【学会賞】2024年度『国際開発学会賞』作品公募のお知らせ

2024年度の学会賞の候補作品を公募します。

2022年1月1日から2024年6月30日までに公表された国際開発学会員の著作または学術論文が審査の対象となります。

学会賞、奨励賞、論文賞、賞選考委員会特別賞の4つの部門で審査が行われます。

応募作品の受付は、2024年5月12日(日曜)から2024年6月30日(日曜)まで(当日消印[または発送記録]有効)です。

応募は自薦、他薦を問いません。

対象となる本または論文各5部(本についてはオリジナル1部、残り4部はコピーでも可;論文については全てコピーでも可)を、下記の学会賞選考事務局宛に送付してください。

電子媒体がある場合にはあわせて提出して下さい。

応募の際には、応募用紙を記入の上添付してください。

応募用紙は学会Webサイト:学会賞のページからダウンロードできます。

学会賞の応募作品と、2023年1月1日から2024年12月31日までに『国際開発研究』に掲載された研究論文・研究ノート・調査研究報告を対象として、各賞に関わる審査を行います(当該の『国際開発研究』に掲載された研究論文等は自動的に審査対象になるので応募する必要はありません)。

なお、応募者は、2024年5月12日時点で学会員であり、かつ2024年6月30日時点で会費未納者でないことを要します。

受賞者には、原則として、当該年度の12月前後に開催される全国大会における授賞式や受賞者セッションに、参加することが求められます。

数多くの作品のご応募をお待ちしております。詳細については「国際開発学会賞選考内規」をご覧ください。

応募作品の送付先

国際開発学会賞選考委員会事務局
〒133-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学経済学 澤田康幸研究室気付


本件にかんするお問い合わせ先

賞選考委員会
委員長・澤田康幸(東京大学)

  • E-mail: sawadalab [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



2023年度「国際開発学会賞」選考結果と受賞者からのことば

池田真也会員、杉江あい会員の2著書に、2023年度学会賞を授与

第34回全国大会(上智大学:2023年11月11・12日)において、池田真也会員の著書『商人が絆す市場―インドネシアの流通革命に交わる伝統的な農産物流通』(京都大学学術出版会)と、杉江あい会員の著書『カースト再考―バングラデシュのヒンドゥーとムスリム』(名古屋大学出版会)に奨励賞を授与しました。

今年度も本事業にたくさんの応募がありました。 その中で惜しくも受賞に至らなかったものの最終選考に残った作品としては、湖中真哉会員の編書Reconsidering Resilience in African Pastoralism (Trans Pacific Press, 2022)、 一柳智子会員の著書『社会的企業の挫折―途上国開発と持続的エンパワーメント―』(名古屋大学出版会2023)、杉田映理会員・新本万里子会員の編書『月経の人類学―女子生徒の「生理」と開発支援』(世界思想社2022)の3つがありました。

応募くださった皆様、誠にありがとうございます。選考委員一同、応募作から多くのことを学ばせていただきました。学会賞の趣旨は、会員の研究を励ますことにあります。会員の皆様には、ご自身の研究を、さらに磨き高めていくための機会として、ご活用いただけましたら幸いです。

賞選考委員会
委員長:三重野文晴(京都大学)


選評


奨励賞:池田真也

『商人が絆す市場―インドネシアの流通革命に交わる伝統的な農産物流通』(京都大学学術出版会 2022)

本作品は、インドネシアにおける農産物の生産・流通市場についての多角的な分析によって、農産物流通の変容と、そこにおける伝統的な取引慣行がどのように変容し、その機能をどのように変えてきたのかを考察するものである。

現地調査と個票データ分析という実証分析によって、スーパーマーケットを代表とした近代的な農産物流通システムの導入がインドネシア(ジャワ)の伝統的な農産物流通システムを完全に代替するのではなく、そうした環境変化の下で伝統的な流通システムの方も進化し、場合によっては近代的なシステムを補完っているという実態を明らかにしている。

本作品は課題設定が先行研究の中によく位置付けられている。ギアツに代表される人類学・農村研究的なインドネシア農村の伝統構造についての問題提起を踏まえ、それを実証的な農業経済研究によって解明するという研究スタンスは、多くの研究者が関心を持ちながらも容易には実現できずにきたものであり、その意味で大きな貢献をなしている。

各章のテーマと分析アプローチの統一性・統合性や、一部の分析において設問と分析結果・解釈の間の一貫性に不明確さが残るといった課題が残るにせよ、国際開発研究として新しい知見を提出していることは間違いない。長期にわたる現地調査を踏まえて完成された本書をもとに、著者が今後一層の活躍によって本学会に貢献してくれる期待をこめて奨励賞に選出された。(三重野文晴)

奨励賞:杉江あい

『カースト再考―バングラデシュのヒンドゥーとムスリム』(名古屋大学出版会 2023)

本書は、カーストを属性的に捉える還元主義を批判的に捉える立場から、バングラデッシュにおけるヒンドゥーとムスリムの関係性というテーマについて、農村の調査を通じて住民の交流や関係性の現状を明らかにしようとしている。

インド・南アジアのカースト制度に関わる膨大な既存研究を整理した上で、バングラデシュ人の家族をもつ著者のポジショナリティをうまく利用しながら、複数の村の全数調査という丹念なフィールド調査をおこなっている。

綿密で精度の高いデータから、複数の宗教的背景をもつ人びとが空間を共有する中で、人々は必ずしもカーストに規定された捉えられ方をしておらず、多様な相互行為が行われている実態を析出する。それによって、植民地主義的、還元主義的な見方を乗り越えようとする、良質の地域研究の成果である。

提示するデータの完成度に改善の余地があること、社会空間の変動と動態に目を向けるアプローチがポストモダニズム的解釈の視点を克服するという結論が若干不明確なことなど、いくつかの課題が残ってはいるが、本書が南アジア社会の研究において一石を投じるものであることは間違いなく、国際開発研究とその周辺分野への貢献は大変大きい。今後の一層の活躍への期待もこめて、奨励賞に選出された。(三重野文晴)


学会賞(奨励賞)受賞の言葉


奨励賞・池田真也

『商人が絆す市場―インドネシアの流通革命に交わる伝統的な農産物流通』(京都大学学術出版会 2022)

このたびは、国際開発学会奨励賞を頂戴し、誠に光栄に思います。選考委員の先生方、これまでご指導いただきました先生方に厚く御礼申し上げます。また、出版にあたりご尽力いただいた京都大学学術出版会の方々にも改めて御礼申し上げます。

この本では、インドネシア・ジャワ島の伝統的な野菜流通に着目してその発展経路を明らかにしようとしました。具体的には、新興国のインドネシアでは伝統的な流通が今後も残り続けるのか、それとも2000年代以降に台頭したスーパーマーケットが形成する近代的な流通に代替されるのかという問題です。2008年1月に初めてインドネシアを訪問して以来、生産地から消費地までの各地の商人を追って得た結果をまとめました。

その回答を簡潔にまとめれば、伝統的な流通はスーパーの台頭に適応して残り続けるとしました。具体例を1つ挙げると、スーパーが農作物を集荷する段階で、自ら集荷するのではなく地場商人に委託することが多いです。農家を監視・モニタリングする費用が高いので、それを地場商人が担っており、伝統的な流通と近代的な流通が補完的に機能していると言えます。

国際開発への直接的な貢献という点でこの本には不十分な点もあります。そうした反省もあって、ここ数年ほど野菜流通に関する技術協力プロジェクトに関わっています。開発の現場では、伝統的な流通の商人は農家を買い叩き搾取していると認識されることもあり、伝統的な流通を近代的な流通に代替させるための戦略が注目されがちです。

この本から言えることは、伝統的な流通を所与としたうえでの近代化戦略が必要ということになります。では具体的にどうすればいいのかという点を今開発の現場を視野に入れつつ考えています。

今回の受賞を励みとして、研究をさらに発展させていきたいと思います。今後とも皆様からのご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。このたびは、誠にありがとうございました。


奨励賞・杉江あい

『カースト再考―バングラデシュのヒンドゥーとムスリム』(名古屋大学出版会 2023)

このたびは国際開発学会奨励賞という栄誉ある賞を賜り、誠にありがとうございます。

賞をいただきました拙著は、調査に協力してくださったフィールドの方がた、指導してくださった先生方、度重なる改稿に根気強くお付き合いくださった出版社の方がた、そしていつも見守り、支えてくれる家族なしには出版できませんでした。

このたびの賞は、私だけでなく、本書に関わるこれらのすべての方がたにいただいたものと思っております。改めて心から感謝いたします。

拙著はフランスの社会地理学者であるアンリ・ルフェーヴルの理論的枠組みに拠っており、一見すると理屈っぽく見えるかもしれませんが、フィールドの現状をいかに理解できるのかを追究する中で生まれたものです。

私のもともとの関心は地域社会の実態から開発援助を捉え直すことにあります。拙著のもととなったバングラデシュ農村でのフィールドワークも、はじめはこの開発援助に対する関心から、はじめたものでした。

しかし、私がフィールドで目の当たりにしたのは、一部の集落の人びとだけが、近年の目覚ましい経済発展や社会開発から取り残され、多くの人が物乞いをして暮らし、近隣の村の人びとから差別されている状態でした。もともとの開発援助に対する関心にもとづく研究をする前に、まずはこのような状況がどのように生みだされたのかを明らかにしなければ、と思いました。

そして、この疑問に答えるには、従来の研究で使われてきたカーストという概念や、「ヒンドゥー社会」「ムスリム社会」という枠組みを再検討する必要がありました。未熟な私がそのような大仕事をするのはとても勇気がいることで、拙著は処刑台に乗せるような気持ちで出版したものです。それがこのような形で評価されたことは、望外の喜びです。

私の研究はまだまだ途上の段階にありますが、このたびの受賞を励みに、いっそう研鑽を積んでまいりたいと思います。ありがとうございました。




第34回全国大会「優秀ポスター発表賞」選考結果

第34回全国大会において、八郷真理愛会員に優秀ポスター発表賞を、佐藤美奈子会員と井川摩耶会員に優秀ポスター発表奨励賞を授与

第34回全国大会において、八郷真理愛会員(報告タイトル:発達障害のつくられ方-個性と障害の境界線をめぐる人々の認識と国際的診断基準のギャップ-)に優秀ポスター発表賞、佐藤美奈子会員(報告タイトル:僧院が担う新たな社会的包摂機能-ブータン王国における仏教とウェルビーイング-)と、井川摩耶会員(報告タイトル:太平洋島嶼国パラオに見る開発の多元性-援助ドナーとの相互依存関係と地域社会に着目して-)に優秀ポスター発表奨励賞を授与しました。

優秀ポスター発表賞

八郷真理愛 会員

『発達障害のつくられ方-個性と障害の境界線をめぐる人々の認識と国際的診断基準のギャップ-』

優秀ポスター発表 奨励賞

佐藤美奈子 会員

『僧院が担う新たな社会的包摂機能-ブータン王国における仏教とウェルビーイング-』

井川摩耶 会員

『太平洋島嶼国パラオに見る開発の多元性-援助ドナーとの相互依存関係と地域社会に着目して-』

今大会のポスターセッションでは、22件の意欲的な研究報告がありました。

大会の対面開催再開以降、報告者数は顕著に増加しています(2023年度春大会:17件、2022年度全国大会:9件)。報告内容は教育開発分野を中心に、幅広い分野からの発表で構成されました。

若手研究者に留まらず、大学教員、社会人会員の報告も多く、引き続きポスターセッションの裾野の広がりが感じられます。3人の受賞者は賞選考委員会による審査の結果、主題の独創性などが評価され、選出されました。

ポスター発表セッションの参加してくださった皆さま、誠にありがとうございました。

賞選考委員会
委員長 三重野文晴(京都大学)




賞選考委員会からのお知らせ(2024年2月)

2023年度活動報告

(1)2023年度(2022年10月~2023年9月)活動報告(事業概要)

  1. 学会賞応募作を公募・審査し、受賞作を決定・表彰した。
  2. 全国大会、春季大会において優秀ポスター発表賞の審査を実施し、受賞作を決定・表彰した。今年度から対面開催が再開したため両大会とも実地のポスター発表とその評価のプロセスに戻った。全国大会、春季大会においてそれぞれ2件の報告への表彰を行った。
  3. 学会ウェブサイトの学会賞ページを更新し、学会賞受賞者とその作品を紹介した。

(2) 事業の成果と課題

  1. ポスター発表表彰については、対面による発表と審査に復帰した。ポスター発表の件数が全国大会で9件、春季大会で17件と増加する傾向があり、また発表者参加者も多様になってきた。一方で、半日の短時間で審査の結論を出すこと、複数の賞選考委員にこの日時に時間を確保する必要があること、昼に開催される理事会との時間重複が発生すること、など運営の負荷が大きくなってきており、その解決について、検討する必要がでてきている。
  2. 2021 年度(2023 年12 月の全国大会で表彰)の学会賞事業については、著書6件、論文0 件と、応募が低迷したが、2022 年度(2022 年12 月全国大会で表彰)については著書13 件、論文2件の応募があり、大きく回復した。2023 年度(2023 年11 月全国大会で表彰予定)については、引き続き著書12 件、論文3 件の応募があり、活発な状況が継続している。
  3. 著書の出版形態が、電子出版も含めて多様化する中、どこまでを出版物書籍として取り扱うか、また、応募者に審査委員の人数分の作品の提出を印刷物によって求めるべきかなど、内規を検討する余地がある。
  4. 論文に対する表彰(論文賞)については、「論文」の定義、学会誌における審査対象論文、公募方式など運営方法に課題が多く、今後抜本的な改革の必要がある。

賞選考委員会
第11期 委員長・三重野文晴(京都大学)


国際開発学会第12 期:委員会の構成および幹事の委嘱

委員長

澤田康幸 (東京大学)

委員

小川啓一(神戸大学)
樹神昌弘(神戸大学)
佐藤 仁(東京大学)
佐野麻由子(福岡県立大学)
澤村 信英(大阪大学)
藤掛 洋子(横浜国立大学)

幹事

加治佐敬(京都大学)
幹事 山田浩之(慶応義塾大学)




第24回春季大会「優秀ポスター発表賞」選考結果

第24回春季大会において、柴田英知会員に優秀ポスター発表賞を、玉村優奈会員に優秀ポスター発表奨励賞を授与

第24回春季大会において、柴田英知会員(報告タイトル:「愛知用水の久野庄太郎」の地域総合開発思想ー愛知用水と愛知海道の関係性に着目してー)に優秀ポスター発表賞、玉村優奈会員(報告タイトル:怒りと情熱:世界銀行内部に残された知恵)に優秀ポスター発表奨励賞を授与しました。

優秀ポスター発表賞

『「愛知用水の久野庄太郎」の地域総合開発思想ー愛知用水と愛知海道の関係性に着目してー』

柴田英知会員

優秀ポスター発表・奨励賞

『怒りと情熱:世界銀行内部に残された知恵』

玉村優奈会員

2023年度春季大会のポスターセッションでは、17件の意欲的な研究報告がありました。

報告内容は教育開発分野を中心に認知論、コミュニティーケア、インフラ開発、生態・環境や生活観察など多岐にわたり、また、報告者も半数強の大学院生に加えて、大学教員、社会人会員からの参加も多数あり、ポスターセッションの裾野が広がりつつあることが感じられました。

2人の受賞者は賞選考委員会による審査の結果、主題の独創性や堅実な資料調査手法などが評価され、選出されました。

ポスター発表セッションの参加してくださった皆さま、誠にありがとうございました。 

賞選考委員会
委員長:三重野文晴(京都大学)




2023年度『国際開発学会賞』作品公募のお知らせ

2023年度の学会賞の候補作品を公募します。2021年1月1日から2023年6月30日までに公表された国際開発学会員の著作または学術論文が審査の対象となります。

学会賞、奨励賞、論文賞、賞選考委員会特別賞の4つの部門で審査が行われます。

応募作品の受付は、2023年5月1日(日曜)から2023年6月30日(木曜)まで(当日消印[または発送記録]有効)です。応募は自薦、他薦を問いません。

対象となる本または論文各5部(本についてはオリジナル1部、残り4部はコピーでも可;論文については全てコピーでも可)を、下記の学会賞選考事務局宛に送付してください。

電子媒体がある場合にはあわせて提出して下さい。応募の際には、応募用紙を記入の上添付してください。応募用紙は学会Webサイトからダウンロードできます。

  • 2023年度『国際開発学会賞』応募用紙(word)

学会賞の応募作品と、2022年1月1日から2023年12月31日までに『国際開発研究』に掲載された研究論文・研究ノート・調査研究報告を対象として、各賞に関わる審査を行います(当該の『国際開発研究』に掲載された研究論文等は自動的に審査対象になるので応募する必要はありません)。

なお、応募者は、2023年5月1日時点で学会員であり、かつ2023年6月30日時点で会費未納者でないことを要します。受賞者には、原則として、当該年度の12月前後に開催される全国大会における授賞式や受賞者セッションに、参加することが求められます。

数多くの作品のご応募をお待ちしております。詳細については「国際開発学会賞選考内規」をご覧ください。

応募作品の送付先

国際開発学会賞選考委員会事務局
〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46
京都大学東南アジア地域研究研究所 三重野文晴研究室気付

E-mail:

  • mieno-lab [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)

賞選考委員会

委員長・三重野文晴(京都大学)




優秀ポスター発表賞

目的

国際開発学会の研究大会におけるポスターセッションでの卓越した研究者の研究発表を表彰することにより、研究水準の向上をはかり、もって国際開発研究の発展に資することを目的とする。

賞の種類

「優秀ポスター発表賞」及び「優秀ポスター発表奨励賞」とし、また、「優秀ポスター発表賞」審査委員会が必要性を認識し、3 分の2以上の賛成により追加的に賞を設置することがある。

受賞資格

第2条に掲げる賞の対象となる者の資格は、国際開発学会研究大会時におけるポスター発表者の会員(学生会員を含む)とする。

審査基準

審査は研究内容、ポスターの提示方法、口頭説明(質疑を含む)のそれぞれの質を総合的に判断して行う。

受賞者数

受賞件数は若干数とする。

審査委員会

審査委員会は国際開発学会賞選考委員と賞選考委員会が指名する若干名の委員を加えて大会ごとに組織される。審査委員長は審査委員会の3分の2の賛成を持って選出する。

審査方法

各大会におけるポスターセッション発表時間に審査委員が全てのポスターを見るとともに口頭説明を一定時間聞き、審査する。

表彰

審査委員会は、選考経過および選考理由を付して大会期間中に速やかに受賞者を公表する。


過去大会の受賞者

第34回全国大会(2023年)

八郷真理愛

『発達障害のつくられ方-個性と障害の境界線をめぐる人々の認識と国際的診断基準のギャップ-』

奨励賞
  • 佐藤美奈子
    『僧院が担う新たな社会的包摂機能-ブータン王国における仏教とウェルビーイング-』
  • 井川摩耶
    『太平洋島嶼国パラオに見る開発の多元性-援助ドナーとの相互依存関係と地域社会に着目して-』

第24回春季大会春季大会(2023年)

柴田英知

『「愛知用水の久野庄太郎」の地域総合開発思想ー愛知用水と愛知海道の関係性に着目してー』

奨励賞
  • 玉村優奈
    『怒りと情熱:世界銀行内部に残された知恵』

第33回全国大会(2022年)

小林匠

『ウガンダの初等教育におけるコミュニティと親の参加が教育の質に与える影響-ブシェニ県とワキソ県の事例から』

奨励賞
  • 石井あゆ美
    『日本における多様な教育ニーズに即した「包摂的かつ公正で質の高い教育」の実現に向けた課題—神奈川県における外国につながる子どものノンフォーマルな学び場と学校教育との関係性の考察から—』

2022年春季大会

松田華織

An Analysis of Access to Education for Children with Disability in Indonesia”

太田洋舟

モルディブ共和国における「ムスリムネス」の多様性に関する一考察―首都マレ圏のスポーツ活動を行うムスリム女性を事例として―」

2021年全国大会

矢野泰雅

『An Analysis of Applicability of Self-Determination Theory to Teachers’ Motivation in Public Primary Schools in Lao PDR』

奨励賞

  • Traitip Siriruang
    『Friendship Networks of Thai Students and Its Impacts as a Result of a Study Abroad Program in ASEAN』

2021年春季大会

白井恵花

『重度障害者の生存の難しさ-ネパール地方都市とその周辺地域から見えてきたこと―』

奨励賞
    • 大門毅
      『「アラブの春」とは何だったのか-革命 10 年後のチュニジアから―』
    • Wang Kexin
      『Home Learning Environment for Early Childhood Development Outcomes in Bangladesh』

    2020年全国大会

    近藤加奈子

    『利用からみる住民の水の選好―モザンビーク農村における水源の多様性と選択に着目して―』

    奨励賞

    • 隅田姿
      『日本教育における持続可能な開発のための教育(ESD)とグローバル市民教育(GCED)-学習指導要領の内容分析―』

    2019年全国大会

    Wang Kexin

    『Household Financing on Secondary Education in Cambodia: An Analysis of Household Over-indebtedness on Public Schooling and Supplementary Tutoring』

    Thomas Kloepfer

    『大麻草産業化による貧困削減のための規制と政策:西ネパール山岳コミュニティーの事例』

    奨励賞

    • 羽間久美子
      『タイにおけるSufficiency Economy Philosophyに基づいた教育の効果と課題』

    2019年春季大会

    山口(上舘)美緒里

    『初等教育におけるICTを活用した遠隔教員研修の成果と課題―バングラデシュのNGO校におけるe-learning研修を事例として―』

    奨励賞

    • 田中志歩
      『バングラデシュ丘陵地帯の少数民族における教育開発の可能性と課題―小規模少数民族クミによるノンフォーマル教育学校運営の事例より』
    • 太田美帆
      『陸前高田とゼミ活動の8年間―変わりゆくニーズとの試行錯誤の軌跡―』

    2018年全国大会

    Yiqiong Mai

    『The Influence of Interactive Learning Materials on Self-Regulated Learning Processes and Outcomes of Primary School Teachers in Mongolia』

    奨励賞

    • 飛田八千代
      『セネガルにおける食料消費の傾向について―サンルイ市の女性消費者調査より―』
    • 薗畠ひとみ
      『熱帯地域における廃棄物起因のベクター発生対策に関する研究―パナマのデング熱とジカウィルス感染症を中心に―』
    • 畑杏奈
      『Examining the Relationship between Parent Characteristics and Parent Involvement in Early Childhood Education in Cambodia』

    2018年春季大会

    奨励賞

    • 木村文哉
      『性別の違いと競争的環境の関係に関する比較実験―ミャンマーインレー湖上の住民を対象として―』

    2017年全国大会

    奨励賞

    • 松原加奈
      『エチオピアにおける革靴製造企業―従業員の技術の形成に着目して―』
    • Seonkyung CHOI
      『Impact of Education Paths in Secondary and Tertiary Education on Labor: Market Performance in South Korea: Focusing on TVET High School Graduates』

    2017年春季大会

    奨励賞

    • 三好友良
      『タイにおける地域包括ケアシステムの構築に向けた動き―LTOPプロジェクトサイトの事例を中心に― 』
    • 孟暁東(Xiaodong MENG)
      『Parental Involvement in Early Childhood Education in Lao PDR: Case of Vientiane Province』

    2016年全国大会

    牧貴愛

    『タイにおける優秀教師群像(2)―「Prawat Khru(教師列伝)」の内容分析―』

    2016年春季大会

    奨励賞

    • 高橋香名
      『Impact of Groundwater Development Project on Child Schooling in Rural Zambia』

    2015年全国大会

    奨励賞

    • 金子佳世
      『ブルンジ共和国看護師に求められるCompetency』
      [共著者:Juma NDARAYE; Illuminée NAHABAGANWA; Fabrice KAKUNZE; 古川佳恵]
    • 入江憲史
      『世界遺産における湿地帯保全に対する人々の態度研究:ラオス国ルアンパバーンの事例を用いて』
      [共著者:山口しのぶ、高田潤一]

    2015年春季大会

    奨励賞

    • 清野佳奈絵
      『イタリアにおけるバングラデシュ人移民の社会経済状況:ローマ市に暮らすバングラデシュ人移民を事例に』

    2014年全国大会

    中村洋

    『牧畜民のレジリエンスを分ける要因とは?:モンゴル国ドンドゴビ県で2009年から2010年に発生した災害後の牧民の資産回復過程の分析』

    奨励賞

    • 朝隈芽生
      『イランにおけるアフガニスタン難民の教育:若者のアイデンティティ形成に着目して』

    2014年春季大会

    奨励賞

    • 山口健介・渡辺俊平
      『産業地域の「適応」:集積論の分析視角』

    2013年全国大会

    大谷順子・張玉梅

    『中国四川大地震による中国の社会変容に関する考察:2008年汶川地震と2013年雅安地震』

    奨励賞

    • 山本香
      『シリア難民による学校運営と教員の役割:トルコ共和国アンタキヤ市の事例から』

    2013年春季大会

    田中樹・伊ヶ崎健大

    『作物収量の向上と風食抑制を同時成立させる砂漠化対処技術とその普及』

    奨励賞

    • 佐々木夕子・田中樹
      『西アフリカ・サヘル地域の村落における社会ネットワーク構造と女性世帯の生存戦略』

    2012年全国大会

    奨励賞

    • 篠原亜絵
      『東ティモールにおけるコーヒー生産者協同組合のパフォーマンスと家計への影響』
    • 野村理絵
      『ケニアにおけるマサイ女子生徒の学習動機に対する教師の影響』
    • 吉田綾
      『アジアの途上国におけるE-waste インフォーマルリサイクラーの社会・経済状況』

    2012年春季大会

    奨励賞
    • 佐藤希
      『女性組織が女性のジェンダー意識変容に及ぼす影響:ネパール、パタン市を事例に』
    • 日向淳
      『災害時における「外部者」の役割:内発的発展論の視点から』
    • 山田悦子
      『国際連合安全保障理事会決議1325 :平和構築における国連による女性への政策に関する考察』



    【学会賞】2023年度『国際開発学会賞』作品公募のお知らせ

    2023年度の学会賞の候補作品を公募します。

    2021年1月1日から2023年6月30日までに公表された国際開発学会員の著作または学術論文が審査の対象となります。

    学会賞、奨励賞、論文賞、賞選考委員会特別賞の4つの部門で審査が行われます。応募作品の受付は、5月1日(日曜)から6月30日(木曜)まで(当日消印[または発送記録]有効)です。

    応募は自薦、他薦を問いません。

    対象となる本または論文各5部(本についてはオリジナル1部、残り4部はコピーでも可;論文については全てコピーでも可)を、下記の学会賞選考事務局宛に送付してください。

    電子媒体がある場合にはあわせて提出して下さい。応募の際には、応募用紙を記入の上添付してください。応募用紙は学会賞のページからダウンロードできます。

    学会賞の応募作品と、2022年1月1日から2023年12月31日までに『国際開発研究』に掲載された研究論文・研究ノート・調査研究報告を対象として、各賞に関わる審査を行います(当該の『国際開発研究』に掲載された研究論文等は自動的に審査対象になるので応募する必要はありません)。

    なお、応募者は、2023年5月1日時点で学会員であり、かつ2023年6月30日時点で会費未納者でないことを要します。

    受賞者には、原則として、当該年度の12月前後に開催される全国大会における授賞式や受賞者セッションに、参加することが求められます。

    数多くの作品のご応募をお待ちしております。

    詳細については、学会賞のページに記載されている「国際開発学会賞選考内規」をご覧ください。


    本件にかんするお問い合わせ先

    国際開発学会・賞選考委員会
    事務局

    〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46
    京都大学東南アジア地域研究研究所 三重野文晴研究室気付

    E-mail: mieno-lab [at] (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)




    【公募】日本学術振興会「育志賞」受賞候補者の推薦について

    国際開発学会会員 各位

    日本学術振興会より国際開発学会に「第14回(令和5(2023)年度)日本学術振興会 育志賞」受賞候補者の推薦について依頼が来ています。

    日本学術会議協力学術研究団体である本学会から、候補者1人(女性を含む場合は2名まで)を推薦することができます。そこで学会内での候補者の推薦を下記の要領で選考します。

    応募要項

    • 学会内締切:2023年5月17日(水曜)
    • 候補者(被推薦者)および推薦者(2名)は、現学会員に限ります。推薦者の一人は指導教員であることを要します。
    • (筆頭の)推薦者は、候補者基本情報、推薦理由書(指導教員によるもの)、推薦書理由書(その他の人によるもの)、研究の概要(候補者記入)、候補者の国際開発学会へのこれまでの貢献(推薦者の一人が記入)、の5つの書類をとりまとめて、賞選考委員会に提出することが求められます。

    同賞の目的や対象、候補者資格、過去の受賞者の詳細などについては、日本学術振興会ウェブサイトをご確認ください。

    日本学術振興会ウェブサイト

    国際開発学会による推薦を通じて同賞の候補とする会員を推薦する希望のある方は、下記までお問い合わせください。推薦は他薦のみで自薦はできません。


    本件にかんするお問い合わせ先

    京都大学・三重野文晴研究室(賞選考委員長)
    (担当:山本)

    • mieno-lab@(* [at] の部分を@に修正してご使用ください)



    2022年度「国際開発学会賞」選考結果と受賞のことば

    牛久晴香会員、阿部和美会員および佐藤峰・佐柳信男・柳原透会員(共著)の3著書に2022年度学会賞を授与

    2022年度「国際開発学会賞」選考結果

    第33回全国大会(明治大学:2022年12月3・4日)において、牛久晴香会員の著書『かごバッグの村―ガーナの地場産業と世界とのつながり』(昭和堂 2020)に学会賞を、阿部和美会員の著書『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動 ―「平和の地」を求める戦いの行方』(明石書店 2022)に奨励賞を、佐藤峰・佐柳信男・柳原透会員の共著書”Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration” (Palgrave Macmillan 2022)に賞選考委員会特別賞を授与しました。

    今年度も本事業にたくさんの応募がありました。その中で惜しくも受賞に至らなかったものの最終選考に残った作品としては、藍澤淑雄の著書『アフリカの零細鉱業をめぐる社会構造―貧困解消に向けたタンザニアの零細鉱業支援のあり方』(日本評論社 2021)、木山幸輔会員の著書『人権の哲学:基底的価値の探究と現代世界』(東京大学出版会 2022)の2つがありました。

    応募くださった皆様、誠にありがとうございます。選考委員一同、応募作から多くのことを学ばせていただきました。学会賞の趣旨は、会員の研究を励ますことにあります。

    会員の皆様には、ご自身の研究を、さらに磨き高めていくための機会として、ご活用いただけましたら幸いです。2023年度にも多くの皆様からのご応募をお待ちしております。

    賞選考委員会
    委員長:三重野文晴(京都大学)


    選評


    学会賞 牛久晴香

    『かごバッグの村―ガーナの地場産業と世界とのつながり』昭和堂

    本作品は、ガーナの「かごバック」=ボルガ・バスケット産業という国際開発の「成功事例」について、長期フィールドワークを通して歴史、技術、流通や文化に関する詳細なデータを入手し、グローバル化した手工芸産業の実態を丁寧に解き明かすものである。

    その生産と流通の構造を、地元の経済社会と国際市場との関係で詳細に調査し、その商品としての出現過程についても可能な限りの検証と考察を行って、さらにその構造の中にミドルマンの役割の評価など多面的な要素を見いだしている。

    包括的なこの研究によって導き出される発見は多岐にわたる。この国際的商品としての誕生には外部者である政府・国際機関の開発政策や企業の宣伝が関わってきたこと、原料育成地の減少と輸出の急増への対応の過程の課題が生産者側の「生活の論理」の中に読み替えられて、生産体制が維持・改善されてきたこと、つまり国際市場に取り込まれる中でも、生産者の現地社会における価値観が自律的に維持されてきたこと、そして、在村の仲買人(ミドルマン)が、本来相容れない2つの価値観の間を多様な方法で仲介していること、などである。

    国際開発の潮流を強く意識した堅固な課題設定のもとで、ボルガ・バスケットの生産と流通を多角的かつ詳細に調査・分析し、その結果として、在来産業の商品が国際商品化する過程で在来社会が主体性を失う方向に変質していくというステレオタイプとは異なる実態とそのメカニズムを、独創的な手法によって見事に描き出している。

    数々の発見は、国際開発研究における生業創出援助やフェア・トレード、あるいはより広く企業、流通、貿易に関わる論点に、一石を投じる内容となっている。

    本作品は、地域研究分野の博士論文研究の成果出版であり、大学院における語学習得や長期にわたる参与観察の過程をふまえて結実した、実にダイナミックな研究である。

    ボルガ・バスケットの材料調達や編み方の実践にまで体験的に参加するフィールドワーカーとしての姿勢と、一方でフィールド調査の事実発見のみに引きずられることなく、複数の分野の研究成果の知見を縦横に活用して普遍的な論点を展開していく力量が、巧みな文章とあいまって、完成度の高い研究書を生み出している。学会賞(本賞)に相応しい作品であると選考委員の意見が一致した。(三重野 文晴)


    奨励賞 阿部和美

    『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動 ―「平和の地」を求める戦いの行方』明石書店

    本作品は、インドネシアのパプア社会に重点を置いて、パプア分離独立運動の考察を行ったものである。

    基本的な問いを、なぜ、スハルト政権が崩壊して民主化が定着した今日においてパプア分離運動が依然として続いているのかという点におき、それをパプアの社会的・歴史的背景環境と、民主化以降の分離独立運動を牽引する主体および彼らの要求を吟味することで、考察している。

    ここでは、パプア分離独立運動をインドネシア政府対パプア分離独立運動という二元的な構図のみで描くのではなく、分離独立運動や政府の開発事業がパプアの社会構造にもたらした変化を分析し、さらにそうした変化が分離独立運動にもたらしたインパクトが明らかにされる。

    すなわち、特別自治法によるパプア人の政治参加が結果としてエスニック・グループ間の対立を激化させたこと、インドネシア政府による開発事業によって伝統的なアダット組織が弱体化したこと、こうした変化により分離独立運動が穏健派と急進派に分裂しインドネシア政府との交渉が停滞していることなどであり、こうした事実が丁寧なフィールド調査をもとに描かれている。

    このような多角的な検討を通じて、パプア紛争の発端が国民統合過程においてパプア人の意思が反映されてこなかった民族自決の問題であり、これは例えばインドネシアへの国民統合そのものへの抵抗であったアチェ紛争と性格が異なることが指摘される。

    そして民族自決とインドネシア政府の意思決定への参画を欠いていたゆえに、インドネシアに併合以降もパプアの人々の基本的ニーズが充足されてこなかったとの解釈を導いている。

    民主化期に地域社会の中に蔓延する腐敗の構造についても目配せするなど、インドネシア政府対パプア分離独立運動の構図にとどまらない複雑な状況もよく考察され、問題の解決の困難さを描き出している。

    本作品には、惜しいことに取り上げる情報・文献に二次資料が多く分離独立派側のものに偏りがあるという意見、またパプア人の人権尊重、国際社会の関心の喚起という結論はやや一般的にすぎるという意見もあった。

    そのような課題が残るにせよ、国際開発研究として従来見逃されてきた貴重なテーマを取り上げ、学界にまとまりのよい知見を提供している点で貢献が大きいことには間違いない。若手研究者の今後の一層の活躍への期待もこめて、奨励賞に選出することとなった。(三重野 文晴)


    (講評)賞選考委員会特別賞:佐藤峰、佐柳信男、柳原透

    Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration, Palgrave Macmillan

    本作品は、人類学、心理学、経済学の観点から、「人はどのようにイニシアティブをとるのか」という問いを掲げ、事例研究を織り交ぜながら理論的、実証的に論じるという、斬新な試みを行っている。

    「エージェンシー」をキー概念として、その定義やそれが発現するメカニズム、そして実態が可視化されて人や社会のポジティブな変化につながる「エンパワーメント」の現象を、3つの学問分野からどのように説明できるかを、比較対比させながら分析している。

    開発研究は学際的な学問領域であると言われながら、学際的研究において理論から実証研究まで異なる学問領域の研究者が論点を共有し、結論まで導き出すこのような試みは、その困難さから忌避されがちであるように思われる。

    その意味で、開発研究の学際性に正面から挑戦し、分野間にある共通点や補完性を見出し、開発の働きかけによる人や社会の変化の可視化に挑み、開発研究の今後の視点を見出すことに一定程度成功した本作品の意義は大きい。

    また、各分野に関わる取り組みに、日本の生活記録運動(Life Record Movement)、チリのSolidario Programなど開発援助の実践手法を取り上げて、それらの理論的根拠を析出することに繋がっていることも重要な貢献である。

    本作品は、そのテーマの特徴から、各章はそれぞれの分野や個別の実践のレビュー論文としての性格が強いもので、特定テーマを深掘りした研究書とは構成・性格が異なる。

    そして、残る課題として、それぞれの理論の改善や相互の補完性の可能性の指摘にはたどり着いたものの、分野横断的な批判的検討や理論構築には至っていないのではないか、という点も指摘された。

    このようなユニークさや限界があるとはいえ、日本を含む開発過程と援助経験の含意を世界に発信しながら、学際性が求められる開発研究者の立ち位置のありかたに正面から挑戦したこの本の趣旨は、学界に大きな示唆をもつ。この点を踏まえて、本作品は賞選考委員会特別賞に相応しいものと評価された。(三重野 文晴)


    受賞のことば

    学会賞・牛久晴香会員

    『かごバッグの村―ガーナの地場産業と世界とのつながり』
    (昭和堂 2020)

    このたびは国際開発学会学会賞という栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。わたしはガーナ北部のボルガタンガ地方というところで10年強研究を続けてきました。とくにこの地域の地場産品で、今やアフリカを代表するかごバッグである「ボルガバスケット」という輸出向けの手工芸品に着目してこの本をまとめました。

    この本で立てた問いはいくつかあるのですが、国際開発とも関係の深い問いとしては、「ボルガバスケットの産地で開発援助機関や外国企業の試みが『なかったこと』にされずにうまく取り込まれてきたのはどうしてか」があります。これは会員の小國和子先生がご著書『村落開発支援は誰のためか』で言及された、外部からの働きかけの「無効化」にヒントを得た問いです。

    アフリカ農村では数多くの産業創出プロジェクトや一村一品運動が実施されてきましたが、その多くはプロジェクト終了とともに立ち消えてしまう、あるいは「なかったこと」にされてしまうことは、みなさまがご存じのとおりです。

    それではなぜ、ボルガバスケットでは無効化されずにうまく取り込まれてきたのか。本書ではその理由を、ボルガタンガの人たちが新たに持ち込まれる技術や取引のしくみを村の生活の論理やものづくりの論理に適合的なかたちに改変してきたから、としました。この過程でとくに重要な役割を果たしてきたのは、ミドルマン(仲介者)たる在村の仲買商人なのですが、彼らの言う「僕らのやり方」がこの産業の発展に不可欠であったと結論づけました。

    この本には開発実務に役立つモデルや普遍性のある理論は書かれていません。しかし、「アフリカ農村のやり方」を研究するためのいくつかのヒントを、そして「アフリカ農村のやり方にもとづく産業発展」の一例を、本書が示すことができていれば幸いです。

    まだまだ未熟者ですが、さらに研究を発展させるべく、そしてこれから国際開発研究の発展にも貢献すべく精進いたしますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。このたびは誠にありがとうございます。


    奨励賞・阿部和美会員

    『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動 ―「平和の地」を求める戦いの行方』
    (明石書店 2022)

    この度は、国際開発学会奨励賞を頂戴し、大変光栄に存じます。これまでご指導・ご尽力いただきました先生方ならびに関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

    パプアを初めて訪れたのは、2010年12月です。パプアのことをほとんど知らないまま訪問しましたが、特別自治法の内容が適切に履行されていない、パプア人が警察や軍に不当逮捕や殺害されているなど、深刻な問題を次々と目の当たりにして、研究対象にしようと決意しました。

    『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動―「平和の地」を求める闘いの行方』では、パプア分離独立運動の背景と社会変容を考察しながら、政府との対立が解決しない要因は安全保障、開発、アイデンティティへのニーズの不充足が依然として是正されていない実態にあると特定しました。

    近年、パプアでも開発が進み、利便性が大きく向上しましたが、外国人ジャーナリストの渡航が制限されるなど、パプアに関する情報は依然として厳しく規制されています。フィールド調査にも困難があり、治安上の問題から、分離独立運動が活発な内陸の山岳部ではほとんど調査ができません。入手できる資料も限られています。

    パプア分離独立運動も、大きく変化しつつあります。分離独立運動を牽引してきた第一世代の多くが死去し、著名な活動家がいません。パプアでは開発が進み生活が便利になる一方で、開発を進める企業と住民の間で土地問題が発生しています。内陸部では、武装集団と国軍の戦闘が激化して国内避難民が発生しています。

    研究にはまだまだ不十分な点や取り組むべき課題が多々ありますが、このようなパプアの現状を一人でも多くの読者の方々に知っていただきたいと思い、本書の出版に至りました。 今回の受賞を励みとして、パプアや類似する事例の問題解決に少しでも貢献できるよう、精進して参ります。このたびはありがとうございました。


    特別賞・佐藤峰会員・佐柳信男会員・柳原透会員(共著)

    ”Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration”
    (Palgrave Macmillan 2022)

    この度は Empowerment through Agency Enhancement に対して国際開発学会特別賞をいただき感謝を申し上げます。賞状に「将来性に対して」とありましたので、まだまだ途上である学際研究のポテンシャルに対して賞を頂戴したと理解しております。

    本書は、国際協力などの社会サービスにおける当事者のオーナーシップやイニシアティブがどのようにしたら発揮されるのか(どのようにエンパワメントが起こるのか)、どのように支援できるかについて、エージェンシーを鍵概念として、人類学(佐藤峰)、心理学(佐柳信男)、経済学(柳原透)、の間での学際研究を行った成果です。

    三部構成になっており、エージェンシーの定義について、エージェンシーが発揮されるメカニズムについて、その可視化と測定について、それぞれの専門領域からの議論を展開しました。社会開発や社会福祉に関わる実践者の多くは、当事者が自ら意思決定し動いていけるようさまざまに努力をしてきましたが、得られた知見の多くは経験知に止まっています。それらを理論と結びつけ、実学としての開発学のひとつのかたちを示したい、という思いもありました。

    構想の発端は、柳原が代表であった「生活改善」に関する研究部会に佐藤が2007年に参加し後に共同代表を務める中で、生活改善にとどまらない「主体性」に関わる研究への関心が強まったことでした。その具体化として、JICA研究所の研究プロジェクトとして「主体性醸成のプロセスと要因にかかる学際的研究:中南米事例を中心に」(2012-2015)を立ち上げました。人の心の動きを扱う研究として心理学の視点・知見の必要が認識され、佐柳会員の参画を得ることとなりました。

    その後、国際開発学会やHDCA(Human Development and Capability Approach)など国内外での学会で企画セッションを持ち、反応から手応えを得て成果を書籍として世に問うことを考えました。2018年にPalgrave Macmillanの編集者にお会いする機会があり、プロポーザルをお送りしたところ採用となり、三人で研究会をしながら書き進め刊行に至りました。

    学際研究は、同一分野の研究者による共同研究とは違い、各分野での発想や暗黙の前提を相互に分からなければなりません。相互理解と相互啓発の過程では、しばしば行きつ戻りつが起きます。そのこともあり、本書でも、同一のテーマや事例につき各分野からの議論を収斂させ統合するところまでは、未だ至っていません。「特別賞」を学際研究への「特別奨励賞」として受けとめ、学際研究のひとつのあり方を打ち出せるよう、今後も努める所存です。大きな励ましをいただいたことに、あらためてお礼を申し上げます。




    第33回全国大会「優秀ポスター発表賞」選考結果

    第33回全国大会で小林匠会員に優秀ポスター発表賞を、石井あゆ美会員に優秀ポスター発表奨励賞を授与

    第33回全国大会において、小林匠会員(報告タイトル:ウガンダの初等教育におけるコミュニティと親の参加が教育の質に与える影響-ブシェニ県とワキソ県の事例から)に優秀ポスター発表賞を、石井あゆ美会員(報告タイトル:日本における多様な教育ニーズに即した「包摂的かつ公正で質の高い教育」の実現に向けた課題—神奈川県における外国につながる子どものノンフォーマルな学び場と学校教育との関係性の考察から—)に優秀ポスター発表奨励賞を授与しました。

    優秀ポスター発表賞

    『ウガンダの初等教育におけるコミュニティと親の参加が教育の質に与える影響-ブシェニ県とワキソ県の事例から』

    小林匠会員


    優秀ポスター発表奨励賞

    『日本における多様な教育ニーズに即した「包摂的かつ公正で質の高い教育」の実現に向けた課題—神奈川県における外国につながる子どものノンフォーマルな学び場と学校教育との関係性の考察から—』

    石井あゆ美会員

    今回のポスターセッションは久しぶりに対面での発表形式に復帰し、9名の発表者がどれも力のこもった報告をされました。教育分野が8件、災害分野が1件と、開発教育分野の報告が多く、英語による発表は2件あり、また前回大会同様、個票調査データに基づく計量分析のアプローチによる研究が多い傾向がありました。2人の受賞者は、議論の独創性、分析手法の妥当性、ポスター構成、プレゼンテーションの明解さなどの総合的な観点から評価されました。ポスター発表セッションに参加してくださった皆様、誠にありがとうございました。

    賞選考委員会
    委員長:三重野文晴(京都大学)




    第23回春季大会・優秀ポスター発表賞

    2022年度春季大会のポスターセッションでは、16件の意欲的な研究報告がありました。オンライン開催を考慮して、昨年度の全国大会に引き続き、今回もビデオ掲載による発表の形式となりました。

    ポスターセッション発表に対する賞選考委員会および常任理事会での厳正な審査の結果、下記の作品が優秀ポスター賞として選出されました。

    優秀ポスター発表賞

     松田華織・会員

     “An Analysis of Access to Education for Children with Disability in Indonesia”

     太田洋舟・会員

    「モルディブ共和国における「ムスリムネス」の多様性に関する一考察―首都マレ圏のスポーツ活動を行うムスリム女性を事例として―」

    賞選考委員会
    委員長・三重野文晴(京都大学)




    2021年度「国際開発学会賞」受賞者からのことば

    2021年度「国際開発学会賞」 学会賞(奨励賞)/(特別賞)を受賞して

    第31回全国大会(金沢大学(オンライン):2021年11月20-21日)において、岩原紘伊会員の著書『村落エコツーリズムを作る人々:バリの観光開発と生活をめぐる民族誌』(風響社 2020)に奨励賞を、小山田英治会員の著書『開発と汚職:開発途上国の汚職・腐敗との戦いにおける新たな挑戦』(明石書店 2019)に賞選考委員会特別賞を授与しました。

    受賞者からの言葉を掲載いたします。なお、授賞作の選評については、ニューズレター前号(33.1)をご覧ください。

    受賞の言葉 岩原 紘伊

    この度は、拙著『村落エコツーリズムをつくる人びと――バリの観光開発と生活をめぐる民族誌』を2021年度国際開発学会奨励賞に選んでいただきまして、心よりお礼申し上げます。

    本書は、2018年3月に東京大学大学院総合文化研究科に提出した博士論文を加筆・修正し、出版したものです。本書の舞台であるインドネシアのバリ島は、近年マスツーリズム開発よる社会・環境への負の影響が国内外から指摘されるようになっており、持続可能な観光の実現が地域社会内部でも意識されるようになっています。

    本書はそうしたなか、マスツーリズムに代わる別様の観光のあり方として注目されているコミュニティベースト・ツーリズム(CBT)が、現地の環境NGOやその協力者たちによって、どのようにプロジェクト化され、バリのローカルな社会に導入・適用されているのかを描写しました。

    今日 CBT は、発展途上国を中心に国際機関やNGOといったアクターによって参加型開発として多数プロジェクト化されており、地域や国境を越えた現象となっています。同時にCBTに関する研究も増えてきていますが、多くは事業としてのCBT運営の成功や失敗、そしてその要因となる地域社会の内情に焦点が当てられがちで、CBTをローカルな社会へ持ち込むアクターの存在や役割は後景化されてきました。

    それに対し本書は、約 2 年にわたりバリのローカル環境NGO やその協力者の活動の内側に入り、参与観察を実施して得られたデータをもとに、CBT が村落社会へと導入されていく現場において、そのオルタナティブな形態が誰によってどのように移入され、当該コミュニティの事情に応じて調整・修正されていくのかを考察しました。

    新型コロナウィルス感染症の世界的な流行によって、マスツーリズムを主体とする観光活動が当面困難となるなか、小規模な観光形態が注目されるようになっています。ポスト・コロナ時代の観光活動において、CBTがプロジェクト対象地域の発展にどのような役割やインパクトを持つのか注視して研究を進め、国際開発をめぐる研究の発展に少しでも貢献できるよう精進してまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。


    受賞の言葉 小山田 英治

    この度は、拙著『開発と汚職―開発途上国の汚職・腐敗との闘いにおける新たな挑戦』に対し、2021年度国際開発学会特別賞を付与して頂き、誠にありがとうございました。

    本書は、主に開発途上国並びに新興国の汚職問題を開発の側面から取り上げ、汚職や政府腐敗がどの程度市民や国家開発に影響を与えるか明らかにした上で、政府や市民社会、企業、国際社会の汚職との闘い、そしてその成果はどうなっているのか等を考察し、5か国の事例を通じて各国政府による反汚職政策の様子を描きだしております。

    汚職研究の多くは、政治学、刑法学そして行政学上の他研究との関連において行われており、クライエンテリズムやレント・シーキング研究などは別途行われていたものの、一研究分野としては確立しておらず、学術研究テーマとして長い間蚊帳の外となっておりました。その背景には、汚職は一個人の行為で道徳的問題である、そして贈賄・収賄者双方がともに事実を隠蔽するため、研究は困難であるとの理由でした。

    また、援助との関係では汚職は国内問題のため、それ自体を議論することは国内干渉となりタブー視されておりました。しかし、1990年代以降、汚職は国家開発を大きく損なわせる要因、そしてそれは構造的かつ国境を超える問題であると認識され、国内問題だけでは取り扱うべきでないというコンセンサスに至り、国際社会全体で汚職と闘うべき機運が高まってきました。

    途上国開発との関連で見れば、近年の汚職研究は、制度派経済学を中心とした、ガバナンス研究の枠組み内におけるものが多く、本書でも主に途上国ガバナンスの側面から議論展開をしております。

    本書では汚職研究の文献を意図的に多く引用し、途上国の汚職の区分、構造と実態、汚職対策において何が有効的なのか、そして汚職は本当に削減できるのか等、国際開発と絡めて多面的に議論致しました。本書が少しでも途上国開発研究の貢献材料となればと幸いに存じます。

    賞選考委員会
    委員長:三重野文晴(京都大学)




    2022年度「国際開発学会賞」作品公募のお知らせ

    2022年度の学会賞の候補作品を公募します。2020年1月1日から2022年6月30日までに公表された国際開発学会員の著作または学術論文が審査の対象となります。今年度より、優れた論文を対象とする「論文賞」を新たに設け、学会賞、奨励賞、論文賞、賞選考委員会特別賞の4つの部門で審査が行われます。応募作品の受付は、5月1日(日)から6月30日(木)まで(当日消印[または発送記録]有効)です。応募は自薦、他薦を問いません。

    対象となる本または論文各5部(本についてはオリジナル1部、残り4部はコピーで可;論文については全てコピーでも可)を、下記の学会賞選考事務局宛に送付してください。応募の際には応募用紙に記入の上、添付してください。応募用紙は学会Webからダウンロードできます。

    学会賞の応募作品および2020年1月1日から2022年12月31日までに『国際開発研究』に掲載された研究論文・研究ノート・調査研究報告を対象として、各賞に関わる審査を行います。

    なお、受賞者には原則として、当該年度の12月前後に開催される全国大会における授賞式や、受賞者セッションに参加することが求められます。

    数多くの作品のご応募をお待ちしております。詳細については、当学会の「学会賞」のページや、下記の「国際開発学会賞選考内規」をご覧ください。

    国際開発学会・賞選考委員会事務局
    〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46
    京都大学東南アジア地域研究研究所 三重野文晴研究室気付
    E-mail: mieno-lab [at]
    (* [at] の部分を@に修正してご使用ください)


    〈賞選考内規〉

    1. 会員の研究を奨励し、研究成果の顕彰並びに広報を目的として、国際開発学会では賞を設ける。審査対象は、国際開発にかかわる諸問題に関する研究成果をとりまとめて出版された著作および論文(i)とし、単独研究・共同研究の別を問わない。使用言語は日本語または英語とする。
    2. 賞には、「学会賞」「奨励賞」「論文賞」「賞選考委員会特別賞」を設ける。
    3. 学会賞は、国際開発の分野での極めて優れた研究であり、国際開発研究の発展に重要な学術的貢献が認められる作品を対象とする。
    4. 奨励賞は、若手研究者及び実務家による業績で、優れた将来性のある作品を対象とする。
    5. 論文賞は、国際開発の分野における極めて優れた論文を対象とする。
    6. 上記3,4の賞の基準に該当しないが、特に顕彰すべき作品があった場合は、賞選考委員会特別賞を授与することができる。
    7. 対象文献の執筆者は、国際開発学会の会員であることを要する。共同研究の場合には、主たる執筆者が会員であることを要する。ただし、審査委員会が特に必要と認めた場合には、その限りではない。
    8. 学会賞の選考は年1回とし、審査対象文献は、(a)前々年1月1日から当該年6月30日まで(2年半)に公表され公募に応募した著作・論文、および(b) 前々年1月1日から前年12月31日までに『国際開発研究』に掲載された研究論文(原著論文および総説)・研究ノート・調査研究報告とする。ただし、同じ作品は1回のみ審査する。公募に対する応募者は、別途定める応募期間内に、所定の宛先に、当該著作5部(原本1部、残りはコピーで可)を送付すること。自薦・他薦を問わない。
    9. 賞選考委員会は、応募のあった著作・論文および『国際開発研究』に掲載された作品を審査した上で各賞候補を決定し、その結果を会長に報告する。賞選考委員会委員長は、必要に応じ、同委員会の委員以外の者に意見を求め、審査を依頼することができる。
    10. 委員長は、審査結果を常任理事会、理事会に諮り、各賞の決定を行う。各賞の表彰は、国際開発学会全国大会会員総会において行う。
    • ここでいう「出版された著作および論文」とは、ISSNまたはISBN番号が表示された定期刊行物および書籍を指すものとし、論文の場合は査読を経たものとする。

    附則

    本内規は、2020年 4 月 5 日より施行する。

    賞選考委員会
    委員長:三重野文晴(京都大学)




    2022年度『国際開発学会賞』作品公募(6月30日まで)

    2022年度の学会賞の候補作品を公募します。2020年1月1日から2022年6月30日までに公表された国際開発学会員の著作または学術論文が審査の対象となります。

    今年度より、優れた論文を対象とする「論文賞」を新たに設け、学会賞、奨励賞、論文賞、賞選考委員会特別賞の4つの部門で審査が行われます。応募作品の受付は、5月1日(日曜)から6月30日(木曜)まで(当日消印[または発送記録]有効)です。応募は自薦、他薦を問いません。

    対象となる本または論文各5部(本についてはオリジナル1部、残り4部はコピーで可;論文については全てコピーでも可)を、下記の学会賞選考事務局宛に送付してください。応募の際には応募用紙に記入の上、添付してください。応募用紙は学会賞のページからダウンロードできます。

    応募に関する詳細は、学会賞のページをご覧ください。

    2022年度『国際開発学会賞』作品公募のご案内

    賞選考委員長
    三重野文晴(京都大学)




    これまでの受賞作品

    2023年

    • 奨励賞:池田真也
      『商人が絆す市場―インドネシアの流通革命に交わる伝統的な農産物流通』(京都大学学術出版会 2022)
    • 奨励賞:杉江あい
      『カースト再考―バングラデシュのヒンドゥーとムスリム』(名古屋大学出版会 2023)

    2022年

    • 学会賞:牛久晴香
      『かごバッグの村―ガーナの地場産業と世界とのつながり』昭和堂(2020年)
    • 奨励賞:阿部和美
      『混迷するインドネシア・パプア分離独立運動―「平和の地」を求める戦いの行方』明石書店(2022年)
    • 特別賞:佐藤峰、佐柳信男、柳原透
      Empowerment through Agency Enhancement: An Interdisciplinary Exploration, Palgrave Macmillan(2022)

    2021年

    • 奨励賞:岩原紘伊
      『村落エコツーリズムを作る人々:バリの観光開発と生活をめぐる民族誌』風響社(2020年)
    • 特別賞:小山田英治
      『開発と汚職:開発途上国の汚職・腐敗との戦いにおける新たな挑戦』明石書店(2019年)
     

    2020年

    • 学会賞:加治佐敬
      『経済発展における共同体・国家・市場―アジア農村の近代化にみる役割の変化』日本評論社(2020年)
    • 奨励賞:谷口美代子
      『平和構築を支援する―ミンダナオ紛争と和平への道』名古屋大学出版会(2020年)
    • 奨励賞:Taeko Takayanagi,
      Informal Learning and Literacy among Maasai Women: Education, Emancipation and Empowerment, Routledge(2020)
    • 特別賞:萱島信子、黒田一雄(編)
      『日本の国際教育協力―歴史と展望』東京大学出版会(2019年)

    2019年

    • 奨励賞:橋本憲幸
      『教育と他者―非対称性の倫理に向けて―』春風社(2018年)
    • 特別賞:岡部恭宜編
      『青年海外協力隊は何をもたらしたか―開発協力とグローバル人材育成50年の成果―』ミネルヴァ書房(2018年)

    2018年

    • 奨励賞:芦田明美
      The Actual Effect on Enrollment of “Education for All”: Analysis Using Longitudinal Individual Data, Union Press(2018)
    • 奨励賞:内海悠二
      「生徒の紛争経験を考慮した教育効果に対する学校要因の分析―東ティモールにおける紛争と全国学力試験を事例として―」『国際開発研究』第26巻第1号(2017年6月)
    • 特別賞:湖中真哉・太田至・孫暁剛編(執筆者:湖中真哉・内海成治・島田剛会員他)
      『地域研究からみた人道支援―アフリカ遊牧民の現場から問い直す―』昭和堂(2018年)

    2017年

    • 奨励賞:林裕
      『紛争下における地方の自己統治と平和構築―アフガニスタンの農村社会メカニズム―』ミネルヴァ書房(2017年)
    • 奨励賞:鈴木弥生
      『バングラデシュ農村に見る外国援助と社会開発』日本評論社(2016年)
    • 特別賞:Shoko Yamada (ed.),
      Post-Education-for-All and Sustainable Development Paradigm: Structural Changes with Diversifying Actors and Norms
      , Emerald(2016)

    2016年

    • 奨励賞:Kamal Lamichhane,
      Disability, Education and Employment in Developing Countries: From Charity to Investment, Cambridge University Press, (2015)
    • 特別賞:北村友人
      『国際教育開発の研究射程:「持続可能な社会」のための比較教育学の最前線』東信堂(2015年)

    2015年

    • 学会賞:箕曲在弘
      『フェアトレードの人類学―ラオス南部ボーラヴェーン高原におけるコーヒー栽培農村の生活と協同組合』めこん(2014年)

    2014年

    • 奨励賞:真崎克彦
      「『<対話>論的シティズンシップ』をブータン村落で考える―民主的な<対話>実現に向けて―」『国際開発研究』第22巻第1号(2013年)55-66ページ
    • 特別賞:北脇秀敏・池田誠・稲生信男・高林陽展編
      『国際開発と環境:アジアの内発的発展のために』朝倉書店(2012年)

    2013年

    • 奨励賞:Jin Sato, Hiroaki Shiga, Takaaki Kobayashi and Hisahiro Kondoh,
      “Emerging Donors from a Recipient Perspective: An Institutional Analysis of Foreign Aid in Cambodia”, World Development, Vol. 39, No. 12, pp. 2091-2104.
    • 奨励賞:佐藤裕
      「グローバル化と慢性的貧困―開発社会学の視点から」『国際開発研究』第21巻第1/2号(2012年)31-44ページ
    • 特別賞:加藤篤史
      『経済発展論』中央経済社(2012年)

    2012年

    • 奨励賞:山田肖子
      「『住民参加』を決定づける社会要因―エチオピア国オロミア州における住民の教育関与の伝統と学校運営委員会」『国際開発研究』第20巻第2号(2011年)107-125ページ
    • 特別賞:加藤真紀
      「学術論文の分析から見る途上国の研究活動」『国際開発研究』第20巻第1号(2011年)15-30ページ
    • 特別賞:宇田川光弘
      「日本の『経験』とODAアプローチの再検討―主権の二重性の観点から 」『国際開発研究』第20巻第1号(2011年)1-14ページ

    2011年

    • 特別賞:森壮也編
      『途上国障害者の貧困削減―かれらはどう生計を営んでいるのか』岩波書店(2010年)

    2010年

    • 奨励賞:中村雄祐
      『生きるための読み書き―発展途上国のリテラシー問題』みすず書房(2009年)
    • 特別賞:大坪滋・木村宏恒・伊東早苗編
      『国際開発学入門』勁草書房(2009年)

    2008年

    • 奨励賞:石井洋子
      『開発フロンティアの民族誌―東アフリカ・灌漑計画の中に生きる人々』お茶の水書房(2007年)

    2007年

    • 学会賞:青山和佳
      『貧困の民族誌: フィリピン・ダバオ市のサマの生活 』東京大学出版会(2006年)
    • 奨励賞:亀井伸孝
      『アフリカのろう者と手話の歴史:A・J・フォスターの「王国」を訪ねて』明石書店(2006年)

    2006年

    • 学会賞:Hidefumi Imura and Miranda A. Schreurs eds.,
      Environmental Policy in Japan, Edward Elgar, 2005.
    • 奨励賞:松山章子
      「女性の教育が妊娠検診受診行動に与える影響―医療人類学的研究」『国際開発研究』第14巻第2号(2005年)15-31ページ

    2005年

    • 奨励賞:野上裕生
      『開発経済学のアイディンティティ』アジア経済研究所(2003年)
    • 奨励賞:金子由芳
      「法整備支援における『司法改革』再考―法の実施強化の見地から」『国際開発研究』第13巻第1号 (2004年)15-29ページ

    2004年

    • 学会賞:Fumihiko Saito,
      Decentralization and Development Partnership: Lessons from Uganda, Springer,(2003)
    • 奨励賞:小國和子
      『村落開発支援は誰のためか―インドネシアの参加型開発協力に見る理論と実践』明石書店
    • 奨励賞:栗原充代・山形辰史
      「開発戦略としてのPro-Poor Growth―貧困層の雇用創出―」『国際開発研究』第12巻第2号 (2003年)3-28ページ

    2003年

    • 学会賞:佐藤仁
      『稀少資源のポリティクス: タイ農村にみる開発と環境のはざま』東京大学出版会(2002年)
    • 学会賞:佐藤寛編
      『援助と社会関係資本: ソーシャルキャピタル論の可能性 』アジア経済研究所(2001年)

    2002年

    • 奨励賞:関根久雄
      『開発と向き合う人々: ソロモン諸島における「開発」概念とリーダーシップ』東洋出版(2001年)



    2021年度「国際開発学会賞」選考結果

    岩原紘伊会員、小山田英治会員の著書に、2021年度学会賞を授与

    第31回全国大会(金沢大学(オンライン):2021年11月20・21日)において、岩原紘伊会員の著書『村落エコツーリズムを作る人々:バリの観光開発と生活をめぐる民族誌』(風響社 2020)に奨励賞を、小山田英治会員の著書『開発と汚職:開発途上国の汚職・腐敗との戦いにおける新たな挑戦』(明石書店 2019)に、賞選考委員会特別賞を授与しました。

    応募くださった皆様、誠にありがとうございます。選考委員一同、応募作から多くのことを学ばせていただきました。学会賞の趣旨は、会員の研究を励ますことにあります。会員の皆様には、ご自身の研究を、さらに磨き高めていくための機会として、ご活用いただけましたら幸いです。

    学会誌掲載論文以外は、応募されなければ選考対象となりません。2022年度にも多くの皆様からのご応募をお待ちしております。

    賞選考委員会
    委員長:三重野文晴(京都大学)


    選評1

    奨励賞:
    岩原紘伊 『村落エコツーリズムを作る人々:バリの観光開発と生活をめぐる民族誌』(風響社2020)

    作品は、バリ島という世界的な観光地におけるCommunity-based Tourism(CBT)を題材に、観光の対象となる「慣習村」(アダット)へのNGOや外部社会からの働きかけの作用を論じたものである。CBTを題材としながらも、それの舞台となる「慣習村」そのものより、NGOなどの外部社会との「仲介者」の行動とその影響に焦点をあてるという独創的な着想に基づく研究である。

    長期の参与観察と広範な先行研究のサーベイに基づきながら、そのグローバルな文脈、スハルト体制期以降の国内政治の文脈、ジャワを中心とするインドネシア社会とバリ社会の関係の文脈を明らかにした上で、NGOや村内の知識人など、外部社会と「慣習村」をつなぐアクターの功績と課題とを丁寧に解き明かした研究である。

    その中心的な結論は、NGOや村内の知識人などの「仲介者」が、もともとは権威主義体制との折り合いをつけながら広い活動を実践あるいは試行してきた経緯があり、その後グローバルな環境変化や国内政治環境の変化に適応するために、題材としてCBTの実践を「発見」したこと、それを反映して活動は外部社会におけるCBTの価値や諸々の近代的社会概念を「慣習村」に「翻訳的」に持ち込む形をとり、それが「慣習村」内におけるCBTやコミュニティーのあり方についての解釈を形成したというものである。

    本作品は文化人類学の立場からの研究であるが、人類学的な開発研究としても、地域研究としても読みごたえがあり、従来のツーリズム研究、例えば経営学や経済学などのから観光を論じた研究にはない視覚と情報を提供している。

    社会開発の手段としてのCBTが「仲介者」によって地場のコンテキストにどのように「翻訳」されたか、という視点は斬新である。その視点のもとで、豊富な先行研究レビューに基づいて、CBTをインドネシアの伝統的なアダット・コミュニティーの盛衰に引き付けおり、対象地域の文脈にしっかりと落とし込むことに成功している。この独創性と強い帰納的考察の両立は高く評価できる。

    本作品の記述の高い完成度の一方で、分析は少数の事例を扱ったケースタディーが中心ではあるので、一般化には相当に慎重であるべきとも感じられる。その点、選考委員からは、インタビューから登場する主要なアクターの意図をかなり断定的に解釈・記述する傾向も窺われ、考察実証について粗削りな部分も残るという意見もあった。素晴らしい若手研究者の登場を喜び、今後の一層の活躍を期待したい。

    (三重野文晴)


    選評2

    賞選考委員会特別賞:
    小山田英治 『開発と汚職:開発途上国の汚職・腐敗との戦いにおける新たな挑戦』 (明石書店 2019)

     経済開発下の汚職・腐敗という大きなテーマについて、1990年代以降の議論や先行研究を総括し、途上国の現状や国際社会のこれまでの取組みを評価した上で、5ヶ国の事例を分析し、国際開発の政策問題として包括的に論じたものである。

    本作品では、経済発展下の汚職・腐敗の問題について、その実態、開発への影響、さらにはそれを抑止する政策について豊富な先行研究を盛り込んで論じられる。また、5ヶ国のケースでは、それぞれの国の経験が詳細に分析され、現場の視点からの汚職の課題が整理され、わかりやすく示されている。

    汚職・腐敗という多岐にわたる論点をもつ国際開発の一大テーマに対して、詳細かつ網羅的で、理論と実践のバランスのとれたこの著作は、この分野にとって、いわば「ありそうで、なかった」待望の総合解説書である。

    本作品は、壮大な研究展望ともいうべきものであるので、選考委員からは、既存の情報や研究の紹介が中心で、著者独自の研究によって著者独自の知見を目指す要素は必ずしも多くはなく、本賞たる「学会賞」の対象とは性格が異なる、という意見もあった。一方で、この一冊が日本の国際開発分野の研究や実践について計りしれないほど大きな助けとなることは間違いない。その点、賞選考委員会特別賞にまさに相応しい作品である。

    (三重野文晴)

    *受賞者による受賞の言葉は、次号ニューズレターに掲載します。




    第32回全国大会「優秀ポスター発表賞」選考結果

    32回全国大会で、矢野泰雅会員に優秀ポスター発表賞を、Traitip Siriruang会員に優秀ポスター発表奨励賞を授与

    第32回全国大会において、矢野泰雅会員(報告タイトル:An Analysis of Applicability of Self-Determination Theory to Teachers’ Motivation in Public Primary Schools in Lao PDR)に優秀ポスター発表賞を、Traitip Siriruang会員(報告タイトル:Friendship Networks of Thai Students and Its Impacts as a Result of a Study Abroad Program in ASEAN)に優秀ポスター発表奨励賞を授与しました。

    今回のポスター発表も、引き続きオンライン開催に対応した動画による発表形式をとりました。セッションには15 件の参加があり、どれも見応えのある報告でした。

    今回のポスター発表セッションは、すべての報告が英語でなされ、また、ほぼすべてが開発協力分野の研究で、計量分析のアプローチによる研究が多いという傾向がありました。

    授賞された2名の発表は、議論の独創性、分析手法の妥当性、ポスター構成、プレゼンテーションの明解さなどの総合的な観点から評価されました。ポスター発表セッションに参加してくださった皆様、誠にありがとうございました。

    賞選考委員会
    委員長:三重野文晴(京都大学)




    賞選考委員会からのお知らせ(2021年11月)

    夏以降、賞選考委員会の業務が本格化してきました。

    今年度の学会賞の公募が6月末を締め切りに進められ、その後、秋口から選考審査を進めてきました。11月の常任理事会と理事会において正式決定され、全国大会の総会冒頭に発表されます。

    日本学術振興会が実施している若手研究者奨励「育志賞」の学会推薦区分が創設されたことを受けて、試行的に本学会からの推薦を行いました。年内に結果が判明します。結果を踏まえて、応募体制をつくりあげていく予定です。

    学会賞募集や審査プロセスについて、趣旨やルールの明確化を目指して、内規改訂の検討を始めました。とりわけ、論文における学会賞のあり方について検討しています。

    賞選考委員会
    委員長・三重野文晴(京都大学)




    優秀ポスター発表賞(2021年度 春季大会)

    2021年度春季大会のポスターセッションでは、18件の意欲的な研究報告がありました。オンライン開催を考慮して、昨年度の全国大会に引き続き、今回もビデオ掲載による発表の形式となりました。

    ポスターセッション発表に対する賞選考委員会および常任理事会での厳正な審査の結果、下記の作品が優秀ポスター発表賞と優秀ポスター発表奨励賞の対象として選出されました。

    賞選考委員長・三重野文晴
    (京都大学)


    優秀ポスター発表賞

    白井恵花 

    『重度障害者の生存の難しさ-ネパール地方都市とその周辺地域から見えてきたこと―』


    大門毅(奨励賞)

    『「アラブの春」とは何だったのか-革命10年後のチュニジアから―』 

    Kexin Wang(奨励賞)

    “Home Learning Environment for Early Childhood Development Outcomes in Bangladesh”




    【公募】2021年度「国際開発学会賞」作品

    2021年度の学会賞の候補作品を公募します。2019年1月1日から2021年6月30日までに公表された国際開発学会員の著作または学術論文が審査の対象となります。

    今年度より、優れた論文を対象とする「論文賞」を新たに設け、学会賞、奨励賞、論文賞、賞選考委員会特別賞の4つの部門で審査が行われます。応募作品の受付は、5月1日(土)から6月30日(水)まで(当日消印[または発送記録]有効)です。

    対象となる本または論文各5部(本についてはオリジナル1部、残り4部はコピーで可;論文については全てコピーでも可)を、下記の学会賞選考事務局宛に送付してください。

    学会賞の応募作品および2019年1月1日から2020年12月31日までに『国際開発研究』に掲載された研究論文・研究ノート・調査研究報告を対象として、各賞に関わる審査を行います。

    なお、受賞者には、原則として、当該年度の12月前後に開催される全国大会における授賞式や受賞者セッションに参加することが求められます。

    数多くの作品のご応募をお待ちしております。

    詳細については「国際開発学会賞選考内規」をご覧ください。

    学会賞

    賞選考委員会 委員長
    三重野 文晴(京都大学)


    国際開発学会賞選考委員会事務局

    〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46
    京都大学東南アジア地域研究研究所 三重野文晴研究室気付

    E-mail: mieno-lab (a) (*アットマーク部分を修正してご使用ください)

     




    賞選考委員会

    JASID Prize Selection

    賞選考委員会は、各年度に選出される学会賞、ポスター表彰の審査を行っています。

    学会賞には、学会賞(大賞)、奨励賞、論文賞、賞選考委員会特別賞の4つの部門があります。

    学会賞は対象期間に出版された優れた著作に、論文賞は学会誌『国際開発研究』をはじめとする国際開発分野の学術誌に発表された優れた論文に与えられます。

    奨励賞は主に若手による業績を、賞選考委員会特別賞は国際開発に関する実務、政策、啓発への貢献を表彰します。毎年度5月頃に、公募がはじめられます。

    ポスター表彰は、春季大会と全国大会のポスターセッションにおける優れた発表を表彰するものです。


    委員長

    澤田康幸 (東京大学)

    委員

    • 佐藤 仁(東京大学)
    • 樹神昌弘(神戸大学)
    • 小川啓一(神戸大学)
    • 澤村 信英(大阪大学)
    • 藤掛 洋子(横浜国立大学)
    • 佐野麻由子(福岡県立大学)

    幹事

    • 加治佐敬(京都大学)
    • 山田浩之(慶応大学)

    関連情報




    学会賞

    『国際開発学会賞』について

    種類

    以下の4つの賞を設けています。

    学会賞

    国際開発の分野での極めて優れた研究で、国際開発研究の発展に重要な学術的貢献が認められる作品に対する賞。

    奨励賞

    若手研究者及び実務家による業績で、優れた将来性のある作品が対象となる賞。

    論文賞

    国際開発の分野における極めて優れた論文を対象とする賞。

    賞選考委員会特別賞

    「学会賞」「奨励賞」の基準には該当しなかったものの、特に顕彰すべき作品があった場合に与えられる賞。

    応募要件

    審査対象文献

    (a) 前々年1月1日から当該年6月30日まで(2年半)のあいだに公表された著作もしくは論文

    (b) 審査対象となる期間に刊行された『国際開発研究』掲載の研究論文(原著論文および総説)・研究ノート調査研究報告

    • 単独研究・共同研究の別は問いません
    • 執筆者:国際開発学会の会員であること(共同研究の場合には主たる執筆者が会員であること)
    • 使用言語:日本語または英語
    • 同じ作品の審査は1回限り
    • 自薦・他薦を問わない

    応募方法

    毎年指定する応募期間内に、所定の宛先に以下のものを送付すること。

    • 応募用紙(指定書式をダウンロード):1作品につき1枚
    • 当該著作:5部(本についてはオリジナル1部、残り4部はコピーでも可)
    • 当該論文:5部(全てコピーでも可)
    • 電子媒体がある場合はあわせて提出

    応募用紙

    応募用紙は以下のリンクからダウンロードして取得してください。

    • 2024年度『国際開発学会賞』応募用紙(word)

    審査方法

    賞選考委員会が、応募のあった著作・論文と『国際開発研究』に掲載された作品を審査し、各賞候補を決定します。

    その後、賞選考委員長が審査結果(候補作品)を常任理事会、理事会に諮り、各賞の受賞作品が決定されます。

    賞選考内規

    1. 会員の研究を奨励し、研究成果の顕彰並びに広報を目的として、国際開発学会では賞を設ける。審査対象は、国際開発にかかわる諸問題に関する研究成果をとりまとめて出版された著作および論文(i)とし、単独研究・共同研究の別を問わない。使用言語は日本語または英語とする。
    2. 賞には、「学会賞」「奨励賞」「論文賞」「賞選考委員会特別賞」を設ける。
    3. 学会賞は、国際開発の分野での極めて優れた研究であり、国際開発研究の発展に重要な学術的貢献が認められる作品を対象とする。
    4. 奨励賞は、若手研究者及び実務家による業績で、優れた将来性のある作品を対象とする。
    5. 論文賞は、国際開発の分野における極めて優れた論文を対象とする。
    6. 上記3,4の賞の基準に該当しないが、特に顕彰すべき作品があった場合は、賞選考委員会特別賞を授与することができる。
    7. 対象文献の執筆者は、国際開発学会の会員であることを要する。共同研究の場合には、主たる執筆者が会員であることを要する。ただし、審査委員会が特に必要と認めた場合には、その限りではない。
    8. 学会賞の選考は年1回とし、審査対象文献は、(a)前々年1月1日から当該年6月30日まで(2年半)に公表され公募に応募された著作もしくは論文(『国際開発研究』に掲載されたものを除く)、および(b)直前の学会賞選考の対象になった巻号以降で前年12月31日までに刊行された『国際開発研究』掲載の研究論文(原著論文および総説)・研究ノート・調査研究報告とする。
      ただし、同じ作品は1回のみ審査する。公募に対する応募者は、別途定める応募期間内に、所定の宛先に、当該著作5部(原本1部、残りはコピーで可)を送付すること。自薦・他薦を問わない。
    9. 賞選考委員会は、応募のあった著作・論文および『国際開発研究』に掲載された作品を審査した上で各賞候補を決定し、その結果を会長に報告する。賞選考委員会委員長は、必要に応じ、同委員会の委員以外の者に意見を求め、審査を依頼することができる。
    10. 委員長は、審査結果を常任理事会、理事会に諮り、各賞の決定を行う。各賞の表彰は、国際開発学会全国大会会員総会において行う。

    (i) ここでいう「出版された著作および論文」とは、ISSNまたはISBN番号が表示された定期刊行物および書籍を指すものとし、論文の場合は査読を経たものとする。

    附則
    2020年 4 月 5 日改訂

    本内規は、2022年 11 月26 日再改訂し、同日より施行する。

    これまでの受賞作品

    過去の受賞作は以下のページでご覧いただけます。


    学会賞に関するお問い合わせ先

    国際開発学会・賞選考委員会事務局




    2020年度学会賞

    加治佐敬

    『経済発展における共同体・国家・市場―アジア農村の近代化にみる役割の変化』日本評論社2020年.


    奨励賞

    谷口美代子

    『平和構築を支援する―ミンダナオ紛争と和平への道』名古屋大学出版会 2020年.

    高柳妙子

    『Informal Learning and Literacy among Maasai Women: Education, Emancipation and Empowerment』Routledge、2020年.


    賞選考委員会特別賞

    萱島信子・黒田一雄

    『日本の国際教育協力―歴史と展望』東京大学出版会 2019年.

    応募くださった皆様、誠にありがとうございました。選考委員一同、応募作を拝読し、本当に沢山のことを学ばせていただきました。

    2020年度・賞選考委員長 伊東早苗




    優秀ポスター発表賞(2020年全国大会)

    優秀賞

    近藤加奈子

    『利用からみる住民の水の選好―モザンビーク農村における水源の多様性と選択に着目して―』


    奨励賞

    隅田姿

    『日本教育における持続可能な開発のための教育(ESD)とグローバル市民教育(GCED)-学習指導要領の内容分析―』




    2019年学会賞受賞作品

    奨励賞

    橋本憲幸

    『教育と他者―非対称性の倫理に向けて―』春風社  2018年.


    特別賞

    岡部恭宜編

    『青年海外協力隊は何をもたらしたか―開発協力とグローバル人材育成50年の成果―』ミネルヴァ書房  2018年.




    優秀ポスター発表賞(2019年春季大会)

    山口(上舘)美緒里

    初等教育におけるICTを活用した遠隔教員研修の成果と課題―バングラデシュのNGO校におけるe-learning研修を事例として―


    田中志歩(奨励賞)

    バングラデシュ丘陵地帯の少数民族における教育開発の可能性と課題―小規模少数民族クミによるノンフォーマル教育学校運営の事例より

    太田美帆(奨励賞)

    陸前高田とゼミ活動の8年間―変わりゆくニーズとの試行錯誤の軌跡―




    優秀ポスター発表賞(2019年全国大会)

    Wang Kexin

    Household Financing on Secondary Education in Cambodia: An Analysis of Household Over-indebtedness on Public Schooling and Supplementary Tutoring

    Thomas Kloepfer

    大麻草産業化による貧困削減のための規制と政策:西ネパール山岳コミュニティーの事例


    羽間久美子(奨励賞)

    タイにおけるSufficiency Economy Philosophyに基づいた教育の効果と課題




    2018年学会賞受賞作品

    奨励賞

    芦田明美 

    The Actual Effect on Enrollment of “Education for All”: Analysis Using Longitudinal Individual Data, Union Press, 2018


    奨励賞

    内海悠二

    「生徒の紛争経験を考慮した教育効果に対する学校要因の分析―東ティモールにおける紛争と全国学力試験を事例として―」『国際開発研究』第26巻・第1号 2017年6月


    特別賞

    (会員執筆者:湖中真哉・内海成治・島田剛他)

    湖中真哉・太田至・孫暁剛編『地域研究からみた人道支援―アフリカ遊牧民の現場から問い直す―』昭和堂 2018年




    優秀ポスター発表賞(2018年全国大会)

    Yiqiong Mai

    ”The Influence of Interactive Learning Materials on Self-Regulated Learning Processes and Outcomes of Primary School Teachers in Mongolia.”


    奨励賞

    飛田八千代

    『セネガルにおける食料消費の傾向について―サンルイ市の女性消費者調査より―』

    薗畠ひとみ

    『熱帯地域における廃棄物起因のベクター発生対策に関する研究―パナマのデング熱とジカウィルス感染症を中心に―』

    畑杏奈

    “Examining the Relationship between Parent Characteristics and Parent Involvement in Early Childhood Education in Cambodia.”