンでSDGsを達成する」であった。発表に際し、画面共有がうまくできなかったが、岡野内の主張としては、ベーシックインカムによって、(1)健康状況の改善、(2)経済の改善、(3)コミュニティの活性化が、もたらせたと指摘された。

コメンテーターの高橋清貴からは、アフガニスタンが抱えるさまざまな課題が根深いものであるために、今後とも考察していくべき点は多々ある旨の指摘がなされた。

座長としての感想を一言。全体に事例研究としては3報告とも特徴があり個性的であったが、今後、事例の研究意義をより明示的に提示できれば、それぞれの研究発表はさらに有益になるであろうと思われる。

(斎藤文彦)


E3. 社会/経済(個人)

  • 座長: 會田剛史(ジェトロ・アジア経済研究所)
  • 討論者:小國和子(日本福祉大学)、栗田匡相(関西学院大学)

発表者

1.「インドネシアとケニアの農村における農家の社会関係と食慣行の変化―食の入手・消費・共有に注目して―」

伊藤紀子(農林水産政策研究所)

2.「COVID-19のエジプト経済への影響」

岡室美恵子(星城大学)、染矢将和(名古屋大学)

3.「長期における新技術の導入・標準化・衰退」

宮田幸子(立命館大学)、澤田康幸(東京大学)、高倉一真(東京大学)

本セッションでは、発展途上国の社会・経済問題に関する3つの報告が行われた。

第1報告は、伊藤紀子(農林水産政策研究所)「インドネシアとケニアの農村における農家の社会関係と食慣行の変化 ―食の入手・消費・共有に注目して―」で、主にインドネシアの農村調査に基づいて食事内容や共食の慣行についての分析結果が報告された。

コメンテーターの小國和子氏(日本福祉大学)からは、共食儀礼が子供の栄養状態に与えたインパクトや、データ収集方法についての質問・コメントが挙げられた。他にも、現地における共食儀礼の詳細についての質問があった。

第2報告は、岡室美恵子(星城大学)「COVID-19 のエジプト経済への影響」で、エジプトのマクロ経済状況を概観した後、クロスカントリーによるCOVID-19の経済成長への影響分析の結果に基づき、そのエジプト経済への影響をシミュレートした結果が報告された。

コメンテーターの栗田匡相氏(関西学院大学)からは、データの制約に伴う計量分析モデルの妥当性や論文の構成についてコメントがあった。他にも、COVID前後の比較をすることで計量分析の精度を上げられる可能性が指摘された。

第3報告は、澤田康幸(東京大学)「長期における新技術の導入・標準化・衰退」で、インドネシアのダム建設に伴う住民移転と養殖業への参入の決定要因に関する長期の計量分析結果が報告された。

コメンテーターの栗田氏からは分析結果の解釈や住民移転が選好パラメータに与える心理的影響の可能性などについてコメントがあった。他にも、住民移転に伴う補償金が技術導入に与えた影響についての質問があった。

(會田剛史)


セッション報告F

F1. Community Development

  • Chair: Koichi Ikegami (Professor, Emeritus, Kindai University)
  • Discussant: Emi Kojin (IDE-JETRO), Daisuke Sasaki (Tohoku University)

Presenters

“The evolution of community-based tourism in Vietnam – a critical review of policy and research-”

Nguyen Quang Tan (Okayama University), Fumikazu Ubukata (Okayama University), Nguyen Cong Dinh (Hue University)

“Influences of economic development among traditional mountain area – Case studies on remote tourist destinations in Shiga prefecture, Japan”

Kiyoto Kurokawa (Ritsumeikan University)

The session F1 “Community Development” comprised two presentations on local tourisms. The number of participants was approximately 20.

Nguyen Quang Tan presented a case study on community-based tourism (CBT) in Vietnam. First, he analyzed tourism policy documents by a four -component framework, namely demands, decision, outputs, and impacts.

As a result, he revealed that the process of tourism policy was divided into three periods, and the position of the CBT was still low for the government. Second, he showed the result of analysis of the peer-reviewed English articles by the qualitative thematic analysis (QTA) method.

After he categorized them into three groups in terms of CBT perspective, he pointed majorities were ‘Development Supporters’ which put priority on an economic aspect. Other two categories, ‘Protectionists’ claiming importance of a cultural viewpoint and ‘Community Developers’ lying between the both categories were few.

His main finding was the conformity of policies and studies. Emi Kojin commented three points; (1) unclear purpose and assumption of the study, (2) importance of narrowing down the area of policy (i.e., concentration on tourism policy), and (3) questions on economy-oriented policy and researches.

Additional comment by a chair was a risk of bias caused from analyzing only English literature.

Kiyoto Kurokawa explained the various local treasurers and a local tourism project planned at the ancient emperor palace of Shikaraki situated in Shiga Prefecture. According to his presentation, Shiga Prefecture is rich in local treasurers, ranging from nature parks to cultural heritages as well as traditional folk crafts, but they could not attract many domestic tourists because of low visibility.

A local tourism project based on the historical backgrounds might change such situation because of increase in demand of cultural tourism.

Daisuke Sasaki commented the necessity of verifying the conclusion in an evidence-based manner, and suggested effectiveness of Tourism Destination Competitiveness (TDC) for compensating for this weakness.

Even though the demand of local tourism such as nature-based and cultural one is increasing instead of mass-tourism, there are a lot of tourism sites in the local area. The question is how tourists decide their destination. The TDC approach can open a new perspective for researchers and practitioners related with a tourism sector.

(Koichi Ikegami)


F2. Education (Individual) *English

  • Chair: Taro Komatsu (Sophia University)
  • Discussant:Mikiko Nishimura(ICU)、Katsutoshi Fushimi (JICA)

Presenter

“The Implementation of Practices Related to Student Achievement by Municipal Governments in Brazil”

Leite Dalmon Danilo (Kobe University)

“War Trauma and Education―A Case Study of Bosnia and Herzegovina―”

Mari Katayanagi (Hiroshima University)

“Long-term Impact Evaluation of Conditional Cash Transfer Program on Poverty: Evidence from the Philippine Fishers”

Melisa Fabella (Ritsumeikan University)

This session was attended by some 20 participants. There were three presentations as below.

Leite Dalmon Danilo (Kobe University): The Implementation of Practices Related to Student Achievement by Municipal Governments in Brazil

The proposed research intends to fill this gap in the literature by analyzing the practices of effective
municipalities in primary education in Brazil by using the “district effectiveness framework.”

The expected outcomes for this research include the analysis of the implementation of “effective district
practices” by municipal secretaries of education in Brazil that are considered “effective”.

This should contribute to the literature by expanding the range of contexts in which effective district practices can be used to describe the mid-level government practices associated to higher student achievement.

Moreover, it will provide new evidence that Brazilian policymakers and those from other low- and middle-income countries can use to improve their government practices.

A commentator suggested, among others, that the study take into consideration local contextual factors that may affect the study topic.

Mari Katayanagi (Hiroshima University): War Trauma and Education ―A Case Study of Bosnia and Herzegovina―

The study aims to interrogate the effects of war trauma on school education and learning in the case of Bosnia and Herzegovina.

The data were examined using qualitative narrative analysis, questioning how children were psychologically affected by war, what consequences were observed in their education, and how they have coped or were coping with the consequences.

The study concludes that children become particularly vulnerable when they are separated from their families; when the uncertainty of the future increases and credible threats to life are felt, children lose their motivation to study; education assists in holistic development and the attainment of resilience to overcome challenges, including psychological ones; and attention must also be paid to cultural specificities and attitudes towards psychological care and treatment.

A commentator asked for clarification regarding the data analysis, literature gap and research ethics, which were answered by the presenter point by point.

Melisa Fabella (Ritsumeikan University) Long-term Impact Evaluation of Conditional Cash Transfer Program on Poverty: Evidence from the Philippine Fishers

The research evaluated the long-term impact of the CCT program (4Ps) on poverty and examine its alignment with the SDG No. 1, which was to eradicate extreme poverty.

The study reveals that the program has reduced poverty among the poor across time. This study has also found some issues within the dataset that should be addressed such as data outliers and inconsistencies with other impact evaluation studies in the country.

Furthermore, in order to keep the program`s effectiveness through time, critical impact monitoring and evaluation should be continuously done to ensure that the people, especially the poor and the marginalized sector, can truly benefit in the program.

A commentator asked for clarification regarding the data analysis procedure. There was also a brief discussion regarding the impact of the program on education as it was the session’ theme.

(Taro Komatsu)


F3. Economy / Society (Individual)

  • Chair: Masato Noda (Ibaragi University)
  • Discussant: Yasushi Katsuma (Waseda University), Takao Toda (Meiji University)

Presenter

1. “Economic Analysis on Socio-Economic Growth by the Impact of Official Assistance: A Case Study of Laos’ Tertiary Education Relation to Growth; Knowledge of Electronic and Entrepreneur in the Field of Electronic Investment”

Soulivanh CHANSOMBUTH (Ritsumeikan University)

2. “Distribution of COVID-19 Vaccines to 49 Sub-Saharan African Countries: Which Vaccines Go Where and How?”

Tatsufumi Yamagata (Ritsumeikan Asia Pacific University), Naoko Takasu (Ritsumeikan Asia Pacific University)

当セッションでは、第1報告として、Soulivanh Chansombuth 会員(立命館大学)、第2報告としてNaoko Takasu会員 およびTatsufumi Yamagata会員(ともに立命館アジア太平洋大学)から次の報告がなされた。参加者は24名であった。

第1報告では、Economic Analysis on Socio-Economic Growth by the Impact of Official Assistance A Case Study of Laos’ Tertiary Education Relation to Growth; Knowledge of Electronic and Entrepreneur in the Field of Electronic Investmentと題し、オーストラリアの援助がラオスの高等教育を通じて経済成長もたらす影響等について、産業人材の開発に着目した分析がなされた。

また、第2報告では、Distribution of COVID-19 Vaccines to 49 Sub-Saharan African Countries: Which Vaccines Go Where and How?と題し、サブサハラアフリカ地域におけるCOVID-19ワクチン接種の現状と課題について、UNICEFのCOVID-19 Vaccine Market Dashboard等のデーターをもとに分析がなされた。

質疑応答では、第1報告に対して討論者の戸田隆夫会員(明治大学)から分析方法の妥当性等について、座長の野田からはドナーとの関係や評価等について質問・コメント等がなされた。

第2報告に対して、勝間靖会員(早稲田大学)からCOVAX等によるワクチン分配等について、戸田会員からサブサハラ地域の多様性とワクチン等について質問・コメントがなされた。続いて、参加者による活発な議論が時間いっぱいまでなされた。大変充実したセッションとなり、関係各位に感謝申し上げる。

(野田真里)




地方展開委員会からのお知らせ(2022年8月)

地方展開委員会は、2022年6月18日、第23回春季大会でラウンドテーブルセッション「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ(実践編)」を開催しました。2021年全国大会のラウンドテーブルでの議論を踏まえ、陸前高田、高知、秋田の各現場から中継でお伝えしました。

その後に開催されたプレナリーセッション「知っちょるよ、もうやっとるよSDGs」とあわせて、「地方」で生活する個の目線から「課題解決から始まる開発ではなく、地域の可能性や夢分析から始まる開発へ」、「支援する人・される人を前提とした開発ではなく、支援者であるという前提を相対化した先にある当事者として共に地域の可能性・夢を実現する開発へ」というパラダイムシフトの重要性を提示することができました(詳細は、RT、プレナリーセッションの報告をご覧ください)。

地方展開委員会
委員長:佐野麻由子(福岡県立大学)




「国際協力のカギ『調査運動』を考えよう-SDGsの前に私たちが知っておかなければならないこと-」8月6日開催(会員・一般)

SDGs、エコなどよりよい社会を作るためのたくさんの方法がTVやスマホを通じて流れてきます。しかし、これらが「運動」という観点から語られることはほとんどありません。

「自分にできることは何だろう?」と考えることはすべての出発点ですが、個人、学校、企業、国と、それぞれがバラバラに「自分にできること」をやっているだけで、果たして私たちは生き延びられるのでしょうか。「資本主義」とは違う、世界のみんなで「生き合う」ための新しい軸、「運動」という仕組みを使って、「自分にできることから」を「みんなでやろう」に変換すれば、できることは何倍にも広がります。でも、具体的にどうやったらいいのだろう?

1948年以降、働く人たちの社会運動を推進してきた(公社)国際経済労働研究所が、「運動」を使った国際協力の方法、そのなかでも単なる「調査」ではない「調査運動」の活用方法を提案します。これまで数回実施してきた内容に実務面での情報をプラスし、パワーアップして毎月定期開催します。ワークもありますので双方向に会話しながら楽しく学べます。

開催概要

2022年8月6日(土曜)13:30~15:00

2022年9月3日(土曜)13:30~15:00

以降、10/1、11/12、12/3実施予定。準備が整い次第、ご案内します。

実施方法

Zoom(参加者にURLをお送りします)

参加費

770円(税込)

  • セミナー費:550円、支払システム利用料:220円
  • コンビニ、ペイジー払い可

定員

20名程度


本件にかんするお問い合わせ先

(公社)国際経済労働研究所 吉浜智美

  • yoshihama [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号(研究所):03-3760-1039
  • 電話番号(当日):090-1242-1058



説明会:帝京大学大学院『公衆衛生学研究科・MPH・DrPHコース』7月16日開催

帝京大学大学院公衆衛生学研究科は、人々の健康を守る公衆衛生の専門家を育成する専門職大学院です。Master of Public Health(MPH)やDoctor of Public Health(DrPH)を取得できます。

SDGsでも人々の健康や生活を守ることは、保健医療のみならず、多くのテーマにかかわっています。昨年10周年を迎えた本学では、実践的な公衆衛生の教育を通じて、多くの修了生を輩出してきました。公衆衛生であつかうテーマは幅広くダイナミックです。医療系資格の有無を問わず、人々と社会を健康にすることを目指す方、共に学びましょう。

帝京大学大学院公衆衛生学研究科
School of Public Health(SPH)説明会:
公衆衛生やるなら、帝京SPH

開催概要

  • 日時:2022年7月16日(土曜)9:30~11:00(9:00受付開始)
  • 場所:帝京大学板橋キャンパス(交通アクセス)
  • オンライン参加も可能(Zoomによるライブ配信あり )※オンライン参加の方には、前日までにzoomのURLをお送りします。
  • 申込みフォーム:
  • 申込み期限:2022年7月12日(火曜)12:00

内容:

帝京大学公衆衛生学研究科の概要と特色、専門職学位課程(MPH)と博士後期課程(DrPH)の教育方針、入学者選抜試験に関する説明在校生と修了生による学校生活に関する説明も行います。

説明会終了後の希望者への面談

  • 来校された方:教員が個別面談を行います。
  • オンライン参加の方:教員と在校生がオンライン上で質問に応じます。※後日改めて来校のうえ個別面談を持つことも可能です。

本件にかんするお問い合わせ先

帝京大学板橋キャンパス 事務部教務課(大学院担当)

  • ~tsph/
  • [Facebook]
  • [Twitter]
  • [Email] tsphgakui [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-3964-3294 (直通)
    【受付時間】平日 8:45~16:45、土曜日 8:45~12:00※日曜・祝日・創立記念日(6/29)および年末年始(12/29~1/3)は除く



国際協力のカギ 「調査運動」を考えよう-SDGsの前に私たちが知っておかなければならないこと-

SDGs、エコなどよりよい社会を作るためのたくさんの方法がTVやスマホを通じて流れてきます。しかし、これらが「運動」という観点から語られることはほとんどありません。

「自分にできることは何だろう?」と考えることはすべての出発点ですが、個人、学校、企業、国と、それぞれがバラバラに「自分にできること」をやっているだけで、果たして私たちは生き延びられるのでしょうか。

「資本主義」とは違う、世界のみんなで「生き合う」ための新しい軸、「運動」という仕組みを使って、「自分にもできる」を「みんなでやろう」に変換すれば、できることは何倍にも広がります。でも、具体的にどうやったらいいのだろう?

1948 年以来、 働く人たちの社会運動を支えてきた(公社)国際経済労働研究所が、「運動」を使った国際協力の方法、そのなかでも「調査」ではない「調査運動」の活用方法を提案します。

「調査運動」に1人でも多く取り組めば、世界はきっと変えられる。一緒に考えてください。

開催概要

  • 日時:2022年7月9日(土曜)13:30~15:00
  • 実施方法:Zoom(参加者にURLをお送りします)
  • 費用:770円(税込)
    ※コンビニ、ペイジー払いがご利用いただけます。お支払方法は参加者にご連絡します。
  • 定員:20名程度

申込方法

下記いずれかの方法でお申し込みください。

  1. 申込フォーム 
  2. メール 
    件名に「7/9セミナー申込」と書き、お名前、ご所属、緊急時の電話番号を明記して、下記メールアドレスまでご送付ください。

本件にかんするお問い合わせ先

(公社)国際経済労働研究所
吉浜智美

  • yoshihama [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 03-3760-1039(研究所)
  • 090-1242-1058(当日連絡)



『UNU-IAS:ハイレベル政治フォーラム2022サイドイベント』7月7日開催(会員・一般)

2022年7月5〜15日に開催される「持続可能な開発目標に関するハイレベル政治フォーラム2022」にて、UNU-IASは、気候変動と持続可能な開発との間の相乗効果とトレードオフに関する議論を前進させることを目的としたサイドイベントを開催致します。詳細は、以下のイベント情報をご覧下さい。

本イベントは、オンライン(英語)で行われます。ぜひ多くの方にご参加いただきたく存じます。また、イベント情報の周知にご協力を頂けますようお願い申し上げます。

「気候行動とSDGs— ギャップを解消し相乗効果を高める」

  • 開催日: 2022年7月7日(木曜)
  • 時間:20:30–22:00(日本時間)
  • 形式:オンライン
  • 使用言語:英語

プログラム&参加方法

以下よりご覧いただけます。

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本件にかんするお問い合わせ先

国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)
広報ユニット

  • IAScomms [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

UNU-IASは、ソーシャル・メディア(Facebook、Twitter、Linkedin)やYoutubeからも随時情報発信を行なっております。情報の拡散にお力添え頂けましたら幸いです。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

 




募集案内:PhD scholarship to work on SDGs and the Leaving No One Behind (LNOB) framework at the Ramon Llull University in Barcelona

The “Enric Julià Danés Doctoral Grant” sponsors a three‐year scholarship to pursue a PhD at the IQS School of Management (Universitat Ramon Llull) in Barcelona, Spain under the “Business and Territorial Competitiveness, Innovation and Sustainability” doctoral programme.

詳細は、以下のページをご覧ください。




OECC第4回橋本道夫記念シンポジウム「今後の気候変動対応とウクライナ危機」6月10日開催(会員・一般)

近年世界は、カーボンニュートラルやSDGsの達成に向け、大きな変貌を遂げている中、先般IPCC第6次評価報告書が取りまとめられ発表され、気候変動対策が引き続き喫緊の課題であることを再認識させられました。

海外環境開発協力分野に長く取り組んできた我々として、この報告書からのメッセージをどのように受け止め、今後の活動にどのように反映させていくべきか、とりわけSDGs達成、「環境インフラ海外展開プラットフォーム」(Japan Platform for Redesign: Sustainable Infrastructure: JPRSI)への更なる取組、自然との共生等の観点から、どのような行動が求められているかについて議論します。

また、昨今のウクライナ危機やコロナ禍への対応等、国際社会・経済が激変・複雑化する中で、海外環境開発協力分野において、どのような対応をしていくべきかについて考える糸口を探ります。

開催概要

  • 日時:2022年6月10日(金曜)14:30~17:00
  • 場所:オンライン(Zoom) ※Zoom URLは、参加登録の受付完了メールにてご案内いたします。
  • 参加費:無料

申込方法

以下URL(申込フォーム)よりお申込みください。

プログラム

<開会挨拶>
竹本 和彦(一般社団法人海外環境協力センター(OECC) 理事長)

<来賓挨拶>
中井 徳太郎(環境省 環境事務次官)

<基調講演>
「今後の気候変動対応とウクライナ危機」
三村 信男(OECC会長、茨城大学 地球・地域環境共創機構 特命教授、IPCC/AR6 WG2レビューエディター)

<パネル・ディスカッション>
○パネリスト:
・水谷 好洋(環境省 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官)
・岩崎 英二(国際協力機構(JICA)地球環境部 部長)
・三村 信男(OECC会長)

○コメンテーター:
・亀山 康子(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 教授/国立環境研究所 社会システム領域 上級主席研究員)
・森田 香菜子(森林総合研究所 生物多様性・気候変動研究拠点 主任研究員/慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任講師)
・西川 絢子(環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室 インフラ推進官)
・加藤 真(OECC 理事、業務部門長)

○ファシリテーター:
竹本 和彦(OECC 理事長)


本件にかんするお問い合わせ先

(一社)海外環境協力センター(OECC)

  • oecc_symposium@



JASTE32・ダイバーシティ推進サテライト企画『フィールドワークと月経をめぐる対話:熱帯に暮らす人・動物・フィールドワーカー』6月19日開催(会員・一般)

日本熱帯生態学会より、第32回年次大会(JASTE32)ダイバーシティ推進サテライト企画『フィールドワークと月経をめぐる対話:熱帯に暮らす人・動物・フィールドワーカー』の開催についてご案内がありましたので、お知らせします。

「なあんだ,女性向けの会合か…」と思われたそこのあなた!ちがいます.女性の活躍が推進されて働きやすい環境づくりが求められる今,月経は女性だけのアリーナではなくなりつつあります.それはフィールドワーカーも例外ではありません.「月経中の不調を伝えにくい」,「月経への配慮をしたいけれど,どうすればよいのかわからない」など,フィールドワーク中の月経にまつわる悩みについて,気軽に話し合える環境が求められています.

また,本学会には熱帯地域の自然や社会を対象とした幅広い研究分野の研究者が所属していますが,調査対象(人・動物)の月経事情については知らない,意識したこともないという方が多いのではないでしょうか? 月経への対処は,近年,国際開発の分野においても,女子の就学率の向上,ジェンダー平等,水・衛生環境の向上などの観点から重視されています.

本企画では,男女共同参画だけにとどまらない,多様な分野(文化人類学,霊長類学,国際開発学など)からの話題提供とディスカッションを予定しています.老若男女を問わず,多くの方の参加をお待ちしています.

*国際開発学会は本企画の共催学会となっているため、国際開発学会会員の皆様は無料でのオンライン参加資格があります。事前の参加登録が必要ですので、以下で参加方法の詳細をご確認ください。

開催概要

  • 日時:2022年6月19日(日曜)10:30-12:00
  • 会場:名古屋大学環境総合館 レクチャーホール
  • 開催形式:大会会場とオンライン(Zoom)のハイブリッド形式
  • 参加費:無料
  • 主催:日本熱帯生態学会
  • 共催:国際開発学会,日本オセアニア学会,日本文化人類学会
  • 後援:男女共同参画学協会連絡会,日本霊長類学会,NPO法人FENICS

プログラム

司会

  • 保坂哲朗(広島大学大学院 先進理工系科学研究科・JASTEダイバーシティ担当)
  • 佐々木綾子(日本大学 生物資源科学部・JASTE幹事長)

発表

  • 杉田映理(大阪大学大学院 人間科学研究科)
    「”Break the Silence on Menstruation!”:国際開発のスローガンからSDGsへ」
  • 新本万里子(広島市立大学 国際学部)
    「可視化されていた月経:パプアニューギニア・アベラム人の月経対処」
  • 徳山奈帆子(京都大学 野生動物研究センター)
    「生理が“しんどい”のはヒトだけ?:大型類人猿とそれを研究するヒトたちの生理事情」
  • 四方 篝(京都大学 アフリカ地域研究資料センター・JASTEダイバーシティ担当
    「快適なフィールドワークを求めて:女性フィールドワーカーの月経対応とその課題」

コメント・ディスカッション

  • コメンテータ:山極壽一(総合地球環境学研究所)

参加登録

本企画に参加を希望される方は,大会参加登録とは別途,事前の参加登録が必要です(大会に参加されない方も本企画に参加することができます).

  • 参加登録フォーム:2tUUeoYb734RmHAt7

参加資格

本企画への参加は,日本熱帯生態学会員・連携学会員・本企画の共催学会員(以下を参照)ならびに大会参加登録者に限定させていただきます.大会参加登録をしていない非学会員で本企画に参加をご希望の方は,いずれかの学会にご入会していただくと参加登録が可能です.

連携学会

東南アジア学会,日本アフリカ学会,日本サンゴ礁学会,日本タイ学会,日本泥炭地学会,日本熱帯農業学会,日本マングローブ学会,日本島嶼学会

共催学会

国際開発学会,日本オセアニア学会,日本文化人類学会男女共同参画・ダイバーシティ推進委員会

*日本熱帯生態学会へのご入会はこちら→JASTE入会案内(https://gakkai)
(参考:年会費一般(常勤):6,000円,一般(非常勤):1,000円,学生:1,000円)

参加方法

開催日が近づきましたら,サテライト企画に参加登録(https://)をされた方全員に、ZoomのURLをメールで連絡します.開催前日になってもメールが届かない場合は,学会事務局(jas@)にご連絡ください.また,メールがスパムに分類されることもありますので,スパムフォルダもご確認ください.

なお,サテライト企画に対面で参加できるのは,大会に対面参加登録をされた方のみとなりますのでご注意ください.それ以外の方は,オンラインでご参加ください.オンライン上で質問・コメントを受け付けます.


本件にかんするお問い合わせ先

参加登録にかんするお問い合わせ
日本熱帯生態学会学会・学会事務局

  • @(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

講演内容にかんするお問い合わせ
杉田映理(大阪大学)

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新刊案内『私たちのサステイナビリティ:まもり、つくり、次世代につなげる』(岩波ジュニア新書)

国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)が普及しはじめ、企業の経営戦略、自治体の総合計画、そして学校教育のなかで扱われることが一般的になってきました。しかし、現場では「SDGsは知っているが、サステイナビリティについてはよくわからない」という声を多く聞きます。こうした状態は、サステイナビリティや持続可能な開発という本来の目的をぼやけさせ、方法であるはずのSDGsを目的化してしまうという状況をつくり出しているのではないでしょうか。

本書は、岩波ジュニア新書シリーズとして刊行されており、サステイナビリティという概念(=考え方)を中高生〜大学生に向けて、わかりやすい言葉で解説しています。「SDGs時代」と呼ばれる今日ですが、この時代の価値観であるサステイナビリティという概念を駆使して18個目のSDGsを考え出すような次世代を、私たちはどのように生み出していけるのでしょうか。本書がそうした考え、特に次世代にむけたサステイナビリティ教育に関する議論のきっかけになれば幸いです。
ご批判・ご指導のほどどうぞ宜しくお願い申し上げます。

『私たちのサステイナビリティ: まもり、つくり、次世代につなげる』

目次

はじめに

第1章 サステイナビリティを「知る」

1 「サステイナビリティ」と聞いて思い浮かぶもの
2 語源は「下から支える」
3 「持続可能な開発」という考え方
4 サステイナビリティの描き方
5 サステイナビリティの存在と実在

第2章 サステイナビリティを「問い直す」

1 「持続可能性」という和訳を問い直す
2 主語を問い直す
3 自然のとらえ方を問い直す

第3章 サステイナビリティに「取り組む」

1 サステイナビリティの実践
2 和食給食応援団――日本の食文化を次世代につなぐ
3 タイニーピースキッチン――家庭料理のレストラン
4 シェアビレッジ――貨幣経済の外側でつながる仕組み
5 考えの道筋を示してサステイナビリティを社会に実装していく

第4章 サステイナビリティを「学ぶ」

1 サステイナビリティ学のススメ
2 サステイナビリティ学のはじまり
3 サステイナビリティ学の特徴
4 サステイナビリティ学を学んだ人が習得しているスキル
5 次世代のための社会をつくる人になる

注釈
おわりに


本件にかんするお問い合わせ先

岩波書店サイト:
*本書についてのお問い合わせは、国際教養大学・工藤尚悟までお願い致します。

  • skudo [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



第4回・オンラインによるロシア・中央アジア映画上映会『鳥のミルク』6月3日開催@筑波大学(会員・一般)

筑波大学「日本財団 中央アジア・日本人材育成プロジェクト (NipCA)」では、中央アジアの文化とSDGsへの理解促進のため、日本で未紹介の作品を選び、オンラインによるロシア・中央アジア映画上映会を開催しております。

第4回目となる今回はモルドバ内の分離国家、沿ドニエストル共和国(トランスニストリア)で初めて撮影された劇映画、エウジェン・マリヤン『鳥のミルク』(2021)を上映いたします。

ヨーロッパ最貧国とも言われる旧ソ連を構成していたモルドバの東部には、ウクライナとの国境にドニエストル川を隔てて沿ドニエストル共和国(トランスニストリア)という未認可国家が存在します。国際的にモルドバの一部と広くみなされている分離国家ですが、ロシア系住民が多く住み、ロシア軍も駐留していることから火種を抱え、今年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻によってその緊張はさらに高まっています。

第4回上映会では、この地域への想像力を涵養するため、沿ドニエストル共和国で初めて撮影された劇映画を上映いたします。詳細につきましては以下をご参照ください。また、ご関心のある一般の方へもご案内頂けますと幸いです。尚、定員を超えたお申し込みがあった場合は先着になりますこと、ご了承ください。皆様のご参加をお待ち申し上げております。

開催概要

  • 日時:2022年6月3日(金曜)19時15分〜21時20分
  • 会場:Zoom Meeting(解説)/ Vimeo(映画上映サイト)
  • 定員:500名
  •  解説:梶山祐治(筑波大学 UIA)

上映作品

  • 『鳥のミルク』(2021年、76分)
  • 監督:フエウジェン・マリヤン
  • ロシア語/日本語字幕付き

プログラム

19:00 Zoom開場 ※お早めにお入りください
19:15 作品解説「ウクライナの沿ドニエストル共和国の表象」梶山祐治(筑波大学 UIA)
19:55 上映会場開場 (Vimeoへ移動)
20:00 映画『鳥のミルク』(76分)上映(〜21:20予定)
※初めにZoomで作品解説を行なった後、>Vimeoへ移動していただきます。ご案内は、作品解説中にいたします。

参加申し込み

本講演会は Zoom を使用します。下記申込フォームにて参加登録をしていただくと、どなたでも無料でご参加いただけます。ご登録後、講演会入室のための URL をお送りいたします。Zoomが繋がらないなどの相談は受けられませんので予めご了承ください。
webinar/register/WN_0fMJWemzThSV3ZPPyjd1zQ


本件にかんするお問い合わせ先

筑波大学「日本財団 中央アジア・日本人材育成プロジェクト(NipCA)」
NipCA プロジェクト担当事務室

  • Email: info[at].  ([at]を@に変えてお問い合わせください)
  • 電話番号:029-853-4251

 




オンライン講座 「SDGsから考える脱石炭:いま筑豊炭田から何が学べるか」6月17日開催(会員・一般)

気候変動問題が深刻化するなか、温室効果ガス排出削減のため多くの国が石炭依存から抜け出す道筋を積極的に探り始めています。一方で、脱石炭の動きは、炭鉱の閉山や石炭火力発電所の廃止を招き、そこで働いてきた人びとの雇用や立地地域の経済、地域コミュニティなどへ大きな影響をもたらします。

気候変動問題は国際社会が実現を目指すSDGs(持続可能な開発目標)の重要課題のひとつですが、環境やエネルギーの問題にとどまりません。私たちの暮らす地域や生活、仕事の持続可能性も、SDGsの課題なのです。

脱石炭に向けた社会への移行を進めるには、影響を受ける地域や人々を考慮し、公正で包摂的な形で実施することが重要ですが、その道のりは簡単ではありません。世界中でその実現を模索するなかで、筑豊炭田をはじめ日本の旧産炭地がかつて直面したエネルギー革命と炭鉱閉山の経験から、私たちがいま学ぶべき教訓があるのではないか。

本セミナーはこうした問いを中心に、SDGsの文脈から「誰一人取り残さない」脱炭素化社会に向けた示唆を得ることを目的に開催いたします。皆様のご参加をお待ちしています。

開催概要

  • 日時:2022年6月17日(金曜)15時00分~16時30分*ディスカッションの状況によっては終了時間を超えて延長する可能性があります。
  • 会場:オンライン(Zoom ビデオウェビナー)*本講座はWEB会議ツール「ZOOM」を用いて行われます。事前にご利用のPC・スマートフォン等で、ZOOMが利用可能かご確認ください。
    〔ウェビナーご利用条件・免責事項〕
    お申込みの前に以下のURLより、「ウェビナーご利用条件・免責事項」をご覧ください。
  • 使用言語:日本語
  • 参加費:無料
  • 主催:ジェトロ・アジア経済研究所
  • 共催:地球環境戦略研究機関(IGES)
  • 後援:田川市、田川市教育委員会

プログラム

※変更の可能性があります。
15:00~15:05
趣旨説明
佐藤 寛(ジェトロ・アジア経済研究所 研究推進部 上席主任調査研究員)

15:05~15:15 
「国際社会の石炭脱却に向けた動き(仮)」
大田 純子(地球環境戦略研究機関(IGES)北九州アーバンセンター 研究員)

15:15~15:25
「脱石炭:旧産炭地から学ぶ教訓(仮)」
佐々木 晶子(ジェトロ・アジア経済研究所 研究推進部 開発・新領域研究推進課 研究マネージメント職)

15:25~15:35 
「炭鉱閉山と田川市:地域再生からSDGs実現に向けた道のり(仮)」
中村 太郎(田川市 経営企画課 企画政策係 係長)

15:35~15:45
「旧産炭地の博物館の取組み(仮)」
福本 寛(田川市石炭・歴史博物館 文化生涯学習課文化係 事務主査)

15:45~16:30 
ディスカッション
モデレータ:佐藤 寛(ジェトロ・アジア経済研究所 研究推進部 上席主任調査研究員)

お申込み方法

以下のURLにアクセスしてお申込みください。

ただし、次の期間はシステム改修のためサービスを休止しております。作業進捗により予定終了時刻が前後する場合がございます。何卒ご了承ください。

  • お申込み休止期間:
    2022年5月20日(金曜)18時00分~5月23日(月曜)13時00分(日本時間)
  • お申込み締め切り:2022年6月15日(水曜)13時00分
    *ただし、配信可能人数に達した場合、事前に締め切らせて頂きます。

本件にかんするお問い合わせ先

ジェトロ・アジア経済研究所
研究推進部 研究イベント課

  • E-mail: seminar [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:043-299-9536
  • Fax番号:043-299-9726



新刊案内『SDGs時代の評価:価値を引き出し、変容を促す営み』

「SDGsの評価は難しい」という声をよく耳にしますが、それはもしかすると、SDGsが実現しようとする変革性(system transformation)に対して、従来型の評価の概念や枠組みが適応できていないからかもしれません。本書が、SDGs時代に求められる評価の議論に一石を投じることができれば幸いです。ご批判、ご指導のほどどうぞよろしくお願い申し上げます。

概要

  • 米原あき・佐藤真久・長尾眞文(編著)
  • 工藤尚悟・今田克司・マイケル・クイン・パットン(著)
  • 『SDGs時代の評価:価値を引き出し、変容を促す営み』(筑波書房)

Amazonサイト 

目次

  • はじめに:SDGs時代の評価を考える(米原あき)
  • 第1章:価値を引き出す評価とそのしくみ(米原あき)
  • 第2章:持続可能性における評価:協働と学びをつなげる評価のしくみ(佐藤真久)
  • 第3章:日本の対アフリカ協力事業の評価:協働パートナーシップの可能性(長尾眞文)
  • 第4章:通域的な学び:異なる風土にある主体が学び合う方法論の提案(工藤尚悟)
  • 第5章:発展的評価を日本の文脈で考える(マイケル・クイン・パットン/翻訳:長尾眞文・今田克司)+第5章解題(今田克司)
  • 第6章:グローバル課題の解決における評価の役割:ブルーマーブル評価の前提と基本(今田克司)
  • おわりに(佐藤真久・米原あき)

(「はじめに」より)
…評価学における評価の定義は既述のとおりだが、英語の「evaluation(評価)」という言葉の原義は、「extract value(価値を引き出すこと)」にある。また、評価哲学の父と呼ばれるスクリヴェンによれば、評価とは、物事の内在的な価値≒本質(merit)、外部から品定めされた価値≒値打ち(worth)、そして社会的な価値≒意義(significance)を吟味するプロセスのことであるという(Scriven, 1991)。本書に頻出する「評価」という言葉は、ある対象の外側からその対象の価値を品定めする視点だけではなく、その対象の本質的な価値に寄り添い、その対象がもつ社会的な価値を引き出す 姿勢をも含む概念として捉えられている。したがって、このような評価の概念は、学びや協働と切り離して考えることはできない。多様な価値がせめぎ合う中で、それらを調和したり、そこから新たな価値を創出したりすること、あるいはそのための手助けをすること――本書が想定する「評価」という営みにはこのような働きが含まれている。


本件にかんするお問い合わせ先

米原あき

  • yonehara [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『SDG4教育キャンペーン2022』~5月31日(会員・一般)

「SDG4(エス・ディ・ジー・フォー)教育キャンペーン」は、SDGs(持続可能な開発目標)のゴール4(教育目標)を達成するための世界規模のキャンペーンです。

現在、世界の子どもの2億5900万人が小中高校に通えていません。また、読み書きができない大人は7億3000万人も存在し、うち6割は女性です。新型コロナウイルス(COVID-19)による学校閉鎖のため、ピーク時には約15億人の子ども・若者が就学の機会を奪われました。

日本においても、小中学校に行っていない外国籍の子どもは2万人、小中高校における不登校の子どもは23万人もいます。また、日本語の読み書きが不自由な大人もいます。

「持続可能な開発目標(SDGs)」では、目標4「質の高い教育をみんなに」を掲げていますが、COVID-19の影響により「世界の教育分野のこの20年間の前進は帳消しになった」ともいわれています。そんな今だからこそ、SDG4達成のための政策を実現するために、みんなの声を国会議員と日本政府に届けましょう!

実施期間

2022年4月1日(金曜)~5月31日(火曜)

対象者

個人・学校・グループで、どなたでも参加できます

参加方法

以下の3つの方法のいずれかで参加できます

  1. オンラインで選択・投票する
  2. 授業・ワークショップをやる
  3. 子どもロビイングに参加する

※オンライン投票は4月1日(金曜)~
※キャンペーン公式教材(無料)をご利用ください。教材お申込み、選択・投票はウェブサイトから(

政党アンケート結果を公開!

SDG4教育キャンペーンは、今年3月に9政党にSDG4(教育目標)に関するアンケートを実施しました。8政党(自民・公明・立憲・共産・維新・国民・れいわ・社民の各党)から得た回答を掲載しています。
know/
※政党名は6月1日以降に公開します

回答を読んで、あなたが最も賛同する政党は?

オンライン投票でキャンペーンに参加できます。
voice/

アンケート結果を使って授業をやってみよう!

市民教育・主権者教育の機会にもなります。
think/


本件にかんするお問い合わせ先

「SDG4教育キャンペーン」事務局(開発教育協会(DEAR)内)
E-mail:@
※お問い合わせはメールでお願いします。
URL:sdg2022/
Facebook:.com/
Twitter:JNNE_GCE

主催

教育協力NGOネットワーク(JNNE)

教育協力に関わるNGO21団体を中心としたネットワーク

実施団体
  • 認定NPO法人 開発教育協会(DEAR)
  • 公益社団法人 ガールスカウト日本連盟
  • 公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)
  • 公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)
  • 認定NPO法人 チャイルド・ファンド・ジャパン(CFJ)
  • 公益財団法人 プラン・インターナショナル・ジャパン
  • 認定NPO法人 フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)
  • NPO法人 ラオスのこども
  • 認定NPO法人 ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)



第23回・春季大会のお知らせ【第2報】

知っちょるよ、もうやっとるよSDGs

この度は、多数の応募どうもありがとうございました。深くお礼を申し上げます。応募について国際開発学会第第23回春季大会プログラム委員会により2022年3月27日に開催された会合にてレビューされ、採択結果については、応募者に、大会にて発表頂く際の使用言語、および発表形式(一般口頭、またはポスター発表)とともに、応募者の皆様にすでにお送りした通りです。ご確認下さい。

なお、1日の大会で地域、教育、子供、開発、NGO、SGDs、災害、環境、社会経済、などのテーマで17セッション(企画セッション3セッション、ラウンドテーブル7セッション、一般口頭セッション7セッション)、ポスターセッションとブックトークを予定しています。

以下、論文提出、参加登録方法、その他についてお知らせします。

今後の流れ

口頭発表者(一般口頭発表、または企画セッション)

  1. 大会ページよりJASID規定論文フォーマットダウンロード
  2. 大会ページ内、参加者登録フォームより参加登録、論文提出
  3. 参加費支払い(リンクがフォームを送付すると送られます)
  4. 大会プログラムページ、およびオンライン出展ページにアクセス、そこでZoomのリンクも公開
  5. 事前リハーサル参加(オプション)
  6. 当日参加

ポスターセッション発表者

  1. 大会ページ内、参加者登録フォームより参加登録
  2. 参加費支払い(リンクがフォームを送付すると送られます)
  3. 第23回春季大会実行委員会からの連絡に従い提出物を提出
  4. 大会プログラムページ、およびオンライン出展ページにアクセス、そこでZoomのリンクも公開
  5. 当日参加

企画セッション、ラウンドテーブルオーガナイザー

  1. JASID規定要旨フォーマットダウンロード
  2. 大会ページ内、参加者登録フォームより、参加登録、セッション要旨の提出
  3. 参加費支払い(リンクが参加登録をすると送られます)
  4. 大会プログラムページ、およびオンライン出展ページにアクセス、そこでZoomのリンクも公開
  5. 事前リハーサル参加(座長や司会者ではない場合はオプション)
  6. 当日参加

座長、司会者、コメンテーター、およびその他の参加者について

  1. 大会ページ内、参加者登録フォームより、参加登録
  2. 参加費支払い(リンクが参加登録をすると送られます)
  3. 大会プログラムページ、およびオンライン出展ページにアクセス、そこでZoomのリンクも公開
  4. 事前リハーサル参加(座長、司会者は必ず出席して下さい)
  5. 当日参加

<注意事項>

※以下、全セッションの発表予定者に関しては採択通知の際にお知らせしたものと同じです。

*口頭発表者(一般口頭発表、または企画セッション)の方へ

採択結果を受けた皆様は、通知メール内の発表使用言語を確認の上、その言語で論文をJASID規定フォームを用いて、A4・4ページの短いバージョン、もしくはA4・16ページ以内のフルペーパー)を作成し、4月30日(土曜)23:59までに大会ホームページの大会参加登録フォームより参加登録をした後、アップロードして提出して下さい。締め切りまでに提出がない場合には、報告をキャンセルさせて頂く場合があります。

当日、大会における発表は20分となります。大会当日までに論文をもとにパワーポイントなどプレゼンテーション資料を用意して頂き、画面共有をして当日発表して頂きます。なお、誤字やスペルチェックは事務局では致しませんので、ご自分ですませてから提出をお願いします。

*ポスター発表者の方へ

採択結果を受けた皆様は、国際開発学会第23回春季大会実行委員会よりすでに直接連絡が行っておりますので、そちらの指示に従って下さい。

*企画・ラウンドテーブルセッション オーガナイザーの方へ

採択結果を受けた企画セッションオーガナイザーは、発表者全員に対し、各発表者自身で参加登録をし、大会参加登録フォームより作成した論文を各々アップロードして提出するよう伝えて下さい。また、座長、発表者、コメンテーター名を入れ、企画セッション全体の要旨を、JASID規定フォームA4・1ページ以内で作成して、4月30日(土曜)23:59までに大会ホームページの大会参加登録フォームより参加登録をした後、アップロードして提出して下さい。

ラウンドテーブルオーガナイザーは、司会、パネリスト名が入った全体の要旨(話題提供者の要旨は別でも、含んでも良い。)をA4・1ページ以内で作成し、4月30日(土曜)23:59までに大会ホームページの大会参加登録フォームより参加登録をした後、参加登録フォームよりアップロードして提出して下さい。なお、誤字やスペルチェックは事務局では致しませんので、ご自分ですませてから提出をお願いします。

*参加者登録および参加費について

参加費は、一律1名3,000円で、クレジットカードでのみ支払いが可能です。また紙での領収書は、オンラインでの実施に伴い、今回の大会につきましては申し訳ありませんが用意できません。クレジットカード明細、また、支払い時に決済システムより発行される領収書をもってかえさせていただきたく存じます。

口頭発表者、ポスター発表者、また企画セッション、ラウンドテーブルオーガナイザー、座長、コメンテーターの方々は、オンラインでの事前リハーサルやProceedingsの関係上、大会ホームページより5月16日(月曜)23:59までに参加費をお支払い下さいますようお願いいたします。

その他の参加者の皆様につきましては、大会前日6月17日(金曜)18:00まで参加費を受け付けております。随時大会参加登録フォームを提出後、参加費をお支払い下さい。なお、一度支払いされると大会プログラム、オンライン出展ページへのアクセスが可能になるため、支払いについての返金はありません。

*各セッションの座長、コメンテーターの方々へ

各セッションにおける座長、コメンテーターは、3月下旬から4月上旬に依頼メールを実行委員会から送付しますので、ご協力下さい。引き受ける方は必ず大会参加登録フォームを提出し、参加費をお支払い下さい。

*大会プログラムページ

大会プログラムページは、大会プログラム最終版、Proceedings、ポスター発表、Zoomについてなどが掲載されるページで、参加費の支払いとともに、そのリンク先であるURLとパスワードをご連絡いたします。こちらのパスワードへの個人的な問い合わせには応じかねますので、保管をお願いいたします。
大会プログラム最終版やProceedingsは、5月中下旬に大会プログラムページに掲載予定です。なお大会当日のZoomのID、PWにつきましては、大会プログラムページに6月上旬~中旬に掲載予定です。

*オンライン出展ページ

今大会では、従来の大会での出展をオンラインで実施いたします。複数の出版社が出店し、大会参加者は商品を特別割引で購入することができます。このページでは、注文書や問い合わせ先、商品が閲覧できます。参加費の支払い後、アクセスするためのURLとパスワードをお送りします。同じく、こちらのパスワードへの個人的な問い合わせには応じかねますので、保管をお願いいたします。6月上旬頃よりご覧になれますので、ぜひこの機会にご覧いただき、ご購入いただければと思います(商品の配達は日本国内のみ)。

*大会セッションの録画について

本大会はオンラインで実施されるため、途中で通信がダウンする可能性も考え、各セッションにおいて録画をさせて頂き、大会終了後も大会参加者のみがアクセスできる大会プログラムページにて、一定期間(大会終了後、視聴が可能になってから2週間程度を予定)視聴できるようにする予定です。なお、大会当日ビデオオンにできるのは、基本的に座長、コメンテーター、発表者になります。参加登録フォームにおいて、肖像権、著作権、個人情報保護法について伺っていますので、ご確認下さい。

*各セッションのフォーマット

各セッションは、120分で、座長/司会・1名、コメンテーター・2名、発表者・2~4名から成り立っています。基本的に発表・20分、コメンテーター・5分、回答・3分、残りの時間はディスカッションを考えています。座長/司会者は、残りの時間でファシリテーションをお願いいたします。

*特別セッション

最後に皆様に我々の特別セッションについてお知らせします。大会当日6月18日16:50~18:50は、プレナリーセッションを全体テーマ「知っちょるよ、もうやっとるよSDGs」のもと開催し、地方創生のもとSDGsの理念にそった地域づくりに奮闘する関係者を招き、本音で語り合うことを通して、参加者の皆様と次の時代の開発、国際協力を考えたいと思います。

すべてオンラインで実施されます。詳細につきましては、大会ホームページ(https://)をご覧ください。ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちしております。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会 第23回・春季大会実行委員会
実行委員長:佐野麻由子(福岡県立大学教授)
事務局長:林 裕(福岡大学准教授)

  • jasid2022spring [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 国際開発学会第23回春季大会のお知らせ【第1報】 ()



新刊案内『SDGsゴールとターゲットの全解説』

この度、『SDGsゴールとターゲットの全解説』を2022年3月に出版致しましたので、この場をお借りしてご案内申し上げます。

今日、我が国でSDGsへの関心はますます高まり、SDGsについて日々多くの情報が提供されています。その一方で、SDGsの各ゴールの内容を、特にターゲットレベルで解説した資料は限られています。そこで本書では、SDGsの17ゴールとこれに紐づく169のターゲットについて、専門用語を用いず平易な言葉で解説することを試みました。また各ターゲットの相関関係を整理し、民間ビジネスと各ターゲットとの関連性についても事例を挙げて説明しています。

本書の特徴は次のとおりです。

  • SDGsの17ゴールに紐づく169のターゲットの内容を、難解な専門用語を用いず平易に解説している
  • 各ターゲットの相関関係を整理し、民間ビジネスとの関連性を示している
  • SDGsターゲットごとのビジネステーマの一覧表と索引が添付されている

SDGsを題材とした研修会、勉強会を企画する際の準備資料、あるいは企業の事業活動にSDGsを関連付ける際の参照資料として、本書をご活用いただければ幸いです。

  • 書籍名:SDGsゴールとターゲットの全解説
  • 著者:三井久明(みついひさあき)
  • 出版社:東京図書出版
  • ISBN:978-4-86641-505-5
  • 定価:1,650円(電子書籍版:1,115円)

本件にかんするお問い合わせ先

国際開発センター・SDGs室
三井久明

  •  mitsui.h [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)
  • 電話番号:03-6718-5932



中東研究セミナー「中東のベーシック・インカムに関する研究会」3月25日開催(会員・一般)

上智大学アジア文化研究所は、下記の要領で法政大学教授の岡野内正さんに「アラブ世界ではなぜベーシック・インカムへの関心が低いのか?」についてお話を伺います。皆様のご参加をお待ちしております。

中東およびグローバル・サウスにおける社会理論、国際政治経済学、イスラーム社会論を専門とする岡野内正 法政大学社会学部教授に、昨年6月に出版されたご著書「グローバル・ベーシック・インカム構想の射程――批判開発学/SDGsとの対話」を踏まえて、(1)18世紀末イギリスから最近の世界銀行のハンドブックに至るまでのベーシック・インカム論の歴史を踏まえたうえで、(2)21世紀初頭以来の村落レベル実験の社会・経済開発効果のエビデンス、(3)最近の世界のベーシック・インカム要求運動のめざましい広がりと明らかになってきた政治的課題、(4)アラブ世界でベーシック・インカムへの関心が低い理由についてお話を伺います 。中東社会論、政治経済論、福祉国家・福祉レジーム論、社会運動論等にご関心のある方は奮ってご参加ください。

開催概要

  • 日時:2022年3月25日(金曜)16時00分~17時30分
  • 場所:Zoom(参加者宛に情報をお送りします)
  • 主催:上智大学アジア文化研究所

お申込み方法

以下のURLよりお申し込みください(締切日:2022年3月23日)
kKNrbQsvcmt38S899

プログラム

16:00 – 16:05 趣旨説明(岩崎えり奈 上智大学)
16:05 – 16:45岡野内 正(法政大学社会学部)「アラブ世界ではなぜベーシック・インカムへの関心が低いのか?」
16:45 – 17:30 ディスカッション

参考文献

  • 岡野内正『グローバル・ベーシック・インカム構想の射程――批判開発学/SDGsとの対話』法律文化社、2021年6月
  • 岡野内正『グローバル・サウスとは何か』松下冽・藤田件憲(編著)「第8章 生存権をめぐる底辺からの運動―自立と権利」ミネルヴァ書房、2016年11月
  • 岡野内正「第19章 中東と世界の未来のために―歴史的正義回復に向けた市民運動を」長沢栄治・栗田禎子編著『中東と日本の針路―「安保法制」がもたらすもの』大月書店、2016年5月
  • 岡野内正「アラブの春は西クルディスタンで花開いたか?――シリア内戦におけるロジャヴァ革命研究のために」『アジア・アフリカ研究』2021年第61巻 第2号, 35-53

本件にかんするお問い合わせ先

上智大学アジア文化研究所

  • i-asianc [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



募集案内:OECD事務局開発協力局(JPO)求人(会員・一般)

外務省では、若手人材を国際機関に派遣するJPO候補者を2022年3月7日まで募集中です。

今年はSDGs達成のための開発資金の分析やその統計方法論を扱うOECD開発協力局のFinancing for Sustainable Development Divisionのポストがございます。現在、SDGs目標からなる2030アジェンダの達成と更なる民間資金の呼び込みが求められるなか、途上国開発資金のトレンド分析やインサイトの発信、国際スタンダードの構築は重要性を増しており、重要なポストとなります。学会員の皆様、もしくは周辺にご関心のある方がいらっしゃいましたら、是非ご検討頂けますと幸いです。

募集要項

2点目URLの「OECD(経済協力開発機構)」をクリックすると、「6. Junior Policy Analyst/Economist – Junior Professional Officer, Development Cooperation Directorate – Financing for Sustainable Development Division – Policy and Strategy Unit」が当該ポストのジョブディスクリプションとなります。


本件にかんするお問い合わせ先

外務省・国際協力局
研究調査員 福岡杏里紗

  • [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



第1回研究会・「社会的連帯経済」研究部会の立ち上げ(会員・一般)3月9日

世界的に関心が高まりつつある社会的連帯経済(SSE)を幅広い視点から研究する部会が、国際開発学会にてスタートします。初回の研究会を以下のとおり開催しますので、ご関心の皆さまにお呼びかけします。

開催概要

  • 日時:2022年3月9日(水曜)15時00分~17時00分
  • 会場:オンライン開催(当日の参加リンクは、申し込みフォームに登録したメールアドレス宛に後日送付)
  • 参加費:無料

お申込方法

以下のURLよりお申込みください。
forms/d/e/1FAIpQLSe-qdE-YWtNZLLzgKw3YC2dXBFdKMuSPzPFLmQu3nsf4yOeng/viewform?usp=pp_url
※申込締切日:3月8日(火曜)

プログラム

基調報告:「社会的連帯経済(SSE)の現在と未来 ー日本と世界の動向から」
伊丹謙太郎(法政大学大学院連帯社会インスティテュート教授)

司会進行:古沢広祐(国際開発学会「社会的連帯経済・研究部会」代表)
コメンテータ:関係者にて調整中

ILO日本事務所から報告書「日本における社会的連帯経済の現状と課題−12の事例で考える−」が出ました。執筆者の伊丹先生からの基調報告をもとに、SSEの現在と未来について参加者の皆さまと、幅広く議論したいと思います。

*報告書は昨年12月16日(木曜)に開催したILO-JCA共催ウェビナー「社会的連帯経済(SSE)でつながる」の成果文書でもあります。2022年の第110回ILO総会では、「人間中心の仕事の未来のための社会的連帯経済(SSE)」について、政労使代表が初めて話し合う予定です。このことは、政府や社会的パートナーが、利益だけではなく人間を中心に据える社会的な事業モデルに注目していることを意味しています。
SSEについて更に議論を深めることは、コロナ禍、そしてウイズコロナの課題に取り組みより良い社会を再建するために不可欠です。(ILO日本事務所)

(報告書は、以下から入手できます)
ILO-JCAウェビナー「社会的連帯経済(SSE)でつながる」成果文書:
information/pr/WCMS_835630/lang–ja/


本件にかんするお問い合わせ先

「社会的連帯経済」研究部会

  • japan-info [at] solidaridad (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

*「社会的連帯経済」研究部会/国際開発学会について:
(Social and Solidarity Economy)
social-and-solidarity-economy/

*関連情報1:協力団体ソリダリダード・ジャパンの「ポットキャスト」
japan/episodes/Episode-3-e1alti4

*関連情報2:abt10周年イベントレポート:アーカイブ:録画・内容紹介
「公正で持続可能な社会に向けて~SDGsと脱成長コミュニズムから資本主義を問う~」
.org/abt10th-report04/




第32回全国大会セッション報告

11 月 20 日 (土曜)/ Sat. Nov. 20th, 2021

午前 I セッション/ Morning Session I 9:00-11:00 (GMT +9)

A1. 医療

  • 座長:松山章子(津田塾大学)
  • コメンテーター:明石秀親(国立国際医療研究センター)、青柳恵太郎(メトリクスワークコンサルタンツ)

発表者

  1. 「パンデミックにおける医薬品へのアクセス― COVID-19との闘いにおける国際的な公正さとは―」
    勝間靖(国立国際医療研究センター(NCGM)グローバルヘルス政策研究センター(iGHP))
  2. 「出産をめぐる医療サービスの利用と課題―パプアニューギニア・アラペシュ人女性の出産場所の選択をめぐって―」
    新本万里子(広島大学)
  3. 「ベトナム中部における新型コロナウィルス感染症の医療サービス利用への影響 ― トゥア・ティエン・フエ省の医療データベースを使った分析 ―」
    島村靖治(神戸大学)
  4. 「ベトナム中部における妊産婦の検診・出産における医療施設選択行動の分析」
    佐藤希(愛知学院大学)

本セッションでは、「パンデミックにおける医薬品へのアクセスーCOVID-19 との闘いにおける国際的な公正さとはー」(国立国際医療研究センター グローバルヘルス政策研究センター・勝間靖)、「出産をめぐる医療サービスの利用と課題―パプアニューギニア・アラペシュ人女性の出産場所の選択をめぐってー」(広島大学・新本万里子)、「ベトナム中部における新型コロナウィルス感染症の医療サービス利用への影響―トゥア・ティエン・フエ省の医療データベースを使った分析―」(神戸大学・島村靖治)、「ベトナム中部における妊産婦の健診・出産における医療施設選択行動の分析」(愛知学院大学・佐藤希)の4件の発表が行なわれた。

勝間氏の発表は、COVID-19の医薬品、とくにワクチンをめぐる国際的格差の背景と公正に向けた取り組みの状況と課題を分析した、感染症パンデミック時代にタイムリーで重要な問題提起である。

新本氏は、文化人類学者マーガレット・ミードがかつて研究を行なった地域で行なわれた調査地からの報告であり、丁寧な聴き取りによって、女性の妊娠、出産を取りまく社会・文化的背景が近代化の中で変容しつつあることを描きだしている。

島村氏は、COVID-19パンデミックがベトナム中部地域における住民の医療サービスの利用にどのような影響を与えたかを、医療施設の受診記録を分析することで明らかにすることを試みた。この時期に大変貴重な研究であり、今後さらに追加されるデータの分析も待ち望まれる。

佐藤氏は、同じベトナム中部地域において、妊産婦の医療施設設選択行動、とくに1992年に導入された公的医療保険制度の加入の有無も考慮し調査、分析を行なった。中所得国における医療保険がサービス利用にどのような影響を与え、またどのような課題があるのかを明らかにすることは、他地域や国々にも有意義である。

コメンテーターは、国立国際医療研究センターの明石秀親氏と、METRICS WORK Consultantsの青柳恵太郎氏の2人がつとめ、各研究報告に対してより理解を深めるとともに、今後、研究を更に発展させるためのヒントとなるような質問やコメントが行なわれた。

初日朝一番のセッションであったが、20名近くの参加者があり関心の高さがうかがえた。

(松山章子)


B1. インフラと草の根開発

  • 座長:林薫(文教大学)
  • コメンテーター:花岡伸也(東京工業大学)、重冨真一(明治学院大学)

発表者

  1. 「バングラデシュ農村の飲料水供給におけるNGOの乱参入―シャムナゴール郡の事例から―」
    山田翔太(立命館大学大学院)
  2. 「ラオスの少数民族モン族の移転に関わるごみ処理のマネジメントの構築 ― ナムニアップ1水力発電プロジェクトに関わる少数民族の移転事例 ―」
    筒井勝治(ニュージェック)、冨岡健一(GUDC)、村上嘉謙(関西電力)
  3. 「NGOによる開発途上国での農道渡河部のアクセス向上に向けた橋梁架設支援」
    福林良典(宮崎大学)、木村亮(京都大学大学院)
  4. 「フィリピンのインフラガバナンス / Infrastructure Governance of the Philippines: Has “The Golden Age of Infrastructure” come?」
    伊藤晋(新潟県立大学)

本セッションではインフラ開発・支援に関する4件の報告が行なわれた。

第1発表の山田翔太会員による「バングラデシュ農村の飲料水供給におけるNGOの乱参入」では、バングラデシュの飲料水供給に取り組むNGOの課題を取り上げた。

本研究は、多くのNGOが飲料水支援をしているが、維持管理は受益者に任せており、NGO自身の水質調査やモニタリングは不十分であることが報告された。これに対し、需給状況、水質低下の原因などの点について議論が行なわれた。

第2発表では、筒井勝治会員、富岡健一会員、村上嘉謙会員による「ラオスの少数民族モン族の移転に関わるごみ処理のマネジメントの構築」について報告が行なわれた。ラオスではゴミ処理場の容量が不足しており、資機材の不足、人材不足、意識の低さも問題となっていることが報告された。

ダム建設とごみ処理の関係について指摘がなされたが、報告者からは、水力発電プロジェクトのコンポーネントとして実施されたことに意味があるとの回答がなされた。

第3発表の福林良典会員、木村亮会員による「NGOによる開発途上国での農道渡河部のアクセス向上に向けた橋梁架設支援」では、福林会員より途上国の農道や生活道路の5割以上の通行困難な状態な状況で、住民主体でどのように整備ができるかについての問題提起が行なわれた。

技術的制約も考慮してどの程度まで住民参加が可能か、オーナーシップの醸成はどのように確認できるかなどについて議論が行なわれた。

第4発表の伊藤晋会員「フィリピンのインフラガバナンス」は、フィリピンでは民間投資(PPP)が重視されてきたものの、進捗は思わしくなく、また公共投資も停滞していることが報告された。

実施機関のキャパシティー強化、PPPのさらなる活用と制度改善などが必要であると結論づけた。政治的なプロセス機能していないこと、ガバナンスが弱体で、民間が乱立、癒着が横行していることが問題ではないかという指摘があり議論が行なわれた。

以上、4件の報告に共通している問題は、社会システム、コミュニティーの対処能力、一人一人の意識などのすべてのレベルでの能力の向上が必要であるということである。キャパシティーは決して静的なものではなく、つねに生成発展している。これらの試みや調査研究のさらなる発展を望みたい。

(林 薫)


C1. RT「人の移動と開発―送出国にもたらす影響―」

  • 企画責任者:加藤丈太郎(早稲田大学)
  • 司会:金澤真実(上智大学)
  • 発表者:加藤丈太郎、バズラチャルヤ・ディヌ(Nepal Policy Research Institute)、田中雅子(上智大学)、石井洋子(聖心女子大学)
  • 討論者:齋藤百合子(大東文化大学)、米倉雪子(昭和女子大学)

本ラウンドテーブルは、個人や家族などミクロレベル、地域社会や特定の階層や集団などメゾレベルへの人の移動の送出国への影響を紹介することで、受入国の論理で展開されがちな移民をめぐる議論に一石を投じることを目指した。当日は3組の報告があり、約15名の参加が参加した。

最初に、加藤丈太郎会員(早稲田大学)が「COVID-19感染拡大による技能実習制度への影響―送り出し側の視点から」と題して発表した。「移住インフラ」を用いて、送り出し機関職員9名へのインタビュー結果が分析され、受入国の規制が送出国に影響を与える状況が報告された。

つぎに、バズラチャルヤ・ディヌ会員(Nepal Policy Research Institute)・田中雅子会員(上智大学)が「「親の移住が『残された子ども』に与える影響―ネパールの事例」と題して発表した。日本で就労する親の子どもが多く通う学校でのインタビュー調査をもとに、外国就労中の親の不在が子どもの学業や心理的側面に及ぼす影響が、ケーススタディを元に報告された。

最後に、石井洋子会員(聖心女子大学)が「在外ケニア人が出身国へもたらすインパクト―アメリカ・メリーランド州での人類学的調査をもとに」と題して発表した。在米ケニア人が政府とは異なる形で母国に暮らす人びととつながりを持っている様子が述べられ、「移民力」という概念から、母国・ケニアの未来を照らす存在としての可能性が報告された。

討論者の米倉雪子会員・齋藤百合子会員からは、他の属性の移民・他国との比較の必要性など、分析を深めるための視点がコメントされた。本ラウンドテーブルの成果は『国際開発研究』2022年度第1号特集企画をはじめとする論文執筆にいかされる。

(加藤丈太郎)


D1. RT「開発レジリエンスとSDGsの今後―新型コロナウイルスパンデミック以後の課題―」

  • 企画責任者:関谷雄一(東京大学)
  • 司会:関谷雄一
  • 発表者:関谷雄一、大門毅(早稲田大学)、大谷順子(大阪大学)、乙部尚子(ジェンダ-、労働、開発コンサルタント)
  • 討論者:野田真里(茨城大学)

本ラウンドテーブルは、2021年度より新たにスタートした「開発のレジリエンスとSDGs」研究部会の主催によるものである。同研究部会では新型コロナ禍で「取り残される人々」に対して、人間の安全保障の観点を踏まえつつSDGs目標の達成度や残されている課題に関して議論を続けている。

春季大会で行なわれた第1回目のラウンドテーブルでは、「開発レジリエンスと新型コロナ時代のSDGs」という題目のもとで議論が行なわれ、成果として新型コロナ禍により改めて、SDGsが途上国の問題ではなく私たち自身の問題であることを再確認し、SDGsを巡る言説の危うさにも言及がなされた。

また、インフォーマリティー(許容された違法性)や、「取り残された人々」に着目することの重要性も再確認された。第2回目RTの目標としては、パンデミック以後の時代を焦点に、開発、レジリエンス、SDsに関わる議論を展開した。

前半は4人による研究報告がなされた。関谷雄一からは「ハイブリッド調査の模索」、乙部尚子会員(ジェンダ-、労働、開発コンサルタント)からは「新型コロナウィルス禍に於けるジェンダーと労働問題」、大谷順子会員(大阪大学)からは「中国の事例から考える」大門毅会員(早稲田大学)からは「レジリエンスの多元的把握と比較制度分析」という題目でそれぞれ報告があった。

その後、討論者である野田真里会員(茨城大学)からのコメントがあり、それに応答する形で、報告者と聴講者が交わる形での討論が展開された。

オンラインのつながりがもたらす研究調査のレジリエンスとは何か、パンデミックで益々脆弱な立場にある女性の状況、それに連動する女性の社会参画に対する低い社会認識をいかに改善するか、専門家ムラ・権威主義・同調圧力に抗し、オルタナティブな考え方や取り組みをいかに促すか、目標設定としては参加が容易だが、危機的な問題へのアクションにはなかなかつながらないSDGsとどう向き合っていくか、といった課題が残されていることが確認された。

(関谷雄一)


E1. Education

  • 座長:澤村信英(大阪大学)
  • コメンテーター:荻巣崇世(上智大学)、芦田明美(早稲田大学)

発表者

  1. “Dynamic Use of Data and Evidence to Improve and Expand Operations for Educational Development: Case Study of Indian NGO “Pratham”
    Takao Maruyama (Hiroshima University)
  2. “Student Mobility to Japan in the Age of COVID-19 ―A Matter of Degree ―”
    Lauren Noelani Nakasato (Waseda University), Nobuko Kayashima (JICA Ogata Sadako Research Center)
  3. “Explaining Rural-Urban Learning Achievement Inequalities in Primary Education in Benin, Burkina Faso, Togo, and Cameroon”
    Jean-Baptiste M.B. SANFO (University of Shiga Prefecture)

本セッションでは、以下の3件の発表があった。参加者は25~30人、コメンテーターは芦田明美(早稲田大学)および、荻巣崇世(上智大学)の各会員である。いずれの発表も本学会にとって重要な研究トピックであった。

(1)「Dynamic Use of Data and Evidence to Improve and Expand Operations for Educational Development: Case Study of Indian NGO “Pratham”」(広島大学 丸山隆央):

開発援助機関がいかにデータとエビデンスにもとづきプロジェクトを改善、拡大することができるのか、インドのNGO Prathamを事例として検討し、どのようなレッスンが他の援助組織にあるかを考察したものである。実践者と研究者の協働によりプロジェクトを拡充させていく例であるが、二国間援助機関や国際機関、あるいは小規模なNGOにとって、どれほど応用が利くのかなど、議論が交わされた。

(2) 「Student Mobility to Japan in the Age of COVID=19―A Matter of Degree―」(早稲田大学 仲里ローレンほか):

コロナ禍において、世界的な留学生の動向と日本への移動を比較し、いかなる要因が影響を与えているかについて、検証するものである。パンデミック前後の留学生数の増減を、学位取得を目的とするか否かにより分類し、インタビューデータも活用し、分析している。学位取得型の留学に着目するなかで、修士と博士、あるいは専攻による差異がどのようにあるのか、日本で学位取得型の留学生が増えた背景などについて質疑が行なわれた。

(3) 「Explaining Rural-Urban Learning Achievement Inequalities in Primary Education in Benin, Burkina Faso, Togo, and Cameroon」(滋賀県立大学 Jean-Baptiste SANFO):

アフリカ仏語圏4か国を対象として、初等学校における都市農村の学習到達度の格差の要因を量的分析により明らかにしようとしている。その要因として、測定可能な(tangibleな)要因・特徴とそうでない(intangibleな)ものに着目し、それぞれでどれほどこの格差を説明できるかを検証している。格差のパターンが対象国により、いかなる違いがあるのか、ジェンダーや学校規模、公立・私立による差などに関して、議論が行なわれた。

(澤村信英)


午後 I セッション/ Afternoon Session I 12:00-14:00 (GMT +9)

A2. 企画「コロナパンデミックを踏まえたインフラ分野における途上国支援」

  • 企画責任者:川辺了一(国際協力機構)
  • 司会:小泉幸弘(国際協力機構)
  • 発表者:金子素子(アルメックVPI)、久保彩子(国際協力機構)、田中圭介(国際協力機構)、藤田朗丈(ボストンコンサルティンググループ)、松原康一(日水コン)、松本重行(国際協力機構)
  • 討論者:松丸亮(東洋大学)、花岡伸也(東京工業大学)

2020年初めから全世界に広がった新型コロナウィルスは、2021年の今なお、世界経済、国際政治に多大な影響を与え、市民生活にも大きな変化をもたらしている。とくに、衛生環境が十分整っていない途上国の市民は、この感染拡大リスクに晒されており、医療分野や公衆衛生分野の支援が多く展開されている。

また、これを機に、途上国の市民においても、衛生環境の改善、ソーシャルディスタンスの確保、デジタル技術の活用等についての認識が変化しており、インフラ分野の協力では、この変化を踏まえたアプローチが求められる。

かかる背景を踏まえ、JICAでは、都市開発分野、公共交通分野、水・衛生分野について、今後の協力方針の検討に向けて「全世界COVID-19等感染症に対する都市環境改善プログラム形成準備調査」、「ポストコロナ社会の公共交通事業のあり方に係る情報収集・確認調査」、「水供給・衛生分野の新型コロナウィルス対策の教訓と必要な支援方策の検討」等の調査を実施している。

本セッションでは、これら調査結果等を報告するとともに、インフラ分野の途上国支援における今後の協力方針や新たな支援アプローチについて、コロナ禍を踏まえ「変わること」「変わらないこと」を中心に意見交換を行なった。

都市開発分野については、「多極分散」「近隣住区」の重要性が再確認された。また、公共交通分野では、その必要性は変わらないものの、公共交通の安全性確保にあたり、「交通安全」に加え「感染予防」が重要となることが確認された。水・衛生分野では、「健全な水道事業体経営」の重要性は変わらないものの、「脆弱層への手洗い促進」の重要性が確認された。

また、参加者からコロナ禍におけるリモート協議の有効性と限界について言及があり、ポストコロナにおいては、現地渡航とリモート協議の適切な併用が重要となることを確認した。そして、最後に、今後も議論を継続していくことを確認した。

(川辺了一)


B2. 教育Ⅰ

  • 座長:吉田和浩(広島大学)、
  • コメンテーター:森下拓道(JICA)、劉靖(東北大学)

発表者

  1. 「教授言語と家庭言語の違いが学力に及ぼす影響 ―ミャンマー連邦共和国小学5年生の事例―」
    牟田博光(国際開発センター/大妻女子大学)
  2. 「モザンビークの初等教育におけるローカルカリキュラムの可能性と課題 ―カリキュラム開発者,教員,生徒へのインタビュー調査から―」
    日下智志(鳴門教育大学)
  3. 「新型コロナウィルスによる緊急事態宣言下における保護者の子どもへの家庭学習支援―国際比較調査の結果から―」
    谷口京子(広島大学)
  4. 「ネパール基礎教育における修学実態の分析 ― 留年は退学の主たる原因か ―」
    江嵜那留穂(愛知淑徳大学)

本セッションはコメンテーターを森下拓道会員、劉靖会員にお願いし、吉田和浩座長のもと、4本の発表を行なった。計39名の参加者があった。

まず、牟田博光会員が「教授言語と家庭言語の違いが学力に及ぼす影響」について、ミャンマーの小学5年生を事例として発表した。学力が低い子ほどミャンマー語が母語かどうかで大きく影響を受けるなど、学力、学校への好感度の高さへの家庭言語の説明力の高さを明らかにした。

参加者からは、少数民族にもミャンマー語との類似性に大きく差があることが指摘されるなど、活発な質疑応答がなされた。

つぎに、日下智志会員が「モザンビークの初等教育におけるローカルカリキュラムの可能性と課題」について発表した。教科内容的に普遍性の高い数学について、コミュニティーのニーズに対応し、またそれと連携することができていない実態が明らかになった。

コミュニティーの範囲と定義、また、普遍性が高い一方で5進法を使う現地の考え方と教科書の違いなど、さらに検討を加える余地について質疑応答があった。

3番目に、谷口京子会員が「新型コロナウィルスによる緊急事態宣言下の子どもへの家庭学習支援」について19カ国の国際比較調査の結果をもとに発表した。保護者の電子機器を使う自信度と学習支援には有意な関連性が認められた。一方で、日本では家庭での学習支援時間が対象国中で最も短かった。

質疑では、電子機器以外の学習手段、また電子機器の多様性についても考慮する必要性などが指摘された。

最後に、江嵜那留穂会員が「ネパール基礎教育における就学実態の分析」として、従来の横断的データが、留年が退学の主たる要因であると主張するのに対し、縦断的(個別事例の経年調査)から、留年せずに退学する児童、留年経験はあるが修了する児童が多い実態を明らかにした。

質疑応答では留年者、中退者の学年別の考察、さらには個別事例から得られた情報の発展的な設問に応用する余地などが指摘された。

(吉田和浩)


C2. 保健・栄養

  • 座長:斎藤文彦(龍谷大学)
  • コメンテーター:古川光明(静岡県立大学)、池見真由(札幌国際大学)

発表者

  1. 「タンザニアの小学生の食品群・野生食物摂取と健康 ―南東部リンディ市におけるパイロット質問票調査―」
    阪本公美子(宇都宮大学)、大森玲子(宇都宮大学)、Parinya Khemmarath(宇都宮大学)
  2. 「ケニアの灌漑地域における農家の食料消費の実態や意識に関する調査―消費における近代と伝統の共存―」
    伊藤紀子(農林水産政策研究所)
  3. 「ザンビアの都市部におけるCOVID-19の障害者団体への影響―障害者の対処に焦点をあてて―」
    日下部美佳(京都大学大学院)

本セッションでは3つの報告がなされた(以下敬称略)。

第1に阪本公美子、大森玲子、Parinya Khemmarathによる「タンザニアの小学生の食品群・野生食物摂取と健康」である。

この報告には、小学生たち自身の認識を問う意図があった。朝の体調不良などを訴える子供たちも少なくなく、また市内に通う小学生たちを対象に調査したにもかかわらず、野生の野菜や果物を摂取している場合も多いことなど、興味深い発見があった。とくに後者については、コメンテーターの池見真由から、経済的・社会的階層との関係性についての指摘がなされた。

第2に、伊藤紀子による「ケニアの灌漑地域における農家の食料消費の実態や意識に関する調査」では、食料消費の変化が食料安全保障に及ぼす影響などを意識した調査の結果、「伝統食」や「近代食」について、それぞれの特徴が存在していることが分かった。

池見からのコメントをふまえ、共食することが多いアフリカでの食文化において、「伝統食」や「近代食」の区別のありかたや、またこの2つのハイブリッド化についても議論された。

3つ目は日下部美佳による「ザンビアの都市部における COVID-19の障害者団体への影響」では、コロナ禍においてザンビアの障害者団体の運営にどのような影響が出ているかという、あまり日本では情報が得られない事柄についての基調な報告がなされ、(1)外国支援者との関係性の変化、(2)資金の多角化によるリスク分散、さらに(3)情報格差、といった視点からの考察がおこなわれた。

古川光明はコロナ禍の調査ではあるが、サンプル数の少なさ、評価基準や評価枠組みなどをどう考えるか、といったコメントがなされた。

全体に、コロナ禍という状況下において日本人研究者による訪問調査が難しいなか、多様な方法で調査を行なっていることには感銘を受けた。それゆえ3つの報告とも、今後のさらなる進展がおおいに期待できる。

オンライン開催となったこのセッションにおいても、手話通訳の実施やチャットを活用した意見交換などの工夫がなされ、学界全体にとってもコロナ禍後への示唆が大きかった。

(斎藤文彦)


D2. Community and Development in Asia(英語)

  • 座長:豊田利久(神戸大学)
  • コメンテーター:高木泰士(東京工業大学)、荒神衣美(アジア経済研究所)

発表者

  1. “Regional Distribution of Foreign Direct Investment in Indonesia: An Insight from Provinces and Sectors”
    Al Muizzuddin Fazaalloh (Nagoya University)
  2. “Consideration of Possible Tsunami Impact in the Coastal Areas of Pakistan by Numerical Modeling and Geographical Information Techniques”
    Babar Ali (Pakistan Meteorological Department / Toyo University), Ryo Matsumaru (Toyo University)
  3. “A Traditional Community House for the Ethnic Minorities in Central Vietnam ―A Qualitative Study on Ten Years of Community Management-”
    Akiko Iizuka (Utsunomiya Univeristy), Ayako Fujieda (Kyoto Seika University), Ueru Tanaka (Setsunan University)

発表1は、インドネシアにおけるFDIの決定因を、33州のパネルデータ(2010-2018)によって、産業全体および4産業部門(農業・製造業・公益産業・サービス業)別に分析した内容である。

産業全体では一人当たりGDP、 賃金、貿易開放度、都市化指標等が有意な正の効果を示す。他方、産業部門別では決定因に大きな違いがあることが示される。集積経済の効率性が達成されるようにFDIの誘導政策が必要であるとの結論も示す。製造業を1つのセクターとしていることの限界などの有益なコメントが与えられた。

発表2は、アラビア海に面したパキスタン沿岸部の津波リスクを数値モデリングとGISの手法でシミュレーション分析したものである。1945年に生じた大津波に関する2つの先行研究に基づくシナリオを考える。

津波の到達時間が早いので早期警戒の効果は大きくない。同じ沿岸部でも地理的条件が違い、西部は比較的津波被害が小さいが、東部は低地で産業・人口も密集しており被害が甚大になる。

過去に観測されたMw8.2の地震によって起きた津波高12mではなく、Mw9.2の地震による津波高16mに備える必要があるとする。これに対して1945年のデータの精度や津波高の現実性の検証の必要性などが指摘された。

発表3は、コミュニティ・ハウスの住民自身による工夫された管理が、農山村の持続的発展に重要な役割を果たすことを示す。

ベトナム中部の少数民族が居住するホン・ハ(Hong Ha)地区には、外部からの支援で建てられたコミュニティ・ハウスがいくつか存在する。京都大学とフエ大学のグループが共同設立したハウスは、地域住民によって自発的に改善・管理がなされている事例である。

当初は、災害避難と環境管理を主な目的に建てられたが、現在は、宿泊可能なエコツーリズムの拠点として収益をもたらし、またカフェを運営して住民の集う拠点となっている。住民自身によるコミュニティの自発的発展の重要性を示した。

このセッションは、経済、社会、工学分野の開発に関する事例を扱う学際的な構成となっており、まさに、この学会の縮図を感じさせるものであった。参加者数は15~20名であった。

(豊田利久)


E2. Agriculture

  • 座長:島村靖治(神戸大学)
  • コメンテーター:會田剛史(ジェトロ・アジア経済研究所)、倉田正充(上智大学)

発表者

  1. “Women’s Socio-Economic Empowerment Through Agricultural Cooperatives: Case Study of Mali”
    Asmao Diallo (Doshisha University)
  2. “Determinants of Farm Households’ Vulnerability: A Case Study of Municipality of Dingalan, Aurora Province, Philippines”
    Masahiko Jin (Nagoya University, Former student)
  3. “Assessing the Performance of Agricultural Insurance Programs Using Korten’s Model of Fit: A Comparative Study of Japan and the Republic of the Philippines”
    Armand Christopher Rola (Doshisha University)

本セッションは、開発途上国の農業に関連する3つの報告が行なわれた。

第1の発表(Asmao Diallo)では、マリにおける農業協同組合(cooperatives)を通じた女性のエンパワーメントを主に、融資へのアクセス、市場へのアクセス、トレーニングのための機会の3つ視点から、質的な手法による検証が行なわれた。

コメントとして、男性の協同組合との違いや土地の所有権制度について質問が出されたが、発表者より詳細な説明がなされ、参加者の理解がより深まった。

第2の発表(Masahiko Jin)では、フィリピンにおける農業家計の脆弱性の決定要因を量的な手法により探求し、非農業就業や果樹栽培、家畜の保有が脆弱性の緩和に寄与していることが示された。一方でコメントとして、地域で共通する傾向のある(covariate)リスクと、各家計に特有の(idiosyncratic)リスクの明確な定義を確認する質問が出された。

また、リスクに対する事前的な対処(risk management)と事後的な対処(risk coping)とを峻別して、結果を解釈すべきという意見も出された。それぞれのコメントに対して発表者からの補足的な説明があり、有益な議論が交わされた。

第3の発表(Armand Christopher Rola)では、混合法(mixed method)を用いたフィリピンにおける農業保険と日本の農業保険(農済)との比較分析が行なわれた。

コメントとして、比較対象の選び方の妥当性やサンプリング方法の正当性、そして、分析結果の真偽性を確認する質問が出されたが、発表者によりひとつひとつ丁寧な追加説明があり、多くの疑問点が解消された。ただし、日本の農済についての分析については少し課題を残した。

そして最後に、発表者同士での質疑応答の時間もあり、とくにリスクに対する対処方策について活発な議論が行なわれた。

(島村靖治)


プレナリーシンポジウム14:20-17:05 (GMT +9)

『おんぼらーっとしまっし。石川仕立ての創成と共生、そして開発』

  • 企画責任者:和田一哉(金沢大学)
基調講演
  • 「FAO世界農業遺産事業の概要と農村開発への可能性」
    遠藤芳英(FAOローマ事務局)
  • 「持続的発展のための人材育成:世界農業遺産(GIAHS)『能登の里山里海』と『フィリピン・イフガオの棚田』の連携事業」
    中村浩二(金沢大学)
話題提供
  • 「地域資源の再評価と地域づくり -東洋大学能登ゼミの経験から-」
    髙橋一男(東洋大学)
  • 「自然資源経済と“輝く農山村”の創成-個性的な“顔(FACE)”を大事にする自治的地域づくりへ-」
    寺西俊一(一橋大学)
  • 「見渡せる範囲の実践共同体-コスタリカと能登で学んだこと-」
    北村健二(金沢大学)
  • 「ごちゃまぜのまちづくり」
    清水愛美(佛子園理事・Share金沢)
パネルディスカッション 
  • 司会・ファシリテーター:宇野文夫

戦後間もない頃から長きにわたり、開発(Development)と言えば経済成長(Economic Growth)とほぼ同義であった時代がある。しかし、周知のとおり、その後、徐々にその言葉の意義が問い直され、「人間開発」という言葉が表れるなど、人間の生活の質、そして「より良い生」とは、ということが問われるようになっていく。

さらに言えば現在、人が「より良い生」を送るにはどうすれば良いか、それを実現するための社会の在り方とは、という問いが課題になっていると考えられる。言い換えると、「開発」は人類の普遍的課題である、というのがそもそもの問題意識である。

それゆえに、石川という一地方から「開発」の意義を問い直すことにこそ価値はあるとの考えのもとに、本セッションは企画された。

現在の社会は、効率化、規制緩和、都市への人口集中、その一方で地方の過疎化という状況にあると言える。これは経済効率一辺倒の流れ、とも言い換えられる。しかし、そのような流れとは一線を画し、地方に本質的な価値を見出そうという動きが、他方で存在する。

それは、「失われつつある何か」の価値を再検討しようとする動き、と換言できるかもしれない。ここでいう価値、価値観といった言葉は、その社会で重視すべきことは何か、あるいは社会はどうあるべきか、といった問いに答えるための基礎となるものが想定されている。

このような問題意識を検討すべく、まず2本の基調講演によって石川という地方の現状について「世界農業遺産」を切り口に把握した。そして、4本の話題提供とパネルディスカッションを通じ、失われつつある価値あるものとは何か、そのような価値観を醸成するためのヒント、社会の在り方、そして「より良い生」とは何か、をテーマに議論した。

真の「開発」とは、そして我々が目指すべき社会とはいかなるものかという壮大な問いに関して活発な議論が交わされた。

(和田一哉)


11月21日(日曜)/ Sun. Nov. 21st, 2021

午前 II セッション/ Morning session I 9:30-11:30 (GMT +9)

A3. RT「日本国内の課題解決にODA人材は貢献しうるのか ―途上国の教訓・ネットワークを国内に、国内の教訓・ネットワークを途上国へ―」

  • 企画責任者:河野敬子(海外コンサルタンツ協会)
  • 司会:佐藤仁(東京大学)
  • 発表者:平林淳利(JICA)、千田雅明(パシフィックコンサルタンツ)、細江絵梨(根浜MIND)
  • 討論者:高野翔(福井県立大学)

実務者からの情報発信強化および、研究者との交流によるODAの質的改善を目的とした、ECFAとJICA共同セッションは2018年より開始し、今回3回目の開催となった。

今回は、日本国内の社会的課題が深刻化するなか、1)ODA人材は国内の課題解決の役に立てるか?「何に」「どのように」役に立てるか、2)国内の取り組みを、途上国への技術協力のさらなる充実につなげることができるか、といった2つの問いを軸に事例発表を交え、ディスカッションを行なった。

平林氏の発表では、まちを元気にする支援として、岩手県釜石市におけるJICAの取組みの紹介と、JICAの今後の国内連携強化の可能性について報告があった。

千田氏の発表では、国内でのコンサルティング業務の転機となった東日本大震災の復興にかかわる業務や、その経験を生かした途上国での災害復旧支援業務、また、その両者の経験を活かした国内外を結ぶプロジェクトの紹介があった。

細江氏の発表では、釜石市の「オープンシティ戦略」に基づく根浜地域において、地域の外と中をつなぐコーディネータの役割を通して、課題解決に重要な「対話」や「意思決定」について紹介があった。

高野氏からは、これまでの経験を踏まえたまちづくりを実践・研究している立場から、ODA人材を「風の人」、その土地に根付いた地域の人を「土の人」と表現し、風の人が土の人の属性を少しでも持つことが重要であること、自分事と捉えて取り組むこと、自治体とのネットワーク構築、JICA海外協力隊の活用、働き方改革を実現するための仕組みづくりが大切であるとコメントした。

ディスカッションでは、国内外問わずこれからは「教訓」を「共有」し、「共感」を得ることでモチベーションを上げ、そのような人材で地域に根差したムーブメントを作っていくことが大切ではないか、また、その経験を含んだ事例を世界に向けて発信することも重要だろうといった議論があった。

40名前後の参加者をえて、ラウンドテーブルらしい活発な議論が行なわれた。

(河野敬子)


B3. 環境・復興

  • 座長:安達一郎(JICA研究所)
  • コメンテーター:佐々木大輔(東北大学)、石渡幹夫(JICA)

発表者

  1. 「パキスタン気象局技術グループ職員の専門知識共有に関する考察」
    内田善久(東洋大学大学院/国際気象コンサルタント)、松丸亮(東洋大学)
  2. 「グローバル化におけるネパールの災害復興のネットワーク―ネパールの被災地パタンと在日ネパール人コミュニティの関係から―」
    竹内愛(南山大学)
  3. 「ラオス国山岳民族モン族の移転に伴う灌漑水田の開発と生活の変化 ― 山地の陸稲から低地の水田へ ―」
    冨岡健一(GUDC)、筒井勝治(ニュージェック)、村上嘉謙(関西電力)
  4. 「インドネシアにおける泥炭地管理の制度的課題:西カリマンタン州パワン・クプル泥炭ドームを事例として」
    久保英之(地球環境戦略研究機関)、Arief Darmawan(インドネシア国ランプン大学)

本セッションは(環境・復興)となっていたが、当日の報告は防災がメインで、一点社会配慮に関する報告となった。報告の内容は、泥炭地管理から、ダム移転に関する少数民族の保護といったバラエティに富むもので、方法論含めて幅広かった。ただ、共通して現場でのさまざまな課題への取組みに関する研究であり、実務からの報告である。

また、泥炭地管理といった課題、震災復興に向けての取組み、気象局のキャパシティ、そして住民移転の報告すべてにおいて、現地のローカルナレッジや、先方関係機関の知恵やキャパシティの重要性を取り上げていることである。

コメンテーターからは、示されている結論や分析方法に対する指摘や、とくに実務研究としてどういった方法論を用いて分析を行なっていくのかという提起があった。

現場報告では、こうしたことがあったという調査報告的な側面が強くなりがちななかで、研究としての方法論の模索を行なっていくことが重要である。また、今回のセッションにおいては、開発協力のなかで、より現場でのキャパシティやナレッジの重要性が確認されたと言える。

(安達一郎)


C3. 産業・経済・労働

  • 座長:小國和子(日本福祉大学)
  • コメンテーター:佐藤裕(都留文科大学)、牧田りえ(学習院大学)

発表者

  1. 「グラミン銀行は何をもたらしたのか―マイクロファイナンスによる成功者と多重債務化する人々―」
    鰐部行崇(法政大学大学院)
  2. 「インドネシア共和国・ゴロンタロ州における生態系サービスと在来知を活用した持続可能な新産業の構築」
    榊原正幸(総合地球環境学研究所)、笠松浩樹(愛媛大学)、山口勉(エスペックミック)
  3. 「バングラデシュにおける伝統的なカワウソ漁の考察―持続可能な開発の視点から見る伝統保存の意義―」
    田中志歩(広島大学大学院)

本セッションでは、3本の個別報告が行なわれ、最多で38名の参加があった。

鰐部行崇会員による「グラミン銀行は何をもたらしたのか――マイクロファイナンスによる成功者と多重債務化する人々」では、グラミン銀行の歴史を遡り、1983年から2019年の財務資料の分析と債務者の語りから、グラミン銀行が激化する競争環境を背景に資本主義的経済活動を強化していった様と、その中で負債が膨れ上がり「借金人間」が生み出されたプロセスを批判的に考察した。

コメンテーターの佐藤裕会員からは、節構成に関する助言、関連文献の紹介、「成功」と「失敗」の判断においてMF/MCの運営がさまざまなアクターにもたらす、意図せざる結果にも着目する必要性が提示された。

榊原正幸会員による「インドネシア共和国・ゴロンタロ州における生態系サービスと在来知を活用した持続可能な新産業の構築」では、零細小規模金採掘が大気の水銀汚染の主たる汚染源となっている状況を説明し、問題低減の道筋を明らかにする手立てとして、住民、民間、研究者などさまざまなステークホルダーの対話と協働の場となるトランスディシプリナリー実践共同体の結成と、その協働を通じて権力の非対称性を低減し、フォーマルなマルチセクター間協働へと発展させる可能性を、具体例にもとづき提示した。

コメンテーターの牧田りえ会員からは、これら実践の学術的示唆として、実践共同体の概念的構成をより深める必要性が提示された。

田中志歩会員による「バングラデシュにおける伝統的なカワウソ漁の考察――持続可能な開発の観点から見る伝統保存の意義」では、カワウソ漁を行なうA村10世帯に対する詳細な聞き取り調査から、現地におけるカワウソ漁の位置づけやその経年変化の一端が描写された。

コメンテーターの牧田会員からは、個々の情報の面白さの先に、いかなる学術的な問いが立てられるのか、そのリサーチクエスチョンの明確化に向けて助言がなされた。

最後に全体での質疑応答がなされ、チャットや口頭で複数のコメントが寄せられた。

(小國和子)


D3. 市民社会

  • 座長:林裕(福岡大学)
  • コメンテーター:華井和代(東京大学)、西浦昭雄(創価大学)

発表者

  1. 「紛争影響国における全国スポーツ大会の観客への効果:南スーダンを事例として」
    古川光明(静岡県立大学)
  2. 「日本企業のアフリカ進出に対するTICAD6の影響」
    森尾貴広(筑波大学)
  3. 「冷戦下における米国平和部隊の追放は何を意味するのか―ラテンアメリカ5カ国の比較検証―」
    河内久実子(横浜国立大学)
  4. 「キャパシティ・デベロップメント事業における参加型評価とモニタリングの可能性:スリランカ 紅茶プランテーション農園コミュニティと大学生の協働事業評価から見えてきたもの」
    栗原俊輔(宇都宮大学)

オンライン開催となったため、本セッションの4名の発表者もオンラインでの発表となった。そのような状況においても、4名による報告は有意義で活発な議論を喚起した。

発表1:古川光明氏(静岡県立大学)は「紛争影響国における全国スポーツ大会の観客への効果:南スーダンを事例として」と題して、紛争影響国の分断された社会におけるスポーツ大会が各層における平和と団結に貢献することを、事例に基づいて報告した。

発表2:森尾貴広氏(筑波大学)は、「日本企業のアフリカ進出に対するTICAD6の影響」において、日本が主導するアフリカ開発会議(TICAD)が、日本企業のアフリカ進出に対して複数の国へ同時に進出する傾向を明らかにした(西部アフリカを除く)。

発表3:河内久実子氏(横浜国立大学)は、「冷戦下における米国平和部隊の追放は何を意味するのか:ラテンアメリカ5カ国の比較検証」と題して、米国の平和部隊がラテンアメリカ諸国から追放された背景と動機の解明を、国際政治環境に目配りしつつ、米国の公文書等に依拠した考察として報告した。

発表4:栗原俊輔氏(宇都宮大学)は、「キャパシティ・デベロップメント事業における参加型評価とモニタリングの可能性:スリランカ 紅茶プランテーション農園コミュニティと大学生の協働事業評価から見えてきたもの」と題して、宇都宮大学で実施するJICA草の根技術協力事業評価のなかで、学生とスリランカ紅茶プランテーション農園青年層による参加型モニタリング・評価が、相互に学びと自信を与えたことを報告した。

市民社会セッションでは、華井、西浦両コメンテーターによる鋭く、かつ生産的な指摘、そして、参加者との活発な質疑応答によって、問いの在り方や研究の意義、研究手法と結果等、有意義で今後の更なる研究の深化に向けた貢献がなされた。

また、本セッション自体もオンラインであったが、栗原報告は報告内容そのものがオンラインでの事業評価を考察するなど、現代の世相を反映するものであった。

(林 裕)


E3. 企画 “International Development Cooperation of Japan and South Korea -New Strategies for an Uncertain World-”

  • 企画責任者:Tatsufumi Yamagata (Ritsumeikan Asia Pacific University)
  • 司会:Tatsufumi Yamagata
  • 発表者:Tatsufumi Yamagata, Shinichi Takeuchi (Tokyo University of Foreign Studies / IDE-JETRO), Huck-ju Kwon (Seoul National University), Jisun Song (Korea National Diplomatic Agency), Hyomin Jung (Kyoto University), Motoki Takahashi (Kyoto University), Eunju Kim (Hansung University)
  • 討論者:Toru Yanagihara (Takushoku University)

本セッションは、以下の本の出版を契機として開催された。

Huck-ju Kwon, Tatsufumi Yamagata, Eunju Kim and Hisahiro Kondoh eds., International Development Cooperation of Japan and South Korea: New Strategies for an Uncertain World, Palgrave, 2022。

本書は、当学会と韓国国際開発協力学会(KAIDEC)との協力プロジェクトの成果であり、2022年初めに出版予定である。

本セッションは、編者の一人である山形辰史が座長を務め、本書の執筆者のうちの数名が報告を行なう形態をとった。行なわれた報告は以下のとおりである。

  1. 山形辰史(立命館アジア太平洋大学)「序章および終章」
  2. 武内進一(東京外国語大学/ジェトロ・アジア経済研究所) “Policy Concepts and Normative Rationales in Japan’s Foreign Aid: Human Security, TICAD, and Free and Open Indo-Pacific.”
  3. Huck-ju KWON (Seoul National University) “Reflection on a normative rationale for Korean ODA policy: Duty, self-regards and obligation.”
  4. Jisun SONG (Korea National Diplomatic Agency) “Foreign Aid as Foreign Policy Instrument and its Institutional Development: Case Study of South Korea.”
  5. 鄭 傚民(京都大学)”Quest for Combination of Economic Development and Poverty Reduction: Dual Features of Japan’s Aid in the post-Cold War era and After.”
  6. (6) Eunju KIM (Hansung University) “Balancing Universal Values and Economic Interest through Development Cooperation in Korea.”

討論者は、柳原透会員(拓殖大学)であった。

序章では問題意識として(1)日韓のODAの共通のメカニズム、(2)日韓ODAの究極目的、(3)日韓ODAの今後の戦略を問うた。それに対して終章では、(1)援助を受け入れて産業発展を行なった経験と、その経験を基にした周辺アジア諸国への国際協力、がメカニズムとして指摘された。

(2)については、国際公共財の構築が目的とされ、(3)に対しては、産業発展のための官民連携を行なう際にも、民間側の制約に官側が縛られるのではなく、むしろ民間側のスコープを広げるべきであることや、共通点の多い日韓ODAが戦略的に強調行動をとった場合のシナジーの大きさが指摘された。

これに対して柳原会員は、(1)(2)(3)それぞれの結論が可能性の指摘に止まっており、十分な説得材料に欠けることを課題として挙げた。

(山形辰史)


午後 II セッション/ Afternoon Session II 12:15-14:15 (GMT +9)

A4. RT「開発協力事業における評価の方向性」

  • 企画責任者:佐藤洋史(国際協力機構)
  • 司会:佐藤洋史
  • 発表者:鴨谷哲(JICA)、川本華子(JICA)、秋元祥恵(JICA)、富田洋行(JICA)、大川太郎(JICA)
  • 討論者:伊藤 晋(新潟県立大学)

本セッションでは、開発協力事業における評価の今後の方向性および、あるべき姿に関する議論を深めるため、4つのテーマについて6名の報告者からの話題提供を受け、討論者・参加者を交えた議論が行なわれた。

冒頭、本ラウンドテーブルの企画者である佐藤より、ラウンドテーブル企画の背景、目的について説明した。

最初の発表として、鴫谷哲氏より、本ラウンドテーブルの他の報告内容を含むJICAの事業評価の昨今の取り組みを俯瞰する報告がなされた。

つづいて、川本華子氏より、ルワンダにおける教員間の校内相互研鑽強化プロジェクトの効果発現に至るプロセスを遡り、DAC評価項目とは異なる視点で事業を振り返りながら、今後の類似事業の形成・実施に向けての教訓が報告された。

その後、秋元祥恵氏、吉岡佐知子氏より、Theory of Change (ToC)を用いた、目標達成に向けた事業の変化の軌跡の検証結果を踏まえた留学生事業の評価の在り方について報告された。

最後に、富田洋行氏、大川太郎氏より、開発課題別の事業戦略の強化・推進に向けた最新の取組み状況と、今後の評価上の対応課題等について報告された。

報告の後、討論者である新潟県立大学の伊藤晋会員より、プロセスの分析を実施するうえでの課題、TOCを活用する際の限界や、新たな事業マネジメントにおけるクラスター評価と内包される個別事業の評価との関係、これら新たな取り組みを、さまざまな制約のなかでどのように実施していくか等についてコメント、議論が行なわれた。

また、参加者からも、新たに追加された整合性評価を実施する際の留意点について質問が挙がるなど活発な議論が行なわれた。

(佐藤洋史)


B4. 教育Ⅱ

  • 座長:關谷武司(関西学院大学)
  • コメンテーター:笹尾隆二郎(アイシーネット株式会社)、石田洋子(広島大学)

発表者

  1. 「日本のODAによる留学生招へいの歴史―国費留学生とJICA留学生―」
    萱島信子(JICA)、杉村美紀(上智大学)
  2. 「中国におけるアフリカ人留学生の進路選択とキャリア計画―浙江師範大学の学位取得型学生を事例に―」
    羅方舟(大阪大学大学院)
  3. 「コミュニティ学習センター(CLC)の自立発展性-ネパールでの協力事例から-」
    三宅隆史(シャンティ国際ボランティア会)

萱島信子会員(国際協力機構緒方研究所)と杉村美紀会員(上智大学)から、『日本のODAによる留学生招へいの歴史―国費留学生とJICA留学生―』について発表いただいた。ODAによる留学生招聘の辿ってきた道筋を、史資料と統計資料の分析から明らかにし、今後の発展に向けての示唆を得ようとする報告であった。

コメンテーターである石田洋子会員(広島大学)からは、これらの事業の達成度や、受入人数の増減にある背景、今後も続けることの意義などについて質問があり、発表者からマレーシアの例などを踏まえた説明がなされた。

つぎに、羅 方舟(大阪大学 人間科学研究科)会員から『中国におけるアフリカ人留学生の進路選択とキャリア計画―浙江師範大学の学位取得型学生を事例に―』について発表があった。本研究の目的は、中国におけるアフリカ人留学生の進路選択とキャリア計画を明らかにすることであり、多様な進路選択とキャリア計画を、留学生の個人的経験と関連づけながら分析した。

コメンテーターの笹尾隆二郎会員(ICネット株式会社)から「アフリカ人の留学先として中国を取り上げたこと、加えて、教育面に限定されていない学生の留学後の進路選択やキャリア計画をとりあげたことで新規性があり、興味深い課題設定がなされている」とのコメントが寄せられた。

3つ目の発表は、三宅隆史会員(シャンティ国際ボランティア会)から『コミュニティ学習センター(CLC)の自立発展性―ネパールでの協力事例から―』が発表された。本発表では、コミュニティ学習センタ ー(CLC) の自立発展性を確保する支援のあり方はどうあるべきかを研究課題として、ネパールでの協力事例を基に考察が行なわれた。

コメンテーターである石田洋子会員から自治体との連携などが質問され、発表者からスケールアップと資金確保が課題として挙げられることなどが報告された。

(關谷武司)


C4. 企画「アフリカ遊動社会におけるレジリエンス変容の探究―人道支援・開発ギャップ克服に向けて―」

  • 企画責任者:湖中真哉(静岡県立大学)
  • 司会:湖中真哉
  • 発表者:島田剛(明治大学)、孫暁剛(静岡県立大学)、佐川徹(慶應義塾大学)、波佐間逸博(東洋大学)、湖中真哉
  • 討論者:柳原透(拓殖大学)

本企画セッションは、東アフリカ遊動社会を対象として、彼らの社会におけるグローバルな領域とローカルな領域の接合状況に着目しながら、彼らのレジリエンスの在り方を探究することを目的とし、そこから開発と人道支援の可能性を探った。おもに扱われたのは、気象的リスクと紛争リスクである。

最初の島田剛による報告「気候変動による災害のアフリカの経済成長、 農業、紛争への影響と、援助の役割:1961-2011のパネルデータによる計量分析」では、アフリカ全域における気候変動による災害の影響を解明し、マクロな視点からレジリエンス課題の大枠を概観した。

第2の孫暁剛による報告「水資源の開発と利用に見られる遊牧民のレジリエンス」では、ケニアの遊牧民レンディーレ社会における水資源の利用を事例とし、遊牧民が新しい技術や資源を積極的に取り入れていることが解明された。

第3の佐川徹による報告「生業多様化とレジリエンス─東アフリカ牧畜民が漁労をはじめた論理」では、エチオピアの農牧民ダサネッチ社会において漁撈へと生業が多様化した背景を理解するためには、関係論的な視座が不可欠であることが示唆された。

第4の波佐間逸博による報告「構造的暴力に対抗するレジリエンス ─遊牧の人為的危機に直面したウガンダの牧畜社会におけるシティズンシップの実践─」 、および第5の湖中真哉による報告「遊牧社会における内在的なレジリエンスの在り方と開発・人道支援 ─ケニア・サンブル社会における紛争と国内避難民の事例から─」は、ともに紛争リスクに対するレジリエンスを扱っており、遊牧社会の内在的なロジックを探った。

柳原透より全体に対してコメントがあり、レジリエンスの定義、内在性、対象となる社会集団の単位等が議論され、また、レジリエンスのモデルが整理された。フロアからは資料評価をめぐっての質問があった。

最後に、レジリエンスの研究においては、イーティックな視点とイーミックな視点の共存が必要であることなどが指摘され、学際的なレジリエンス研究の必要性が確認された。

(湖中真哉)


D4. RT「研究と実践のインターフェースを探る―研究×実践委員会主催ラウンドテーブル―」

  • 企画責任者:小林誉明(横浜国立大学)
  • 司会:小林誉明
  • 発表者:小林誉明、志賀裕朗(JICA緖方研究所)、ラミチャネ・カマル(筑波大学)、佐藤峰(横浜国立大学)、浜名弘明(デロイトトーマツコンサルティング)、功能聡子(ARUN)

研究と実践との関係について議論するための場を提供すべく、春の大会に続いて、研究×実践委員会が主催したラウンドテーブルである。「研究と実践のインターフェースを探る」と題し、“研究と実践との幸せな結婚”はありえるのか?“を議論した。

小林会員による全体像の見取り図が示された後、各登壇者(委員)から、それぞれの考えるインターフェースの具体例が提示された。

その後、フロアからは活溌な意見が繰り出された。例えば、メインストリームの実践のあり方に対して代替案を出すような研究があってもよいのではないかという意見が提出され、研究者と権力の側との距離感について意識することの重要性が再認識された。

また、研究のたねにはならないようなものを吸収する仕組みが研究者側にあってもよいという意見は、研究者側の受け入れの姿勢を問うものであり、一方、大きな組織の場合、実務家のリテラシーに比較して研究者の権限が弱くなっているという事案も示され、実務家の側のあり方も問い直される機会となった。

末筆ながら、筆者は、プレナリーセッションにて北村健二先生が指摘されていた「見渡せる範囲の実践共同体」、つまり「小さくてもよいので、その人の次の一歩を支援」するような実践というものに、大きなヒントが隠されているように感じた。

実践の現場はそれぞれのセクターのなかにあり、例えば研究者が所属している大学でいえば、教育の現場がまさにそうなのではないかと感じた次第である。

(小林誉明)


E4. Peace, Democracy and Global Divide

  • 座長:花谷厚(JICA)
  • コメンテーター:片柳真理(広島大学)、重田康博(宇都宮大学)

発表者

  1. “Global Citizenship Education – Youth work in an undemocratic society― AIESEC – an international student organization in Vietnam ―”
    Nguyen Thanh Van (Sophia University)
  2. “Indigenous Self-determination in Cherán, Mexico: Organised Distrust as a Democratic Practice”
    Erick Cosme Gomez (Hiroshima Jogakuin University)
  3. “Transcending the Global-Local Divide: A Framework for Analyzing Technocracy in Peace Work” 
    BALLESTEROS, Marie Donna (Nagoya University)
  4. “Formulation of Practical Model in Poverty Reduction by Microfinance―Analysis of Case Study in India-”
    Hiromi Inami (JDI)

本セッションでは標題テーマのもと、4件の報告が行なわれた。 コメンテーターは、広島大学大学院・片柳真理教授(報告1.および3.)、宇都宮大学・重田康博教授(報告2.および4.)が務められ、座長は、JICA緒方研究所の花谷厚が務めた。

報告1は、社会主義体制下にあるベトナムにおける地球市民教育(GCE)の可能性について研究したもの。国際学生団体であるAIESEC活動経験者に対する調査を通じて、同団体での活動が、経験者の国際的・社会的問題への理解を深めるとともに、社会貢献活動への参画、リーダーシップ育成に貢献していることが確認され、ベトナムにおいてAIESECがGCEの一つの有効な機会を提供し得ることが示された。

報告2では、メキシコ中西部の先住民族の町チェランにおける住民自治のメカニズムを、ローザンバランの「対抗民主主義」の視点から分析した。チェランの4つのコミュニティにおける観察を通じて、審判・監視・否定の「組織化された不信」(organized distrust)が、地域の民主的統治に有効な役割を果たしていることが示された。加えて平和構築論への含意として、信頼とともに不信のメカニズムを構築することの重要性が指摘された。

報告3では、平和活動を支援する国際社会とローカル組織間の関係を、「テクノクラシー」の浸透に注目して論じた。フィリピンで平和活動に従事する市民社会組織(CSO)とドナー等外部組織間の関係分析を通じて、平和活動におけるテクノクラシーの分析枠組を提示した。

報告4は、インドの「女性自営者協会(SEWA)」を対象に、同団体の行なう融資・起業支援活動が、受益者女性の生計・生活に与えた影響について評価した。メンバー女性への聞き取りに基づき、融資や訓練を通じて受益者の生計が改善するだけでなく、家庭内・対流通業者関係において、発言権を増していることが報告された。

コメンテーターからは、RQ、分析枠組み、調査対象選定理由等をより明確にすべきとの指摘のほか、報告2.については「組織化された不信」の他の紛争影響国への適用可能性について意見が交わされた。フロアからは、報告4.のSEWAの活動実態や運営方針について質問があった。

全体を通じて、グローバルに共通する課題に対してローカル組織による独自の取組みの有効性・可能性が示された有意義なセッションとなった。

(花谷厚)


午後 III セッション/ Afternoon Session III 14:20-16:20 (GMT +9)

A5. 企画「ODAを活かしてCollective impactを実現することは可能か?―JICA「クラスター・アプローチ」を通じた共創の試みとその課題―」

  • 企画責任者:永見光三(JICA)
  • 司会:小林 誉明(横浜国立大学・JASID研究×実践委員会委員長)
  • 発表者:室谷龍太郎(JICA)、吉田友哉(JICA)、永見光三(JICA)
  • 討論者:功能 聡子(ARUN)、キム・ソヤン(東京大学・西江大学)

本ラウンドテーブルでは、ODA・開発援助機関の役割が、個別事業の実施に留まらず、多様なパートナーと協働してのCollective impact創出へと変化しているという認識のもと、JICAが始めているグローバル・アジェンダ(GA)および、クラスター・アプローチの取り組みについて、その意義や課題について議論した。本ラウンドテーブルは、国際開発学会の「研究×実践」委員会の活動の一環として企画された。

JICAから参加した室谷室長がクラスター・アプローチの概要を説明したうえで、吉田会員・永見会員とともに、平和構築、保健医療、防災のそれぞれの分野での取組み・検討状況を紹介した。

この取組みについて、討論者3名からコメントや問題提起があった。功能氏は、SSIR(スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー)の議論も紹介しつつ、エクイティ(公平・公正)の視点の重要性を指摘し、Collective impact成功の5条件(共通のアジェンダ、共通の測定システム、相互に補強し合う取り組み、継続的なコミュニケーション、活動をサポートするバックボーン組織)を満たす構造づくりにJICAがどのような役割を果たすか、という問題を提起した。

キム会員からは、このような変革をなぜ今、何のために取り組むのか、クラスターによって役割分担が固定化されることはないか、どのような制度改革が考えられているか、という指摘があった。

大山会員からは、組織内でのクラスターの位置づけと制度変更の可能性、JICA側の支援策の整理に被援助側の視点を取り込む方法、Collective impact実現のためにアクターの継続的な関与を促す仕組み、といった点への指摘があった。

聴衆からの参加も含めた意見交換では、JICA内の制度的な変更の検討についても共有されたほか、日本の経験に拘りすぎずにどのようなベスト・ミックスを実現するか等が議論された。

司会の小林会員は、研究者がクラスターの検討の段階から貢献できる可能性を示唆しつつ、引き続き実践的な改革のためにも研究者と実務者の議論を続けたいとしてセッションを終えた。

(小林誉明)


B5. RT「『開発』の多重性―アジア・アフリカから語り始める―」

  • 企画責任者:汪牧耘(東京大学)
  • 司会:近江加奈子(国際基督教大学)
  • 発表者:綿貫竜史(名古屋大学)、須藤玲(東京大学)、神正光(元名古屋大学学生)

本ラウンドテーブルは、「若手による開発研究」部会による企画セッションである。「開発とは何か」という古くて新しいテーマに対して、「非欧米社会」に立脚する若い世代の研究者なりに改めて問題提起をしようとした、野心的な計画だといえる。

そこで、5人の若手研究者が、東ティモール、バングラデシュ、中国、日本、フィリピンと南アフリカから見た「開発」の多重性を共有した。それは、単一言語や国際的な観念上の約束だけでは回収できない多様な「開発」のあり方を横並びするだけではない。

多様なあり方の関連性を見出し、さらに、ひとりの若手研究者としてどのように「開発」に向き合っていくかという点まで踏み込んだことで、有意義な議論になったと考える。

なかでも、(1)開発をめぐる知識と実践が「言語」によって区切られている現状と、(2) 開発を目指す「豊かさ」の先にあるもの、という2つの論点をめぐって、登壇者は意見を活発に交わしていた。

具体的には、「開発」を研究していくにあたって、ある国や地域の人びとの年齢、人口規模、時代体験や時間感覚などの視点の重要性が言及された。また、尊厳の奪還、アイデンティティの追認、素朴の維持、人間性への回帰などといった、非物質的な「豊かさ」が現実的に「開発」の語り方を形づくっているような実態もあぶり出されている。

本セッションでは合計30人ほどにご参加いただいた。フロアから、障がいを持つ人が求める開発、開発と近代化の線引き、さらに開発の次に語り始めるべき議題など、示唆に富むコメントが多く示された。

開発に携わる人びとが「開発」を語ろうとする意欲と、語り方を洗練していく必要性を実感したところ、「若手による開発研究」部会のこれからの活動に着手するヒントを得たといえる。今後、若手の開発研究者が共同研究を通して、既存の「開発」の語りを相対化し、アジア・アフリカからの知見を体系的に構築していくことを望む。

(汪牧耘)


C5. 企画「それぞれのウェルビーイングのかたち ―多様化する新興国・途上国での社会課題とコミュニティの現在―」

  • 企画責任者:佐藤峰(横浜国立大学)
  • 司会:佐藤峰
  • 発表者:菅野智子(横浜国立大学)、Yesmen Kazia(横浜国立大学)、Saidur Rahman(横浜国立大学)、牛夢婷(横浜国立大学)
  • 討論者:小國和子(日本福祉大学)

今回は、横浜国立大学佐藤峰研究室として企画セッション「それぞれのウェルビーイングのかたち ―多様化する新興国・途上国での社会課題とコミュニティの現在―」を行ないました。

セッションでは、司会の方で企画の説明をしたのちに、当事者のウェルビーイングの戦略もしくは、新たな社会課題の認識に関わる発表を行ないました。前半の二つの発表では、より新しい社会課題と当事者の課題認識に焦点を当てて論じました。

第一発表(菅野智子)では、トンガ王国における生活習慣病の文化的に適切な対処を、第二発表(Yesmen Kazia)は、バングラデシュにおける大卒女性の就活における障壁、および当事者の認識を取り上げました。

後半の二つの発表では、より社会課題の当事者による対処や戦略に視座をシフトしました。第三発表(Saidur Rahman)では、バングラデシュの都市部における女性縫製工場労働者のウェルビーイング戦略について、第四発表(牛夢婷)は、中国における、文化的に非常に特徴がある、性的マイノリティの「カミングアウト戦略」を取り上げました。

討論者には日本福祉大学の小國和子先生をお迎えし、ふわりとした口調ながら、かなり本質的なコメントをいただきました。とくに、well-being概念をinteractiveに生成されるものとして、そのdynamismを事例から詳細に出していくことは、それぞれの現場における課題に対してcontextualにappropriateな解決策を検討していくことにつながるのではないかというコメントは本質をつくものでした。

その後、25名ほどの参加者からのご意見もいただきながら、かなり充実したセッションをすることができました。学生と指導教員という組み合わせでのセッションをすることには、ご批判を受ける可能性もあり、非常な躊躇がありましたが、いろいろと反省点もありながら、結果としてはやってよかったなと思っています。

金沢大学は父の母校なので、学生達と行けたら本当によかったので、オンラインになったのは、少し残念ではありましたが、自分の指導の限界も痛感でき、そのことも含めて大変によい機会をいただきました。

お忙しいところコメンテーターをお引き受けいただいた小國先生には重ねてお礼を申し上げます。

(佐藤峰)


D5. RT・地方展開委員会主催「日本の地域から問い直す国際開発アジェンダ」

  • 企画責任者:佐野麻由子(福岡県立大学)
  • 司会:木全洋一郎
  • 発表者:木全洋一郎(JICA)、梶英樹(高知大学)、工藤尚悟(国際教養大学)
  • 討論者:佐藤仁(東京大学)

本ラウンドテーブルセッションは、日本の地域づくりと国際開発という視点から今後の国際開発アジェンダを問い直すことを目的とし、パネリストを含め38名程度が参加した。

木全会員は、1990年代から2010年代の日本の地域と国際開発を巡る議論として、(1)日本の知恵や経験を活用した途上国開発、(2)国際協力を通じた日本の地域づくりを経て、今後は(3)グローバルなトレンドにおける新しい日本の地域づくりを捉えた国際開発のあり方そのものの転換の必要性について、陸前高田市のポスト復興のまちづくりを例に提起した。

梶会員は、高知県の中山間地域の地方再生に携わる立場から、日本・途上国ともに地方においては、「地方創生」や「SDGs」という言葉に違和感を覚えており、それが地域の自己肯定感の低下につながっていることを指摘した。

この点において構造的に国内外の地方に共通軸を見出し、地域の自己肯定感の醸成により、途上国/日本の双方にとって有用な新しい開発のあり方を探究する意義を問いかけた。

工藤会員は、直線的な発展史観に基づく開発/ポスト開発の議論に対して、地域には各々の発展の姿があるとする空間的な発展史観を踏まえつつ、敢えて複数の地域を繋ぐ通域的な学びの場を設定することで、異なる発展のあり方に触れて価値観の揺らぎが起こり、自らの自立的な発展への模索につながることを、秋田県五城目町と南アフリカでのフィールドワークを例に述べた。

佐藤会員からは、「外を知っているからこそ、自国を深く理解できる。構造的な権力関係に対し、ローカルな視点に依拠した新たな知見をもって対峙することができる。学会は自己肯定感を高める知識を提供できるのではないか」等のコメントが出された。

参加者からは、「虫の目をもつ地域に暮らす研究者」の可能性、媒介者・翻訳者の役割の重要性、消費主義から外れた地域関係の構築、地方における「内なる国際化」等についての意見や質問が出された。

本セッションを通して、固有の風土をもつ地域が共通課題でつながることや通域的な学びが、地方の劣等感の解消、中心都市との権力関係の解消、新しい知見の獲得において効果的であり、今後の国際開発アジェンダを考えるヒントになりうることが確認できた。

(佐野麻由子)


E5. RT “Cambodia Education and Teacher Reform under COVID-19 Pandemic”

  • 企画責任者:Masato Noda (Ibaraki University)
  • 司会:Masato Noda
  • 発表者:Dy Samsideth (Ministry of Education Youth and Sport: MoEYS, Royal Government of Cambodia), Yuto Kitamura (The University of Tokyo), Chhinh Sitha (Cambodia Education Research Council), Ashida Akemi (Waseda University), Takayo Ogisu (Sophia University), Bo Chankoulika (MoEYS), Yasushi Hirosato (Sophia University), and Ngov Penghuy (Royal University of Phnom Penh)

本セッションは、Cambodia Education and Teacher Reform under COVID-19 Pandemic: Industrial Human Resource Development and Right to Educationと題し、日本とカンボジアの共同研究として、カンボジア教育青年スポーツ省(MoEYS)からもリサーチ・パートナーを招聘して開催された。英語を使用言語に、参加者31名により活発な議論がなされた。

第1報告では、座長の野田が本研究の概要として、SDGs, Education and Teacher Reform toward 2030 in Cambodia-Issues and New Challenges under COVID-19 Pandemic-と題し、発表を行なった。

第2報告では、Dy Samsideth (MoEYS)より教育総局次長としての政策立案の視点から、Teacher Training and Professional Support System in Cambodia – Under the Covid-19と題し、発表がなされた。

第3報告では、北村友人会員(東京大学)、Chhinh Sitha(Educational Research Council, MoEYS)、芦田明美会員(早稲田大学)により、教育現場・教室の視点から、Examining the Quality of Education in Cambodia via a Review of Classroom Activities and Interactionsと題し、発表がなされた。

第4報告では、荻巣崇世会員(上智大学)より、専門家の学習共同体(PLC)を軸に、Theorizing Teacher Learning through Collaboration: Implications for PLC in Cambodiaと題し、発表がなされた。

本セッションは、科学研究費補助金(基盤C)「カンボジアにおけるSDGs達成にむけた教員改革-産業人材育成と学ぶ権利の保障」(代表:野田真里)の成果による。

(野田真里)


午後 IV セッション/ Afternoon Session IV 16:25-18:25(GMT +9)

A6. 開発をどう見るか

  • 座長:久木田純(関西学院大学)
  • コメンテーター:関根久雄(筑波大学)、山田恭稔(中央大学)

発表者

  1. 「パラグアイ農村女性生活改善プロジェクトを評価する―第三の道としてのオンライン国際協力とその評価」
    藤掛洋子(横浜国立大学)
  2. 「『地域社会の組織力』をどう見つけるか―参加型農村開発実践のための地域社会調査手法構築に向けて―」
    重冨真一(明治学院大学)
  3. 「『見る』という普遍言語-写真を『読む』ことを通じて考える-」
    平田オーエン慈花(HAPTICS)
  4. 「開発における自律概念の再考―を基礎とした自律と関係性を基礎とした自律の視点から―」
    近江加奈子(国際基督教大学)

時間的制限があったが、4名の発表者の開発についての多様な視点からの考察に対して有意義で示唆に富む議論を行なうことができた。

発表1:藤掛洋⼦氏(横浜国⽴⼤学)により「 パラグアイ農村⼥性⽣活改善プロジェクトを評価する―第三の道としてのオンライン国際協⼒とその評価」と題して、コロナ禍におけるオンラインでの開発評価の試みに関する報告が行なわれた。オンライン・フィールドワークも含め、どのようにカウンターパートや参加者との信頼を構築するのかなどの問いが出された。

発表2: 重冨真⼀氏(明治学院⼤学)により「『地域社会の組織⼒』をどう⾒つけるか―参加型農村開発実践のための地域社会調査⼿法構築に向けて」と題して、農村の内発的・持続的な開発には地域社会の組織力が重要であり、それをどのように分析し見える化するかについての報告がなされた。リーダー交代など属人的な変化をどう見るかなどの問いが出された。

発表3:平⽥オーエン慈花氏(HAPTICS)により「『⾒る』という普遍⾔語-写真を『読む』ことを通じて考える」と題して、国際開発が価値を問うものであり、見る力が重要であるとの視点から報告が行なわれた。共通感覚やラポールの形成、見ると読むの概念の違い、開発実践は働きかけることによって成り立つのではないかなどの問いが出された。

発表4:近江加奈⼦氏(国際基督教⼤学)により「 開発における⾃律概念の再考―個人を基礎とした⾃律と関係性を基礎とした⾃律の視点から―」と題して、開発における自律の概念は個人を基礎としており、西洋近代市民社会の人間像を押し付けたのではないか、関係性を基礎とした自律の再認識が重要ではないかとの視点から報告がなされた。有効な開発のための自律とは何か、脱開発論につながる議論ではないかなどの問いが出された。

(久木田純)


B6. 企画「JASIDブックトーク」

  • 座長:佐藤寛(ジェトロ・アジア経済研究所)、道中真紀(日本評論社)
  1. 清水展・小國和子/編『職場・学校で活かす現場グラフィー:ダイバーシティ時代の可能性をひらくために』(明石書店、2021年2月刊)
    ・報告者:小國和子会員(日本福祉大学)、大江道雅氏(明石書店) 
    ・討論者:佐藤寛会員(アジア経済研究所)
  2. 飯塚倫子/編著『<善い>ビジネスが成長を生む:破壊と包摂のイノベーション』(慶應義塾大学出版会、2021年11月刊)
    ・報告者:飯塚倫子会員(政策研究大学院大学)、木内鉄也氏(慶應義塾大学出版会)
    ・討論者:高田潤一会員(東京工業大学)
  3. 大谷順子/編『四川大地震から学ぶ:復興のなかのコミュニティと「中国式レジリエンス」の構築』(九州大学出版会、2021年9月刊)
    ・報告者:大谷順子会員、高欣会員、陳逸璇会員、王芸璇会員、李婧会員(以上、大阪大学)、奥野有希氏(九州大学出版会) 
    ・討論者:飯塚明子会員(宇都宮大学)
  4. 佐藤由利子/著『日本の留学生政策の評価:人材養成、友好促進、経済効果の視点から〔増補新装版〕』(東信堂、2021年11月刊)
    ・報告者:佐藤由利子会員(東京工業大学)、下田勝司氏(東信堂) 
    ・討論者:黒田一雄会員(早稲田大学)
  5. (1)重田康博・太田和宏・福島浩治・藤田和子/編著『日本の国際協力 アジア編:経済成長から「持続可能な社会」の実現へ』(ミネルヴァ書房、2021年6月刊)
    (2)阪本公美子・岡野内正・山中達也/編著『日本の国際協力 中東・アフリカ編:貧困と紛争にどう向き合うか』(ミネルヴァ書房、2021年8月刊)

    ・報告者:阪本公美子会員(宇都宮大学)、重田康博会員(宇都宮大学) 
    ・討論者:大橋正明会員(聖心女子大学)
  6. 岡野内正/著『グローバル・ベーシック・インカム構想の射程:批判開発学/SDGsとの対話』(法律文化社、2021年6月刊)
    ・報告者:岡野内正会員(法政大学) 
    ・討論者:佐藤寛会員(アジア経済研究所)

JASIDブックトークは、会員が自著を担当編集者とともに紹介するセッションです。第5回となる今回も、書籍の内容紹介にとどまらず、出版企画が生まれた経緯、執筆・編集における苦労や工夫、主要読者層や販売動向、国際開発への貢献といった、いわば「本づくりそのもの」を、著者と出版社の双方の視点から語っていただきました。

約45名のご参加のもと、上記6冊の書籍につき、たいへん充実した報告・討論・質疑応答が展開されました。

(道中真紀)


 C6. RT「子どもの安全保障―日本において社会的に周縁化されやすい子どもたち―」

  • 企画責任者:勝間靖(早稲田大学)
  • 司会:勝間靖
  • 発表者:高柳妙子(早稲田大学)、中村安秀(日本WHO協会)

「子どもの安全保障への開発アプローチ」研究部会では、「人間の安全保障」について、子どもに焦点を絞った「子どもの安全保障」の概念について議論し、研究部会メンバーのそれぞれの研究領域における事例研究を発表し、政策提言にもつながるような理論的枠組みを構築することを目指して研究活動を進めている。

第32回全国大会の2日目、2021年11月21日(日曜)16:25-18:25、「子どもの安全保障〜日本において社会的に周縁化されやすい子どもたち」と題してラウンドテーブルを開催(オンライン)した。参加者は、20名ほどであった。

まず、研究部会代表者である勝間靖会員(早稲田大学、国立国際医療研究センター)が企画者として、これまでの研究部会での研究活動を説明し、事例研究を発表するうえでの共通の枠組みを提示した。

そして、中村安秀会員(日本WHO協会)「生まれてくる子どもの安全保障〜日本における母子手帳の経験から」と題して発表した。

日本における乳幼児死亡率を見ると、1948年の61.7(千人あたり)から2019年の1.9と大幅に改善している。しかし、無職の世帯は、11.4(2015年)と高く、社会的に周縁化されている。

その原因として、所得の低さ以外に、日本語能力の不足や社会的ネットワークの欠如からくる保健医療・栄養に関する情報不足も考えられる。母子健康手帳は日本語のほか、9カ国語に翻訳されて国内で使われており、妊産婦への保健医療・栄養の情報の普及に役立っている。

つぎに、高柳妙子会員(早稲田大学)が「沖縄に住むムスリムの子どもたち」と題して発表した。沖縄科学技術大学院大学の研究者のうちムスリムの方から紹介を受けて、スノーボール・サンプリングでインタビューが実施された。

子どもが沖縄の公立校に通うなか、体育で水着が着用できなかったり、給食の代わりにハラール弁当を食べたり、決まった時間に祈祷するなど、特別なニーズがあることが示された。それに対して、学校が多様性を尊重しながら、柔軟に対応できているかどうかなど、今後の研究課題が示された。

質疑応答と議論が活発に行なわれた。今後の研究課題として、「母子健康手帳を、従来からの妊産婦中心から、子ども中心に転換できるか?」「子どもの安全保障と、子どもの権利との関係を明らかにするような議論が必要」などが提案された。

(勝間靖)


E6. Social Development

  • 座長:伊東早苗(名古屋大学)
  • コメンテーター:田中雅子(上智大学)、:金 昭延 (Sogang Univeristy)

発表者

  1. “An Investigation of the Entrepreneurial Motivations and Environmental Factors influencing Entrepreneurship in Sub-Saharan Africa”
    1 Nathanael Nzoughe Ngome (Chuo University)
  2. “Gender and Sexual Diversity and Understanding Development: A Direction for Redesigning Post-Pandemic Development Paradigm”
    2 Takeshi Daimon-Sato (Waseda University)
  3. “The impact of incentive payment for health workers on patients’ health facility choice: A case study of the health sector in Cambodia”
    3 Ziying Liu (Kobe University)
  4. “The impact of COVID-19 crisis in Japan: Gender and the world of work”
    4 Naoko Otobe (Consultant on Gender, Work and Development)

The four presentations in this session addressed four different issues pertaining to social dimensions of development. Methodologically, the presentations drew on both quantitative and qualitative analyses. Given time limitations, it was difficult to engage audience in general discussions relevant to all the four presentations. Instead, separate discussions focused on the four individual issues were held between presenters, discussants, and myself as the chair. The session was attended by about twenty people.

The first presentation by Nathanael Nzoughe Ngome was about people’s motivation to start an enterprise in Sub-Saharan Africa, exploring what circumstances influence their decisions. A number of questions and comments were given by one of the discussants concerning the nature of the enterprises discussed as well as the structure of the paper presented.

The second presentation by Takeshi Daimon-Sato was based on his ‘Grant-in-Aid’ research project on sexual orientation and gender identity in Thailand and Malaysia. A discussion centring on his research methods ensued, and several suggestions were made to modify them. Interestingly, the presentation referred to an alternative vision to the SDGs framework that would incorporate individual freedom ‘to be left alone’. (We would have liked to follow up on this point if we had more time available.)

The third presentation by Ziying Liu was on the impact of incentive payment for health workers on patients’ health facility choice in Cambodia. A discussion followed concerning to what extent the rural poor in Cambodia have the substantive choice over health facilities and whether their choice, if any, can be equated with their trust in the facility.

The fourth presentation by Naoko Otobe was on the impact of Covid-19 crisis on gender and work in Japan. One of the discussants suggested several analytical dimensions to be looked at to make the research more exploratory.

(伊東早苗)


ポスターセッション

  1. “Analysis of Foreign Direct Investment on Child Working and Schooling in Secondary Education: Evidence from Cambodia”
    Ryoma Kanazawa (Kobe University)
  2. “Educational Reform of School Diversification and Its Consequences on Educational Stratification in the Republic of Korea: focusing on students’ choice of high school type”
    Seil Kim (Kobe University)
  3. “Effects of Armed Conflicts on Access to Education: The Case of the 1990s Cambodian Civil War”
    Eunho Kim (Kobe University)
  4. “An Analysis of Municipal Governments’ Education Practices on Primary School Children’s Learning Achievement in Brazil”
    Dalilo Leite Dalmon (Kobe University)
  5. “Maternal Employment, Household Division of Childcare and Children’s Development Outcomes in Uganda”
    Li Shumin (Kobe University)
  6. “Do Socioeconomic Factors Prevent Smallholder Farming Children from Enrolling and Attaining More Years of Schooling in Mozambique?”
    Nelson Manhisse (Kobe University)
  7. “An Analysis of Children’s Learning and Development Standards in Lao PDR”
    Xiadong Meng (Kobe University)
  8. “Analysis of ICT Use for Primary School Students’ Learning Outcomes in Ethiopia”
    Ryuto Minami (Kobe University)
  9. “Analysis on the Situation of Early Childhood Education in Lao PDR during COVID-19 Pandemic”
    Masaya Noguchi (Kobe University)
  10. “The Effect of Early Childhood Education on Reading Motivation of 15-Years-old in the Republic of Korea -Based on 2018 PISA data-”
    Natsuko Ogura (Kobe University)
  11. “Friendship Networks of Thai Students and Its Impacts as a Result of a Study Abroad Program in ASEAN”
    Traitip Siriruang (Tokyo Institute of Technology)
  12. “What Determines Children’s Access to Early Childhood Education in Bangladesh”
    Kohei Uno (Kobe University)
  13. “Trajectory of Home Learning Environment over the Preschool-aged Period in Bangladesh”
    Kexin Wang (Kobe University)
  14. “An Analysis of Household Spending on Pre-Primary Education in Kenya”
    Ayumu Yagi (Kobe University)
  15. “An Analysis of Applicability of Self-Determination Theory to Teachers’ Motivation in Public Primary Schools in Lao PDR”
    Taiga Yano (JICA / Kobe University)

第32回全国大会・実行委員会
委員長:和田一哉(金沢大学)




社会連携委員会からのお知らせ(2022年2月)

1.「学術研究者によるナレッジ共有プロジェクト」

第 3 回は、2021年11月4日(木曜)20:00~21:00 に、狩野剛先生を招き「開発途上国における教育継続への試行錯誤」をテーマに開催されました。

80名程の参加者があり、コロナ禍における教育継続だけでなく、ポストコロナの教育についても闊達な議論が展開されました。本企画は継続企画で、2022 年度も継続的に実施していく予定です。

2.「日本の地域ネットワーク団体による SDGs の取組」

2021年12月12日(日曜)13:00~15:00 に、日本の地域団体が取り組む SDGs 活動について事例報告を頂き、地域が実施する SDGs の意義と今後の課題について議論を深めました。

SDGsの地域での活動は市民・市民社会組織に紹介・解説するセッションの開催から、SDGsローカル・アジェンダの策定、SDGsグローバル指標のローカル化まで、多様な動きが含まれます。そのため、そのようなネットワーク団体の動きの多様性を整理するとともに、その動きに含まれる市民・市民社会組織のエンパワメントや行政・市民間関係の変革といった可能性について検討されました。

社会連携委員会
委員長:川口純(筑波大学)




関西支部:活動報告(2022年2月)

関西支部では2021年度に引き続き、2022年度もZoomを用いた遠隔による定期的な研究会を開催する。本支部が開催する研究会では、国際開発・国際協力に関するさまざまな分野の専門家を招聘し、現在世界的な問題となっているコロナ禍、また、コロナ後における国際開発・国際協力に関する議論を精力的に展開していく。

研究会の開催によって期待される成果は主に次の2点である。第一に、研究会で行われる最先端のトピックに関する講演や議論に参加することにより、とりわけ若い学生会員が研究意欲を刺激され、積極的に国内外の学会での発表や査読付きのジャーナルへの投稿を行うようになることで、国際開発研究が活性化されていくことが期待される。

また、研究会を通して、国内外の第一線で活躍されている講師と若手研究者が学術的なネットワークを構築し、若手研究者の将来の国際開発分野における活躍につながることも期待される。

上記活動計画に基づき、2021年10月から2022年1月現在に至るまで、計3回(第157回から第159回)の研究会を開催したため、その内容について以下の通り報告する。

第157回研究会

Non-formal Education and Poverty Alleviation: Case of Burkina Faso and Korea Collaboration

  • 発表者:Dr. Ki Seok “Korbil” Kim, Emeritus Professor, Seoul National University & CEO & Chairman, Educators Without Borders (EWB)
  • 討論者:Dr. Jean-Baptiste M.B. Sanfo, Lecturer, University of Shiga Prefecture
  • 参加人数:28名
  • 日時:2021年10月21日(木曜)17:00-19:00
  • 言語:英語

概要

本研究会では、国際NGO「国境なき教育者(Educators Without Borders: EWB)」の創設者であり、現代表を務めるKimソウル国立大学名誉教授を招聘し、「Non-formal Education and Poverty Alleviation: Case of Burkina Faso and Korea Collaboration」をテーマとした講演が行われた。

Kim教授は、まずEWB設立の契機や、これまでの活動について説明し、「質の高い教育を通じた貧困削減」をスローガンに実施されてきたEWBの活動が拡大を続け、ブルキナファソにおける国際開発を牽引していると述べた。また、KOICAからの支援を受けた「貧困のためのグローバル・アライアンス(GAPA)」プロジェクトについて言及した。

1) 識字教育、2) 所得向上のための技術訓練、3) マイクロクレジットの3つの活動の実施を目的とした本プロジェクトは、ブルキナファソの識字率向上や貧困削減に大きく貢献し、1000人を超える参加者の現地語及びフランス語の識字能力向上、専門技術習得といった成果が見られたほか、590人に対して実施されたマイクロクレジット・プログラムでは、参加者が習得したスキルを用いることで恒常的に所得を得られる循環が作られたとした。

さらに、新たな取り組みとして、「女性のエンパワーメントのための養鶏マイクロクレジット」プログラムを実施している点にも触れた。このように、本研究会はKim教授の講演及びその後の議論を通じて、国際NGOの概要やビジョン、活動について知見を深める意義深い機会となった。

第158回研究会

Learning Loss During COVID-19: An Early Systematic Review

  • 発表者:Dr. Harry Patrinos, Practice Manager, World Bank
  • 討論者:Dr. Keiichi Ogawa, Professor, Kobe University
  • 参加人数:53名
  • 日時:2021年11月3日(水曜)9:00-11:00
  • 言語:英語

概要

本研究会では、世界銀行本部の次長として活躍しているHarry Patrinos博士を招聘し、「Learning Loss During COVID-19: An Early Systematic Review」をテーマとした講演が行われた。

Patrinos博士は、COVID-19感染拡大がグローバル教育システムの混乱を引き起こしたことで、研究者らは学習成果への影響、とりわけ「学びの喪失(Learning Loss)」について注目するようになったことに言及した。

Patrinos博士が「学びの喪失」に関する8編の研究論文をレビューした結果、COVID-19感染拡大の影響は正負どちらもありうること、「学びの喪失」を経験した子どもが多い地域では、教育格差が大きく拡大したことが明らかとなった。講演の最後では、地域性や生徒の特徴など、より多くの要因を踏まえたさらなる研究が必要であることにも触れた。

講演後には、小川関西支部長の問題提起により、COVID-19感染拡大がもたらした教育への正負の影響について、またコロナ禍での教育に関する世界銀行によるプロジェクトなどについての議論が交わされた。本研究会は、Patrinos博士の講演及びその後の議論を通じて、本支部の今年度の活動目的でもある、コロナ禍での教育の現状について深い知見が得られる大変貴重な機会となった。

第159回研究会

Data as An Empowerment Tool: Rwanda’s Innovative Efforts to Empower Young Population through Disseminating and Monitoring SDGs

  • 発表テーマ:
  • 発表者:Mr. Ruben Muhayiteto, Training Center and Data Science Campus Manager,
  • National Institute of Statistics of Rwanda
  • 討論者:Ms. Yumi Matsuda, Former UNICEF Rwanda, Chief, Planning, Monitoring and Evaluation Section/ Former UNICEF Jordan, Chief, Planning, Monitoring and Evaluation Section
  • 参加人数:36名
  • 日時:2021年12月2日(木曜)18:00-19:30
  • 言語:英語

概要

本研究会では、発表者としてルワンダ国立統計研究所のRuben Muhayiteto氏、討論者としてユニセフ・ルワンダ事務所及びヨルダン事務所でプロジェクトの計画・モニタリング・評価に携わってこられた松田氏を招聘し、「Data as An Empowerment Tool: Rwanda’s Innovative Efforts to Empower Young Population through Disseminating and Monitoring SDGs」をテーマとした講演が行われた。

Muhayiteto氏は、ルワンダ国立統計研究所が、同国における統計リテラシー向上に向けたデータの収集や統計資料の公開、国立統計システムを用いたキャパシティ・ビルディングなどを実施していることを紹介した。とりわけ「Reading with Children」と題するプロジェクトの実施や、統計的知識や能力を競う大会の開催によって初等教育から高等教育に渡り統計リテラシーの涵養が推進されていることに触れた。

また、メディア産業のための統計リテラシーの重要性についても言及した。講演後は、松田氏からの話題提供を受け、統計データを理解する力が子どもにとってなぜ肝要なのか、またユニセフにおけるデータの運用・モニタリングなどについて活発な議論が行われた。

本研究会は、Muhayiteto氏の講演や同氏と松田氏の間の議論を通じて、教育開発を含む国際開発分野での統計リテラシー向上の意義について深い知見が得られる大変意義深い機会となった。

関西支部
支部長:小川啓一(神戸大学)