2022年度・活動報告『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会(2022年11月)

第11回研究会

  • 日時: 2022年7月27日(水曜)19:00~21:00
  • 場所: オンライン

スケジュール

19:0019:45
『Cities and places meet the Doughnut』
Dr. Leonora Grcheva(Cities and Regions Lead, Doughnut Economics Action Lab: DEAL)

19:4521:00
討論

概要

地球の生態学的限界の中、全ての人に真っ当な暮らしを保障する発展をどう図れば良いのかを問う「ドーナツ経済」概念に注目が集まっている。ドーナツの外縁が地球環境の上限、内縁は最低限の暮らしを可能せしめる土台を表す。外縁と内縁の間にできるだけ多くの人が入るシステムをつくることで、持続可能かつ公正な社会の実現を目指している。本研究会では「ドーナツ経済アクションラボ」で、主に都市部や自治体での実践活動を率いてきたレオノラ・グルチェバさんに、ドーナツ経済の概説と各地の適用事例をご紹介いただいた。


第12回研究会

  • 日時: 2022年9月8日(木曜)18:30~20:00
  • 場所: オンライン

スケジュール

18:3019:15
「 Community Based Learningを地域社会開発の視点で考える」
秋吉 恵(立命館大学)
コメンテーター:藍澤 淑雄(拓殖大学)

19:15-20:00
討論

概要

Community Based Learning /Service Learning(以下CBL)は、大学とコミュニティの双方に相互利益をもたらす活動形態として、ここ数十年で世界的にますます関心が寄せられるようになった。本研究会では秋吉恵会員に、南アジアと日本の地域で延べ600名以上の学生とCBLを実施してきた経験をベースに、CBLの意義・可能性について、地域社会開発の視点から論じていただいた。

地域における内部システム(家庭・地域社会)と外部システム(市場・行政)のありようや組織的対応、さらにCBLに関わるアクター(学生・大学教職員・地域組織スタッフ・地域住民)のキー・コンピテンシーやアクター間の関係性をもとに、CBLが学生の成長のみならず、地域にとっても有益な共同活動となり得ることをご報告くださった。


第13回研究会

  • 日時: 2022年9月29日(木曜)19:00~20:30
  • 場所: オンライン

スケジュール

18:30-19:15
「 あいだの開発学の可能性:秋田と南アフリカの地域の出会いを通じての考察」
工藤 尚悟(国際教養大学)
コメンテーター:平井 華代(追手門学院大学)

19:15-20:00
討論

概要

秋田と南アフリカ・クワァクワァ地域において調査を実施されてきた工藤尚悟会員にご報告いただいた。

移住者の起業活動についてのご自身のフィールドワークを参照しながら、風土や社会経済状況が大きく異なる途上国と先進国の地域が共通課題を通じて出会ったとき、どのような気付きや学びがあったのかをお話しくださった。開発の概念と実践の両方に内在する様々なあいだに関わる「あいだの開発学」の可能性を論じられた。

『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会
代表:真崎克彦




オンライン「 あいだの開発学の可能性:秋田と南アフリカの地域の出会いを通じての考察」(会員・一般)

国際開発学会「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会の本年度第4回研究会を下記の通り開催します。

秋田と南アフリカ・クワァクワァ地域において調査を実施されている工藤尚悟会員にご報告いただきます。移住者の起業活動についてのご自身のフィールドワークを参照しながら、風土や社会経済状況が大きく異なる途上国と先進国の地域が共通課題を通じて出会ったとき、どのような気付きや学びがあったのかをお話しくださいます。開発の概念と実践の両方に内在する様々なあいだの考察、「あいだの開発学」の可能性についての考察を試みられます。

開催概要

  • 日時: 9月29日(木曜)19:00~20:30
  • 場所: オンライン
  • 主催: 国際開発学会「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会

スケジュール

18:30~19:15
「 あいだの開発学の可能性:秋田と南アフリカの地域の出会いを通じての考察」
工藤 尚悟(国際教養大学)
☆コメンテーター:平井 華代(追手門学院大学)

19:15~20:00
討論

申込方法

以下のメールアドレスまでお申込みください。


本件にかんするお問い合わせ先

「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会
主査:真崎克彦

  • k_masaki425 [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



第3回研究会「Community Based Learningを地域社会開発の視点で考える」9月8日開催(会員・一般)

国際開発学会「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会の本年度第3回研究会を下記の通り開催します。

Community Based Learning /Service Learning(以下CBL)は、大学とコミュニティの双方に相互利益をもたらす活動形態として、ここ数十年で世界的に関心が高まってきました。ただし、CBLが学生の成長に寄与する点はよく研究されてきた一方、地域社会での効果についての研究はまだ少ないです。

それでも、CBLに関わる全ての関係者の間で学習と成長が促されれば、それが組織の変化や持続可能なコミュニティづくりにもつながり得ることが知られるようになりました。受け入れ地域では、大学・地域双方のアクターの相互作用によって地域社会の諸関係が変わり、Well-being向上の仕組みづ くりが共同的に導かれるプロセス(=「福祉社会」開発)が創起され得ると考えられます。

本研究会では秋吉恵会員に、南アジアと日本の地域で延べ600名以上の学生とCBLを実施してきた経験をベースに、CBLの意義・可能性について、地域社会開発の視点から論じていただきます。

地域における内部システム(家庭・地域社会)と外部システム(市場・行政)のありようや組織的対応、さらにCBLに関わるアクター(学生・大学教職員・地域組織スタッフ・地域住民)のキー・コンピテンシーやアクター間の関係性をもとに、CBLが学生の成長のみならず、地域にとっても有益な共同活動となり得る可能性をご報告くださいます。

開催概要

  • 日時:2022年9月8日(木曜)18:30~20:00
  • 場所:オンライン

プログラム

18:30~19:15
「 Community Based Learningを地域社会開発の視点で考える」
秋吉 恵(立命館大学)
コメンテーター:藍澤 淑雄(拓殖大学)

19:15~20:00
討論


本件にかんするお問い合わせ先

「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会
真崎

  • k_masaki425 [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会(2022年8月)

活動報告

第10回・研究会:国際開発学会第23回春季大会(福岡県立大会)

  • 日時:6月18日(土曜)9:30~11:30(企画セッションA1)
  • 会場:オンライン

テーマ: 地域から考えるオルタナティブ開発―近代的開発実践・モデルの超克に向けて―

報告:

  1. 高須 直子(立命館アジア太平洋大学)
    「アフワット:パキスタンにおける社会的連帯経済の実践―互酬性が貧困削減に果たす役割―」
  2. 藍澤 淑雄(拓殖大学)
    「地域コミュニティの「ありのまま」と多遍性(pluriversality)をどう捉えるか―館ヶ丘団地における人々のかかわりと価値創造からの考察―」

概要:

春季大会開催報告(本ニュースレター掲載)の座長報告を参照。

『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会
代表:真崎克彦




研究会『ドーナツ経済』7月27日開催(会員・一般)

国際開発学会「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会の研究会を下記の通り開催します(英語使用、通訳なし)。

地球の生態学的限界の中、全ての人に真っ当な暮らしを保障する発展をどう図れば良いのかを問う、「ドーナツ経済」概念に注目が集まっています。ドーナツの外縁が地球環境の上限、内縁は最低限の暮らしを可能せしめる土台を表します。外縁と内縁の間にできるだけ多くの人が入るシステムをつくることで、持続可能かつ公正な社会の実現を目指します。

本研究会では「ドーナツ経済アクションラボ」で、主に都市部や自治体での実践活動を率いてこられたレオノラ・グルチェバさんに、ドーナツ経済の概説と各地の事例をご紹介いただきます。「アクションラボ」は、「ドーナツ経済」の提唱者のケイト・ラワースさんによって創設された団体です。

開催概要

  • 日時: 2022年7月27日(水曜)19:00~20:30
  • 場所: オンライン
  • 言語:英語のみ(通訳なし)

スケジュール:

19:00~19:45
『Cities and places meet the Doughnut(仮題)』
Dr. Leonora Grcheva()
Cities and Regions Lead, Doughnut Economics Action Lab

19:45~20:30
討論


本件にかんするお申込み・お問い合わせ先

『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会
真崎克彦(甲南大学)

  • k_masaki425 [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会(2022年5月)

活動予定

第10回研究会:国際開発学会 第23回春季大会

  • 日時: 6月18日(土曜)[時間未定、企画セッション採択済]
  • 会場: 福岡県立大学
  • テーマ: 地域から考えるオルタナティブ開発―近代的開発実践・モデルの超克に向けて―

報告1.高須 直子(立命館アジア太平洋大学)

「アフワット:パキスタンにおける社会的連帯経済の実践―互酬性が貧困削減に果たす役割―」

報告2.藍澤 淑雄(拓殖大学)

「地域コミュニティの『ありのまま』と多遍(pluriversality)をどう捉えるか―館ヶ丘団地における人々のかかわりと価値創造からの考察―」

『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会
代表:真崎克彦




研究会『地域コミュニティの「ありのまま」と多遍性 ―八王子市館ヶ丘団地へのかかわりからの考察』2月26日(会員・一般)

国際開発学会「地域コミュニティ開発」研究部会の研究会を下記の通り開催します。

普遍主義的な「開発」追求を反省・克服する道筋として、人びとの多元的な暮らしを承認する「多遍性(pluriverse)」概念が議論され始めています。しかし、既存研究では「脱開発」概念としての「多遍性」は捉えられるものの、「開発」追求が一様に否定されるため、多元的な暮らしのあり方が実質的には考慮されません。対象地域の「多遍性」を承認するのであれば、地域の「ありのまま」をどう捉えるかについて検討を深める必要があるのではないでしょうか。

こうした問題意識より、本研究会では藍澤淑雄会員に、東京都八王子市の館ヶ丘団地とのご自身のかかわりを踏まえながら、地域コミュニティの「ありのまま」の「多遍性」はどういうものなのかを検証いただきます。その上で、地元の多元的な暮らしのあり方を尊重した地域コミュニティとのかかわり方とはどういうものなのかについて考察します。

開催概要

  • 日時: 2月26日(土曜)15:30~17:00
  • 場所: オンライン

スケジュール

15:30~16:15
『地域コミュニティの「ありのまま」と多遍性の間隙をどう捉えるか
―八王子市館ヶ丘団地へのかかわりからの考察―』藍澤淑雄(拓殖大学 国際学部)
コメンテーター・真崎 克彦(甲南大学)

16:15~17:00
討論


本件にかんするお問い合わせ・お申込み先

『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会
真崎克彦(甲南大学)

  • k_masaki425 [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



活動報告『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会(2022年2月)

第9回研究会(予定)

地域コミュニティの「ありのまま」と多遍性の間隙をどう捉えるか

―八王子市館ヶ丘団地の事例からの考察―

  • 日時: 3月26日(土曜)15:00~17:00
  • 場所: オンライン
  • 報告者:藍澤 淑雄(拓殖大学 国際学部)
  • コメンテーター:真崎 克彦(甲南大学) 

『市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発』研究部会
代表:真崎克彦




活動報告『市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発 』研究部会(2021年11月)

第8回研究会

  • 日時: 9月25日(土曜)14:00-16:00
  • 場所: オンライン
  • 報告:「子どもの視点から考える社会的結束(Social Cohesion)」松田 裕美(元ユニセフ・ヨルダン事務所)
  • コメンテーター:平井 華代(岩手大学)

概要

社会的結束(Social Cohesion)は、各国政府や国際機関が重視するテーマになっている。ただし、それを測るための国際的な統一指標は存在しない。また、これまで国連や世界銀行、研究機関等が指標の構築を試みてきたが、大半が収入の格差や司法へのアクセスといった、大人を念頭に置いたものであり、子どもを対象とした研究は見当たらない。

そこで、報告者の松田会員に社会的結束の概念や定義のレビューをしていただいたうえで、ユニセフヨルダン事務所にて子ども対象の社会的結束の定義と指標の構築について、オックスフォード大学と協力して進めたご経験を話していただいた。その後、平井会員に、子どものための社会的結束の指標を日本で構築する意義を中心としたコメントをいただき、参加者との討論を行なった。

『市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発 』研究部会
代表:真崎克彦(甲南大学)




【参加募集】研究会『子どもの視点から考える社会的結束(Social Cohesion)』9月25日(土曜)

国際開発学会「市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発」研究部会の本年度第4回研究会を下記の通り開催します。

社会的結束(Social Cohesion)は各国政府や国際機関が重視するテーマになっています。ただし、それを測るための国際的な統一指標は存在しません。

また、これまで国連や世界銀行、研究機関等が指標の構築を試みましたが、その大半が収入の格差や司法へのアクセスといった、大人を念頭に置いたものであり、子どもを対象とした研究は見当たりません。

そこで、報告者の松田会員に社会的結束の概念や定義のレビューをしていただくとともに、ユニセフヨルダン事務所にて子ども対象の社会的結束の定義と指標の構築にオックスフォード大学と協力して進めたご経験をお話しいただきます。その後、平井会員に、子どものための社会的結束の指 標を日本で構築する意義を中心としたコメントをいただき、参加者の皆様とも討論を進めます。

開催案内

日時

9月25日(土曜)14:00-16:00

場所

オンライン

スケジュール

14:00~15:15 『子どもの視点から考える社会的結束(Social Cohesion)』

  • 松田 裕美(元ユニセフ ヨルダン事務所 職員)
  • コメンテーター 平井 華代(岩手大学)

15:15~16:00 討論


本件にかんするお問い合わせ・お申し込み先

主査:真崎克彦
k_masaki425 [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)




活動報告『市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発 』研究部会(2021年8月)

第6回研究会(国際開発学会第22回春季大会 企画セッション)

  • 日時:6月12日(土曜)9時30分~11時30分
  • 場所:オンライン(文教大学・東京あだちキャンパス)
  • テーマ:「多遍性」(pluriversality)実現への道筋―地域コミュニティから近代的「普遍性」(universality)の超克を探る―

報告

  • 「多遍性(pluriversality)研究の背景・意義―企画の趣旨」真崎克彦(甲南大学)
  • 「地域コミュニティのレジリエンスの多遍性(pluriversality)―バヌアツの離島における自然災害からの考査―」藤枝絢子(京都精華大学)/コメンテーター:藍澤淑雄(拓殖大学)
  • 「地域の取り組みから考える多遍的(pluriversal)な社会づくり―スペイン・バルセロナと日本・二本松との比較を通じて―」斎藤文彦(龍谷大学)/コメンテーター:飯塚明子(宇都宮大学)

概要

最初の座長による趣旨説明では、西洋近代型の「普遍的」とされる進歩観と一線を画した「多遍的」な世界各地の社会づくりに関する研究動向が紹介された。

藤枝報告では、バヌアツの離島村落にて、自然災害時にどのような被害軽減や復興が果たされるのかが検証された。その際、地域在来の生活様式(住居や農業の形態、共同体の紐帯など)で培われてきたレジリエンスが発揚される。一般的に「小」島嶼国が持つとされる脆弱性では測り切れない。

つづく斎藤報告によると、バルセロナでは資本主義経済から社会連帯経済への転換が進み、市民政党が生まれて意思決定過程に影響を与えている。福島県二本松市の東和地区では東日本大震災の後、多様な外部関係者との連携が推進されており、バルセロナと同じく、政治経済的な主体性復権がその成果の重要な鍵を握る。

藍澤会員と飯塚会員からは両報告を踏まえて、「普遍的」とされるレジリエンスや経済発展についての従来の見方から離れて、地域固有の「多遍性」からとらえ直す必要性が指摘された。


第7回研究会

  • 日時: 7月31日(土曜)15時:00分~17時30分
  • 場所: オンライン

報告

『ポスト福祉国家にみる「新たな公共」と地域社会―「官・民/公・私」関係の再検討を通じて地域社会の公共性を考える』中西典子(立命館大学)/コメンテーター:秋吉 恵(立命館大学)

概要

とりわけ2000年代以降、「分権型社会」「新しい公共」「地方自治体と住民との協働」という言葉が取り上げられるようになった。不透明な未来社会への不安や危機意識の拡大など、揺らぐ現代社会のなかで、「自助」と「公助」をつなぐ「共助」として、地域の住民主体による「新たな支え合い」が期待されている。

他方で、いわゆる「地域社会の解体」はとどまる気配がなく、今あらためて公共とは何か、なぜ地域社会なのか、が問われている。本研究会ではこうした点を踏まえて、中西先生の報告では日本やイギリスの現状が取り上げられた。

その後、秋吉会員に本学会への示唆を引き出していただき、参加者どうしで世界各地の現況に照らして、地域社会の公共性のあり方について話し合った。

『市場・国家との関わりから考える地域コミュニティ開発 』研究部会
代表:真崎克彦(甲南大学)




[RG20-1] 市場・国家とのかかわりから考える地域コミュニティ開発(FY2020-2022)

Exploring Local Community Development in View of Market-State-Community Relations

主査:真崎克彦(甲南大学)

経済成長は幸せや繁栄をもたらすので、国家が率先して成長戦略を策定し、国際社会において富の獲得にいそしむ。こうした成長至上主義がグローバルな広まりをみせるなか、生産拡大の追求に偏った利潤追求や開発主義が世界各地で生起してきた。

こうした問題意識より注目されているのが、地域コミュニティを基盤とした社会づくり「地域コミュニティ開発」である。人どうしの顔の見えやすいコミュニティを舞台として、地元の経済的自立、共同体維持、自然環境の保全を通して地域共生を振興する取り組みである。

本研究では、地域コミュニティと市場や国家との関係性に注目する。そうすることで「市場や国家に頼ることなく、地域が主体となったコミュニティ開発を目指す」といった平板な理解に囚われない、ダイナミックな地域コミュニティ開発像を考察したい。

市場経済化の進展で人間の自由や自律の度合いが高まっても、地域共同体の維持が難しくなるとは限らない。あるいは、国家による市場経済振興が、地域のつながりや経済的自立を損なうとも限らない。こうした点を踏まえた社会づくりのあり方の探究である。

本研究部会のこの視座は、次の点でも有意である。地域住民の生活範囲が広まりをみせ、地域の地理的・社会的な境界がより曖昧になる地域の「脱領域化」が進むなか、市場や国家との関わりを通した地域コミュニティ開発の探究が重要課題となっている点である。

本研究では、定例会合や大会企画セッションにて経過報告を行なうとともに、学会誌の特集や共著書を通した成果の公表をめざす。

関連情報
ニューズレター:活動報告