新刊案内「南アフリカへの授業研究の移転に関する研究」

長い間、私にとって海外=欧米先進国であった。私の研究関心も欧米の教育制度、教育実践にあった。

それが一転して開発途上国の教育に関心を向けるきっかけとなったのが、JICA(当時国際協力事業団、現国際協力機構)が南アフリカで実施した教育協力プロジェクト、「ムプマランガ州中等理数科教員再訓練計画」(Mpumalanga
Secondary Science Initiative, 1999-2006)、通称MSSIへの参加であった。

MSSIを一言でいうと、「民主化後の新しい理数科カリキュラムを州内の中等学校に普及させること」と、「州内の中等理数科教員が新しいカリキュラムを実践する指導力を向上させること」を目的とした教育協力プロジェクトであった。

二つの目的を達成する手段として、MSSIは日本で「授業研究」と呼ばれてきた継続的な授業改善のアプローチを学校に定着させようとした。だが、6年余り続いたプロジェクトの終了時、定期的に授業研究(に近いもの)を行っている事例(学校、学校群、教員集団)を確認することはできなかった。

「なぜ、MSSIは『授業研究』を定着させることができなかったのか。」「そもそも、『授業研究』は、開発途上国の授業実践を改善していく上で有効な施策なのか。」この疑問は、MSSIが終了してからも、私の心にずっとくすぶっていた。

こうした疑問を、理論的に、学術の言葉で解明しようとしたのが本書である。    (あとがきより一部抜粋)

目次

序章:研究の背景と研究目的
第1章:MSSI授業研究移転の問題点と研究課題
第2章:MSSIと南アフリカの現職教員研修政策
第3章:授業研究における省察の問題
第4章:教科指導主事の授業省察力育成
第5章:研究のまとめと今後の課題

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本件にかんするお問い合わせ先

小野由美子(早稲田大学教師教育研究所招聘研究員)

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