開催案内「今治市の食農政策と地域形成の特徴」3月27日開催(会員・一般)

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会と「社会的連帯経済」研究部会の共催で、下記のように研究会を開催します。

2023年8月に実施した愛媛県今治市への視察をベースに、地域社会に根ざす食農政策について議論します。ぜひ、皆さんも議論にご参加ください!

開催概要

  • 日時:2024年3月27日(水曜)午後1時半~3時半
  • 方法:ZOOM(前日に招待URLを送ります)

話題提供

池上甲一(近畿大学名誉教授)

視察ツアーに参加したメンバーからも補足説明・コメントがあります。

申し込み方法

下記、問い合わせ先メールアドレスまでお申し込みください。


本件にかんするお問い合わせ先

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会
代表:池上甲一・副代表:牧田りえ

  • ethicalagrifood@(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



共催研究会:「倫理的食農システム」・「社会的連帯経済」3月27日開催(会員・一般)

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会と「社会的連帯経済」研究部会の共催で、下記のように研究会を開催します。

2023年8月に実施した愛媛県今治市への視察をベースに、地域社会に根ざす食農政策について議論します。

ぜひ、皆さんも議論にご参加ください!

開催概要

  • 日時:2024年3月27日(水曜)午後1時半~3時半
  • 方法:zoom(前日に招待URLを送ります)
  • 主催:「倫理的食農システム」研究部会・「社会的連帯経済」研究部会

話題提供:

「今治市の食農政策と地域形成の特徴」

池上甲一(近畿大学名誉教授)

視察ツアーに参加したメンバーからも補足説明・コメントがあります。

申し込み方法

以下のメールアドレスまでご連絡ください。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会「倫理的食農システムと農村発展」研究部会
代表 池上甲一・副代表 牧田りえ

  • ethicalagrifood [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2024年2月)

倫理的食農システムと農村発展

Ethical Agri-food Systems and Rural Development

メンバー

代表

池上甲一(近畿大学)

副代表

牧田りえ(学習院大学)


活動開始から活動終了までの予定

1年目(2020年10月から2021年年9月)

オンラインによる研究会を計画通り4回開催した。第1回:「フード・アクティヴィズムの論じ方」(2020年12月27日)、第2回:「食料主権とアグロエコロジー」(2021年3月12日)、第3回:「持続可能な農産品サプライチェーン構築と倫理的生産活動の支援」(5月15日)、第4回:「JICAインドネシア・スラウェシ貧困対策支援農村開発計画の経験」(7月31日)。

2年目(2021年10月から2022年年9月)

オンラインによる研究会を5回開催した。第1回:「倫理的生産者と倫理的消費者をつなぐ試み」(2021年10月10日)。第2回:「愛媛県今治市の食と農のまちづくりが示唆するもの」(2022年1月8日)、第3回:「ミルパとプルケー、メリポナ蜂:メキシコの小農とアグロエコロジー」(6月11日)、第4回:「CSAの現段階とTEIKEIの展開過程」(7月2日)、第5回:「宮城県・鳴子の米プロジェクトがめざす農と食のコミュニティ―日本版CSAの特徴をどうとらえるか?―」(7月10日)。

3年目(2022年10月から2023年9月)

全国大会でラウンド・テーブルを開催。2023年8月に今治市の研修ツアー開催。オンライン研究会を3回開催予定(第1回は7月1日、企業CSAについて)。

4年目(2023年10月から2024年9月)←今年度

従来と同様の非会員の一般参加も認める公開のオンライン研究会を4回程度開催するほか、学会誌に特集として寄稿することを目指す対面式の研究会を数回開催する。


成果の公表予定

<学会での発表、学会誌での特集企画など>

1年目<終了>

なし

2年目<終了>

他学会での論文掲載・投稿

3年目<終了>

2022年の全国(秋季)大会においてラウンド・テーブルを開催した。

4年目←今年度

学会誌の特集を企画する。


女性会員、外国人会員、若手研究者(若手正会員)の活動奨励策

本研究部会の副代表は女性であり、また賛同者にも多数の女性会員が名を連ねている。若手研究者の報告を支援するために、旅費の支給を予定していたが、これまではオンラインの研究会だったので、実施できていない。

しかし本年度は対面式の研究会も組み込み、face to faceの良さを生かした丁寧な議論を行いたい。外国人会員の報告についても積極的に取り入れ、研究の成果公表につながるような議論を期したい。


『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




倫理的食農システムと農村発展・連帯経済「合同研究会」1月26日開催(会員・一般)

この度、国際開発学会の二つの研究部会の共催(倫理的食農システムと農村発展、社会的連帯経済)で、2024年1月26日(金曜)にオンライン研究会を開催します。

沖縄・石垣島とつなぎ、地域の共通目的のために、異業種(農業・飲食・宿泊)が協力するローカル認証についてお話を伺います。平日開催となりますが、皆さまには今からスケジュールをおさえていただき、ぜひご参加いただければ幸いです。

開催概要

  • 日時:2024年1月26日(金曜)午後3時~5時
  • 方法:オンライン(zoom)
  • 主催:倫理的食農システムと農村発展・連帯経済研究部会

講師

花谷まゆ さん(コラコラ事務局・縁の下の力持ち係、農業者「花谷農園」)
*コラコラ認証について事前勉強したい方は以下のサイトへ:
Coralcollabo ()

テーマ(仮題)

「さんごにやさしい八重山ローカル認証・コラコラ(coral collabo)」

参加方法

以下のお問い合わせ先メールアドレスまで。


本件にかんするお問い合わせ先

国際開発学会「倫理的食農システムと農村発展」研究部会
代表 池上甲一・副代表 牧田りえ

  • ethicalagrifood [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2023年11月)

1. 研究部会概要

本研究部会は2021年度から活動している。目的は、いわゆるフェアトレードとエシカル消費を柱とする倫理的取引に基づく食農システム(これを倫理的食農システムとする)が生み出す農村発展の成果と課題を解明することにある。

その参照枠組みとして、「食への権利」や「食料主権」、オーガニックや地産地消といった食料運動の観点も利用することとしている。理論的研究と実践からの学びとを二本の柱にしている。

代表者は池上甲一(近畿大学名誉教授)、副代表は牧田りえ(学習院大学教授)で、25人ほどが賛同者リストに名を連ねている。

主な活動としてはオンラインによるオープン研究会(会員、一般)を行っている。副代表の牧田が研究代表者になっている科学研究費と合同で開催する場合もある。参加者は平均して20名程度であるが、テーマによっては50名を数えることもある。

2. 活動実績

2-1 ラウンド・テーブルの開催

秋季大会において研究部会として「倫理的食農システムの構築に向けて―アグロエコロジーの観点から―」と題したラウンド・テーブルを開催した。この準備会合として2回の内部研究会を設定し、コメンテーターを交えて議論を交わした。

まず、11月3日に座長として池上が企画の趣旨を説明し、座長解題の基本方針を報告した。ラウンド・テーブルの2つの柱になる倫理的食農システムとアグロエコロジーについての理解をめぐり、食農システムの上流から下流に向けた各段階、すなわち、種子、農業生産、流通、消費のそれぞれからテーマに迫ることを確認した。

ついで、11月23日に2回目の内部研究会をもち、それぞれの報告者が説明した報告のアウトラインと予定コメントについて議論を行った。

以上の準備会合を踏まえて、12月3日にラウンド・テーブルを開催した。

第1報告は西川芳昭「アグロエコロジー研究から見たタネをめぐる主体者の多様性」、第2報告は受田宏之「ミルパ、有機市、農民学校:メキシコにおけるアグロエコロジーの実践と課題」、第3報告は牧田りえ「有機とローカルはなぜ接近するのか」、第4報告は坂田裕輔「生産過程の倫理性に対する消費者の関心」せある。

報告の構成は、食農システムの流れに沿っている。これらの報告に対して、加藤珠比氏と妹尾裕彦氏がそれぞれコメントを行い、このコメントを中心に議論が行われた。
対面とオンラインのハイブリッド形式の開催だったので、全体としての参加者数は不明であるが、対面式の会場参加は20名強だった。

2-2 研究会

2023年度は、オンラインによる研究会を当初の計画通り4回開催した。そのうち、2回は公開、残りの2回はラウンド・テーブルに向けた打ち合わせ(前述)のためのクローズドとして開催した。以下、公開分についてまとめる。

第1回

本年度公開研究会第1回は、2022年10月14日に日本スローフード協会・代表理事の渡邉めぐみ氏を講師として、「スローフード運動の今」を報告してもらった(オンライン)。

まず、スローフード運動がイタリアで始まった背景と経緯を、運動創設者のカルロ・ペトリーニの考え方、伝統的な食を守る運動から検討された。ついで、食の総合性と食をめぐる諸問題がスローフードのミッション(おいしい、きれい、正しい)を生み出したことが説明された。

次に、「味の箱舟」プロジェクトなどの取組が紹介された。世界の動きが中心であるが、その中でも生物的・文化的多様性が強調されている点が示唆的であった。またガストロノミー大学の取組は、運動論と変革への実践を科学が媒介しているという点で、まさにアグロエコロジーの目指すところと共通している。

第2回

研究会第2回は7月1日に、大皿一寿 氏(株式会社ナチュラリズム 代表取締役)を講師として「神戸有機農家チームbio creatorsのCSA」をテーマに報告してもらった(オンライン)。

ナチュラリズムは有機野菜のCSAだけでなく、兼業しながらでもできる有機農家の育成やファーマーズマーケット、ケールの加工などさまざまな活動に取り組んでいる。

また仲間たちとつくったBio creatorsは、ピックアップ・ステーションを利用するCSA以外に、企業(職場)と連携するCSAの新たな可能性に挑戦している。また、耕作放棄地でお米をつくったり、都会の空き地を利用したアーバンファーミングを実施したりしている。

さらに、高齢化が進展して、コミュニティ機能が弱っている団地をCSAで活性化させる取り組みも始めている。消費者の安全な食料確保と有機農家の経営の視点からだけでなく、ネットワーキングや職場のつながり、コミュニティ再生など、CSAのもつさまざまな可能性を展望することができた。

2-3 視察ツアー

愛媛県今治市の有機農業と地産地消をおもな内容とする視察ツアーを実施した。2022年度に講師として招いた愛媛大学の胡柏氏の紹介により、2022年度に企画されたものがコロナで延期となっていたものを本年度に実施することができた。

期間は8月21日~23日、参加者は本研究部会の賛同者を中心に6人~8人(最終日に松山在住者が天候不順によるJR遅延のため参加できず)。

視察場所は今治市役所(地産地消・有機学校給食)、地産地消カフェ・地域振興グループ、JA越智今治農産物直売所、学校給食用有機農産物生産グループ、イノシシ活用隊、大三島自然農法グループなど。今治市のJA、自治体、有機農業グループ、新規就農受け入れ態勢などたいへん参考になる点が多かった。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




研究会「倫理的食農システムと農村発展」10月7日開催(会員・一般)

下記の通り、久々にフェアトレード関連の話題で研究会を設けます。

フィールドから戻ってすぐにホットなお話を伺える見込みですので、関心のあるお知り合いをお誘い合わせの上ぜひご参加ください。

開催概要

  • 日時:2023年10月7日(土曜)午後1時30分~(2時間を予定)
  • 講師:一栁智子さん(名古屋大学大学院国際開発研究科 特命研究員)*9月1日時点
  • テーマ:「ケニア農村地域における社会的企業の持続可能性の検討―フェアトレード組織Meru Herbsの事例調査から」(仮題)Meru Herbs – Certified Organic Products
  • 場所:ZOOM(前日に招待URLを送ります)

本件にかんするお問い合わせ先

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会
池上甲一(代表)、牧田りえ(副代表)

参加申し込み・問い合わせは以下のメールアドレスまで。

  • ethicalagrifood [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2023年8月)

ラウンドテーブル以降、しばらく研究会を開催できなかったが、7月1日にオンラインの研究会を開催した。

テーマは「神戸有機農家チームbio creatorsのCSA」で、講師として大皿一寿 氏(株式会社ナチュラリズム代表取締役)をお招きした。ナチュラリズムは有機野菜のCSAだけでなく、兼業しながらでもできる有機農家の育成やファーマーズマーケット、ケールの加工などさまざまな活動に取り組んでいる。

また仲間たちとつくったBio creatorsは、ピックアップ・ステーションを利用するCSA以外に、企業(職場)と連携するCSAの新たな可能性に挑戦している。また、耕作放棄地でお米をつくったり、都会の空き地を利用したアーバンファーミングを実施したりしている。

さらに、高齢化が進展して、コミュニティ機能が弱っている団地をCSAで活性化させる取り組みも始めている。消費者の安全な食料確保と有機農家の経営の視点からだけでなく、ネットワーキングや職場のつながり、コミュニティ再生など、CSAのもつさまざまな可能性を展望することができた。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2023年5月)

前回のニューズレターでは、秋の大会におけるラウンドテーブルの結果を報告した。

その後は、研究会の内部での準備を進めており、具体的な活動は実施していない。

5月末か6月にCSAに関する研究会を開催する予定で調整している。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2023年2月)

活動報告

前回のニューズレターでは2022年度の活動報告を行った。その中で触れたとおり、秋季大会において研究部会として「倫理的食農システムの構築に向けて―アグロエコロジーの観点から―」と題したラウンド・テーブルを開催した。

この準備会合として2回の内部研究会を設定し、コメンテーターを交えて議論を交わした。まず、11月3日に座長として池上が企画の趣旨を説明し、座長解題の基本方針を報告した。ラウンド・テーブルの2つの柱になる倫理的食農システムとアグロエコロジーについての理解をめぐり、食農システムの上流から下流に向けた各段階、すなわち、種子、農業生産、流通、消費のそれぞれからテーマに迫ることを確認した。ついで、11月23日に2回目の内部研究会をもち、それぞれの報告者が説明した報告のアウトラインと予定コメントについて議論を行った。

以上の準備会合を踏まえて、12月3日にラウンド・テーブルを開催した。第1報告は西川芳昭「アグロエコロジー研究から見たタネをめぐる主体者の多様性」、第2報告は受田宏之「ミルパ、有機市、農民学校:メキシコにおけるアグロエコロジーの実践と課題」、第3報告は牧田りえ「有機とローカルはなぜ接近するのか」、第4報告は坂田裕輔「生産過程の倫理性に対する消費者の関心」というように、食農システムの流れに沿って報告が行われた。これらの報告に対して、加藤珠比氏と妹尾裕彦氏がそれぞれコメントを行い、このコメントを中心に議論が行われた。

対面とオンラインのハイブリッド形式の開催だったので、全体としての参加者数は不明であるが、対面式の会場参加は20名強だった。

本年度も研究会を随時開催し、課題に迫る予定である。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




2022年度・活動報告『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2022年11月)

2022年度の活動実績

2022年度は、オンラインによる研究会を5回開催した。第1回は、2021年10月10日にオイシックス・ラ・大地株式会社ソーシャル・コミュニケーション室の秋元浩治さんほか1名を講師として、「倫理的生産者と倫理的消費者をつなぐ試み」を報告してもらった。オイシックス・ラ・大地は、有機農産物を中心にその配送や加工品の販売を通じて、日本で倫理的食農システムの構築を実践してきたトップランナーに位置づけられる。その歴史と業務内容、ポリシーなどについて学んだ。

第2回は1月8日に愛媛大学農学部教授の胡 柏さんを講師として、「愛媛県今治市の食と農のまちづくりが示唆するもの」というテーマの下に、今治市の取組について学んだ。今治市は学校給食、有機農業、食育などで著名だが、胡 柏さんは長年にわたって、今治市食と農のまちづくり委員会会長を務めているので、内側の事情についても興味深い報告をしていただいた。地産地消と有機農業(農産物)、地域内での経済循環、多様な主体の関与と分担(マルチステークホルダー)といった研究部会に関わる論点が浮き彫りになった。

第3回は6月11日に東京大学教授の受田宏之さんが「ミルパとプルケー、メリポナ蜂:メキシコの小農とアグロエコロジー」について報告した。ミルパ(トウモロコシとマメ類を中心に混作するメキシコの在来農法)もプルケー(多年草マゲイから作られる地酒)もメリポナ蜂(マヤの人びとが神からの贈り物とする針のないミツバチ)も小農世界を構成する不可欠のパーツであり、そこに地域の生態系を重視するアグロエコロジー(AE)との接点がありうる。ただし、有機農業の位置づけが高いのは輸出用のコーヒー、アボガド部門であって、小農部門ではごく一部にとどまる。とはいえ、参加型認証を用いる有機市の事例とAEの重要な要素である農民の主体性を育てようとする農民学校の事例から判断すると、小農部門における有機農業の主流化には相当の努力が必要だが、コミュニティの形成・強化には大きな役割を果たし得るといえる。

第4回は7月2日に三重大学名誉教授・CSA研究会代表の波夛野豪さんが「CSAの現段階とTEIKEIの展開過程」について報告した。波夛野氏は、日本はもとより世界各地のCSAを訪問・調査してきた。その結果によると、CSAは「地域が支える農業」「地域支援型農業」と和訳されることが多いが、実態はCommunityが支える農業であり、そのCommunityの性格によってCSAのあり方が決まってくる。運営のポイントは会員制で、会費(農産物の対価とは限らない)の前払いによって農家・農場を支援する点にある。不作でも会員に対する保証がないので、CSAは農産物とともにリスクを共有する仕組みだと見ることもできる。会費の設定方式として、所得格差に応じて差を設けるスライディング方式は、倫理的食農システムの観点からたいへん興味深い。

第5回目は、7月10日に米沢女子短期大学准教授の中川恵さんが「宮城県・鳴子の米プロジェクトがめざす農と食のコミュニティ―日本版CSAの特徴をどうとらえるか?―」について報告した。鳴子の米プロジェクトは、鳴子町の水田・稲作が荒廃しかねないと、民族研究家の結城登美雄氏が危機感を持ったことで始まった。結城氏はその際に地元の温泉街・こけし業者に対して、地元産の米を食べることで共有財産としての鳴子町の水田を守ろうと呼びかけた。その象徴として、日本でも知ら始めた「地域支援型農業」の呼称を持ち込んだものと思われる。鳴子では宮城県が開発した高冷地向け品種「ゆきむすび」の栽培と自然乾燥米をその要件とした。現在は都心のおにぎり業者との契約栽培に重点が移っている。このCSAは中山間地における離農の速度を遅らせるという効果を持った。

2022年度の研究会では有機農業とCSAによる農村発展のあり方がひとつの共通テーマとして浮かび上がった。必ずしも、明確に議論されたわけではないが、有機認証やCSAによる前払い制、リスクの共有といった特徴は倫理的食農システムを考える上での論点となりうるだろう。

2022年度秋季大会には、「倫理的食農システム:アグロエコロジーの視点から」というテーマでラウンドテーブルを開催する予定で準備を進めている。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




『スローフード運動の今』(倫理的食農システムと農村発展研究部会)10月14日開催(会員・一般)

今年度後半の「倫理的食農システムと農村発展」研究部会では、オルタナティブ・フード運動の一つ、イタリア発で世界に広がった(インドへも!)スローフード運動を取り上げたいと考えています。まずは、以下の通り、同運動の全体像についてお話を伺います。ご関心のある方はお気軽にご参加ください。

  • 日時:2022年10月14日(金曜)午後4時~6時*これまでの会合と異なり、平日の夕方となりますのでご注意ください。
  • 講師:渡邉 めぐみ氏(一般社団法人日本スローフード協会 代表理事)
  • テーマ:スローフード運動の今(仮)
  • 場所:ZOOM(前日に招待URLを送ります)

本件にかんするお問い合わせ先

「倫理的食農システムと農村発展研究部会」
代表:池上甲一
副代表:牧田りえ

  • E-mail: ethicalagrifood [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

 




研究会「倫理的食農システムと農村発展研究部会」7月2日開催(会員・一般)

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会では、この7月、地域支援型農業(CSA)を連続して取り上げます。お気軽にご参加ください。

開催概要

2022年7月2日(土曜)午後2:00~4:00

  • 報告者:波夛野豪 氏(三重大学名誉教授)
  • 報告タイトル:「CSAの現段階とTEIKEIの展開過程」

2022年7月10 日(日曜)午後2:00~4:00

  • 報告者:中川恵 氏(山形県立米沢女子短期大学社会情報学科・准教授)
  • 報告タイトル:「宮城県・鳴子の米プロジェクトがめざす農と食のコミュニティ ―日本版CSAの特徴をどうとらえるか?―」

会場:

いずれもZOOM(前日に招待URLをお送りします)

参加料:

無料

参加申し込み:

以下のメールアドレスまで、参加希望の日にちを明記してお送りください。


本件にかんするお問い合わせ先

「倫理的食農システムと農村発展研究部会」

  • E-mail: ethicalagrifood [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



研究会「倫理的食農システムと農村発展」7月2・10日開催 (会員・一般)

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会研究会では6月のアグロエコロジーに続き、7月は地域支援型農業(CSA)を連続して取り上げます!

  • 日時:2022年7月2日(土曜)午後2時~4時
  • 報告者:波夛野豪 氏(三重大学・名誉教授)
  • 報告タイトル:「CSAの現段階とTEIKEIの展開過程」
  • 日時:2022年7月10日(日曜)午後2時~4時
  • 報告者:中川恵 氏(山形県立米沢女子短期大学社会情報学科・准教授)
  • 報告タイトル:「宮城県・鳴子の米プロジェクトがめざす農と食のコミュニティ ―日本版CSAの特徴をどうとらえるか?―」

会場

いずれもZOOM(前日に招待URLをお送りします)

お申込方法

参加希望の日にちを明記し、Eメールにてお申込みください。


本件にかんするお問い合わせ先

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会

  • E-mail: ethicalagrifood [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



オンライン研究会「倫理的食農システムと農村発展」6月11日開催(会員・一般)

下記の要領で、研究会を開催します。ふるってご参加ください。
会員以外の参加も歓迎します。関心のありそうな学部生、大学院生にも伝えてください。

開催概要

  • 日にち:2022年6月11日(土曜)
  • 時間:午後2時~4時
  • 報告者:受田宏之(東京大学大学院総合文化研究科・教授)
  • 発表タイトル:ミルパとプルケー、メリポナ蜂:メキシコの小農とアグロエコロジー
  • 会場:ZOOM(前日に招待URLをお送りします)

お申込み

下記メールアドレスまで、お申込みください。


本件にかんするお問い合わせ先

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会

  • E-mail: ethicalagrifood [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2022年5月)

 活動報告

本研究部会では、ニューズレターで報告した1月の研究会「愛媛県今治市の食と農のまちづくりが示唆するもの」(講師:胡 柏・愛媛大学教授)以後、暫時休会状態にある。というのは、1月の研究会を受けて3月冒頭に実施する予定だった今治市での研修ツアーが、コロナ禍の影響によって実施できなくなったからである。

4月9日に研究打ち合わせを実施し、秋季大会のラウンドテーブルもしくは企画セッションに向けて検討を開始したところである。今後、定期的にオンラインを中心に、研究会を開催していく。さしあたりは6月11日に受田・東京大学教授を講師に研究会を開催する予定である。

本研究部会は、科研B「フェアトレードがオルタナティブ・フード運動へ貢献する方法の探求」(代表:牧田学習院大教授)と共催で研究会を実施してきたが、今後もこの方針は継続する。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




活動報告『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2022年2月)

本研究部会は2021年度から活動している。目的は、いわゆるフェアトレードとエシカル消費(両者を合わせて倫理的取引とする)に基づく倫理的食農システムが生み出す農村発展の成果と課題を解明することにある。

その参照枠組みとして、「食への権利」や「食料主権」といった食料運動の観点も利用することとしている。理論的研究と実践からの学びとを日本の柱にしている。2022年度秋季大会にはラウンドテーブルまたは企画セッションを開催したいと考えている。

2022年度に入ってからも、前年度と同様にオンラインによる研究会を開催した。まず、10月10日にオイシックス・ラ・大地株式会社ソーシャル・コミュニケーション室の秋元浩治さんほか1名を講師として、「倫理的生産者と倫理的消費者をつなぐ試み」を報告してもらった。

オイシックス・ラ・大地は、有機農産物を中心にその配送や加工品の販売を通じて、日本で倫理的食農システムの構築を実践してきたトップランナーに位置づけられる。その歴史と業務内容、ポリシーなどについて学んだ。

2022年1月8日には、第2回目の研究会として愛媛大学農学部教授の胡 柏さんを講師として、「愛媛県今治市の食と農のまちづくりが示唆するもの」というテーマのもと、今治市の取組について学んだ。

今治市は学校給食、有機農業、食育などで著名だが、胡 柏さんは長年にわたって、今治市食と農のまちづくり委員会会長を務めておられるので、内側の事情についても興味深い報告をしていただいた。

地産地消と有機農業(農産物)、地域内での経済循環、多様な主体の関与と分担(マルチステークホルダー)といった研究部会に関わる論点が浮き彫りになった。

なお、いずれも科研B「フェアトレードがオルタナティブ・フード運動へ貢献する方法の探求」(代表:牧田学習院大教授)との共催)である。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




「倫理的食農システムと農村開発」研究部会・研究会(会員・一般)

2022年の新年早々に研究会を開催します。今回は、学校給食を始め個性的な食農政策・事業を展開している今治市の「食と農のまちづくり委員会」会長の胡柏さんから報告していただきます(科研B・オルタートレード研究会とも兼ねています。)

実践的な話題であり、多くの示唆が得られるものと確信しています。多くの方の参加を期待しています。参加希望者は、下記の申し込み先に連絡してください。学会員以外でも、関心のある方がお知り合いにいらっしゃいましたらお誘いください。

開催概要

  • 日時: 2022年1月8日(土曜)午後2時~4時
  • ゲスト・スピーカー:胡 柏 氏(愛媛大学農学部教授・今治市食と農のまちづくり委員会会長)
  • テーマ: 愛媛県今治市の食と農のまちづくりが示唆するもの
  • 場所:ZOOM (前日に招待URLを送ります)
  • お申込み:以下のメールアドレスまでお申込みください。

本件にかんするお問い合わせ先

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
池上甲一(代表)・牧田りえ(副代表)

ethicalagrifood[at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)




活動報告『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2021年11月)

1.研究部会概要

「倫理的食農システムと農村発展」研究部会は池上甲一(近畿大学名誉教授)を代表者、牧田りえ(学習院大学教授)を副代表者として、2020年11月にスタートした。本研究会の目的は、いわゆるフェアトレードとエシカル消費(人権、環境、公正さに配慮する消費)の両者を倫理的取引として把握し、この倫理的取引に基づく倫理的食農システムが生み出す農村発展の成果と課題を解明することにある。

その際に、北側諸国でも関心を集めている「食への権利」や「食料主権」といった食料運動の観点も参照枠として利用する。具体的には、第1に現行食農システムの問題解明と倫理的食農システムの構築・拡大条件、第2に貧困削減を含む農村の総合的な発展への道筋、第3に「先進国」を中心とする消費者に対する倫理的食農システムの利点の提示とそれによるフェアトレード市場の拡大可能性を解明することをめざしている。

貧困削減・撲滅はPRSPの登場以降、人類共通の課題として捉えられてきた。2015年に合意されたSDGsでも第1目標に位置づけられている。しかし、とりわけCOVID-19による感染症の世界的な拡大によって、減少傾向にあった貧困人口が再び増大に転じている。貧困人口の多くは、医療・保健体制の脆弱な南側諸国の農民である。だから、農村発展はSDGsの観点からも国際公共保健の観点からも優先度が高いといえる。

2.活動実績概要

2021年度は、新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、オンラインによる研究会の開催を行ってきた。研究会の実施状況は次のとおりである。

第1回(2020年12月27日)

科研費(代表・牧田りえ学習院大学教授)との共催で開催された。講師は安藤丈将氏(武蔵大学教授)に依頼し、「フード・アクティヴィズムの論じ方」というテーマの報告を受けた。

第2回(2021年3月12日)

に、本研究部会代表の池上が「食料主権とアグロエコロジー」について報告した。この研究会には、賛同者と科研の研究メンバー以外にも国際開発学会会員、それ以外の一般参加者も多数参加し、このテーマに対する関心が大きいことを痛感した。

第3回(2021年5月15日)

ソリダリダード・ジャパンの楊殿閣氏に、「持続可能な農産品サプライチェーン構築と倫理的生産活動の支援」というタイトルで国際NGOソリダリダードの活動について報告してもらった。

第4回(2021年7月31日)

龍谷大学名誉教授の河村能夫氏に「JICAインドネシア・スラウェシ貧困対策支援農村開発計画の経験」を報告してもらった。


年度内に共催を含めて、4回程度の研究会を予定していたが、その計画を達成することができた。次年度は学会大会での企画セッションまたはラウンドテーブルを企画したいと考えている。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




【参加募集】研究会「倫理的食農システムと農村発展」研究部会

今回は倫理的食農システムをまさに日本でつくりあげようと尽力されてきた実務のトップランナー、オイシックス・ラ大地(株)/大地を守る会からスタッフの方をお招きし、実際に倫理的市場をつくる取り組みについてお話を伺う予定です。(科研B・オルタートレード研究会とも兼ねています。)

日曜日の午後という貴重なお休みの時間を我々のために割いてくださいますので、早めに予定に組み込んでいただき、奮ってご参集ください。多くの方の参加を期待しています。

開催概要

日時

2021年10月10日(日曜)14:00-16:00

ゲストスピーカー

オイシックス・ラ・大地株式会社ソーシャル・コミュニケーション室 秋元浩治 氏
(*同社の別の方に変更になる可能性もあります)

テーマ

倫理的生産者と倫理的消費者をつなぐ試み(仮)

場所

ZOOM(前日に招待URLを送ります)


本件にかんするお申し込み・お問い合わせ先

『倫理的食農システムと農村発展』

池上甲一(主査)、牧田りえ
ethicalagrifood [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)




活動報告『倫理的食農システムと農村発展』研究部会(2021年8月)

本研究部会の目的は、いわゆるフェアトレードとエシカル消費(両者を合わせて倫理的取引とする)に基づく倫理的食農システムが生み出す農村発展の成果と課題を解明することにある。その参照枠組みとして、「食への権利」や「食料主権」といった食料運動の観点も利用することとしている。

前回のニューズレター・活動報告では、2020年12月と2021年3月に行った2回の研究会について報告した。その後、5月15日(土曜)午後1時半からオンラインで、ソリダリダード・ジャパンの楊殿閣さんに「持続可能な農産品サプライチェーン構築と倫理的生産活動の支援-国際NGOソリダリダードの挑戦」というテーマで報告してもらった。連帯経済についてはかなり研究の蓄積もあるが、まだ広く知られていないソリダリダードについての紹介はそれだけで有意義だった。また本研究部会の趣旨からすると、フェアトレードから連帯経済への転換過程および「フェアデーター」の試行は興味深い論点となりうる。

次回は7月31日に、河村能夫さん(龍谷大学名誉教授・京都府立農業大学校名誉校長)に「JICAインドネシア・スラウェシ貧困対策支援農村開発計画の経験(仮)」をテーマにオンライン研究会を実施する予定である。

『倫理的食農システムと農村発展』研究部会
代表:池上甲一(近畿大学名誉教授)




[RG21-1] 倫理的食農システムと農村発展

Ethical Agri-food Systems and Rural Development

主査:池上甲一(近畿大学名誉教授)

貧困削減は、MDGsと同様にSDGsでも第1目標に位置づけられている。貧困人口の多くは南側諸国の農民である。だから、農村発展はSDGsの観点からも優先度が高い。しかし、現行のグローバル食農システムのもとで貧困を抜け出すことは難しい。

フェアトレード(FT)は、代替的な食農システムの提供によりこの状況を改善する可能性をもっているが、今のところ、その可能性を十分に発揮できていない。その理由のひとつに、FT市場の狭隘さがある。FT商品は消費者の効用改善に直結しにくいからである。

そこで重要になるのは消費者の社会的責任に対する認識、南側生産者への共感といった倫理性(アダム・スミスの「徳の経済」)である。人権、環境、公正さに配慮するエシカル消費の定着と拡大は、こうした倫理性の具体化の一例として捉えることができる。

本研究部会では、FTとエシカル消費(両者を合わせて倫理的取引とする)に基づく、倫理的食農システムが生み出す農村発展の成果と課題を解明する。その際に、北側諸国でも関心を集めている「食への権利」や「食料主権」といった食料運動の観点も参照枠として採用する。

本研究部会によって明らかになる主な成果は以下の 3 点である。

  1. 現行食農システムの問題解明と、倫理的食農システムの構築・拡大条件。
  2. 貧困削減を含む農村の総合的な発展への道筋。
  3. とくに「先進国」の消費者に対する倫理的食農システムの利点の提示と、それによる FT市場の拡大。

本研究部会へのお問い合わせ窓口

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