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NL37巻2号 [2026.08]

『国際教育開発における実務と研究の架橋』研究部会 2026年度活動実績報告書(2026年8月)

国際教育開発における実務と研究の架橋

Bridging Theory and Practice in Educational Development
  • 代表者:荻巣 崇世(東京大学)
  • 副代表:橋本 憲幸(山梨県立大学)

研究部会の目的

本研究部会では、国際教育開発における実務と研究を架橋し、双方向から国際教育開発という分野を捉え直すことを目的として、①若手を中心とする実務者と研究者の対話の機会を設けて相互理解を深めること、また、②実務者と研究者の協働によって、これからの国際教育開発の構想を提示すること、の2点の取り組みを行う。

本研究部会の立ち上げに先立ち、主にJICAを中心とする実務者と、途上国の教育研究をしている研究者による勉強会を2022年度より実施してきた。そこでの対話を通して、研究者側はJICAを単体のアクターと捉える傾向があり、その中で実務に携わる実務者の想いや葛藤に十分に目を向けて来なかったことや、逆に、実務者側は、研究者が生み出す知見や批判的検討を実務の中で十分に活かしきれていないことなど、実務(者)と研究(者)の間には「すれ違い」があることが明らかになってきた。

そこで、本研究部会を立ち上げ、より広く実務・研究に携わる会員を巻き込みながら、なぜ・どのように実務(者)と研究(者)がすれ違ってきたのか、また、そもそもこの「すれ違い」は克服すべきものであるのか、という点も含めて、国際教育開発における実務と研究の架橋を実務(者)と研究(者)の双方の視点から検討することによって、これからの国際教育開発という分野のあり方・関わり方を構想したい。議論の成果は書籍として整理し、広く世に問う。

2026年度の活動

2025年9月6日

9月6日に、本研究部会におけるこれまでの架橋の取り組みを振り返るとともに、今後の活動の方向性について議論することを目的として、慶應義塾大学三田キャンパスにて、研究会を開催した(一部オンライン)。

2025年6月に刊行された『国際開発研究』第34巻1号において、ここまでの本研究部会の成果をまとめた特集「教育開発における実務と研究の架橋」を組んだが、実務者と研究者との共著による論文執筆のプロセスにおける学びや、それぞれのカルチャーの何がどう異なっているのかを再度整理することができた。

また、今後はよりテーマを絞って協働していくこととし、その一環として読書会を実施することを決定した。図書の選定についても話し合った。

2025年10月7日

オンラインでの定例会を実施して、11月末の国際開発学会での報告内容および今後の進め方について議論した。

2025年11月29日

広島大学で開催の国際開発学会全国大会において、研究部会企画として「Bridging Research and Practice in International Education Development: An International Comparative Study of Japan and South Korea」と題するラウンドテーブルを実施した。本ラウンドテーブルでは、日本国外における実務と研究の関係についても情報交換することを目的として、KAIDECよりDr. Lee Ki-Seokをお迎えして議論した。Dr. Lee Ki-Seokはご自身が実務と研究を行き来しておられ、個人の中での実務と研究の両立・架橋をどのようにされているのかや、そうしたキャリアが一般的かどうかなども含めてお話しいただくことができた。

2025年12月23日

オンラインでの定例会を実施して、読書会の進め方や研究グループの立ち上げ等について議論した。特に、メンバーについて、JICAに限らずコンサルタントやNGO等、幅広い参加者の参加を促し、交流の機会とすることについて合意した。

2026年1月16日

オンラインにて定例会を実施し、新メンバーを含め、今後の協働可能性を把握することを目的として、各参加者の自己紹介や関心領域について改めて聞き合う時間とした。ここでの議論を受けて、①ケイパビリティ・アプローチの批判的考察、②教育プロジェクトの中長期的成果の検討、③主要アクターとしての教師、④多文化共生と教育、⑤紛争後社会における教育の5つのテーマに分かれて、小さなグループを作ってそれぞれのテーマにおける実務と研究の協働を深く議論できるようにすることを決定した。

2026年1月以降

5つの研究チームがそれぞれに議論の場を設けて議論を進めている。例えば③主要アクターとしての教師のチームでは、これまでにオンラインの研究会を3回実施し、チームとして探究する課題を「短期的な学習成績の向上と、長期的な教師の成長の両方を支える教育協力のモデル形成」と定め、先行研究の収集・検討や各ドナーの動向の整理等を実施している。

2026年4月22日

全体での定例会をオンラインで実施し、各研究チームの進捗状況を報告し合った。また、9月に開催される教育協力Weekに本研究部会として企画を出すこととし、企画案について議論した。


『国際教育開発における実務と研究の架橋』研究部会
代表:荻巣 崇世(東京大学)

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